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JP5023732B2 - 積層板 - Google Patents
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JP5023732B2 - 積層板 - Google Patents

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Description

本発明は、配線板を製造するために用いる積層板に関する。
電子機器の小型化、軽量化、多機能化に伴い、LSIやチップ部品の形態は多ピン化、小型化へと急速に変化している。これに伴い、電子部品を搭載するプリント配線板は、さらなる配線の微細化の必要性がより高まっている。プリント配線板は、配線の微細化に対して銅はくの厚みを薄くしてエッチング精度を高めることで対応してきたが、この技術の延長線上では低コスト化との兼ね合いもあって限界が生じている。
銅はくの厚みを薄くするために、第1層目の銅はくと第2層目の銅はくとの間に薄膜層を備えた3層構造の金属はくを使用して全体の銅はく厚みを低減する工夫が行われている(例えば、特許文献1を参照)。しかし、薄膜層を形成する工程を新たに取り入れることは工程の煩雑化につながり、また、ゴミの混入も問題となる。
一方、極薄銅はくと呼ばれる全体の厚みが5μm以下の銅はくを取り扱い易いようにプラスチックフィルムやアルミ箔で補強した銅はくが市場で見かけられるようになってきた。しかし、極薄銅は、補強したプラスチックフィルムやアルミ箔を廃棄するため、資源の無駄が多いことや価格も高く、また技術面では、薄いことから銅はく内部のピンホールが完全になくならないなどの課題も多い。
このような背景から、銅はくがない状態で配線を形成するセミアディティブ法が注目されるようになってきた。この工法は、銅はくを使用していない絶縁基板をデスミア処理と呼ばれる化学粗化処理液に接触させて絶縁基板上に凹凸形状を作製し、次いで、電解めっきの供電層である無電解めっき層を形成し、さらにめっきレジストを形成した後に、電解めっきで必要な部分のみをパターンめっきするものである。従って、銅の厚みを任意に調整できることから、微細配線化に有利とされている。また、無電解銅と絶縁基板との接着性を確保するために、通常は無電解めっき下地専用の絶縁樹脂層が基板上に形成されるが、薄型化のために絶縁樹脂層を設けないで基材に直接無電解めっき層を形成するようになってきた。この場合、基材には無電解めっき層との接着性が考慮されていないため、銅はくの粗面化面が樹脂を含浸したプリプレグ側面となるように加圧、加熱して成型し、次いで銅はくを過硫酸アンモニウムなどのエッチング液に接触させて銅を化学的に溶解除去してプリプレグが硬化した基材面に銅はく粗化面のレプリカ面を作製する。このレプリカ面の凹凸による投錨効果で無電解めっきとの接着性を確保する。
このような背景において、銅はく粗化面の凹凸はより小さくなる傾向となっており、レプリカ面の凹凸による投錨効果では無電解めっきとの接着性を確保することが困難になっている。銅はく粗化面の凹凸が小さくなる理由は、配線幅や配線間隔が狭くなるとエッチング液の流れが悪くなり、凹部に残存する銅の溶解除去がしにくくなるからである。レプリカ面の凹凸は、銅はく粗化面の凹凸が小さくなることに加え、デスミア処理工程で樹脂が溶解することからさらに小さくなってしまう。
特開2004−165547号公報
そこで、粗化面の凹凸が小さい銅はくを使用し、デスミア工程を経た状態で無電解銅と高い接着性を確保できる基材が出現すれば、望ましいことである。
本発明は、粗化面の凹凸が小さい銅はくを使用し、デスミア工程を経た状態で無電解銅めっきを行って作製するプリント配線板の製造に用いられる、配線銅と高い接着性を確保できる積層板を提供することを目的とする。
本発明者等は、上述した課題を解決すべく鋭意検討したところ、配線銅との高い接着強度を確保するためには、銅はくを除去して積層板表面に作製したレプリカ面の凹凸がデスミア処理前後で変化しないまたは変化が小さいことが必要である。このためには、積層板に使用する樹脂がデスミア処理液で難溶性を示すことが重要であることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、以下の1〜7の発明が提供される。
1.ガラスクロスに樹脂を含浸し、樹脂を含浸したガラスクロスを必要な厚み分だけ重ねて積層体を成形し、積層体の一方又は両方の表面上に、回路となる表面粗さを有する銅はくを、表面粗さを有する面を積層体の表面に向けて重ねて一緒に加圧、加熱して積層板を成形し、積層板の銅はくを化学的に除去し、この積層板にデスミア処理、無電解銅めっきを施して配線板を製造するのに用いられる積層板であり、ガラスクロスに含浸する樹脂が、第2及び第3炭素原子の少なくともいずれかを主骨格に含まないエポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル、ビスマレイミドのいずれかを必須成分として含み、更にエポキシ樹脂、エポキシ樹脂用硬化剤及び無機フィラーを含有する樹脂組成物であり、デスミア処理後の積層板表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で0.1〜1.5μm、十点平均粗さ(Rz)が1〜6μmである積層板。
2.前記銅はくが、算術平均粗さ(Ra)表示の場合0.2〜1.5μm、十点平均粗さ(Rz)表示の場合1.5〜6μmのいずれかの表面粗さを有する、前記1記載の積層板。
3.前記デスミア処理が、膨潤水溶液の接触工程と過マンガン酸系強アルカリ水溶液の接触工程とを含む、請求項1または2記載の積層板。
4.前記無電解めっきが、無電解めっきの厚みとして0.2〜2μmの範囲であり、その後電解めっきにより所定の配線導体の厚みまで厚付けするものである、前記1〜3のいずれか一に記載の積層板。
5.前記エポキシ樹脂用硬化剤が、エポキシ基1.0当量に対して0.5〜1.5当量配合される、前記1〜4のいずれか一に記載の積層板。
6.前記無機フィラーが全固形文中で20〜80質量%の範囲で配合される、前記1〜5のいずれか一に記載の積層板。
7.前記無機フィラーが平均1次粒子径0.02〜5μmを有する、前記1記載の積層板。
デスミア処理による粗化面の凹凸の変化が小さく、高い凹凸差が保たてられ、無電解銅めっきを行ってプリント配線板を作製する際に、高い投錨効果が発揮されて、配線銅と高い接着性を有する積層板を提供することができる。
本発明の積層板は、デスミア処理による粗化面の凹凸の変化が小さく、デスミア処理後の積層板表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で0.1〜1.5μmであり、十点平均粗さ(Rz)で1〜6μmになるように調整する。
本発明で言う「十点平均粗さ(Rz)」とは、走査距離を10分割した測定値の平均値を算出したものである。
デスミア処理工程前後の粗さが重要になる理由は、銅回路と積層板との接着強度が投錨効果で確保されているからである。この投錨効果は粗さに敏感であり、粗さが小さくなる程、接着強度は小さくなる傾向にある。すなわち、高い接着強度を確保するためには、銅はくを除去して積層板表面に作製した表面粗さががデスミア処理した後にも、変化しないまたは変化が極力小さいことが望ましい。このためには、積層板に使用する樹脂がデスミア処理液で難溶性を示すことが好ましい。
本発明では、銅はくを除去して、さらに、デスミア処理した後の積層板表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で0.1〜1.5μm、十点平均粗さ(Rz)で1〜6μmになるように調整する。算術平均粗さがRaで0.1μm未満及びRzで1μm未満の場合は、投錨効果が不足し積層板表面への銅回路の接着強度が充分でない。また、算術平均粗さがRaで1.5μmを超え及びRzで6μmを超えると粗さが大きいことから、凹凸間に配線形成用レジストや無電解銅が残りやすくなるために、配線形成性が低下する。
上述したデスミア処理後の積層板表面粗さを得るためには、算術平均粗さ(Ra)表示の場合0.2〜1.5μm、十点平均粗さ(Rz)表示の場合1.5〜6μmのいずれかの銅はくを使用するのが好ましい。この理由は、配線の微細化を達成するためには、粗化面の粗さを小さくする必要があるからである。このためには、使用する銅はくの粗化面粗さが重要になる。銅はくの粗化面粗さは、通常のカタログでは十点平均粗さ(Rz)で表示される場合が多いので、十点平均粗さで調整してもよい。例えば、銅はく粗化面粗さで十点平均粗さ(Rz)が4.0μm品は、算術平均粗さ(Ra)が0.7μmであり、この銅はくを使えば本発明の積層板の表面粗さが得られる。
本発明で使用する銅はくは、市販品を使用することができる。本発明で使用することができる銅はくの市販品の例として、古河サーキットフォイル株式会社製商品名F1−WS箔(十点平均粗さRz:1.9μm)、同社商品名F2−WS箔(十点平均粗さRz:2.1μm)、同社商品名F3−WS箔(十点平均粗さRz:2.4μm)、同社商品名GTS−MP箔(十点平均粗さRz:5.5μm)、日本電解株式会社製商品名YGP−9箔(算術平均粗さRa:0.84μm)、同社商品名YGP−12箔(算術平均粗さRa:0.96μm)、同社商品名YGP−18箔(算術平均粗さRa:1.33μm)、株式会社日鉱マテリアルズ社製商品名JTC−9箔(十点平均粗さRz:3.5μm)、同社商品名JTC−12箔(十点平均粗さRz:4.0μm)、同社商品名JTC−18箔(十点平均粗さRz:6.0μm)等を挙げることができる。
本発明の積層板を製造するには、耐薬品性、電気絶縁性、耐熱性、寸法安定性に優れることから、基板としてガラスクロスを用いる。ガラスクロスに樹脂を含浸させ、樹脂を含浸したガラスクロスを所望の厚み分だけ重ねて積層体を成形する。用いる樹脂として、デスミア処理工程で用いる膨潤水溶液や過マンガン酸系強アルカリ水溶液に対して難溶性を示す樹脂組成とすることが好ましい。
積層体の一方又は両方の表面上に、回路となる表面粗さを有する銅はくを、表面粗さを有する面を積層体の表面に向けて重ねて一緒に加圧、加熱して積層板を成形する。次いで、積層板の銅はくを化学的に除去し、この積層板にデスミア処理、無電解銅めっきを施して積層板を製造する。
ガラスクロスに含浸する樹脂として、第2及び第3炭素原子の少なくともいずれかを主骨格に含まないエポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル、ビスマレイミドのいずれかを必須成分として含み、更にエポキシ樹脂、樹脂用硬化剤及び無機フィラーを含有する樹脂組成物を用いる。
エポキシ樹脂としては、エポキシ基数2.0以上のエポキシ樹脂であれば特に制限がなく、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、りん含有エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などが使用可能である。これらのエポキシ樹脂は、液状、固形状または溶剤を含んだ状態のものが使用可能である。
溶剤を使用する場合は、メチルエチルケトン、キシレン、トルエン、アセトン、エチレングリコールモノエチルエーテル、シクロヘキサノン、エチルエトキシプロピオネート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等を使用できる。これらの溶剤は、単独あるいは混合して用いることができる。
これらのエポキシ樹脂の配合量は、溶剤を除いた無機フィラー分を含む全固形成分中で10〜50質量%の範囲が好ましく、より好ましくは15〜40質量%である。エポキシ樹脂の割合が10質量%未満では、塗膜が脆くなるためガラスクロスに樹脂を含浸したプリプレグの状態時の取り扱い性が悪くなる。また、エポキシ樹脂の割合が50質量%を超えると熱膨張率(積層板の厚み方向)が大きくなり、冷熱サイクル試験での接続抵抗が悪化する。
このエポキシ樹脂を硬化する硬化剤も必要である。硬化剤は、エポキシ基と加熱により反応するものであれば特に制限するものではなく、一般的なものが使用できる。例えば、各種フェノール樹脂類、酸無水物類、アミン類、ヒドラジット類などが使用できるが、外層銅との接着性から、ジシアンジアミドが好ましく、耐熱性や絶縁性も考慮するとジシアンジアミドとノボラックフェノールとを併用することがさらに好ましい。
これらのエポキシ樹脂用硬化剤は、エポキシ基1.0当量に対して0.5〜1.5当量を用いるのが好ましい。エポキシ樹脂用硬化剤がエポキシ基に対して0.5当量未満の場合は、煮沸処理後のはんだ耐熱性が低下し、1.5当量を超えると、硬化不足からデスミア処理液への溶解性が大きくなり、レプリカ形状を維持できなくなったり、Tgや絶縁性が低下したりする。
本発明では、デスミア処理前後のレプリカ形状の変化量を抑制する重要な役割を果たす成分として、第2及び第3炭素原子の少なくともいずれかを主骨格に含まないエポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル、ビスマレイミドのいずれか、又はこれらの混合物を樹脂組成内に成分として含むことが好ましい。ポリフェニレンエーテルは、変性PPEとも呼ばれるものであり、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルの共重合ポリマーが使用可能であり、両末端を水酸基、エポキシ基、シアネト基、スチレン等で変性した樹脂も使用可能である。
ビスマレイミドとしては、4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、ポリフェニルメタンマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、ビスフェノール A ジフェニルエーテルビスマレイミド、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミドのいずれかが使用可能である。
第2及び第3炭素原子の少なくともいずれかを主骨格に含まないエポキシ樹脂としては、−CH基や−CH基を主鎖に含まないものが挙げられ、ビフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、キサンテン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記の第2及び第3炭素原子の少なくともいずれかを主骨格に含まないエポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル、ビスマレイミドの配合量は、いずれの樹脂も溶剤を除いた無機フィラー分を含む全固形成分中で0.3〜10質量%の範囲が好ましい。
第2及び第3炭素原子の少なくともいずれかを主骨格に含まないエポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル又はビスマレイミドの配合量が0.3質量%未満の場合、レプリカ形状の変化量を抑制する効果が小さいため銅回路と積層板との接着強度が0.5kN/m以下となり、回路が剥がれる等の不具合が生じる。逆に、配合量が10質量%を超えると、各特性に及ぼす悪影響が顕著になる。例えば、ポリフェニレンエーテルの配合量が10質量%を超えると、はんだ耐熱性が低下し、ビスマレイミドと第2及び第3炭素原子の少なくともいずれかを主骨格に含まないエポキシ樹脂の配合量が10質量%を超えると、煮沸水処理後のはんだ耐熱性が低下する。
本発明において、無機フィラーとして、平均1次粒子径で0.05〜5μmの材料を用いることが好ましい。平均1次粒子径が0.05μm未満の場合は、フィラーが溶剤と接触した段階で凝集しやすくなり、絶縁特性の低下を招きやすくなる。他方、平均1次粒子径が5μmを超える場合も、同様に絶縁特性が低下しやすくなる。
無機フィラーの具体例は、シリカ、水酸化アルミニウム、タルク、クレー、酸化チタン、チタン酸バリウム、炭酸カルシウム、珪酸ジルコニウム等であるが、積層板とした時の低熱膨張率化や高はんだ耐熱性の観点から、シリカを用いるのが最も好ましい。これらの無機フィラーは、固形(粉体)のままでも、溶剤に分散した状態のいずれでも使用が可能である。また、必要に応じて無機フィラーをカップリング剤等で処理してもよい。シリカは、破砕シリカ、合成球状シリカのいずれも使用が可能であるが、流度分布の均一性の点からは合成球状シリカが好ましい。
無機フィラーの配合量は、全固形分中で20〜80質量%の範囲が好ましく、より好ましくは30〜70質量%である。無機フィラーの割合が20質量%未満では、熱膨張率が大きくなり前記したような接続抵抗の悪化が生じる。一方、無機フィラーはデスミア処理液に溶解しやすい性質があるため、80質量%を超える配合量となるとデスミア処理前後のレプリカ形状の維持が困難になりやすい。
以上説明したガラスクロスに含浸する樹脂には、その他の成分として、ガラスクロスと樹脂との濡れ性を改善するシランカップリング剤、樹脂側に接触している銅はく面の加熱による酸化を抑制する酸化防止剤、硬化促進助剤、難燃剤等を、本発明の効果を阻害しない範囲の量で加えてよい。
ガラスクロスに含浸する樹脂組成物は、溶剤に溶解させてガラスクロスに含浸させる。この溶剤としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、キシレン、トルエン、アセトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、シクロヘキサノン、エチルエトキシプロピオネート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等を使用できる。これらの溶剤は、単独あるいは混合系でもよい。
この溶剤の前記樹脂に対する割合は、従来使用している割合でよく、ガラスクロスに含浸する付着量にあわせてその使用量を調整する。本発明における樹脂組成物は、ガラスクロスに含浸させた後に、乾燥してB−ステージ化した状態のプリプレグを得る。
このプリプレグの作製方法は、公知の技術を使用してよく、特に制限しない。また、乾燥条件は、溶剤が揮発し、ガラスクロスを銅箔と加熱、加圧して積層する際に溶融する程度にゲルタイムで調整する。
次いで、プリプレグを所望の積層板の厚みとなるように必要枚数を重ね合わせ、銅はくを積層板の片面、若しくは両面に設置して加熱、加圧して積層する。積層条件は、通常のエポキシ樹脂系の積層板と同条件で行うことが出来る、例えば、35℃から昇温速度3℃/分で50分間で昇温させて185℃にし、その温度に圧力2.0〜3.0MPaで60〜90分間保持し、その後室温まで30分間で冷却して積層板を作製する。
前記したガラスクロスに含浸する樹脂をガラスクロスに含浸せずに、前記の銅はくへ塗布して乾燥してBステージ化して、この樹脂付き銅はくをエポキシ樹脂系、シアネートエステル樹脂、ベンゾオキサゾール樹脂系のいずれかの樹脂に含浸し、Bステージ化したプリプレグと一緒に加圧、加熱して積層板を作製することもできる。樹脂の銅はくへの塗布は既存の方法のロールコート、グラビアコート等を用いることができる。乾燥条件は溶剤が揮発する条件であればよく、乾燥は、例えば70〜120℃で2〜15分間行う。
樹脂の厚みは、乾燥後10〜100μmの範囲となるように樹脂分あるいはコーターのギャップ等を調整する。この樹脂付き銅はくと一緒に加圧、加熱するプリプレグは、エポキシ樹脂系、シアネートエステル樹脂、ベンゾオキサゾール樹脂系の何れでも使用でき、樹脂の限定はしない。
作製した積層板に、電気的な接続孔を、ドリルやレーザーなどの公知の技術を利用して形成する。この電気的な接続孔は、銅をエッチング除去した後に形成してもよい。次いで、銅はくをエッチング除去する。このエッチングは化学的に金属を溶解するものであり、銅の場合、塩化第2鉄/塩酸水溶液、過硫酸アンモニウム水溶液、硫酸/過酸化水素水水溶液など公知の技術を使用して銅を溶解、除去する。そして、デスミア処理と無電解めっき工程へ移行する。
デスミア処理は、膨潤水溶液の接触工程と過マンガン酸系強アルカリ水溶液の接触工程とを含むのが好ましい。膨潤水溶液の接触工程は、銅を除去した積層板をアルコールとアルカリとの混合水溶液で処理する工程である。このアルコールとアルカリとの混合水溶液は、ジエチレングリコールモノブチルエーテルと水酸化ナトリウムとを混合した水溶液である。混合水溶液の割合は、例えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが100〜400ml/l、水酸化ナトリウムが1〜10g/lであり、市販品としても入手可能である。例えば、セキュリガントP(アトテックジャパン株式会社製、商品名)、サーキュポジットMLBコンディショナー211(ローム&ハースジャパン株式会社製、商品名)等であり、スウェラー液とも呼ばれるものである。
膨潤水溶液への積層板の接触方法としては、スプレイ方式、ディップ方式、噴流方式などが利用可能であり、その条件は、ディップ方式の場合、60〜90℃で2〜20分間膨潤水溶液に浸漬する。
その後、水洗工程を経て、過マンガン酸系強アルカリ水溶液の接触工程へと移る。この過マンガン酸系強アルカリ水溶液は、例えば、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム等の酸化性剤とアルカリ源の水酸化ナトリウムとを水に溶解したものである。その割合は、過マンガン酸ナトリウムまたは過マンガン酸カリウムが30〜80g/l、水酸化ナトリウムが20〜60g/lである。
そのような酸化性剤とアルカリ源とを水に溶解した水溶液は、市販品としても入手可能であり、例えば、コンセントレートコンパクトCP(アトテックジャパン株式会社製、商品名)、サーキュポジットMLBプロモーター213(ローム&ハースジャパン株式会社製、商品名)等であり、マンガンエッチング液とも呼ばれるものである。
過マンガン酸系強アルカリ水溶液への積層板の接触方法としては、例えば、スプレイ方式、ディップ方式、噴流方式などが利用可能である。例えば、ディップ方式の場合、積層板を60〜90℃の過マンガン酸系強アルカリ水溶液に4〜30分間浸漬する。
その後、マンガンを中和するために、例えば、硫酸ヒドロキシルアミン水溶液、硫酸/過酸化水素水水溶液を用いて、40〜45℃で3〜10分間処理する。このような中和剤は、市販品としても入手可能であり、リダクションソリューションセキュリガントP−500(アトテックジャパン株式会社製、商品名)、MLBニュートライザー216(ローム&ハースジャパン株式会社製、商品名)等が挙げられる。
次いで、無電解めっきの前処理工程へ移行するが、これらの工程は公知の手法を取り入れることが可能である。例えば、積層板を、日立化成工業(株)から販売されているコンディショナー液(商品名CLC−501)100ml/lの水溶液中60℃で5分間処理し、水洗し、プリディップ液(商品名PD−201)水溶液中室温(25℃)で3分間処理し、金属パラジウム液(商品名HS−202B)を含んだ水溶液中室温(25℃)で10分間処理し、水洗し、活性化処理液(商品名ADP−501)水溶液中室温(25℃)で5分間処理する。
これらの前処理工程を経て、積層板上に無電解めっき層を形成する。この無電解めっき層は、無電解めっき液に前記無電解めっきの前処理した基板を接触させることで作製できる。この接触方式としては、水平搬送型、ディップ型等があるが、いずれを用いてもよい。
また、無電解めっきの厚みは、0.2〜2μmの範囲とすることが好ましい。無電解めっきの厚みが0.2μm未満では、はんだ耐熱性が低下し、他方、厚みが2μmを超えると、析出は無電解めっき銅と積層板との間でふくれが生じやすくなるため好ましくない。無電解めっき液の種類は、特に限定するものではなく、市販のロッシェル塩系、EDTA系の下地用無電解銅めっき液が使用可能である。下地用無電解銅めっき液として、例えば、Cust−201、Cust−1160、Cust−4600(日立化成工業株式会社製、商品名)、スルカップPEA(上村工業株式会社製、商品名)、OPCカッパーH(奥野製薬株式会社製、商品名)等が使用できる。
そして、基板を、水洗し、乾燥し、電解めっき銅を用いて必要な厚みまでめっきアップし、セミアディティブ工法の場合なら、めっきレジストの剥離、テンティング法などのサブトラクティブ工法の場合なら、銅を過硫酸アンモニウムなどの液により溶解・除去(エッチング)して配線導体を作製して配線板を得る。
以下、本発明を実施例に従い、詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
(1)ガラスクロス含浸用樹脂の作製
以下に示す組成のガラスクロス含浸用樹脂を作製した。
・ノボラックフェノール型エポキシ樹脂、N−770(大日本インキ株式会社製、商品名) 30g
・ノボラックフェノール樹脂、HP−850(商品名、日立化成工業株式会社製)
16g
・ジシアンジアミド(日本カーバイド株式会社製、商品名) 0.04g
・シリカ、SO−G1、平均粒径0.2〜0.4m(商品名、アドマテックス株式会社製) 48g
・酸化防止剤、ヨシノックスBB(商品名、株式会社エーピーアイコーポレーション製) 0.6g
・ポリフェニレンエーテル、PPO SA120(商品名、日本ジーイープラスチック株式会社製) 6g
・溶剤、メチルエチルケトン(試薬) 80g
(2)銅張り積層板の作製
(1)で作製した樹脂を厚みが0.2mmのガラスクロス(坪量210g/m2)に含浸し、160℃で3分間加熱して半硬化(Bステージ状態)のプリプレグを得た。このプリプレグを4枚重ね、その両側に18μmの商品名F2−WS銅はく(Rz:2.0μm、Ra:0.3μm)を重ね、175℃、90分、2.5MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した。
(3)めっき銅付き積層板の作製
(2)で作製した銅張り積層板を過硫酸アンモニウム150g/lの水溶液に40℃で20分間浸漬して銅はくをエッチング除去した。次いで、この銅はくを除去した積層板を一部抜き取り、この試料について(株)キーエンス社製超深度形状測定顕微鏡VK−8500型により、測定長さ149μm、倍率2000倍、分解能0.05μmの条件で測定長さ149μm中の算術平均粗さ(Ra)と十点平均粗さ(Rz)を求めた。
次いで、試料の抜き取りをしていない積層板を膨潤水溶液のサーキュポジットMLBコンディショナー211(ローム&ハースジャパン株式会社製、商品名)にディップ法で80℃で5分間浸漬処理した。さらに、流水洗の室温で3分間処理後、過マンガン酸強アルカリ水溶液としてサーキュポジットMLBプロモーター213(ローム&ハースジャパン株式会社製、商品名)を用いて、同じくディップ法にて80℃で10分間浸漬処理した。
次いで、中和液としてMLBニュートライザー216(ローム&ハースジャパン株式会社製、商品名)を用いて、ディップ法で40℃で5分間浸漬処理した。流水洗の室温−3分間処理後、コンディショナー液のCLC−501(商品名、日立化成工業株式会社製)を用いて60℃で5分間処理し、流水洗し、プリディップ液PD−201(商品名、日立化成工業株式会社製)水溶液中室温−3分間処理し、金属パラジウム液HS−202B(商品名、日立化成工業株式会社製)を含んだ水溶液中で室温で10分間処理し、水洗し、活性化処理液ADP−501(商品名、日立化成工業株式会社製)水溶液中で室温−5分間処理した。そして、無電解銅めっき液として、Cust−201を用いて、ディップ法にて室温―15分間浸漬処理により無電解銅厚0.5μmの下地銅を積層板の両面に形成し、さらに電解銅にて銅厚み20μmまでめっきアップした。
そして、感光性ドライフィルムH−9638(商品名、日立化成工業株式会社製)をラミネートして、ライン/スペース30/30μmが形成してあるフォトマスクを介して露光し(50mj/cm2)、1重量%の炭酸ナトリウムで現像し、過硫酸アンモニウムでレジストが付いてない部分を除去して配線パターン形成性を調べた。この配線パターン形成性は、配線幅とスペース幅が設計値(30/30μm)に対してプラスマイナス10%以内の変動であり、かつ形成した配線パターン内の絶縁抵抗が1010Ω以上を○とした。
一方、配線幅とスペース幅が設計値(30/30μm)に対してプラスマイナス10%以上の変動であり、かつ形成した配線パターン内の絶縁抵抗が1010Ω以下を×とした。また、銅回路との接着強度、288℃のはんだ耐熱性試験を測定し、さらに銅をエッチング除去した部分の表面について、(株)キーエンス社製超深度形状測定顕微鏡VK−8500型により、測定長さ149μm、倍率2000倍、分解能0.05μmの条件で測定長さ149μm中の算術平均粗さ(Ra)と十点平均粗さ(Rz)を求めた。
なお、接着強度と288℃はんだ耐熱性試験とは、下記の方法で測定した:
・銅回路と積層板の接着強度
前記(2)で作製した試料の銅を、銅幅10mm、長さ100mmのラインにエッチングで加工し、この一端を剥がしてつかみ具でつかみ、JIS−C−6421に準拠して垂直方向に約50mm室温中で引き剥がした時の荷重を測定した。
・288℃はんだ耐熱性
前記(2)で作製した試料を25mm角に切断し、288℃±2℃に調整したはんだ浴に浮かべ、ふくれが発生するまでの時間を調べた。
実施例2
実施例1(1)の樹脂組成において、ポリフェニレンエーテルをビスマレイミド、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンBMI−5100(商品名、大和化成工業株式会社製)に配合量は変えずに置き換えた。その他は、実施例1と同様にして行った。
実施例3
実施例1(1)の樹脂組成において、第2及び第3炭素原子の少なくともいずれかを主骨格に含まないエポキシ樹脂として、ナフタレン型エポキシ樹脂HP−4032(大日本インキ株式会社製、商品名)に配合量は変えずに置き換えた。その他は、実施例1と同様にして行った。
実施例4
実施例1において、銅はくをF2−WSからJTC12μm(Rz:4μm、Ra:0.7μm、商品名、株式会社日鉱マテリアルズ製)に変更した。その他は、実施例1と同様にして行った。
実施例5
実施例1において、無電解めっきをCust−201からCust−1160に置き換え、無電解めっきを35℃で15分間行い、無電解めっき銅厚み0.8μmを得た。その他は、実施例1と同様にして行った。
実施例6
実施例1(1)で作製した樹脂をガラスクロスに含浸せずに、銅はくの粗化面側にロールコータを用いて、ロール間ギャップ180μmで塗布した。そして、110℃で10分間乾燥して、乾燥後の樹脂膜厚が50μmとなるようにした。この樹脂付き銅はくを、LX−67プリプレグ(商品名、日立化成工業株式会社製)と4枚重ねで一緒に加圧加熱した。プレスを、210℃、90分、2.5MPaの条件で行った。その他は、実施例1と同様にして行った。
実施例7
実施例1(1)の樹脂組成において、シリカ、SO−G1の配合量を24gとし、新たに水酸化アルミニウムH−42M(商品名、昭和電工株式会社製)を30g配合した。その他は、実施例1と同様にして行った。
実施例8
実施例1(1)の樹脂組成において、ビスマレイミド、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’− ジフェニルメタンBMI−5100(商品名、大和化成工業株式会社製)を3g追加した。その他は、実施例1と同様にして行った。
比較例1
実施例1(1)の樹脂組成において、ポリフェニレンエーテルだけを除去した。その他は、実施例1と同様にして行った。
比較例2
実施例1において、銅はくをF2−WSからYGP−18μm(Rz:7.5μm、Ra:1.33μm、商品名、日本電解株式会社製)に変更した。その他は、実施例1と同様にして行った。
比較例3
実施例1(1)の樹脂組成において、熱硬化剤の使用量をエポキシ基に対して0.39当量とした以下に示す組成を用いた。その他は、実施例1と同様にして行った。
・ノボラックフェノール型エポキシ樹脂、N−770(大日本インキ株式会社製、エポキシ当量189):46g
・ノボラックフェノール樹脂、HP−850(商品名、日立化成工業株式会社製、水酸基当量102):9.6g
・ジシアンジアミド(日本カーバイド株式会社製、アミン当量:21):0.02g
・シリカ、SO−G1、平均粒径0.2〜0.4m(商品名、アドマテックス株式会社製):48g
・酸化防止剤、ヨシノックスBB(商品名、株式会社エーピーアイコーポレーション製):1.6g
・ポリフェニレンエーテル、PPO SA120(商品名、日本ジーイープラスチック株式会社製):6g
・溶剤、メチルエチルケトン(試薬):80g
これらの実施例と比較例とにおいて、デスミア処理後の算術平均粗さ(Ra)及び十点平均粗さ(Rz)を測定した。また、銅回路との接着強度、288℃はんだ耐熱性試験、ライン/スペース30/30μmの配線形成性を評価した。
その結果を表1、表2に示す。表1、2中の算術平均粗さ(Ra)、十点平均粗さ(Rz)の単位は「μm」である。
Figure 0005023732
Figure 0005023732
表1、2中、くし形パターについては、図1に示す。
表1、2から明らかなように、比較例1では、デスミア処理後の十点平均粗さRzが本発明の範囲外であり、この場合、接着強度値が小さかった。
比較例2では、デスミア処理後の積層板についての算術平均粗さRaおよび十点平均粗さRzが本発明の範囲外であり、この場合、ライン/スペースがショートした。
比較例3では、デスミア処理後の算術平均粗さおよび十点平均粗さRzが本発明の範囲外であり、この場合、接着強度値が小さかった。
これに対し、実施例1〜8では、接着強度、288℃はんだ耐熱性及びライン/スペースのすべてが良好であった。
本発明は、電子部品を搭載するプリント配線板を製造するのに用いられる積層板として好適に使用することができる。
くし形パターンについて示す。

Claims (7)

  1. ガラスクロスに樹脂組成物を含浸し、前記樹脂組成物を含浸したガラスクロスを必要な厚み分だけ重ねて積層体を成形し、前記積層体の一方又は両方の表面上に、回路となる表面粗さを有する銅はくを、表面粗さを有する面を前記積層体の表面に向けて重ねて一緒に加圧、加熱して積層板を成形し、前記積層板について、前記銅はくを化学的に除去した後、デスミア処理、無電解銅めっきを施して配線板を製造するのに用いられる積層板であって、
    前記樹脂組成物が、第2及び第3炭素原子の少なくともいずれかを主骨格に含まないエポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル及びビスマレイミドの少なくもといずれかの樹脂と、エポキシ樹脂(但し、前記第2及び第3炭素原子の少なくともいずれかを主骨格に含まないエポキシ樹脂を除く)と、エポキシ樹脂用硬化剤と、無機フィラーと、を含み、
    前記第2及び第3炭素原子の少なくともいずれかを主骨格に含まないエポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル及びビスマレイミドの少なくともいずれかの樹脂の含有量が、前記樹脂組成物の固形成分中、0.3〜(6×100/100.64)重量%であり、
    前記デスミア処理後の積層板表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で0.1〜1.5μm、十点平均粗さ(Rz)が1〜6μmである積層板。
  2. 前記銅はくが、算術平均粗さ(Ra)表示の場合0.2〜1.5μm、十点平均粗さ(Rz)表示の場合1.5〜6μmのいずれかの表面粗さを有する、請求項1記載の積層板。
  3. 前記デスミア処理が、膨潤水溶液の接触工程と過マンガン酸系強アルカリ水溶液の接触工程とを含む、請求項1または2記載の積層板。
  4. 前記無電解めっきが、無電解めっきの厚みとして0.2〜2μmの範囲であり、その後電解めっきにより所定の配線導体の厚みまで厚付けするものである、請求項1〜3のいずれか一に記載の積層板。
  5. 前記エポキシ樹脂用硬化剤が、エポキシ基1.0当量に対して0.5〜1.5当量配合される、請求項1〜4のいずれか一に記載の積層板。
  6. 前記無機フィラーが全固形文中で20〜80質量%の範囲で配合される、請求項1〜5のいずれか一に記載の積層板。
  7. 前記無機フィラーが平均1次粒子径0.05〜5μmを有する、請求項1記載の積層板。
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