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JP5043533B2 - 加湿ダストの乾燥方法および還元鉄の製造方法 - Google Patents
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JP5043533B2 - 加湿ダストの乾燥方法および還元鉄の製造方法 - Google Patents

加湿ダストの乾燥方法および還元鉄の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、加湿ダストの乾燥方法および還元鉄の製造方法に関する。
高炉ダストに転炉集塵ダストを混合した後に塊成化処理を施して塊成物とし、この塊成物を連続的に移動する炉床上で加熱・還元する、還元鉄の製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、製鋼工程で発生する湿式ダストを天日乾燥により強制乾燥して、使用目的ごとに分級した後に再利用する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特許3723521号公報 特開平7−113126号公報
ところで、他の製鉄所で発生したM−Feの低いダスト(例えば高炉の2次灰等)を海路等で搬送し、鉄源として再利用する試みがなされている。搬送に際しては、ダストの発塵を防止するために、当該ダストの水分含有率が13〜17%程度となるように加水され、搬送先の製鉄所において転炉から発生したダストと混合されて、還元鉄製造のための鉄源として利用される。
しかしながら、上記特許文献1および特許文献2に記載の発明では、加水されたM−Feの低い加湿ダストと転炉から発生したダストの詳細な混合方法については言及しておらず、混合後のダストの水分含有率を調整して高金属化率の還元鉄を製造可能な方法が希求されていた。
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的は、加湿ダストの粉砕性を向上させることが可能な、新規かつ改良された加湿ダストの乾燥方法およびこの加湿ダストを使用した還元鉄の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、加水処理が施されたダストである加湿ダストを乾燥する加湿ダストの乾燥方法であって、水分含有率13〜17%まで加水され、M−Feが5%未満である前記加湿ダストと、M−Feが5%以上である転炉ダストと、を混合して混合ダストとし、前記混合ダストの水分含有率を10%以下とすることを特徴とする、加湿ダストの乾燥方法が提供される。
前記M−Feが5%以上である転炉ダストは、天日乾燥での酸化発熱により水分含有率を低下させたものであってもよい。
前記M−Feが5%以上である転炉ダストは、水分含有率が5%以下であってもよい。
前記加湿ダストと、前記M−Feが5%以上である転炉ダストとを、質量比1:1〜1:2の割合で混合してもよい。
前記加湿ダストの粒径は、前記M−Feが5%以上である転炉ダストの粒径よりも小さくてもよい。
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、加水処理が施されたダストである加湿ダストを用いて、金属化率80%以上で、かつ、DRI成品化率65%以上の還元鉄を製造する還元鉄の製造方法であって、水分含有率13〜17%まで加水され、M−Feが5%未満である前記加湿ダストと、M−Feが5%以上である転炉ダストと、を混合して混合ダストとし、当該混合ダストの水分の含有率を10%以下とするステップと、前記混合ダストに還元材を配合し、前記還元鉄の原料とするステップと、前記原料を粉砕するステップと、粉砕された前記原料を塊成化するステップと、塊成化された前記原料を乾燥し還元するステップと、を含む還元鉄の製造方法が提供される。
前記原料を粉砕するステップにより、粉砕後の前記原料の粒径を、80%篩下粒径で500μm以下とするようにしてもよい。
前記混合ダストに還元材を配合するステップでは、還元材添加後の前記還元鉄の原料の水分含有率が10%以下となるように、前記還元材を配合してもよい。
前記混合ダストと前記還元材との質量配合比は、82〜93:7〜18であってもよい。
本発明に係る加湿ダストの乾燥方法により、加湿ダストの粉砕性を向上させることが可能であり、この加湿ダストを用いて還元鉄を製造することにより、製造される還元鉄の金属化率を向上させることが可能である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、以下の説明においては、振動ミルの一種であるボールミルを粉砕機として用いる場合について詳細に説明するが、本発明がボールミルを用いる場合に限定されるわけではなく、ロッドミル等の他の振動ミルを粉砕機として用いてもよいことは言うまでもない。
<加湿ダストおよび転炉ダストについて>
まず、本発明の好適な実施の形態について説明するに先立ち、本発明で用いられる加湿ダストおよび転炉ダストについて、図3を参照しながら詳細に説明する。ここで、上記加湿ダストは、加水処理が施されたダストを意味する。図3は、加湿ダストおよび転炉ダストの水分含有率の変化を説明するためのグラフ図である。図4は、ボールミル出側粒径と還元鉄の金属化率との関係を説明するためのグラフ図である。また、図5は、ボールミル出側水分含有量と水分補正係数との関係を説明するためのグラフ図であり、図6は、ボールミル処理速度と出側原料の粒径との関係とを説明するためのグラフ図である。
従来、海路により搬送された水分が13〜17%まで加水された加湿ダストは、搬送先において転炉ダストと混合され、水分含有量が15%となるように調整された後に、粉砕および還元されていた。この場合に、粉砕後のダストの粒径は約1920μmであり、このダストを用いて製造された還元鉄(以下、DRIとも称する。)の金属化率は、49.6%程度と低品位なものであった。
そこで、本願発明者らは、まず、原料となる加湿ダストと、この加湿ダストに混合される転炉ダストの水分含有率とその変化について、詳細に検討を行った。ここで、上記加湿ダストは、水分含有率13〜17%まで加水された、M−Feが5%未満のダストである。
図3は、搬送された加湿ダストと搬送先の製鉄所で発生した転炉ダストの水分含有率の変化を示している。ここで、図中のAダストとは、水分含有率13〜17%まで加水された、M−Feが5%未満の加湿ダストを表し、図中のBダストは、搬送先の製鉄所で発生した転炉ダストである。また、図3の縦軸は、それぞれのダストの水分含有率(%)を表し、横軸は、加水された日を始点とした経過日数(Aダスト)および発生日を始点とした経過日数(Bダスト)である。AダストおよびBダストは、ヤードへと搬送され、天日乾燥されている。以下では、ヤードにおいてダストを天日乾燥させることを、「養生する」と称することとする。
図3を参照すると、Aダストは、60日間養生したとしても水分含有率は低下せず、むしろ、降雨等の影響により、水分含有率が上昇していることがわかる。他方、Bダストは、約30日間養生することで水分含有率が著しく低下し、水分含有率が0%近傍まで低下していることがわかる。これは、発生時のBダストは、20%以上のM−Feを有しているために、天日乾燥によりダスト自体が酸化発熱し、水分含有率が低下するからである。なお、酸化発熱により水分含有率が低下したダストは、M−Feも10%以下まで低下することとなる。他方、加湿ダストは、M−Feが5%未満しかないために、天日乾燥されたとしても酸化発熱が起こらず、水分含有率が低下しない。
以下に示す図1は、図3に示したAダストおよびBダストとは異なるダストについて、それぞれ化学成分と水分含有率を示したものである。なお、表1に示した転炉ダスト(Bダスト)は、30日間養生を行う前後での値を併せて示している。
Figure 0005043533
表1からも明らかなように、M−Feが19.2%程度で発生した転炉ダストは、養生によりM−Feは9.5%まで低下するものの、水分含有率が22%から4.6%へと大きく減少する。
<粉砕後の混合ダストの粒径と還元鉄の金属化率との関係について>
続いて、図4〜図6を参照しながら、粉砕後の混合ダストの粒径と還元鉄の金属化率との関係について、詳細に説明する。図4は、ボールミル出側粒径と還元鉄の金属化率との関係を説明するためのグラフ図であり、図5は、ボールミル出側水分含有量と水分補正係数との関係を説明するためのグラフ図であり、図6は、ボールミル処理速度と出側原料の粒径との関係とを説明するためのグラフ図である。
粉砕機として用いられるボールミルの出側(すなわち、粉砕後)における混合ダストの粒径と、還元鉄の金属化率とは、図4に示すような関係になることが知られている。図4の横軸は、ボールミル出側における混合ダストの粒径(μm)であり、縦軸は、還元鉄の金属化率である。
図4を参照すると、ボールミル出側粒径が小さくなるほど、還元鉄の金属化率は向上することがわかる。図4より、金属化率が80%以上となるような高金属化率の還元鉄を製造するためには、ボールミル出側粒径を約500μm以下にしなければならないことがわかる。
ここで、ボールミルの粉砕性について、以下の式1に示したような理論式が成立することが知られている。
Figure 0005043533
ここで、上記式1において、
80[μm]:ボールミル入側における篩下80%粒径
80[μm]:ボールミル出側における篩下80%粒径
W[kW]:ボールミル動力、(350)
[kWh/t]:粉砕仕事指数、(ダスト:14.2、石炭:28.6)
Q[wet−t/h]:ボールミル処理速度
[−]:ボールミル径補正係数、(0.88)
[−]:乾式補正係数、(1.3)
[−]:微粉砕補正係数、(1)
[−]:過大供給補正係数、(1)
[−]:開回路係数、(1.3)
[−]:補正係数
である。なお、( )内の数字は、実際に式1に代入した値である。なお、上記の篩下80%粒径とは、篩分けを行った場合に、篩を通過した粉体が全体の質量の80%となる際の粒径を意味する。
また、上記CおよびWは、以下の式2および式3により算出することが可能である。ここで、以下の式2において、Dは、ボールミルの内径(m)であり、式3において、HGIは、粉砕性指数(Hard Globe Index、無次元量)である。
Figure 0005043533
また、上記式1における物理的意味のない補正係数Cは、ボールミル実機での基礎調査結果から、ボールミル出側におけるダストの水分含有率に対して、図5に示したような関係になることを見いだした。図5から明らかなように、補正係数Cは、ボールミル出側における水分含有率が低い場合に小さな値となることがわかる。図5にプロットされている各点の近似曲線を求めると、ボールミル出側の水分含有率をx(%)、補正係数の値をyとした場合に、以下の式4となった。
Figure 0005043533
ここで、式3および式4を用いて、ボールミル処理速度Qとボールミルの出側における篩下80%粒径との関係を求めると、図6中に示した実線のようになる。ここで、図6中の実線は、ボールミルの出側における水分含有率がそれぞれ1%、2%、3%、5%および7%である場合の理論曲線である。また、図6中には、実機試験を行った場合の、ボールミル処理速度とボールミルの出側における篩下80%粒径の関係もプロットされている。なお、各プロットに記載されている数値は、ボールミルの出側における水分含有率である。
図6を参照すると、実機試験において得られた各条件におけるプロットは、式3および式4に基づいて算出した理論曲線と良く一致していることがわかる。また、図6より、ボールミルの出側における水分含有率を小さくすることで、ボールミルの処理速度を大きくすることが可能であることがわかる。
図4において説明したように、ボールミルの出側における粒径が500μm以下となり、かつ、ある程度のボールミル処理速度を維持するためには、図6からも明らかなように、ボールミルの出側における水分含有率を7%以下にする必要があることがわかる。また、ボールミルの出側における水分含有率が7%以下となるためには、ボールミルの入側での水分含有率は、少なくとも10%以下になっている必要があると考えられる。
<本実施形態に係る加湿ダストの乾燥方法について>
本実施形態に係る加湿ダストの乾燥方法は、以上のような知見を基になされたものであり、養生しても酸化発熱せず、そのままでは乾燥することのない加湿ダスト(Aダスト)と、M−Feが19%程度で発生し、養生による酸化発熱によって、M−Feが10%程度、水分含有率が5%以下となった転炉ダスト(Bダスト)とを混合することで、乾燥機等を用いることなく、混合後の混合ダストの水分含有率を10%以下まで低減させることを特徴とする。
以下に、図1を参照しながら、本実施形態に係る加湿ダストの乾燥方法について、詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る加湿ダストの乾燥方法を説明するための説明図である。
本実施形態に係る加湿ダストの乾燥方法は、M−Feが19%程度で発生した転炉ダスト11を、天日乾燥により酸化発熱させることで養生し、M−Feが10%程度であり、水分含有率が5%以下となった養生後の転炉ダスト13にする。この養生後の転炉ダスト13を、水分含有量が13〜17%まで加水され、M−Feが5%未満である加湿ダスト15と混合することで、混合ダスト17とするものである。
ここで、養生後の転炉ダスト13と加湿ダスト15の比重は、約1.8程度となっており、加湿ダスト15の粒径は、養生後の転炉ダスト13の粒径よりも小さい。
養生後の転炉ダスト13(Bダスト)と加湿ダスト15(Aダスト)は、例えば、質量比が1:1となるように混合されてもよい。養生後の転炉ダスト13と加湿ダスト15とが混合されて混合ダスト17となると、加湿ダスト15の水分含有率は低下し、混合ダスト17全体の水分含有率は10%以下となる。
混合ダスト17は、養生を行うことなく還元鉄製造のための原料として使用されることが好ましい。混合ダスト17を養生することなく使用することで、降雨等の天候による影響を排除することが可能であり、低下させた水分含有率を再び上昇させることなく、還元鉄製造のための原料として使用することができる。
なお、混合ダスト17は、後述する粉砕工程を行うために搬送される間に搬送による振動によって撹拌され、更には、搬送時の積み込みや荷卸しによっても撹拌されて、AダストおよびBダストが均一に分布するようになる。
以上説明したように、本実施形態に係る加湿ダストの乾燥方法を用いることにより、乾燥機等の設備を利用することなく、水分含有量が13〜17%であり、M−Feが5%未満である加湿ダストの水分含有率を低下させることが可能であり、水分含有率が10%以下である混合ダストを製造することが可能となる。かかる混合ダストは、水分含有率が10%以下であるため、上述のように、粉砕機であるボールミルにおけるダストの粉砕性を向上させることが可能であり、還元鉄の原料として使用される原料ダストの微細化を図ることが可能となる。
<還元鉄の製造方法について>
続いて、上記乾燥方法を用いて製造された混合ダストを用いて高金属化率の還元鉄を製造する方法について、図2を参照しながら詳細に説明する。図2は、本実施形態に係る還元鉄の製造方法を説明するための説明図である。
図2に示したように、本実施形態に係る還元鉄の製造方法は、M−Feが10%程度であり、水分含有率が5%以下となった養生後の転炉ダスト13と、水分含有率13〜17%に加水され、M−Feが5%未満である加湿ダスト15とを混合して、混合ダスト17を製造する工程と、混合ダスト17と還元材19とを配合槽20へと装入する工程と、配合槽20から混合ダスト17および還元材19を所定の配合比となるように配合して還元鉄の原料とする工程と、得られた原料を粉砕機の一種であるボールミル30で粉砕する工程と、粉砕された原料を造粒機40により塊成化する工程と、塊成化された原料を乾燥機50により乾燥させる工程と、乾燥させた原料を回転炉床炉(RHF)60へと装入し、加熱・還元して還元鉄を製造する工程と、を含む。
ここで、混合ダスト17を製造する工程は、上述の加湿ダストの乾燥方法を用いて加湿ダスト15と、養生後の転炉ダスト13とを混合して、加湿ダスト15の水分含有率を10%以下に低下させるとともに、混合ダスト17とする工程である。
混合ダスト17と還元材19とを配合槽20へと装入する工程では、ヤード等で製造された混合ダスト17と、ヤード等に保管されている石炭、コークス、チャー、オイルコークス、廃プラスチック、廃タイヤ等の還元材19とをそれぞれ搬送し、配合槽20へと装入する。この搬送過程において、養生後の転炉ダスト13および加湿ダスト15は、搬送時の振動等により撹拌され、均一な混合ダスト17となる。
還元鉄の原料を製造する工程では、混合ダスト17および還元材19がそれぞれ装入されている配合槽20から、所定の質量配合比となるように混合ダスト17および還元材19を取り出して配合し、還元鉄の原料とする。また、混合ダスト17と還元材19との配合比率は、後述する還元工程において良好な還元鉄を得るために好適な条件を考慮して調整される。製造された原料は、後述するボールミル20まで搬送される。
ボールミル30での粉砕工程は、製造された原料を混合・粉砕して微細化する工程である。本実施形態に係る混合ダスト17は、上述のように水分含有率が10%以下まで低くなっているため、ボールミル処理速度を、図6等を参考にしながら適切な処理速度とすることで、ボールミル出側における篩下80%粒径を、500μm以下とすることが可能である。具体的には、ボールミルの出側での粒径の目標値と、振動ミル出側における水分含有率の目標値における理論曲線とから、ボールミルの処理速度を決定することができる。なお、500μm以下となった原料を、例えばミックスマーラー等で混練および調湿してもよい。
本実施形態に係る還元鉄の製造方法においては、粉砕後の原料の粒径が、還元処理時に80%以上の金属化率を示すような粒径となっているため、この粉砕後の混合物を用いることで、高金属化率の還元鉄を製造することが可能である。
原料を塊成化する工程では、500μm以下の粒径となった原料を、造粒機40により塊成化して、塊成物を製造する工程である。製造された塊成物は、乾燥機50まで搬送され、所定の水分含有量(例えば、1%未満)まで乾燥される。塊成物とは、ペレット、ブリケット、押し出し成形して裁断した成形品、粒度調整された塊状物等の粒状物や塊状物のことをいう。
所定の水分含有量まで乾燥された塊成物は、回転炉床炉(RHF)60に装入されて、加熱・還元され、還元鉄となる。RHF60は、炉内の床部が回転するようになっており、RHF60に装入された塊成物はRHF内を所定の速度で一周する間に加熱・還元され、還元鉄(DRI)となる。RHF内を移動する速度や加熱温度は、適宜設定することが可能であるが、例えば、1350℃程度のRHF60内を約15分間で一周するように設定してもよい。
本実施形態に係る還元鉄の製造方法においては、還元鉄の原料の一つである混合ダスト17の水分含有量が10%以下まで乾燥されているため、ボールミル出側における篩下80%粒径を500μm以下とすることが可能である。そのため、かかる混合ダスト17を原料として使用することで、例えば図4に示したように、製造されたDRIの金属化率を80%以上にすることが可能となる。
以下に、実施例および比較例を示しながら、本発明に係る加湿ダストの乾燥方法および還元鉄の製造方法について、更に説明を行う。なお、以下に示す実施例は、本発明のあくまでも一具体例であって、本発明が以下に示す実施例に規制されるわけではない。
(加湿ダストの製造)
他箇所より搬送されてきた、水分含有率13〜17%まで加水され、M−Feが5%未満の加湿ダスト(Aダスト)と、M−Feが10%程度であり、水分含有量が5%以下となった養生後の転炉ダスト(Bダスト)とを混合して、混合ダストを製造した(表1参照。)。Bダストの配合比および混合後の養生日数は、以下の表2に示した通りである。なお、以下に示した表2において、Bダストの配合比が0のものは、Aダストのみ(Aダスト100%)の場合を意味している。
Figure 0005043533
表2に示したように、Aダストのみの場合(表2のNo.1およびNo.2)は、養生することでは乾燥せず、逆に降雨等の影響によって水分は上昇する。また、Bダストのみの場合(表2のNo.6およびNo.7)では、養生することによって逆に水分含有率が低下していることがわかる。
また、水分含有率が14.7%であったAダストと、水分含有率が4.6%であったBダストとを1:1の配合比で混合すると、養生しない場合には混合ダストの水分含有率が9.7%となり(表2のNo.4)、10%以下となっていることがわかる。同様に、AダストとBダストとを1:2の配合比で混合すると、養生しない場合には混合ダストの水分含有率が8.0%となり(表2のNo.5)、10%以下となっていることがわかる。また、養生した場合(表2のNo.3)には、降雨等の影響により水分含有率が若干悪化し、11.0%となる。
(還元鉄の製造)
続いて、表2に示したNo.1〜No.7の混合ダストを用いて、上述の工程により還元鉄(DRI)を製造した。なお、以下に示す例では、還元材として石炭を使用した。混合ダストと還元材の配合比および還元材である石炭の水分含有率は、以下の表3の通りである。また、ボールミル入側での水分含有率、ボールミル出側での篩下80%粒径、DRI金属化率およびDRI成品率を、以下の表4に示した。
Figure 0005043533
Figure 0005043533
ここで、上記表4において、DRI成品率とは、還元後に大きさが20mm以上であったものの質量が、RHFに装入したブリケットの合計質量に占める割合(%)である。かかるDRI成品率は、装入したブリケットがRHF内で爆裂しなかった割合に相当する。なお、上記表4において、「ボールミル粉砕性」は、ボールミル出側粒径が500μm以下であったものを○、500μm超過であったものを×とした。また、「RHF還元性」は、DRI金属化率が80%以上であったものを○、80%未満であったものを×とした。また、「DRI形状」は、DRI成品率が65%以上であったものを○、65%未満であったものを×とした。
表4を参照すると、混合ダストの水分含有率が10%超過であったNo.1〜No.3では、ボールミル入側においても水分含有率は10%超過であり、ボールミル出側における篩下80%粒径も500μm超過となっていることがわかる。そのため、ボールミル出側における粒径が1000μm超過であったNo.1〜No.3は、DRIの金属化率も70%以下となっており、DRI成品率も65%未満と低くなっている。
また、混合ダストの水分含有率が10%以下であったNo.4〜No.7では、ボールミル入側においても水分含有率は10%以下であり、ボールミル出側における粒径も500μm以下となっていることがわかる。そのため、DRIの金属化率も80%超過となっており、成品率も65%以上と良好であることがわかる。
以上説明したように、本発明によれば、水分含有率13〜17%まで加水され、M−Fe5%未満である加湿ダストの水分を10%以下まで低減させることが可能であり、加湿ダストを養生後の転炉ダストと1:1〜1:2の配合比で混合することで、水分含有率を約5%低下させることが可能である。また、養生をしないことで、降雨等の影響による水分含有率の上昇を避けることが可能である。
このようにして製造した混合ダストは、500μm以下まで微細化することが可能であり、かかる混合ダストを還元鉄の原料として使用することで、金属化率が80%以上であり、DRI成品率が65%以上である高品位の還元鉄を製造することが可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
同実施形態に係る加湿ダストの乾燥方法を説明するための模式図である。 本発明の一実施形態に係る還元鉄の製造方法を説明するための説明図である。 加湿ダストおよび転炉ダストの水分含有率の変化を説明するためのグラフ図である。 ボールミル出側粒径と還元鉄の金属化率との関係を説明するためのグラフ図である。 ボールミル出側水分含有量と水分補正係数との関係を説明するためのグラフ図である。 ボールミル処理速度とボールミル出側原料の粒径との関係とを説明するためのグラフ図である。
符号の説明
11 転炉ダスト
13 養生後の転炉ダスト
15 加湿ダスト
17 混合ダスト
19 還元材
20 配合槽
30 ボールミル
40 造粒機
50 乾燥機
60 回転炉床炉

Claims (8)

  1. 加水処理が施されたダストである加湿ダストを乾燥する加湿ダストの乾燥方法であって、
    水分含有率13〜17%まで加水され、M−Feが5%未満である前記加湿ダストと、M−Feが5%以上である転炉ダストと、を混合して混合ダストとし、
    前記混合ダストの水分含有率を10%以下とすることを特徴とする、加湿ダストの乾燥方法。
  2. 前記M−Feが5%以上である転炉ダストは、天日乾燥での酸化発熱により水分含有率を低下させたものであることを特徴とする、請求項1に記載の加湿ダストの乾燥方法。
  3. 前記M−Feが5%以上である転炉ダストは、水分含有率が5%以下であることを特徴とする、請求項2に記載の加湿ダストの乾燥方法。
  4. 前記加湿ダストと、前記M−Feが5%以上である転炉ダストとを、質量比1:1〜1:2の割合で混合することを特徴とする、請求項3に記載の加湿ダストの乾燥方法。
  5. 前記加湿ダストの粒径は、前記M−Feが5%以上である転炉ダストの粒径よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載の加湿ダストの乾燥方法。
  6. 加水処理が施されたダストである加湿ダストを用いて、金属化率80%以上の還元鉄を製造する還元鉄の製造方法であって、
    水分含有率13〜17%まで加水され、M−Feが5%未満である前記加湿ダストと、M−Feが5%以上である転炉ダストと、を混合して混合ダストとし、当該混合ダストの水分の含有率を10%以下とするステップと、
    前記混合ダストに還元材を配合し、前記還元鉄の原料とするステップと、
    前記原料を粉砕するステップと、
    粉砕された前記原料を塊成化するステップと、
    塊成化された前記原料を乾燥し還元するステップと、
    を含むことを特徴とする、還元鉄の製造方法。
  7. 前記原料を粉砕するステップにより、粉砕後の前記原料の粒径を、80%篩下粒径で500μm以下とすることを特徴とする、請求項6に記載の還元鉄の製造方法。
  8. 前記混合ダストに還元材を配合するステップでは、還元材添加後の前記還元鉄の原料の水分含有率が10%以下となるように、前記還元材を配合することを特徴とする、請求項6に記載の還元鉄の製造方法。
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