JP5042057B2 - 汚泥の脱水処理方法 - Google Patents
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Description
ところが、近年は水処理の高度化、汚泥有機分の上昇等の理由により脱水ケーキの含水率が高くなる傾向にある。このため、焼却処分における燃料費用が増大しており、燃料費削減のほか、CO2ガスの削減、温暖化防止の観点からも脱水ケーキにおける含水率の低減が切望されている。
1.浮遊固定物(SS)の粒子径が小さく、低比重である。
2.凝集フロックの核になる砂分、繊維分が少ない。
3.汚泥コロイド値に示される負荷電を有するコロイド物質を多く含有する。
4.燐酸塩、炭酸塩等の無機塩類を多量に含有する。
このため、下水消化汚泥を脱水処理する場合、遠心脱水機による方法では含水率が高く、得られた脱水ケーキの形状が高粘着性の固まり状となり、搬送、焼却処理が大変困難となる。また、スクリュープレス型脱水機による方法では、圧搾ゾーンで形成フロックが壊れ、パンチングプレートよりSSがもれてしまい、その結果、分離性が悪くなり、含水率が高くなる場合が多い。
(2)の方法は(1)の方法に比べ、比較的少ない無機系凝集剤添加量で良好な脱水処理が可能になり有効な手段で実用化されているが、より一層の含水率の低下が求められている。
(3)の方法は必ずしも種々の脱水機に最適とは言い難い。
また、下水消化汚泥の脱水処理においては、脱水分離液配管等に燐酸マグネシウムアンモニウム(MAP)スケールが発生し配管を閉塞させるトラブルが発生しやすいため、かかるMAPスケールの生成を低減することが要求される。
そして、下水消化汚泥に無機系凝集剤を加えることにより、無機系凝集剤中に含まれるAl、Fe等の金属イオンが、汚泥中の燐酸イオン、多糖類、タンパク質等と反応して、これらを不溶化でき、その結果、MAPスケールの生成を防止でき、脱水性を向上できることを見出した。
また、単に無機系凝集剤で凝結させた下水消化汚泥は非常に細かいため、そのままでは脱水処理することが困難であるが、高分子凝集剤を用いればより大きな凝集フロックを形成することが可能である。本発明者等はさらに検討を重ねた結果、高分子凝集剤としてポリアミジン系凝集剤とアミノアルキル(メタ)アクリレート系カチオン凝集剤を併用することにより、より粗大な凝集フロックが形成され、脱水ケーキの含水率がより低減されること、このとき形成される凝集フロックは粗大かつ強固であり、遠心脱水機またはスクリュープレス型脱水機を用いて下水消化汚泥を脱水処理できることを見出して、本発明に至った。
前記脱水処理を遠心脱水機またはスクリュープレス型脱水機を用いて行うことが好ましい。
本発明における下水消化汚泥とは、混合生汚泥(初沈汚泥と余剰汚泥の混合汚泥)あるいは初沈汚泥を、嫌気性消化処理した汚泥を意味する。
本発明で使用する無機系凝集剤としては、硫酸バンド(硫酸アルミニウム)、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、ポリ硫酸鉄等、公知の無機系凝集剤を用いることができる。これらは市販品から入手できる。無機系凝集剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明における凝集剤組成物(A)は、ポリアミジン系凝集剤とアミノアルキル(メタ)アクリレート系カチオン凝集剤を含有する。
[ポリアミジン系凝集剤]
本発明で用いられるポリアミジン系凝集剤は、下記化学式(I)で表される繰り返し単位(I)を有する重合体(P)からなる。該重合体(P)は該繰り返し単位(I)以外の他の繰り返し単位を有していてもよい。該重合体(P)における繰り返し単位(I)の含有割合は50モル%以上であり、80モル%以上が好ましく、100モル%でもよい。
重合体(P)は、N−ビニルホルムアミド及びアクリロニトリルを共重合し、得られた共重合体を塩酸酸性下、加水分解した後に熱処理を行うことにより、分子内側鎖の一級アミノ基とシアノ基が環化されてアミジン環が形成された重合体が好ましい。
重合体(P)のカチオン当量値Cv(単位:meq/g)は、4.0〜8.0が好ましく、5.0〜7.0がより好ましい。上記範囲の下限値より小さいとフロックは大きいものの含水率が劣り、上限値より大きいとフロックが小さく、弱くなり脱水性が悪化する。
重合体(P)の分子量を示す極限粘度[η]は、4dl/g以上が好ましく、5dl/g以上がより好ましい。[η]が高いほど大きく強いフロックを形成しやすく脱水処理がより良好となる。[η]が4dl/g未満ではフロックが小さく弱くなりやすく遠心脱水及びスクリュープレス脱水における脱水性が悪化するので好ましくない。
重合体(P)の極限粘度[η]の上限は特に制限されないが、生産性の点からは12dl/g以下が好ましく、10dl/g以下がより好ましい。
なお、重合体のカチオン当量値Cvおよび極限粘度[η]の測定方法は後述する。ポリアミジン系凝集剤は1種を単独で用いてもよく、複数類を併用してもよい。
本発明において用いられるアミノアルキル(メタ)アクリレート系カチオン凝集剤はアミノアルキル(メタ)アクリレート系カチオン単量体の単独重合体、またはアミノアルキル(メタ)アクリレート系カチオン単量体とノニオン性単量体との共重合体である(以下、これらを総称して重合体(K)ということがある)。
アミノアルキル(メタ)アクリレート系カチオン単量体の例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの塩酸塩、硫酸塩等の3級塩;
該ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの塩化メチル付加物等のハロゲン化アルキル付加物及び塩化ベンジル等のハロゲン化アリール付加物等の4級塩;
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等のジアルキル(メタ)アクリルアミド等の塩酸塩及び硫酸塩等の3級塩;
ジアルキル(メタ)アクリルアミドの塩化メチル付加物等のハロゲン化アルキル付加物及び塩化ベンジル付加物等のハロゲン化アリール付加物等の4級塩が挙げられる。
これらのうちで、下記化学式(II)で表されるジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート・メチルクロライド4級塩が好ましい。
いずれの単量体も、単独又は2種以上を使用することができる。
また重合体(K)とともに、溶解性を向上、溶解液の保存安定性向上の目的で固体酸を用いても構わない。固体酸としてはスルファミン酸、酸性亜硫酸ソーダ等が挙げられる。
重合体(K)の極限粘度[η]は、5dl/g以上が適当であり、[η]が高いほど大きく強いフロックになり良好な脱水処理が可能となる。[η]が5dl/g未満ではフロックが小さく弱くなり遠心脱水及びスクリュープレス脱水における脱水性が悪化するので好ましくない。また重合体(K)の極限粘度[η]の上限は特に制限されないが、生産性の点からは25dl/g以下が好ましく、20dl/g以下がより好ましい。
アミノアルキル(メタ)アクリレート系カチオン凝集剤は1種を単独で用いてもよく、複数類を併用してもよい。
本発明における凝集剤組成物(A)は水に希釈した水溶液として脱水処理に用いられる。該水溶液の濃度は0.05〜1.5質量%が好ましく、0.2〜0.5質量%がより好ましい。
凝集剤組成物(A)における、ポリアミジン系凝集剤とアミノアルキル(メタ)アクリレート系カチオン凝集剤の配合比率は、これらを混合した後の凝集剤組成物(A)のカチオン当量値Cvが5meq/g未満となればよく、特に制限されない。好ましくはポリアミジン系凝集剤の配合量/アミノアルキル(メタ)アクリレート系カチオン凝集剤の配合量の質量比が80/20〜20/80が好ましく、70/30〜30/70がより好ましい。
凝集剤組成物(A)のカチオン当量値Cvが5meq/g以上であると、無機凝集剤を添加した後に凝集剤組成物(A)を添加して形成されるフロックが小さく弱くなりやすく、遠心脱水機およびスクリュープレス型脱水機における脱水性が悪化しやすい。
本発明におけるカチオン当量値Cv(単位:meq/g)は、以下に示すコロイド滴定法によって求められる値である。
(1)コニカルビーカーに脱イオン水90mlをとり、下記(2)の方法で調製した試料500ppm溶液の10mlを加え、塩酸水溶液でpHを3.0とし、約1分間撹拌する。次に、トルイジンブルー指示薬を2、3滴加え、N/400−ポリビニル硫酸カリウム試薬(N/400−PVSK)で滴定する。滴定速度は2ml/分とし、検水が青から赤紫色に変色、10秒間以上保持する時点を終点とする。N/400−ポリビニル硫酸カリウム試薬の滴定量から、下記の式(1)によりカチオン当量値(Cv)を求める。
(2)上記試料500ppm溶液の調製は以下の方法で行う。すなわち試料0.2g(乾品換算しない)を精秤し、共栓付三角コルベンにより、脱イオン水100mlで溶解する。この25mlを100mlメスフラスコにて脱イオン水でメスアップする。
本発明における極限粘度[η]は、以下の方法で求められる値である。
(1)まず溶媒ブランクの粘度を測定する。
すなわち、30±0.05℃に調整した恒温槽中にウベローデ型粘度計をセットし、この粘度計の中に1N−硝酸ナトリウム溶液を入れ、10〜30分間放置後、この溶液を上昇させてから自然流下させたときの粘度計に表示されている上下標線間を通過するのに要する流下時間を3回以上測定して、その平均値をもって溶媒ブランクの粘度(t0)とする。
(2)次いで、以下の方法で還元粘度の算出を行う。
上記と同様の操作を試料濃度0.10〜0.02質量%の各1N−硝酸ナトリウム溶液を用いて行い、各々の溶液の、粘度計に表示されている上下標線間を通過するのに要する平均の流下時間を測定し、それらの平均値をもって各試料溶液の粘度(t)とする。次にそれぞれの試料についての比t/t0を求めて相対粘度ηrとし、これらからそれぞれの比粘度ηsp=ηr−1を求め、これらを各々それぞれの試料濃度で除して各試料の還元粘度ηsp/Cを算出する。
(3)次いで、以下の方法で極限粘度を算出する。
試料溶液の濃度(g/d1)と還元粘度をプロットし、外挿法により極限粘度[η]を求める。
まず、下水消化汚泥に無機系凝集剤を加え、混合した後、凝集剤組成物(A)を添加する。無機系凝集剤を添加してから凝集剤組成物(A)を添加するまでの時間は特に限定されない。
こうして無機系凝集剤と凝集剤組成物(A)が添加された被処理物を公知の手法で脱水処理する。脱水処理はスクリューデカンター(遠心脱水機)、スクリュープレス型脱水機、ベルトプレス等の公知の脱水機を用いて行うことができる。
本発明は、従来下水消化汚泥の脱水処理が難しかった、遠心脱水機またはスクリュープレス型脱水機によっても良好に脱水処理を行うことできる。
凝集剤組成物(A)を添加してから脱水処理を行うまでの時間は特に限定されない。
したがって、下水消化汚泥を高効率で脱水処理することができ、脱水ケーキにおける含水率をより低減することができる。これにより汚泥処理コストの削減を実現できる。また、遠心脱水機またはスクリュープレス型脱水機を好適に用いて脱水処理を行うことができる。
また脱水分離液中の燐濃度を低減できるため、これによりMAPスケールの生成を抑制できる。
以下の実施例および比較例で用いた凝集剤組成物(A)は、表1に示す重合体を表2に示すように配合し、0.3質量%水溶液としたものである。
PVAD:ポリビニルアミジン。極限粘度[η]:5.0dl/g。
DMC:ジメチルアミノエチルメタクリレート・メチルクロライド4級塩。
DME:ジメチルアミノエチルアクリレート・メチルクロライド4級塩。
AAm:アクリルアミド。
表3に示す無機系凝集剤および凝集剤組成物(A)を用い、次の手順で下水消化汚泥の脱水試験を行った。
以下において、各特性の測定は以下の方法で行った。
・SS濃度:定法に基づき測定した(財団法人日本下水道協会編、「下水試験方法上巻1997年版」,平成9年8月25日発行、p.116)。
・VTS(強熱減量)値:定法に基づき測定した((財)日本下水道協会編、「下水道試験法上巻1997年度版」p297)。
・凝集フロック平均粒径:目視により測定した。
・コロイド荷電量:定法に基づき測定した(東京都下水道サービス(株)編、ポリマー凝集剤手引きp47−49)。
・Mアルカリ度:定法に基づき測定した((財)日本下水道協会編、「下水道試験法上巻1997年度版」p300)。
・脱水ケーキ含水率:定法に基づき測定した((財)日本下水道協会編、「下水道試験法上巻1997年度版」p296−297)。
攪拌装置は図1のものを用いた。この撹拌装置は可変式攪拌機11と伸縮架台12を有し、可変式攪拌機11には、例えば、直径が7.5〜7.9Φの攪拌軸11aと、幅Wが60mm、厚さTが2mmの攪拌翼11bが備わっている。
(2)表3に示す無機系凝集剤を、表3に示す添加量となるように添加し(以下、同様。)、900rpmの回転数で10秒間攪拌混合した。
(3)次いで表3に示す凝集剤組成物(A)を、表3に示す添加量となるように添加し(以下、同様。)、900rpmの回転数で20秒間攪拌混合した。
(4)次いで、凝集した汚泥をろ布を敷いたヌッチェにあけて濾過し、最初の10秒間の濾液量を測定した。その結果を表3の「10秒間濾液量」の欄に示す。
(5)続いて1分間経過後、ろ布上にある濃縮した汚泥を、ろ布で挟んで0.1MPaの圧力で1分間圧搾脱水し、脱水ケーキの含水率を求めた。その結果を表3に示す。
実施例1における凝集剤組成物(A)に代えて、ポリアミジン系凝集剤とアミノアルキル(メタ)アクリレート系カチオン凝集剤を含有しCv値が5meq/g以上である凝集剤組成物を用いた以外は実施例1と同様に行った。添加量および各測定結果を表3に示す。
実施例1における凝集剤組成物(A)を、比較例3ではアミノアルキル(メタ)アクリレート系カチオン凝集剤に変更し、比較例4ではポリビニルアミジンに変更した。その他は実施例1と同様に行った。添加量および各測定結果を表3に示す。
比較例5では無機系凝集剤を添加しない他は実施例1と同様に行った。
この比較例5では凝集フロックが殆ど形成されず、脱水不可能であったため、比較例6では無機系凝集剤を添加せず、凝集剤組成物(A)の添加量を実施例1の1.5倍量とした。その他は実施例1と同様に行った。添加量および各測定結果を表3に示す。
比較例1,2はフロック粒径が小さく、濾過速度が実施例1〜9に比べて遅く、含水率が実施例1〜9に比較して4%程度劣る結果であった。
高分子凝集剤として、アミノアルキル(メタ)アクリレート系カチオン凝集剤のみを用いた比較例3、およびポリアミジン系凝集剤のみを用いた比較例4は、実施例に比べてフロック粒径が小さく、濾過速度が実施例1〜9に比べて遅く、含水率が実施例1〜9に比較して4%程度劣る結果であった。
無機系凝集剤を添加せず、凝集剤組成物(A)の添加量を多くした比較例6は、フロックは形成されたが、濾過速度が実施例1〜9に比べて遅く、含水率が実施例1〜9に比較して大きく劣っていた。
表4に示す無機系凝集剤および凝集剤組成物(A)を、表4に示す添加量で用い、次の手順で下水消化汚泥の脱水試験を行った。本例では遠心脱水機(西原環境テクノロジー社製)を用いて脱水処理を行った。
下水消化汚泥としては、SS濃度:2.1質量%、pH:7.3、コロイド荷電量:−1.7meq/l、Mアルカリ度:3,960mg/lの汚泥を用いた。
無機凝集剤は、遠心脱水機の汚泥供給ポンプの出口にて添加した。凝集剤組成物(A)は遠心脱水機内で添加した。
得られた脱水ケーキの含水率を求めた。その結果を表4に示す。
脱水分離液を採取して全燐含有量(分離液TP濃度)を測定した。測定方法は、「下水試験法上巻」P.199、「3.全リン(1)ペルオキソ二硫酸カリウムによる分解法」に準拠する方法で行った。その結果を表4に示す。また分離液の状態を目視で観察し、SSが殆どなく液の色が白色の場合を良好、SSが多く液の色が黒色の場合を不良として評価した。その結果を表4に示す。
実施例10における凝集剤組成物(A)をアミノアルキル(メタ)アクリレート系カチオン凝集剤に変更した他は実施例10と同様に行った。添加量および各測定結果を表4に示す。
比較例8では無機系凝集剤を添加しない他は実施例10と同様に行った。
この比較例8では凝集フロックが殆ど形成されず、脱水不可能であったため、比較例9では無機系凝集剤を添加せず、凝集剤組成物(A)の添加量を実施例10の1.5倍量とした。その他は実施例10と同様に行った。添加量および各測定結果を表4に示す。
比較例7は、脱水分離液の状態は良好であったが、脱水ケーキの含水率が77.0%であり、実施例10と比べて5%程度劣る結果となった。
比較例9は、分離液中の全燐含有量(TP濃度)が48.1mg/lと高く、含水率は81.8%となり、実施例10に比較してすこぶる劣る結果であった。
Claims (2)
- 下水消化汚泥に無機系凝集剤を加えた後、カチオン当量値が4.0〜8.0meq/gで極限粘度が4〜12dl/gであるポリアミジン系凝集剤と、極限粘度が5〜25dl/gであるアミノアルキル(メタ)アクリレート系カチオン凝集剤を含有し、かつカチオン当量値が5meq/g未満である凝集剤組成物(A)を添加した被処理物を脱水処理することを特徴とする汚泥の脱水処理方法。
- 前記脱水処理を遠心脱水機またはスクリュープレス型脱水機を用いて行うことを特徴とする請求項1記載の汚泥の脱水処理方法。
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