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JP5035232B2 - 走行支援装置、方法およびプログラム - Google Patents
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Description

本発明は、自車両の動力源の使用効率を改善するための支援を行う走行支援装置、方法およびプログラムに関する。
自車両を駆動させるための動力源の使用効率を向上させるため、各種の技術が開発されている。例えば、特許文献1においては、走行予定経路を走行する際の走行パターンを予測し、予測された走行パターンに基づいて運転スケジュールを設定し、運転スケジュールに従ってエンジンおよびモータの動作を制御する技術が開示されている。また、経路上を実際に走行した場合の走行パターンは予測された走行パターンと異なり得るため、実際のSOCと運転スケジュールに含まれるSOCとの相違が予め設定された閾値を超える状態が継続した場合、運転スケジュールを再設定する。
特開2004−248455号公報
特許文献1においては、自車両によって経路上を走行し、実際のSOCと運転スケジュールに含まれるSOCとの相違が予め設定された閾値を超える状態が継続した場合に運転スケジュールを再設定しているため、自車両の運転者の運転特性を反映した運転スケジュールを設定することができる。しかし、実際に経路上を走行する際に運転特性を改善するための指標は提示されないため、運転者の運転特性を改善させて動力源の使用効率を向上させることはできない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、動力源の使用効率を向上させるための技術を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明においては、自車両にて所定の区間を走行した場合の自車両の動力源の実使用効率を取得し、所定の区間を走行する前に設定された目標を達成した場合には、当該目標より高い新規目標を次回所定の区間を走行する際の目標として設定する構成とした。すなわち、所定の区間において運転者が実使用効率の目標を達成した場合にはより高い目標が次回の目標として設定されるため、次回においては運転者の現在の運転技術で達成された実使用効率の目標よりも高い目標が常に設定される。このため、運転者が当該目標を達成するように運転を行うことで実使用効率を向上させることが可能である。
ここで、実使用効率取得手段は、自車両にて所定の区間を走行した場合の自車両の動力源の実使用効率を取得することができればよく、所定の区間を走行することによって実際に使用された動力源の量に基づいて実使用効率を取得することができればよい。所定の区間は、走行前に予め決められれば良く、ナビゲーション装置において探索された所定の経路に相当する区間であっても良いし、自車両の運転者が日常的に走行する経路に相当する区間であっても良い。また、所定の区間に相当する道路が特定されている構成であっても良いし、道路に任意性があっても良い。後者としては、例えば、走行開始地点から目的地に到達するために走行する道路を所定の区間とする構成を採用可能である。すなわち、道路状況によって探索される経路が異なり得る場合であっても走行開始地点と目的地とが同じであれば同一の所定の区間とみなす構成としても良い。
動力源は、自車両を駆動させるためのエネルギーを生成する物質やエネルギー自体であり、燃料や蓄電池に蓄電された電力が想定される。むろん、複数の動力源であっても良い。実使用効率は所定の区間を走行する際に実際に使用される駆動源の量を評価する指標であれば良く、単位燃料当たりの走行距離や単位距離当たりの燃料消費量、単位距離当たりの動力源のコスト、単位距離当たりの電力量等が使用効率となり得るため、自車両の実際の走行に基づいてこれらの指標を取得することで実使用効率を取得すればよい。
また、目標達成判定手段は、所定の区間を自車両にて走行する前に設定された実使用効率の目標を達成したか否か判定することができればよい。すなわち、所定の区間を走行する前に目標が設定されていることにより、所定の区間を走行する際には特定の目標を達成することを目指しながら運転されるように構成されていればよい。なお、目標は所定の区間を走行する前に運転者に提示されることが好ましい。
さらに、実使用効率の目標は、使用効率の値(目標使用効率)として設定されていても良いし、使用効率の改善幅(目標改善幅)として設定されていても良い。前者であれば、実使用効率が目標使用効率を超えたか否かによって目標を達成したか否かを判定することができる。後者であれば、今回の実使用効率と比較対象となる過去の実使用効率との差分が目標改善幅を超えたか否かによって目標を達成したか否かを判定することができる。
さらに、新規目標設定手段においては、実使用効率の目標を達成した場合に、既存の目標より高い新規目標を設定し、所定の区間を次回走行する際の目標とすることができればよい。すなわち、使用効率が改善するように新たに実使用効率の目標を設定することができればよく、改善された新規目標を次回の目標に設定することによって、目標を達成する度に常により高い目標を目指すように促すことができればよい。
さらに、実使用効率の目標は、自車両にて所定の区間を走行した場合の走行条件毎に規定されていてもよく、この構成においては、自車両にて所定の区間を走行した場合の実使用効率とともに当該所定の区間を走行した場合の走行条件を取得する。そして、当該走行条件に対応する実使用効率の目標を特定し、実使用効率が当該実使用効率の目標を達成したか否かを判定する。
すなわち、実使用効率は、天候や季節、曜日、時刻、渋滞度、所定の区間の走行頻度など走行条件に依存すると考えられるため、走行条件毎に実使用効率の目標を設定し、実使用効率の目標を達成したか否かを走行条件毎に判定する。この構成によれば、走行条件によって不可抗力で実使用効率が変動するなど、走行条件に応じた実使用効率の変動に応じて目標を達成したか否かを判定することが可能である。なお、この構成において新規目標設定手段は所定の区間を次回走行する際の目標を走行条件毎に設定する。
さらに、所定の区間を次回走行する際の目標となる新規目標は、達成された目標よりも高い目標であればよく、新規目標を特定する際の具体的な手法としては種々の手法を採用可能である。例えば、実使用効率の履歴に基づいて新規目標を設定してもよい。より具体的には、実使用効率の履歴を所定の記憶媒体に記録する構成とし、当該実使用効率の履歴に基づいて実使用効率の履歴が示す改善幅を特定し、改善幅に基づいて新規目標を設定する。実使用効率の履歴が示す改善幅は、自車両にて所定の区間を複数回走行した過程で改善された実使用効率の改善幅に対応している。
従って、自車両の運転者は当該実使用効率の履歴が示す改善幅に相当する改善を行うことが可能な改善能力を備えていると考えられる。そこで、当該実使用効率の改善幅に基づいて新規目標を設定すれば、自車両の運転者の過去における実使用効率の改善能力に対応した新規目標を設定することができる。なお、履歴が示す改善幅は、過去のある実使用効率と当該実使用効率より後に取得された実使用効率に基づいて特定すればよく、例えば、前回取得した実使用効率と今回取得した実使用効率との差分を履歴が示す改善幅とする構成を採用可能である。
さらに、改善幅に基づいて実使用効率の目標を達成したか否かを判定する構成において、改善前の実使用効率と理想使用効率とに応じて改善幅が変動するように構成してもよい。すなわち、現実的な実使用効率の改善幅は改善前の実使用効率に依存する(例えば、改善前の実使用効率が悪い場合、良い場合よりも改善余地が大きい)。また、現実的な実使用効率の改善幅は理想使用効率にも依存する(例えば、理想使用効率が悪い場合、良い場合よりも改善余地が小さい)。そこで、実使用効率の目標を、実使用効率の改善幅で規定し、当該改善幅を、理想使用効率に対応づけられた実使用効率の履歴に基づいて特定する構成を採用可能である。
より具体的には、実使用効率を取得したときに走行していた区間の理想使用効率に対応づけて実使用効率の履歴を構成する。そして、実使用効率の履歴から、所定の区間の理想使用効率および所定の区間を今回走行したときの実使用効率に対応する実使用効率の履歴である第1履歴と、所定の区間の理想使用効率に対応するとともに第1履歴よりも良い実使用効率の履歴である第2履歴とを抽出し、第1履歴と第2履歴との差分を改善幅として特定する。すなわち、理想使用効率が対応づけられた実使用効率の履歴において、共通の理想使用効率に対応する実使用効率が複数個存在すると、その改善幅によって運転者の改善能力を見積もることができる。そこで、所定の区間の理想使用効率に対応する実使用効率の改善履歴を特定し、その改善幅を新規目標に設定すれば、目標を達成した今回の走行での実使用効率が示す改善余地に対応した新規目標を次回所定の区間を走行する際の目標として設定することができる。
なお、改善幅を決定するための手法としては他にも種々の手法を採用可能であり、例えば、改善の容易性に応じて改善幅が設定されるように、改善前の実使用効率を示す改善前実使用効率と改善の際に走行する区間の理想使用効率と改善幅との関係(例えば、改善前の実使用効率が良い効率であるほど改善幅が小さくなる関係や理想使用効率が良い効率であるほど改善幅が大きくなる関係)を定義し、この関係に基づいて改善幅を決定する構成を採用可能である。
なお、本発明のように、実使用効率の目標を達成した場合に、当該目標より高い新規目標を設定して所定の区間を次回走行する際の目標として設定する手法は、この処理を行う方法やプログラムとしても適用可能である。また、以上のような走行支援装置、方法、プログラムは、単独の装置として実現される場合もあれば、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあれば、車両に搭載されない各部と連携して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、走行支援装置を制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)走行支援装置の構成:
(2)走行支援処理:
(3)他の実施形態:
(1)走行支援装置の構成:
図1は、車両に搭載された走行支援装置の構成を示すブロック図である。本実施形態において走行支援装置は、ナビゲーション装置10によって実現される。ナビゲーション装置10は、CPU、RAM、ROM等を備える制御部20と記憶媒体30とを備えており、記憶媒体30やROMに記憶されたプログラムを制御部20で実行することができる。本実施形態においては、このプログラムの一つとして走行支援プログラム21を実行可能である。自車両には、走行支援プログラム21によって、実使用効率の目標を設定、提示し、改善した目標を設定する機能を実現するために、GPS受信部40,車速センサ41,ジャイロセンサ42,燃料タンク43,ユーザI/F部44が備えられている。
GPS受信部40は、GPS衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して自車両の現在位置を算出するための信号や現在時刻を示す信号を出力する。制御部20は、この信号を取得して自車両の現在位置および現在時刻を取得する。車速センサ41は、自車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を出力する。制御部20は、図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、自車両の速度を取得する。ジャイロセンサ42は、自車両の水平面内の旋回についての角加速度を検出し、自車両の向きに対応した信号を出力する。制御部20は図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、自車両の走行方向を取得する。車速センサ41およびジャイロセンサ42は、GPS受信部40の出力信号から特定される自車両の現在位置を補正するためなどに利用される。また、制御部20は、自車両の現在位置を、後述する地図情報30aと照合することにより適宜補正する。
本実施形態の自車両は図示しない内燃機関を備えており、燃料タンク43に蓄積された燃料を内燃機関の動力源として利用して自車両を駆動させる。燃料タンク43には当該燃料タンク43に蓄積された燃料の残量を検出する燃料センサ43aが備えられている。制御部20は図示しないインタフェースを介して燃料センサ43aの出力信号を取得して燃料の残量を取得する。
ユーザI/F部44は、運転者の指示を入力し、また運転者に各種の情報を提供するためのインタフェース部であり、図示しないタッチパネルディスプレイやスイッチ、スピーカ等を備えている。また、制御部20は、ユーザI/F部44によって動力源の実使用効率と実使用効率の目標を表示する。なお、本実施形態において動力源は燃料であるため、実使用効率はkm/lの単位で規定されている。また、実使用効率の目標は目標使用効率としてkm/lの単位で規定されている。
制御部20は、走行支援プログラム21を実行することにより、実使用効率が目標使用効率を超えたときに、より高い目標を設定する処理を行う。そのため走行支援プログラム21は、実使用効率取得部21aと目標達成判定部21bと新規目標設定部21cとを備えている。また、記憶媒体30には予め地図情報30aおよび目標情報30bが記録されている。目標情報30bは、目標使用効率を示す情報であり、予め記録された初期値が自車両による走行後に逐次更新される。なお、初期値はユーザによって入力可能に構成してもよい。さらに、自車両にて走行する過程で当該自車両の走行履歴30cが記録される。
地図情報30aは、車両が走行する道路上に設定されたノードを示すノードデータ、ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点データ、ノード同士の連結を示すリンクデータ、道路やその周辺に存在する地物を示すデータ等を含み、自車両の現在位置から目的地までの経路の探索や経路案内等に利用される。
目標情報30bは、走行条件ごとの目標使用効率を示す情報であり、本実施形態においては、目標使用効率に対して当該目標使用効率を目標として走行すべき区間を特定するための情報も対応づけられている。例えば、図3Aに示すように区間A、月曜日、8:00〜9:00、10km/lなどのように区間と走行条件に対応づけて目標使用効率が記録されている。この例に示すように、本実施形態において走行条件は曜日および所定の時間帯を示す時刻である。また、区間は走行開始地点と目的地とによって特定される。例えば、自宅から通勤先まで走行するための区間などとして区間が特定される。
走行履歴30cは、走行条件ごとの実使用効率の履歴を示す情報であり、本実施形態においては、実使用効率に対しても区間を特定するための情報が対応づけられている。例えば、図3Bに示すように区間A、12月1日、月曜日、8:00〜9:00、9.5km/lなどのように記録されている。ここで、実使用効率は各区間を自車両によって走行したときに実際に消費した燃料の量を実際に走行した距離で除した値である。ここでも、区間は走行開始地点と目的地とによって特定される区間である。
実使用効率取得部21aは、自車両にて所定の区間を走行した場合の自車両の動力源の実使用効率を取得する機能を制御部20に実現させるモジュールである。本実施形態において、所定の区間は走行開始地点と目的地とによって特定される区間であり、当該所定の区間は走行開始前に予め特定される。すなわち、走行開始地点と目的地とを特定して経路探索を行った場合、道路状況によって探索される経路が異なり得るため、本実施形態においては、走行開始地点と目的地とが同じであれば同一の所定の区間とみなす構成としてある。
制御部20は、当該所定の区間の走行終了後に燃料消費量と走行距離とを取得して当該区間の実使用効率を特定する。すなわち、制御部20は運転者が自車両を走行させる過程において、燃料センサ43aの出力値を取得しており、当該出力値に基づいて走行開始地点における燃料残量と目的地での燃料残量とを取得して燃料消費量を取得する。また、GPS受信部40と車速センサ41とジャイロセンサ42と地図情報30aとに基づいて自車両にて走行した道路を特定するとともにその距離を累計して走行距離を取得する。そして、燃料消費量を走行距離で除することによって実使用効率を取得する。なお、実使用効率が特定されると、図示しない計時回路が示す日時情報に基づいて、自車両にて走行した日付、走行条件が特定され、これらの日付、走行条件とともに区間を示す情報が実使用効率に対応づけられて走行履歴30cとして記録される。
目標達成判定部21bは、所定の区間を自車両にて走行する前に設定された実使用効率の目標を達成したか否か判定する機能を制御部20に実現させるモジュールである。この機能において、制御部20は、目標情報30bを参照し、所定の区間に対応する目標使用効率であって、所定の区間を走行したときの走行条件に対応する目標使用効率を取得する。そして、実使用効率取得部21aにて取得された実使用効率が当該目標使用効率を超えているときに実使用効率の目標を達成したと判定する。
新規目標設定部21cは、上述の実使用効率の目標を達成した場合に、目標より高い新規目標を特定し、当該新規目標を自車両で所定の区間を次回走行する際の目標として設定する機能を制御部20に実現させるモジュールである。この機能において、制御部20は、走行履歴30cが示す実使用効率の履歴に基づいて実使用効率の履歴が示す改善幅を特定して新規目標を特定する。本実施形態においては、今回の走行での実使用効率と前回の走行での実使用効率との差分(改善幅)と現在の目標使用効率との和を新規目標とする。なお、前回の走行での実使用効率は、走行履歴30cを参照して今回走行した所定の区間と同じ区間に対応づけられた過去の実使用効率の中から、今回の走行と走行条件が一致するとともに今回の走行日時に最も近い日時に対応づけられた実使用効率を抽出することによって取得される。
以上の構成においては、所定の区間において運転者が実使用効率の目標を達成した場合に、より高い目標が次回の目標として設定されるため、運転者の現在の運転技術で達成された実使用効率の目標よりも高い目標が常に設定される。このため、運転者が当該目標を達成するように運転を行うことで実使用効率を向上させることが可能である。また、今回の走行での実使用効率と前回の走行での実使用効率との差分のように、実使用効率の履歴が示す改善幅は、自車両にて所定の区間を複数回走行した過程で改善された実使用効率の改善幅の実績である。従って、自車両の運転者は当該実使用効率の履歴が示す改善幅に相当する改善を行うことが可能な改善能力を備えていると考えられ、当該改善能力に対応した改善幅に基づいて新規目標を設定することにより、運転者の能力に応じた目標を設定することが可能である。
(2)走行支援処理:
次に、以上の構成においてナビゲーション装置10が実施する走行支援処理について説明する。図2は、走行支援処理を示すフローチャートである。当該走行支援処理は、自車両にて予め走行開始地点と目的地とが示す所定の区間が設定されるとともに、当該所定の区間を走行するための経路探索が行われ、当該所定の区間の走行が終了した後に実行される。
はじめに、制御部20は、図示しない計時回路の出力に基づいて今回の走行での走行条件(曜日および時刻)を取得する(ステップS100)。次に制御部20は、目標達成判定部21bの処理により、当該走行条件に対応した目標使用効率を取得する(ステップ S105)。また、制御部20は、目標達成判定部21bの処理により、所定の区間を走行する際の理想使用効率を取得する(ステップS110)。ここで、理想使用効率は、所定の区間を自車両によって走行する際に燃料使用量を低減するための理想的な走行をした場合の使用効率として予め特定されていれば良い。
例えば、理想化した測定条件で測定される自車両による燃料の使用効率(例えば、10・15モード燃費)や、自車両の仕様から特定される最も効率的に所定の区間を走行した場合の燃料の使用効率などによって構成することができる。後者は所定の区間を走行するために必要なエネルギーなどによって特定可能である。例えば、所定の区間を構成する各道路の勾配と各道路を走行する際に予定されている車速とを特定し、当該勾配と同じ勾配の路面において当該車速と同じ速度で自車両と同じ重量の物体を移動させるために必要なエネルギーを運動方程式に基づいて特定する。そして、自車両におけるエネルギー変換効率に基づいて、当該エネルギーを出力するために必要な燃料消費量を取得し、走行距離で除することによって理想使用効率が特定される。
次に、制御部20は、実使用効率取得部21aの処理により、所定の区間について今回の走行での実使用効率を取得する(ステップS115)。そして、制御部20は、目標達成判定部21bの処理により、目標を達成したか否か判定する(ステップS120)。ステップS120にて、目標を達成したと判定されたとき、制御部20は、新規目標設定部21cの処理により、新規目標を特定するための改善幅を取得し(ステップS125)、現在の目標使用効率と改善幅との和によって新規目標を算出する(ステップS130)。すなわち、今回の走行での実使用効率と前回の走行での実使用効率との差分を改善幅として取得し、現在の目標使用効率に加えて新規目標とする。
次に、制御部20は、新規目標設定部21cの処理により、新規目標が理想使用効率以下であるか否かを判定する(ステップS135)。ステップS135にて、新規目標が理想使用効率以下であると判別されたとき、制御部20は、新規目標を次回の目標使用効率に設定し(ステップS140)、次回の目標使用効率を走行条件に対応づけて目標情報に記録する(ステップS155)。すなわち、制御部20は、目標情報30bにおいて、今回の走行した所定の区間および走行条件に対応している目標使用効率を削除し、新規目標が示す目標使用効率を新たに記録する。
図3A,3Bに示す例において、例えば、走行履歴30cが示す12月8日における区間Aの走行が今回の走行であったとき、今回の走行の走行条件は月曜日かつ8:00〜9:00である。従って、当該走行条件に対応する実使用効率である10.5km/lが目標を達成したか否かは、目標情報30bに記録された同じ走行条件の目標使用効率(区間Aおよび月曜日かつ8:00〜9:00に対応する目標使用効率)である10km/lとの比較によって判定される。この例においては、10.5>10であるため目標は達成したとみなされる。
さらに、区間Aについて今回の走行の走行条件が月曜日かつ8:00〜9:00であり、図3Bに示す例においては12月1日、月曜日の8:00〜9:00における走行が前回の走行に該当する。従って、今回の走行での実使用効率と前回の走行での実使用効率との差分である改善幅は10.5−9.5=1km/lと特定される。この結果、新規目標は更新前の目標使用効率である10km/lに対して当該1km/lを加算した11km/lとなる。そして、本例における自車両の理想使用効率が11km/lを超えている場合には、ステップS155において目標使用効率が更新されるため、図3Aに示す目標情報30bにおいて、区間Aについて月曜日かつ8:00〜9:00の走行条件に対応する目標使用効率は11km/lに更新されることになる。
一方、ステップS135において、新規目標が理想使用効率以下であると判別されないとき、ステップS130にて算出した新規目標は実現不可能な目標であると見なし、制御部20は、新規目標設定部21cの処理により、理想使用効率を次回の目標使用効率に設定して(ステップS145)、ステップS155にて目標情報30bに記録する。
さらに、ステップS120において、目標を達成したと判定されないとき、制御部20は、新規目標設定部21cの処理により、次回の目標使用効率を今回の目標使用効率と実使用効率との中間値に設定し(ステップS150)、ステップS155にて目標情報30bに記録する。すなわち、目標を達成していない場合には、目標使用効率が今回の走行での実使用効率に近づくように目標使用効率を更新する。
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は、本発明を実施するための一例であり、実使用効率の目標を達成した場合に、当該目標より高い新規目標を設定して所定の区間を次回走行する際の目標として設定する限りにおいて他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、上記実施形態では燃料によって駆動される自車両について説明したが、充電池に蓄積された電力によって駆動される電気自動車や、燃料および電力によって駆動されるハイブリッド車両に対して本発明を適用する構成としても良い。
また、所定の区間は、走行前に予め決められれば良く、自車両の運転者が日常的に走行する経路に相当する区間であっても良い。当該日常的に走行する経路に相当する区間は、走行履歴によって特定することができ、所定期間内に特定の経路を走行する頻度が所定の回数以上である場合に日常的に走行する経路とするなどの構成を採用可能である。さらに、所定の区間は、走行開始地点と目的地とによって示される構成の他、区間内で走行対象となる道路が特定されている構成であっても良い。
動力源は、上述の燃料など自車両を駆動させるためのエネルギーを生成する物質であっても良いし、蓄電池に蓄電された電力などのエネルギー自体であってもよく、実使用効率を客観的に特定可能であればよい。すなわち、所定の区間を走行する際に実際に使用される駆動源の量を評価する指標として実使用効率を特定することができれば良く、単位燃料当たりの走行距離や単位距離当たりの燃料消費量、単位距離当たりの動力源のコスト、単位距離当たりの電力量等が使用効率となり得る。
さらに、実使用効率の目標は所定の区間を走行する前に設定され、所定の区間を走行する際に特定の目標を達成することを目指しながら運転されるように構成されていればよく、目標は所定の区間を走行する前に運転者に提示されることが好ましい。実使用効率の目標は、上述のように使用効率の値(目標使用効率)として設定されていても良いし、使用効率の改善幅(目標改善幅)として設定されていても良い。後者であれば、例えば、今回の実使用効率と比較対象となる過去の実使用効率との差分が目標改善幅を超えたか否かによって目標を達成したか否かを判定することができる。
走行条件は曜日および時刻に限定されず、これらのいずれかであっても良いし、天候や季節、渋滞度、所定の区間の走行頻度など他の条件であっても良いし、これらの条件の組み合わせであっても良い。すなわち、不可抗力で実使用効率が変動するなど、条件に依存して実使用効率が変動するのであれば、その条件を走行条件として実使用効率の目標を設定すればよい。
さらに、走行条件によって実使用効率が大きく変動しないのであれば、目標使用効率を走行条件に対応づけて記録する必要はなく、走行条件に依存しない状態で目標使用効率を記録する構成としても良い。さらに、目標を達成していないときには目標使用効率を更新しない構成(ステップS150を省略する構成)としてもよい。
さらに、所定の区間を次回走行する際の目標となる新規目標は、達成された目標よりも高い目標であればよく、新規目標を特定する際の具体的な手法としては、上述のように今回と前回の走行での実使用効率の改善幅に基づいて新規目標を設定する構成の他、種々の構成を採用可能である。例えば、改善幅を参照する対象となる情報は、今回の走行での実使用効率と前回の走行での実使用効率に限定されず、他の過去の実使用効率に基づいて特定される改善幅を参照して新規目標を設定しても良い。また、新規目標を、理想使用効率と実使用効率との中間値としてもよい。この構成によれば、今回の走行での実使用効率よりも理想使用効率に近づくように目標を設定することができる。
さらに、改善幅に基づいて実使用効率の目標を達成したか否かを判定する構成において、改善前の実使用効率と理想使用効率とに応じて改善幅が変動するように構成してもよい。すなわち、現実的な実使用効率の改善幅は改善前の実使用効率に依存する(例えば、改善前の実使用効率が悪い場合、良い場合よりも改善余地が大きい)。また、現実的な実使用効率の改善幅は理想使用効率にも依存する(例えば、理想使用効率が悪い場合、良い場合よりも改善余地が小さい)。そこで、実使用効率の目標を、実使用効率の改善幅で規定し、当該改善幅を、理想使用効率に対応づけられた実使用効率の履歴に基づいて特定する構成を採用可能である。
より具体的には、実使用効率に対して当該実使用効率を取得したときに走行していた区間の理想使用効率を対応づけて実使用効率の履歴を構成する。図3Cは、理想使用効率に対応づけて記録される走行履歴300cを示している。当該図3Cに示す例においては、自車両にて任意の区間を走行した後に、その走行時における実使用効率を取得するとともに、日付、曜日および時刻を取得する。また、当該所定の区間についての理想使用効率を、例えば、上述の運動方程式を利用する構成と同様にして特定する。そして、実使用効率を、日付、曜日、時刻および理想使用効率に対応づけて記録する。
このような走行履歴300cを参照し、同様の理想使用効率となっている情報を抽出して、所定の区間の理想使用効率および所定の区間を今回走行したときの実使用効率に対応する実使用効率の履歴である第1履歴と、所定の区間の理想使用効率に対応するとともに第1履歴よりも良い実使用効率の履歴である第2履歴とを抽出し、第1履歴と第2履歴との差分を改善幅として特定すれば、その改善幅によって運転者の改善能力を見積もることができる。そこで、所定の区間の理想使用効率に対応する実使用効率の改善履歴を特定し、その改善幅を新規目標に設定すれば、目標を達成した今回の走行での実使用効率が示す改善余地に対応した新規目標を次回所定の区間を走行する際の目標として設定することができる。
例えば、今回走行した所定の区間の理想使用効率が12km/lであり、今回所定の区間を走行したときの実使用効率が10km/lである場合、この実使用効率を第1履歴とする。また、制御部は走行履歴300cからこれらの理想使用効率と共通の理想使用効率が対応づけられた、よりよい実使用効率である第2履歴を検索する。図3Cに示す例では、No.1およびNo.3の情報において理想使用効率が12km/lで一致しており、No.3の情報が示す実使用効率11km/lはNo.1の情報が示す実使用効率10km/lよりも良い値であるため、No.1の情報が第1履歴、No.3の情報が第2履歴となる。そして、No.1およびNo.3の情報において実使用効率が10km/lから11km/lに変化していることから、両者の差分である1km/lが改善幅として特定され新規目標として設定される。
このように、走行履歴300cを参照すると、所定の区間の理想使用効率に対応する区間を過去に走行した場合の実使用効率の改善実績を特定することができる。むろん、ここでは所定の区間の理想使用効率に一致している区間の情報が走行履歴300cに記録されている場合のみならず、所定の区間の理想使用効率との差分が所定の範囲内にある理想使用効率が走行履歴300cに存在すれば両者が対応するとみなして良い。また、ここでは理想使用効率に着目しているため、走行履歴300cとして記録された実使用効率に対応する区間が所定の区間と一致していても良いし、一致していなくても良い。所定の区間を今回走行したときの実使用効率に対応する実使用効率の履歴が存在するか否かを判定する際も同様であり、両者が一致している場合の他、両者の差分が所定の範囲内である場合に両者が対応するとみなすことが可能である。
以上のように、実使用効率の目標である実使用効率の改善幅は走行履歴300cに基づいて特定することが可能であるため、走行履歴300cは、改善前の実使用効率を示す改善前実使用効率と改善の際に走行する区間の理想使用効率とに対応づけられた実使用効率の改善幅を実質的に規定していると言える。
本例において改善幅が特定されると、制御部は当該改善幅が所定の区間を次回走行する際の目標となるように設定する。そして、実際に所定の区間を走行したときには所定の区間を今回走行したときの実使用効率と前回走行したときの実使用効率とを取得して両者の差分(今回の実使用効率−前回の実使用効率)を取得し、当該差分が目標である改善幅を超えている場合に、実使用効率の目標を達成したと判定する。この構成によれば、改善前の実使用効率および改善の際に走行する区間の理想使用効率ごとに異なる実使用効率の目標に応じて目標を達成したか否かを判定することができる。
なお、改善幅を決定するための手法としては他にも種々の構成を採用可能である。例えば、走行履歴300cを参照して第2履歴を抽出する際に、所定の区間の理想使用効率に対応するとともに第1履歴よりも良い実使用効率の履歴を特定し、さらに、第1履歴に対応する日付よりも後であるとともに当該日付に最も近い日付に対応する実使用効率の履歴を第2履歴として抽出する構成としても良い。また、改善幅を決定するための手法としては走行履歴300cを参照する構成の他にも種々の手法を採用可能である。例えば、改善の容易性に応じて改善幅が設定されるように、改善前の実使用効率を示す改善前実使用効率と改善の際に走行する区間の理想使用効率と改善幅との関係を予め定義しておく構成を採用可能である。より具体的には、改善前の実使用効率が良い効率であるほど改善幅が小さくなる関係を定義し、また、理想使用効率が良い効率であるほど改善幅が大きくなる関係を定義する構成を採用可能である。そして、関係が定義されていれば、このような関係に基づいて改善幅を決定すればよい。
走行支援装置を示すブロック図である。 走行支援処理を示すフローチャートである。 (3A)は目標情報、(3B),(3C)は走行履歴の例を示す図である。
符号の説明
10…ナビゲーション装置、20…制御部、21…走行支援プログラム、21a…実使用効率取得部、21b…目標達成判定部、21c…新規目標設定部、30…記憶媒体、30a…地図情報、30b…目標情報、30c…走行履歴、40…GPS受信部、41…車速センサ、42…ジャイロセンサ、43…燃料タンク、43a…燃料センサ、44…ユーザI/F部

Claims (6)

  1. 自車両にて所定の区間を走行した場合の前記自車両の動力源の実使用効率を取得する実使用効率取得手段と、
    前記所定の区間を前記自車両にて走行する前に設定された前記実使用効率の目標を達成したか否か判定する目標達成判定手段と、
    前記目標を達成した場合、前記目標より高い新規目標を前記自車両で前記所定の区間を次回走行する際の目標として設定する新規目標設定手段と、
    を備える走行支援装置。
  2. 前記実使用効率の目標は、前記自車両にて前記所定の区間を走行した場合の走行条件毎に規定されており、
    前記目標達成判定手段は、前記自車両にて前記所定の区間を走行した場合の前記走行条件に対応する前記実使用効率の目標を達成したか否か判定し、
    前記新規目標設定手段は、前記次回走行する際の目標を前記走行条件毎に設定する、
    請求項1に記載の走行支援装置。
  3. 前記実使用効率取得手段は、前記実使用効率の履歴を所定の記憶媒体に記録し、
    前記新規目標設定手段は、前記実使用効率の履歴に基づいて前記実使用効率の改善幅を特定し、当該改善幅に基づいて前記新規目標を設定する、
    請求項1または請求項2のいずれかに記載の走行支援装置。
  4. 前記実使用効率の履歴は、当該実使用効率を取得したときに走行していた区間の理想使用効率に対応づけられており、
    前記新規目標設定手段は、前記実使用効率の履歴から、
    前記所定の区間の理想使用効率および前記所定の区間を今回走行したときの前記実使用効率に対応する前記実使用効率の履歴である第1履歴と、
    前記所定の区間の理想使用効率に対応するとともに前記第1履歴よりも良い前記実使用効率の履歴である第2履歴とを抽出し、前記第1履歴と前記第2履歴との差分を前記改善幅として特定する、
    請求項3に記載の走行支援装置。
  5. 自車両にて所定の区間を走行した場合の前記自車両の動力源の実使用効率を取得する実使用効率取得工程と、
    前記所定の区間を前記自車両にて走行する前に設定された前記実使用効率の目標を達成したか否か判定する目標達成判定工程と、
    前記目標を達成した場合、前記目標より高い新規目標を前記自車両で前記所定の区間を次回走行する際の目標として設定する新規目標設定工程と、
    を含む走行支援方法。
  6. 自車両にて所定の区間を走行した場合の前記自車両の動力源の実使用効率を取得する実使用効率取得機能と、
    前記所定の区間を前記自車両にて走行する前に設定された前記実使用効率の目標を達成したか否か判定する目標達成判定機能と、
    前記目標を達成した場合、前記目標より高い新規目標を前記自車両で前記所定の区間を次回走行する際の目標として設定する新規目標設定機能と、
    をコンピュータに実現させる走行支援プログラム。
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