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JP5037841B2 - 有機半導体素子、電界効果型トランジスタおよびそれらの製造方法 - Google Patents
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有機半導体素子、電界効果型トランジスタおよびそれらの製造方法 Download PDF

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本発明は有機半導体素子、電界効果型トランジスタ(FET)およびそれらの製造方法に関し、特に溶液から容易に形成でき、かつ低分子の不純物などの析出が少ないゲート絶縁層を用いることで、基板が樹脂であっても高い移動度を示す電界効果型トランジスタおよびその製造方法に関するものである。
近年、有機半導体素子を使用したIC技術が注目されている。その主な魅力は、低コストで製造できること、および基板として柔軟な樹脂を用いることができることである。これらの利点から、有機半導体素子は、プラスチック基板を用いた回路、電子タグやディスプレイの表示駆動回路、メモリ等への応用が期待されている。
一般的に有機半導体素子は、基板、絶縁層、電極、有機半導体層などから構成されており、特にゲート絶縁層、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極、及び有機半導体層などから構成された素子が薄膜電界効果型トランジスタなどとして利用される。
有機半導体を半導体層として用いた電界効果型トランジスタにおいて、ゲート電極に印加する電圧(ゲート電圧、Vg)を変化させると、ゲート絶縁層と有機半導体層との界面における電荷(キャリア)量が増減する。その結果ソース電極から有機半導体を経てドレイン電極へと流れるドレイン−ソース電流値(Id:ドレイン電極からソース電極へと電流が流れる場合には負の値をとる)が変化し、素子としての機能が果たされる。そして、最も理想的なスイッチング素子として機能する電界効果型トランジスタは、キャリアパスが存在する状態と不存在の状態との間でのスイッチングが可能となる。
実際、ポリアルキルチオフェン化合物やポリチエニレンビニレン化合物などの有機半導体化合物を溶液塗布することによって高性能の有機半導体素子がこれまでに得られている(非特許文献1、非特許文献2、特許文献1参照)。
廉価で柔軟性のある素子を形成するためには、フレキシブルな樹脂基板を使用したり、塗布法や印刷法で電極や絶縁層を形成したりすることが望ましい。しかしながら、樹脂基板は、シリコンやガラス基板と比較して平滑性、平坦性は著しく劣る。一方で、印刷法のようなウエットプロセスは基板表面の影響を受け易い。その結果、樹脂基板上に膜厚が均一で絶縁性の十分なゲート絶縁層を形成することが困難となってしまい、ソース電極側からドレイン電極側へのリーク電流が大きくなるという問題があった。
また、有機半導体素子を柔軟な樹脂基板上に設ける場合、ゲート絶縁層や有機半導体層といった基板上の構成要素は200℃以下の低温で製造することが望ましい。なぜならば、基板が樹脂である素子を高温雰囲気にさらすと、樹脂基板が軟化や劣化をしてしまう恐れがあるからである。
以下、絶縁層に関する従来の技術を紹介する。
例えば、下田らはポリビニルフェノール(PVP)を絶縁層に使用し、電極と有機半導体層をインクジェット法で形成したFETを作成している(非特許文献3参照)。一方、ベレスらは比誘電率の低い絶縁層上にポリトリアリルアミンを有機半導体層に設けた電界効果型トランジスタを作成している(非特許文献5参照)。彼らは、いずれも絶縁層を形成する材料には熱可塑性樹脂を用いている。そのため、加工性が高い反面、耐溶剤性や熱安定性の問題が残るので多層化には不向きであり、薄膜で十分な絶縁性を示す緻密な層を形成することは困難である。
一方、PVPにメチル化もしくはアシル化したメラミン−ホルムアルデヒド樹脂を混合した熱硬化性樹脂から絶縁層を形成する例も報告されている(特許文献2、非特許文献5参照)。しかしながら、いずれも200℃以下の低温で焼成すると未反応の極性基が膜中に残存する恐れがあり、吸湿などによる絶縁性の低下が懸念される。
また、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂を主剤にした熱硬化樹脂から絶縁層を形成する例も報告されている(特許文献3)。しかしながら、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂同士の硬化には時間がかかるために、表面が平滑な絶縁層を形成するには困難であった。
これらの文献における絶縁層は、いずれも、プラスチック基板が耐えうる低温で焼成した場合に、高い絶縁性と信頼性を得ることが困難であるか、もしくは触媒などを添加して低温で硬化できるようにしても触媒が有機半導体層を汚染してしまうことが問題であった。そのため、高移動度で信頼性の高い有機半導体層を用いた電界効果型トランジスタを得るに至らなかった。
特開平10−190001号公報 特開2004−128469号公報 特開2004−158858号公報 Assadi A.,et al.,"Field−effect mobility of poly(3−hexylthiophene)",Appl.Phys.Lett.,vol.53,pp.195(1988) Fuchigami H.,et al.,"Polythienylenevinylene thin−film transistor with high carrier mobility",Appl.Phys.Lett.,vol.63, pp.1372(1993) 下田達也ら、「インクジェットプリント法による有機トランジスタ」 応用物理 第70巻1452頁(2001) Veres B.J.,et al.,"Low−k insulator as the choice of dielectrics in organic field−effect transistors",vol.13,pp.199(2003) Klauk H.,et al.,"Flexible Organic Circhuits with Printed Gate Electrodes"Advanced Materials,vol.15,pp.17(2003)
上述したように、有機半導体を用いた電界効果型トランジスタを廉価なプロセスで作成する場合、樹脂基板上に膜厚が均一で絶縁性の高い有機絶縁層を形成することが困難であった。それを解決するためには塗布成膜が容易な熱可塑性樹脂に架橋剤を添加した熱硬化性樹脂を用いることが有用ではあるが、触媒などを加えずに十分に硬化された絶縁層を形成することは困難であった。そのため、高い絶縁性を有し有機半導体層への悪影響の少ない絶縁層を形成することは困難であった。かかる課題は、ゲート絶縁層のみならず、他の絶縁層にも共通する課題であり、電界効果型トランジスタ以外の有機半導体を有する素子にも共通する課題である。
本発明者らは絶縁層に特定の置換基を有する樹脂と、特定の架橋基を有する架橋剤とを含む硬化性樹脂の熱硬化物を用いることによって、有機半導体素子に好適な絶縁層を得るに至った。特に、かかる絶縁層をゲート絶縁層として用いることにより、ゲート電極からソースもしくはドレイン電極への電流リークが極めて少ない電界効果型トランジスタを得ることができた。
すなわち本発明は、有機半導体層と、絶縁層とを少なくとも有する有機半導体素子において、
該絶縁層の一部もしくは全部が樹脂と架橋剤との硬化物からなり、
該樹脂が水酸基を有する有機樹脂を含み、該架橋剤が2個以上の架橋基を有する化合物を含み、該架橋基の少なくとも一つがメチロール基もしくはNH基であり、
前記樹脂と前記架橋剤との総量100重量部中の前記架橋剤の混合量が15重量部以上45重量部以下であり、
前記2個以上の架橋基を有する化合物が下記一般式1で表される化合物であることを特徴とする有機半導体素子である。
Figure 0005037841

(式中、R 、R 、R 、R 、R 10 、R 11 は、それぞれ独立に、−CH OH、−H、−CH OR 16 、炭素数1以上12以下のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシル基、アルキルチオ基、ヒドロキシアルキル基、アシル基、より選ばれる少なくとも1種である。ただし、R 、R 、R 、R 、R 10 、R 11 のうち少なくとも一つは−CH OHまたは−Hである。)
本発明では無触媒もしくは、微量の酸触媒を併用した硬化性樹脂組成物を用いて、ゲート電極上に膜厚均一性、耐溶剤性、表面の平滑性、および絶縁性の高い薄膜絶縁層を形成することで、絶縁層からの低分子成分のマイグレーションによる移動度やOn・Off比低下が少ない電界効果型トランジスタを提供する。
本発明にかかる有機半導体素子は、有機半導体と、絶縁体と、導電体を少なくとも有する素子である。
絶縁体は、電極である導電体を覆うなどして、複数の導電体の間の電気的な絶縁や導電体と有機半導体との間の電気的な絶縁を図るために設けられる。これらの例としては、層間絶縁膜、素子分離膜、ゲート絶縁膜などが含まれる。また、通常は封止材や保護材と呼ばれる有機半導体や導電体と外界との間に設けられる部材も、本明細書でいうところの絶縁体に含まれる。
絶縁体は、一般的には層状あるいは膜状の形態であるので、本明細書においては、絶縁層あるいは絶縁膜と表記する場合もある。しかしながら、本明細書において、絶縁層あるいは絶縁膜という概念は、明確な層構造あるいは膜構造をとっていないもの、例えば島状構造のもの、を包含する。
以下、有機半導体を有する電界効果型トランジスタを例として、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本形態に係る電界効果型トランジスタは、有機半導体層と、絶縁体と、導電体とを少なくとも有する素子である。ここで、電界効果型トランジスタの有する導電体としては、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極が挙げられる。そして、有機半導体層はゲート電極に印加される電圧に応答する。具体的には、有機半導体層は、ゲート電極への電圧印加に起因する電界によって電気的特性が変化する層である。更に具体的には有機半導体層の導電率、つまり有機半導体層を流れる電流が電界の変化に応じて変化する層である。また、電界効果型トランジスタの有する絶縁体のうち少なくとも一つは、ゲート電極と有機半導体層との間に存在するゲート絶縁層である。
そしてこのゲート絶縁層は、ゲート電極と有機半導体層とを電気的に絶縁する機能のみならず、ゲート電極に電圧を印加した際に有機半導体との界面に正または負の電荷を誘起する機能も有する。
なお、ゲート絶縁層は、ゲート電極をソース電極やドレイン電極から絶縁するために用いることも出来る。
電界効果型トランジスタの有する絶縁体としては、ゲート絶縁層以外にも、各電極や有機半導体層と外界との間の絶縁を図るための絶縁層(封止材)や、複数の電極間やトランジスタ間の絶縁を図るための絶縁層(層間絶縁膜や素子分離膜)が挙げられる。
図1は本実施形態に係る有機半導体素子(電界効果型トランジスタ)を示す模式的断面図である。1は基板、2はゲート電極、3はゲート絶縁層、4はソース電極、5はドレイン電極、6は有機半導体層である。この素子は、基板1の表面にゲート電極2が設けられ、その上にゲート絶縁層3が設けられ、ゲート絶縁層3の表面にソース電極4とドレイン電極5が間隔をおいて設けられている。そしてソース電極4とドレイン電極5の上とその離間領域であるゲート絶縁層3上に有機半導体層6が両電極4、5と接して設けられている。本形態では、ゲート絶縁層3はゲート電極2を覆うように設けられている。なお、ここでは、一般的な電界効果型トランジスタを挙げたが、本発明は縦型トランジスタ等の他の形状のトランジスタも包含する。
先にも述べたように、本実施形態に係るゲート絶縁層は、ゲート電極と有機半導体層とを電気的に絶縁する機能のみならず、ゲート電極に電圧を印加した際に有機半導体との界面に正または負の電荷を誘起する機能も有するものである。このような電荷誘起機能を良好に発現させるためには、絶縁層と有機半導体との界面が均一な界面であることが好ましい。そこで、本発明者らは樹脂基板上に形成された凹凸のある電極上においても容易に薄膜で均一な絶縁層表面を形成でき、かつ絶縁層と有機半導体層の界面に触媒や未硬化物などが析出して汚染することの無い材料を探すべく鋭意検討を重ねた。その結果、特定の有機樹脂と架橋剤との硬化物からなる絶縁層が好ましいことを見出した。
本発明での絶縁層として好ましい有機樹脂の硬化物は、水酸基を有する有機樹脂と、2個以上の架橋基を有し該架橋基の少なくとも一つがメチロール基もしくはNH基である架橋剤と、からなる硬化物である。
本発明に用いられる水酸基を有する樹脂としては、脂肪族アルコール性水酸基、フェノール性水酸基を有する樹脂が好適に用いられる。脂肪族アルコール性水酸基を有する樹脂としては、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルアクリレート)、ポリ(4−ビニルシクロヘキサノール)、ポリビニルアルコールまたはそれらの共重合体を挙げることができるが、それらに限定されない。一方、フェノール性水酸基を有する樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂およびそれらの変性樹脂などのフェノール樹脂類、またはポリビニルフェノールおよびその共重合体が挙げられるが、それらに限定されない。
本発明に用いられる水酸基を有する樹脂としてより好ましいものは、フェノール性水酸基を有する樹脂である。フェノール性水酸基を有する樹脂は各種溶媒への溶解性が高く、各種基板への塗布性、膜厚均一性、硬化後の強度や絶縁性に優れるという点で好ましい。
本発明に用いられる水酸基を有する樹脂は、数平均分子量(Mn)が250以上500,000未満のポリマーあるいはオリゴマ−であることが好ましい。Mnが250未満であると硬化後の膜の強度が不十分となる恐れがあり、500,000以上だと溶液状態での粘度が急激に増大して製膜性が著しく損なわれる恐れがある。より好ましいMnは350以上200,000未満である。
また、上記樹脂の分子量分布が小さいほど加熱溶融時の溶融粘度が均一になり、それにより膜厚の均一性、絶縁性ともに高くなることから、分子量分布は2.5未満であることが好ましい。より好ましい分子量分布は2未満である。
有機半導体デバイスの絶縁層には有機半導体層を汚染するような低分子量成分が少ないことが好ましい。そのため、本発明の絶縁体層には単量体などの低分子量成分が残存していない樹脂を使用することが好ましい。しかしながら、一般的に樹脂中の低分子量成分を完全に除去することは困難であることから、本発明に用いられる樹脂中の単量体量は架橋剤添加前の樹脂の総量を100重量%としたときに5重量%以下であることが好ましい。より好ましくは2重量%以下である。
また、本発明の絶縁層中には、有機半導体層を汚染するようなナトリウム等のアルカリ金属が極めて少ないことが望ましい。具体的にはナトリウムの含有量は20ppm以下であることが好ましく、より好ましくは5ppm以下である。絶縁層中のナトリウム等のアルカリ金属は、絶縁層を形成した後に繰り返し水洗したり、絶縁層を形成するために用いられる熱硬化性樹脂組成物から限外濾過やイオン交換樹脂を通したりすることで、除去することが可能である。しかしながら、あまりにも多くのアルカリ金属を含んでいると上記方法で除去するのが困難になるため、前記樹脂としては、ナトリウムの含有量が20ppm以下である樹脂を使用することが好ましい。
本発明に用いられる樹脂の軟化点は60℃以上170℃以下であることが好ましい。軟化点が60℃未満であると硬化後の強度が不十分となる恐れがあり、170℃を超えると、樹脂基板上で熱硬化する際に十分にリフローせず、電極表面に平滑な膜を形成することが困難になる恐れがある。軟化点は、より好ましくは70℃以上150℃以下である。
前記硬化物中の樹脂の割合は、硬化物の総量を100重量%とすると、30以上90重量%以下であることが好ましい。樹脂の割合が30重量%未満では十分な強度を持った均一な膜が得られない恐れがある。90重量%を超えた場合、硬化が不十分なために耐熱性や耐溶剤性を持った膜が得られない恐れがある。硬化物中の樹脂の割合は、より好ましくは45以上85重量%以下である。
また、フェノール樹脂に架橋剤を併用することで硬化後の膜の強度を向上できる。
本発明に用いられる架橋剤は2個以上の架橋基を有し、該架橋基の少なくとも一つがメチロール基もしくはNH基であることを特徴とする化合物である。
メチロール基は加熱によって、上記樹脂と反応して共有結合を作るものである。そのようなメチロール基としては、ベンゼン環に直接もしくはメラミン環のアミノ基などに結合したヒドロキシメチル基が挙げられる。さらに、メチロール基からはプロトンが脱離しやすいため、当該プロトンが他の架橋基の保護基を外すことによって、当該架橋基が前記樹脂の水酸基等と反応できるようにするという役割を担うこともできる。
一方、NH基は、メチロール基と同様に他の架橋基の保護基を外すためのプロトンを供与する役割を担うともに、前記樹脂や架橋基と反応して共有結合を作るものである。
そのようなNH基としては。例えば、メラミン骨格のアミノ基上の水素原子の片方が架橋基で置換されたNH基が挙げられる。また、メラミン骨格のアミノ基(−NH2)もH−NH−と表現することができるため、アミノ基中のNHも本明細書で言うNH基に含まれる。なお、NH基を含む化合物としてより好ましいものは、−N=CR20−NH−で表される基(R20は、プロトン以外の有機基であり、−N=CR20は環構造を形成していてもよい)を含むものである。かかる構造中のHは極めて脱離しやすいからである。
本発明の架橋剤のうち、2個以上の架橋基を有し、該架橋基の少なくとも一つがメチロール基もしくはNH基である化合物としては下記一般式で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005037841
(式中、R1およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、チオール基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボン酸基、アミド基、アリール基、および炭素数1以上12以下のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシル基、アルキルチオ基、ヒドロキシアルキル基、アシル基、より選ばれる少なくとも1種を示し、R2およびR4は、それぞれ独立に、炭素数1以上6以下のアルコキシメチル基、アシロキシメチル基より選ばれる少なくとも1種を示し、R5はu価の有機基であり、uは1以上5以下の整数であり、nは1以上6以下の整数であり、mは0以上5以下の整数であり、2≦n+m≦6であり、sは1以上5以下の整数であり、tは0以上4以下の整数であり、2≦s+t≦5である。R5に結合しているu個の基のR3、R4、s、tはいずれも、それぞれ互いに異なっていても良い。
また、R6、R7、R8、R9、R10、R11は、それぞれ独立に、−CH2OH、−H、−CH2OR16、炭素数1以上12以下のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシル基、アルキルチオ基、ヒドロキシアルキル基、アシル基、より選ばれる少なくとも1種である。ただし、R6、R7、R8、R9、R10、R11のうち少なくとも一つは−CH2OHまたは−Hであり、R6、R7、R8、R9、R10、R11のうち少なくとも二つは−CH2OH、−H又は−CH2OR16である。
12、R13、R14、R15は、それぞれ独立に、−CH2OH、−H、−CH2OR18、炭素数1以上12以下のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシル基、アルキルチオ基、ヒドロキシアルキル基、アシル基、より選ばれる少なくとも1種である。ただし、R12、R13、R14、R15のうち少なくとも一つは−CH2OHまたは−Hであり、R12、R13、R14、R15のうち少なくとも二つは−CH2OH、−H又は−CH2OR18である。R16およびR18は、それぞれ独立に、炭素数1以上6以下のアルコキシメチル基、アシロキシメチル基より選ばれる少なくとも1種を示す。複数のR16は互いに異なっていても良いし、複数のR18は互いに異なっていても良い。)
本発明の架橋剤のうち、1個以上のメチロール基を有する化合物として好ましい例を以下に挙げるが、例示された化合物に限定されるわけではない。
Figure 0005037841
Figure 0005037841
Figure 0005037841
Figure 0005037841
Figure 0005037841
また、本発明の架橋剤の内、1個以上のNH基を有する化合物として好ましい例を以下に挙げるが、例示された化合物に限定されるわけではない。
Figure 0005037841
また、メチロール基の一般的な生成方法としてはホルマリンをアルカリ存在下、フェノール化合物と縮合する方法や、エステルを水素化リチウムアルミニウムで還元する方法が知られている。これらの方法で合成したメチロール化合物中にはナトリウムなどのアルカリ金属が残存する場合がある。残存したアルカリ金属は、架橋剤を硬化して絶縁層とした後に有機半導体層を汚染する可能性があるため、本発明に用いられる架橋剤中のアルカリ金属は極力除去されていることが望ましい。具体的には架橋剤中のナトリウムの含有量は架橋剤の総量に対して20ppm以下であることが好ましく、より好ましくは5ppm以下である。
前記架橋剤の量は、前記樹脂と前記架橋剤との総量100重量部に対して15重量部以上45重量部以下であることが好ましい。前記架橋剤の量が15重量部未満の場合、および45重量部を超える場合、硬化時間が長くなってしまう点で望ましいとはいえない。硬化時間が長いと、絶縁層表面の平滑性が失われ、絶縁層上に形成される表面処理層や有機半導体層の膜厚均一性が損なわれる可能性がある。また、前記樹脂と前記架橋剤との総量100重量部中の前記架橋剤の混合量が20重量部以上40重量部以下であるとさらに好ましい。
本発明の絶縁層を形成するにあたり、絶縁層の下地の表面状態によっては、前記樹脂と前記架橋剤との間の反応(架橋による硬化反応)を制御する必要がある場合がある。その場合、少量の触媒を併用することができる。
本発明の樹脂と架橋剤を反応させるのに適した触媒としては、蟻酸、酢酸、蓚酸などのカルボン酸類やp−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸などのスルホン酸類が用いられる。その中で好ましいものは、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などのスルホン酸類である。溶液中での安定性を高めるためには、スルホン酸アミン塩を用いることもできる。スルホン酸アミン塩としてはp−トルエンスルホン酸ピリジン塩が挙げられる。
また、光酸触媒を用いることもできる。光酸触媒の例としてはトリフルオロメタンスルホン酸、ヘキサフルオロリン酸や9,10−ジメトキシアントラセンスルホン酸などのジアリルヨードニウム塩、トリアリルスルホニウム塩やo−ニトロベンジルエステル、またはビストリクロロメチル−s−トリアジン化合物などが挙げられる。ただし、光触媒を用いる場合は製膜後に光照射と加熱が必要である。
前記触媒の混合量は、前記樹脂と前記架橋剤の総量100gあたり、0.03mmol以上3mmol以下とすることが好ましい。混合量が0.03mmol未満であると触媒としての硬化促進効果が見られない恐れがある。3mmolを超えると、溶液の安定性が低下するだけでなく、余分な触媒が絶縁層表面に析出するなどして、移動度が低下する恐れがある。より好ましくは、前記触媒の混合量は前記樹脂と架橋剤の総量100gあたり0.1mmol以上2mmol以下である。
前記樹脂などを溶解させる溶媒としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール等を用いることができる。これらの有機溶剤は単独で、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
前記の溶剤の中で、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、乳酸ブチル、シクロヘキサノン、エタノール、1−ブタノールが、レベリング性の向上の観点から好ましい。
樹脂溶液の濃度は所望の膜厚によって任意に調節されるが、好ましくは1重量%以上50重量%以下である。樹脂溶液の塗布方法としては、スピンキャスト法、ディッピング法、ダイコーティング法、スリットコーティング法、滴下法、オフセットあるいはスクリーンやオフセットなどの印刷法、インクジェット法などが挙げられる。また、得られた膜の平滑性を保つために極力ゴミなどを混入させないことが好ましいので、事前にメンブランフィルタで濾過することが望ましい。
樹脂溶液の基板や電極への濡れ性や密着性を向上させるために、絶縁性などの電気特性を損なわない程度に樹脂溶液中に界面活性剤やカップリング剤を添加することもできる。
本発明の熱硬化性樹脂を硬化させる際の加熱温度は100℃以上200℃以下であることが好ましい。また、加熱し硬化するまでの間に溶融した熱硬化性樹脂を流動させることによって基板表面の凹凸を平坦化し、表面を平滑化することもできる。硬化温度が100℃未満であると、硬化が不十分なため熱変形温度が高く、強度のある膜が得られない恐れがある。硬化温度が200℃を超えると、急激な加熱によって熱硬化性樹脂が十分に流動する前に硬化してしまう場合があるため、基板表面の凹凸を埋めて平坦化することができない恐れがある。加熱方法としては様々あるが、熱風循環オーブン、真空オーブン、電気炉、ホットプレート、赤外線ランプなどが用いられる。
本発明の絶縁層が十分に硬化されているかどうかは、耐溶剤性測定や、赤外分光スペクトル測定、屈折率測定などにより確認できる。中でもジメチルホルムアミド(DMF)に対する耐溶剤性の確認は最も簡便な方法であり、DMFに5分間浸漬しても膜が溶出したり、膨潤したりしない絶縁層は、硬化が十分であると判断することができる。
本発明における絶縁層をゲート絶縁層3として用いる場合の膜厚は100nm以上1μm以下の範囲にあることが好ましい。また、膜厚は、使用するゲート電極の表面状態により適宜選択することができる。膜厚が100nm未満になると、凹凸が多く平滑性の低い電極上で緻密な層を形成することが困難になる。一方、膜厚が1μmを超えると、Idの絶対値を大きくするために高いゲート電圧の印加が必要となる。より好ましい膜厚は150nm以上800nm以下である。
本発明におけるゲート絶縁層の有機半導体層側表面の平均表面粗さ(Ra’)は5nm以下が好ましい。Ra’が5nmを超えると、ゲート絶縁層上に形成される有機半導体層の膜厚や結晶成長が不均一になるため移動度が低下する恐れがある。より好ましいRa’の範囲は0.1nm以上3nm以下である。なお、ここで平均表面粗さ(Ra’)はセイコーインスツルメンツ製の走査型プローブ顕微鏡SPI3800(商品名)で測定した値であり、膜表面の平滑性を示すパラメータである。
本発明の好適な形態に用いられる絶縁層は高い絶縁性を有することが特徴であり、印加電圧40V以下での体積抵抗率が1×1013Ω・cm以上である。ここで、体積抵抗率はAgilent製のパラ−メーターアナライザー4156Cを用いて測定したリーク電流密度から求めた値である。
本発明における基板1としては、シリコン、ガラス、金属、樹脂などを板状、ホイル状、フィルム状もしくはシート状に加工されたものを用いることができる。特に、柔軟性や加工性の面から樹脂基板が好ましい。使用される樹脂基板の材質としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PSF)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリレート(PAR)、ポリアミドイミド(PAI)などが挙げられる。その他の樹脂基板としてはポリシクロオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン、ABS、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、セルロース樹脂からなる基板およびこれらの樹脂材料に無機酸化物微粒子を混合したり、無機素材を結合させたりした有機−無機複合材料基板などが挙げられる。
また、基板の表面を平坦かつ平滑にしたり、耐溶剤性や耐熱性を付与したりするために、基板表面を研磨したり、樹脂や無機酸化物で表面をコートしたりすることもできる。なお、以下、本明細書中では、基板表面を樹脂や無機酸化物でコートする場合、便宜上、コートする前の基板を「基材」と記載し、コートされた後の基板を「基板」とすることにより、両者を区別することがある。
本発明における電極を形成するための材料としては、導電性材料であれば特に限定されず、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、およびこれらの合金や、インジウム・錫酸化物等の導電性金属酸化物、あるいはドーピング等で導電率を向上させた無機および有機半導体、例えばシリコン単結晶、ポリシリコン、アモルファスシリコン、ゲルマニウム、グラファイト、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチエニレンビニレン、ポリパラフェニレンビニレン等が挙げられる。電極をソース電極4またはドレイン電極5として使用する場合、上に挙げた電極材料の中でも半導体層との接触面において電気抵抗が小さいものが好ましい。電極の作製方法としては、スパッタ法、蒸着法、溶液や分散液、ペーストからの印刷法、インクジェット法などが挙げられる。中でも、溶液や分散液、ペーストからの印刷法、インクジェット法などで形成された直径5nm以上2μm未満の導電性微粒子の集合体を電極として用いることが、真空装置などを必要としない簡便な方法で形成できる点でより好ましい。具体的には、導電性高分子の分散液や溶液、金属微粒子や金属酸化物、カーボンブラックのスラリーやペースト、有機金属の溶液などから形成された電極である。導電性高分子の例としてはポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホン酸)やポリ(p−アニリン)/カンファースルホン酸などが好適に用いられる。金属微粒子の例としては、数十nmの銀や金、ニッケルなどのナノ微粒子や、金属酸化物としては酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、錫をドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化錫、酸化ジルコニウム等の微粉末が挙げられる。有機金属の例としては銀の有機酸塩などが挙げられる。これらの分散液や溶液には、微粒子を均一に分散するために界面活性剤や樹脂を少量添加することができる。また、粒子表面を有機分子で修飾したりすることもできる。
導電性微粒子の集合体の形状としては、例えば直径5nm以上2μm未満の導電性微粒子同士が互いに接触しながら堆積しているものが挙げられる。また、微粒子同士が融着したり、密に堆積したりしていても良い。
塗布によって形成される電極材料の多くは、その抵抗を下げるために塗布後に一定の加熱処理を施すことが必要である。その際の加熱温度は、樹脂基板を使用することを考慮に入れると、120℃以上200℃以下が好ましい。電極の膜厚は、使用する導電性材料の比抵抗にもよるが、積層する際の段差乗越えやシート抵抗を考慮に入れると、30nm以上2μm以下が好ましい。
本発明における有機半導体層6としては、π電子共役系の芳香族化合物、鎖式化合物、有機顔料、有機ケイ素化合物等の材料からなるものが望ましい。具体的な材料としては、ペンタセン、テトラセン、アントラセンなどのポリアセン類、チオフェンオリゴマ誘導体、フェニレン誘導体、フタロシアニン化合物などのテトラアザポルフィリン化合物、ポルフィリン化合物、シアニン色素などの低分子材料が挙げられる。また、ポリアセチレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体等の高分子材料や、オリゴマーやデンドリマーを用いることもできる。もっとも、有機半導体層の材料は、特に限定されない。
有機半導体層6の材料としてより好ましいものとして、ポルフィリン化合物が挙げられる。ポルフィリン化合物の例としてはベンゾポルフィリンが挙げられる。ベンゾポルフィリンはビシクロ体のような有機溶媒可溶性の前駆体の溶液を塗布し、塗布後に熱などのエネルギーを加えることによりポルフィリン結晶に変換することで移動度を向上することができるため、本発明の絶縁層と組み合わせることにより、均一で高い移動度と高いOn・Off比を持った電界効果型トランジスタを得ることができる。
本発明の電界効果型トランジスタの移動度は1×103cm2/V・s以上であることが好ましく、On・Off比は100以上であることが好ましい。
前記有機半導体層6の配向を均一にしたり結晶成長を促進したりするために、ゲート絶縁層3、ソース電極4またはドレイン電極5の表面を改質することもできる。その方法としてはオゾン、プラズマ、ヘキサメチルジシラザンガスを用いた乾式処理や、有機溶剤にテトラアルコキシシラン、トリクロロシラン、界面活性剤などを溶解した溶液を用いた湿式処理などが挙げられる。また、前記両電極4、5と有機半導体層6とが接触する上で抵抗にならなければゲート絶縁層表面や両電極表面などに極薄いポリマーの膜を形成することでも有機半導体層6の配向を均一にしたり、結晶成長を促進したりすることができる。
本発明における電界効果型トランジスタの構造は薄膜型に限定されるものではなく、立体型でもよい。
また、本形態では、主に電界効果型トランジスタのゲート絶縁層に関して説明してきたが、絶縁層からのマイグレーション防止等の効果は、本形態の絶縁層をトランジスタ間に設けられる絶縁層や封止材として用いた場合や他の有機半導体素子中の絶縁層や封止材として用いたにも同様に得られるものであることは言うまでもない。したがって、本発明が電界効果型トランジスタに限定されるものではないことは当然である。
以下、実施例を参照して本発明を具体的に説明するが本発明は実施例に限られるものではない。
・ITO電極付きガラス基板1
厚さ0.7mmのガラス基板上に膜厚約150nmの酸化インジウム錫(以下、ITOと略す)膜を形成したITO電極付きガラス基板をアセトン、イソプロピルアルコールで洗浄し、乾燥させた。表面粗さを走査型プローブ顕微鏡(セイコーインスツルメンツ(株)社製SPI3800)で測定したところ、このITO電極付きガラス基板のITO電極表面の表面面粗さ(Ra’)は7nmであった。
・銀電極付きガラス基板2
厚さ1mmのガラス基板をアセトン、イソプロピルアルコールで洗浄し、乾燥させた。この基板表面に銀微粒子アルコール分散液(日本ペイント製、商品名ファインスフェアSVE102)をディッピング法でコートし、180℃の熱風循環オーブン中で30分焼成した。膜厚150nmの銀電極が付いたガラス基板2を作成した。この銀電極付きガラス基板の銀電極表面の表面面粗さ(Ra’)は10nmであった。
・銀電極付き樹脂基板3
厚さ188μmのPET基材(帝人デュポン製、製品名HLA−188)上に、フェノールノボラック樹脂/メラミン架橋剤(日本サイテック製、商品名サイメル303)/酸触媒(日本サイテック製、商品名カタリスト4040)との重量比60:40:2の硬化物からなる厚さ3μmの平坦化層を設けた、樹脂基板表面に銀微粒子アルコール分散液(日本ペイント製、商品名ファインスフェアSVE102)をディッピング法でコートし、180℃の熱風循環オーブン中で30分焼成した。膜厚150nmの銀電極が付いた樹脂基板3を作成した。この銀電極付き樹脂基板の銀電極表面の表面面粗さ(Ra’)は10nmであった。
・銀電極付き樹脂基板4
厚さ200μmの有機−無機ハイブリッド基板(新日鐵化学製、製品名HT基板)表面に銀微粒子アルコール分散液(日本ペイント製、商品名ファインスフェアSVE102)をディッピング法でコートし、180℃の熱風循環オーブン中で30分焼成した。膜厚150nmの銀電極が付いた樹脂基板4を作成した。この銀電極付き樹脂基板の銀電極表面の表面面粗さ(Ra’)は10nmであった。
・有機樹脂溶液1の調製
樹脂としてフェノールノボラック樹脂(PN、数平均分子量770、分子量分布1.5、ナトリウム含量0.1ppm以下)9.75gを、架橋剤として下記式(2)に示す2,6−ジヒドロキシメチル−4−メチルフェノール(DHMP、ナトリウム含量3ppm以下)3.25gを用い、これらを87gの1−ブタノール/エタノールの1:1混合溶媒に室温で完全に溶解した後、φ0.2μmのPTFE製メンブランフィルタで濾過し、有機樹脂溶液1を調製した。
Figure 0005037841
・有機樹脂溶液2の調製
樹脂をフェノールノボラック樹脂(PN、数平均分子量770、分子量分布1.5、ナトリウム含量0.1ppm以下)9.1gに、架橋剤を下記式(3)に示す2,2−ビス(3,5−ジヒドロキシメチル−4−ヒドロキシ)プロパン(BDHP、ナトリウム含量3ppm以下))3.9gに代えた以外は有機樹脂溶液1と同様の方法で有機樹脂溶液2を調製した。
Figure 0005037841
・有機樹脂溶液3の調製
架橋剤を下記式(4)に示す1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン(THMB、ナトリウム含量3ppm以下)に代えた以外は有機樹脂溶液2と同様の方法で有機樹脂溶液3を調製した。
Figure 0005037841
・有機樹脂溶液4の調製
架橋剤を下記式(5)に示すNH基とメチロール基を有するメラミン化合物を含む架橋剤(三和ケミカル製、商品名ニカラックMX−750LM、ナトリウム含量0.2ppm以下)に代えた以外は有機樹脂溶液2と同様の方法で有機樹脂溶液3を調製した。
Figure 0005037841
・有機樹脂溶液5の調製
樹脂をo−クレゾールノボラック樹脂(o−CN、数平均分子量840、分子量分布1.2、ナトリウム含量0.1ppm以下)に代えた以外は有機樹脂溶液2と同様の方法で有機樹脂溶液5を調製した。
・有機樹脂溶液6の調製
樹脂をo−クレゾールノボラック樹脂(o−CN、数平均分子量840、分子量分布1.2、ナトリウム含量0.1ppm以下)に代えた以外は有機樹脂溶液4と同様の方法で有機樹脂溶液5を調製した。
・有機樹脂溶液7の調製
樹脂としてポリ(4−ビニルフェノール)(日本曹達製、商品名VP−8000、数平均分子量11000、分子量分布1.1、ナトリウム含量1ppm以下)6.3gを用い、架橋剤として2,2−ビス(3,5−ジヒドロキシメチル−4−ヒドロキシ)プロパン(ナトリウム含量3ppm以下)2.7gを用い、これらを91gの1−ブタノール/エタノールの1:1混合溶媒に室温で完全に溶解した後、φ0.2μmのPTFE製メンブランフィルタで濾過し、有機樹脂溶液7を調製した。
・有機樹脂溶液8の調製
架橋剤をNH基とメチロール基を有するメラミン架橋剤(三和ケミカル製、商品名ニカラックMX−750LM、ナトリウム含量0.2ppm以下)に代えた以外は有機樹脂溶液7と同様の方法で有機樹脂溶液8を調製した。
・有機樹脂溶液9の調製
架橋剤を下記式(6)に示すメチル化メチロールメラミン架橋剤(三和ケミカル製、商品名ニカラックMW−100LM、ナトリウム含量0.2ppm以下)に代えた以外は有機樹脂溶液2と同様の方法で有機樹脂溶液9を調製した。
Figure 0005037841
・有機樹脂溶液10の調製
触媒にp−トルエンスルホン酸一水和物(PTS)0.2gを加えた以外は有機樹脂溶液9と同様の方法で有機樹脂溶液10を調製した。
・有機樹脂溶液11の調製
樹脂をポリ(4−ビニルフェノール)(日本曹達製、商品名VP−8000、数平均分子量11000、分子量分布1.1、ナトリウム含量1ppm以下)に代えた以外は有機樹脂溶液9と同様の方法で有機樹脂溶液11を調製した。
・有機樹脂溶液12の調製
触媒にp−トルエンスルホン酸一水和物(PTS)0.2gを加えた以外は有機樹脂溶液10と同様の方法で有機樹脂溶液12を調製した。
以下、実施例1乃至19及び比較例1乃至5の絶縁層付き基板について絶縁層の特性を評価するとともに、これらのうち、一部の実施例の絶縁層付き基板及び一部の比較例の絶縁層付き基板を用いて、無金属ベンゾポルフィリンを有するTFT1(実施例20乃至36、比較例6乃至9)、ベンゾポルフィリンを有するTFT2(実施例37乃至52、比較例10乃至13)をそれぞれ作製し、それらの移動度及びOn・Off比を評価する。
(実施例1乃至19および比較例1乃至5)
(絶縁層形成及び膜厚測定)
電極付き基板1乃至4上にディッピング法で有機樹脂溶液1乃至12をそれぞれ塗布し、熱風循環型オーブン180℃で1時間加熱して、有機樹脂の熱硬化樹脂層(絶縁層)を形成した。この時の熱硬化樹脂層(絶縁層)の膜厚を大塚電子製の反射分光膜厚計FE−3000(商品名)で測定した。
(平均面粗さの測定)
セイコーインスツルメンツ製の走査型プローブ顕微鏡SPI3800(商品名)で熱硬化樹脂層(絶縁層)表面の平均面粗さ(Ra)を測定した。
(耐溶剤性試験)
前記熱硬化樹脂層(絶縁層)を室温に保ったジメチルホルムアミド(DMF)に5分間浸漬した後の膜厚測定を行い、DMF浸漬前後の膜厚変化が±2%未満の熱硬化樹脂層(絶縁層)を十分な硬化が進んでいるものと判断した。
(絶縁性評価)
前記熱硬化樹脂層(絶縁層)上に200μm□の金電極を真空蒸着により形成した。さらにAgilent製のパラメーターアナライザー4156C(商品名)を用いて、膜厚方向に0V以上40V以下の電圧を印加した際のリーク電流密度を測定し、40V印加時の体積抵抗率を下記数式1から求めた。また、20点測定した内の絶縁破壊を起こさなかった点の個数(非破壊個数)を記録した。
体積抵抗率(ρv)=1/電流密度(A/cm2)×電圧(V)/膜厚(cm) [Ω・cm] (数式1)
実施例1乃至19および比較例1乃至5の絶縁層の特性を表1乃至3にまとめた。なお、対溶剤性試験において、DMF浸漬前後の膜厚変化が±2%未満の熱硬化樹脂層(絶縁層)を○で示し、それ以外を×で示している。
Figure 0005037841
Figure 0005037841
Figure 0005037841
(実施例20乃至36、比較例6乃至9)
(TFT(FET)特性評価)
・無金属ベンゾポルフィリンTFT1
図2は、本発明の実施例1乃至19および比較例2乃至5の絶縁層付き基板を用いて作成したトランジスタを示す概略断面図である。7は基板、8はゲート電極、9は本発明によるゲート絶縁層、10は表面処理層、11は有機半導体層、12はソース電極、13はドレイン電極である。
上記絶縁層形成と同様の方法で基板7、ゲート電極8、ゲート絶縁層9を積層した基板(実施例1乃至19、比較例2乃至5の基板)上に、メチルシルセスキオキサンラダーポリマー(昭和電工製、商品名グラスレジンGR−650)からなる膜厚10nmの表面処理層10を形成した基板を用いた。
各基板の表面処理層上に、下記式(7)で表される無金属テトラビシクロポルフィリンの1%クロロホルム溶液をスピンコートし、下記式(7)で表される無金属テトラビシクロポルフィリンの薄膜を形成した。得られた塗膜を220℃のホットプレート上で5分間焼成し、下記式(8)で表される無金属テトラベンゾポルフィリンからなる膜厚70nmの有機半導体層11を形成した。
Figure 0005037841
Figure 0005037841
この有機半導体層11上に金属蒸着マスクを用いてソース電極12及びドレイン電極13を真空蒸着法により作製した。電極材料は金である。蒸着の際の到達真空度は、3×10-5Paで、基板温度は室温に設定した。ソース電極とドレイン電極との間の距離(チャネル長)Lは50μm、ソース、ドレイン電極の長さ(チャネル幅)Wは30mmとし、金蒸着膜の膜厚は100nmにした。この基板をトランジスタとしてVd−Id、Vg−Id曲線をAgilent製のパラメーターアナライザー4156C(商品名)を用いて測定した。実施例5におけるVg−Id曲線を図3に示した。
移動度μ(cm2/Vs)は以下の下記数式(2)に従って算出した。
Id=μ(CiW/2L)(Vg−Vth)2 (数式2)
ここで、Ciはゲート絶縁膜の単位面積あたりの静電容量(F/cm2)、W、Lはそれぞれ上記のチャネル幅(mm)、チャネル長(μm)である。またId、Vg、Vthはそれぞれドレイン電流(A)、ゲート電圧(V)、しきい値電圧(V)である。また、Vd=−40Vを固定し、Vgを−40から40Vまでスイープさせた時の(|Id|の最大値)/(|Id|の最小値)をOn・Off比とした。実施例20乃至36および比較例6乃至9の無金属テトラベンゾポルフィリンTFTの特性を表4に示した。
(実施例37乃至52、比較例10乃至13)
(TFT(FET)特性評価)
・テトラベンゾポルフィリン銅錯体TFT2
実施例2乃至19、比較例2乃至5の絶縁層付き基板上に、上記実施例20乃至36と同様に塗布で形成した下記式(9)で表されるテトラビシクロポルフィリン銅錯体の薄膜を、220℃のホットプレート上で5分間焼成し、下記式(10)で表されるテトラベンゾポルフィリン銅錯体の有機半導体層6を形成した以外は上記無金属ポルフィリンTFT1と同様の方法でトランジスタの作成および評価を行った。
実施例37乃至52および比較例10乃至13のテトラベンゾポルフィリン銅錯体TFTの特性を表4に示した。
Figure 0005037841
Figure 0005037841
Figure 0005037841
(実施例53乃至55、比較例14乃至15)
・有機樹脂溶液13乃至16の調製
フェノールノボラック樹脂(PN、数平均分子量770、分子量分布1.5、ナトリウム含量0.1ppm以下)と、NH基とメチロール基を有するメラミン化合物を含む架橋剤(三和ケミカル製、商品名ニカラックMX−750LM、ナトリウム含量0.2ppm以下)との総重量が13gになるように、87gの2−メトキシ−1−アセトキシプロパンに室温で完全に溶解した。この溶液をφ0.2μmのPTFE製メンブランフィルタで濾過し、有機樹脂溶液13乃至16を調製した。ここで、有機樹脂溶液13乃至16は、PNとMX−750LMの総量を100とした時のMX−750LMの混合量がそれぞれ20、30、40、50重量部となるように調製した。
・有機樹脂溶液17の調製
NH基とメチロール基を有するメラミン化合物を含む架橋剤(三和ケミカル製、商品名ニカラックMX−750LM、ナトリウム含量0.2ppm以下)15gのみを85gの1−ブタノール/エタノールの7:3混合溶媒に室温で完全に溶解した後、φ0.2μmのPTFE製メンブランフィルタで濾過し、有機樹脂溶液17を調製した。
(絶縁層の形成)
銀電極が表面に付いた樹脂基板3上にディッピング法で有機樹脂溶液13乃至17をそれぞれ塗布し、熱風循環型オーブン180℃で1時間加熱して、膜厚約400nmの有機樹脂の熱硬化樹脂層(絶縁層)を形成した。
(耐溶剤性試験)
前記熱硬化樹脂層(絶縁層)を、室温に保ったジメチルホルムアミド(DMF)に5分間浸漬した。有機樹脂溶液17から形成した熱硬化樹脂層のみDMF浸漬前後の膜厚変化が10%を超えた。
(表面処理層の形成)
前記熱硬化樹脂層(絶縁層)上に、メチルシルセスキオキサンラダーポリマー(昭和電工製、商品名グラスレジンGR−650)/メチルトリメトキシシラン(重量比3:1)との硬化物からなる膜厚5nmの表面処理層10を形成した。
これらの表面処理層10の表面の純水に対する接触角を、全自動動的接触角計(協和界面科学製、商品名DCA−WZ)で測定し、結果を表5に示した。
(TFT(FET)特性評価)
・テトラベンゾポルフィリン銅錯体TFT3
上記表面処理層上に、1%のテトラビシクロポルフィリン銅錯体クロロホルム溶液をスピンコートし、テトラビシクロポルフィリン銅錯体の薄膜を形成した。この薄膜を210℃のホットプレート上で15分間焼成し、膜厚100nmのテトラベンゾポルフィリン銅錯体の有機半導体層11を形成した。この有機半導体層11上に、金属蒸着マスクを用いてソース電極12及びドレイン電極13を真空蒸着法により作製し、前述した無金属ポルフィリンTFT1の特性評価を行った方法と同様の方法でTFT特性評価を行った。
実施例53乃至55および比較例14乃至15のテトラベンゾポルフィリン銅錯体TFTの特性を表5および図4に示した。
樹脂と架橋剤の総量100に対して架橋剤の混合量が50重量部またはそれ以上の時、トランジスタ特性の低下が見られた。一方、架橋剤の混合量が20重量部以上40重量部以下の範囲では高い移動度と高いOn・Off比を示した。
Figure 0005037841
本発明は、無触媒もしくは、微量の酸触媒を併用した硬化性樹脂組成物を用いて、ゲート電極上に膜厚均一性、耐溶剤性、表面の平滑性、および絶縁性の高い薄膜絶縁層を形成することで、絶縁層からの低分子成分のマイグレーションによる移動度やOn・Off比低下が少ない電界効果型トランジスタに利用することができる。
本実施形態を示す模式的断面図であり、ゲート電極とゲート絶縁層とソース電極とドレイン電極と有機半導体層からなる電界効果トランジスタの一部を拡大して模式的に示す縦断面図および平面図である。 本発明の実施例1乃至19および比較例2乃至5においてトランジスタ特性評価に用いた素子の模式的断面図であり、基板、ゲート電極、ゲート絶縁層、表面処理層、有機半導体層、ソース電極およびドレイン電極からなる電界効果トランジスタの一部を拡大して模式的に示す縦断面図および平面図である。 本発明の実施例5における電界効果型トランジスタの電気特性を示す図である。 本発明の実施例53乃至55および比較例14、15における電界効果型トランジスタの電気特性を示す図である。
符号の説明
1 基板
2 ゲート電極
3 ゲート絶縁層
4 ソース電極
5 ドレイン電極
6 有機半導体層
7 基板
8 ゲート電極
9 ゲート絶縁層
10 表面処理層
11 有機半導体層
12 ソース電極
13 ドレイン電極

Claims (7)

  1. 有機半導体層と、絶縁層とを少なくとも有する有機半導体素子において、
    該絶縁層の一部もしくは全部が樹脂と架橋剤との硬化物からなり、
    該樹脂が水酸基を有する有機樹脂を含み、該架橋剤が2個以上の架橋基を有する化合物を含み、該架橋基の少なくとも一つがメチロール基もしくはNH基であり、
    前記樹脂と前記架橋剤との総量100重量部中の前記架橋剤の混合量が15重量部以上45重量部以下であり、
    記2個以上の架橋基を有する化合物が下記一般式1で表される化合物であることを特徴とする有機半導体素子。
    Figure 0005037841

    (式中、R 、R、R、R、R10、R11は、それぞれ独立に、−CHOH、−H、−CHOR16、炭素数1以上12以下のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシル基、アルキルチオ基、ヒドロキシアルキル基、アシル基、より選ばれる少なくとも1種である。ただし、R、R、R、R、R10、R11のうち少なくとも一つは−CHOHまたは−Hである。)
  2. 前記水酸基を有する樹脂がフェノール性水酸基を有する樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体素子。
  3. 前記フェノール性水酸基を有する樹脂がポリビニルフェノールおよび/またはフェノール樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の有機半導体素子。
  4. 前記絶縁層の体積抵抗率が1×1013Ω・cm以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載の有機半導体素子。
  5. 樹脂を含む基板を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの項に記載の有機半導体素子。
  6. 前記有機半導体素子は電界効果型トランジスタであり、ゲート電極とソース電極とドレイン電極を更に有し、前記絶縁層はゲート絶縁層であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の有機半導体素子
  7. 前記有機半導体層がポルフィリン化合物を含むことを特徴とする請求項6に記載の有機半導体素子。
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