JP5031735B2 - 油性印刷用体質顔料分散物の製造方法、該製造方法で得られる油性印刷用体質顔料分散物、及びその用途 - Google Patents
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Description
(1)パウダー状の体質顔料をロールミルなどで分散処理して体質顔料のベースインキを製造し、油性印刷用インキ組成物に加える。
(2)水系で合成された体質顔料の、30〜80%の水を含む分散液の状態で、ロジン又は変性ロジンのアルカリ水溶液を加え混合する。その後、油性ワニスを加えてフラッシング処理して油性体質顔料組成物を得、それを油性印刷用インキ組成物に添加する(例えば、特許文献1参照)。
まず、本発明の油性印刷用体質顔料分散物(以下、「体質顔料分散物」ともいう)の製造方法において用いられる構成材料について説明する。
本発明の製造方法に使用する体質顔料としては、従来から油性印刷用インキ組成物に使用されているものを挙げることができる。例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム等を挙げることができる。これら体質顔料は、表面処理されていない状態のものであり、その状態から、後記の表面改質剤により表面処理される。
次に、本発明の製造方法について説明する。
本発明の製造方法は、表面処理されていない体質顔料を表面処理する工程を含む。この表面処理する工程は、表面処理されていない体質顔料を20〜80質量%含有する水性懸濁液(A)に、脂肪酸類、脂肪酸塩、チタネートカップリング剤、及びアミノ基を有するシランカップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種の表面改質剤を表面処理されていない体質顔料100質量部に対して所定量混合し、20℃〜100℃の温度で攪拌することにより行われる。また、本発明の製造方法は、前記表面処理の後、得られたスラリー状の水性懸濁液(B)に、油性印刷用ワニスを加えてフラッシングし、次いで水の除去を行う工程を含む。
まず、前記表面処理されていない体質顔料を20〜80質量%含有する水性懸濁液(A)に、脂肪酸類、脂肪酸塩、チタネートカップリング剤、及びアミノ基を有するシランカップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種の表面改質剤を添加する。添加後、ディスパー又はフラッシャー(ニーダー)により約5〜120分間撹拌し上記表面改質剤を水性懸濁液(A)中に混合することにより、未表面処理体質顔料の表面処理を行う。表面処理の際の撹拌温度は特に限定されるものではないが、20℃〜100℃であることが好ましい。次いで得られたスラリー状の水性懸濁液(B)に上記油性印刷用ワニス(上記バインダー樹脂を植物油成分及び/又は鉱物油成分に溶解させたもの)を加え、フラッシャー(ニーダー)又は脱水する機構を有する撹拌装置でフラッシングする。次いで組成物中の水の含有量が、2質量%以下になるまで水の除去を行う。さらに、その後、必要に応じて、油性印刷用ワニス、油状液体を加え、ビーズミルや3本ロールミルで体質顔料の粒子径が10μm以下になるまで練肉分散させる工程を経て、体質顔料分散物を得る。上記水の含有量は、カールフィッシャー水分計等によって測定することができる。
上記の製造法で得られる体質顔料分散物も本発明の1つである。本発明の体質顔料分散物は、体質顔料が油性印刷用ワニス中に十分に分散されている。また、後述するオフセット印刷用インキ組成物に添加することにより、得られる印刷物の汚れを防止することができる点で有利なものである。
本発明の体質顔料分散物は、オフセット印刷用インキ組成物の流動性や水幅調整のために、オフセット印刷用インキ組成物中に体質顔料の量が30質量%以下となるように添加されることが好ましい。特に限定されないが、オフセット印刷用インキ組成物は、オフセット印刷用インキベース、油状液体、及び、上記油性印刷用体質顔料分散物を混合することにより得ることができる。
このような、上記体質顔料分散物が添加されたオフセット印刷用インキ組成物も本発明の1つである。本発明のオフセット印刷用インキ組成物は印刷適性に優れている。また、当該オフセット印刷用インキ組成物を用いることにより、非画線部のインキ付着、濃度むらのない印刷物を得ることができる点で有利である。
コンデンサー、温度計、及び攪拌機を装着した四つ口フラスコにロジン変性フェノール樹脂(星光ポリマー(株)製OR−710、分子量78,000、酸価15.0)41質量部、大豆油58質量部を仕込んだ。次いで、230℃に昇温した後、同温度で60分間攪拌して油性印刷用ワニスを得た。
油性印刷用ワニス52質量部に、アルキッド樹脂3質量部、紅顔料(ブリリアントカーミン6B)を25質量%含有するプレスケーキ(住化カラー(株)製)の108質量部、酸化防止剤2質量部及び大豆油16質量部を加えた。次いで、フラッシャー(ニーダー)でフラッシングした。フラッシングして得られる組成物中の水の含有量が、2質量%以下になるまで脱水し、オフセット印刷用インキベースを得た。
<実施例1>
フラッシャー(ニーダー)に、表面処理されていない炭酸カルシウムを75質量%含有する水性懸濁液133質量部、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン2.0質量部を仕込んだ。次いで、80℃で約30分間撹拌し、炭酸カルシウムの表面処理を行った。次いで上記油性印刷用ワニスの128質量部、大豆油の23質量部を加えてフラッシングした。次いで組成物中の水の含有量が、2質量%以下になるまで水の除去を行い、油性印刷用炭酸カルシウム分散物1を製造した。得られた油性印刷用炭酸カルシウム分散物1の分散性をグラインドゲージにて測定したところ、炭酸カルシウムの粒子径は10μm以下であった。
さらに、上記オフセット印刷用インキベース175質量部を加えて混合攪拌した。次いで、適量の大豆油を添加することにより粘度が7.5Pa・sになるように調整し、オフセット印刷用インキ組成物1を得た。
フラッシャー(ニーダー)に、表面処理されていない炭酸カルシウムを75質量%含有する水性懸濁液の133質量部、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.1質量部を仕込んだ。次いで、80℃で約30分間撹拌し、炭酸カルシウムの表面処理を行った。次いで上記油性印刷用ワニスの125質量部、大豆油の23質量部を加えてフラッシングした。次いで組成物中の水の含有量が、2質量%以下になるまで水の除去を行い、得られた油性印刷用炭酸カルシウム分散物の分散性をグラインドゲージにて測定したところ、炭酸カルシウムの粒子径は12.5μm以下であった。その後、45℃の3本ロールミルを用いて、通し回数1回で練肉分散し油性印刷用炭酸カルシウム分散物2を製造した。得られた油性印刷用炭酸カルシウム分散物2の分散性をグラインドゲージにて測定したところ、炭酸カルシウムの粒子径は10μm以下であった。
さらに、上記オフセット印刷用インキベース172質量部を加えて混合攪拌した。次いで、適量の大豆油を添加することにより粘度が7.5Pa・sになるように調整し、オフセット印刷用インキ組成物2を得た。
フラッシャー(ニーダー)に、表面処理されていない炭酸カルシウムを75質量%含有するスラリー状の水性懸濁液の133質量部に対して、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン5質量部を添加した。次いで、80℃で約30分間撹拌し、炭酸カルシウムの表面処理を行った。次いで上記油性印刷用ワニスの131質量部、大豆油の24質量部を加えてフラッシングした。次いで組成物中の水の含有量が、2質量%以下になるまで水の除去を行い、油性印刷用炭酸カルシウム分散物3を製造した。得られた油性印刷用炭酸カルシウム分散物3の分散性をグラインドゲージにて測定したところ、炭酸カルシウムの粒子径は10μm以下であった。
さらに、上記オフセット印刷用インキベース180質量部を加えて混合攪拌した。次いで、適量の大豆油を添加することにより粘度が7.5Pa・sになるように調整し、オフセット印刷用インキ組成物3を得た。
フラッシャー(ニーダー)に、表面処理されていない炭酸カルシウムを75質量%含有する水性懸濁液の133質量部、KR 44(味の素社製)0.3質量部を仕込んだ。次いで、80℃で約30分間撹拌し、炭酸カルシウムの表面処理を行った。次いで上記油性印刷用ワニスの125質量部、大豆油の23質量部を加えてフラッシングした。次いで組成物中の水の含有量が、2質量%以下になるまで水の除去を行い、油性印刷用炭酸カルシウム分散物4を製造した。得られた油性印刷用炭酸カルシウム分散物4の分散性をグラインドゲージにて測定したところ、炭酸カルシウムの粒子径は10μm以下であった。
さらに、上記オフセット印刷用インキベース172質量部を加えて混合攪拌した。次いで、適量の大豆油を添加することにより粘度が7.5Pa・sになるように調整し、オフセット印刷用インキ組成物4を得た。
フラッシャー(ニーダー)に、表面処理されていない炭酸カルシウムを75質量%含有する水性懸濁液の133質量部に対して、オレイン酸10質量部を添加した。次いで、80℃で約30分間撹拌し、炭酸カルシウムの表面処理を行った。次いで上記油性印刷用ワニスの138質量部、大豆油の25質量部を加えてフラッシングした。次いで組成物中の水の含有量が、2質量%以下になるまで水の除去を行い、油性印刷用炭酸カルシウム分散物5を製造した。得られた油性印刷用炭酸カルシウム分散物5の分散性をグラインドゲージにて測定したところ、炭酸カルシウムの粒子径は10μm以下であった。
さらに、上記オフセット印刷用インキベース189質量部を加えて混合攪拌した。次いで、適量の大豆油を添加することにより粘度が7.5Pa・sになるように調整し、オフセット印刷用インキ組成物5を得た。
フラッシャー(ニーダー)に、表面処理されていない炭酸カルシウムを75質量%含有する水性懸濁液の133質量部、オレイン酸ナトリウム20%水溶液の50質量部を仕込んだ。次いで、80℃で約30分間撹拌し、未表面処理炭酸カルシウムの表面処理を行った。次いで上記油性印刷用ワニスの138質量部、大豆油の25質量部を加えてフラッシングした。次いで組成物中の水の含有量が、2質量%以下になるまで水の除去を行い、油性印刷用炭酸カルシウム分散物6を製造した。得られた油性印刷用炭酸カルシウム分散物6の分散性をグラインドゲージにて測定したところ、炭酸カルシウムの粒子径は10μm以下であった。
さらに、上記オフセット印刷用インキベース189質量部を加えて混合攪拌した。次いで、適量の大豆油を添加することにより粘度が7.5Pa・sになるように調整し、オフセット印刷用インキ組成物6を得た。
フラッシャー(ニーダー)に、表面処理されていない炭酸カルシウムを50質量%含有する水性懸濁液の200質量部、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン2.0質量部を仕込んだ。次いで、80℃で約30分間撹拌し、炭酸カルシウムの表面処理を行った。次いで上記油性印刷用ワニスの125質量部、大豆油の23質量部を加えてフラッシングした。次いで組成物中の水の含有量が、2質量%以下になるまで水の除去を行い、油性印刷用炭酸カルシウム分散物7を製造した。得られた油性印刷用炭酸カルシウム分散物7の分散性をグラインドゲージにて測定したところ、炭酸カルシウムの粒子径は10μm以下であった。
さらに、上記オフセット印刷用インキベース172質量部を加えて混合攪拌した。次いで、適量の大豆油を添加することにより粘度が7.5Pa・sになるように調整し、オフセット印刷用インキ組成物7を得た。
フラッシャー(ニーダー)に、表面処理されていない炭酸カルシウムを25質量%含有する水性懸濁液の400質量部、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン2.0質量部を仕込んだ。次いで、80℃で約30分間撹拌し、炭酸カルシウムの表面処理を行った。次いで上記油性印刷用ワニスの128質量部、大豆油の23質量部を加えてフラッシングした。次いで組成物中の水の含有量が、2質量%以下になるまで水の除去を行い、油性印刷用炭酸カルシウム分散物8を製造した。得られた油性印刷用炭酸カルシウム分散物8の分散性をグラインドゲージにて測定したところ、炭酸カルシウムの粒子径は10μm以下であった。
さらに、上記オフセット印刷用インキベース175質量部を加えて混合攪拌した。次いで、適量の大豆油を添加することにより粘度が7.5Pa・sになるように調整し、オフセット印刷用インキ組成物8を得た。
フラッシャー(ニーダー)に、表面処理されていない炭酸カルシウムを75質量%含有する水性懸濁液の133質量部に上記油性印刷用ワニスの125質量部、大豆油の23質量部を加えてフラッシングした。次いで組成物中の水の含有量が、2質量%以下になるまで水の除去を行い、油性印刷用炭酸カルシウム分散物9を製造した。得られた油性印刷用炭酸カルシウム分散物9の分散性をグラインドゲージにて測定したところ、未処理炭酸カルシウムの粒子径は10μmより大きかった。さらに、ロールミルで練肉し油性印刷用炭酸カルシウム分散物9を得た。得られた油性印刷用炭酸カルシウム分散物9の分散性をグラインドゲージにて測定したところ、炭酸カルシウムの粒子径は25μmであり、分散性が劣っていた。
濃度10%の水酸化カリウム水溶液にマレイン酸変性ロジンを溶かしてロジン濃度25%の水溶液を調整した。生石灰水溶液に炭酸ガスを吹き込んで炭酸カルシウムを合成した。その合成反応工程で得られた炭酸カルシウム粒子濃度10%の水分散液1000質量部に、上記ロジン水溶液20質量部を混合し、この混合液を脱水して含水率40%のウエットケーキとした。次いで、上記油性印刷用ワニス131質量部、植物油24質量部を加え、フラッシャー(ニーダー)でフラッシングした。フラッシングして得られる組成物中の水の含有量が、2質量%以下になるまで脱水し、油性印刷用炭酸カルシウム分散物10を製造した。この時、グラインドゲージにて分散性を測定したところ、炭酸カルシウムの粒子径は10μm以下であった。さらに、上記オフセット印刷用インキベース180質量部を加えて混合攪拌した。次いで、適量の大豆油を添加することにより粘度が7.5Pa・sになるように調整し、オフセット印刷用インキ組成物10を得た。
<油性印刷用体質顔料分散物の分散性>
油性印刷用炭酸カルシウム分散物1〜10を、グラインドゲージを用いた練和度試験により評価した。練和度試験はJIS K 5101−1に準拠する方法により行った。
[評価基準]
○:油性印刷用炭酸カルシウム分散物中の体質顔料(炭酸カルシウム)の粒子径が10μm以下のもの
×:油性印刷用炭酸カルシウム分散物中の体質顔料(炭酸カルシウム)の粒子径が10μmより大きいもの
オフセット印刷用インキ組成物1〜8、10を下記の条件で印刷し、得られた印刷物の非画線部の汚れ度、濃度むらを確認した。尚、印刷物の非画線部の汚れ度、濃度むらを確認するため湿し水の量を変化させて、印刷適性の評価を行った。結果を表1に示す。
印刷機:三菱ダイヤ1−E(三菱重工業(株)製)
(印刷機は、湿し水供給量をダイヤルメモリ0から10でコントロール(ダイヤルメモリには単位がない)できる。また、ダイヤルメモリ0で湿し水がほとんど供給されない状態で数字が増えるごとに湿し水供給量が増加するものである。)
湿し水:サカタインクス(株)製SAH−7
印刷テスト:印刷機のダイヤルメモリを0から10まで変化させて、印刷テストを行った。
紙:更紙
○:非画線部へのインキ付着の無いもの
△:非画線部へのインキ付着面積が、非画線部全体に対して0を超え50%以下のもの
×:非画線部へのインキ付着面積が、非画線部全体の面積に対して50%を超えるもの
Claims (4)
- 表面処理されていない体質顔料を20〜80質量%含有する水性懸濁液(A)に、脂肪酸類、脂肪酸塩、チタネートカップリング剤、及びアミノ基を有するシランカップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種の表面改質剤を混合し、攪拌することにより前記体質顔料を表面処理する工程と、
前記表面処理の後、得られたスラリー状の水性懸濁液(B)に、油性印刷用ワニスを加えてフラッシングし、次いで水の除去を行う工程と、
を含むことを特徴とする油性印刷用体質顔料分散物の製造方法。 - 前記表面処理する工程、並びに、フラッシング及び水の除去を行う工程が終了した後、さらにロールミル又はビーズミルで、表面処理した体質顔料の粒子径が10μm以下になるまで練肉する工程を有することを特徴とする請求項1記載の油性印刷用体質顔料分散物の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の油性印刷用体質顔料分散物の製造方法で得られることを特徴とする油性印刷用体質顔料分散物。
- 請求項3記載の油性印刷用体質顔料分散物を含有することを特徴とするオフセット印刷用インキ組成物。
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