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JP5038121B2 - ゲル/ゴム積層体およびその製造方法 - Google Patents
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JP5038121B2 - ゲル/ゴム積層体およびその製造方法 - Google Patents

ゲル/ゴム積層体およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、硬さの異なるゲル部材とゴム部材とを接着したゲル/ゴム積層体、およびその製造方法に関する。
ゴム材料は、保護部材、衝撃吸収部材等として広く使用されている。また、部材の高機能化を図るため、同種もしくは異種のゴム同士が接合された積層体、または熱可塑性エラストマーとゴムとが接合された積層体が種々開発されている。このような積層体において、各々の材料は、材料同士の接着力により、または接着剤等を使用して接合されている。例えば、熱可塑性エラストマーとゴムとを接合させる方法として、特許文献1には、熱可塑性樹脂粉末を付着させたゴムに対して熱可塑性エラストマーを射出成形する方法が記載されている。また、特許文献2には、熱可塑性エラストマーと未加硫ゴムとの間に超高分子量ポリエチレンシートを介装し、加硫接着させる方法が記載されている。
特開平6−47816号公報 特開平6−184327号公報
本発明者は、ゴム部材における耐衝撃性や耐久性を向上させるため、ゴム部材にゲル部材を積層させて一体化することを試みた。ゲル部材は、熱可塑性エラストマーに多量のオイル(軟化剤)を配合した熱可塑性ゲルからなり、ゴム部材と比較して、伸びが大きく非常に柔軟である。ゴム部材とゲル部材との積層体によると、入力された衝撃をゲル部材により緩衝することができ、応力を分散させることができる。このため、ゴム部材単独よりも、耐衝撃性や耐久性を向上させることができる。
しかしながら、ゴム部材に対するゲル部材の接着力は乏しく、両者を積層させただけでは、簡単に剥離してしまう。また、ゲル部材は非常に柔軟であるため変形しやすい。よって、接着剤や粘着テープを用いても、ゲル部材の変形に追従することができず、充分な接着力が得られない。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、柔軟なゲル部材とゴム部材とが接着により一体化されたゲル/ゴム積層体を提供することを課題とする。また、そのゲル/ゴム積層体を簡便に製造することのできる製造方法を提供することを課題とする。
(1)上記課題を解決するため、本発明のゲル/ゴム積層体は、熱可塑性エラストマーと軟化剤とを含む熱可塑性ゲルからなりタイプEデュロメータ硬さが30以下であるゲル部材と、架橋ゴムからなるゴム部材と、該ゲル部材と該ゴム部材との間に介装され、超高分子量ポリエチレンからなる接着層と、を備えることを特徴とする(請求項1に対応)。
本発明のゲル/ゴム積層体は、ゲル部材とゴム部材とが接着層を介して積層されてなる。ゲル部材は熱可塑性ゲルからなり、ゲル部材のタイプEデュロメータ硬さは30以下である。つまり、ゲル部材はゴム部材と比較して非常に柔軟である。ここで、「タイプEデュロメータ硬さ」とは、JIS K 6253「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方」に規定されているタイプEデュロメータにより測定された硬さである。ゲル部材は柔軟であるため、クッション性に優れる。よって、入力された衝撃はゲル部材により緩衝され、応力が分散される。このため、本発明のゲル/ゴム積層体は、ゴム部材単独よりも、耐衝撃性および耐久性に優れる。また、ゲル部材は柔軟であるため、凹凸表面を持つ相手部材と接触させても追従性が高い。また、相手部材への密着性が高いため、シール性に優れる。
ゲル部材とゴム部材とは、超高分子量ポリエチレンからなる接着層により接着されている。超高分子量ポリエチレンは、加熱により溶融することにより、ゲル部材、ゴム部材の各々と接着する。溶融した超高分子量ポリエチレンは、ゲル部材となじみやすく、接着層とゲル部材との界面付近においてゲル部材中に分散する。これより、ゲル部材を強固に接着させる。また、特にパウダー状の超高分子量ポリエチレンにより接着層が形成されている場合には、溶融した超高分子量ポリエチレンパウダーがゴム部材表面の微細な凹凸に入り込み、アンカー効果によりゴム部材を強固に接着させる。このように、本発明のゲル/ゴム積層体によると、硬さの異なるゲル部材とゴム部材とが強固に接着されており、各々の部材の特性が充分に発揮される。
(2)本発明のゲル/ゴム積層体の一つめの製造方法(以下、適宜「第一の製造方法」と称す)は、未架橋ゴム組成物からなるゴム部材の表面に、超高分子量ポリエチレンからなる接着部材を配置して、加熱により該未架橋ゴム組成物を架橋させると共に、該接着部材を該ゴム部材に融着させる第一加熱工程と、該ゴム部材の該接着部材が融着された表面に、熱可塑性エラストマーと軟化剤とを含む熱可塑性ゲルからなりタイプEデュロメータ硬さが30以下であるゲル部材を配置して、加熱により該接着部材を該ゲル部材に融着させる第二加熱工程と、を有することを特徴とする(請求項5に対応)。また、本発明のゲル/ゴム積層体の二つめの製造方法(以下、適宜「第二の製造方法」と称す)は、架橋ゴムからなるゴム部材、および熱可塑性エラストマーと軟化剤とを含む熱可塑性ゲルからなりタイプEデュロメータ硬さが30以下であるゲル部材、のいずれか一方の部材の表面に、超高分子量ポリエチレンからなる接着部材を配置して、加熱により該接着部材を該一方の部材に融着させる第一加熱工程と、該一方の部材の該接着部材が融着された表面に、他方の部材を配置して、加熱により該接着部材を該他方の部材に融着させる第二加熱工程と、を有することを特徴とする(請求項6に対応)。
すなわち、本発明の第一および第二の製造方法は、接着部材の融着等を行う二つの加熱工程を有する。接着部材の融着を二工程に分けることにより、ゴム部材、ゲル部材の各々に最適な温度で加熱して、接着部材を融着させることができる。また、本発明の第一の製造方法では、ゴム部材として未架橋ゴム組成物を用い、第一加熱工程にて接着部材をゴム部材に融着させると同時に、未架橋ゴム組成物を架橋させる。このため、予め未架橋ゴム組成物を架橋させておく必要はない。このように、本発明の第一または第二の製造方法によると、上記本発明のゲル/ゴム積層体を簡便に製造することができる。
(3)本発明のゲル/ゴム積層体の三つめの製造方法(以下、適宜「第三の製造方法」と称す)は、未架橋ゴム組成物からなるゴム部材と、熱可塑性エラストマーと軟化剤とを含む熱可塑性ゲルからなりタイプEデュロメータ硬さが30以下であるゲル部材と、の間に超高分子量ポリエチレンからなる接着部材を配置して、積層部材を形成する積層部材形成工程と、該積層部材を加熱して、該未架橋ゴム組成物を架橋させると共に、該接着部材を該ゴム部材および該ゲル部材に融着させる加熱工程と、を有することを特徴とする(請求項7に対応)。また、本発明のゲル/ゴム積層体の四つめの製造方法(以下、適宜「第四の製造方法」と称す)は、架橋ゴムからなるゴム部材と、熱可塑性エラストマーと軟化剤とを含む熱可塑性ゲルからなりタイプEデュロメータ硬さが30以下であるゲル部材と、の間に超高分子量ポリエチレンからなる接着部材を配置して、積層部材を形成する積層部材形成工程と、該積層部材を加熱して、該接着部材を該ゴム部材および該ゲル部材に融着させる加熱工程と、を有することを特徴とする(請求項8に対応)。
すなわち、本発明の第三および第四の製造方法は、積層部材形成工程にてゴム部材とゲル部材との間に接着部材を介装させた積層部材を形成し、加熱工程にて接着部材をゴム部材およびゲル部材に融着させる。接着部材の融着を一度に行うため、効率的である。また、本発明の第三の製造方法では、ゴム部材として未架橋ゴム組成物を用い、加熱工程にて接着部材を融着させると同時に、未架橋ゴム組成物を架橋させる。このため、予め未架橋ゴム組成物を架橋させておく必要はない。このように、本発明の第三または第四の製造方法によると、上記本発明のゲル/ゴム積層体を簡便かつ効率的に製造することができる。
以下、本発明のゲル/ゴム積層体、およびその製造方法について、それぞれ詳細に説明する。
<ゲル/ゴム積層体>
本発明のゲル/ゴム積層体は、ゲル部材とゴム部材と接着層とを備える。ゲル部材は、熱可塑性ゲルからなる。熱可塑性ゲルは、熱可塑性エラストマーと軟化剤とを含む。熱可塑性エラストマーとしては、例えば、比較的高温下(100℃程度)で使用することができるという点で、スチレン系ブロック共重合体が好適である。スチレン系ブロック共重合体としては、例えば、スチレン−(エチレン・ブチレン)−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−(エチレン・プロピレン)−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)等が挙げられる。また、軟化剤としては、鉱物油を用いることが望ましい。なかでも上記熱可塑性エラストマーとのなじみがよく、ブリードしにくいという理由から、パラフィン系鉱物油が望ましい。
熱可塑性ゲルは、熱可塑性エラストマー、軟化剤の他、各種添加剤が含有されていてもよい。添加剤としては、例えば、加工助剤、老化防止剤、着色剤等が挙げられる。熱可塑性ゲルは、熱可塑性エラストマーに軟化剤、必要に応じて添加剤を配合し、ニーダー等により加熱混練して調製することができる。熱可塑性ゲルにおける熱可塑性エラストマーの配合比率は、用途に応じて適宜決定すればよく、例えば後述する硬さ等を考慮すると、全体を100重量%とした場合の20重量%以下、さらには10重量%以下とするとよい。
このような熱可塑性ゲルからなるゲル部材の硬さは、タイプEデュロメータ硬さで30以下とする。30を超えると、柔軟性が低下して、クッション性等のゲル特性が発現しにくくなる。一方、ゲル部材が軟らかすぎる場合は、熱可塑性ゲル中の熱可塑性エラストマー分が少ないため、接着層との接着力が低下する。これより、ゲル部材のタイプEデュロメータ硬さは5以上であることが望ましい。
ゴム部材は、架橋ゴムからなる。架橋ゴムの種類は特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜選択すればよい。例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、エチレン−プロピレン共重合ゴム[エチレン−プロピレン共重合体(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)等]、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Cl−IIR、Br−IIR等)、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム(AR)、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム(CSM)、ヒドリンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。架橋ゴム、すなわちゴム部材の硬さは、上述したJIS K 6253「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方」に規定されているタイプAデュロメータ硬さで30以上とするとよい。
ゲル部材とゴム部材との間に介装される接着層は、超高分子量ポリエチレンからなる。超高分子量ポリエチレンの平均分子量は、100万以上が望ましい。また、接着層の厚さは10μm以上であることが望ましい。10μm未満では、充分な接着力が得られない。一方、接着層の厚さは200μm以下であることが望ましい。200μmを超えると、接着層の特性が支配的になり、ゴム部材やゲル部材の特性へ影響を及ぼすおそれがある。50μm以下、さらには30μm以下がより好適である。
接着層を形成するための超高分子量ポリエチレンの形態は、シート状、パウダー状等、特に限定されるものではない。例えば、ゲル部材、ゴム部材の形状を問わずに接着可能であることに加え、接着層を薄く均一に形成しやすい等の観点から、超高分子量ポリエチレンパウダーを用いるとよい。この場合、超高分子量ポリエチレンパウダーの平均粒子径は、10μm以上50μm以下であることが望ましい。接着層の厚さをより薄くするためには、30μm以下が好適である。ここで、平均粒子径は、累積粒度曲線において積算重量が50%となる粒子径(D50)である。
本発明のゲル/ゴム積層体は、ゲル部材、接着層、ゴム部材が各々一つずつ積層されていてもよく、複数のゲル部材、ゴム部材が接着層を介して積層されていてもよい。後者の場合、各々の部材の材質、硬さ、厚さや、接着層の厚さ等は同じであっても、異なっていてもよい。以下、本発明のゲル/ゴム積層体の好適な製造方法について説明する。なお、本発明の各製造方法においても、上記本発明のゲル/ゴム積層体の好適な態様を採用することが望ましい。
<ゲル/ゴム積層体の製造方法>
(1)第一の製造方法
本発明の第一の製造方法は、第一加熱工程と第二加熱工程とを有する。以下、各工程を順に説明する。
(a)第一加熱工程
本工程は、未架橋ゴム組成物からなるゴム部材の表面に、超高分子量ポリエチレンからなる接着部材を配置して、加熱により該未架橋ゴム組成物を架橋させると共に、該接着部材を該ゴム部材に融着させる工程である。本工程におけるゴム部材は、未架橋ゴム組成物からなる。未架橋ゴム組成物は、所望の架橋ゴムを形成し得る組成物であればよく、ポリマー、架橋剤の他、各種添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、加硫促進剤、加工助剤、加硫助剤、老化防止剤、可塑剤、軟化剤、着色剤等が挙げられる。ポリマーに架橋剤、必要に応じて添加剤を添加し、混練りして未架橋ゴム組成物を調製することができる。調製した未架橋ゴム組成物を所定の形状に成形し、ゴム部材とすればよい。
接着部材としては、超高分子量ポリエチレンのシートやパウダー等を用いればよい。上述したように、超高分子量ポリエチレンの平均分子量は、100万以上が望ましい。例えば、超高分子量ポリエチレンシートを用いる場合には、形成される接着層の厚さを考慮して、シートの厚さを10μm以上200μm以下とするとよい。また、超高分子量ポリエチレンパウダーを用いる場合には、パウダーの平均粒子径を、10μm以上50μm以下とするとよい。ここで、ゴム部材に対する超高分子量ポリエチレンパウダーの塗布量は、形成される接着層の厚さを考慮すると、0.1g/100cm以上1.0g/100cm以下とすることが望ましい。0.1g/100cm未満の場合には、接着層の厚さが薄くなりすぎて充分な接着力が得られない。また、1.0g/100cmを超えると、接着層の剛性が大きくなり、接着されるゴム部材やゲル部材の特性へ影響を及ぼすおそれがある。ゲル部材、ゴム部材の形状を問わずに接着可能である点、および接着層を薄く均一に形成しやすい点においては、超高分子量ポリエチレンパウダーを用いることが望ましい。
本工程における加熱温度は、未架橋ゴム組成物を架橋することができ、かつ接着部材が溶融する温度であればよい。例えば、超高分子量ポリエチレンの融点以上である120℃以上の温度で20分間程度加熱すればよい。なお、超高分子量ポリエチレンの熱分解等を考慮して、加熱温度は300℃以下とすることが望ましい。また、加熱は、ゴム部材および接着部材を加圧しながら行ってもよい。
(b)第二加熱工程
本工程は、上記ゴム部材の接着部材が融着された表面に、熱可塑性エラストマーと軟化剤とを含む熱可塑性ゲルからなりタイプEデュロメータ硬さが30以下であるゲル部材を配置して、加熱により該接着部材を該ゲル部材に融着させる工程である。
熱可塑性ゲルについては、上記本発明のゲル/ゴム積層体において述べた通りである。熱可塑性エラストマー、軟化剤等を加熱混練して調製した熱可塑性ゲルを、所定の形状に成形し、ゲル部材とすればよい。また、本工程における加熱温度は、上記(a)の第一加熱工程と同様、接着部材が溶融する温度であればよい。例えば、超高分子量ポリエチレンの融点以上である120℃以上の温度で5分間程度加熱すればよい。なお、超高分子量ポリエチレンの熱分解、ゲル部材の溶融等を考慮して、加熱温度は300℃以下とすることが望ましい。
(2)第二の製造方法
本発明の第二の製造方法は、第一加熱工程と第二加熱工程とを有する。第一加熱工程は、架橋ゴムからなるゴム部材、および熱可塑性エラストマーと軟化剤とを含む熱可塑性ゲルからなりタイプEデュロメータ硬さが30以下であるゲル部材、のいずれか一方の部材の表面に、超高分子量ポリエチレンからなる接着部材を配置して、加熱により該接着部材を該一方の部材に融着させる工程である。第二加熱工程は、該一方の部材の該接着部材が融着された表面に、他方の部材を配置して、加熱により該接着部材を該他方の部材に融着させる工程である。上記第一の製造方法との違いは、ゴム部材として未架橋ゴム組成物ではなく架橋ゴムを用いる点と、最初に接着部材を配置する部材がゴム部材およびゲル部材のどちらでもよい点である。ここでは、相違点に関する事項を説明し、それ以外は上記第一の製造方法と同様のため、説明を省略する。
本工程におけるゴム部材は、架橋ゴムからなる。架橋ゴムについては、上記本発明のゲル/ゴム積層体において述べた通りである。例えば、所望の架橋ゴムを形成し得る未架橋ゴム組成物を所定の形状に成形し、加熱により架橋してゴム部材とすることができる。
第一加熱工程では、ゴム部材およびゲル部材のいずれか一方の部材の表面に接着部材を配置して、加熱により該接着部材を該一方の部材に融着させる。続く第二加熱工程では、該一方の部材の該接着部材が融着された表面に、他方の部材を配置して、加熱により該接着部材を該他方の部材に融着させる。いずれの加熱工程においても、加熱温度は、接着部材が溶融可能であり、かつ、接着部材の熱分解、ゴム部材の架橋の進行、ゲル部材の溶融等を考慮して決定すればよい。
(3)第三の製造方法
本発明の第三の製造方法は、積層部材形成工程と加熱工程とを有する。以下、各工程を順に説明する。
(a)積層部材形成工程
本工程は、未架橋ゴム組成物からなるゴム部材と、熱可塑性エラストマーと軟化剤とを含む熱可塑性ゲルからなりタイプEデュロメータ硬さが30以下であるゲル部材と、の間に超高分子量ポリエチレンからなる接着部材を配置して、積層部材を形成する工程である。
未架橋ゴム組成物からなるゴム部材、ゲル部材、接着部材については、上記第一の製造方法と同じである。これらの部材を、ゴム部材/接着部材/ゲル部材となるように配置して積層部材を形成する。例えば、接着部材として超高分子量ポリエチレンパウダーを使用する場合には、同パウダーをゴム部材およびゲル部材のいずれか一方、または両方の接着面に付着させればよい。
(b)加熱工程
本工程は、形成した上記積層部材を加熱して、未架橋ゴム組成物を架橋させると共に、接着部材をゴム部材およびゲル部材に融着させる工程である。加熱温度は、未架橋ゴム組成物を架橋することができ、かつ接着部材が溶融する温度であればよい。例えば、超高分子量ポリエチレンの融点以上である120℃以上の温度で加熱すればよい。また、超高分子量ポリエチレンの熱分解、ゲル部材の溶融等を考慮して、加熱温度は300℃以下とすることが望ましい。例えば、150℃以上180℃以下の温度で、5〜20分程度加熱するとよい。また、加熱は、積層部材を加圧しながら行ってもよい。
(4)第四の製造方法
本発明の第四の製造方法は、積層部材形成工程と加熱工程とを有する。積層部材形成工程は、架橋ゴムからなるゴム部材と、熱可塑性エラストマーと軟化剤とを含む熱可塑性ゲルからなりタイプEデュロメータ硬さが30以下であるゲル部材と、の間に超高分子量ポリエチレンからなる接着部材を配置して、積層部材を形成する工程である。加熱工程は、該積層部材を加熱して、該接着部材を該ゴム部材および該ゲル部材に融着させる工程である。
上記第三の製造方法との違いは、ゴム部材として未架橋ゴム組成物ではなく架橋ゴムを用いる点である。これ以外は、上記第三の製造方法と同様に行えばよい。架橋ゴムについては、上記本発明のゲル/ゴム積層体において述べた通りである。例えば、所望の架橋ゴムを形成し得る未架橋ゴム組成物を所定の形状に成形し、加熱により架橋してゴム部材とすることができる。なお、加熱工程において、未架橋ゴム組成物の架橋温度を考慮する必要はない。よって、加熱温度は、接着部材が溶融可能であり、かつ、接着部材の熱分解、ゴム部材の架橋の進行、ゲル部材の溶融等を考慮して決定すればよい。
硬さの異なるゲル部材、ゴム部材を積層させてゲル/ゴム積層体を製造した。そして、製造したゲル/ゴム積層体の接着性およびクッション性を評価した。以下、順に説明する。
<ゲル/ゴム積層体の製造>
まず、硬さの異なる二種類のゲル部材を製造した。スチレン−(エチレン・ブチレン)−スチレンブロック共重合体(SEBS)(クレイトンポリマージャパン社製「クレイトン(登録商標)G1651」)100重量部と、パラフィン系鉱物油(出光興産社製「ダイアナ(登録商標)プロセスオイルPW90」)600重量部と、加工助剤のエチレン系樹脂(三洋化成工業社製「サンワックス(登録商標)151P」)25重量部と、ポリフェノール系老化防止剤(大内新興化学工業社製「ノクラック(登録商標)NS−7」)1重量部と、をニーダーにて加熱混練して熱可塑性ゲルを調製した。調製した熱可塑性ゲルを縦50mm×横25mm×厚さ1mmの短冊状に成形して第一ゲル部材とした。製造した第一ゲル部材のタイプEデュロメータ硬さは10であった。また、第一ゲル部材の製造において、パラフィン系鉱物油の配合量を400重量部に変更して、第二ゲル部材を製造した。第二ゲル部材のタイプEデュロメータ硬さは30であった。
次に、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)の架橋前の組成物を、縦50mm×横25×厚さ2mmの短冊状に成形してゴム部材とした。ゴム部材は、タイプAデュロメータ硬さが30、60と異なる二種類を製造した。ゴム部材の表面に、接着部材の超高分子量ポリエチレンパウダー(三井化学社製「ミペロン(登録商標)」、平均粒子径25μm)を塗布し、加圧下、温度150℃で20分間加熱して、架橋前組成物(ゴム部材)を架橋させると共に、超高分子量ポリエチレンパウダーを融着させた。続いて、超高分子量ポリエチレンパウダーの融着面に、製造した第一または第二ゲル部材を載置し、160℃で10分間加熱して、超高分子量ポリエチレンパウダーをゲル部材に融着させた。このようにして、ゲル部材とゴム部材とが接着層を介して積層された五種類のゲル/ゴム積層体を製造した(実施例1〜5)。
一方、比較のため、接着部材(超高分子量ポリエチレンパウダー)を使用しないでゲル部材とゴム部材とを重ねて、ゲル/ゴム積層体を製造した(比較例)。下記表1に、各々のゲル/ゴム積層体について、ゲル部材、ゴム部材の硬さ、超高分子量ポリエチレンパウダーの塗布量、および形成された接着層の厚さをまとめて示す。
Figure 0005038121
<ゲル/ゴム積層体の評価>
(1)まず、ゲル部材とゴム部材との接着性を評価するため、剥離試験を行った。剥離試験は、JIS K 6854−2(1999)に準じて行った。図1に、剥離試験の様子を模式的に示す。なお、図1に示すのは、実施例のゲル/ゴム積層体に対する剥離試験の様子である。図1に示すように、ゲル/ゴム積層体1は、ゲル部材10と、ゴム部材11と、両部材を接着する接着層12と、からなる。ゲル部材10の一端部は、接着層12から剥離された状態で、把持具13aに挟持されており、接着面に対して約180°の角度で剥離方向(図中上向きの白抜き矢印で示す)に曲げられている。ゲル/ゴム積層体1におけるゲル部材10が接着されていない方の一端部は、把持具13bに挟持されて固定されている。把持具13aによりゲル部材10の一端部を剥離方向に引っ張り、ゲル/ゴム積層体1の他端部、すなわちゲル部材10とゴム部材11との接着部における接着性を評価した。なお、本試験は、23℃(室温)下で行い、把持具13aの移動速度は50mm/分とした。
(2)次に、ゲル/ゴム積層体のクッション性を評価するため、針入度試験を行った。針入度試験は、針を試料に対して垂直に落下させた時、どの程度針が試料に進入するかを測定する試験であり、JIS K 2207(1996)の針入度試験方法に準じて行った。本試験では、製造したゲル/ゴム積層体を、ゲル部材を上にして配置し、針をゲル部材の上方から落下させた。
(3)上記二つの試験結果を、前出の表1に併せて示す。表1の評価では、接着性およびクッション性を共に満足するもを○印で示している。まず、剥離試験の結果について説明する。実施例1〜5のゲル/ゴム積層体では、いずれもゲル部材を引っ張っている途中で、ゲル部材が切れた。この時、ゲル/ゴム積層体の他端部においてゲル部材の剥離は見られなかった。これより、ゲル部材とゴム部材との接着力の方が、ゲル部材の引張り強度よりも優っていることがわかる。すなわち、ゲル部材とゴム部材とは、接着層により強固に接着されていることがわかる。これに対して、比較例のゲル/ゴム積層体では、ゲル部材を引っ張ると、ゲル部材がゴム部材から剥離してしまった。
次に、針入度試験の結果について説明する。実施例1〜5のゲル/ゴム積層体では、いずれもゴム部材に傷はつかなかった。つまり、ゲル部材が緩衝材となり、針はゴム部材まで到達しなかった。これに対して、比較例のゲル/ゴム積層体では、針がゴム部材まで到達し、ゴム部材に傷がついた。比較例のゲル/ゴム積層体では、ゲル部材とゴム部材との接着力が小さいため、針の進入による衝撃によりゲル部材が剥離して、針がゴム部材まで到達したと考えられる。
以上より、本発明のゲル/ゴム積層体によると、柔軟なゲル部材とゴム部材とが接着層により強固に接着され、一体化されていることが確認された。また、ゲル部材の特性であるクッション性が充分に発揮され、本発明のゲル/ゴム積層体は、耐衝撃性および耐久性に優れることが確認された。
本発明のゲル/ゴム積層体は、クッション性が要求されるような保護部材、衝撃吸収部材等に広く用いることができる。例えば、タイヤ、軸受用ダンパ、車載CDプレーヤー用ダンパ、建物の制震ダンパや床用ダンパ、電子機器の表示パネル用衝撃吸収部材、電子写真装置における現像ロール、帯電ロール等に好適である。
実施例における剥離試験の様子を示す模式図である。
符号の説明
1:ゴム積層体
10:ゲル部材 11:ゴム部材 12:接着層 13a、13b:把持具

Claims (8)

  1. 熱可塑性エラストマーと軟化剤とを含む熱可塑性ゲルからなりタイプEデュロメータ硬さが30以下であるゲル部材と、
    架橋ゴムからなるゴム部材と、
    該ゲル部材と該ゴム部材との間に介装され、超高分子量ポリエチレンからなる接着層と、
    を備えるゲル/ゴム積層体。
  2. 前記熱可塑性エラストマーは、スチレン系ブロック共重合体から選ばれる一種以上である請求項1に記載のゲル/ゴム積層体。
  3. 前記接着層の厚さは、10μm以上200μm以下である請求項1または請求項2に記載のゲル/ゴム積層体。
  4. 前記接着層は、超高分子量ポリエチレンパウダーから形成されている請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のゲル/ゴム積層体。
  5. 未架橋ゴム組成物からなるゴム部材の表面に、超高分子量ポリエチレンからなる接着部材を配置して、加熱により該未架橋ゴム組成物を架橋させると共に、該接着部材を該ゴム部材に融着させる第一加熱工程と、
    該ゴム部材の該接着部材が融着された表面に、熱可塑性エラストマーと軟化剤とを含む熱可塑性ゲルからなりタイプEデュロメータ硬さが30以下であるゲル部材を配置して、加熱により該接着部材を該ゲル部材に融着させる第二加熱工程と、
    を有するゲル/ゴム積層体の製造方法。
  6. 架橋ゴムからなるゴム部材、および熱可塑性エラストマーと軟化剤とを含む熱可塑性ゲルからなりタイプEデュロメータ硬さが30以下であるゲル部材、のいずれか一方の部材の表面に、超高分子量ポリエチレンからなる接着部材を配置して、加熱により該接着部材を該一方の部材に融着させる第一加熱工程と、
    該一方の部材の該接着部材が融着された表面に、他方の部材を配置して、加熱により該接着部材を該他方の部材に融着させる第二加熱工程と、
    を有するゲル/ゴム積層体の製造方法。
  7. 未架橋ゴム組成物からなるゴム部材と、熱可塑性エラストマーと軟化剤とを含む熱可塑性ゲルからなりタイプEデュロメータ硬さが30以下であるゲル部材と、の間に超高分子量ポリエチレンからなる接着部材を配置して、積層部材を形成する積層部材形成工程と、
    該積層部材を加熱して、該未架橋ゴム組成物を架橋させると共に、該接着部材を該ゴム部材および該ゲル部材に融着させる加熱工程と、
    を有するゲル/ゴム積層体の製造方法。
  8. 架橋ゴムからなるゴム部材と、熱可塑性エラストマーと軟化剤とを含む熱可塑性ゲルからなりタイプEデュロメータ硬さが30以下であるゲル部材と、の間に超高分子量ポリエチレンからなる接着部材を配置して、積層部材を形成する積層部材形成工程と、
    該積層部材を加熱して、該接着部材を該ゴム部材および該ゲル部材に融着させる加熱工程と、
    を有するゲル/ゴム積層体の製造方法。
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