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JP5032200B2 - 透析支援システム - Google Patents
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JP5032200B2 - 透析支援システム - Google Patents

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Description

この発明は、腎不全患者に対して血液透析を行う際、遠隔地にいる透析医とのコミュニケーションを可能にした血液透析支援用のシステムに関するものであり、詳しくは、透析医が存在しない地域においても、安全かつ適確に血液透析が行われることを可能とするとともに、透析を専門としていない医師でも独自に血液透析を実施できるようにすべく、前記医師に対して血液透析におけるオペレーション等の教育を施すことが可能な血液透析支援用のシステムに関するものである。
従来より、腎不全患者に対する治療法としては、腹膜透析や血液透析などが知られている。ここで、血液透析とは、腎不全患者から抜き出した血液をダイアライザーと呼ばれる透析器に送り、この血液中の老廃物や水分などを取り除いた上で、患者に戻すという治療法であって、上述のダイアライザーやその他の透析用周辺機器、及び、前記機器等について作動や停止などの各種制御を行うための制御装置等、から構成される血液透析システム(血液透析ユニット)によって行われている。
また、通常、血液透析を行う医療施設においては、複数台の血液透析システムが設けられており、複数人の腎不全患者に対して血液透析を行うことが可能となっている。そして、近年、このような医療施設には、LANなどのネットワークにより、前記血液透析システムと接続された中央監視装置が設置され、総ての血液透析システムの動作状況を一括で監視できるような支援システムが構成されている。また、このような支援システムには、患者の生体データを記憶する情報管理装置等も中央監視装置と接続されている。
これにより、血液透析中に、たとえば、ダイアライザー内の圧の上昇、脱血異常、返血異常、患者の血圧上昇等の異常が発生した場合、血液透析システムから中央監視装置へ異常通報がなされることから、中央監視装置を監視することで、透析医は、各血液透析システムにおける血液透析中の異常を素早く認識することができるものとなっている。また、透析医は、中央監視装置と接続されている情報管理装置から患者の生体データを取得し、このデータを参照することで、血液透析の現場に立ち会っている担当者に対して迅速かつ適確な指示を与えることができるものとなっている。
このような技術は、下記の特許文献1に開示されている。
特開平06−205827号公報
しかし、上記のような支援システムでは、血液透析中、透析医は前記医療施設内における中央監視装置を常に監視し続ける必要があるため、効率的でなく、透析医にかかる負担が非常に大きくなるという問題が生じていた。
また、血液透析を取り巻く状況として、我が国では、透析治療を必要とする患者の数は、毎年新たに約1万人という数で増加しており、また、前記患者は、全国各地、どのような地域においても所定の割合で存在することとなっている。したがって、各地域における人口による大小の差はあるものの、いかなる自治体も確実に腎不全患者を抱えているため、全国各地において血液透析のニーズは非常に高いものとなっている。
しかし、このような状況であるにもかかわらず、血液透析を専門とする透析医の分布は、諸般の事情により、大変偏ったものとなっている。具体的には、大部分の透析医が首都圏等の大都市部に集中しており、地方都市に所在する透析医は非常に少ない。したがって、地方都市では、血液透析治療の必要性は高いにもかかわらず、透析医不足のため、十分に対応することができていないという問題が生じていた。
一方、血液透析治療を行うにあたり必要とされる透析機器のオペレーションや患者に対する処置等は、内科的素養を有する医師であれば、十分に対応することができるものである。したがって、血液透析の現場に専門の透析医が立ち会わなくとも、他の地域(たとえば、遠隔地)から透析医が現場の内科医に対してオペレーションや処置方法を指示することができ、特に、異常発生時に、前記透析医が迅速かつ適確に指示を与えることができるような環境が形成されていれば、腎不全患者に対して血液透析治療を実施することは可能である。そして、このような環境によれば、透析医が不足している地方都市においても、血液透析のニーズに応えることが可能となる。しかし、現状においては、このような環境は形成されておらず、迅速なインフラ整備が望まれている。なお、上述のような環境が形成されれば、他の地域に所在する透析医からの指示に基づいて血液透析治療を行えるものの、医療行為責任という観点からすれば、最終的には現場の医師が責任を持って独自に血液透析を行えるようになることが望ましい。
また、透析医の中には、たとえば、自らクリニックを開院しているために、また、女性の透析医にあっては結婚後の家事、育児等のために、十分な時間を得ることができず、血液透析の現場に立ち会うことができないというものもいる。したがって、このような何らかの原因で、血液透析の現場に立ち会うことができない透析医の手腕を活用することも望まれている。
そこで、本発明は、上記した事情によりなされたものであり、その目的とするところは、次の点にある。
(請求項1)
すなわち、請求項1記載の発明は、透析医が、遠隔地等から血液透析治療のオペレーションや異常発生時の迅速かつ適確な対応を指示できるようにすることで、血液透析時における透析医の監視負担を軽減するとともに、透析医が存在しない地域においても、患者が安全かつ十分な血液透析治療を受けられることを可能とし、さらには、透析を専門としない医師が独自に血液透析治療を行えるように、前記医師に対してオペレーションや緊急時対応の方法等を教育可能とする透析支援システムの提供を目的とする。
(請求項2)
すなわち、請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の目的に加え、血液透析中における患者の各種データを取得可能であって、透析医がより適確な指示を与えることを可能とする透析支援システムの提供を目的とする。
(請求項3)
すなわち、請求項3記載の発明は、上記請求項1又は2記載の発明の目的に加え、透析医が複数の医療施設に対して、血液透析治療のオペレーションや異常発生時の対応を指示できるようにすることで、より効率的に血液透析治療の支援が可能となる透析支援システムの提供を目的とする。
請求項に記載された発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、各発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、所定の医療施設の内部に設けられるとともに、患者に血液透析を行うための血液透析ユニット10と、血液透析ユニット10の作動状態を監視するための監視手段30と、患者に関する医療データを管理するための患者データ管理手段50とを少なくとも備え、かつ、前記各手段が互いに通信可能に形成されている医療施設内システム2と、前記医療施設の外部に位置するとともに、前記医療施設内システム2とネットワークにより接続可能で、かつ、データの送受信が可能に形成されている遠隔端末装置70と、から構成される透析支援システム1において、血液透析ユニット10は、透析機器11と、透析機器11を制御するための透析機器制御手段16と、を少なくとも備え、透析機器制御手段16は、前記透析機器11に所定の異常が発生したことを検知するための異常検知手段19と、異常検知手段19により異常の発生が検知されたことを契機として、監視手段30に信号を送信するための信号送信手段20と、を少なくとも備え、監視手段30は、血液透析ユニット10の信号送信手段20により送信された信号を受信するための信号受信手段32と、信号受信手段32により信号が受信されたことを契機として、この信号に基づいて、異常が発生した透析機器11、及び、この透析機器11により血液透析を行っている患者の識別データを患者データ管理手段50に送信するための識別データ送信手段33と、を少なくとも備え、患者データ管理手段50は、患者ごとに医療データを記憶するための医療データ記憶手段52と、監視手段30の識別データ送信手段33により送信された識別データを受信するための識別データ受信手段53と、識別データ受信手段53により識別データが受信されたことを契機として、この識別データに基づいて、医療データ記憶手段52に記憶されている前記識別データに対応する患者の医療データを取得するための医療データ取得手段54と、医療データ取得手段54により取得された患者の医療データを、所定の遠隔端末装置70に送信するための医療データ送信手段55と、を少なくとも備え、遠隔端末装置70は、患者データ管理手段50の医療データ送信手段55により送信された患者の医療データを受信するための医療データ受信手段72と、医療データ受信手段72により受信された医療データを表示するための医療データ表示手段73と、を備えたことを特徴とする。
前記透析支援システム1は、所定の医療施設の内部に設けられた医療施設内システム2と、前記医療施設の外部に位置するとともに、この医療施設内システム2とネットワークにより接続可能で、かつ、データの送受信が可能に形成されている遠隔端末装置70と、から構成されるものである。換言すれば、この透析支援システム1は、血液透析を支援するために医療施設内に構築されている情報システムである医療施設内システム2と、この医療施設の外部から前記医療施設内システム2に接続でき、かつ、この医療施設内システム2との間で相互アクセスが可能な端末である遠隔端末装置70とから構成されるものである。
また、医療施設内システム2及び遠隔端末装置70は、ネットワークにより接続可能に形成されていれば、特にその接続態様については限定されるものではない。たとえば、医療施設内システム2及び遠隔端末装置70は、インターネットなどの電気通信回線により接続することができる。
なお、医療施設内システム2に接続可能な遠隔端末装置70の数は、特に限定されるものではなく、1つでもよく2つ以上であってもよい。
また、前記透析支援システム1は、複数の医療施設にそれぞれ設けられた複数の医療施設内システム2を備え、遠隔端末装置70がこれらの医療施設内システム2とネットワークにより接続されるように形成することもできる。具体的には、たとえば、複数の医療施設においてそれぞれ構築されている医療施設内システム2を、インターネット等の電気通信回線により接続したものとすることができる。
前記医療施設内システム2は、後述する血液透析ユニット10、監視手段30、患者データ管理手段50を少なくとも備え、これらの各手段が互いに通信可能に形成されているものである。なお、この医療施設内システム2に備えられる手段は、これらに限定されるものではなく、他の手段を備えることもできる。
また、前記監視手段30、及び、患者データ管理手段50は、たとえば、所定のハードウェア(サーバ等)に所定のソフトウェアをインストールして形成することができる。
具体的には、たとえば、医療施設内システム2に、独立した2つのコンピュータを設け、一方のコンピュータに監視手段30として機能させるためのソフトウェアをインストールし、他方のコンピュータに患者データ管理手段50として機能させるためのソフトウェアをインストールすることができる。すなわち、一方のコンピュータを監視手段30として機能する装置として形成するとともに、他方のコンピュータを患者データ管理手段50として機能する装置として形成することができる。そして、これにより、一方のコンピュータが監視手段30として機能し、他方のコンピュータが患者データ管理手段50として機能することとなる。
また、医療施設内システム2に、1つのコンピュータ(医療施設内サーバー100)を設け、このコンピュータに、監視手段30として機能させるためのソフトウェア、及び、患者データ管理手段50として機能させるためのソフトウェアの双方をインストールすることもできる。すなわち、前記コンピュータが、監視手段30及び患者データ管理手段50の双方の機能を有するように形成することもできる。そして、これにより、前記コンピュータが監視手段30として機能するとともに、患者データ管理手段50としても機能することとなる。
また、ここで、「通信可能に形成」とは、各手段間で信号やデータの送受信ができるように形成されていることを意味するものである。
たとえば、上述のように、複数のコンピュータを備え、各コンピュータがそれぞれ監視手段30又は患者データ管理手段50として機能するように形成した場合には、各コンピュータを通信ケーブル等により直接的に接続することで、各手段が互いに通信可能となるように形成することができる。また、各コンピュータを所定の中継装置等を介して、間接的に接続することで、各手段が互いに通信可能となるように形成することもできる。具体的には、各コンピュータをLAN(ローカルエリアネットワーク)などのネットワークにより接続し、このコンピュータネットワークを介して、各手段が通信可能となるように形成することができる。また、この際、各コンピュータは、通信ケーブルや通信コネクタ等の接触型の接続手段により接続することもできるし、無線通信装置等の非接触型の接続手段により接続することもできる。
また、1つのコンピュータを備え、このコンピュータが監視手段30及び患者データ管理手段50の双方の機能を有するように形成した場合には、コンピュータ内部でソフトウェア的な手段(プログラムインターフェースなど)により、各手段が互いに通信可能となるように形成することができる。
前記血液透析ユニット10は、患者(腎不全患者)に血液透析を行うためのものであり、実際に血液透析に用いられる各種透析機器11や、これら透析機器11を制御するための透析機器制御手段16等から構成されるものである。また、医療施設内システム2に備えられる血液透析ユニット10の数は、特に限定されるものではなく、1つだけ備えることもできるし、2つ以上備えることもできる。
また、透析機器11としては、たとえば、血液を透析液と接触させ、血液中の尿素、クレアチニン、尿酸などの老廃物を除去するための装置であって、人工腎臓と呼ばれるダイアライザー、透析液を供給するための透析液供給装置、患者の血液を循環させるための血液ポンプ、血液透析中における患者の血圧を測るための血圧計などを備えることができる。なお、透析機器11としては、これらの機器や装置に限定されるものではなく、他の装置等を備えることもできる。
また、透析機器制御手段16は、上述の如く、透析機器11を制御するためのものである。
たとえば、各透析機器11ごとにそれぞれ透析機器制御手段16(制御装置等)を設け、各透析機器制御手段16が対応する透析機器をそれぞれ別個に制御するように形成することができる。また、各透析機器11とは別個独立の1の透析機器制御手段16(制御用コンピュータ等)を設け、この透析機器制御手段16が、総ての透析機器11を制御するように形成することもできる。
また、透析機器制御手段16は、透析機器11に所定の異常が発生したことを検知するための異常検知手段19、異常検知手段19により異常の発生が検知されたことを契機として、後述する監視手段30に信号を送信する信号送信手段20などの制御手段を備えている。なお、透析機器制御手段16が備える制御手段としては、これらに限定されるものではない。
またここで、「所定の異常」とは、たとえば、ダイアライザーにおいて血液が目詰まりを起こしたことによるダイアライザー内の圧の上昇、患者から血液を抜くことができない脱血異常、患者に血液を戻すことができない返血異常、患者の所定値を超える血圧上昇などが挙げられる。なお、所定の異常としては、これらの事象に限定されるものではない。
前記監視手段30は、血液透析ユニット10の作動状態を監視するためのものであり、この監視手段30における各種制御を行うための監視制御手段51などを備えることができる。
また、この監視手段30は、血液透析ユニット10の信号送信手段20により送信された信号を受信するための信号受信手段32と、信号受信手段32により信号が受信されたことを契機として、この信号に基づいて、異常が発生した透析機器11、及び、この透析機器11により血液透析を行っている患者の識別データを患者データ管理手段50に送信するための識別データ送信手段33などの制御手段を備えている。なお、監視手段30が備える制御手段としては、これらに限定されるものではない。
またここで、「識別データ」とは、各透析機器11や各患者をそれぞれ識別するために定義されたデータであって、たとえば、識別番号や識別記号とすることができる。具体的には、各透析機器11の識別データとして、たとえば、「A0001〜A9999」のような体系の機器コードを設定するとともに、各患者の識別データとして、たとえば、「P0001〜P9999」のような体系の患者コードを設定することができる。そして、血液透析時を行う際、患者の患者コードと、今回の血液透析に使用する透析機器11の機器コードとを紐付けて設定しておくことにより、緊急時には、これらのデータを識別データとして送受信することができることとなる。
前記患者データ管理手段50は、患者に関する医療データを管理するためのものであり、この患者データ管理手段50における各種制御を行うための管理制御手段51などを備えることができる。
また、この患者データ管理手段50は、患者ごとに医療データを記憶するための医療データ記憶手段52、監視手段30の識別データ送信手段33により送信された識別データを受信するための識別データ受信手段53、識別データ受信手段53により識別データが受信されたことを契機として、この識別データに基づいて、医療データ記憶手段52に記憶されている前記識別データに対応する患者の医療データを取得するための医療データ取得手段54、及び、医療データ取得手段54により取得された患者の医療データを、所定の遠隔端末装置70に送信するための医療データ送信手段55などの制御手段を備えている。なお、患者データ管理手段50が備える制御手段としては、これらに限定されるものではない。
またここで、「医療データ」とは、患者の通常時における生体的データ、過去に行った血液透析時における記録、その他の患者に関する各種データを意味するものである。また、この医療データには、文字や数値などのテキストデータ、レントゲン写真などの静止画や所定の動画などの画像データ、所定の音声データなど各種のデータが含まれる。具体的には、通常時に計測した血圧値、胸部レントゲン写真、心臓の動きを示した超音波図、断層レントゲン写真(CT写真)、過去の血液透析時における透析条件及び透析時生体データ(血圧など)、異常が発生した際の記録などが挙げられる。なお、医療データとしては、これらに限定されるものではない。
また、前記医療データ送信手段55は、所定の遠隔端末装置70に医療データを送信するが、遠隔端末装置70が複数ある場合には、総ての遠隔端末装置70に対して医療データを送信するように形成することもできるし、また、いずれかの遠隔端末装置70を選択し、選択された遠隔端末装置70に対して医療データを送信するように形成することもできる。なお、遠隔端末装置70を選択する場合には、患者データ管理手段50には遠隔端末装置70を選択するための手段などを設ける必要がある。
また、前記医療データ送信手段55は、識別データ受信手段53により識別データが受信されたことを契機として、自動的に医療データを遠隔端末装置70に送信するように形成することもできるし、また、医療データを遠隔端末装置70に送信する前に、遠隔端末装置70に対して医療データの送信可否の問い合わせを行い、送信可という応答があった遠隔端末装置70に対して医療データを送信するように形成することもできる。
また、前記医療データ送信手段55は、医療データ記憶手段52に記憶されている患者の全部の医療データを遠隔端末装置70に送信するように形成することもできるし、そのうちの一部のみを送信するように形成することもできる。また、医療データを遠隔端末装置70に送信する前に、遠隔端末装置70に対して医療データの要否の問い合わせを行い、遠隔端末装置70からの応答に対応する医療データのみを、遠隔端末装置70に送信するように形成することもできる。
なお、医療データの送信可否の問い合わせを行う場合には、患者データ管理手段50には、遠隔端末装置70に対して問い合わせを行う手段を設け、後述する遠隔端末装置70には、前記問い合わせに対して応答する手段を設ける必要がある。
前記遠隔端末装置70は、医療施設内システム2とネットワークにより接続可能に形成されるとともに、データの送受信が可能なものであり、この遠隔端末装置70における各種制御を行うための遠隔端末制御手段71などを備えることができる。
また、この遠隔端末装置70は、患者データ管理手段50の医療データ送信手段55により送信された患者の医療データを受信するための医療データ受信手段72、及び、医療データ受信手段72により受信された医療データを表示するための医療データ表示手段73などの制御手段を備えている。なお、遠隔端末装置70が備える制御手段としては、これらに限定されるものではない。
また、この遠隔端末装置70を医療施設内システム2に接続する際には、接続される遠隔端末装置70の認証が行われるように形成することができる。具体的には、遠隔端末装置70が医療施設内システム2に接続する際、予め定められたコード、及び、このコードに対応付けられたパスワードを入力させ、一致している場合にのみ医療施設内システム2への接続を許可するような認証手段を設けることができる。なお、認証の方法については、特に限定されるものではなく、たとえば、指紋、声紋、網膜パターンなどによる生体認証を用いることもできる。
また、医療データ表示手段73についても、特に限定されるものではなく、テキストデータや画像データの表示には、所定の画像処理ソフトウェアやウェブ閲覧用ソフトウェア(ブラウザー)などを使用することができ、また、音声データの表示(出力)には、所定の音声再生ソフトウェアなどを使用することができる。
また、遠隔端末装置70は、特に図示していないが、前述の異常検知手段19により透析機器11に所定の異常が発生した旨が検知された際に、異常が発生した対象の透析機器11の作動を停止させることができるように形成することもできる。このように形成する場合、具体的には、遠隔端末装置70に、所定の透析機器11に対して、作動を停止させるための停止制御信号を送信する停止信号送信手段などを設ける必要がある。
(作用)
本発明に係る透析支援システム1においては、医療施設内に構築されている血液透析支援用の医療施設内システム2に、この医療施設の外部から、遠隔端末装置70がネットワークにより接続可能となっている。また、遠隔端末装置70は、医療施設内システム2との間でデータ(医療データなど)の送受信が可能となっている。そして、透析機器11に異常が発生した場合には、前記遠隔端末装置70に対して、この異常が発生した患者に関する医療データが送信されるものとなっている。
すなわち、透析医が前記遠隔端末装置70を有していれば、この遠隔端末装置70により、
患者に関する医療データを取得することができ、この医療データに基づいて、血液透析の現場の医師等に対して、血液透析のオペレーション等を指示することができることとなる。また、上述の如く、異常発生時には、異常が発生した患者に関する医療データが送信されるため、このデータを参照することで、迅速かつ適確な指示を与えることができることとなる。
したがって、透析医が前記遠隔端末装置70を有していれば、医療施設内において透析機器11の監視手段30を常に監視し続ける必要がないため、血液透析時における透析医の監視負担を軽減することができることとなる。
さらには、医療施設内に透析医が存在していなくても、血液透析のオペレーション等の指示や血液透析時における異常発生への迅速かつ適確な対応が可能となるため、透析医が存在しない地域においても、患者が安全かつ十分な血液透析治療を受けられることとなる。
また、非透析医であっても、透析医の指示の下で血液透析を実施することにより、血液透析治療に関するスキルを習得することができることとなる。すなわち、透析を専門としない医師が独自に血液透析治療を行えるように、前記医師に対してオペレーションや緊急時対応の方法等を教育することができることとなる。
また、十分な時間を得ることができず、血液透析の現場に立ち会うことができない透析医も、前記遠隔端末装置70を有することにより、適宜、血液透析に関する適切な指示を与えることができるため、血液透析の現場に立ち会うことができない透析医の手腕を活用することができることとなる。
(請求項2)
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の特徴に加え、前記血液透析ユニット10は、血液透析を行っている最中における患者の医療データを記録するための透析中データ記録手段21を備え、前記医療データ送信手段55は、透析中データ記録手段21により記録された血液透析中の医療データを送信可能に形成されていることを特徴とする。
ここで、「血液透析を行っている最中における患者の医療データ」とは、たとえば、血液透析を受けている患者の血圧等、血液透析中における患者の生体的データなどが挙げられる。
また、透析中データ記録手段21は、前記医療データを自動的に記録するように形成することもできるし、血液透析の現場に立ち会っている医師等により手動で入力されたデータを記録することもできる。また、透析中データ記録手段21が記録できるデータの種類は特に限定されるものではなく、たとえば、血圧の数値などのテキストデータ、血液透析を受けている患者の表情等や血液透析中の各種透析機器11の作動状態を示す静止画や動画などの画像データなどを記録することができる。
(作用)
本発明によれば、透析中データ記録手段21は、血液透析中における患者の各種データを記録し、医療データ送信手段55は、前記データを遠隔端末装置70に送信することができる。
したがって、透析医はこの血液透析中における患者のデータを参照することで、より適確な指示を与えることができることとなる。
(請求項3)
請求項3記載の発明は、上記請求項1又は2記載の発明の特徴に加え、前記透析支援システム1は、複数の医療施設にそれぞれ設けられた複数の医療施設内システム2を備え、遠隔端末装置70がこれらの医療施設内システム2とネットワークにより接続可能に形成されていることを特徴とする。
(作用)
本発明によれば、遠隔端末装置70が複数の医療施設内システム2とネットワークにより接続可能であるため、透析医が複数の医療施設に対して、血液透析治療のオペレーションや異常発生時の対応を指示できることとなり、より効率的に血液透析治療を支援することができることとなる。
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
(請求項1)
すなわち、請求項1記載の発明によれば、透析医が、遠隔地等から血液透析治療のオペレーションや異常発生時の迅速かつ適確な対応を指示できるようにすることで、血液透析時における透析医の監視負担を軽減するとともに、透析医が存在しない地域においても、患者が安全かつ十分な血液透析治療を受けられることを可能とし、さらには、透析を専門としない医師が独自に血液透析治療を行えるように、前記医師に対してオペレーションや緊急時対応の方法等を教育可能とする透析支援システムの提供することができる。
(請求項2)
すなわち、請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果に加え、血液透析中における患者の各種データを取得可能であって、透析医がより適確な指示を与えることを可能とする透析支援システムを提供することができる。
(請求項3)
すなわち、請求項3記載の発明によれば、上記請求項1又は2記載の発明の効果に加え、透析医が複数の医療施設に対して、血液透析治療のオペレーションや異常発生時の対応を指示できるようにすることで、より効率的に血液透析治療の支援が可能となる透析支援システムを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
(図面の説明)
図1から図3までは、本発明の実施の形態を示すものである。
図1は、透析支援システム1の概略を示すシステム構成図である。図2は、透析支援システム1の概略を示すブロック図である。図3は、血液透析中の異常発生処理の概略を示すフローである。
また、図4は、本発明の実施の形態の変形例を示すものであり、透析支援システム1の概略を示すシステム構成図である。
(透析支援システム1)
本実施の形態に係る透析支援システム1は、図1に示すように、所定の医療施設の内部に設けられ、各種装置等をLAN(ローカルエリアネットワーク)により接続した医療施設内システム2と、前記医療施設の外部から、この医療施設内システム2にインターネットにより接続可能な遠隔端末装置70と、を備えている。なお、透析支援システム1に備えられる装置や機器は、これらに限定されるものではなく、他の装置等を備えることもできる。
(医療施設内システム2)
医療施設内システム2は、図1に示すように、患者に血液透析を行うための複数の血液透析ユニット10と、血液透析時における前記血液透析ユニット10の監視や患者に関するデータの記憶などを行うための医療施設内サーバー100と、を備えている。なお、医療施設内システム2に備えられる装置等は、これらに限定されるものではなく、他の装置等を備えることもできる。
(血液透析ユニット10)
血液透析ユニット10は、上述の如く、血液透析を行うための装置群であって、具体的には、患者が血液透析を受ける病室内のベッド等の周辺に設置されているものである。なお、病室内には、複数のベッドを設置することができ、この場合には、各ベッドごとに血液透析ユニット10が設置されるものとなっている。
そして、各血液透析ユニット10はそれぞれ、血液透析時に実際に使用される種々の透析機器11と、これらの透析機器11の作動等を制御するための透析機器制御手段16としての制御用コンピュータと、を備えている。
具体的には、透析機器11としては、血液を透析液と接触させ、血液中の尿素、クレアチニン、尿酸などの老廃物を除去するための装置であるダイアライザー、透析液を供給するための透析液供給装置、患者の血液を循環させるための血液ポンプ、血液透析中における患者の血圧を測定するための血圧計、その他血液透析中に使用される装置などを備えている。
また、上述の如く、透析機器制御手段16として、CPU、RAM、ROM、及び、I/Oなどを有する1台の制御用コンピュータが備えられている。具体的には、この透析機器制御手段16としての制御用コンピュータを介して、前記各透析機器11が接続されている。そして、この制御用コンピュータが、各透析機器11をそれぞれ制御するものとなっている。
なお、この透析機器制御手段16としての制御用コンピュータには、透析機器11を作動させるための作動スイッチ、各種透析条件や血液透析中における患者の所見などを文字データや画像データとして入力するためのキーボードやマウス、その他の入力インターフェースなどの入力手段を備えている。また、各種データを表示するためのディスプレイ、各種データを印刷するためのプリンタ、所定の記録媒体(フレキシブルディスク、メモリなど)に文字データや画像データなどを出力するための出力インターフェースなどの出力手段を備えている。
(医療施設内サーバー100)
医療施設内サーバー100は、血液透析に関する各種処理を行うことが可能なコンピュータであって、医療施設内の所定箇所に備えられ、前記各血液透析ユニット10それぞれとLAN(ローカルエリアネットワーク)により接続されているものである。
そして、この医療施設内サーバー100は、CPU、RAM、ROM、及び、I/Oなどを有しており、ROMに記憶されたプログラム(ソフトウェア)をCPUが読み込むことで、次の(1)から(3)までの各種手段を備えるものとなっている。
(1)監視手段30
(2)患者データ管理手段50
(3)認証手段90
なお、これらの手段は、医療施設内サーバー100に総て備えるのではなく、複数のコンピュータに分散させて備え、それぞれ別個独立の装置として形成することもできる。また、医療施設内サーバー100が備える手段としては、これらに限定されるものではない。
また、この医療施設内サーバー100は、各種データの入力などを行うためのキーボードやマウス、その他の入力インターフェースなどの入力手段を備えることもできる。また、各種データを表示するためのディスプレイ、印刷のためのプリンタ、その他の出力インターフェースなどの出力手段を備えることもできる。
(監視手段30)
監視手段30は、上述の如く、血液透析ユニット10の作動状態を監視するためのものであり、監視手段30における各種制御を行うための監視制御手段31を備えている。
(患者データ管理手段50)
患者データ管理手段50は、上述の如く、患者に関する医療データを管理するためのものであり、患者データ管理手段50における各種制御を行うための管理制御手段51を備えている。
(認証手段90)
認証手段90は、上述の如く、遠隔端末装置70が医療施設内システム2に接続される際に認証を行うためのものであり、認証手段90における各種制御を行うための認証制御手段91を備えている。
すなわち、この認証手段90は、遠隔端末装置70の認証を行うことにより、遠隔端末装置70の、医療施設内システム2への接続の許可又は不許可を決定するものである。
(遠隔端末装置70)
遠隔端末装置70は、前記医療施設の外部から、前記医療施設内システム2にインターネット等の電気通信回線により接続可能であって、かつ、医療施設内システム2との間でデータの送受信が可能なものであり、遠隔端末装置70における各種制御を行うための遠隔端末制御手段71を備えている。
すなわち、遠隔端末装置70は、医療施設内システム2から各種データを取得し、これを参照することが可能なものである。そして、透析医がこの遠隔端末装置70を有することで、血液透析のオペレーションや患者に対する処置方法の指示を与えたり、血液透析を行っている最中における異常発生時に、この遠隔端末装置70が取得可能なデータに基づいて、現場の医師等に対して、迅速かつ適確な指示を与えたりすることを可能とするものである。
また、この遠隔端末装置70としては、前記医療施設内システム2とインターネット等により接続可能であって、データの送受信が可能であれば、その形態については特に限定されるものではなく、たとえば、デスクトップパソコン、ノートパソコン、携帯型情報処理端末(PDA端末)、情報処理機能を備えた携帯電話などを用いることができる。
なお、この遠隔端末装置70には、各種データの入力などを行うためのキーボードやマウス、その他の入力インターフェースなどの入力手段を備えることができる。また、各種データを表示するためのディスプレイ、印刷のためのプリンタ、その他の出力インターフェースなどの出力手段を備えることもできる。
また、遠隔端末装置70の所在は、前記医療施設内システム2が構築されている医療施設の外部であれば、特に限定されるものではない。たとえば、前記医療施設から遠く離れた遠隔地や外国、他の医療施設などに位置していてもよい。また、遠隔端末装置70は所定の場所に固定されるものであってもよく、移動可能なものであってもよい。
(制御手段による制御の概要)
以下、上述の制御手段による制御の概要について説明する。
(透析機器制御手段16(制御用コンピュータ))
透析機器制御手段16は、上述の如く、ダイアライザーや透析液供給装置などの透析機器11の制御を行うための1台の制御用コンピュータである。そして、この制御用コンピュータ(透析機器制御手段16)は、図2に示すように、次の(1)から(5)までの手段として機能する。
(1)設定条件記憶手段17
(2)作動制御手段18
(3)異常検知手段19
(4)信号送信手段20
(5)透析中データ記録手段21
なお、制御用コンピュータ(透析機器制御手段16)としては、上記した(1)から(5)までの手段に限定されるものではなく、他の手段を含んでいてもよい。
(設定条件記憶手段17)
設定条件記憶手段17は、血液透析を行うにあたり患者ごとに設定される透析条件や各種データなどを記憶するためのものである。たとえば、今回の血液透析において患者が使用する透析機器11の機器コード、今回の血液透析における条件(透析対象の血液の量、正常血圧の範囲など)などを記憶するものである。
(作動制御手段18)
作動制御手段18は、各種透析機器11の作動を制御するためのものである。すなわち、血液透析の実行を制御するためのものであり、たとえば、所定のスイッチを操作することにより透析機器11に開始信号を送信し、血液透析を開始するように制御し、所定のスイッチを操作することにより透析機器11に終了信号を送信し、血液透析を終了するように制御することができる。また、所定の終了条件(たとえば、所定時間の経過、所定量の血液の返血など)が設定されている場合には、この終了条件を満たした際に、透析機器11に終了信号を送信し、血液透析を終了するように制御することもできる。
(異常検知手段19)
異常検知手段19は、透析機器11に所定の異常が発生したことを検知するためのものである。具体的には、たとえば、血液透析中に、各透析機器11において計測されている各種数値が正常範囲にあるか否かを判定するものであって、この数値が正常範囲外であると判定された場合に、異常が発生した旨を検知することができる。
なお、所定の異常としては、ダイアライザーにおいて血液が目詰まりを起こしたことによるダイアライザー内の圧の上昇、患者から血液を抜くことができない脱血異常、患者に血液を戻すことができない返血異常、患者の所定値を超える血圧上昇などが挙げられ、これらの事象に限定されるものではない。
(信号送信手段20)
信号送信手段20は、前記異常検知手段19により異常の発生が検知されたことを契機として、医療施設内サーバー100における監視手段30に信号を送信するためのものであり、換言すれば、監視手段30に異常の発生を通報するための手段である。また、この信号送信手段20は、前記信号の送信のみならず、他のデータ等を監視手段30へ送信可能に形成されている。
そして、この信号送信手段20は、異常検知手段19により異常の発生が検知された際には、前記信号を送信するとともに、異常が発生した透析機器11の機器コード、及び、この透析機器11により血液透析を行っている患者の患者コードを送信する。なお、これらのデータの送信に関しては、信号送信手段20とは異なる他のデータ送信手段を設け、このデータ送信手段により行ってもよい。
(透析中データ記録手段21)
透析中データ記録手段21は、血液透析を行っている最中における患者の医療データを記録するためのものであり、たとえば、血液透析を受けている患者の血圧などを所定時間間隔で自動的に記録するものとなっている。
また、現場担当の医師等が、血液透析時における患者の所見などを文字データや画像データとして入力した場合には、透析中データ記録手段21はこれらのデータも記録することができる。
なお、この透析中データ記録手段21により記録されたデータは、前述の信号送信手段20により、監視手段30に送信可能であって、さらには、後述する患者データ管理手段50に送信可能であって、かつ、後述する医療データ記憶手段52に記憶可能に形成されている。そして、さらには、後述する医療データ送信手段55により、遠隔端末装置70に送信可能に形成されている。
(監視制御手段31)
監視制御手段31は、上述の如く、監視手段30における各種制御を行うためのものである。そして、この監視制御手段31は、図2に示すように、次の(1)及び(2)の手段として機能する。
(1)信号受信手段32
(2)識別データ送信手段33
なお、監視制御手段31としては、上記した(1)及び(2)の手段に限定されるものではなく、他の手段を含んでいてもよい。
(信号受信手段32)
信号受信手段32は、血液透析ユニット10の信号送信手段20により送信された信号を受信するためのものであり、換言すれば、血液透析ユニット10からの異常発生の通報を受けるためのものである。また、この信号受信手段32は、前記信号の受信のみならず、監視手段30からの他のデータ等を受信可能に形成されている。
そして、この信号受信手段32は、信号送信手段20により送信された、異常が発生した透析機器11の機器コード、及び、この透析機器11により血液透析を行っている患者の患者コードを受信する。なお、これらのデータの受信に関しては、信号受信手段32とは異なる他のデータ受信手段を設け、このデータ受信手段により行ってもよい。
(識別データ送信手段33)
識別データ送信手段33は、信号受信手段32により信号が受信されたことを契機として、この信号に基づいて、異常が発生した透析機器11、及び、この透析機器11により血液透析を行っている患者の識別データ(機器コード、患者コード)を患者データ管理手段50に送信するためのものである。また、この識別データ送信手段33は、前記識別データの送信のみならず、他のデータ等を送信することも可能である。
(管理制御手段51)
管理制御手段51は、上述の如く、患者データ管理手段50における各種制御を行うためのものである。そして、この管理制御手段51は、図2に示すように、次の(1)から(4)までの手段として機能する。
(1)医療データ記憶手段52
(2)識別データ受信手段53
(3)医療データ取得手段54
(4)医療データ送信手段55
なお、管理制御手段51としては、上記した(1)から(4)までの手段に限定されるものではなく、他の手段を含んでいてもよい。
(医療データ記憶手段52)
医療データ記憶手段52は、患者ごとに医療データを記憶するためのものであり、患者データベースとして形成されるものである。
この医療データ記憶手段52には、医療データとして、たとえば、患者の通常時における生体的データや、過去に行った血液透析時における記録、その他の患者に関する各種データが、患者ごとに記憶されている。具体的には、この医療データ記憶手段52は、各患者の患者コードごとに、通常時に計測した血圧値、胸部レントゲン写真、心臓の動きを示した超音波図、断層レントゲン写真(CT写真)、過去の血液透析時における透析条件、血液透析を行っている最中の生体的データ(血圧など)、血液透析を行っている最中に異常が発生した際の記録、血液透析の現場における医師等の所見を示した文字データや画像データなどを記憶している。なお、医療データ記憶手段52が記憶している医療データとしては、これらに限定されるものではない。
(識別データ受信手段53)
識別データ受信手段53は、監視手段30における監視制御手段31の識別データ送信手段33により送信された識別データを受信するためのものである。すなわち、異常が発生した透析機器11の機器コード、及び、この透析機器11により血液透析を行っている患者の患者コードを受信するためのものである。また、この識別データ受信手段53は、前記識別データの受信のみならず、他のデータ等を受信することも可能である。
(医療データ取得手段54)
医療データ取得手段54は、識別データ受信手段53により識別データが受信されたことを契機として、この識別データに基づいて、医療データ記憶手段52に記憶されている前記識別データに対応する患者の医療データを取得するためのものである。換言すれば、この医療データ取得手段54は、異常状態が発生している患者に関する医療データを、医療データ記憶手段52から取得するためのものである。
(医療データ送信手段55)
医療データ送信手段55は、医療データ取得手段54により取得された患者の医療データを、遠隔端末装置70に送信するためのものである。
本実施の形態に係る医療データ送信手段55は、医療データを遠隔端末装置70に送信する前に、遠隔端末装置70に対して、必要な医療データの問い合わせを行う。具体的には、医療データ送信手段55は、まず、医療データ取得手段54により取得された患者の医療データのタイトルリスト(血圧値、胸部レントゲン写真、超音波図など)のみを送信し、遠隔端末装置70に対してこれらの医療データの要否を問い合わせる。そして、この問い合わせに対する遠隔端末装置70からの応答に対応して、要求された医療データのみを送信するものとなっている。
なお、医療データ送信手段55は、上述のような問い合わせを行うことなく、医療データ取得手段54により取得された患者の医療データの総てを送信するように形成することもできる。
(認証制御手段91)
認証制御手段91は、上述の如く、認証手段90における各種制御を行うためのものである。そして、この認証制御手段91は、図2に示すように、次の(1)から(3)までの手段として機能する。
(1)認証データ記憶手段92
(2)認証判定手段93
(3)接続許可手段94
なお、認証制御手段91としては、上記した(1)から(3)までの手段に限定されるものではなく、他の手段を含んでいてもよい。
(認証データ記憶手段92)
認証データ記憶手段92は、遠隔端末装置70を医療施設内システム2に接続させる際の認証用のデータを記憶するためのものである。本実施の形態では、認証データ記憶手段92は、認証用のデータとして、遠隔端末装置70に対応して定められた端末コード、及び、この端末コードに対応するパスワードを予め記憶している。
なお、この認証用のデータとしては、端末コード及びパスワードに限定されるものではなく、たとえば、指紋、声紋、網膜パターンなどによる生体認証データを用いることもできる。なお、生体認証データによる認証を行う際には、遠隔端末装置70に生体認証データを入力するための入力装置を備える必要がある。
(認証判定手段93)
認証判定手段93は、遠隔端末装置70を医療施設内システム2に接続させる際に、入力される認証用のデータの正否を判定するためのものである。
具体的には、遠隔端末装置70により入力された端末コード及びパスワードの組み合せが、前記認証データ記憶手段92に予め記憶されているものと一致しているか否かを判定する。
(接続許可手段94)
接続許可手段94は、前記認証判定手段93による判定の結果に基づき、遠隔端末装置70の、医療施設内システム2への接続を許可又は不許可とするためのものである。
具体的には、遠隔端末装置70により入力された端末コード及びパスワードの組み合せが、前記認証データ記憶手段92に予め記憶されているものと一致していると、認証判定手段93により判定された場合、接続許可手段94は、遠隔端末装置70の、医療施設内システム2への接続を許可する。すなわち、遠隔端末装置70は医療施設内システム2へ接続できることとなる。一方、一致していないと、認証判定手段93により判定された場合、接続許可手段94は、遠隔端末装置70の、医療施設内システム2への接続を許可しない。すなわち、遠隔端末装置70は医療施設内システム2へ接続できないこととなる。
(遠隔端末制御手段71)
遠隔端末制御手段71は、上述の如く、遠隔端末装置70における各種制御を行うためのものである。そして、この遠隔端末制御手段71は、図2に示すように、次の(1)から(3)までの手段として機能する。
(1)医療データ受信手段72
(2)医療データ表示手段73
(3)応答送信手段74
なお、遠隔端末制御手段71としては、上記した(1)から(3)までの手段に限定されるものではなく、他の手段を含んでいてもよい。
(医療データ受信手段72)
医療データ受信手段72は、患者データ管理手段50における管理制御手段51の医療データ送信手段55により送信された患者の医療データを受信するためのものである。
本実施の形態に係る医療データ受信手段72は、まず、医療データの要否の問い合わせとして、前記医療データ送信手段55により送信されてきた医療データのタイトルリスト(たとえば、血圧値、胸部レントゲン写真、超音波図)を受信する。そして、この医療データ送信手段55によるこれらの医療データの要否の問い合わせに対して、後述する応答送信手段74により応答することで、必要な医療データ(たとえば、血圧値、胸部レントゲン写真)を要求する。そして、この要求に対応して前記医療データ送信手段55により送信された医療データ(血圧値、胸部レントゲン写真)のみを受信する。
(医療データ表示手段73)
医療データ表示手段73は、医療データ受信手段72により受信された医療データを表示するためのものである。具体的には、テキストデータや画像データの表示には、所定の画像処理ソフトウェアやウェブ閲覧用ソフトウェア(ブラウザー)などを使用することができ、また、音声データの表示(出力)には、所定の音声再生ソフトウェアなどを使用することができる。なお、医療データ表示手段73としては、これらに限定されるものではない。
そして、この医療データ表示手段73により、異常が発生している患者についての各種医療データが表示されると、遠隔端末装置70を有する透析医は、この医療データに基づき、血液透析の現場に立ち会っている医師等に対して適確かつ迅速なアドバイスをすることができる。
(応答送信手段74)
応答送信手段74は、患者データ管理手段50における管理制御手段51の医療データ送信手段55により行われた医療データの要否の問い合わせに応答するためのものであり、換言すれば、患者データ管理手段50における管理制御手段51に対して、必要な医療データの要求を行うためのものである。
(血液透析中の異常発生処理の流れ)
次に、上記構成を有する透析支援システム1における、血液透析中の異常発生処理の流れを、図3のフローに基づき説明する。
まず、図3におけるステップ100において、異常検知手段19により、透析機器11に所定の異常が発生したか否かが判定される。そして、透析機器11に所定の異常が発生したと判定された場合、次のステップ101に進む。一方、透析機器11に所定の異常が発生していないと判定された場合、ステップ100に戻る。
ステップ101において、信号送信手段20により、信号、異常が発生した透析機器11の機器コード、この透析機器11により血液透析を受けている患者の患者コードが、監視手段30に送信される。そして、次のステップ102に進む。
ステップ102において、前記信号送信手段20により送信された信号、透析機器11の機器コード及び患者の患者コードが、信号受信手段32により受信される。そして、次のステップ103に進む。
ステップ103において、前記患者コードに基づいて、この患者に対応する医療データが、医療データ取得手段54により取得される。そして、次のステップ104に進む。
ステップ104において、医療データ送信手段55により、遠隔端末装置70に対して医療データのタイトルリストが送信され、医療データの要否の問い合わせが行われる。そして、次のステップ105に進む。
ステップ105において、患者データ管理手段50により、前記医療データの要否の問い合わせに対する、遠隔端末装置70からの応答が受信される。そして、次のステップ106に進む。
ステップ106において、前記遠隔端末装置70からの応答に対応する医療データが、医療データ送信手段55により、遠隔端末装置70に対して送信される。そして、異常発生処理が終了する。
(総括)
上述の如く、本実施の形態に係る透析支援システム1によれば、医療施設内に構築されている血液透析支援用の医療施設内システム2に、この医療施設の外部から、遠隔端末装置70がネットワークにより接続可能となっている。また、遠隔端末装置70は、医療施設内システム2との間でデータ(医療データなど)の送受信が可能となっている。そして、透析機器11に異常が発生した場合には、前記遠隔端末装置70に対して、この異常が発生した患者に関する医療データが送信されるものとなっている。
すなわち、透析医が前記遠隔端末装置70を有していれば、この遠隔端末装置70により、
患者に関する医療データを取得することができ、この医療データに基づいて、血液透析の現場の医師等に対して、血液透析のオペレーション等を指示することができることとなる。また、異常発生時には、異常が発生した患者に関する医療データが送信されるため、このデータを参照することで、迅速かつ適確な指示を与えることができることとなる。
したがって、透析医が前記遠隔端末装置70を有していれば、医療施設内において透析機器11の監視手段30を常に監視し続ける必要がないため、血液透析時における透析医の監視負担を軽減することができることとなる。
さらには、医療施設内に透析医が存在していなくても、血液透析のオペレーション等の指示や血液透析時における異常発生への迅速かつ適確な対応が可能となるため、透析医が存在しない地域においても、患者が安全かつ十分な血液透析治療を受けられることとなる。
また、非透析医であっても、透析医の指示の下で血液透析を実施することにより、血液透析治療に関するスキルを習得することができることとなる。すなわち、透析を専門としない医師が独自に血液透析治療を行えるように、前記医師に対してオペレーションや緊急時対応の方法等を教育することができることとなる。
また、十分な時間を得ることができず、血液透析の現場に携わることができない透析医も、前記遠隔端末装置70を有することにより、適宜、血液透析に関する適切な指示を与えることができるため、血液透析の現場に立ち会うことができない透析医の手腕を活用することができることとなる。
また、本実施の形態に係る透析支援システム1では、患者の医療データの総てを遠隔端末装置70に送信する前に、遠隔端末装置70に対して、必要な医療データの問い合わせを行い、この問い合わせに対する遠隔端末装置70からの応答に対応して、要求された医療データのみを送信するものとなっている。
したがって、医療施設内システム2と遠隔端末装置70との間における通信ネットワークにかかる負荷を軽減できるとともに、透析医が適確に患者の医療データを取得することができることとなる。
また、本実施の形態に係る透析支援システム1では、透析中データ記録手段21は、血液透析中における患者の各種データを記録し、医療データ送信手段55は、前記データを遠隔端末装置70に送信することができるものとなっている。
したがって、透析医はこの血液透析中における患者のデータを参照することで、より適確な指示を与えることができることとなる。
(変形例)
上記実施の形態においては、医療施設内システム2に接続可能な遠隔端末装置70は1つとなっていたが、医療施設内システム2には複数の遠隔端末装置70を接続することができる。そして、医療施設内システム2に複数の遠隔端末装置70が接続されている場合には、医療データ送信手段55は、接続されている遠隔端末装置70の中からいずれかを選択し、この選択された遠隔端末装置70に対して患者の医療データを送信するように形成することができる。
具体的には、医療施設内サーバー100に、各遠隔端末装置70の医療施設内システム2への接続状態(接続中、又は、切断中)を記憶するための接続状態記憶手段(図示しておらず)、及び、前記接続状態記憶手段に記憶されている接続状態のデータに基づいて、接続状態の遠隔端末装置70からいずれを選択するための接続端末選択手段(図示しておらず)を設ける。
より具体的には、前記接続状態記憶手段は、遠隔端末装置70が医療施設内システム2に接続されると、当該遠隔端末装置70の接続状態を「接続中」に変更し、遠隔端末装置70が医療施設内システム2から切断されると、当該遠隔端末装置70の接続状態を「切断中」に変更する。そして、血液透析を行っている最中に異常が発生した場合には、接続端末選択手段が、前記接続状態記憶手段に「接続中」と記憶されている遠隔端末装置70からいずれかを選択する。そして、この接続端末選択手段により選択された遠隔端末装置70に対して、医療データ送信手段55が、患者の医療データを送信する。
そして、このように形成した場合にも、上記実施の形態と同様の作用、効果を奏することとなる。
また、上記実施の形態における透析支援システム1には、1つの医療施設における医療施設内システム2のみが備えられていたが、図4に示すように、複数の医療施設における複数の医療施設内システム2を備え、遠隔端末装置70がこれらの医療施設内システム2とネットワークにより接続されるように形成することもできる。
なお、この場合、総ての医療施設内システム2間のネットワークの接続の制御やセキュリティの制御、また、遠隔端末装置70の接続の制御などを行うための統合サーバーを備えることができる。
そして、このように形成した場合には、上記実施の形態と同様の操作用、効果を奏するとともに、透析医が複数の医療施設に対して、血液透析治療のオペレーションや異常発生時の対応を指示できることとなるため、より効率的に血液透析治療を支援することができる。
本発明の実施の形態であって、透析支援システムの概略を示すシステム構成図である。 本発明の実施の形態であって、透析支援システムの概略を示すブロック図である。 本発明の実施の形態であって、血液透析中の異常発生処理の概略を示すフローである。 本発明の実施の形態の変形例であって、透析支援システムの概略を示すシステム構成図である。
符号の説明
1 透析支援システム 2 医療施設内システム
10 血液透析ユニット 11 透析機器
16 透析機器制御手段 17 設定条件記憶手段
18 作動制御手段 19 異常検知手段
20 信号送信手段 21 透析中データ記録手段
30 監視手段 31 監視制御手段
32 信号受信手段 33 識別データ送信手段
50 患者データ管理手段 51 管理制御手段
52 医療データ記憶手段 53 識別データ受信手段
54 医療データ取得手段 55 医療データ送信手段
70 遠隔端末装置 71 遠隔端末制御手段
72 医療データ受信手段 73 医療データ表示手段
74 応答送信手段
90 認証手段 91 認証制御手段
92 認証データ記憶手段 93 認証判定手段
94 接続許可手段
100 医療施設内サーバー

Claims (3)

  1. 所定の医療施設の内部に設けられるとともに、患者に血液透析を行うための血液透析ユニット、血液透析ユニットの作動状態を監視するための監視手段、及び、患者に関する医療データを管理するための患者データ管理手段を少なくとも備え、かつ、前記各手段が互いに通信可能に形成されている医療施設内システムと、
    前記医療施設の外部に位置するとともに、前記医療施設内システムとネットワークにより接続可能で、かつ、データの送受信が可能に形成されている遠隔端末装置と、から構成される透析支援システムにおいて、
    血液透析ユニットは、
    透析機器と、
    透析機器を制御するための透析機器制御手段と、を少なくとも備え、
    透析機器制御手段は、
    前記透析機器に所定の異常が発生したことを検知するための異常検知手段と、
    異常検知手段により異常の発生が検知されたことを契機として、監視手段に信号を送信するための信号送信手段と、を少なくとも備え、
    監視手段は、
    血液透析ユニットの信号送信手段により送信された信号を受信するための信号受信手段と、
    信号受信手段により信号が受信されたことを契機として、この信号に基づいて、異常が発生した透析機器、及び、この透析機器により血液透析を行っている患者の識別データを患者データ管理手段に送信するための識別データ送信手段と、を少なくとも備え、
    患者データ管理手段は、
    患者ごとに医療データを記憶するための医療データ記憶手段と、
    監視手段の識別データ送信手段により送信された識別データを受信するための識別データ受信手段と、
    識別データ受信手段により識別データが受信されたことを契機として、この識別データに基づいて、医療データ記憶手段に記憶されている前記識別データに対応する患者の医療データを取得するための医療データ取得手段と、
    医療データ取得手段により取得された患者の医療データを、所定の遠隔端末装置に送信するための医療データ送信手段と、を少なくとも備え、
    遠隔端末装置は、
    患者データ管理手段の医療データ送信手段により送信された患者の医療データを受信するための医療データ受信手段と、
    医療データ受信手段により受信された医療データを表示するための医療データ表示手段と、を少なくとも備えたことを特徴とする透析支援システム。
  2. 前記血液透析ユニットは、
    血液透析を行っている最中における患者の医療データを記録するための透析中データ記録手段を備え、
    前記医療データ送信手段は、
    透析中データ記録手段により記録された血液透析中の医療データを、遠隔端末装置に送信可能に形成されていることを特徴とする請求項1記載の透析支援システム。
  3. 複数の医療施設にそれぞれ設けられた複数の医療施設内システムを備え、遠隔端末装置がこれらの医療施設内システムとネットワークにより接続可能に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の透析支援システム。
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