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JP5023905B2 - ステアリングホイールおよびその製造方法 - Google Patents
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Description

一対の分割体を溶着させてなる装飾部材により少なくとも一部が被覆されたステアリングホイールおよびその製造方法に関する。
車両用ステアリングホイールにあっては、その美的外観を向上すべく装飾部材をリムに被覆したものが知られている。この装飾部材としては、例えば外表面に木目模様が印刷された樹脂製の筒状被覆部からなるものがある。一般に筒状被覆部は、半割状に分割された一対の分割体からなるとともに、その一対の分割体同士を接合させて一体化することにより形成される。そして、このような分割体を接合させる構成としては、接合する部位を接触させた状態で振動を与えることにより分割体の一部を摩擦熱で溶融させ、この溶融させた樹脂が冷却されて硬化することにより両分割体を溶着させるものが提案されている(特許文献1、特許文献2)。
特許文献1では、一方の分割体の溶着される端面に凸条を形成するとともに他方の分割体の溶着される端面には凹溝を形成し、それらを係合させて位置決めをした上で溶着させる構成が記載されている。また、特許文献2においては、一対の分割体の溶着される端面の双方に形成した凸部の頂面同士を当接させた状態で振動させ、同頂面の先端側から溶融させた樹脂により両分割体を溶着させる構成が記載されている。
特開2002−103451号公報 特開2004−306671号公報 実開平5−36671号公報
ところで、上述のように一対の分割体を溶着により一体化させて装飾部材を形成する場合には、その美的外観を損なわないようにするためにリム外表面を滑らかな曲面に仕上げる必要がある。例えば一対の分割体がずれた状態で溶着した場合には、美的外観が害されるだけでなく、両分割体の接合面積が所定の接合面積よりも小さくなるため、接合強度が低下する虞もある。そのため、一対の分割体を所定の位置で溶着させるために正確に位置決めする必要がある。
ここで、特許文献1においては位置決めをする構成として、係合させるための凸条と凹溝とが形成されているが、これら凸条と凹溝との係合の容易さを考慮すると、凹溝の開口幅は凸条の幅よりも多少大きく設定する必要がある。このため、凸条と凹溝とを隙間なく係合させることができず、両者が所望の位置からずれる虞がある。
また、特許文献2においては、溶着時に押圧される頂面の近傍に回避部を設けることで、頂面先端側から溶融した樹脂が該回避部に流入して硬化できる構成となっている。しかし、このような構成にあっては、頂面同士が押圧されているだけであるため、両者が所望の位置からずれる虞がある。
なお、一対の分割体同士の正確な位置決めを行うものとして、例えば特許文献3に記載のように、一方の分割体の溶着される端面に凸条が形成されるとともに、他方の分割体の溶着される端面に凹溝が形成され、同凸条の先端のみが同凹溝の口端に落ち込んで支持された状態となるように設計された構成が提案されている。しかし、同構成によれば、凹溝の口端に凸条の先端が落ち込む状態で正しく接触させた場合には正確な位置決めができるものの、前記凹溝の口端に前記凸条の先端が落ち込むように両者を接触させられなかった場合や、与えられた振動等により前記凸条の先端が前記凹溝の口端から抜け出てしまった場合には、所定の位置に修正させることが難しい。このようなことは、ステアリングホイールに適用するための比較的大型の分割体を接合させる場合には特に顕著な問題となり得る。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、装飾部材を形成する一対の分割体同士を正確な位置で溶着させることのできるステアリングホイールおよびその製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は一対の分割体を振動溶着させてなる装飾部材により少なくとも一部が被覆されたステアリングホイールにおいて、前記一対の分割体の一方に形成されて先側ほど幅の狭い凸条と他方に形成されて底側ほど幅の狭い凹溝とが溶着されてなり、前記凸条は、該凸条の基端側で、前記凸条および前記凹溝の延びる方向に垂直な断面において、断面略長方形状に形成された第1の凸部分と、該凸条の先端側で、前記断面において、断面略三角形状に形成された第2の凸部分とからなるとともに、前記凹溝は、該凹溝の口側で、前記断面において、断面略長方形状に形成された第1の凹み部分と、該凹溝の底側で、前記断面において、断面略三角形状に形成された第2の凹み部分とからなり、記断面において前記第2の凸部分の両外斜面のなす角度が前記第2の凹み部分の両内斜面のなす角度よりも小さく形成されてなるとともに、前記断面において前記第1の凸部分の基端の幅が前記第1の凹み部分の口端の幅よりも小さく形成されてなることを要旨とする。
上記構成によれば、一対の分割体の一方に形成されて先側ほど幅の狭い凸条と他方に形成されて底側ほど幅の狭い凹溝とが溶着されているとともに、前記凸条および前記凹溝の延びる方向に垂直な断面において前記凸条の第2の凸部分の両外斜面のなす角度が前記凹溝の第2の凹み部分の両内斜面のなす角度よりも小さく形成されているため、凸条の先端が凹溝の底側へと導かれた状態とすることができる。その結果、一対の分割体同士が正確な位置で溶着された状態とすることができる。なお、凸条の第2の凸部分の両外斜面のなす角度および凹溝の第2の凹み部分の両内斜面のなす角度は、凸条のうち両外斜面部分のなす角度および凹溝のうち両内斜面部分のなす角度をそれぞれいうものとする。
また、前記凸条および前記凹溝の延びる方向に垂直な断面において前記凸条の第1の凸部分の基端の幅が前記凹溝の第1の凹み部分の口端の幅よりも小さく形成されているため、凸条の先端が凹溝の底側へと導かれた状態とすることができる。その結果、一対の分割体同士が正確な位置で溶着された状態とすることができる。
具体的には、請求項2に記載されるように、前記凸条および前記凹溝の延びる方向に垂直な断面において、前記第2の凸部分の両外斜面のなす角度が50〜90°であり、前記第2の凹み部分の両内斜面のなす角度が110〜160°であるといった構成を採用することができる。
具体的には、請求項に記載されるように、前記凸条および前記凹溝の延びる方向に垂直な断面において、前記第1の凸部分の基端の幅が0.8〜1.1mmであり、前記第1の凹み部分の口端の幅が0.9〜1.2mmであるといった構成を採用することができる。
請求項に記載の発明は、一対の分割体を溶着させてなる装飾部材により少なくとも一部が被覆されたステアリングホイールの製造方法において、前記一対の分割体の一方に先側ほど幅の狭い凸条を形成するとともに他方に底側ほど幅の狭い凹溝を形成する成形工程と、前記形成された凸条と凹溝とを係合させる工程と、前記一対の分割体の少なくとも一方に振動を加えて前記係合させた凸条と凹溝とを溶着させる工程とを備え、前記成形工程は、前記一方の分割体に、前記凸条および前記凹溝の延びる方向に垂直な断面において断面略長方形状となる第1の凸部分を形成するとともに、前記第1の凸部分の先端側に、前記断面において断面略三角形状となる第2の凸部分を形成することにより前記凸条を形成する工程と、前記他方の分割体に、前記断面において断面略長方形状となる第1の凹み部分を形成するとともに、前記第1の凹み部分の底側に、前記断面において断面略三角形状となる第2の凹み部分を形成することにより前記凹溝を形成する工程とを備え、前記成形工程は、前記断面において、前記第1の凸部分の基端の幅が前記第1の凹み部分の口端の幅より小さくなるように成形するとともに、前記第2の凸部分の両外斜面のなす角度が前記第2の凹み部分の両内斜面のなす角度よりも小さくなるように成形する工程であることを要旨とする。
上記成形工程によれば、前記一対の分割体の一方に先側ほど幅の狭い凸条が形成されるとともに他方に底側ほど幅の狭い凹溝が形成され、前記凸条および前記凹溝の延びる方向に垂直な断面において前記凸条の第2の凸部分の両外斜面のなす角度が前記凹溝の第2の凹み部分の両内斜面のなす角度よりも小さく成形される。また、前記凸条および前記凹溝の延びる方向に垂直な断面において前記凸条の第1の凸部分の基端の幅が前記凹溝の第1の凹み部分の口端の幅よりも小さく成形される。そして、前記形成された凸条と凹溝とが係合され、前記一対の分割体に振動が加えられて前記係合された凸条と凹溝とが溶着されるため、溶着時に振動を加えた際に凸条の先端を凹溝の底側へと導くことができる。その結果、装飾部材を形成する一対の分割体同士を正確な位置で溶着させることができる。
具体的には、請求項に記載されるように、前記成形工程は、前記第2の凸部分の両外斜面のなす角度を50〜90°とするとともに同両外斜面の高さを0.6〜1.0mmとし、前記第2の凹み部分の両内斜面のなす角度を110〜160°とするとともに同両内斜面の深さを0.08〜0.3mmとするといった工程を採用することができる。なお、第2の凸部分の両外斜面の高さおよび第2の凹み部分の両内斜面の深さは、凸条および凹溝の係合方向に関する第2の凸部分の両外斜面部分の高さおよび第2の凹み部分の両内斜面部分の深さをそれぞれいうものとする。
具体的には、請求項に記載されるように、前記成形工程は、前記凸条および前記凹溝の延びる方向に垂直な断面において、前記第1の凸部分の基端の幅を0.8〜1.1mmとするとともに前記第2の凸部分の両外斜面の高さを0.6〜1.0mmとし、前記第1の凹み部分の口端の幅を0.9〜1.2mmとするとともに前記第2の凹み部分の両内斜面の深さを0.08〜0.3mmとするといった構成を採用することができる。
一対の分割体を溶着させてなる装飾部材により少なくとも一部が被覆されたステアリングホイールにおいて、装飾部材を形成する一対の分割体同士を正確な位置で溶着させることができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図1〜5を参照して説明する。
同図1に示されるように、車両の運転席の前方に位置するステアリングシャフトSには、ステアリングホイール1が回動可能に取り付けられている。このステアリングホイール1は、その上部が車両の前方側に位置するように適宜の角度で傾斜する状態となっている。なお、以下の説明では、図1のステアリングホイール1が非操作状態にあるとともに、同図1の上方が車両上方側に相当するものとする。また、左右方向は車両前進時の左右方向と一致するものとする。
ステアリングホイール1は略円形状のリム2と、その中央に配置されたパッド3と、リム2とパッド3とを連結する複数(本実施形態では3本)のスポーク4とを備えている。
また、これらリム2、パッド3、スポーク4の内部には、ステアリングホイール1の骨格をなす芯金がそれぞれ配設されている。この芯金は、ステアリングシャフトSが連結されるボス11と、ステアリングシャフトSをその中心とする略円形状のリム部芯金12と、そのリム部芯金12とボス11とを連結する複数(本実施形態では3本)のスポーク部芯金14とによって構成されている。なお、これら芯金を構成するボス11、リム部芯金12、スポーク部芯金14は、いずれもアルミニウムおよびマグネシウムの合金によって一体形成されている。
リム2には、図2(a)(b)に併せて示すように、リム部芯金12の外面を被覆する被覆部としてのリム被覆部20を備えている。このリム被覆部20は、リム部芯金12の外面の全体を覆う軟質被覆部21と、この軟質被覆部21の外周表面の一部(本実施形態では3箇所)を覆う筒状被覆部22(22a,22b,22c)とを有している。具体的には、上方部(A−A間)に筒状被覆部22aが設けられ、左下方部(B−B間)に筒状被覆部22bが設けられ、右下方部(C−C間)に筒状被覆部22cが設けられている。これら筒状被覆部22が装飾部材に相当する。
筒状被覆部22の外表面には、例えば木目調などが施されたシート状の化粧板23が貼着されている(図2(a))。なお、筒状被覆部22は、その外表面に所定の模様が印刷されたものなど、任意に使用可能である。一方、筒状被覆部22が設けられていない部分では、筒状被覆部22の肉厚にほぼ相当する分だけ、軟質被覆部21の径が大きく設定されている(図2(b))。これにより、筒状被覆部22はその両端部(A部,B部,C部)が軟質被覆部21と接触するとともに、リム2の全周がほぼ一定の外径を有するように形成されている。なお、軟式被覆部21は、例えば発泡ポリウレタン等の軟質材料で構成されるとともに、筒状被覆部22は、例えばABS樹脂,ポリアミド(PA),ポリプロピレン(PP),ポリカーボネート(PC)とABS樹脂とのアロイ等の硬質樹脂材料から構成されている。
筒状被覆部22は、一対の分割体31,32から構成されるとともに、それら分割体31,32の接合端面31a,32a同士が接合されることにより、筒状に形成される。また、分割体31にはリム2の外周に沿って(図1の一点鎖線で示す方向)凸条が形成されるとともに、分割体32にはリム2の外周に沿って(図1の一点鎖線で示す方向)凹溝が形成されている。
図3は図2において示される断面図の一点鎖線A内構造を拡大して示すとともに、両分割体31,32の接合前の凸条33の形状を二点鎖線で示している。この二点鎖線と凹溝34の両内斜面34cとに囲まれる部分の凸条33の樹脂は、溶着時に溶融して凹溝34内および接合端面31a,32a間に広がって硬化している。なお、図2および図3は、凸条33および凹溝34の延びる方向に垂直な断面に相当する。
同図3に示されるように、凸条33は、その基端33bにおいて接合端面31aから垂直に延設されて断面略長方形をなす凸部分33Bと、その先において先側33aほどその幅が狭くなるように延設されて断面略二等辺三角形をなす凸部分33Aとを有している。具体的には、凸部分33Bの延設長L1は0.2mmに形成されるとともに、凸条33の凸部分33Aの両外斜面33cのなす角度θ1は65°に形成されている。
凹溝34は、接合端面32aから垂直に切除されて断面略長方形をなす凹み部分34Bと、その先において底側34aほどその幅が狭くなるように切除されて断面略二等辺三角形をなす凹み部分34Aとを有している。具体的には、凹み部分34Bの深さL2は0.2mmに設定されるとともに、凹み34の凹み部分34Aの両内斜面34cのなす角度θ2は145°に設定されている。すなわち、凸条33の両外斜面33cのなす角度θ1が凹溝34の両内斜面34cのなす角度θ2よりも小さくなるように形成されている。
また、凸条33および凹溝34の延びる方向に垂直な断面において凸条33の基端33bの幅W1が凹溝34の口端34bの幅W2よりも小さく形成されている。なお、凸条33の基端の幅W1と凹溝34の口端の幅W2は、凸条33および凹溝34の延びる方向に直交するステアリングホイール1の径方向の長さ、すなわち図3の左右方向の長さに相当する。
次に、ステアリングホイール1の製造方法について図4,図5を参照して説明する。これら図4および図5は、凸条33および凹溝34の延びる方向に垂直な断面に相当する。なお、以下の説明において図1〜図3に示される部材と対応する部材には同一の符号を付している。
同図4に示されるように、分割体31,32は、軟質被覆部21を挟み込むことのできる形状に、すなわち断面が略半円形状の部材によって前記ステアリングホイール1のリム2に沿った略円弧形状に、例えば射出成形によりそれぞれ成形される。すなわち、略円弧形状とは、図1のA−A間,B−B間,C−C間にそれぞれ相当する形状である。そして、一方の分割体31の接合端面31aには凸条33を、他方の分割体32の接合端面32aには凹溝34を形成する。
同図5に示されるように、凸条33は、その基端33bにおいて接合端面31aから垂直に延設されて断面略長方形をなす凸部分33Bと、その先において先側33aほどその幅が狭くなるように延設されて断面略二等辺三角形をなす凸部分33Aとを有するように形成される。具体的には、凸部分33Bの延設長L1は0.2mmになるとともに、凸部分33Aの両外斜面33cのなす角度θ1は65°、同凸部分33Aの高さH1は0.8mmになるように形成される。なお、高さH1は、接合端面31aに垂直な方向に関する凸部分33Aの延設長に相当する。
また、凹溝34は、接合端面32aから垂直に切除されて断面略長方形をなす凹み部分34Bと、その先において底側34aほどその幅が狭くなるように切除されて断面略二等辺三角形をなす凹み部分34Aとを有するように形成される。具体的には、凹み部分34Bの深さL2は0.2mm、凹み部分34Aの両内斜面34cのなす角度θ2は145°、同部分34Aの深さH2は0.2mmになるように形成される。なお、深さH2は、接合端面32aに垂直な方向に関する凹み部分34Aの深さに相当する。
すなわち、先側33aほどその幅が狭く形成される凸条33の両外斜面33cのなす角度θ1が、底側34aほどその幅が狭く形成される凹溝34の両内斜面34cのなす角度θ2よりも小さくなるよう形成される。ここで、上記幅は、凸条33および凹溝34の延びる方向に直交するステアリングホイール1の径方向の長さ、すなわち図5の左右方向の長さに相当する。なお、凸条の両外斜面のなす角度および凹溝の両内斜面のなす角度は、凸条33のうち両外斜面33c部分のなす角度θ1および凹溝34のうち両内斜面34c部分のなす角度θ2をそれぞれいうものとする。また、凸条の両外斜面の高さおよび凹溝の両内斜面の深さは、凸条33および凹溝34の係合方向に関する凸条33の両外斜面33c部分の高さH1および凹溝34の両内斜面34c部分の深さH2をそれぞれいうものとする。
また、凸条33および凹溝34の延びる方向に垂直な断面において凸条33の基端33bの幅W1が凹溝34の口端34bの幅W2よりも小さく成形される。
これら凸条33および凹溝34は、実験等に基づき好適な形状に設定される。具体的には、凸条33の先端Aが凹溝34の底側で最も深いB点と接触することができるように凸部分33Bの延設長L1および凸部分33Aの高さH1が設定されるとともに、凹み部分34Bの深さL2および凹み部分34Aの深さH2が設定される。ここで、凸条33の先端Aが凹溝34の底側で最も深いB点と接触する状態で凸条33と凹溝34とが係合される場合に溶着される状態が、一対の分割体31,32同士を正確な位置で溶着させた状態、すなわちリム2の外表面に段差がなく滑らかな状態になるように凸条33および凹溝34の形状を設定する。
また、凹溝34の両内斜面34cのなす角度θ2は、後述する溶着工程において、内斜面34cに沿って凸条33の先端Aが凹溝34の底側34aへと、すなわち底のB点に近づくように自然に導かれるために適する傾度に設定することが望ましい。
さらに、分割体31と分割体32との溶着強度と溶着時間についても考慮して凸条33および凹溝34の形状を設定することが望ましい。具体的には、一対の分割体31,32の接着強度は、凹溝34の内壁に接触して凸条33の先端部分から溶融する樹脂の容積に関連することを考慮する。例えば、凸条33の角度θ1と凹溝34の角度θ2との角度差が大きくなることにより溶融樹脂容積が増大すると、両分割体31,32の接着強度は増大する。しかし、それとともに両分割体31,32の溶着に要する時間も増大して加工効率が悪化するため、所望とする接着強度が得られる適度な角度に角度θ1と角度θ2とを設定することが望ましい。なお、凸条33の先端は細いほど同先端部に超音波エネルギが集中するために溶着が迅速且つ容易になることも考慮するとよい。
一方、ボス11とリム部芯金12とスポーク部芯金14とを、周知のダイカスト成形法により一体に成形する。次いで、例えば発泡成型法等を用い、一体成形されたリム部芯金12に軟質被覆部21を成形するとともに、スポーク部芯金14にスポーク部被覆部24を成形する。続いて軟質被覆部21に被覆されたリム部芯金12を、ボス11,スポーク部芯金14等とともに超音波溶着装置の所定の位置にセットする。
そして、上記のように予め成形されて化粧板23が貼着された分割体31,32によって軟質被覆部21を挟み込ませ、且つ凸条33の先端Aが凹溝34の凹みに真っ直ぐに落ち込むように係合させて超音波溶着装置の所定の位置にセットする。その後、分割体31,32が互いに近づく方向(凸条33および凹溝34の係合方向)に1000kg程度の圧力を加えつつ超音波溶着装置によって超音波を発振する。この超音波による振動は、両分割体31,32の接合端面31aおよび32aが加圧される方向に、すなわち凸条33および凹溝34の係合方向に与えられる。なお、超音波溶着装置の出力等は実験等に基づき好適な条件を設定する。
このように振動が与えられることにより、凸条33と凹溝34との接触部分に摩擦が生じて摩擦熱が発生し、この摩擦熱によって凹溝34の内壁に接触している凸条33の先端Aから樹脂が溶融する。そして、凸条33の先端の溶融が進行するに従って両分割体31,32が互いに接近するとともに、接合端面31a,32a間または凹溝34内で溶融した樹脂が冷却されて硬化することにより両分割体31,32が溶着される。この溶着工程は、分割体31の内周面31bおよび分割体32の32bが軟質被覆部21の外周面21aとそれぞれ当接する状態で完了する(図4参照)。
以上詳述した本実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)ステアリングホイール1において、一対の分割体31,32の一方の分割体31に形成されて先側33aほど幅の狭い凸条33と他方の分割体32に形成されて底側34aほど幅の狭い凹溝34とが溶着されているとともに、凸条33および凹溝34の延びる方向に垂直な断面において凸条33の両外斜面33cのなす角度θ1が凹溝34の両内斜面34cのなす角度θ2よりも小さく形成されているため、凸条33の先端のAが凹溝34の底のB点へと導かれた状態とすることができるようになる。したがって、リム2を被覆する一対の分割体31,32同士が正確な位置で溶着された状態とすることができる。
また、一対の分割体31,32の一方の分割体31に形成されて先側33aほど幅の狭い凸条33と他方の分割体32に形成されて底側34aほど幅の狭い凹溝34とが溶着されているとともに、凸条33および凹溝34の延びる方向に垂直な断面において凸条33の基端33bの幅W1が凹溝34の口端34bの幅W2よりも小さく形成されているため、凸条33の先端のAが凹溝34の底のB点へと導かれた状態とすることができるようになる。したがって、リム2を被覆する一対の分割体31,32同士が正確な位置で溶着された状態とすることができる。
(2)ステアリングホイール1の製造方法において、一対の分割体31,32の一方の分割体31に先側33aほど幅の狭い凸条33が形成されるとともに他方の分割体32に底側34aほど幅の狭い凹溝34が形成され、且つ凸条33および凹溝34の延びる方向に垂直な断面において凸条33の両外斜面33cのなす角度θ1が凹溝34の両内斜面34cのなす角度θ2よりも小さく成形される。そして、凸条33と凹溝34とが係合されるとともに一対の分割体31,32に振動が加えられて、係合された凸条33と凹溝34とが溶着される。
これにより、溶着時に振動を加えた際に凸条33の先端Aを凹溝34の底側34aへと底のB点に近づくように導くことができるようになる。すなわち、例えば超音波溶着装置にセットする際や振動が与えられている際に凸条33の先端Aが凹溝34の底のB点からずれて内斜面34cのいずれかに位置する場合であっても、両内斜面34cが底側34aほど幅の狭い斜面であるため、凸条33の先端Aが内斜面34cに沿ってその底側34aへと自然と導かれるようにすることができる。したがって、凸条33の先端Aが凹溝34の底のB点に近接した状態で一対の分割体31,32が溶着されることとなるため、分割体31の接合端面31aと分割体32の接合端面32aとがずれた位置で溶着されることを抑制することができる。その結果、装飾部材である筒状被覆部22を形成する一対の分割体31,32同士を正確な位置で溶着させることができるようになる。すなわち、リム2の外表面を滑らかな曲面に仕上げることができるようになる。
また、一対の分割体31,32の一方の分割体31に先側33aほど幅の狭い凸条33が形成されるとともに他方の分割体32に底側34aほど幅の狭い凹溝34が形成され、且つ凸条33および凹溝34の延びる方向に垂直な断面において凸条33の基端33bの幅W1が凹溝34の口端34bの幅W2よりも小さく成形される。そして、凸条33と凹溝34とが係合されるとともに一対の分割体31,32に振動が加えられて、係合された凸条33と凹溝34とが溶着される。これにより、溶着時に振動を加えた際に凸条33の先端Aを凹溝34の底側34aへと底のB点に近づくように導くことができるようになる。
(3)凸条33の両外斜面33cのなす角度θ1が鋭角の65°に形成されるとともに、凹溝34の両内斜面34cのなす角度θ2が鈍角の145°に形成されるため、凸条33と凹溝34との係合工程において容易に係合させることができるようになる。
(4)凸条33は、先端33a側ほどその幅が狭い断面略二等辺三角形状に形成されるため、溶着工程において、同先端部に超音波エネルギが集中させて一対の分割体31,32の溶着を迅速且つ容易にすることができる。
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・上記実施形態のステアリングホイール1において、凸条33の両外斜面33cのなす角度θ1は65°、凹溝34の両内斜面34cのなす角度θ2は145°である例を示したが、角度θ1が角度θ2よりも小さく形成されていればよく、これらの形状は適宜変更することができる。具体的には、上記目的を達するために好適な条件として、例えば角度θ1が50〜90°の範囲に、角度θ2が110〜160°の範囲に含まれるように形成することができる。
・また、ステアリングホイール1の製造方法の凸条33および凹溝34を形成する工程において、凸条33の両外斜面33cのなす角度θ1は65°、凹溝34の両内斜面34cのなす角度θ2は145°とするとともに、凸条33の高さH1を0.8mm、凹溝34の深さを0.2mmとする例を示したが、角度θ1が角度θ2よりも小さく形成されていればよく、これらの形状は適宜変更することができる。具体的には、上記目的を達するために好適な条件として、例えば角度θ1が50〜90°の範囲に、角度θ2が110〜160°の範囲に含まれるとともに、高さH1が0.6〜1.0mmの範囲に、深さH2が0.08〜0.3mmの範囲に含まれるように凸条33および凹溝34をそれぞれ形成することもできる。
・上記実施形態のステアリングホイール1において、凸条33および凹溝34の形状を、凸条33の両外斜面33cのなす角度θ1、凹溝34の両内斜面34cのなす角度θ2によりそれぞれ特定する例を示したが、凸条33の基端の幅W1と凹溝34の口端の幅W2により特定することもできる。この場合に好適な条件として、具体的には、幅W1は0.8〜1.1mmの範囲に、幅W2は0.9〜1.2mmの範囲に含まれるような構成とすることができる。
・上記実施形態のステアリングホイール1の製造方法の凸条33および凹溝34を形成する工程において、凸条33および凹溝34の形状を、凸条33の両外斜面33cのなす角度θ1、凹溝34の両内斜面34cのなす角度θ2によりそれぞれ特定する例を示したが、凸条33の基端33bの幅W1と凹溝34の口端34bの幅W2により特定することもできる。この場合に好適な条件として、具体的には、幅W1は0.8〜1.1mmの範囲に、幅W2は0.9〜1.2mmの範囲に含まれるような形状に凸条33および凹溝34をそれぞれ形成する工程を採用することができる。さらに、凸条33の両外斜面33cの高さH1が0.6〜1.0mmの範囲に、凹溝34の両内斜面34cの深さH2が0.08〜0.3mmの範囲に含まれるように凸条33および凹溝34をそれぞれ形成する工程を採用することもできる。
・凸条33および凹溝34を形成する工程において、凸条33および凹溝34の断面形状を略二等辺三角形に形成する例を示した。しかし、凸条の断面形状が先側ほど幅が狭い形状であるとともに、凹溝の断面形状が底側ほど幅が狭い形状であればよく、略二等辺三角形に限られない
・凸条33および凹溝34は、ステアリングホイール1の径方向において一対の分割体31,32の接合端面31a,32aのほぼ中央に形成する例を示したが、一方に偏って形成することもできる。例えば図6のように、分割体61の側面61bの縁に寄った凸条63を形成する態様を採用することもできる。この凸条63は、上記実施形態と同様に、その基端63bにおいて接合端面61aから垂直に延設されて断面略長方形をなす凸部分63Bと、その先において先側63aほどその幅が狭くなるように延設されて断面略二等辺三角形をなす凸部分63Aとを有するように形成される。そして、この凸部分63Bの一方の側面63dは、分割体61の側面61bと同一平面となるように形成されている。
一方、この凸条63に係合させる凹溝64は、接合端面62aから垂直に切除されて断面略長方形をなす凹み部分64Bと、その先において底側64aほどその幅が狭くなるように切除されて断面略二等辺三角形をなす凹み部分64Aとを有するように形成される。さらに、凸条63および凹溝64を係合させる際に分割体61の側面61bに沿ってまたは所定のクリアランスを有して配置されるリブ65が形成される。このリブ65の一方の側面65aは、凹み部分64Bの内壁と同一平面になるように形成される。
このような場合にあっては、一対の分割体61,62を超音波溶着装置にセットする際において両分割体61,62の相互の位置決めをリブ65により容易にすることができる。また、溶着工程においては、凸条63の先端Aが凹溝64の底のB点からずれて内斜面64cのいずれかに位置する場合であっても、両内斜面64cが底側64aほど幅の狭い斜面であるため、凸条63の先端Aが内斜面64cに沿ってその底側64aへと自然と導かれるようになる。したがって、凸条33の先端Aが凹溝64の底のB点に近接した状態で一対の分割体61,62が溶着されることとなるため、分割体61の接合端面61aと分割体62の接合端面62aとがずれた位置で溶着されることを抑制することができる。
なお、筒状被覆部の一対の分割体それぞれの断面形状が、その全周で同形状である必要はなく、例えばリブ65が所定の間隔ごとに形成されてもよい。また、上記とは逆に凸条63を形成する分割体61にリブを形成する態様を採用してもよい。
・一対の分割体31,32同士を溶着させる工程として超音波溶着を行う例を示したが、振動を与えて溶着をさせる方法であればよく、例えば振動溶着法等を採用することもできる。
また、同じく溶着させる工程として、両分割体31,32をお互いに加圧する方向に沿って、すなわち接合端面31a,32aに対して垂直方向振動を与える例を示したが、他の方向に、例えば凸条33および凹溝34が延びる方向に沿って振動を与える方法を採用することもできる。この際、分割体31,32の一方のみを振動させてもよいし、両分割体31,32を互いに異なる方向に変位するように振動させてもよい。この場合であっても、振動に伴って凸条33の先端Aが所望の位置である凹溝34の底のB点からずれた場合に、本実施形態と同様に凹溝34の両内斜面34cに沿って凸条33の先端Aの位置が底のB点まで自然と導かれるようになり一対の分割体31,32同士を正確な位置で溶着させることができるようになる。
本発明にかかるステアリングホイールを具体化した一実施形態。 (a)は図1のX1−X1線断面図、(b)は図1のX2−X2線断面図。 図2(a)の一点鎖線A内構造を拡大して示す断面図。 図2(a)において筒状被覆部が溶着する前の構造を示す分解断面図。 (a)は図4の一点鎖線B内構造を拡大して示す断面図、(b)は図4の一点鎖線C内を拡大して示す断面図。 (a)(b)本発明にかかるステアリングホイールおよびその製造方法の変形例を示す部分拡大断面図
符号の説明
1…ステアリングホイール、2…リム、3…パッド、4…スポーク、11…ボス、12…リム部芯金、14…スポーク部芯金、20…リム被覆部、21…軟質被覆部、22…筒状被覆部、23…化粧板、24…スポーク部被覆部、31,32,41,42,52,61,62…分割体、33,43,63…凸条、34,44,54,64…凹溝、65…リブ、θ1…凸条の両外斜面のなす角度,θ2…凹溝の両内斜面のなす角度。

Claims (6)

  1. 一対の分割体を振動溶着させてなる装飾部材により少なくとも一部が被覆されたステアリングホイールにおいて、
    前記一対の分割体の一方に形成されて先側ほど幅の狭い凸条と他方に形成されて底側ほど幅の狭い凹溝とが溶着されてなり、
    前記凸条は、該凸条の基端側で、前記凸条および前記凹溝の延びる方向に垂直な断面において、断面略長方形状に形成された第1の凸部分と、該凸条の先端側で、前記断面において、断面略三角形状に形成された第2の凸部分とからなるとともに、前記凹溝は、該凹溝の口側で、前記断面において、断面略長方形状に形成された第1の凹み部分と、該凹溝の底側で、前記断面において、断面略三角形状に形成された第2の凹み部分とからなり、
    記断面において前記第2の凸部分の両外斜面のなす角度が前記第2の凹み部分の両内斜面のなす角度よりも小さく形成されてなるとともに、前記断面において前記第1の凸部分の基端の幅が前記第1の凹み部分の口端の幅よりも小さく形成されてなる
    ことを特徴とするステアリングホイール。
  2. 請求項1に記載のステアリングホイールにおいて、
    記断面において、前記第2の凸部分の両外斜面のなす角度が50〜90°であり、前記第2の凹み部分の両内斜面のなす角度が110〜160°である
    ことを特徴とするステアリングホイール。
  3. 請求項1又は2に記載のステアリングホイールにおいて、
    記断面において、前記第1の凸部分の基端の幅が0.8〜1.1mmであり、前記第1の凹み部分の口端の幅が0.9〜1.2mmである
    ことを特徴とするステアリングホイール。
  4. 一対の分割体を溶着させてなる装飾部材により少なくとも一部が被覆されたステアリングホイールの製造方法において、
    前記一対の分割体の一方に先側ほど幅の狭い凸条を形成するとともに他方に底側ほど幅の狭い凹溝を形成する成形工程と、
    前記形成された凸条と凹溝とを係合させる工程と、
    前記一対の分割体の少なくとも一方に振動を加えて前記係合させた凸条と凹溝とを溶着させる工程と
    を備え
    前記成形工程は、前記一方の分割体に、前記凸条および前記凹溝の延びる方向に垂直な断面において断面略長方形状となる第1の凸部分を形成するとともに、前記第1の凸部分の先端側に、前記断面において断面略三角形状となる第2の凸部分を形成することにより前記凸条を形成する工程と、前記他方の分割体に、前記断面において断面略長方形状となる第1の凹み部分を形成するとともに、前記第1の凹み部分の底側に、前記断面において断面略三角形状となる第2の凹み部分を形成することにより前記凹溝を形成する工程とを備え、
    前記成形工程は、前記断面において、前記第1の凸部分の基端の幅が前記第1の凹み部分の口端の幅より小さくなるように成形するとともに、前記第2の凸部分の両外斜面のなす角度が前記第2の凹み部分の両内斜面のなす角度よりも小さくなるように成形する工程である
    ことを特徴とするステアリングホイールの製造方法。
  5. 請求項に記載のステアリングホイールの製造方法において、
    前記成形工程は、前記断面において、前記第2の凸部分の両外斜面のなす角度を50〜90°とするとともに同両外斜面の高さを0.6〜1.0mmとし、前記第2の凹み部分の両内斜面のなす角度を110〜160°とするとともに同両内斜面の深さを0.08〜0.3mmとする
    ことを特徴とするステアリングホイールの製造方法。
  6. 請求項に記載のステアリングホイールの製造方法において、
    前記成形工程は、前記断面において、前記第1の凸部分の基端の幅を0.8〜1.1mmとするとともに前記第2の凸部分の両外斜面の高さを0.6〜1.0mmとし、前記第1の凹み部分の口端の幅を0.9〜1.2mmとするとともに前記第2の凹み部分の両内斜面の深さを0.08〜0.3mmとする
    ことを特徴とするステアリングホイールの製造方法。
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