JP5020766B2 - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents
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しかし、制御装置の最終的に到達する予想温度に基づく制御であることから、温度上昇時定数等が考慮されず、実際には制御装置の温度が動作保証温度の上限値に近づく前にフェールセーフ状態に移行してしまう、すなわち、フェールセーフ状態への移行が早く行われてしまうことになるため、制御装置の性能をその限界近くまで使用することができないという問題がある。特に、通電電流が一時的に大きくなった場合には、より早いタイミングでフェールセーフ状態へと移行してしまい、制御装置の性能を十分に発揮させることができないおそれがある。このため、本来得られるはずの効果が低減され又は得られなくなってしまう。
図1は、本発明による可変動弁装置が適用された車両用内燃機関のシステム構成図である。図1において、内燃機関101の吸気管102には、スロットルモータ103aでスロットルバルブ103bを開閉駆動する電子制御スロットル104が介装され、該電子制御スロットル104及び吸気バルブ105を介して燃焼室106内に空気(新気)が吸入される。
排気バルブ107は、排気カム軸110に設けられたカム111によってバルブ特性(バルブリフト量、バルブ作動角及びバルブタイミング)を一定に保ったまま開閉駆動される。
ここで、VEL機構112は、吸気バルブ105の最大バルブリフト量をバルブ作動角と共に連続的に可変する機構であって、最大バルブリフト量を増大(減少)させると、これに伴ってバルブ作動角も増大(減少)させる。また、VTC機構113は、クランク軸120に対して後述する吸気バルブ駆動軸3の回転位相を変化させることで、吸気バルブ105のバルブ作動角の中心位相を連続的に進遅角変化させる機構である。
本実施形態において、機関101は各気筒に一対の吸気バルブ105,105を有しており、これら吸気バルブ105の上方に、クランク軸120によって回転駆動される吸気バルブ駆動軸3が気筒列方向に沿って回転可能に支持されている。吸気バルブ駆動軸3には、吸気バルブ105のバルブリフタ105aに当接して吸気バルブ105を開閉駆動する揺動カム4が相対回転可能に外嵌されている。VEL機構112は、揺動カム4の姿勢を変化させることで吸気バルブ105の最大バルブリフト量及びバルブ作動角を連続的に変更する。なお、図2では、一対の吸気バルブ105,105の一方についてのみVEL機構112を示すこととし、他方についてはこれを省略している。また、VTC機構113は、吸気バルブ駆動軸3の一端部に配設されている。
また、モータ17(電動アクチュエータ)の駆動を制御して制御軸13の回転角を変化させることにより、ロッカアーム15の揺動中心となる制御カム14の軸心位置が変化して揺動カム4の姿勢が変化する。これにより、吸気バルブ105は、その作動角の中心位相が略一定のままで、バルブリフト量及び作動角が連続的に変化する。
図4において、VELコントローラ115には、バッテリ電圧が供給され、電源回路301を介してCPU302に電源が供給される。また、電源回路301からの電源電圧がバッファ回路303を介して角度センサ127に供給され、該角度センサ127の出力(検出信号)は、入力回路304を介してCPU302に読込まれる。
モータ(電動アクチュエータ)17を駆動するモータ駆動回路305には、モータを正転方向及び逆転方向に駆動するために、CPU302から正転方向のパルス幅変調信号PWM,ポート出力、及び、逆転方向のパルス幅変調信号PWM,ポート出力が入力される。
また、VELコントローラ115は、モータ17の駆動電流を検出する電流検出回路(駆動電流検出部)308と、ECM114との間で通信を行う通信回路309と、を備えている。
モータ17及びモータ駆動回路305は電流が流れることによって発熱する。この発熱量が大きくなってモータ17又はモータ駆動回路305が過熱状態となると、その性能低下(故障を含む)を招き、VEL機構112を適切に作動させることができなくなる。そのため、VELコントローラ115は、モータ17及びモータ駆動回路305の発熱を推定し、モータ17及びモータ駆動回路305が過熱状態となるおそれがあるときは、これを予め回避するようにモータ17の駆動電流を低減させる駆動電流低減制御を実行する。具体的には、複数の期間の各期間における閾値を予め設定しておくと共に、各期間における実効電流を算出し、これらを対応する閾値とそれぞれ比較して、いずれかの実効電流が対応する閾値以上であるときに上記駆動電流制御を実行する。
モータ17及びモータ駆動回路305の発生する熱量は実効電流に応じて変化するが、実際にモータ17やモータ駆動回路305の温度が上昇するまでには時間的な遅れある。このため、より効果的なフェールセーフ処理、すなわち、より適切なタイミングでフェールセーフ処理に移行して、VEL機構112を使用することの効果を十分に得るようにしつつ、モータ17やモータ駆動回路305の性能低下や故障を防止するには、実効電流と経過時間(電流印加時間)とを考慮する必要がある。
本実施形態では、かかる許容実効電流特性に基づき、図5(b)に示すように、複数の期間を設定すると共に、各期間における閾値(実効電流上限値)を設定し、これらの閾値と、実際に算出した各期間における実効電流との比較結果に応じて駆動電流低減制御を実行するか否かを判断する。
図6は、第1の期間(最小期間)である10msにおける実効電流(Ie10)の演算処理を示すフローチャートである。このフローは機関101の始動により開始され、所定のサンプリング周期(最小期間(10ms)の約数となり得る期間が好ましく、本実施形態では2msとする)毎に実行される。
ステップS2では、最小期間である10msが経過したか否か(記憶された駆動電流(I)が5個となったか否か)を判定する。最小期間である10msが経過して記憶された駆動電流(I)が5個となっていればステップS3に進み、最小期間である10msが経過しておらず記憶された駆動電流(I)が5個未満であれば本フローを終了する。ここで、上記記憶された駆動電流(I)の個数は、最小期間(10ms)とサンプリング周期(2ms)とによって決定されるものであり(最小期間/サンプリング周期)、これらが異なれば当然に変化する。
Ie10={(I1 2+I2 2+I3 2+I4 2+I5 2)/5}1/2
ステップS4では、ステップS3で演算した第1実効電流(Ie10)を記憶し、これまで記憶していた駆動電流(I1〜5)をクリアする。
図7において、ステップS11では、第1実効電流Ie10の最新値(Ie10n)を読込む。
ステップS12では、読込んだ第1実効電流の最新値(Ie10n)と、第1の期間である10msにおける閾値(Limit-Current(1))とを比較する。
ステップS13では、第2の期間である30msにおける実効電流(以下「第2実効電流」という)Ie30を演算する。具体的には、直近の3つの第1実効電流(Ie10n,Ie10n−1,Ie10n−2)を読込み、これら読込み値に基づいて次式により第2実効電流Ie30を演算する。
Ie30={(Ie10n 2+Ie10n−1 2+Ie10n−2 2)/3}1/2
ステップS14では、ステップS13で算出された第2実効電流Ie30と、30msにおける閾値(Limit-Current(2))とを比較する。そして、Ie30<Limit-Current(2)であればステップS15に進み、Ie30≧Limit-Current(2)であればステップS25に進む。
Ie50={(Ie10n 2+Ie10n−1 2+・・・+Ie10n−4 2)/5}1/2
ステップS16では、ステップS15で算出された第3実効電流Ie50と、50msにおける閾値(Limit-Current(3))とを比較する。そして、Ie50<Limit-Current(3)であればステップ17に進み、Ie50≧Limit-Current(3)であればステップS25に進む。
Ie150={(Ie10n 2+Ie10n−1 2+・・・+Ie10n−14 2)/15}1/2。
ステップS19では、第5の期間である250msにおける実効電流(以下「第5実効電流」という)Ie250を演算する。すなわち、直近の25個の第1実効電流(Ie10n,Ie10n−1,・・・Ie10n−24)を読込み、これらの読込み値に基づいて次式により第5実効電流Ie250を演算する。
Ie250={(Ie10n 2+Ie10n−1 2+・・・+Ie10n−24 2)/25}1/2。
ステップS21では、第6の期間である750msにおける実効電流(以下「第6実効電流」という)Ie750を演算する。すなわち、直近の75個の第1実効電流(Ie10n,Ie10n−1,・・・Ie10n−74)を読込み、これらの読込み値に基づいて次式により第6実効電流Ie750を演算する。
Ie750={(Ie10n 2+Ie10n−1 2+・・・+Ie10n−74 2)/75}1/2。
ステップS23では、第7の期間である1250msにおける実効電流(以下「第7実効電流」という)Ie1250を演算する。すなわち、直近の125個の第1実効電流(Ie10n,Ie10n−1,・・・Ie10n−124)を読込み、これらの読込み値に基づいて次式により第7実効電流Ie1250を演算する。
Ie1250={(Ie10n 2+Ie10n−1 2+・・・+Ie10n−124 2)/125}1/2。
ステップS25では、設定された各期間における実効電流のいずれかが、対応する閾値以上となっているので、モータ17及びモータ駆動回路305の少なくとも一方が過熱に至るおそれがあると判断し、駆動電流低減制御を実行する。ここで、かかる駆動電流低減制御としては、例えば次のものがある。
これにより、モータ17及びモータ駆動回路305の少なくとも一方が過熱に至るおそれがあると判断されると、バルブ特性がそのときのバルブ特性(状態)に保持されることになり、モータ17の駆動電流が低減される。バルブ特性を保持するだけであれば、バルブ特性を変化させるよりもモータ17の駆動力(駆動電流)が小さくて済むからである。
すなわち、モータ17及びモータ駆動回路305の少なくとも一方が過熱に至るおそれがあるか否かを、所定期間における実効電流と、これと対応する閾値とを比較することによって行うので、モータ17やモータ駆動回路305の温度を検出する温度センサ等を設ける必要がなく、その分のコストを低減できる。
具体的には、図6のステップS3においてIe102(=(I1 2+I2 2+I3 2+I4 2+I5 2)/5)を算出し、これを第1実効電流相当値とし、ステップS4で記憶する。そして、図7のステップS11で第1実効電流相当値Ie102を読込み、ステップS12において、この読込んだ第1実効電流相当値Ie102と、対応する閾値の2乗の値{(Limit-Current(1))2}とを比較するようにする。また、ステップS13では、直近の3つの第1実効電流相当値(Ie10n 2,Ie10n−1 2,Ie10n−2 2)を読込み、これらに基づいて第2実効電流相当値Ie302(=(Ie10n 2+Ie10n−1 2+Ie10n−2 2)/3)を算出し、ステップS14において、この第2実効電流相当値Ie302と、対応する閾値の2乗の値{(Limit-Current(2))2}を比較する。そして、同様にして、第3〜7実効電流相当値を算出し、それぞれを対応する閾値の2乗の値と比較するようにすればよい。
上記実施形態では、可変動弁機構を吸気バルブ105のバルブリフト量及びバルブ作動角を可変するVEL機構112としたが、排気バルブ109のバルブリフト量及びバルブ作動角を可変するものであってもよい。また、電動アクチュエータによって作動してバルブ特性を可変するものであればよく、VEL機構112に限定されない。例えば、電動アクチュエータによって作動して吸気カム軸や排気カム軸のクランク軸に対する回転位相を変化させて吸気バルブ又は排気バルブの開閉タイミングを可変するVTC機構に適用してもよい。
Claims (6)
- 吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方のバルブ特性を可変とする可変動弁機構と、
前記可変動弁機構を作動させる電動アクチュエータと、
前記バルブ特性が機関の運転状態に応じた目標バルブ特性となるように前記電動アクチュエータを制御する制御部と、を有する内燃機関の可変動弁装置において、
前記電動アクチュエータの駆動電流をサンプリング周期ごとに検出する駆動電流検出部と、
検出された駆動電流に基づいて、複数の期間の各期間における実効電流を算出可能な実効電流算出部と、を備え、
前記制御部は、前記各期間に対応する閾値を有し、算出された実効電流が対応閾値以上であるときに、前記電動アクチュエータの駆動電流を低減させる駆動電流低減制御を実行し、
前記複数の期間は、前記サンプリング周期よりも長い最小期間と、この最小期間を複数倍した少なくとも1つの期間とからなり、
前記各期間に対応する閾値は、期間が長いほど小さい値に設定されていることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 前記各期間に対応する閾値は、前記電動アクチュエータ及び該電動アクチュエータの駆動回路の少なくとも一方の周辺温度に応じて可変設定されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
- 前記制御部は、前記バルブ特性をそのときの状態に保持することによって前記電動アクチュエータの駆動電流を低減させることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の可変動弁装置。
- 前記制御部は、前記バルブ特性をそのときの状態に保持した後、予め設定された所定の状態へと変更し、該所定の状態に保持することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の可変動弁装置。
- 前記制御部は、前記バルブ特性を予め設定された所定の状態に保持することで前記電動アクチュエータの駆動電流を低減させることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の可変動弁装置。
- 前記制御部は、前記アクチュエータの駆動電流を、0よりも大きく、かつ、前記複数の期間のうちの最大期間における閾値未満に制限することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の可変動弁装置。
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