JP5032200B2 - 透析支援システム - Google Patents
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Description
また、通常、血液透析を行う医療施設においては、複数台の血液透析システムが設けられており、複数人の腎不全患者に対して血液透析を行うことが可能となっている。そして、近年、このような医療施設には、LANなどのネットワークにより、前記血液透析システムと接続された中央監視装置が設置され、総ての血液透析システムの動作状況を一括で監視できるような支援システムが構成されている。また、このような支援システムには、患者の生体データを記憶する情報管理装置等も中央監視装置と接続されている。
このような技術は、下記の特許文献1に開示されている。
また、血液透析を取り巻く状況として、我が国では、透析治療を必要とする患者の数は、毎年新たに約1万人という数で増加しており、また、前記患者は、全国各地、どのような地域においても所定の割合で存在することとなっている。したがって、各地域における人口による大小の差はあるものの、いかなる自治体も確実に腎不全患者を抱えているため、全国各地において血液透析のニーズは非常に高いものとなっている。
一方、血液透析治療を行うにあたり必要とされる透析機器のオペレーションや患者に対する処置等は、内科的素養を有する医師であれば、十分に対応することができるものである。したがって、血液透析の現場に専門の透析医が立ち会わなくとも、他の地域(たとえば、遠隔地)から透析医が現場の内科医に対してオペレーションや処置方法を指示することができ、特に、異常発生時に、前記透析医が迅速かつ適確に指示を与えることができるような環境が形成されていれば、腎不全患者に対して血液透析治療を実施することは可能である。そして、このような環境によれば、透析医が不足している地方都市においても、血液透析のニーズに応えることが可能となる。しかし、現状においては、このような環境は形成されておらず、迅速なインフラ整備が望まれている。なお、上述のような環境が形成されれば、他の地域に所在する透析医からの指示に基づいて血液透析治療を行えるものの、医療行為責任という観点からすれば、最終的には現場の医師が責任を持って独自に血液透析を行えるようになることが望ましい。
そこで、本発明は、上記した事情によりなされたものであり、その目的とするところは、次の点にある。
(請求項1)
すなわち、請求項1記載の発明は、透析医が、遠隔地等から血液透析治療のオペレーションや異常発生時の迅速かつ適確な対応を指示できるようにすることで、血液透析時における透析医の監視負担を軽減するとともに、透析医が存在しない地域においても、患者が安全かつ十分な血液透析治療を受けられることを可能とし、さらには、透析を専門としない医師が独自に血液透析治療を行えるように、前記医師に対してオペレーションや緊急時対応の方法等を教育可能とする透析支援システムの提供を目的とする。
すなわち、請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の目的に加え、血液透析中における患者の各種データを取得可能であって、透析医がより適確な指示を与えることを可能とする透析支援システムの提供を目的とする。
(請求項3)
すなわち、請求項3記載の発明は、上記請求項1又は2記載の発明の目的に加え、透析医が複数の医療施設に対して、血液透析治療のオペレーションや異常発生時の対応を指示できるようにすることで、より効率的に血液透析治療の支援が可能となる透析支援システムの提供を目的とする。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、所定の医療施設の内部に設けられるとともに、患者に血液透析を行うための血液透析ユニット10と、血液透析ユニット10の作動状態を監視するための監視手段30と、患者に関する医療データを管理するための患者データ管理手段50とを少なくとも備え、かつ、前記各手段が互いに通信可能に形成されている医療施設内システム2と、前記医療施設の外部に位置するとともに、前記医療施設内システム2とネットワークにより接続可能で、かつ、データの送受信が可能に形成されている遠隔端末装置70と、から構成される透析支援システム1において、血液透析ユニット10は、透析機器11と、透析機器11を制御するための透析機器制御手段16と、を少なくとも備え、透析機器制御手段16は、前記透析機器11に所定の異常が発生したことを検知するための異常検知手段19と、異常検知手段19により異常の発生が検知されたことを契機として、監視手段30に信号を送信するための信号送信手段20と、を少なくとも備え、監視手段30は、血液透析ユニット10の信号送信手段20により送信された信号を受信するための信号受信手段32と、信号受信手段32により信号が受信されたことを契機として、この信号に基づいて、異常が発生した透析機器11、及び、この透析機器11により血液透析を行っている患者の識別データを患者データ管理手段50に送信するための識別データ送信手段33と、を少なくとも備え、患者データ管理手段50は、患者ごとに医療データを記憶するための医療データ記憶手段52と、監視手段30の識別データ送信手段33により送信された識別データを受信するための識別データ受信手段53と、識別データ受信手段53により識別データが受信されたことを契機として、この識別データに基づいて、医療データ記憶手段52に記憶されている前記識別データに対応する患者の医療データを取得するための医療データ取得手段54と、医療データ取得手段54により取得された患者の医療データを、所定の遠隔端末装置70に送信するための医療データ送信手段55と、を少なくとも備え、遠隔端末装置70は、患者データ管理手段50の医療データ送信手段55により送信された患者の医療データを受信するための医療データ受信手段72と、医療データ受信手段72により受信された医療データを表示するための医療データ表示手段73と、を備えたことを特徴とする。
また、医療施設内システム2及び遠隔端末装置70は、ネットワークにより接続可能に形成されていれば、特にその接続態様については限定されるものではない。たとえば、医療施設内システム2及び遠隔端末装置70は、インターネットなどの電気通信回線により接続することができる。
また、前記透析支援システム1は、複数の医療施設にそれぞれ設けられた複数の医療施設内システム2を備え、遠隔端末装置70がこれらの医療施設内システム2とネットワークにより接続されるように形成することもできる。具体的には、たとえば、複数の医療施設においてそれぞれ構築されている医療施設内システム2を、インターネット等の電気通信回線により接続したものとすることができる。
前記医療施設内システム2は、後述する血液透析ユニット10、監視手段30、患者データ管理手段50を少なくとも備え、これらの各手段が互いに通信可能に形成されているものである。なお、この医療施設内システム2に備えられる手段は、これらに限定されるものではなく、他の手段を備えることもできる。
具体的には、たとえば、医療施設内システム2に、独立した2つのコンピュータを設け、一方のコンピュータに監視手段30として機能させるためのソフトウェアをインストールし、他方のコンピュータに患者データ管理手段50として機能させるためのソフトウェアをインストールすることができる。すなわち、一方のコンピュータを監視手段30として機能する装置として形成するとともに、他方のコンピュータを患者データ管理手段50として機能する装置として形成することができる。そして、これにより、一方のコンピュータが監視手段30として機能し、他方のコンピュータが患者データ管理手段50として機能することとなる。
また、ここで、「通信可能に形成」とは、各手段間で信号やデータの送受信ができるように形成されていることを意味するものである。
前記血液透析ユニット10は、患者(腎不全患者)に血液透析を行うためのものであり、実際に血液透析に用いられる各種透析機器11や、これら透析機器11を制御するための透析機器制御手段16等から構成されるものである。また、医療施設内システム2に備えられる血液透析ユニット10の数は、特に限定されるものではなく、1つだけ備えることもできるし、2つ以上備えることもできる。
また、透析機器制御手段16は、上述の如く、透析機器11を制御するためのものである。
たとえば、各透析機器11ごとにそれぞれ透析機器制御手段16(制御装置等)を設け、各透析機器制御手段16が対応する透析機器をそれぞれ別個に制御するように形成することができる。また、各透析機器11とは別個独立の1の透析機器制御手段16(制御用コンピュータ等)を設け、この透析機器制御手段16が、総ての透析機器11を制御するように形成することもできる。
またここで、「所定の異常」とは、たとえば、ダイアライザーにおいて血液が目詰まりを起こしたことによるダイアライザー内の圧の上昇、患者から血液を抜くことができない脱血異常、患者に血液を戻すことができない返血異常、患者の所定値を超える血圧上昇などが挙げられる。なお、所定の異常としては、これらの事象に限定されるものではない。
また、この監視手段30は、血液透析ユニット10の信号送信手段20により送信された信号を受信するための信号受信手段32と、信号受信手段32により信号が受信されたことを契機として、この信号に基づいて、異常が発生した透析機器11、及び、この透析機器11により血液透析を行っている患者の識別データを患者データ管理手段50に送信するための識別データ送信手段33などの制御手段を備えている。なお、監視手段30が備える制御手段としては、これらに限定されるものではない。
また、この患者データ管理手段50は、患者ごとに医療データを記憶するための医療データ記憶手段52、監視手段30の識別データ送信手段33により送信された識別データを受信するための識別データ受信手段53、識別データ受信手段53により識別データが受信されたことを契機として、この識別データに基づいて、医療データ記憶手段52に記憶されている前記識別データに対応する患者の医療データを取得するための医療データ取得手段54、及び、医療データ取得手段54により取得された患者の医療データを、所定の遠隔端末装置70に送信するための医療データ送信手段55などの制御手段を備えている。なお、患者データ管理手段50が備える制御手段としては、これらに限定されるものではない。
また、前記医療データ送信手段55は、識別データ受信手段53により識別データが受信されたことを契機として、自動的に医療データを遠隔端末装置70に送信するように形成することもできるし、また、医療データを遠隔端末装置70に送信する前に、遠隔端末装置70に対して医療データの送信可否の問い合わせを行い、送信可という応答があった遠隔端末装置70に対して医療データを送信するように形成することもできる。
なお、医療データの送信可否の問い合わせを行う場合には、患者データ管理手段50には、遠隔端末装置70に対して問い合わせを行う手段を設け、後述する遠隔端末装置70には、前記問い合わせに対して応答する手段を設ける必要がある。
また、この遠隔端末装置70は、患者データ管理手段50の医療データ送信手段55により送信された患者の医療データを受信するための医療データ受信手段72、及び、医療データ受信手段72により受信された医療データを表示するための医療データ表示手段73などの制御手段を備えている。なお、遠隔端末装置70が備える制御手段としては、これらに限定されるものではない。
また、医療データ表示手段73についても、特に限定されるものではなく、テキストデータや画像データの表示には、所定の画像処理ソフトウェアやウェブ閲覧用ソフトウェア(ブラウザー)などを使用することができ、また、音声データの表示(出力)には、所定の音声再生ソフトウェアなどを使用することができる。
(作用)
本発明に係る透析支援システム1においては、医療施設内に構築されている血液透析支援用の医療施設内システム2に、この医療施設の外部から、遠隔端末装置70がネットワークにより接続可能となっている。また、遠隔端末装置70は、医療施設内システム2との間でデータ(医療データなど)の送受信が可能となっている。そして、透析機器11に異常が発生した場合には、前記遠隔端末装置70に対して、この異常が発生した患者に関する医療データが送信されるものとなっている。
患者に関する医療データを取得することができ、この医療データに基づいて、血液透析の現場の医師等に対して、血液透析のオペレーション等を指示することができることとなる。また、上述の如く、異常発生時には、異常が発生した患者に関する医療データが送信されるため、このデータを参照することで、迅速かつ適確な指示を与えることができることとなる。
したがって、透析医が前記遠隔端末装置70を有していれば、医療施設内において透析機器11の監視手段30を常に監視し続ける必要がないため、血液透析時における透析医の監視負担を軽減することができることとなる。
また、非透析医であっても、透析医の指示の下で血液透析を実施することにより、血液透析治療に関するスキルを習得することができることとなる。すなわち、透析を専門としない医師が独自に血液透析治療を行えるように、前記医師に対してオペレーションや緊急時対応の方法等を教育することができることとなる。
(請求項2)
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の特徴に加え、前記血液透析ユニット10は、血液透析を行っている最中における患者の医療データを記録するための透析中データ記録手段21を備え、前記医療データ送信手段55は、透析中データ記録手段21により記録された血液透析中の医療データを送信可能に形成されていることを特徴とする。
また、透析中データ記録手段21は、前記医療データを自動的に記録するように形成することもできるし、血液透析の現場に立ち会っている医師等により手動で入力されたデータを記録することもできる。また、透析中データ記録手段21が記録できるデータの種類は特に限定されるものではなく、たとえば、血圧の数値などのテキストデータ、血液透析を受けている患者の表情等や血液透析中の各種透析機器11の作動状態を示す静止画や動画などの画像データなどを記録することができる。
本発明によれば、透析中データ記録手段21は、血液透析中における患者の各種データを記録し、医療データ送信手段55は、前記データを遠隔端末装置70に送信することができる。
したがって、透析医はこの血液透析中における患者のデータを参照することで、より適確な指示を与えることができることとなる。
(請求項3)
請求項3記載の発明は、上記請求項1又は2記載の発明の特徴に加え、前記透析支援システム1は、複数の医療施設にそれぞれ設けられた複数の医療施設内システム2を備え、遠隔端末装置70がこれらの医療施設内システム2とネットワークにより接続可能に形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、遠隔端末装置70が複数の医療施設内システム2とネットワークにより接続可能であるため、透析医が複数の医療施設に対して、血液透析治療のオペレーションや異常発生時の対応を指示できることとなり、より効率的に血液透析治療を支援することができることとなる。
(請求項1)
すなわち、請求項1記載の発明によれば、透析医が、遠隔地等から血液透析治療のオペレーションや異常発生時の迅速かつ適確な対応を指示できるようにすることで、血液透析時における透析医の監視負担を軽減するとともに、透析医が存在しない地域においても、患者が安全かつ十分な血液透析治療を受けられることを可能とし、さらには、透析を専門としない医師が独自に血液透析治療を行えるように、前記医師に対してオペレーションや緊急時対応の方法等を教育可能とする透析支援システムの提供することができる。
すなわち、請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果に加え、血液透析中における患者の各種データを取得可能であって、透析医がより適確な指示を与えることを可能とする透析支援システムを提供することができる。
(請求項3)
すなわち、請求項3記載の発明によれば、上記請求項1又は2記載の発明の効果に加え、透析医が複数の医療施設に対して、血液透析治療のオペレーションや異常発生時の対応を指示できるようにすることで、より効率的に血液透析治療の支援が可能となる透析支援システムを提供することができる。
(図面の説明)
図1から図3までは、本発明の実施の形態を示すものである。
図1は、透析支援システム1の概略を示すシステム構成図である。図2は、透析支援システム1の概略を示すブロック図である。図3は、血液透析中の異常発生処理の概略を示すフローである。
また、図4は、本発明の実施の形態の変形例を示すものであり、透析支援システム1の概略を示すシステム構成図である。
本実施の形態に係る透析支援システム1は、図1に示すように、所定の医療施設の内部に設けられ、各種装置等をLAN(ローカルエリアネットワーク)により接続した医療施設内システム2と、前記医療施設の外部から、この医療施設内システム2にインターネットにより接続可能な遠隔端末装置70と、を備えている。なお、透析支援システム1に備えられる装置や機器は、これらに限定されるものではなく、他の装置等を備えることもできる。
(医療施設内システム2)
医療施設内システム2は、図1に示すように、患者に血液透析を行うための複数の血液透析ユニット10と、血液透析時における前記血液透析ユニット10の監視や患者に関するデータの記憶などを行うための医療施設内サーバー100と、を備えている。なお、医療施設内システム2に備えられる装置等は、これらに限定されるものではなく、他の装置等を備えることもできる。
血液透析ユニット10は、上述の如く、血液透析を行うための装置群であって、具体的には、患者が血液透析を受ける病室内のベッド等の周辺に設置されているものである。なお、病室内には、複数のベッドを設置することができ、この場合には、各ベッドごとに血液透析ユニット10が設置されるものとなっている。
そして、各血液透析ユニット10はそれぞれ、血液透析時に実際に使用される種々の透析機器11と、これらの透析機器11の作動等を制御するための透析機器制御手段16としての制御用コンピュータと、を備えている。
また、上述の如く、透析機器制御手段16として、CPU、RAM、ROM、及び、I/Oなどを有する1台の制御用コンピュータが備えられている。具体的には、この透析機器制御手段16としての制御用コンピュータを介して、前記各透析機器11が接続されている。そして、この制御用コンピュータが、各透析機器11をそれぞれ制御するものとなっている。
(医療施設内サーバー100)
医療施設内サーバー100は、血液透析に関する各種処理を行うことが可能なコンピュータであって、医療施設内の所定箇所に備えられ、前記各血液透析ユニット10それぞれとLAN(ローカルエリアネットワーク)により接続されているものである。
(1)監視手段30
(2)患者データ管理手段50
(3)認証手段90
なお、これらの手段は、医療施設内サーバー100に総て備えるのではなく、複数のコンピュータに分散させて備え、それぞれ別個独立の装置として形成することもできる。また、医療施設内サーバー100が備える手段としては、これらに限定されるものではない。
(監視手段30)
監視手段30は、上述の如く、血液透析ユニット10の作動状態を監視するためのものであり、監視手段30における各種制御を行うための監視制御手段31を備えている。
(患者データ管理手段50)
患者データ管理手段50は、上述の如く、患者に関する医療データを管理するためのものであり、患者データ管理手段50における各種制御を行うための管理制御手段51を備えている。
認証手段90は、上述の如く、遠隔端末装置70が医療施設内システム2に接続される際に認証を行うためのものであり、認証手段90における各種制御を行うための認証制御手段91を備えている。
すなわち、この認証手段90は、遠隔端末装置70の認証を行うことにより、遠隔端末装置70の、医療施設内システム2への接続の許可又は不許可を決定するものである。
(遠隔端末装置70)
遠隔端末装置70は、前記医療施設の外部から、前記医療施設内システム2にインターネット等の電気通信回線により接続可能であって、かつ、医療施設内システム2との間でデータの送受信が可能なものであり、遠隔端末装置70における各種制御を行うための遠隔端末制御手段71を備えている。
また、この遠隔端末装置70としては、前記医療施設内システム2とインターネット等により接続可能であって、データの送受信が可能であれば、その形態については特に限定されるものではなく、たとえば、デスクトップパソコン、ノートパソコン、携帯型情報処理端末(PDA端末)、情報処理機能を備えた携帯電話などを用いることができる。
また、遠隔端末装置70の所在は、前記医療施設内システム2が構築されている医療施設の外部であれば、特に限定されるものではない。たとえば、前記医療施設から遠く離れた遠隔地や外国、他の医療施設などに位置していてもよい。また、遠隔端末装置70は所定の場所に固定されるものであってもよく、移動可能なものであってもよい。
以下、上述の制御手段による制御の概要について説明する。
(透析機器制御手段16(制御用コンピュータ))
透析機器制御手段16は、上述の如く、ダイアライザーや透析液供給装置などの透析機器11の制御を行うための1台の制御用コンピュータである。そして、この制御用コンピュータ(透析機器制御手段16)は、図2に示すように、次の(1)から(5)までの手段として機能する。
(1)設定条件記憶手段17
(2)作動制御手段18
(3)異常検知手段19
(4)信号送信手段20
(5)透析中データ記録手段21
なお、制御用コンピュータ(透析機器制御手段16)としては、上記した(1)から(5)までの手段に限定されるものではなく、他の手段を含んでいてもよい。
設定条件記憶手段17は、血液透析を行うにあたり患者ごとに設定される透析条件や各種データなどを記憶するためのものである。たとえば、今回の血液透析において患者が使用する透析機器11の機器コード、今回の血液透析における条件(透析対象の血液の量、正常血圧の範囲など)などを記憶するものである。
(作動制御手段18)
作動制御手段18は、各種透析機器11の作動を制御するためのものである。すなわち、血液透析の実行を制御するためのものであり、たとえば、所定のスイッチを操作することにより透析機器11に開始信号を送信し、血液透析を開始するように制御し、所定のスイッチを操作することにより透析機器11に終了信号を送信し、血液透析を終了するように制御することができる。また、所定の終了条件(たとえば、所定時間の経過、所定量の血液の返血など)が設定されている場合には、この終了条件を満たした際に、透析機器11に終了信号を送信し、血液透析を終了するように制御することもできる。
異常検知手段19は、透析機器11に所定の異常が発生したことを検知するためのものである。具体的には、たとえば、血液透析中に、各透析機器11において計測されている各種数値が正常範囲にあるか否かを判定するものであって、この数値が正常範囲外であると判定された場合に、異常が発生した旨を検知することができる。
なお、所定の異常としては、ダイアライザーにおいて血液が目詰まりを起こしたことによるダイアライザー内の圧の上昇、患者から血液を抜くことができない脱血異常、患者に血液を戻すことができない返血異常、患者の所定値を超える血圧上昇などが挙げられ、これらの事象に限定されるものではない。
信号送信手段20は、前記異常検知手段19により異常の発生が検知されたことを契機として、医療施設内サーバー100における監視手段30に信号を送信するためのものであり、換言すれば、監視手段30に異常の発生を通報するための手段である。また、この信号送信手段20は、前記信号の送信のみならず、他のデータ等を監視手段30へ送信可能に形成されている。
そして、この信号送信手段20は、異常検知手段19により異常の発生が検知された際には、前記信号を送信するとともに、異常が発生した透析機器11の機器コード、及び、この透析機器11により血液透析を行っている患者の患者コードを送信する。なお、これらのデータの送信に関しては、信号送信手段20とは異なる他のデータ送信手段を設け、このデータ送信手段により行ってもよい。
透析中データ記録手段21は、血液透析を行っている最中における患者の医療データを記録するためのものであり、たとえば、血液透析を受けている患者の血圧などを所定時間間隔で自動的に記録するものとなっている。
また、現場担当の医師等が、血液透析時における患者の所見などを文字データや画像データとして入力した場合には、透析中データ記録手段21はこれらのデータも記録することができる。
なお、この透析中データ記録手段21により記録されたデータは、前述の信号送信手段20により、監視手段30に送信可能であって、さらには、後述する患者データ管理手段50に送信可能であって、かつ、後述する医療データ記憶手段52に記憶可能に形成されている。そして、さらには、後述する医療データ送信手段55により、遠隔端末装置70に送信可能に形成されている。
監視制御手段31は、上述の如く、監視手段30における各種制御を行うためのものである。そして、この監視制御手段31は、図2に示すように、次の(1)及び(2)の手段として機能する。
(1)信号受信手段32
(2)識別データ送信手段33
なお、監視制御手段31としては、上記した(1)及び(2)の手段に限定されるものではなく、他の手段を含んでいてもよい。
信号受信手段32は、血液透析ユニット10の信号送信手段20により送信された信号を受信するためのものであり、換言すれば、血液透析ユニット10からの異常発生の通報を受けるためのものである。また、この信号受信手段32は、前記信号の受信のみならず、監視手段30からの他のデータ等を受信可能に形成されている。
そして、この信号受信手段32は、信号送信手段20により送信された、異常が発生した透析機器11の機器コード、及び、この透析機器11により血液透析を行っている患者の患者コードを受信する。なお、これらのデータの受信に関しては、信号受信手段32とは異なる他のデータ受信手段を設け、このデータ受信手段により行ってもよい。
識別データ送信手段33は、信号受信手段32により信号が受信されたことを契機として、この信号に基づいて、異常が発生した透析機器11、及び、この透析機器11により血液透析を行っている患者の識別データ(機器コード、患者コード)を患者データ管理手段50に送信するためのものである。また、この識別データ送信手段33は、前記識別データの送信のみならず、他のデータ等を送信することも可能である。
(管理制御手段51)
管理制御手段51は、上述の如く、患者データ管理手段50における各種制御を行うためのものである。そして、この管理制御手段51は、図2に示すように、次の(1)から(4)までの手段として機能する。
(2)識別データ受信手段53
(3)医療データ取得手段54
(4)医療データ送信手段55
なお、管理制御手段51としては、上記した(1)から(4)までの手段に限定されるものではなく、他の手段を含んでいてもよい。
(医療データ記憶手段52)
医療データ記憶手段52は、患者ごとに医療データを記憶するためのものであり、患者データベースとして形成されるものである。
識別データ受信手段53は、監視手段30における監視制御手段31の識別データ送信手段33により送信された識別データを受信するためのものである。すなわち、異常が発生した透析機器11の機器コード、及び、この透析機器11により血液透析を行っている患者の患者コードを受信するためのものである。また、この識別データ受信手段53は、前記識別データの受信のみならず、他のデータ等を受信することも可能である。
(医療データ取得手段54)
医療データ取得手段54は、識別データ受信手段53により識別データが受信されたことを契機として、この識別データに基づいて、医療データ記憶手段52に記憶されている前記識別データに対応する患者の医療データを取得するためのものである。換言すれば、この医療データ取得手段54は、異常状態が発生している患者に関する医療データを、医療データ記憶手段52から取得するためのものである。
医療データ送信手段55は、医療データ取得手段54により取得された患者の医療データを、遠隔端末装置70に送信するためのものである。
本実施の形態に係る医療データ送信手段55は、医療データを遠隔端末装置70に送信する前に、遠隔端末装置70に対して、必要な医療データの問い合わせを行う。具体的には、医療データ送信手段55は、まず、医療データ取得手段54により取得された患者の医療データのタイトルリスト(血圧値、胸部レントゲン写真、超音波図など)のみを送信し、遠隔端末装置70に対してこれらの医療データの要否を問い合わせる。そして、この問い合わせに対する遠隔端末装置70からの応答に対応して、要求された医療データのみを送信するものとなっている。
(認証制御手段91)
認証制御手段91は、上述の如く、認証手段90における各種制御を行うためのものである。そして、この認証制御手段91は、図2に示すように、次の(1)から(3)までの手段として機能する。
(1)認証データ記憶手段92
(2)認証判定手段93
(3)接続許可手段94
なお、認証制御手段91としては、上記した(1)から(3)までの手段に限定されるものではなく、他の手段を含んでいてもよい。
認証データ記憶手段92は、遠隔端末装置70を医療施設内システム2に接続させる際の認証用のデータを記憶するためのものである。本実施の形態では、認証データ記憶手段92は、認証用のデータとして、遠隔端末装置70に対応して定められた端末コード、及び、この端末コードに対応するパスワードを予め記憶している。
なお、この認証用のデータとしては、端末コード及びパスワードに限定されるものではなく、たとえば、指紋、声紋、網膜パターンなどによる生体認証データを用いることもできる。なお、生体認証データによる認証を行う際には、遠隔端末装置70に生体認証データを入力するための入力装置を備える必要がある。
認証判定手段93は、遠隔端末装置70を医療施設内システム2に接続させる際に、入力される認証用のデータの正否を判定するためのものである。
具体的には、遠隔端末装置70により入力された端末コード及びパスワードの組み合せが、前記認証データ記憶手段92に予め記憶されているものと一致しているか否かを判定する。
(接続許可手段94)
接続許可手段94は、前記認証判定手段93による判定の結果に基づき、遠隔端末装置70の、医療施設内システム2への接続を許可又は不許可とするためのものである。
(遠隔端末制御手段71)
遠隔端末制御手段71は、上述の如く、遠隔端末装置70における各種制御を行うためのものである。そして、この遠隔端末制御手段71は、図2に示すように、次の(1)から(3)までの手段として機能する。
(2)医療データ表示手段73
(3)応答送信手段74
なお、遠隔端末制御手段71としては、上記した(1)から(3)までの手段に限定されるものではなく、他の手段を含んでいてもよい。
(医療データ受信手段72)
医療データ受信手段72は、患者データ管理手段50における管理制御手段51の医療データ送信手段55により送信された患者の医療データを受信するためのものである。
(医療データ表示手段73)
医療データ表示手段73は、医療データ受信手段72により受信された医療データを表示するためのものである。具体的には、テキストデータや画像データの表示には、所定の画像処理ソフトウェアやウェブ閲覧用ソフトウェア(ブラウザー)などを使用することができ、また、音声データの表示(出力)には、所定の音声再生ソフトウェアなどを使用することができる。なお、医療データ表示手段73としては、これらに限定されるものではない。
(応答送信手段74)
応答送信手段74は、患者データ管理手段50における管理制御手段51の医療データ送信手段55により行われた医療データの要否の問い合わせに応答するためのものであり、換言すれば、患者データ管理手段50における管理制御手段51に対して、必要な医療データの要求を行うためのものである。
次に、上記構成を有する透析支援システム1における、血液透析中の異常発生処理の流れを、図3のフローに基づき説明する。
まず、図3におけるステップ100において、異常検知手段19により、透析機器11に所定の異常が発生したか否かが判定される。そして、透析機器11に所定の異常が発生したと判定された場合、次のステップ101に進む。一方、透析機器11に所定の異常が発生していないと判定された場合、ステップ100に戻る。
ステップ101において、信号送信手段20により、信号、異常が発生した透析機器11の機器コード、この透析機器11により血液透析を受けている患者の患者コードが、監視手段30に送信される。そして、次のステップ102に進む。
ステップ103において、前記患者コードに基づいて、この患者に対応する医療データが、医療データ取得手段54により取得される。そして、次のステップ104に進む。
ステップ104において、医療データ送信手段55により、遠隔端末装置70に対して医療データのタイトルリストが送信され、医療データの要否の問い合わせが行われる。そして、次のステップ105に進む。
ステップ106において、前記遠隔端末装置70からの応答に対応する医療データが、医療データ送信手段55により、遠隔端末装置70に対して送信される。そして、異常発生処理が終了する。
(総括)
上述の如く、本実施の形態に係る透析支援システム1によれば、医療施設内に構築されている血液透析支援用の医療施設内システム2に、この医療施設の外部から、遠隔端末装置70がネットワークにより接続可能となっている。また、遠隔端末装置70は、医療施設内システム2との間でデータ(医療データなど)の送受信が可能となっている。そして、透析機器11に異常が発生した場合には、前記遠隔端末装置70に対して、この異常が発生した患者に関する医療データが送信されるものとなっている。
患者に関する医療データを取得することができ、この医療データに基づいて、血液透析の現場の医師等に対して、血液透析のオペレーション等を指示することができることとなる。また、異常発生時には、異常が発生した患者に関する医療データが送信されるため、このデータを参照することで、迅速かつ適確な指示を与えることができることとなる。
したがって、透析医が前記遠隔端末装置70を有していれば、医療施設内において透析機器11の監視手段30を常に監視し続ける必要がないため、血液透析時における透析医の監視負担を軽減することができることとなる。
また、非透析医であっても、透析医の指示の下で血液透析を実施することにより、血液透析治療に関するスキルを習得することができることとなる。すなわち、透析を専門としない医師が独自に血液透析治療を行えるように、前記医師に対してオペレーションや緊急時対応の方法等を教育することができることとなる。
また、本実施の形態に係る透析支援システム1では、患者の医療データの総てを遠隔端末装置70に送信する前に、遠隔端末装置70に対して、必要な医療データの問い合わせを行い、この問い合わせに対する遠隔端末装置70からの応答に対応して、要求された医療データのみを送信するものとなっている。
また、本実施の形態に係る透析支援システム1では、透析中データ記録手段21は、血液透析中における患者の各種データを記録し、医療データ送信手段55は、前記データを遠隔端末装置70に送信することができるものとなっている。
したがって、透析医はこの血液透析中における患者のデータを参照することで、より適確な指示を与えることができることとなる。
上記実施の形態においては、医療施設内システム2に接続可能な遠隔端末装置70は1つとなっていたが、医療施設内システム2には複数の遠隔端末装置70を接続することができる。そして、医療施設内システム2に複数の遠隔端末装置70が接続されている場合には、医療データ送信手段55は、接続されている遠隔端末装置70の中からいずれかを選択し、この選択された遠隔端末装置70に対して患者の医療データを送信するように形成することができる。
具体的には、医療施設内サーバー100に、各遠隔端末装置70の医療施設内システム2への接続状態(接続中、又は、切断中)を記憶するための接続状態記憶手段(図示しておらず)、及び、前記接続状態記憶手段に記憶されている接続状態のデータに基づいて、接続状態の遠隔端末装置70からいずれを選択するための接続端末選択手段(図示しておらず)を設ける。
そして、このように形成した場合にも、上記実施の形態と同様の作用、効果を奏することとなる。
なお、この場合、総ての医療施設内システム2間のネットワークの接続の制御やセキュリティの制御、また、遠隔端末装置70の接続の制御などを行うための統合サーバーを備えることができる。
そして、このように形成した場合には、上記実施の形態と同様の操作用、効果を奏するとともに、透析医が複数の医療施設に対して、血液透析治療のオペレーションや異常発生時の対応を指示できることとなるため、より効率的に血液透析治療を支援することができる。
10 血液透析ユニット 11 透析機器
16 透析機器制御手段 17 設定条件記憶手段
18 作動制御手段 19 異常検知手段
20 信号送信手段 21 透析中データ記録手段
30 監視手段 31 監視制御手段
32 信号受信手段 33 識別データ送信手段
50 患者データ管理手段 51 管理制御手段
52 医療データ記憶手段 53 識別データ受信手段
54 医療データ取得手段 55 医療データ送信手段
70 遠隔端末装置 71 遠隔端末制御手段
72 医療データ受信手段 73 医療データ表示手段
74 応答送信手段
90 認証手段 91 認証制御手段
92 認証データ記憶手段 93 認証判定手段
94 接続許可手段
100 医療施設内サーバー
Claims (3)
- 所定の医療施設の内部に設けられるとともに、患者に血液透析を行うための血液透析ユニット、血液透析ユニットの作動状態を監視するための監視手段、及び、患者に関する医療データを管理するための患者データ管理手段を少なくとも備え、かつ、前記各手段が互いに通信可能に形成されている医療施設内システムと、
前記医療施設の外部に位置するとともに、前記医療施設内システムとネットワークにより接続可能で、かつ、データの送受信が可能に形成されている遠隔端末装置と、から構成される透析支援システムにおいて、
血液透析ユニットは、
透析機器と、
透析機器を制御するための透析機器制御手段と、を少なくとも備え、
透析機器制御手段は、
前記透析機器に所定の異常が発生したことを検知するための異常検知手段と、
異常検知手段により異常の発生が検知されたことを契機として、監視手段に信号を送信するための信号送信手段と、を少なくとも備え、
監視手段は、
血液透析ユニットの信号送信手段により送信された信号を受信するための信号受信手段と、
信号受信手段により信号が受信されたことを契機として、この信号に基づいて、異常が発生した透析機器、及び、この透析機器により血液透析を行っている患者の識別データを患者データ管理手段に送信するための識別データ送信手段と、を少なくとも備え、
患者データ管理手段は、
患者ごとに医療データを記憶するための医療データ記憶手段と、
監視手段の識別データ送信手段により送信された識別データを受信するための識別データ受信手段と、
識別データ受信手段により識別データが受信されたことを契機として、この識別データに基づいて、医療データ記憶手段に記憶されている前記識別データに対応する患者の医療データを取得するための医療データ取得手段と、
医療データ取得手段により取得された患者の医療データを、所定の遠隔端末装置に送信するための医療データ送信手段と、を少なくとも備え、
遠隔端末装置は、
患者データ管理手段の医療データ送信手段により送信された患者の医療データを受信するための医療データ受信手段と、
医療データ受信手段により受信された医療データを表示するための医療データ表示手段と、を少なくとも備えたことを特徴とする透析支援システム。 - 前記血液透析ユニットは、
血液透析を行っている最中における患者の医療データを記録するための透析中データ記録手段を備え、
前記医療データ送信手段は、
透析中データ記録手段により記録された血液透析中の医療データを、遠隔端末装置に送信可能に形成されていることを特徴とする請求項1記載の透析支援システム。 - 複数の医療施設にそれぞれ設けられた複数の医療施設内システムを備え、遠隔端末装置がこれらの医療施設内システムとネットワークにより接続可能に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の透析支援システム。
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