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JP5024006B2 - 画像処理プログラム及び画像処理装置 - Google Patents
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Description

本発明は、入力されたディジタル画像を二値化するための画像処理プログラム等に関し、特に、太い文字等の中抜けの問題を解決でき、突発的なノイズの影響を抑えることのできる画像処理プログラム等に関する。
従来、各画素が多値の濃度階調値を有する画像データを二値化することが行なわれている。当該処理では、所定の閾値が設定されて、当該閾値より大きい濃度階調値を有する画素は白画素に、当該閾値より小さい濃度階調値を有する画素は黒画素に変換される。かかる画像の二値化処理は、画像をOCRで読み取る際に、帳票などを判別する際に、また、データ量を小さくして保存する際などに用いられる。
下記特許文献1には、従来の単に一定閾値と比較して白黒を決定する方法での問題点に鑑み、文字の潰れやかすれがない品質の良い二値化データを得ることを目的とした二値化装置等が提案されている。具体的には、注目画素を中心にした所定領域内の最大階調値を求め、それと注目画素の値との差が閾値よりも小さければ白とし、閾値よりも大きければ黒とする処理が示されている。
特開平7−325916号公報
しかしながら、上記特許文献1では、広い範囲が黒く塗り潰されているような画像の場合、その画像の中の部分では、注目画素と周辺画素との差が小さいので白画素に変換されてしまい、いわゆる画像の中抜けという問題が発生してしまう。これに対し、所定の閾値によって二値化した画像と合成することが提案されているが、文字等の黒として残したい上記広く塗り潰された画像が、元々明るい色であった場合には、上記合成する二値化画像で中抜け部分を黒とするために、その閾値を高くする必要があり、その結果、不必要な部分まで黒として残ってしまう可能性が高く、やはり課題がある。
また、画像に突発的なノイズが存在することがあるが、当該ノイズは、上記注目画素を中心とした所定領域内で最大階調値となりやすいので、上記方法はノイズの影響を受けやすい方法であり、判断を誤る可能性がある。
そこで、本発明の目的は、入力されたディジタル画像を二値化するための画像処理プログラムであって、太い文字等の中抜けの問題を解決でき、突発的なノイズの影響を抑えることのできる画像処理プログラム、等を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明の一つの側面は、画素が多値の階調値を有する画像データを二値化する処理をコンピュータに実行させる画像処理プログラムが、処理対象の前記画素である注目画素と前記階調値が一定差以上ある画素が1以上検知されるまで、前記注目画素に近い前記画素から、概ね前記注目画素から離れていく方向に、各画素を走査し、当該走査した画素と前記注目画素の前記階調値の差分が前記一定差以上であるか否かを判定する差分判定ステップと、前記検知された階調値が一定差以上ある画素の値に応じて、前記注目画素の二値化後の値を決定する二値化処理ステップと、を前記コンピュータに実行させる、ことである。
更に、上記の発明において、好ましい態様は、前記差分判定ステップにおける各画素の走査が、前記注目画素と階調値が一定差以上ある画素であって、前記注目画素の階調値よりも階調値の小さい画素が2以上検知されるまで、あるいは、前記注目画素と階調値が一定差以上ある画素であって、前記注目画素の階調値よりも階調値の大きい画素が2以上検知されるまで行なわれる、ことを特徴とする。
更に、上記の発明において、好ましい態様は、前記差分判定ステップにおける各画素の走査は、前記注目画素と階調値が一定差以上ある画素の検知が完了していなくても、前記画像データの全画素を走査した場合、あるいは、所定数の画素を走査した場合には終了し、当該場合には、前記二値化処理ステップにおいて、前記注目画素の二値化後の値が予め定められた値に決定される、ことを特徴とする。
更に、上記の発明において、一つの態様は、前記差分判定ステップにおける各画素の走査は、前記走査の方向において、所定方法により画素を間引いて行なわれる、ことを特徴とする。
上記の目的を達成するために、本発明の別の側面は、画素が多値の階調値を有する画像データを二値化する処理を実行する画像処理装置が、処理対象の前記画素である注目画素と前記階調値が一定差以上ある画素が1以上検知されるまで、前記注目画素に近い前記画素から、概ね前記注目画素から離れていく方向に、各画素を走査し、当該走査した画素と前記注目画素の前記階調値の差分が前記一定差以上であるか否かを判定する差分判定手段と、前記検知された階調値が一定差以上ある画素の値に応じて、前記注目画素の二値化後の値を決定する二値化処理手段とを有する、ことである。
本発明の更なる目的及び、特徴は、以下に説明する発明の実施の形態から明らかになる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。なお、図において、同一又は類似のものには同一の参照番号又は参照記号を付して説明する。
図1は、本発明を適用した画像処理装置の実施の形態例に係る機能構成図である。図1に示す画像処理装置2が本発明を適用した画像処理装置であり、処理対象画素との階調値の差が所定値以上となる周辺画素が1以上検知されるまで、当該処理対象画素の近くに位置する画素から順番に、処理対象画素から概ね離れていく方向へ周辺画素を走査し、上記検知された階調値差が所定値以上となる周辺画素の値に応じて当該処理対象画素の二値化を実行し、前述した中抜けの問題を解決すると共に、突発的なノイズの影響を抑えようとするものである。
図1に示す本実施の形態例に係るシステムは、二値化対象画像の原稿を読み取る、いわゆるスキャナである画像読み取り装置1と、そのホスト装置であるホストコンピュータ等に備えられる上記画像処理装置2とから構成される。
画像読み取り装置1は、ユーザ操作などに従って上記原稿の画像を光学的な方法により読み取り、読み取った画像をディジタル画像として出力する。このディジタル画像は、各画素が各色の濃度階調値を有する画像データとなっており、カラー画像として読み取った場合には、例えば、各画素がRGB各色の濃度階調値(例えば、0〜255の256階調)で表現される。また、グレースケールで読み取った場合には、1次元の濃度階調値(例えば、0〜255の256階調)で表現される。画像読み取り装置1では、このような画像データを画像処理装置2に供給する。
次に、画像処理装置2は、上述の通り、前記画像読み取り装置1のホストコンピュータ内に構築される。当該ホストコンピュータは、いわゆるパーソナルコンピュータなどで構成することができ、図示していないが、CPU、ROM、RAM、ハードディスク、他装置とのインターフェースなどを備える。
図1に示すとおり、画像処理装置2は、機能的には、差分判定部21及び二値化処理部22を有し、前記画像読み取り装置1から供給される画像データに対して、ユーザ指示等に基づき、二値化処理を実行し、その結果の出力画像を出力する。これら各部21〜22は、上記ホストコンピュータのROMに格納される各種プログラム、当該プログラムに従って処理を実行する上記CPU、及び上記RAM等で構成される。なお、当該プログラムが本発明を適用した画像処理プログラムに相当し、例えば、上記画像読み取り装置1のドライバプログラムとして備えられる。また、当該プログラムは、CDなどの記憶媒体に格納されているものをホストコンピュータにインストールする、あるいは、所定のサイトからインターネットなどを介してホストコンピュータにダウンロードする、ことによってホストコンピュータに備えることができる。
差分判定部21は、上記プログラムに従ったCPUの処理で、各画素の二値化を行うために、処理対象画素(注目画素)の周辺画素を順次走査し、注目画素と各周辺画素との濃度(輝度)階調値の差を所定の閾値と比較していく部分である。具体的な処理内容は後述するが、当該差分判定部21の上記走査方法に本画像処理装置2の特徴を有する。なお、前記画像読み取り装置1から供給される画像データがカラーデータである場合には、当該差分判定部21において、画像データをグレーデータに変換する処理を実行する。
次に、二値化処理部22は、上記プログラムに従ったCPUの処理で、上記差分判定部21の判定結果に基づく各画素の二値化処理を実行する部分である。当該処理にも本画像処理装置2の特徴を有し、その具体的な内容については後述する。
以上説明したような構成を有する本実施の形態例に係る画像処理装置2では、以下に示すような内容で各処理が実行される。
まず、前記画像読み取り部1から処理対象データが入力されると、差分判定部21が、当該入力された画像データがカラーデータであるかグレーデータであるかを判断し、グレーデータである場合には、そのまま、上記RAM等に格納する。
一方、入力されたデータがカラーデータである場合には、グレーデータへの変換処理を行なう。例えば、入力された画像データがRGBで表現されている場合には、下記(1)式により、各画素のグレースケールでの濃度階調値Y(言い換えれば、輝度の階調値)を求める。
Y=(R+G+B)/3 (1)
なお、R、G、Bは、各画素が有する各色の濃度階調値であり、例えば、それぞれ、0〜255のいずれかの値をとる。また、(1)式では、R、G、Bのそれぞれに1/3の混合比率を用いているが、これら3つの比率の合計が1であれば、(1)式と異なる比率としてYを求めても良い。
そして、求めたグレーデータの画像データは、上記RAM等に格納される。
図2は、グレーデータへ変換後の処理対象画像を例示した図である。図2の左側に示す例には、薄い色の(階調値の高い)背景に黒ではないが濃い色の(階調値の低い)文字(ABC)が描かれており、また、右側に示す例には、濃い色の(階調値の低い)背景に白色の文字(ABC)が描かれている。
このような画像データが準備されると、差分判定部21及び二値化処理部22は、対象とする画像データの各画素について、以下のような差分判定及び二値化の処理を実行する。なお、以下の処理は、例えば、画像データの左上の画素から順番に全ての画素について実行される。
図3は、差分判定部21及び二値化処理部22が行なう差分判定及び二値化の処理を例示したフローチャートである。以下、図3に基づいて、1画素についての差分判定及び二値化の処理について説明する。
まず、処理対象画素が決定されると、差分判定部21は、当該処理対象画素(注目画素)の周辺画素を走査する(ステップS1)。この時点では、最初の周辺画素の走査であるので、注目画素に最も近い一つの周辺画素が走査される。当該周辺画素の走査(S1)は、後述するように、一つの注目画素に対して継続して複数回実行されることになるが、その走査は、注目画素からの距離が近いものから順番に行なわれる。
図4は、当該走査の順番を例示した図である。図4において、「0」で示す画素が注目画素であり、この例では、図中の矢印の順番で周辺画素が順次走査される。すなわち、画素に記した番号の順番で、注目画素に近い画素から走査される。
このようにして周辺画素の走査を行なうと、差分判定部21は、当該走査が走査限界を超えているか否かを判断する(ステップ2)。この走査限界は、当該注目画素についての周辺画素の走査をストップさせるための限界条件であり、対象とする画像データの全画素について走査が終了し上記周辺画素の走査で対象の画素がない場合、あるいは、予め定めた画素数の走査を終了しており上記周辺画素の走査でその数を超えている場合には、走査限界を超えていると判断する(ステップS2のYes)。
一方、そうでない場合には、走査限界に達していないと判断し(ステップS2のNo)、上記走査した周辺画素と注目画素との階調値Yの差分Ydを求める(ステップS3)。当該差分の計算は、例えば、下記(2)式によって行なう。
Yd=Y[i,j]−Y[i−n,j−m] (2)
なお、Y[i,j]は注目画素の階調値を、Y[i−n,j−m]は周辺画素の階調値を表す。また、iは画像の水平方向位置を、jは画像の垂直方向の位置を示し、n,mは、周辺画素の位置を指定するための変数である。
次に、差分判定部21は、上記求めた差分Ydを予め定めた閾値と比較する。具体的には、当該閾値は、注目画素を二値化において黒と判定するための閾値Thbと、注目画素を二値化において白と判定するための閾値Thwとがある。これらの閾値は、処理対象画像データの濃度階調値が0〜255の値で表されている場合には、例えば、Thb=−40、Thw=40とすることができる。
まず、上記求めた差分Ydが上記黒と判定するための閾値Thb以下であるか否かが判定される(ステップS4)。その結果、閾値Thb以下でない場合には(ステップS4のNo)、上記差分Ydが上記白と判定するための閾値Thw以上であるか否かが判定される(ステップS5)。その結果、閾値Thw以上でない場合には(ステップS5のNo)、すなわち、注目画素と当該周辺画素との濃度があまり変わらない場合には、ステップS1へ処理が戻る。そして、上述した走査順で次の周辺画素が走査され、同様の処理が繰り返される。
一方、上記ステップS4で、差分Ydが黒と判定するための閾値Thb以下であると判定された場合には(ステップS4のYes)、二値化処理部22が、黒判定回数Drbを1増やす(ステップS6)。この黒判定回数Drbは、当該注目画素について、差分Ydが閾値Thb以下であると判定された累積回数である。
次に、二値化処理部22は、当該黒判定回数Drbを予め定められた判定回数(閾値)Cbと比較する(ステップS7)。この判定回数Cbは、所定の複数値であり、例えば、3回と定められている。そして、黒判定回数Drbが判定回数Cbよりも小さい場合には(ステップS7のNo)、ステップS1へ処理が戻る。そして、上述した走査順で次の周辺画素が走査され、同様の処理が繰り返される。
一方、黒判定回数Drbが判定回数Cb以上である場合には(ステップS7のYes)、二値化処理部22は、当該注目画素の二値化後の色を黒とする(ステップS8)。そして、黒を表す値を上記RAM等の所定箇所に格納する。
一方、上記ステップS5で、差分Ydが白と判定するための閾値Thw以上であると判定された場合には(ステップS5のYes)、二値化処理部22が、白判定回数Drwを1増やす(ステップS9)。この白判定回数Drwは、当該注目画素について、差分Ydが閾値Thw以上である判定された累積回数である。
次に、二値化処理部22は、当該白判定回数Drwを予め定められた判定回数(閾値)Cwと比較する(ステップS10)。この判定回数Cwは、所定の複数値であり、例えば、3回と定められている。そして、白判定回数Drwが判定回数Cwよりも小さい場合には(ステップS10のNo)、ステップS1へ処理が戻る。そして、上述した走査順で次の周辺画素が走査され、同様の処理が繰り返される。
一方、白判定回数Drwが判定回数Cw以上である場合には(ステップS10のYes)、二値化処理部22は、当該注目画素の二値化後の色を白とする(ステップS11)。そして、白を表す値を上記RAM等の所定箇所に格納する。
また、一方、前述したステップ2において、走査限界を超えていると判断した場合には(ステップS2のYes)、二値化処理部22は、当該注目画素の二値化後の色を事前に設定した黒又は白とする(ステップS12)。そして、決定した黒又は白を表す値を上記RAM等の所定箇所に格納する。なお、上記事前に設定される黒又は白の色は、処理対象とした画像データの内容や二値化の目的に応じて、適宜、黒又は白の色が決定される。
以上説明した処理が対象画像の全画素について実行されて、本画像処理装置2における二値化処理が終了し、二値化後の画像が出力される。
図5は、本画像処理装置2における二値化処理を説明するための図である。図5の(b)は、図2の左側に例示した処理対象画像であり、図5の(a)は、図5の(b)の画像のSで示すエリアを拡大した図である。
図5の(a)において、x1で示す画素を注目画素として、本画像処理装置2における上述した処理を実行すると、図中の矢印で示す順番に周辺画素の走査が行なわれることになる。そして、周辺画素y11が走査されるまでは、注目画素x1と周辺画素との濃度差が小さいため、前述した黒判定回数Drd及び白判定回数Drwは0である。
その後、走査が周辺画素y11に達すると、注目画素x1と周辺画素y11との濃度差が閾値Thb以下となり、黒判定回数Drdが1となる。その後、周辺画素y12とy13において同様の処理が行なわれ、周辺画素y13の処理において、黒判定回数Drdが判定回数Cb(3回)以上となって、当該注目画素x1が黒画素とされる。
また、x2で示す画素を注目画素とした場合には、図中の矢印で示す順番に同様の処理が実行され、周辺画素y21、y22、及びy23で、注目画素x1と周辺画素y11との濃度差が閾値Thw以上となって、周辺画素y23の処理において、白判定回数Drwが判定回数Cw(3回)以上となり、当該注目画素x2が白画素とされる。
このように、本画像処理装置2を用いることにより、二値化後に残したい文字の部分が黒として残り、二値化後に不要な背景の部分が消されることになる。
図6は、判定回数Cb及びCwを複数とする効果を説明するための図である。図6には、処理対象画像の一部を例示しており、Gで示すグレーの部分は文字などの二値化後に残したい領域であり、Wで示す白の部分は二値化後に不要な背景の部分である。また、zで示す部分は黒色の突発的なノイズであり、上記グレーの部分よりも濃い色を有している。
このような状態で、図中のx3を注目画素として上述の処理を実行すると、図中の矢印のように各周辺画素についての処理が進行し、画素zの際に、前記差分Ydが閾値Thw以上となり白判定回数Drwが1となる。その後、背景に位置する画素y31、y32、及びy33において、前記差分Ydが閾値Thb以下となり、画素y33において黒判定回数Drbが3となる。従って、この時点で、注目画素x3は黒画素とされる。
このように、本画像処理装置2では、二値化の最終決定が、上記閾値Thb、Thwによる1回の判定で行なわれることなく、その判定が複数回なされた段階で行われるので、突発的なノイズが存在しても、その単発的な画素についての判断だけで処理がなされず、判断を誤る危険性が少ない。上述の図6に示した例では、画素zの際の1回の判定で二値化の最終決定がなされてしまえば、注目画素x3は白画素とされてしまい好ましくない結果となるが、上述の通り、本画像処理装置2では、ノイズの影響を受けることなく正しい二値化が実現される。
図7は、本画像処理装置2による処理結果等を例示した図である。図7の(a)は、図2に例示した処理対象画像を本画像処理装置2によって二値化処理した結果を例示している。また、図7の(b)は、同じ処理対象画像を従来装置で処理した場合の一例を示している。
図から明らかなように、本画像処理装置2によって二値化された画像は、文字の中央部分が抜けてしまう中抜けが発生しておらず、ノイズと思われるものも少なく抑えられている。
なお、上述の説明では、閾値Thb、Thwを異なるものとしたが、差分Ydの絶対値を一つの閾値Th(例えば、40)と比較し、注目画素と周辺画素との階調値の大小関係から黒判定回数Drb又は白判定回数Drwをインクリメントするようにしてもよい。
また、図4に示した走査順は一例であり、注目画素の近くからスタートして、概ね注目画素から離れていく方向へ走査するものであれば他の順番でも構わない。なお、図4に示した走査順は、注目画素からの直線距離で見ると、厳密にはその距離が短い順に走査されていないが、注目画素から周辺画素に到達するまでの画素数で見れば、その数が少ない順に走査が行なわれ、概ね注目画素から離れていく方向へ走査するものである。上記直線距離が短い順に走査するようにすることもできる。
また、前述した周辺画素の走査限界(図3のS2)について周辺画素の走査回数で設定する場合は、以下のようにして行なう。まず、事前に、上述した走査、差分の判定処理を1秒間で行なうことのできる回数を測定する。そして、当該測定回数と画像データ全体についての目標処理時間(秒)を掛け合わせ、その値を画像データの全画素数で割る。その結果得られた回数を上記走査限界の走査回数とする。
例えば、上記1秒間で処理可能な回数が70000000(回/秒)であり、上記目標処理時間が5(秒)であり、上記画像データの全画素数が1000000である場合には、1注目画素に対して可能な周辺画素の走査回数(走査限界)は350に設定される。
このように、走査限界を設定することにより、二値化処理を所定時間内に終了させることが可能であり、濃淡の差が小さく走査回数が増えるような画像に対してもむやみに処理時間を増やさないで済む。なお、処理対象画像の画素数に応じてこの走査限界回数を可変にするようにすりことにより、処理対象画像の相違による処理時間の差異を軽減することもできる。
また、上述の周辺画素の走査では、注目画素に近い画素から順番に画素を飛ばすことなく全ての画素を走査していったが、処理速度向上のために走査する周辺画素を間引くようにしても良い。図8は、処理速度向上のための走査順を例示した図である。図8の(a)に示す例は、1画素おきに間引きながら走査していく場合を示しており、注目画素(0)から画素に付された番号の順番で走査を行なう。番号の付されていない画素については走査されない。
また、図8の(b)は、注目画素近傍のある一定の範囲Mを越えた後は、注目画素の左右上下方向に位置する画素及び注目画素の四角の対角線方向に位置する画素に限定して走査を行なう。なお、上記一定の範囲M内においては、走査が停止しない限り全ての周辺画素について走査を行なう。
また、上述の説明では、差分判定部21及び二値化処理部22の処理がプログラムに基づいて実行されることとしたが、これらの処理部をハードウェアで構成するようにしても良い。
以上説明したように本実施の形態例に係る画像処理装置2では、単に一つの閾値を用いて白黒を決定するのではなく、処理対象画素と周辺の相対的な関係に応じて白黒を決定するので、残したい文字等が薄い色の場合や、文字等の背景色が濃い色の場合等においても、文字を見やすい状態として二値化することができる。
また、本画像処理装置2では、文字の中央部における画素についても、文字の外側の背景まで周辺画素の走査がなされて、上述した判定により黒色と判定されるので、従来の課題である中抜けの問題を解消することができる。
また、本画像処理装置2では、注目画素と周辺画素の濃度差が所定の閾値よりも大きくなる場合が1回発生した段階では注目画素の白黒を最終決定せず、かかる場合が複数回発生した時点で白黒を決定する。通常、画像に発生する突発的なノイズというものは周辺との濃度差が大きいが広い範囲に亘って存在しないので、ノイズの存在のみで注目画素と周辺画素の濃度差が所定の閾値よりも大きくなる場合が複数回発生する可能性は低い。従って、本画像処理装置2では、ノイズの悪影響を受けずらいという効果も得ることができる。
なお、上述のノイズについての効果が得られないが、注目画素と周辺画素の濃度差が所定の閾値よりも大きくなる場合が1回発生した時点で注目画素の白黒を判断するようにしても良い。この場合にも、中抜け防止という効果は得ることができる。
また、上記実施の形態例では、画像読み取り装置1及び画像処理装置2を含むホストコンピュータからなるシステム構成としたが、本発明に係る画像処理プログラム及び画像処理装置は、当該システム構成に限定されることなく適用することができる。
本発明の保護範囲は、上記の実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
本発明を適用した画像処理装置の実施の形態例に係る機能構成図である。 グレーデータへ変換後の処理対象画像を例示した図である。 差分判定部21及び二値化処理部22が行なう差分判定及び二値化の処理を例示したフローチャートである。 周辺画素の走査の順番を例示した図である。 本画像処理装置2における二値化処理を説明するための図である。 判定回数Cb及びCwを複数とする効果を説明するための図である。 本画像処理装置2による処理結果等を例示した図である。 処理速度向上のための走査順を例示した図である。
符号の説明
1 画像読み取り装置、 2 画像処理装置、 21 差分判定部(差分判定手段)、 22 二値化処理部(二値化処理手段)

Claims (5)

  1. 画素が多値の階調値を有する画像データを二値化する処理をコンピュータに実行させる画像処理プログラムであって、
    処理対象の前記画素である注目画素と前記階調値が一定差以上ある画素が1以上検知されるまで、前記注目画素に近い前記画素から、概ね前記注目画素から離れていく方向に、各画素を走査し、当該走査した画素と前記注目画素の前記階調値の差分が前記一定差以上であるか否かを判定する差分判定ステップと、
    前記検知された階調値が一定差以上ある画素の個数に応じて、前記注目画素の二値化後の値を決定する二値化処理ステップと、を前記コンピュータに実行させる
    ことを特徴とする画像処理プログラム。
  2. 請求項1において、
    前記差分判定ステップにおける各画素の走査が、前記注目画素と階調値が一定差以上ある画素であって、前記注目画素の階調値よりも階調値の小さい画素が2以上検知されるまで、あるいは、前記注目画素と階調値が一定差以上ある画素であって、前記注目画素の階調値よりも階調値の大きい画素が2以上検知されるまで行なわれる
    ことを特徴とする画像処理プログラム。
  3. 請求項1あるいは2において、
    前記差分判定ステップにおける各画素の走査は、前記注目画素と階調値が一定差以上ある画素の検知が完了していなくても、前記画像データの全画素を走査した場合、あるいは、所定数の画素を走査した場合には終了し、当該場合には、前記二値化処理ステップにおいて、前記注目画素の二値化後の値が予め定められた値に決定される
    ことを特徴とする画像処理プログラム。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかにおいて、
    前記差分判定ステップにおける各画素の走査は、前記走査の方向において、所定方法により画素を間引いて行なわれる
    ことを特徴とする画像処理プログラム。
  5. 画素が多値の階調値を有する画像データを二値化する処理を実行する画像処理装置であって、
    処理対象の前記画素である注目画素と前記階調値が一定差以上ある画素が1以上検知されるまで、前記注目画素に近い前記画素から、概ね前記注目画素から離れていく方向に、各画素を走査し、当該走査した画素と前記注目画素の前記階調値の差分が前記一定差以上であるか否かを判定する差分判定手段と、
    前記検知された階調値が一定差以上ある画素の個数に応じて、前記注目画素の二値化後の値を決定する二値化処理手段と、を有する
    ことを特徴とする画像処理装置。
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