JP5034148B2 - 電子カメラおよびカメラシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子カメラ、および撮影した被写体画像を指定した倍率で印刷することができるカメラシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子カメラで撮影した後には、撮影された画像データはメモリカード等の記録媒体や通信ケーブル等を介してパソコンに取り込まれるのが一般的である。このパソコンに取り込まれた画像は、プリンタを用いて印刷することができる。その場合、例えば印刷用のアプリケーションソフトにより印刷サイズや印刷解像度を指定して印刷を行うことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、所望の印刷サイズや印刷解像度で印刷ができても、撮影された被写体を実物と同じ大きさ(等倍)または指定の倍率で印刷しようとした場合、適当な方法がなかった。
【0004】
本発明の目的は、被写体画像を実物と同じ大きさ、または指定した倍率で印刷することができる電子カメラおよびカメラシステムを提供することにある。
【0005】
請求項1の発明による電子カメラは、ズームレンズの焦点距離を変更するズーム変更部と、前記ズームレンズにより撮像領域に投影された被写体の像を光電変換する撮像部と、前記被写体までの距離を検出する測距部と、所定の印刷サイズを設定するサイズ設定部と、印刷倍率を設定する倍率設定部と、前記所定の印刷サイズを前記印刷倍率で除算した大きさに前記被写体の位置における撮影範囲の大きさを固定する指定範囲撮影モードに設定するためのモード設定手段と、前記指定範囲撮影モードに設定されたときに、前記ズーム変更部によって前記ズームレンズの焦点距離を第1及び第2の焦点距離に変更し、前記第1及び第2の焦点距離の各々において、所定の印刷サイズの基準画像を前記撮像部の撮像領域のほぼ全域に投影したときの前記基準画像までの距離である第1及び第2の基準画像距離を前記測距部によって検出し、前記第1及び第2の焦点距離と前記第1及び第2の基準画像距離と前記測距部によって検出された前記被写体までの距離とに基づいて、前記撮影範囲が前記撮像部の撮像領域のほぼ全域に投影されるための前記ズームレンズの焦点距離を算出する焦点距離演算部と、前記ズームレンズの焦点距離が前記焦点距離演算部で算出された前記焦点距離に一致するように前記ズーム変更部を制御するズーム制御部とを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明による電子カメラは、ズームレンズの焦点距離を変更するズーム変更部と、前記ズームレンズにより撮像領域に投影された被写体の像を光電変換する撮像部と、前記被写体までの距離を検出する測距部と、所定の印刷サイズを印刷倍率で除算した大きさに前記被写体の位置における撮影範囲の大きさを固定する指定範囲撮影モードに設定するためのモード設定手段と、前記指定範囲撮影モードに設定されたときに、前記ズーム変更部によって前記ズームレンズの焦点距離を第1及び第2の焦点距離に変更し、前記第1及び第2の焦点距離の各々において、所定の印刷サイズの基準画像を前記撮像部の撮像領域のほぼ全域に投影したときの前記基準画像までの距離である第1及び第2の基準画像距離を前記測距部によって検出し、前記第1及び第2の焦点距離と前記第1及び第2の基準画像距離と前記測距部によって検出された前記被写体までの距離とに基づいて、前記撮影範囲が前記撮像部の撮像領域のほぼ全域に投影されるための前記ズームレンズの焦点距離を算出する焦点距離演算部と、前記ズームレンズの焦点距離が前記焦点距離演算部で算出された前記焦点距離に一致するように前記ズーム変更部を制御するズーム制御部とを備えたことを特徴とする。
請求項11の発明によるカメラシステムは、ズームレンズの焦点距離を変更するズーム変更部と、前記ズームレンズにより撮像領域に投影された被写体の像を光電変換する撮像部と、前記被写体までの距離を検出する測距部と、所定の印刷サイズを印刷倍率で除算した大きさに前記被写体の位置における撮影範囲の大きさを固定する指定範囲撮影モードに設定するためのモード設定手段と、前記指定範囲撮影モードに設定された際には、前記モード設定手段によって前記所定の印刷サイズを前記印刷倍率で除算した大きさに設定された前記撮影範囲と、前記測距部によって検出された前記被写体までの距離とに基づいて、前記撮影範囲が前記撮像部の撮像領域のほぼ全域に投影されるように前記ズーム変更部を制御するズーム制御部と、前記指定範囲撮影モード時に撮影された画像を前記所定の印刷サイズと同じ大きさに印刷する印刷装置とを備えたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
−第1の実施の形態−
以下、図を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明による電子カメラの一実施の形態を示す図であり、(a)は電子カメラを上方から見た平面図、(b)はカメラを後方から見た背面図である。図1(a)に示すように、電子カメラ1の上面には、電源のオン/オフ操作を行うメインスイッチ4と、レリーズボタン5と、記録モードと再生モードとの切換操作を行うコマンドダイヤル6と、カメラ情報を表示する表示パネル7とが設けられている。ここで、記録モードとは被写体像を撮影し、その画像データを記録することができるモードであり、再生モードとは記録した画像データを読み出してカメラ背面に設けられた表示LCD3(図1(b)参照)に再生表示するモードである。
【0008】
また、図1(b)に示すように、カメラ背面には、画像表示用の表示LCD3の他に、ファインダー接眼窓8、撮影光学系2をズーム操作するためのズーム切換ボタン9や各種操作ボタンが設けられている。ズーム切換ボタン9は、そのW側が押し込まれると撮影光学系2が広角側に駆動され、T側が押し込まれると望遠側に駆動される。記録モード時には後述するCCD214により撮像された被写体像が表示LCD3に逐次表示され、再生モードでは後述する記録媒体424に記憶されている画像のサムネイル表示や個々の画像の再生表示などが表示LCD3により行われる。
【0009】
10は表示LCD3に設定メニューを表示させるためのメニューボタンであり、各種設定を行う際に設定メニューを表示させて選択ボタン11a〜11dにより設定すべき項目を選択する。後述する印刷サイズ設定の際には、ボタン10,11a〜11dを操作して印刷サイズ設定メニューを表示LCD3に表示させ、選択ボタン11a〜11dの操作して表示された複数の印刷サイズから所望のサイズを選択する。本実施の形態の電子カメラ1は、被写体位置における撮影範囲の大きさを選択された印刷サイズに固定して撮影する指定サイズ撮影モードと、従来の電子カメラの記録モードに相当する通常撮影モードとを有している。このモードの切り換えはモード切換ボタン12により行う。なお、各モードの詳細は後述する。
【0010】
図2は図1に示した電子カメラの回路ブロック図である。ROM443には、電子カメラ1の制御プログラムが記憶されている。図1のメインスイッチ4をオンにすると電子カメラ1の電源がオンとなり、この制御プログラムがCPU439によって起動される。図1のコマンドダイヤル6により記録モードに設定されると、電子カメラ1は撮影可能となる。一方、コマンドダイヤル6により再生モードに設定されると、記録媒体であるメモリカード424に記録されている画像データに基づく画像を表示LCD3に再生表示することができる。なお、記録モード時には、CCD214からの撮像信号に基づく画像が表示LCD3に表示される。
【0011】
撮影光学系2は複数のレンズ201〜204を有しており、焦点調節動作はレンズ駆動回路430により行われる。このレンズ駆動回路430による焦点調節動作は、通常、CPU439の指令により行われるが、距離環462をマニュアル操作した際に出力される操作信号によっても焦点調節動作を行わせることができる。
【0012】
撮影光学系2のレンズ203とレンズ204との間には、シャッタ板208および絞り215が設けられている。撮影光学系2に入射した被写体光は、レンズ201〜204、シャッタ板208および絞り板215を通過してCCD214の撮像面上に結像される。絞り板215およびシャッタ板208は円盤状に形成されており、円盤の回転中心にそれぞれ設けられたステップモータ415、408により駆動される。絞り板215には開口面積の異なる複数の絞り開口部(不図示)が設けられており、ステップモータ415で絞り板215を回転させて任意の1つの絞り開口部を光軸上に配設する。
【0013】
シャッタ板208にはレンズ203を通過した全ての光束を遮光する完全遮光部(不図示)と、全ての光束を通過させる開口部(不図示)とが設けられている。露光時にはシャッタ板208の開口部が光路上にセットされ、露光終了とともに完全遮光部が光路上にセットされる。絞り板215を回動するステップモータ415は、駆動回路453により駆動制御される。シャッタ板208を回動するステップモータ408は、シャッタ駆動回路454により駆動制御される。
【0014】
撮影の際には、まず、CCD214に蓄積されている電荷が排出されるとともに、絞り板215の所定の開口部が光路上にセットされる。そして、CCD214が所定時間露光されると電荷が再び蓄積される。上記電荷の排出から再びシャッタ板208の完全遮光部で光路が遮光されるまでの時間が、露光時間に対応している。
【0015】
撮影光学系2によりCCD214の撮像面上に被写体像が結像されると、被写体像の光の強弱に応じた信号電荷が蓄積される。CCD214にはデジタルシグナルプロセッサ(以下、DSPと呼ぶ)433から水平駆動信号が供給されるとともに、DSP433により制御されるCCD駆動回路434から垂直駆動信号が供給される。すなわち、CCD214はDSP433およびCCD駆動回路434によりタイミング制御され、CCD214からの信号は画像処理部431に入力される。
【0016】
画像処理部431はノイズ除去回路や直流再生回路などを有しており、CCD214から出力された画像信号に対してノイズ除去、ゲインコントロールなどのアナログ処理を施す。画像処理部431から出力されたアナログの画像信号は、アナログ/デジタル変換回路(以下、A/D変換回路と呼ぶ)432によりデジタル信号に変換される。変換後のデジタル画像データは、上述したDSP433に入力される。
【0017】
DSP433では、A/D変換回路432から出力された画像データに対して輪郭補償やガンマ補正、ホワイトバランス調整などの画像処理が施される。また、DSP433はバッファメモリ436およびメモリカード424に接続されているデータバスを制御して、各種画像処理が施された画像データをバッファメモリ436に一旦記憶させた後に、バッファメモリ436から画像データを読出し、所定の圧縮形式(例えば、JPEG方式)でデータ圧縮してメモリカード424に記録させる。
【0018】
また、DSP433は、CCD214で撮像され上記画像処理が行われた後の画像データやメモリカード424から読み出され伸張された画像データをフレームメモリ435に記憶させ、それらの画像データに基づく画像を電子カメラ1に設けられた表示LCD3に表示させる。さらに、DSP433は、上述した画像データのメモリカード424への記録や伸張後の撮影画像データのバッファメモリ436への記録などにおける、データ入出力のタイミング管理も行う。
【0019】
CCD214の出力に基づく画像データが一時的に格納されるバッファメモリ436は、メモリカード424に対する画像データの入出力の速度の違いや、CPU439やDSP433等における処理速度の違いを緩和するために利用される。タイマ445は時計回路を内蔵し、現在の時刻に対応するタイムデータをCPU439に出力するとともに、後述するモニタオンオフ制御の際のタイマとしても用いられる。このタイムデータは、上述した画像データとともにメモリカード424に記録される。
【0020】
測色素子417は主要被写体およびその周囲の色温度を検出し、検出した色温度のデータを測色回路452へ出力する。測色回路452は測色素子417から出力されたアナログ信号に所定の処理を施してデジタル値に変換し、変換後のデジタル信号をCPU439へ出力する。インターフェース448は所定の外部装置(不図示)を接続して、CPU439および接続した外部装置との間でデータの送受を行うように設けられている。440は、撮影動作における設定内容が表示される表示パネル7を制御する表示回路である。なお、表示LCD3または表示パネル7には、後述する印刷サイズが表示される。
【0021】
次に、電子カメラ1の動作説明を行う。上述したように、電子カメラ1では、コマンドダイヤル6により記録モードと再生モードとの切換操作を行うことができる。記録モードとしては、従来の電子カメラの記録モードに対応する通常撮影モードと、被写体位置における撮影範囲が設定された印刷サイズと同一となるように、自動的にズーム調整が行われる指定サイズ撮影モードとを有している。まず、従来の電子カメラと同様の動作である通常撮影モードおよび再生モードについて説明する。
【0022】
[通常撮影モードの説明]
記録モードおよび再生モードの選択はコマンドダイヤル6の操作によって行う。撮影を行う場合には、コマンドダイヤル6を記録モードに設定してメインスイッチ4をオンとするか、メインスイッチ4をオンとした後にコマンドダイヤル6を記録モードに設定する。CCD214から出力された画像信号は、画像処理部431でノイズ除去やゲインコントロールなどのアナログ処理が施された後に、A/D変換回路432によりデジタル信号に変換される。デジタル変換された信号は上述したDSP433に導かれ、そこで輪郭補償、ガンマ補正等の画像前処理が行われて一旦バッファメモリ436に格納される。
【0023】
その後、CPU439とバッファメモリ436との間で画像データの授受を行って画像データからホワイトバランス調整値を求め、この調整値に基づいてDSP433でホワイトバランス調整が行われる。ホワイトバランス調整後の画像データは、再びバッファメモリ436へ格納される。バッファメモリ436に格納された画像データは、DSP433において表示LCD3に表示するための画像データに処理される。処理された画像データはフレームメモリ435に書き込まれ、スルー画像と呼ばれる撮影モニタ画像として表示LCD3に表示される。このスルー画像は、以上の動作が繰り返し行われることにより、撮影光学系2に入射される被写体光に基づいて所定の間隔で逐次更新される。
【0024】
レリーズボタン5の半押しにより不図示の半押しスイッチがオンとされると、画像データのコントラストに基づいて撮影光学系2の焦点調節状態が検出され、ピントの合った被写体像がCCD214上に結像されるようにレンズ駆動回路430による焦点調節動作が行われる。また、レリーズボタン5が半押しされると、CPU439により画像データから被写体の輝度が検出され、検出された輝度に基づいた露出演算が行われる。
【0025】
なお、電子カメラ1では、焦点調節動作として「コンティニュアスAFモード」と呼ばれるモードと、「シングルAFモード」と呼ばれるモードとを有している。コンティニュアスAFモードでは、レリーズボタン5の操作に関係なく焦点調節動作が繰り返し行われ、レリーズボタン5の半押しによりフォーカスロックされる。一方、シングルAFモードでは、レリーズボタン5が半押しさたときにのみ焦点調節動作が行われフォーカスロックされる。
【0026】
レリーズボタン5の半押しに続いて、さらにレリーズボタン5が全押しされると不図示の全押しスイッチがオンとなる。その結果、CCD214に蓄積されている信号電荷が一旦吐き出された後に、シャッタ板208と絞り板215とが露出演算の結果に基づいて駆動され、CCD214による撮像が行われる。
【0027】
この撮像によりCCD214から出力された画像信号は、上述した一連の処理が施されバッファメモリ436に格納される。バッファメモリ436に格納された画像データは、DSP433において表示LCD3に表示するための画像データに処理された後にフレームメモリ435に書き込まれ、フリーズ画像と呼ばれる撮影画像が表示LCD3に表示される。このような画像前処理が行なわれた画像データは、さらにDSP433によりデータ圧縮が行われ、CPU439により所定のデータ名を付与されてタイマ445からのタイム情報とともに、フラッシュメモリ等の記録媒体(PCカード、CFカードなど)であるメモリカード424に記録される。
【0028】
本実施の電子カメラ1は電子ズーム機能を備えており、設定された倍率Yに応じて画像データを補間処理して画像を電子的に拡大することができる。CPU439の指令によりDSP433が電子ズーム倍率Yを設定し、設定された倍率Yに応じて画像データを補間処理する。CPU439には、ズーム切換ボタン9の操作によるズーム信号およびレリーズボタン5の操作による半押し操作信号と全押し操作信号がそれぞれ入力される。
【0029】
ズーム切換ボタン9が望遠側(T)に操作されると、CPU439がレンズ駆動回路430を駆動して光学的にズーム倍率を拡大する。そして、光学的な倍率が所定の最大値に達してなおズーム切換ボタン9が望遠側(T)に操作されると、操作量に応じて電子ズーム倍率Yを決定する。電子ズーム倍率がYの場合に、被写体像の中央部を中心にして縦横1/Yの領域の画像データが抽出される。DSP433は、抽出された画像データに対して所定の画像処理を行い、さらに、画像処理により算出された輝度信号および色差信号を縦横Y倍に補間処理する。
【0030】
[再生モードについて]
コマンドダイヤル6により再生モードに切り換えると、メモリカード424に記録されている画像データが読み込まれてバッファメモリ436に格納される。通常は、メモリカード424に最後に記録された画像データ、または最初に記録された画像データが読み込まれる。バッファメモリ436に格納された画像データはCPU439により読み出され、DSP433により表示用の画像データに処理され、表示LCD3に再生画像として表示される。なお、メモリカード424に画像データが記録されていない場合には、画像データが無いこと示すメッセージが表示LCD3に表示される。
【0031】
表示LCD3に画像が再生されている状態で図1の選択ボタン11aまたは11cを操作すると、1コマ前の画像データがメモリカード424から読み出され、その再生画像が表示LCD3に表示される。一方、選択ボタン11bまたは11dを操作すると、1コマ後の画像データが読み込まれてその再生画像が表示LCD3に表示される。このように、再生モード中は表示LCD3に再生画像が表示されるが、撮影モードのようにCCD214で撮像されている被写体像を表示することはできない。また再生モード時には、撮影に関する焦点調節動作や露出検出などは行われない。
【0032】
[指定サイズ撮影モードの説明]
次に指定サイズ撮影モードについて説明する。上述したように、指定サイズ撮影モードでは、撮影範囲が設定された印刷サイズと同一となるようにズーム調整が行われる。以下では印刷サイズをS、撮影範囲をWと記す。本実施の形態の電子カメラ1では、予め複数の印刷サイズSが設定されていて、それらから所望のサイズを指定できるような構成となっている。いずれのサイズに設定するかは、上述したメニューボタン10および選択ボタン11a〜11dを用いて行う。具体的には、まず、メニューボタン10により表示LCD3に印刷サイズ設定メニューを表示させる。印刷サイズ設定メニューには各サイズの記号が表示され、選択ボタン11a〜11dを用いて何れか一つを選択することにより、選択されたサイズSに撮影範囲Wが設定される。
【0033】
例えば、印刷サイズSがA4サイズに設定されていたとする。この場合、レリーズボタン5を半押しすると、被写体中のA4サイズ範囲がCCD214の撮像領域全体に投影されるように撮影光学系2が駆動される。その結果、表示LCD3の全体にA4サイズの撮影範囲の画像が表示される。
【0034】
図3は、被写体撮影から等倍画像の印刷までを行うカメラシステムの概略構成を示す図である。電子カメラ1で撮影された画像データは、カメラ1に着脱自在なメモリカード424を介してパソコン20に取り込まれる。または、通信ケーブル21を介してカメラ1からパソコン20に画像データを転送しても良く、無線もしくはインターネット回線を介してパソコン20に画像データを転送しても良い。パソコン20には、表示モニタ22およびプリンタ23が接続されている。パソコン20にはプリンタ23を駆動するドライバソフトがインストールされており、画像を印刷する際の解像度や印刷サイズSを自由に設定することができる。なお、パソコン20を介さずに、プリンタ23に直接画像データを入力するような構成としても良い。
【0035】
図4は、図3に示したカメラシステムの撮影から印刷までの概略手順を示すフローチャートである。図4において、ステップS101からステップS103までがカメラ1側で行われる撮影の手順であり、ステップS104からステップS107までが印刷に関する手順である。印刷サイズSの設定は、メニューボタン10および選択ボタン11a〜11dの操作により予め設定される。
【0036】
ステップS101では、モード切換ボタン12により通常撮影モードから指定サイズ撮影モードに切り換える。なお、上述したように印刷サイズSは予め設定されているが、モード切換時に設定しても良い。また、後述するように(図8参照)、指定サイズ撮影モード時に、表示LCD3や表示パネル7に印刷サイズSを表すマーク33を表示するようにしても良い。ステップS102では、指定サイズ撮影モードでカメラ撮影が行われる。ステップS103では、設定された印刷サイズSを含むヘッダ情報および画像データがメモリカード424に記録される。
【0037】
ステップS104では、例えば、メモリカード424をカメラ1から抜き取って図3のパソコン20に装着するなどして、カメラ1から上記ヘッダ情報および画像データをパソコン20側に読み込む。ステップS105では、設定された印刷サイズSまたは後述する印刷解像度に合わせて画像処理する。なお、プリンタ23には電子カメラ1の表示LCD3または表示パネル7に表示される印刷サイズSと同一サイズの用紙が給紙されている。ステップS106では、印刷に使用される用紙サイズが表示モニタ22に表示される。ステップS107では、プリンタ23により画像が等倍印刷される。
【0038】
次に、図3のステップS101からステップS103までに示したカメラ側の手順を、図5および図6のフローチャートを用いてより詳細に説明する。図5,6は、カメラ1のCPU439で実行されるプログラムの処理手順を示すフローチャートである。ステップS201では、モード切換ボタン12が操作されて指定サイズ撮影モードに切り換えられたか否かを判定する。ステップS201において指定サイズ撮影モードに切り換えられたと判定されると、ステップS202へ進む。一方、ステップS201で指定サイズ撮影モードに切り換えられていないと判定されると、すなわち通常撮影モードに設定されている場合には、ステップS206へ進んで通常撮影モードに関する一連の処理が行われる。
【0039】
ステップS202では、撮影光学系2を所定のマクロ位置に調整する。すなわち、指定サイズ撮影モードでは印刷サイズS(例えば、A4サイズやB5サイズ)の撮影範囲WがCCD214の撮像面全域に投影され、被写体は非常に近づいた状態となるので、撮影光学系2を自動的にマクロ位置に設定するようにした。ステップS203では、設定されている印刷サイズSを示す表示を表示LCD3または表示パネル7に表示する。
【0040】
ステップS204では、使用者が不図示の操作部材によりマクロモードを解除したか否かを判定するステップである。ステップS204において解除されたと判定されるとステップS206へ進み、解除されていないと判定されるとステップS205へ進む。ステップS205では、レリーズボタン5が半押しされたか否かを判定し、半押しされたと判定されるとステップS207に進み、半押しされていないと判定されるとステップS201へ戻る。
【0041】
ステップS207では、レンズ駆動回路430により撮影光学系2の焦点調節動作を行い、そのときの被写体までの距離Lを算出する。ステップS208では、撮像領域の全体に印刷サイズSの撮影範囲Wが投影される場合の焦点距離f0、および後述する印刷解像度kをそれぞれ算出する。
【0042】
図7は被写体とCCD214との関係を示す図であり、印刷サイズSに等しい大きさの撮影範囲WがCCD214の撮像領域の全体に投影されている。なお、図7では、撮影範囲を示す符号Wは被写体位置における撮影範囲の長手寸法、すなわち、図1のカメラ1を正立で構えたときの横寸法であり、印刷サイズS(例えば、A4サイズ)の長手寸法に対応している。また、NはCCD214の撮像領域の幅方向の画素数であり、Pは画素ピッチである。焦点距離f0,撮影光学系2と撮像面との距離f’および被写体距離Lの間には次式(1)の関係が常に成り立つ。
【数1】
1/L+1/f’=1/f0 …(1)
【0043】
一方、印刷サイズSの撮影範囲WがCCD214の撮像領域の全体に投影されているときには、図7のf’は式(2)が成り立っている。すなわち、式(1),(2)の両方が満足されるような焦点距離f0に調整すれば良い。
【数2】
f’/L=N・P/S
f’=(N・P・L)/S …(2)
【0044】
また、図7に示すように寸法W(=S)(mm)にはN画素が対応しているので、CCD214により撮像された画像を印刷サイズSに印刷する場合には、そのときの印刷解像度kを次式(3)のように設定すれば良い。上述したステップS208では、式(1),(2)とから焦点距離f0を算出するとともに、次式(3)により印刷解像度kを算出する。
【数3】
k=N/S …(3)
【0045】
ステップS209では、ステップS208で算出された焦点距離f0が、撮影光学系2の望遠側の最長焦点距離fmaxより大きいか否かを判定する。ステップS209において、f0≦fmaxと判定されるとステップS216へ進み、f0>fmaxと判定されるとステップS210へ進む。f0>fmaxの場合には、たとえfmaxまでズームアップしても、図8(a)に示すように、表示LCD3には被写体画像30の撮影範囲31よりも大きな範囲が表示されることになる。
【0046】
ステップS210では、(f0/fmax)が所定の電子的ズーム倍率Mmaxより大きいか否かを判定する。なお、以下では、「倍率」は面積の倍率ではなく長さの倍率であるとして説明する。ステップS210において「(f0/fmax)>Mmax」と判定されると、ステップS211へ進んで撮影光学系2の焦点距離fをfmaxに設定するとともに、電子ズーム倍率をMmaxに設定する。ステップS212では、図8(b)に示すように、図8(a)の画像をMmax倍に拡大して表示するとともに、印刷サイズSを示す枠32を重ねて表示する。なお、表示LCD3の左上隅には印刷サイズSを示すマーク33が表示されている。図8に示す例では、印刷サイズSはA4サイズであって、「A4」というマーク33が表示されている。
【0047】
ステップS213では、印刷サイズSに一致する撮影範囲Wが撮影出来ないことを知らせる警告を発生する。例えば、カメラ1に設けられたスピーカ(不図示)により警告音を発生させたり、表示LCD3や表示パネル7に警告表示をする。続くステップS214では印刷補正フラグ(後述する)を1にセットし、その後、図6のステップS218へ進む。
【0048】
一方、ステップS210で「(f0/fmax)≦Mmax」と判定されると、ステップS215へ進む。ステップS215では、電子ズーム機能により、表示LCD3の中心Oを中心とする撮影範囲31の画像を(f0/fmax)倍に拡大する。電子ズーム拡大の際には補間処理等が行われるので、拡大後の画像の画素数はCCD214の画素数と等しい。そのため、印刷解像度kはステップS207で算出された値のままでよい。図8(c)は、撮影範囲31の画像を(f0/fmax)倍に拡大したときに表示LCD3に表示される画像を示したものであり、図8(a)の撮影範囲31の画像が表示LCD3全体に拡大表示される。
【0049】
ステップS216では、ステップS208で算出された焦点距離f0が、ワイド側の最短焦点距離fminより小さいか否かを判定する。ステップS216において「f0<fmin」と判定されるとステップS213へ進み、「f0≧fmin」と判定されるとステップS217へ進む。ステップS216からステップS217へ進んだ場合には、ステップS217で印刷補正フラグをゼロにリセットした後に、図6のステップS218へ進む。
【0050】
一方、ステップS216で「f0<fmin」と判定された場合には、焦点距離f0を撮影光学系2の下限値であるfminに設定しても、図9に示すように、撮影範囲31は表示LCD3よりも大きくなり、範囲31内の一部の被写体のみが表示される。すなわち、その時の被写体距離Lでは、CCD214の撮像領域には撮影範囲31よりも小さな範囲しか投影されないことになる。
【0051】
図6のステップS218では、レリーズボタン5が全押しされたか否かを判定し、全押しされたと判定されるとステップS219へ進み、全押しされないと判定されると図5のステップS205へ戻る。例えば、「f0<fmin」で図9のような状態の場合には、ステップS218でレリーズボタン5を全押しせずに、ステップS208で算出される焦点距離f0が「f0≧fmin」となるように被写体から遠ざかる。このとき、レリーズボタン5が半押し状態のままならばステップS205からステップS207へと進み、いったん半押しを解除した場合にはステップS205からステップS201へと戻る。
【0052】
ステップS219では、CCD214で撮像された画像を取り込む。ステップS220では、印刷補正フラグが1か否かを判定する。ステップS220で1と判定された場合には、CCD214の撮像領域全体に撮影範囲Wが投影されていないのでステップS221へ進んで印刷解像度kを再計算する。すなわち、ステップS210からステップS211へ進んだ場合や、ステップS216からステップS213へ進んだ場合には、被写体画像が等倍印刷されるように印刷解像度kの再計算を行う。
【0053】
一方、ステップS220でゼロと判定された場合には撮像領域全体に撮影範囲Wが投影されているので、印刷解像度kの再計算を行わずにステップS222へ進む。
【0054】
図5のステップS210からステップS211へ進んだ場合には、すなわち、図8(b)のように焦点距離fがf=fmaxで電子ズーム倍率がMmaxの場合には、式(3)で算出される印刷解像度kで印刷すると、表示LCD3全体に表示された画像が印刷サイズSに印刷されて等倍印刷されない。ところで、図8(c)の被写体画像は図8(a)の被写体画像を(f0/fmax)倍したもので、図8(b)の被写体画像は図8(a)の被写体画像をMmax倍したものである。よって、図8(b)に示す画像を(f0/fmax)/Mmax倍すると、枠32内の被写体画像が表示LCD3全体に表示される。そこで、次式(4)のように式(3)で算出された印刷解像度kを(f0/fmax)/Mmaxで除算して小さくすれば、枠32内の被写体画像が印刷サイズSに印刷されることになる。
【数4】
k=(N/S)/{(f0/fmax)/Mmax}
=(N/S)・(Mmax・fmax/f0) …(4)
【0055】
また、ステップS216からステップS213へ進んだ場合には、すなわち、図9のように撮影範囲31が表示LCD3よりも大きい場合には、逆に印刷解像度kを大きくする必要がある。図9の範囲31の画像を(f0/fmin)倍すると、表示LCD3の大きさと同じになる。すなわち、次式(5)のように式(3)で算出された印刷解像度kを(fmin/f0)倍すれば、範囲31の部分の画像が印刷サイズSで印刷されることになる。
【数5】
k=(N/S)・(fmin/f0) …(5)
【0056】
その後、ステップS222において、画像データを所定の形式で圧縮する。ステップS223では、圧縮された画像データとともに、印刷サイズS、印刷解像度k、焦点距離f、被写体距離L、画素数N等がタグ情報としてメモリカード424に記録される。このようにして、電子カメラ1側で行われる撮影から記録までの一連の処理が終了する。
【0057】
なお、印刷解像度kはTIFF形式で記録する場合には、タグ番号282〜284で規定される画像の幅の解像度、画像の高さの解像度、画像の幅と高さの解像度の単位に記録される。また、Exif形式で記録する場合には、タグ番号37386,37382,41486〜41488に定義される被写体距離、レンズ焦点距離、焦点面の高さの解像度、焦点面の幅の解像度、焦点面解像度単位の各情報を記録し、印刷するためのアプリケーションソフトにおいて印刷解像度kを算出するようにしても良い。ここで、焦点面解像度はCCD214の画素ピッチPの逆数である。
【0058】
この被写体画像を印刷する場合には、上述したように画像データを図3のパソコン20に取り込んで、パソコン20に接続されたプリンタ23で印刷する。このとき、プリンタ23に印刷サイズSの印刷用を給紙しておけば、被写体画像がほぼ等倍で印刷される。なお、印刷用の周辺部分が余白として印刷されない場合には、等倍よりも若干小さく印刷されることになる。また、印刷サイズSより大きな用紙を給紙した場合であっても、印刷時の解像度をタグ情報として記憶されている印刷解像度kに等しく設定することにより、等倍印刷を行うことができる。
【0059】
上述した第1の実施の形態は、以下のような特徴を有する。
(a)電子カメラ1において指定サイズ撮影モードに設定すると、撮影範囲が指定されたサイズとなるように撮影光学系2が自動的に調整される。その結果、表示LCD3には、指定サイズの用紙に印刷されるものと同じ範囲の被写体画像が表示される。そのため、印刷画像の状況を確認しつつ撮影を行うことができるので、適切な被写体画像を撮影することができる。
(b)被写体距離が遠すぎたり近すぎたりした場合には、図8(b)のように表示LCD3に枠32が表示されたり、警告が発生されるので、使用者は被写体距離が適切でないことを容易に認識することができる。
(c)画像を印刷する際に、表示LCD3または表示パネル7に表示される印刷サイズと同じサイズの印刷用紙を給紙することにより、被写体画像が実物と同じ大きさで印刷される。
(d)表示LCD3または表示パネル7に表示される印刷サイズと同じサイズの印刷用紙が給紙されていない場合でも、タグ情報として記憶されている印刷解像度kで印刷することにより、容易に等倍印刷を行うことができる。
【0060】
上述した第1の実施の形態では、指定撮影範囲を複数のサイズに設定できたが、予め単一のサイズのみに設定されるような電子カメラであっても良い。この場合、表示LCD3や表示パネル7に印刷サイズを表示する代わりに、モード切換ボタン12の位置に印刷サイズを標記しても良い。印刷する際には、この標記と同一サイズの印刷用紙をプリンタ23に給紙すれば、自動的に等倍印刷ができる。
【0061】
《変形例1》
変形例1では図5に示すフローチャートを図10に置き換えたもので制御される。図10のフローチャートにおいて図5と同一処理の部分には同一のステップ符号を付し、ステップS301およびステップS302の部分が図5と異なる。また、図10に続く手順は図6に示したものと同様であるので図示および説明を省略する。
【0062】
変形例1では、ステップS201において指定サイズ撮影モードと判定されると、ステップS301に進んで撮影光学系2がマクロ領域のテレ端に移動される。こうすることによってレンズの被写界深度が浅くなり、距離Lの測定精度が高くなる。その結果、ズーム倍率の設定をより精度良く行うことができる。
【0063】
また、ステップS216において「f0<fmin」と判定された場合には、すなわち、被写体距離Lが小さすぎて撮影光学系2をワイド端(f=fmin)にしても、図9のように撮影範囲31が表示LCD3よりも大きい場合には、ステップS302へ進んで、撮影画像の大きさが(f0/fmin)倍に縮小されるように画素を間引く。ステップS302において間引き処理が終了したならば、ステップS217へ進んで印刷補正フラグをゼロにリセットする。すなわち、ステップS302で間引き処理された場合には、印刷解像度kの再計算は不要となる。
【0064】
《変形例2》
図11は第2の変形例を示す図であり、図10に示したのと同様の部分のフローチャートである。図11のフローチャートでは、ステップS216で「f0<fmin」と判定されたときの処理が異なる。すなわち、ステップS216で「f0<fmin」と判定されると、ステップS401へ進んで撮影画像の画素を1/4に間引くとともに、ステップS207で算出されて記憶されている距離Lを2・Lに置き換える。
【0065】
画素を1/4に間引くと、画像の水平方向画素は1/2に間引かれ、垂直方向画素も1/2に間引かれる。その結果、印刷される画像の大きさは長さで半分になるので、あたかも被写体距離Lが2倍になったことに相当する。ステップS401の処理が終了したならば、ステップS208に進んで、置き換えられた新しいLを用いて焦点距離f0が算出される。変形例2の場合には、撮影画像の大きさに依らず画素を1/4に間引いているので、変形例1の間引き処理に比べ簡単になる。
【0066】
−第2の実施の形態−
上述した第1の実施の形態では撮影範囲Wを印刷サイズSで指定して、その範囲Wの被写体が等倍印刷されるようにしたが、第2の実施の形態では指定された印刷サイズSの用紙に被写体画像をZ倍して印刷する。印刷倍率Zを設定する際には、メニューボタン10を操作して印刷倍率設定メニューを表示LCD3に表示させ、11a〜11dの操作により表示された複数の印刷倍率から所望の倍率を選択する。モード切換ボタン12により指定サイズ撮影モードに切り換えられると、撮影範囲Wが指定された印刷サイズSを印刷倍率Zで除算した値に設定される。なお、撮影範囲の設定方法については後述する。なお、電子カメラ1やカメラシステムのその他の構成は第1の実施の形態と同様であり、以下ではZ倍印刷の場合の制御方法について説明する。
【0067】
図12は撮影範囲WとCCD214との関係を示す図である。第1の実施の形態と同様に焦点距離f0,撮影光学系2と撮像面との距離f’および被写体距離Lの間には式(1)の関係が成り立っている。
【数6】
1/L+1/f’=1/f0 …(1)
【0068】
また、CCD214の撮像領域全体に投影され被写体像を印刷サイズSの印刷用紙に印刷したときに、被写体がZ倍に印刷されるためには、図12に示すように印刷サイズSを(1/Z)倍した撮影範囲W=S/ZがCCD214上に投影されればよい。そのため、電子カメラ1の焦点距離fを、式(1)と次式(6)との両方が満足されるような焦点距離f0に調整すれば良い。印刷解像度kについては、第1の実施の形態と同様に式(3)のように設定する。
【数7】
f’/L=N・P/(S/Z)
f’=(N・P・L・Z)/S …(6)
k=N/S …(3)
【0069】
カメラシステムの撮影から印刷までの概略手順およびカメラ側の手順は第1の実施の形態と同様なので説明を省略する。ただし、図6のステップS223では印刷倍率Zもタグ情報として記憶される。この第2の実施の形態では、印刷する際に撮影時に設定した印刷サイズSと同サイズの用紙をプリンタ23に給紙すれば、自動的に倍率Zの被写体画像が印刷される。そのため、非常に簡単に被写体画像のZ倍印刷を行うことができる。
【0070】
−第3の実施の形態−
上述した第1および第2の実施の形態では、電子カメラ1に印刷サイズSを入力するような構成とし、その印刷サイズSに基づいて撮影光学系2を制御した。第3の実施の形態では、プリンタ23の印刷可能範囲が印刷されたチャート紙を用いて、CCD214上に印刷可能範囲と等しい大きさの撮影範囲Wが投影されるようにキャリブレーションを行う。なお、このキャリブレーションは、例えば、図1のコマンドダイヤル6の操作して、電子カメラ1をキャリブレーションモードに設定した後に行われる。
【0071】
なお、キャリブレーションを行う際には、印刷可能範囲が印刷されたチャートを予めプリンタ23により印刷しておく。一般的に、印刷用紙の周辺部分は印刷が不可な余白領域とされ、その内側の矩形領域が印刷可能範囲となる。そのため、例えば、A4サイズ用紙であれば、A4サイズより若干小さめの矩形枠が印刷される。
【0072】
図13はキャリブレーションの手順を示すフローチャートであり、コマンドダイヤル6によりキャリブレーションモードに設定されるとスタートする。ステップS501では、電子カメラ1の撮影光学系2をマクロ領域にした後に、焦点距離を最大のテレ端(fmax)に設定する。使用者は、ステップS501の設定状態でチャート紙に向けて電子カメラ1を構える。
【0073】
ステップS502では、チャート紙までの距離Lmaxが測定される。ステップS503では、電子カメラ1により撮像されているチャート紙画像が表示LCD3に表示される。使用者は、表示されているチャート紙の矩形枠と表示LCD3の表示枠とが一致するように、チャート紙に近づくか、または遠ざかる。そして、チャート紙の矩形枠と表示LCD3の表示枠とが一致したところでレリーズボタン5を全押しする。
【0074】
ステップS504では、電子カメラ1のレリーズボタン5が全押しされたか否かを判定し、YESと判定されるとステップS505へ進み、NOと判定されるとステップS502へ戻る。このキャリブレーションモードでは、レリーズボタン5が全押しされると、ステップS505へ進んで合焦動作のみが行われる。
【0075】
ステップS506では、撮影光学系2をマクロ領域にした後に、焦点距離を最小のワイド端(fmin)に設定する。使用者は、再びチャート紙に向けて電子カメラ1を構える。ステップS507ではチャート紙までの距離Lminが測定され、続くステップS508においてチャート紙画像が表示LCD3に表示される。この場合も、チャート紙の矩形枠と表示LCD3の表示枠とが一致するようにチャート紙に近づくかまたは遠ざかり、一致したところでレリーズボタン5を全押しする。
【0076】
ステップS509では、レリーズボタン5が全押しされたか否かを判定し、YESと判定されるとステップS510へ進み、NOと判定されるとステップS507へ戻る。次いで、ステップS510で合焦動作が行われた後に、ステップS511で距離Lmin,Lminが記憶され、一連のキャリブレーション処理が終了する。
【0077】
キャリブレーション後、指定サイズ撮影モードにおいては、記憶された距離Lmin,Lminに基づいて算出される式(7)の焦点距離f0となるように電子カメラ1が制御される。その結果、チャート紙の矩形枠と同じ大きさの撮影範囲WがCCD214の撮像領域全体に投影されることになり、撮影された被写体画像をサイズSの印刷用紙に印刷すると等倍印刷される。
【数8】
f0=fmin+{(fmax−fmin)/(Lmax−Lmin)}・(L−Lmin) …(7)
【0078】
ところで、上述した第1および第2の実施の形態では、図7のf’が次式(1),(2)を満足するように焦点距離f0を調整することにより、印刷サイズSの撮影範囲WがCCD214の撮像領域の全体に投影されるようにした。しかし、式(2)にはレンズのバラツキなどによる誤差が考慮されておらず、式(2)を誤差の補正係数αを用いてより正確に書き直すと式(8)のようになる。すなわち、上述した第1および第2の実施の形態ではこの補正係数αが考慮されていないので、その分だけ焦点調整の精度が落ちる。
【数9】
1/L+1/f’=1/f0 …(1)
f’=(N・P・L)/W …(2)
f’=(N・P・L)/(W・α) …(8)
【0079】
しかし、第3の実施の形態では、チャート紙の矩形枠を実際にCCD214の撮像領域全体に投影させ、そのときのデータLmin,Lminに基づいて焦点距離f0を算出しているので、この焦点距離f0にはレンズの誤差の影響も含まれている。そのため、第1および第2の実施の形態よりも精度良く制御することができる。
【0080】
上述した実施の形態では、光学ズーム機能と電子ズーム機能との両方を有する電子カメラおよびカメラシステムを例に説明したが、本発明は、どちらか一方のみを有する電子カメラおよびカメラシステムにも適用することができる。また、印刷解像度kの演算をカメラ側で行っているが、カメラ側から印刷手段(PC20,プリンタ23)側に取り込まれた画素数N、印刷サイズSに基づいて印刷手段側で演算を行っても良い。
【0081】
以上説明した実施の形態と特許請求の範囲の要素との対応において、撮影光学系2はズームレンズを、レンズ駆動回路430はズーム変更手段を、CCD214は撮像部を、モード切換ボタン12およびCPU439はモード設定手段を、印刷サイズSは所定サイズを、メニューボタン10および選択ボタン11a〜11dは倍率設定部およびサイズ設定部を、枠32は範囲表示マークを、DSP433は電子ズーム手段および間引き手段を、表示LCD3は表示モニタおよび警告手段を、プリンタ23は印刷装置を、CPU439は測距部,ズーム制御部、焦点距離演算部および電子ズーム制御部をそれぞれ構成する。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、所定サイズと同じ大きさの用紙に被写体画像を印刷することにより、被写体と同じ大きさの等倍画像を容易に印刷することができる。
請求項2の発明では、所定サイズの印刷用紙に、設定された印刷倍率で被写体画像が印刷される。
請求項4の発明では、所定サイズの基準画像を撮像領域のほぼ全域に投影したときに検出された複数の被写体距離に基づいて、撮影範囲内の被写体が撮像領域のほぼ全域に投影される焦点距離を算出するようにしているので、ズームレンズのバラツキなどによる誤差の影響を排除することができる。
請求項5の発明では、被写体画像とともに範囲表示マークを表示モニタに表示するようにしたので、適切な被写体距離で撮影しているか否かを容易に認識することができる。また、請求項8の発明では、適切な被写体距離でないときには警告を発するようにしたので、請求項5の発明と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子カメラの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は電子カメラを上方から見た平面図、(b)は後方から見た背面図である。
【図2】電子カメラ1の回路ブロック図である。
【図3】カメラシステムの概略構成図である。
【図4】図3のカメラシステムにおける撮影から印刷までの手順を示す図である。
【図5】図4のステップS101からステップS103までの手順を詳細に示すフローチャートである。
【図6】図5に続く処理手順を示すフローチャートである。
【図7】撮影範囲WとCCD214との撮像領域との関係を示す図である。
【図8】表示LCD3に表示された被写体画像を示す図であり、(a)はf=fmaxのときの画像を、(b)は(a)の画像をMmax倍に電子ズーム拡大した画像を、(c)は(a)の画像を(f0/fmax)倍に電子ズーム拡大した画像をそれぞれ示す。
【図9】f=fminのときの撮影範囲31と表示LCD3との関係を示す図である。
【図10】変形例1の制御手順を示すフローチャートである。
【図11】変形例2の制御手順を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施の形態における撮影範囲WとCCD214との関係を示す図である。
【図13】キャリブレーションの手順を示すフロ−チャートである。
【符号の説明】
1 電子カメラ
2 撮影光学系
3 表示LCD
10 メニューボタン
11a〜11d 選択ボタン
12 モード切換ボタン
23 プリンタ
30 被写体画像
31,W 撮影範囲
32 枠
33 マーク
214 撮像部
430 レンズ駆動回路
433 DSP
439 CPU
424 メモリカード
S 印刷サイズ
Claims (11)
- ズームレンズの焦点距離を変更するズーム変更部と、
前記ズームレンズにより撮像領域に投影された被写体の像を光電変換する撮像部と、
前記被写体までの距離を検出する測距部と、
所定の印刷サイズを設定するサイズ設定部と、
印刷倍率を設定する倍率設定部と、
前記所定の印刷サイズを前記印刷倍率で除算した大きさに前記被写体の位置における撮影範囲の大きさを固定する指定範囲撮影モードに設定するためのモード設定手段と、
前記指定範囲撮影モードに設定された際には、前記モード設定手段によって前記所定の印刷サイズを前記印刷倍率で除算した大きさに設定された前記撮影範囲と、前記測距部によって検出された前記被写体までの距離とに基づいて、前記撮影範囲が前記撮像部の撮像領域のほぼ全域に投影されるように前記ズーム変更部を制御するズーム制御部とを備えたことを特徴とする電子カメラ。 - ズームレンズの焦点距離を変更するズーム変更部と、
前記ズームレンズにより撮像領域に投影された被写体の像を光電変換する撮像部と、
前記被写体までの距離を検出する測距部と、
所定の印刷サイズを印刷倍率で除算した大きさに前記被写体の位置における撮影範囲の大きさを固定する指定範囲撮影モードに設定するためのモード設定手段と、
前記指定範囲撮影モードに設定されたときに、前記ズーム変更部によって前記ズームレンズの焦点距離を第1及び第2の焦点距離に変更し、前記第1及び第2の焦点距離の各々において、所定の印刷サイズの基準画像を前記撮像部の撮像領域のほぼ全域に投影したときの前記基準画像までの距離である第1及び第2の基準画像距離を前記測距部によって検出し、
前記第1及び第2の焦点距離と前記第1及び第2の基準画像距離と前記測距部によって検出された前記被写体までの距離とに基づいて、前記撮影範囲が前記撮像部の撮像領域のほぼ全域に投影されるための前記ズームレンズの焦点距離を算出する焦点距離演算部と、
前記ズームレンズの焦点距離が前記焦点距離演算部で算出された前記焦点距離に一致するように前記ズーム変更部を制御するズーム制御部とを備えたことを特徴とする電子カメラ。 - 請求項1または2に記載の電子カメラにおいて、
前記ズームレンズの焦点距離が最大であって、前記撮像領域のほぼ全域に投影される被写体の範囲の大きさが前記撮影範囲の大きさより大きい場合に、前記撮像部からの画像情報に基づく被写体画像および前記撮影範囲にほぼ対応する範囲を示す範囲表示マークを重ねて表示する表示モニタを設けたことを特徴とする電子カメラ。 - 請求項3に記載の電子カメラにおいて、
前記範囲表示マークで示された範囲の画像情報を記憶領域に記憶する記憶制御部を設けたことを特徴とする電子カメラ。 - 請求項4に記載の電子カメラにおいて、
前記記憶制御部は、前記所定の印刷サイズを前記画像情報に関連付けて前記記憶領域に記憶することを特徴とする電子カメラ。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の電子カメラにおいて、
前記撮像部からの画像情報に基づく被写体画像の一部を電子的に拡大する電子ズーム手段と、
前記ズームレンズの焦点距離が最大であって、前記撮像領域のほぼ全域に投影される被写体の範囲の大きさが前記撮影範囲の大きさより大きい場合に、前記撮像部からの画像情報に基づく被写体画像中の前記撮影範囲内の被写体に対応する画像が、前記被写体画像と等しい大きさに拡大されるように前記電子ズーム手段を制御する電子ズーム制御部とをさらに備えたことを特徴とする電子カメラ。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の電子カメラにおいて、
前記ズームレンズの焦点距離が最小であって、前記撮像領域のほぼ全域に投影される被写体の範囲の大きさが前記撮影範囲の大きさより小さい場合に警告を発する警告手段を設けたことを特徴とする電子カメラ。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の電子カメラにおいて、
前記ズームレンズの焦点距離が最小であって、前記撮像領域のほぼ全域に投影される被写体の範囲の大きさが前記撮影範囲の大きさより小さい場合に前記被写体画像を電子的に間引く間引き手段を設けたことを特徴とする電子カメラ。 - 請求項1〜8のいずれかに記載の電子カメラであって、
前記指定範囲撮影モードが設定されたときに、前記ズームレンズをマクロ位置に調整するレンズ駆動部をさらに備えたことを特徴とする電子カメラ。 - 請求項1〜8のいずれかに記載の電子カメラにおいて、
前記所定の印刷サイズを表すマークを表示する表示手段を設けたことを特徴とする電子カメラ。 - ズームレンズの焦点距離を変更するズーム変更部と、
前記ズームレンズにより撮像領域に投影された被写体の像を光電変換する撮像部と、
前記被写体までの距離を検出する測距部と、
所定の印刷サイズを印刷倍率で除算した大きさに前記被写体の位置における撮影範囲の大きさを固定する指定範囲撮影モードに設定するためのモード設定手段と、
前記指定範囲撮影モードに設定された際には、前記モード設定手段によって前記所定の印刷サイズを前記印刷倍率で除算した大きさに設定された前記撮影範囲と、前記測距部によって検出された前記被写体までの距離とに基づいて、前記撮影範囲が前記撮像部の撮像領域のほぼ全域に投影されるように前記ズーム変更部を制御するズーム制御部と、
前記指定範囲撮影モード時に撮影された画像を前記所定の印刷サイズと同じ大きさに印刷する印刷装置とを備えたことを特徴とするカメラシステム。
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