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JP5031688B2 - 合成樹脂可撓管 - Google Patents
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Description

本発明は、熱可塑性ポリウレタン樹脂により内面を形成した可撓性合成樹脂管に関するものである。
従来、内面を熱可塑性ポリウレタン樹脂、外面を軟質塩化ビニル樹脂で形成し、両者を熱融着により一体化して耐磨耗性を向上させた合成樹脂可撓管は、特許文献1に記載されている。また、内面をポリエーテル系の熱可塑性ポリウレタン樹脂、外面を軟質塩化ビニル樹脂とするとともに、両者をブレンドした樹脂を使用して内面と外面を接着一体化させた合成樹脂可撓管が、特許文献2に記載されている。
実公昭49−7939号公報 特開平10−160062号公報
なお、上記合成樹脂可撓管内部に、微粒子を吸着する性質を有する消石灰や活生炭等の粉体を流通させた際には、内面の熱可塑性ポリウレタン樹脂や外面の軟質塩化ビニル樹脂に添加したフタル酸エステル系等の可塑剤が移行性が大きいため搬送物に伴って外部に抽出されてしまう現象が発生し、そのためホースの容積が減少してホースが縮み、ホース長さが短くなってしまう問題が発生していた。これら問題を回避するためには、軟質塩化ビニル樹脂からなるホース外層にポリエステル系可塑剤などの非移行性の可塑剤を添加することが有効であることが知られている。
しかしながら、ポリエーテル系熱可塑性ポリウレタン樹脂と軟質塩化ビニル樹脂の接着性は悪く、特許文献2に記載の技術をもってしてもその接着性が十分に得られない場合があった。特に、粉体移送によるホース縮みの問題を解決しようとして、非移行性の可塑剤により軟質塩化ビニル樹脂を可塑化した場合には、ポリエーテル系熱可塑性ポリウレタン樹脂との接着性が大きく悪化し、これら樹脂をブレンドさせてもうまく接着できずに、ホースの内層と外層がはがれたりするなどといった、ホースの強度・耐久性上の問題を生ずるおそれがあった。
従って、本発明は、内層のポリエーテル系熱可塑性ポリウレタン樹脂の優れた機械的強度、柔軟性、弾力性、耐磨耗性、耐加水分解性等の諸特性を損なうことなく、しかも外層を形成する軟質塩化ビニル樹脂とも強固に接着できる合成樹脂可撓管の提供を課題とするものである
発明者は、鋭意検討の結果、内層と外層を、ポリエステル系の熱可塑性ポリウレタン樹脂からなる接着性中間樹脂を介して接着すると、互いに強固に接着できることを知見し、本発明を完成させた。
本発明は、内層をポリエーテル系の熱可塑性ポリウレタン樹脂で形成し、この内層をポリエステル系の熱可塑性ポリウレタン樹脂からなる接着性中間樹脂層を介して、軟質塩化ビニル樹脂製の外層に接着一体化させたことを特徴とする合成樹脂可撓管である。
本発明において、外層の軟質塩化ビニル樹脂には非移行性の可塑剤を添加しても良く(請求項2)、内層や中間層には可塑剤を添加しないようにしても良い(請求項3、請求項4)。
本発明によれば、耐摩耗性や柔軟性や耐加水分解性などに優れるポリエーテル系熱可塑性ポリウレタン樹脂からなるホース内層を、ホース外層の塩化ビニル樹脂にしっかりと接着一体化した合成樹脂可撓管が得られる。
さらに、本発明の好ましい様態として、外層の軟質塩化ビニル樹脂に非移行性の可塑剤を添加した場合(請求項2)や、内層や中間層には可塑剤を添加しないようにした場合(請求項3、請求項4)には、ホース内に搬送される粉体などによって可塑剤が持ち去られてホース長さが縮む問題が解決できるという効果も得られる。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の実施例を示し、その層内に硬質塩化ビニル樹脂よりなる螺旋補強芯10が埋設された軟質塩化ビニル樹脂よりなる外層9の内面に、ポリエステル系熱可塑性ポリウレタン樹脂よりなる接着性中間樹脂層8を介して、ポリエーテル系熱可塑性ポリウレタン樹脂よりなる内層7を接着一体化して合成樹脂可撓管6を構成したものである。
合成樹脂可撓管6の管壁は、内層7と接着性中間樹脂層8と外層9の積層構造にされており、内層7と接着性中間樹脂層8と外層9とは互いに熱融着されている。
内層7を形成するポリエーテル系熱可塑性ポリウレタン樹脂とは、ポリウレタンのソフトセグメントに用いられるポリオール原料の種類によって区別されるところのもので、ポリエーテルポリオールが用いられるポリエーテルタイプの熱可塑性ポリウレタン樹脂(TPU)を指すものであるが、その性質を大きく変えない範囲でポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド等の熱可塑性樹脂を適宜ブレンドしたものも包含するものである。
内層7を形成するポリエーテル系熱可塑性ポリウレタン樹脂には、可塑剤を添加せずに使用することができる。例えば、Dow Chemical Company製のペレセン(登録商標)2103や、DICバイエルポリマー株式会社製のパンデックス(登録商標)T8375などが使用できる。ホース内を搬送される粉体による可塑剤の持ち去りやホース長さの短縮を防ぐためには、可塑剤を添加しないことが好ましい。また、例えばポリエステル系可塑剤などの非移行性の可塑剤を添加することも、好ましい実施形態である。
接着性中間樹脂層8を形成するポリエステル系熱可塑性ポリウレタン樹脂とは、ポリウレタンのソフトセグメントに用いられるポリオール原料の種類によって区別されるところのもので、ポリエステルポリオールが用いられるポリエステルタイプの熱可塑性ポリウレタン樹脂(TPU)を指すものであるが、その性質を大きく変えない範囲でポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド等の熱可塑性樹脂を適宜ブレンドしたものも包含するものである。
接着性中間樹脂層8を形成するポリエステル系熱可塑性ポリウレタン樹脂には、可塑剤を添加せずに使用することができる。例えば、日本ミラクトラン株式会社製のE660MZAや、BASFジャパン株式会社製のエラストラン(登録商標)C70A、C80A、ET680などが使用できる。ホース内を搬送される粉体による可塑剤の持ち去りやホース長さの短縮を防ぐためには、可塑剤を添加しないことが好ましい。また、例えばポリエステル系可塑剤などの非移行性の可塑剤を添加することも、好ましい実施形態である。
ポリエステルポリオールが用いられるポリエステル系の熱可塑性ポリウレタン樹脂が温水、飽和水蒸気等に長時間晒されると、エステル結合が加水分解により切断され元に戻らなくなり、この結果物性が低下するのに対して、内層7を形成するポリエーテル系熱可塑性ポリウレタン樹脂は、これとは化学構造が異なるので加水分解に対してはるかに強いものであり、本発明は、これら熱可塑性ポリウレタン樹脂のうち特定の種類のものを選択して合成樹脂可撓管の内層に採用して、熱可塑性ポリウレタン樹脂の優れた諸特性を低下させることなく広範囲の用途に亘って発揮させるものである。また、加水分解性に劣るポリエステル系の熱可塑性ポリウレタン樹脂を接着性中間層8に用いても、中間層8は温水や飽和水蒸気に直接さらされることはないので、ポリエステル系の熱可塑性ポリウレタン樹脂の耐加水分解性の低さを補うことができる。
外層9を形成する軟質塩化ビニル樹脂は、本実施形態においては非移行性の可塑剤を添加して形成されている。粉体による可塑剤の持ち去りを防止するためには、軟質塩化ビニル樹脂の可塑化を、例えばフタル酸エステル系の可塑剤(DOP等)のような移行性の可塑剤を添加せずに行うことが好ましい。ここに移行性の可塑剤を添加しないとは、前記フタル酸エステル系等の移行性の大きい汎用の可塑剤を用いずに、ポリエステル系可塑剤などの非移行性に優れた可塑剤を使用する場合、塩化ビニルに高級アルキルビニル誘導体などを共重合させていわゆる内部可塑化する場合および塩化ビニルに対して改質用ポリマーを混合添加していわゆるポリマーブレンドにより可塑化する場合を意味している。ポリエステル系可塑剤としては、特に高分子量(分子量600〜8000)で絶対移行量の少ないポリエステル系可塑剤の使用が好ましい。例えば、外層9としては、軟質塩化ビニル樹脂100重量部に、ポリエステル系の可塑剤(例えば、DIC株式会社製ポリサイザー(登録商標)W−2310)90重量部を添加したものが使用できる。
以上のように、移行性の可塑剤を含まない軟質塩化ビニル樹脂により外層9を形成すれば、外層9には移行すべき可塑剤が含まれていないので、ホース長さの縮みを防止できる。
本発明によれば、ポリエーテル系熱可塑性ポリウレタン樹脂と塩化ビニル樹脂との接着性が悪いことについては、ポリエステル系熱可塑性ポリウレタン樹脂を介在させることにより問題解決するものである。
上記ホース6は、押出機より押出されたポリエーテル系熱可塑性ポリウレタン樹脂製の軟質テープを螺旋状に捲回しその隣接する側縁同士を融着して内層7を形成し、同時にその外面に、押出機より押出されたポリエステル系熱可塑性ポリウレタン樹脂製の軟質テープを螺旋状に捲回しその隣接する側縁同士を融着して接着性中間樹脂層8を形成して内層7に熱融着させるとともに、更にその外側に、内部に硬質塩化ビニル樹脂製の補強体10を包含した状態で押出機より押出された軟質塩化ビニル樹脂製のテープを螺旋状に捲回しその隣接する側縁同士を融着して外層9を形成して接着性中間樹脂層8に熱融着させることにより製造される。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その性質を大きく変えない範囲で以下のような改変を加えて実施することもできる。
例えば、上記ホース6の全体を透明な樹脂により形成すれば、内部を流通する内容物の確認ができる。また、銅線からなるアース線を外層9を構成する樹脂テープの中に共押出しして、アース線を外層9に埋設すれば、アース線による優れた静電防止効果を発揮できる。
また、上記実施形態においては、軟質塩化ビニル樹脂により成形された外層9に硬質塩化ビニル製の螺旋補強芯10が埋設されている形態を例にして説明したが、螺旋補強芯10を外層9に埋設させずに、外層9の外面に添着させるようにして、その一部が外部に露出するようにしてもよい。
本発明の合成樹脂可撓管は、耐摩耗性や柔軟性や耐加水分解性などポリエーテル系熱可塑性ポリウレタン樹脂特有の優れた諸特性を保持する内層を有するとともに、ホース外層の塩化ビニル樹脂との接着強度にも優れており、例えば廃棄物(ゴミ)焼却設備における消石灰輸送用の合成樹脂製可撓性ホースとして優れた耐久性を期待できるものである。
合成樹脂可撓管の実施例を示す一部断面図
符号の説明
6 合成樹脂可撓管
7 内層
8 接着性中間樹脂層
9 外層
10 螺旋補強芯

Claims (4)

  1. 内層をポリエーテル系の熱可塑性ポリウレタン樹脂で形成し、この内層をポリエステル系の熱可塑性ポリウレタン樹脂からなる接着性中間樹脂層を介して、軟質塩化ビニル樹脂製の外層に接着一体化させたことを特徴とする合成樹脂可撓管。
  2. 外層の軟質塩化ビニル樹脂には非移行性の可塑剤が添加されていることを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂可撓管。
  3. 内層には可塑剤が添加されていないことを特徴とする請求項2に記載の合成樹脂可撓管。
  4. 中間層には可塑剤が添加されていないことを特徴とする請求項2に記載の合成樹脂可撓管。
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