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JP5031735B2 - 油性印刷用体質顔料分散物の製造方法、該製造方法で得られる油性印刷用体質顔料分散物、及びその用途 - Google Patents
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JP5031735B2 - 油性印刷用体質顔料分散物の製造方法、該製造方法で得られる油性印刷用体質顔料分散物、及びその用途 - Google Patents

油性印刷用体質顔料分散物の製造方法、該製造方法で得られる油性印刷用体質顔料分散物、及びその用途 Download PDF

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Description

本発明は、オフセット印刷等で用いられる油性印刷用インキ組成物の流動性調整、水幅調整のために用いる油性印刷用体質顔料分散物の製造方法に関する。また、該製造方法で得られる油性印刷用体質顔料分散物、及びその用途に関する。
オフセット印刷(新聞印刷も含む)等で利用される油性印刷用インキ組成物には、流動性や水幅の調整等を目的として体質顔料が加えられていた(例えば、非特許文献1参照)。
体質顔料を油性印刷用インキ組成物に含有させる手段としては、以下の方法が実施されている。
(1)パウダー状の体質顔料をロールミルなどで分散処理して体質顔料のベースインキを製造し、油性印刷用インキ組成物に加える。
(2)水系で合成された体質顔料の、30〜80%の水を含む分散液の状態で、ロジン又は変性ロジンのアルカリ水溶液を加え混合する。その後、油性ワニスを加えてフラッシング処理して油性体質顔料組成物を得、それを油性印刷用インキ組成物に添加する(例えば、特許文献1参照)。
しかし、上記(1)の手段では、パウダー状の処理体質顔料が凝集している。このため、分散処理するには、大量のエネルギーと長時間を必要とする。また、パウダー状の体質顔料が飛散する等の問題を有している。一方、上記(2)の手段で得られる油性印刷用インキ組成物を用いる場合には、ロングラン印刷においてインキが印刷機のクロムロールに付着して、印刷物の汚れにつながる可能性がある。
特開昭58−132050号公報 日本印刷学会誌(2002年第39巻第1号)
そこで、本発明が解決しようとする課題は、体質顔料の飛散がなく、生産性の向上及びコストの削減が達成できる油性印刷用体質顔料分散物の製造方法を提供することである。また、印刷物の汚れを防止することができる該製造方法で得られる油性印刷用体質顔料分散物、及びその用途を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、油性印刷用体質顔料分散物の製造方法において、水系で製造された表面処理されていない段階の体質顔料を、脂肪酸類、脂肪酸塩、チタネートカップリング剤、及びアミノ基を有するシランカップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種で表面を改質し、その後油性印刷用ワニスを加えフラッシング処理することにより、上記課題を全て解決し得ることを見出した。その結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(1)表面処理されていない体質顔料を20〜80質量%含有する水性懸濁液(A)に、脂肪酸類、脂肪酸塩、チタネートカップリング剤、及びアミノ基を有するシランカップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種の表面改質剤を混合し、攪拌することにより前記体質顔料を表面処理する工程と、前記表面処理の後、得られたスラリー状の水性懸濁液(B)に、油性印刷用ワニスを加えてフラッシングし、次いで水の除去を行う工程と、を含むことを特徴とする油性印刷用体質顔料分散物の製造方法に関する。
また、本発明は、(2)前記表面処理する工程、並びに、フラッシング及び水の除去を行う工程が終了した後、さらにロールミル又はビーズミルで、表面処理した体質顔料の粒子径が10μm以下になるまで練肉する工程を有することを特徴とする上記(1)項に記載の油性印刷用体質顔料分散物の製造方法に関する。
また、本発明は、(3)上記(1)項又は(2)項に記載の油性印刷用体質顔料分散物の製造方法で得られることを特徴とする油性印刷用体質顔料分散物に関する。
また、本発明は、(4)上記(3)項に記載の油性印刷用体質顔料分散物を含有することを特徴とするオフセット印刷用インキ組成物に関する。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
まず、本発明の油性印刷用体質顔料分散物(以下、「体質顔料分散物」ともいう)の製造方法において用いられる構成材料について説明する。
本発明の製造方法に使用する体質顔料としては、従来から油性印刷用インキ組成物に使用されているものを挙げることができる。例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム等を挙げることができる。これら体質顔料は、表面処理されていない状態のものであり、その状態から、後記の表面改質剤により表面処理される。
本発明における水性懸濁液(A)は、水性媒体と、表面処理されていない体質顔料とを含有するものである。本発明の水性懸濁液(A)は、上述の通り、水性懸濁液100質量%のうち体質顔料を20〜80質量%含有するものである。製造効率等の面から考えると、体質顔料を50〜80質量%含有することが好ましい。なお、水性懸濁液(A)としては、水系で合成された体質顔料を含む水性懸濁液を、その合成の後に乾燥させることなくそのまま使用するものが好ましい。この場合、体質顔料が強固な凝集体を形成する可能性が低い。ただし、一旦乾燥させてパウダーとなった体質顔料を、水性媒体中に湿潤させた水性懸濁液を用いることもできる。
本発明では、上記水性媒体として、通常水が使用される。使用する水としては、特に限定されず、水道水、井戸水、イオン交換水、蒸留水等を用いることができる。なお、本発明の効果を阻害しない範囲内で、水に水混和性溶剤や水溶性添加剤等を加えて用いてもよい。
次に、表面処理されていない体質顔料の表面を処理する表面改質剤としては、脂肪酸類、脂肪酸塩、チタネートカップリング剤、アミノ基を有するシランカップリング剤が例示できる。これらは、単独で使用することもでき、また2種以上を併用することもできる。
脂肪酸類には脂肪酸及び脂肪酸の誘導体が含まれる。例えば、炭素数4〜22の脂肪酸及びそのエステル化物等が挙げられる。上記脂肪酸としては、例えばカプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エルカ酸等が挙げられる。上記エステル化物としては、例えばステアリン酸ステアリル、ステアリン酸ラウリル、パルミチン酸ステアリル、パルミチン酸ラウリル等が挙げられる。上記脂肪酸の炭素数としては、12〜22のものがより好ましく、入手の容易性の観点からは16〜18のものが特に好ましい。これらは単独で使用することもでき、あるいは2種以上を併用することもできる。
また、脂肪酸塩としては、例えば、特に炭素数4〜22の脂肪酸、特に上記に例示した脂肪酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等が挙げられる。上記脂肪酸塩の炭素数としては、12〜22のものがより好ましく、入手の容易性の観点からは16〜18のものが特に好ましい。
また、チタネートカップリング剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、味の素(株)から市販されているプレンアクト(登録商標)シリーズ、例えば、プレンアクトKR44(イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート)、KRET、KR38S(イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート)、KR138S(ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート)、KR238S(トリス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート)、KR338X(イソプロピルジオクチルパイロホスフェートチタネート)等が挙げられる。これらの中でも、特にKR44(イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート)が水性媒体に対する溶解性の面から好適に使用される。
また、アミノ基を有するシランカップリング剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類が挙げられる。
上記脂肪酸類、脂肪酸塩の添加量は、通常表面処理されていない体質顔料100質量部に対して0.1〜20質量部程度である。より好ましくは、表面処理されていない体質顔料100質量部に対して1〜15質量部である。
上記アミノ基を有するシランカップリング剤、チタネートカップリング剤の添加量は、表面処理されていない体質顔料100質量部に対して通常0.1〜5.0質量部である。表面処理されていない体質顔料100質量部に対して0.8〜3.0質量部が好ましい。
表面改質剤の添加量が0.1質量部未満では良好な分散が得られない可能性が高い。一方、20質量部(上記脂肪酸類、脂肪酸塩の場合)または5.0質量部(上記アミノ基を有するシランカップリング剤、チタネートカップリング剤の場合)よりも多い場合は、インキが印刷機のクロムロールに絡み、印刷中の汚れにつながるおそれがある。
次に、本発明の製造方法に使用する油性印刷用ワニスとしては、バインダー樹脂と油状液体を含有するものを使用できる。
上記バインダー樹脂としては、オフセット印刷用インキ組成物に使用されているロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、石油樹脂変性フェノール樹脂、フェノールを含有しないポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、石油樹脂等を使用することができる。
油性印刷用ワニス中の上記バインダー樹脂の使用量は、通常20〜60質量%の範囲が適当である。
上記油状液体としては、植物油成分、鉱物油成分等が使用できる。
植物油成分としては、植物油及び植物油由来の脂肪酸エステル化合物が挙げられる。
上記植物油としては、大豆油、綿実油、アマニ油、サフラワー油、桐油、トール油、脱水ヒマシ油、カノーラ油等のオフセット印刷に適した乾性油又は半乾性油が例示できる。これらは、単独で使用してもよく、また2種以上を併用することもできる。
上記植物油由来の脂肪酸エステル化合物としては、上記の乾性油又は半乾性油由来の脂肪酸のモノアルキルエステル化合物が挙げられる。かかる脂肪酸モノアルキルエステルを構成する脂肪酸としては、炭素数16〜20の飽和又は不飽和脂肪酸が好ましい。具体的には、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸等が例示できる。脂肪酸モノアルキルエステルを構成するアルコール由来のアルキル基は、炭素数が1〜10のものが好ましい。そのようなアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2−エチルヘキシル基等のアルキル基が例示できる。これらの脂肪酸エステル化合物は、単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用することもできる。
鉱物油成分としては、水と相溶しない、沸点180℃以上、好ましくは200℃以上のものを挙げることができる。具体的には、従来からオフセット印刷用インキ溶剤として使用されている、n−パラフィン系溶剤、イソパラフィン系溶剤、ナフテン系溶剤、芳香族系溶剤、α−オレフィン系溶剤等の石油系溶剤、軽油、スピンドル油、マシン油、シリンダー油、テレピン油、ミネラルスピリット等が例示できる。
上記油性印刷用ワニスにおいて、植物油成分と鉱物油成分は、植物油成分を単独で用いてもよく、鉱物油成分を単独で用いてもよい。また、植物油成分と鉱物油成分とを併用してもよい。
さらに必要に応じて、油性印刷用ワニスには、ゲル化剤、ドライヤー(乾燥剤)、乾燥遅延剤、酸化防止剤等の添加剤を適宜使用してもよい。
<体質顔料分散物の製造方法>
次に、本発明の製造方法について説明する。
本発明の製造方法は、表面処理されていない体質顔料を表面処理する工程を含む。この表面処理する工程は、表面処理されていない体質顔料を20〜80質量%含有する水性懸濁液(A)に、脂肪酸類、脂肪酸塩、チタネートカップリング剤、及びアミノ基を有するシランカップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種の表面改質剤を表面処理されていない体質顔料100質量部に対して所定量混合し、20℃〜100℃の温度で攪拌することにより行われる。また、本発明の製造方法は、前記表面処理の後、得られたスラリー状の水性懸濁液(B)に、油性印刷用ワニスを加えてフラッシングし、次いで水の除去を行う工程を含む。
本発明の製造方法において、「フラッシング」とは、体質顔料(水性懸濁液(B))と油性印刷用ワニスを混合・撹拌し、体質顔料を水相から油性相に転相させる工程をいう。
表面処理されていない体質顔料を表面改質剤で表面処理するために使用する装置は特に限定されない。なかでも、ディスパー又はフラッシャー(ニーダー)のいずれかを用いるのが好ましい。
また、フラッシングに使用する装置も特に限定されない。例えばフラッシャー(ニーダー)又は脱水する機構を有する撹拌装置等が利用できる。
本発明の製造方法において、フラッシングに次いで、組成物中の水の含有量が、好ましくは2質量%以下となるまで水の除去を行う。また、その後、さらに練肉する工程を経るのが好ましい。練肉するための装置としては、特に限定されないが、例えばロールミル又はビーズミル等が利用できる。この工程において、体質顔料の粒子径が10μm以下となるまで練肉することが好ましい。なお粒子径は、例えばグラインドゲージ等によって測定することができる。
より具体的な方法としては、特に限定されないが、例えば、以下の方法等を挙げることができる。
まず、前記表面処理されていない体質顔料を20〜80質量%含有する水性懸濁液(A)に、脂肪酸類、脂肪酸塩、チタネートカップリング剤、及びアミノ基を有するシランカップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種の表面改質剤を添加する。添加後、ディスパー又はフラッシャー(ニーダー)により約5〜120分間撹拌し上記表面改質剤を水性懸濁液(A)中に混合することにより、未表面処理体質顔料の表面処理を行う。表面処理の際の撹拌温度は特に限定されるものではないが、20℃〜100℃であることが好ましい。次いで得られたスラリー状の水性懸濁液(B)に上記油性印刷用ワニス(上記バインダー樹脂を植物油成分及び/又は鉱物油成分に溶解させたもの)を加え、フラッシャー(ニーダー)又は脱水する機構を有する撹拌装置でフラッシングする。次いで組成物中の水の含有量が、2質量%以下になるまで水の除去を行う。さらに、その後、必要に応じて、油性印刷用ワニス、油状液体を加え、ビーズミルや3本ロールミルで体質顔料の粒子径が10μm以下になるまで練肉分散させる工程を経て、体質顔料分散物を得る。上記水の含有量は、カールフィッシャー水分計等によって測定することができる。
尚、油性印刷用ワニスには、必要に応じて、適量のゲル化剤(バインダー樹脂に対して15質量%以下程度)を使用し、バインダー樹脂を架橋させることができる。このような場合に使用するゲル化剤としては、アルミニウムアルコラート類、アルミニウムキレート化合物等が挙げられる。好ましい具体例としては、アルミニウムトリイソプロポキシド、モノ−sec−ブトキシアルミニウムジイソプロポキシド、アルミニウムトリ−sec−ブチトキシド、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート等が例示できる。
<体質顔料分散物>
上記の製造法で得られる体質顔料分散物も本発明の1つである。本発明の体質顔料分散物は、体質顔料が油性印刷用ワニス中に十分に分散されている。また、後述するオフセット印刷用インキ組成物に添加することにより、得られる印刷物の汚れを防止することができる点で有利なものである。
<オフセット印刷用インキ組成物>
本発明の体質顔料分散物は、オフセット印刷用インキ組成物の流動性や水幅調整のために、オフセット印刷用インキ組成物中に体質顔料の量が30質量%以下となるように添加されることが好ましい。特に限定されないが、オフセット印刷用インキ組成物は、オフセット印刷用インキベース、油状液体、及び、上記油性印刷用体質顔料分散物を混合することにより得ることができる。
このような、上記体質顔料分散物が添加されたオフセット印刷用インキ組成物も本発明の1つである。本発明のオフセット印刷用インキ組成物は印刷適性に優れている。また、当該オフセット印刷用インキ組成物を用いることにより、非画線部のインキ付着、濃度むらのない印刷物を得ることができる点で有利である。
上記オフセット印刷用インキ組成物は、新聞印刷、電話帳印刷等のノンヒート印刷、さらにヒートセット印刷、枚葉印刷、水無し印刷等のオフセット印刷全般に対して有効である。
本発明の油性印刷用体質顔料分散物の製造方法によれば、体質顔料の飛散がなく、生産性の向上及びコストの削減が達成できる。また該製造方法で得られる油性印刷用体質顔料分散物を用いることにより印刷物の汚れを防止することができる。
以下に実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味する。
<油性印刷用ワニス>
コンデンサー、温度計、及び攪拌機を装着した四つ口フラスコにロジン変性フェノール樹脂(星光ポリマー(株)製OR−710、分子量78,000、酸価15.0)41質量部、大豆油58質量部を仕込んだ。次いで、230℃に昇温した後、同温度で60分間攪拌して油性印刷用ワニスを得た。
<オフセット印刷用インキベース>
油性印刷用ワニス52質量部に、アルキッド樹脂3質量部、紅顔料(ブリリアントカーミン6B)を25質量%含有するプレスケーキ(住化カラー(株)製)の108質量部、酸化防止剤2質量部及び大豆油16質量部を加えた。次いで、フラッシャー(ニーダー)でフラッシングした。フラッシングして得られる組成物中の水の含有量が、2質量%以下になるまで脱水し、オフセット印刷用インキベースを得た。
<油性印刷用体質顔料分散物、オフセット印刷用インキ組成物>
<実施例1>
フラッシャー(ニーダー)に、表面処理されていない炭酸カルシウムを75質量%含有する水性懸濁液133質量部、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン2.0質量部を仕込んだ。次いで、80℃で約30分間撹拌し、炭酸カルシウムの表面処理を行った。次いで上記油性印刷用ワニスの128質量部、大豆油の23質量部を加えてフラッシングした。次いで組成物中の水の含有量が、2質量%以下になるまで水の除去を行い、油性印刷用炭酸カルシウム分散物1を製造した。得られた油性印刷用炭酸カルシウム分散物1の分散性をグラインドゲージにて測定したところ、炭酸カルシウムの粒子径は10μm以下であった。
さらに、上記オフセット印刷用インキベース175質量部を加えて混合攪拌した。次いで、適量の大豆油を添加することにより粘度が7.5Pa・sになるように調整し、オフセット印刷用インキ組成物1を得た。
<実施例2>
フラッシャー(ニーダー)に、表面処理されていない炭酸カルシウムを75質量%含有する水性懸濁液の133質量部、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.1質量部を仕込んだ。次いで、80℃で約30分間撹拌し、炭酸カルシウムの表面処理を行った。次いで上記油性印刷用ワニスの125質量部、大豆油の23質量部を加えてフラッシングした。次いで組成物中の水の含有量が、2質量%以下になるまで水の除去を行い、得られた油性印刷用炭酸カルシウム分散物の分散性をグラインドゲージにて測定したところ、炭酸カルシウムの粒子径は12.5μm以下であった。その後、45℃の3本ロールミルを用いて、通し回数1回で練肉分散し油性印刷用炭酸カルシウム分散物2を製造した。得られた油性印刷用炭酸カルシウム分散物2の分散性をグラインドゲージにて測定したところ、炭酸カルシウムの粒子径は10μm以下であった。
さらに、上記オフセット印刷用インキベース172質量部を加えて混合攪拌した。次いで、適量の大豆油を添加することにより粘度が7.5Pa・sになるように調整し、オフセット印刷用インキ組成物2を得た。
<実施例3>
フラッシャー(ニーダー)に、表面処理されていない炭酸カルシウムを75質量%含有するスラリー状の水性懸濁液の133質量部に対して、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン5質量部を添加した。次いで、80℃で約30分間撹拌し、炭酸カルシウムの表面処理を行った。次いで上記油性印刷用ワニスの131質量部、大豆油の24質量部を加えてフラッシングした。次いで組成物中の水の含有量が、2質量%以下になるまで水の除去を行い、油性印刷用炭酸カルシウム分散物3を製造した。得られた油性印刷用炭酸カルシウム分散物3の分散性をグラインドゲージにて測定したところ、炭酸カルシウムの粒子径は10μm以下であった。
さらに、上記オフセット印刷用インキベース180質量部を加えて混合攪拌した。次いで、適量の大豆油を添加することにより粘度が7.5Pa・sになるように調整し、オフセット印刷用インキ組成物3を得た。
<実施例4>
フラッシャー(ニーダー)に、表面処理されていない炭酸カルシウムを75質量%含有する水性懸濁液の133質量部、KR 44(味の素社製)0.3質量部を仕込んだ。次いで、80℃で約30分間撹拌し、炭酸カルシウムの表面処理を行った。次いで上記油性印刷用ワニスの125質量部、大豆油の23質量部を加えてフラッシングした。次いで組成物中の水の含有量が、2質量%以下になるまで水の除去を行い、油性印刷用炭酸カルシウム分散物4を製造した。得られた油性印刷用炭酸カルシウム分散物4の分散性をグラインドゲージにて測定したところ、炭酸カルシウムの粒子径は10μm以下であった。
さらに、上記オフセット印刷用インキベース172質量部を加えて混合攪拌した。次いで、適量の大豆油を添加することにより粘度が7.5Pa・sになるように調整し、オフセット印刷用インキ組成物4を得た。
<実施例5>
フラッシャー(ニーダー)に、表面処理されていない炭酸カルシウムを75質量%含有する水性懸濁液の133質量部に対して、オレイン酸10質量部を添加した。次いで、80℃で約30分間撹拌し、炭酸カルシウムの表面処理を行った。次いで上記油性印刷用ワニスの138質量部、大豆油の25質量部を加えてフラッシングした。次いで組成物中の水の含有量が、2質量%以下になるまで水の除去を行い、油性印刷用炭酸カルシウム分散物5を製造した。得られた油性印刷用炭酸カルシウム分散物5の分散性をグラインドゲージにて測定したところ、炭酸カルシウムの粒子径は10μm以下であった。
さらに、上記オフセット印刷用インキベース189質量部を加えて混合攪拌した。次いで、適量の大豆油を添加することにより粘度が7.5Pa・sになるように調整し、オフセット印刷用インキ組成物5を得た。
<実施例6>
フラッシャー(ニーダー)に、表面処理されていない炭酸カルシウムを75質量%含有する水性懸濁液の133質量部、オレイン酸ナトリウム20%水溶液の50質量部を仕込んだ。次いで、80℃で約30分間撹拌し、未表面処理炭酸カルシウムの表面処理を行った。次いで上記油性印刷用ワニスの138質量部、大豆油の25質量部を加えてフラッシングした。次いで組成物中の水の含有量が、2質量%以下になるまで水の除去を行い、油性印刷用炭酸カルシウム分散物6を製造した。得られた油性印刷用炭酸カルシウム分散物6の分散性をグラインドゲージにて測定したところ、炭酸カルシウムの粒子径は10μm以下であった。
さらに、上記オフセット印刷用インキベース189質量部を加えて混合攪拌した。次いで、適量の大豆油を添加することにより粘度が7.5Pa・sになるように調整し、オフセット印刷用インキ組成物6を得た。
<実施例7>
フラッシャー(ニーダー)に、表面処理されていない炭酸カルシウムを50質量%含有する水性懸濁液の200質量部、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン2.0質量部を仕込んだ。次いで、80℃で約30分間撹拌し、炭酸カルシウムの表面処理を行った。次いで上記油性印刷用ワニスの125質量部、大豆油の23質量部を加えてフラッシングした。次いで組成物中の水の含有量が、2質量%以下になるまで水の除去を行い、油性印刷用炭酸カルシウム分散物7を製造した。得られた油性印刷用炭酸カルシウム分散物7の分散性をグラインドゲージにて測定したところ、炭酸カルシウムの粒子径は10μm以下であった。
さらに、上記オフセット印刷用インキベース172質量部を加えて混合攪拌した。次いで、適量の大豆油を添加することにより粘度が7.5Pa・sになるように調整し、オフセット印刷用インキ組成物7を得た。
<実施例8>
フラッシャー(ニーダー)に、表面処理されていない炭酸カルシウムを25質量%含有する水性懸濁液の400質量部、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン2.0質量部を仕込んだ。次いで、80℃で約30分間撹拌し、炭酸カルシウムの表面処理を行った。次いで上記油性印刷用ワニスの128質量部、大豆油の23質量部を加えてフラッシングした。次いで組成物中の水の含有量が、2質量%以下になるまで水の除去を行い、油性印刷用炭酸カルシウム分散物8を製造した。得られた油性印刷用炭酸カルシウム分散物8の分散性をグラインドゲージにて測定したところ、炭酸カルシウムの粒子径は10μm以下であった。
さらに、上記オフセット印刷用インキベース175質量部を加えて混合攪拌した。次いで、適量の大豆油を添加することにより粘度が7.5Pa・sになるように調整し、オフセット印刷用インキ組成物8を得た。
<比較例1>
フラッシャー(ニーダー)に、表面処理されていない炭酸カルシウムを75質量%含有する水性懸濁液の133質量部に上記油性印刷用ワニスの125質量部、大豆油の23質量部を加えてフラッシングした。次いで組成物中の水の含有量が、2質量%以下になるまで水の除去を行い、油性印刷用炭酸カルシウム分散物9を製造した。得られた油性印刷用炭酸カルシウム分散物9の分散性をグラインドゲージにて測定したところ、未処理炭酸カルシウムの粒子径は10μmより大きかった。さらに、ロールミルで練肉し油性印刷用炭酸カルシウム分散物9を得た。得られた油性印刷用炭酸カルシウム分散物9の分散性をグラインドゲージにて測定したところ、炭酸カルシウムの粒子径は25μmであり、分散性が劣っていた。
<比較例2>
濃度10%の水酸化カリウム水溶液にマレイン酸変性ロジンを溶かしてロジン濃度25%の水溶液を調整した。生石灰水溶液に炭酸ガスを吹き込んで炭酸カルシウムを合成した。その合成反応工程で得られた炭酸カルシウム粒子濃度10%の水分散液1000質量部に、上記ロジン水溶液20質量部を混合し、この混合液を脱水して含水率40%のウエットケーキとした。次いで、上記油性印刷用ワニス131質量部、植物油24質量部を加え、フラッシャー(ニーダー)でフラッシングした。フラッシングして得られる組成物中の水の含有量が、2質量%以下になるまで脱水し、油性印刷用炭酸カルシウム分散物10を製造した。この時、グラインドゲージにて分散性を測定したところ、炭酸カルシウムの粒子径は10μm以下であった。さらに、上記オフセット印刷用インキベース180質量部を加えて混合攪拌した。次いで、適量の大豆油を添加することにより粘度が7.5Pa・sになるように調整し、オフセット印刷用インキ組成物10を得た。
[評価]
<油性印刷用体質顔料分散物の分散性>
油性印刷用炭酸カルシウム分散物1〜10を、グラインドゲージを用いた練和度試験により評価した。練和度試験はJIS K 5101−1に準拠する方法により行った。
[評価基準]
○:油性印刷用炭酸カルシウム分散物中の体質顔料(炭酸カルシウム)の粒子径が10μm以下のもの
×:油性印刷用炭酸カルシウム分散物中の体質顔料(炭酸カルシウム)の粒子径が10μmより大きいもの
<オフセット印刷用インキ組成物の印刷適性>
オフセット印刷用インキ組成物1〜8、10を下記の条件で印刷し、得られた印刷物の非画線部の汚れ度、濃度むらを確認した。尚、印刷物の非画線部の汚れ度、濃度むらを確認するため湿し水の量を変化させて、印刷適性の評価を行った。結果を表1に示す。
<印刷条件>
印刷機:三菱ダイヤ1−E(三菱重工業(株)製)
(印刷機は、湿し水供給量をダイヤルメモリ0から10でコントロール(ダイヤルメモリには単位がない)できる。また、ダイヤルメモリ0で湿し水がほとんど供給されない状態で数字が増えるごとに湿し水供給量が増加するものである。)
湿し水:サカタインクス(株)製SAH−7
印刷テスト:印刷機のダイヤルメモリを0から10まで変化させて、印刷テストを行った。
紙:更紙
[評価基準]
○:非画線部へのインキ付着の無いもの
△:非画線部へのインキ付着面積が、非画線部全体に対して0を超え50%以下のもの
×:非画線部へのインキ付着面積が、非画線部全体の面積に対して50%を超えるもの
Figure 0005031735
表1によれば、未処理の炭酸カルシウムを用いた比較例1の油性印刷用炭酸カルシウム分散物9と比べ、体質顔料を表面処理した実施例1〜8の油性印刷用炭酸カルシウム分散物1〜8は、体質顔料である炭酸カルシウムの分散性に優れることが分かった。また、実施例1〜8のオフセット印刷用インキ組成物1〜8を用いた場合においては非画線部のインキ付着、濃度むらがなかった。また、ロジンによって炭酸カルシウムを処理した比較例2のオフセット印刷用インキ組成物10を用いて印刷した場合と比べて印刷適性に優れていた。このように脂肪酸類、脂肪酸塩、チタネートカップリング剤、及びアミノ基を有するシランカップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種の表面改質剤によって炭酸カルシウムを表面処理することにより、体質顔料の分散性とオフセット印刷用インキ組成物の印刷適性を両立できることが分かった。
本発明の製造方法によって得られる油性印刷用体質顔料分散物を含有するオフセット印刷用インキ組成物は、新聞印刷、電話帳印刷等のノンヒート印刷、さらにヒートセット印刷、枚葉印刷、水無し印刷等のオフセット印刷全般に対して有効である。

Claims (4)

  1. 表面処理されていない体質顔料を20〜80質量%含有する水性懸濁液(A)に、脂肪酸類、脂肪酸塩、チタネートカップリング剤、及びアミノ基を有するシランカップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種の表面改質剤を混合し、攪拌することにより前記体質顔料を表面処理する工程と、
    前記表面処理の後、得られたスラリー状の水性懸濁液(B)に、油性印刷用ワニスを加えてフラッシングし、次いで水の除去を行う工程と、
    を含むことを特徴とする油性印刷用体質顔料分散物の製造方法。
  2. 前記表面処理する工程、並びに、フラッシング及び水の除去を行う工程が終了した後、さらにロールミル又はビーズミルで、表面処理した体質顔料の粒子径が10μm以下になるまで練肉する工程を有することを特徴とする請求項1記載の油性印刷用体質顔料分散物の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の油性印刷用体質顔料分散物の製造方法で得られることを特徴とする油性印刷用体質顔料分散物。
  4. 請求項3記載の油性印刷用体質顔料分散物を含有することを特徴とするオフセット印刷用インキ組成物。
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