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JP5044749B2 - 熱可塑性重合体の製造装置並びにシステム、及び該装置を用いた重合体の製造方法 - Google Patents
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熱可塑性重合体の製造装置並びにシステム、及び該装置を用いた重合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は反応性ホットメルト組成物又はホットメルト組成物用の熱可塑性重合体を連続的に製造する製造装置並びに製造システムに関する。更に詳しくは、該組成物用の熱可塑性重合体を連続的に製造するに際し、製品(重合体)の検査をオンライン上で実施することを特徴とする、製造/塗布装置並びに該装置のシステム、並びに該装置を用いた該重合体の製造方法等に関する。
近年、接着剤、粘着剤、コーティング剤、シーリング剤、注入/封止剤などの硬化性組成物においてはますます高性能化、高機能化が進んでいる。そして、製造面では、省エネルギーで高生産性、安全且つ易環境、更には製品の品質を保証する、信頼性の高い製造装置、管理システムが強く求められている。
従来、高生産性と環境性の双方を満足する硬化性組成物として、ホットメルト及び反応性ホットメルトが著名である。両者は、高生産性、環境性の点で有用である。しかし、省エネルギー面では満足するものではなかった。なぜなら、従来の製造は、原料を反応槽中に充填した後、温度80〜100℃で、数時間かけて混合撹拌、反応して製造している。反応は回分式であり、又、製品の取り出し、貯蔵においては、製品が極度に湿気を嫌うため、湿気を完全に遮断する必要があり、厳重管理の基に貯蔵されている。又、製品を使用(塗布)する際には、製品を塗布装置の溶融タンクに装填し、加熱溶融し、配管等装置全体を加熱して塗布に供せられる。このように、従来法は製品の製造と使用が分離されており、製造、貯蔵、使用等の維持管理が煩雑であった。その上、熱エネルギーを多消費する等の課題があった。
この消費エネルギー等の課題を克服するために、本発明者は、先願(特許文献1)において、原料から直接、反応性ホットメルトを製造し塗布する装置、又、該装置を使用して反応性ホットメルトの主成分である熱可塑性重合体を極めて短時間で生成する製造方法、更に、重合体(製品)の生成と塗布が一体化した製造方法を示した。その結果、塗布作業の現場で、反応性ホットメルトが原料から一段で製品に転換し、そのまま塗布する製造方法を示し、従来技術と比べ格段に省エネ、省力化プロセスであることを開示した。
このように、該先願の製造装置は高生産性と省エネルギーの双方を満足し、該装置により製造される製品は環境負荷並びに製品コストを低減せしめ、極めて経済的である。しかしながら、該装置には製品の品質等を確実に確認する手段(機能)が付加されていなかったので、ユーザーにおいては該装置で製造される製品の品質を不安視する傾向があることは否めなかった。その理由は、該装置は高速生産に優れるため、高速生産ラインで使用される。その時、万が一、生産トラブル(例えば、接着不良等)を引き起こすと、高速生産のゆえに短時間で製品不良が多数発生することになる。そのため、生産トラブルは絶対に避けねばならない。今日、製品不良は、経済的損失の他に企業ブランドを著しく低下させ、致命的な損害をもたらす。従って、装置には、何よりも優先して、省エネ/高生産性を維持した上で、製品の品質保証が確実に確保されることが求められた。
例えば、従来のホットメルト等、高速生産下の製品確認に関し、塗布体の温度(例えば非特許文献1など)や着色を計測する方法が開示されていた。しかし、これら従来法は、事前に製造した製品を実験室の製品検査で品質確認したものを使用する。そのため、塗布確認は、被着材面上の該塗布体の有無の判別だけで良い。これに対し、本発明は、常温で液状である原料を使用して、本装置上で極めて短時間で重合体(製品)を生成してライン上で使用される。そのため、本装置上で重合体の生成並びに塗布の双方の適格性を確認せねばならない。この確認作業は極めて困難で、且つ、従来に無い概念であり、これまで知られることは無かった。
特許公報4470073号公報
株式会社アピステ、カタログ(NEW超小型熱画像センサ)
本発明は、反応性ホットメルト及びホットメルト用の熱可塑性重合体の高生産、省エネルギー製造用の装置に関し、前記製品の品質の課題を克服し、重合体の高生産性、省エネルギー生産を維持しつつ、製造ライン上で、製品の品質確保を可能にする経済的でより信頼性の高い、該重合体の新規な連続的製造装置並びにシステム、又は重合体の新規な連続的製造/塗布装置、並びにシステムを提供することにある。更には、該装置を使用した熱可塑性重合体の新規な製造方法、評価方法、及び組成物を提供することにある。
本発明者は、上記の課題克服に向け鋭意検討した。その結果、特定の構造と構成からなる装置並びにシステムが、上記の課題を克服し、熱可塑性重合体の高生産性、省エネルギー生産を維持しつつ、製造ライン上で、製品の品質確保を可能にする経済的でより信頼性の高い、該重合体の新規な連続的製造装置並びにシステム、又は新規な連続的製造/塗布装置並びに該システムになることを見だした。更に又、該装置を使用した重合体の新製造方法、評価方法、及び組成物を見だし、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、1.反応性ホットメルト組成物又はホットメルト組成物の主成分である熱可塑性重合体(以下重合体と略す)を連続的に生成する装置並びにシステムであって、該装置は、(1)該重合体を生成するための原料である、第1剤、第2剤の夫々を貯留するための貯留容器、(2)貯留容器から、第1剤、第2剤用を常に一定の比率で混合機に供給するための2機の精密定量吐出機、(3)切り替え弁(4)加熱部を有するか又は有しなくともよい混合機、(6)加熱部を有する吐出部を有し更に、(A)該重合体の生成を確認する手段、及び又は(B)重合体の塗布を確認する手段を具備することを特徴とする熱可塑性重合体の製造装置並びにシステムである。
2.更に,(4)の混合機と(6)の吐出部の間に、(5)加熱部を有する貯留部を有する。
3.更に、前記(A)の該重合体の生成を確認する手段が、(a1)発熱ピーク温度又は発熱ピーク時間の計測、(a2)重合体生成のモデル計算、(a3)溶融粘度の計測、(a4)組成の計測の何れか又はその組み合わせである。
4.更に、前記(B)の該重合体の塗布を確認する手段が、(b1)被着材上に塗布された塗布体の温度、(b2)外観、(b3)色調の計測の何れか又はその組み合わせである。
5.更に、前記3〜4の計測等から得られる信号をコンピュータに入力し、コンピュータによりリアルタイムでデータ処理され、(C)重合体生成及び塗布の確認を判定する検査手段、並びに重合体生成/塗布の履歴を管理する管理手段を具備する。
6.前記1に記載の熱可塑性重合体を連続的に生成する装置並びにシステムが、該装置で重合体の生成と塗布を一体化して行うことができることを特徴とする前記1〜5に記載の熱可塑性重合体製造装置並びにシステムである。
7.前記1〜6に記載の熱可塑性重合体の製造装置並びにシステムが、2剤型の製造装置並びにシステムであることを特徴とする反応性ホットメルト又はホットメルト用熱可塑性重合体の製造装置並びにシステムである。
8.前記に記載の(A)〜(C)の手段により、該重合体の生成、塗布の確認、並びに生成/塗布の履歴を管理することを特徴とする、熱可塑性重合体の生成検査方法、塗布検査方法又は管理方法である。
9.前記1〜6に記載の熱可塑性重合体製造装置並びにシステムを用いて、2剤型反応性ホットメルト又は2剤型ホットメルト用熱可塑性重合体を製造することを特徴とする反応性ホットメルト又はホットメルト用熱可塑性重合体の製造方法である。
10.前記9の製造方法において、前記、(4)混合機温度が20〜250℃、(6)吐出部温度が50〜280℃であることを特徴とする反応性ホットメルト又はホットメルト用重合体の製造方法である。
11.前記9又は10に記載の製造方法により得られる重合体が、湿気硬化型硬化性組成物、粘着型硬化性組成物、光硬化型組成物、又はレドックス硬化型組成物の主成分に使用されることを特徴とする、湿気硬化型反応性ホットメルト組成物、粘着型反応性ホットメルト組成物、光硬化型反応性ホットメルト組成物、又はレドックス硬化型反応性ホットメルト組成物である。
12.前記11に記載の該組成物を使用して溶融塗布(吐出)し、塗布固着(粘着)後該組成物を、加熱及び又は光/UVの照射により、硬化(架橋)促進することを特徴とする硬化促進方法である。
以上により、本発明は、反応性ホットメルト及びホットメルト用の重合体の高生産、省エネルギー製造用の装置に関し、製品の品質確保の課題を克服し、熱可塑性重合体の高生産性、省エネルギー生産を維持しつつ、製品の優れた品質確保を可能にする経済的でより信頼性の高い、該重合体の新規な連続的製造装置並びにシステム、又は、新規な連続的製造/塗布装置並びにシステムが得られた。更には、該装置を使用した熱可塑性重合体の新規な製造方法、評価方法及び組成物が得られた。その結果、本発明は産業上への有益性は極めて大きい。
重合体製造装置、塗布装置並びにシステムの概略図である。 混合機、貯留器の概略図(正面断面図)である。 重合体生成及び塗布の計測センサーの概略図である。 重合体生成及び塗布のフローチャートである。 データ処理及びデータ管理の概念図である。
以下本発明を説明する。最初に、本発明で使用している下記の用語については以下のように定義する。
「固着」とは、いわゆる液体から固体の変化に伴うある種の凝集力(接着力)を指し、この中には、液体と固体の境界領域のいわゆる「粘着」も含むものとする。
「架橋」とは通常は化学架橋を指すが、物理架橋(耐熱性の向上が認められるもの)も含む。
「熱可塑性重合体」とは通常の線状高分子を指すが、この中には、比較的分子量の小さいプレポリマーなども含む。その他、熱硬化型の重合体であっても加熱時に流動性が保持される重合体(初期重合体又は重合前駆体)も含めるものとする。
本発明で言う「重合体」とは、特に断りのない限り、本発明でいう、前記の「熱可塑性重合体」をさす。
「2剤」とは「2液」、「剤」は「液」のことを指すが、常温で固体状であっても軽微な加熱(〜40℃程度)により容易に液状化するものを含む。
「連続的」に「生成」するとは、本装置を用いて熱可塑性重合体を生成、吐出する際に、原料(2剤)を常時一定の比率で連続的に供給し反応させることを指す。この中には、吐出の一時停止、及びサイクル(間欠)吐出等に伴う、原料の断続供給も含めるものとする。又、「生成」とは「合成」を指す。
本発明の「反応性ホットメルト」とは、初期の熱可塑性重合体(生成直後、又は湿気遮断の密封下の重合体)は、加熱下では溶融、流動性(熱可塑性)を呈し、該流動体を室温下に向け吐出すると冷却されて固化又は高粘着を呈し、固化後は、何らかの手段で固化体を架橋させ、熱硬化性(熱不可逆)に変換されるものを言う。通常の「反応性ホットメルト」は常温では固体であり1剤からなり、又、架橋には空気中の湿気が用いられる。又、「ホットメルト」とは、熱可逆性の重合体であり、加熱下では、反応性ホットメルトと同様に流動性を示すが、固着後は架橋を起こさず元の熱可塑性の状態を保持する。
本発明の「2剤型反応性ホットメルト」とは、常温では液状の2剤からなる原料を、加熱下で、2剤を極めて短時間に反応させ、加熱下で流動性を呈する熱可塑性重合体を合成する。該流動体を室温下に向け吐出する以降の工程は、前記の「反応性ホットメルト」と同様である。従って、本発明で言う、「2剤型反応性ホットメルト」は「2剤からなる液状の反応性ホットメルト製品」とも定義することができる。
最初に本発明の装置及びシステムについて説明する。
本発明の装置並びにシステム(以下、単に本装置という)は、常温で2液からなる原料を使用して、加熱下で重合体を連続的に生成し、製品として、吐出/塗布するものである。更に、製品不良を撲滅するために、本装置上で、重合体(製品)の生成、吐出、並びに塗布をリアルタイムに確認する確認手段(機能)を付加したものである。具体的には、生成された重合体の特性、吐出状態及び塗布状態を計測して、該データをコンピュータ(マイコンを含む)で解析し、製品としての適否を判定し、製品の品質等を確認するものである。
図面を参照して本発明を説明する。
図1は、本発明の重合体の製造装置並びにシステム(本装置と略す)の基本的な構成
を示す概略図である。図1において、本装置は第1剤貯留容器及び第2剤貯留容器(10,20)、第1剤送液用及び第2剤送液用の精密定量吐出機(11、21)、第1剤制御弁及び第2剤制御弁(12、22)、混合器(30)、貯留部(40)、加熱部(50)、吐出部(60)、第1剤計側センサー(10a,10b)、第2剤計側センサー(20a,20b)、混合状態又は組成計測用光学センサー(30b)、反応時間計測センサー(30d)、反応温度計測センサー(30c)、重合体生成物用光学センサー(40b)、貯留部温度センサー(40c)、粘度センサー(40e)、吐出温度計測センサー(60c)、塗布体温度計測センサー(70c)、吐出/塗布体計測光学センサー(70b)、制御部(80)等を含んで構成される。なお、ここで挙げたセンサー類は例であり、これに限定されず又、必ずしも全部を含める必要はない。
第1剤貯留容器(10)及び第2剤貯留容器(20)は、夫々、第1剤(原料: 一方の反応性物質)、第2剤(原料: 他方の反応性物質)を貯留する。第1剤用精密定量吐出機(11)及び第2剤用精密定量吐出機(21)は、貯留容器に貯留されている第1剤及び第2剤夫々を、常に一定の比率で混合機に送液できる精度を有する精密定量吐出機である。該2機の吐出機は該2剤を定量比率で供給するため、2機が連動(同期)駆動される必要がある。第1剤吐出量計側センサー(10b)及び第2剤吐出量計側センサー(20b)は、夫々の該精密定量吐出機から送液される液量を計測するセンサーである。第1剤制御弁(12)及び第2剤制御弁(22)は、第1剤及び第2剤の夫々の送液の続行又は停止を切り替える制御弁である。混合器(30)は、送液されてきた第1剤と第2剤を反応(重合体生成)行うために、混合と反応を行うための混合機である。貯留部(40)は、生成された重合体を十分滞留させて生成された重合体の熟成及び又は完結を担う。又、生成された重合体の特性を計測するための貯留器である。そして吐出部(60)より、重合体が吐出される。加熱部(50)は、混合機、貯留器及び吐出部の夫々を加熱し、温度が制御される。混合機の加熱は第1剤と第2剤の重合反応を促進せしめ且つ生成された重合体を溶融、流動せしめる。又、貯留部及び吐出部の加熱は重合体を円滑に流動させるためのものである。本発明では、重合体を急速合成する関係上、短時間に反応熱が多量に発生し、反応熱を積極的に利用するのが省エネの観点から有用である。混合機、貯留部、吐出部の温度制御は冷却も含め精密に制御される。
第1剤計量センサー(10a)及び第2剤計量センサー(20a)は、第1剤、第2剤夫々容器中の原料の残存液量を計測するセンサーであり、連続的に残液量が計測される。(30b)は混合機で混合された混合状態又は組成を計測する光学センサーである。(30d)は重合体の合成時間計測用センサーである。(40e)は生成された重合体の溶融粘度又粘性抵抗を計測するセンサーである。(30c),(40c),(60c),(70c)は夫々、重合体生成時の温度、貯留部の温度、吐出部の温度、塗布直後の被着材面上の塗布体の温度、これら温度を計測するセンサーである。(70b)は、重合体の吐出、外観、色調等の塗布状態を計測する光学センサーである。これら各センサーで計測された信号は、制御系(80)に取り込まれ、コンピュータ(マイクロコンピュータを含む)でデータ処理し、重合体の生成、重合体の吐出及び重合体の塗布状態の適否がリアルタイムで判定される。そして、この判定に基づき適正な対策が講じられる。この一連の操作により、製品の品質管理が確実に実行され、その結果、本発明の目的を達成することができる。なお、図中、電源系、駆動系、スイッチ系などは除いてあるが、本図は本発明の例を示すものであり、本発明を限定するものではない。
図2は、混合機(30)と貯留器(40)の具体例を示す概略図である。混合機は単一機、複数機何れで構性されていても良いが複数機が望ましい。図2aは、複数の混合機例を示し、動的撹拌混合機―静的混合機(スタティックミキサー)を使用したもので、混合機単独の図である。図2b(吐出弁を有しない)及び図2c及び図2d(吐出弁を有する)は、双方とも混合機と貯留部の組み合わせた例である。図2aは、原料2剤が最初の動的混合機に供給され原料2剤が均一に混合される。該混合操作は常温で行うのが望ましく、加熱は特に必要としないが加熱部を有していても差し支えない。又、該混合液は、2剤の反応が開始される前に、2段目のスタティックミキサーに送液されるのが望ましい。該混合液は加熱された該ミキサー内を移動しながら反応、重合体が生成され、ミキサー下端の吐出部(60)から流出、塗布に供せられる。ここで、(31)は混合容器であり、(32)は撹拌棒である。(33)はスタティックミキサー外筒、(34)は混合エレメントである。該エレメントは2剤の均一性と伝熱性を良くするため、図では、20エレメントを示している。該エレメント数であれば重合体生成に必要な均一性は得られるが、更にエレメント数を増やし多段ミキサーとしても何ら差し支えない。(35)はミキサー間の接続部(コネクター)を示す。該接続部は必ずしも必要とはしないが、ミキサーの分解、組み立て等フレキシビリティにする上で設置した方がよい。又、該接続部は均一性等の計測を行うために有用であり、その場合、計測箇所は透明材質であることが望ましい。
又、該接続部は耐熱ゴム管で接続されていても良い。該接続部により、ミキサーは互いに分離されていても良いし、互いに向きを変えていても良い。混合機の加熱は加熱部(50)により加熱される。図では、第1段(上部)、第2段、第3段の加熱温度は夫々の反応条件に応じて設定、制御される。又、図2bは、図2aの変形を示したものである。図2aの上段動的混合機をスタティックミキサーに、下段ミキサーを貯留部(40)としたものである。該貯留部には空洞部(パイプ)を用いたものである。そのため、吐出部に至るパイプがそのまま貯留部として使用できる。そして、パイプ長を調節することにより滞留時間を調整できる利点がある。パイプの材質は、流動液の光学計測等ができるように、計測箇所は透明にする必要がある。又、図2cの貯留部は、吐出弁(61)を取り付けた貯留部構造を例示したものである。(36)はミキサーと貯留部を連結するコネクターである。ここで、生成された重合体の特性の計測等に用いられる。
又、図2dは、図2a〜図2bで生成された重合体を貯留器に一端、重合体液を溜め、切り替え弁を介し、定量吐出できる吐出器に送液し、該吐出器を介して吐出される図を示した。ここで、(41K、61K)は夫々、貯留器への供給側、貯留器から吐出側の切り替え弁である。(42L)は貯留器の液量を制御するスイッチであり、(42o)は除湿部を示す。(63S、63P)は、該定量吐出器のシリンダー、及びピストンであり、ピストンの1回の往復運動で、1ショット吐出される。該吐出量は、シリンダー径及び又はピストンのストローク長で制御される。(61D)は該吐出器用の逆止弁である。切り替え弁(41K、61K)は、生成液を貯留器に送液する場合は、(41K)は開、(61K)は閉、の状態で送液し、貯留器内の液量が、(42L)スイッチが作動するまで上昇する。一方、貯留器から吐出部に送液する場合は、(41k)が閉、(61k)が開となる。この状態では、原料供給用の2機の吐出機は停止状態にある。又、(42o)は常時開放、外気と繋がっており、又、外気から湿気の吸収を避けるための除湿器を含む。該吐出器を設けることにより、吐出液の吐出確認、吐出液の糸切れ等、操作性がより改善される。又更に、図には記載していないが、該貯留器内の生成重合体が気泡を含み塗布の妨げになる場合は、(42o)は切り替え弁(減圧部に繋がる)を有するベント口として用いることもできる。図は本発明の例を示すものであり、本発明を限定するものではない。
図3は、重合体生成の計測、及び吐出並びに塗布状態の計測例を示す概略図である。
生成された重合体の存在を確認する方法としては、重合体の分子量及び又は組成等を計測する方法が有効である。重合体の分子量の計測には、管内を流動する重合体の流動粘度(溶融粘度)を計測するのが有効である。図3bは、(36)のコネクター上に設置した粘度計測用の粘度センサーの概略図を示した。上端部のコネクター(49u)はミキサーと、下端部(49b)は貯留部と夫々接続される。粘度センサーは振動粘度計であり、(43h)が該粘度計の本体であり、(43t)は粘度計に設置された温度計であり、(43s)は粘度検知部である。図では、粘度計の設置が鉛直方向に配置されているが、水平方向に配置されても差し支えない。振動粘度計が好ましい理由は、粘度計を小型化でき、管内の流動粘度をインラインで計測でき、且つ測定精度が高く、応答速度が速い等による。
図3cは、より簡便な粘度センサーの例を示すもので、貯留器内部のオリフィスを流れる重合体の粘性抵抗を計測するセンサーの概略図である。該計測センサーの本体(44h)、細管(44o)、抵抗検知部(44s)及び温度計(44t)を含んでなる。(44t)は温度計である。ここで、(44s)粘性抵抗を検知するセンサーであり、該センサーは、金属薄板又はプラスチックスフィルム(薄板)の表面に歪ゲージを張り付けたものであり、そして、(44o)底部(図右側、片持梁の状態)に固定されている。(44s)は、ノズル内を定速で流動する粘性液の抵抗を受け図のように撓む構造となっている。更に、液が非流動状態にあっては、該薄板はノズル底部と並行、即ち、ノズルが閉じられ、液の流動(図の矢印)が起こるとノズルが開く状態をとる構造となっている。温度及び流速が一定下において、液の粘性により撓み量が変化するので、この撓みによる歪ゲージの変化(電気抵抗)から、粘性抵抗を計測することが可能である。この計測から、前記、粘度計測と場合と同様の操作により、生成された重合体分子量の評価が可能である。又、該センサーは、歪ゲージの電気抵抗の変化ではなく、直接、薄板の変位量の計測からも粘性抵抗の計測が可能である。又、他の計測センサーとして、ベロフラム、ダイヤフラム、ブルドン管などの金属薄板でできた圧力で変形、歪むものは有用である。又、重合体の密度の計測も有用である。
図3dは、重合体組成の計測に光学センサーとして、近赤外光学センサーを使用した事例である。(45b1)は入射側(光源)、(45b2)は反射側(分光器/検出器)の光学用素子、又、(45b3)は光ファイバーである。(45)は透明石英ガラス板である。オリフイスの中を生成された重合体液の近赤外スペクトルの測定から、直接、生成した重合体組成の確認が可能である。又、重合体生成を直接確認する方法ではないが、同様の原理を、光源に可視光を用いることにより、その反射スペクトルから2剤の混合状態(色調)等が計測され、生成された重合体の均一性の評価に有用である。
図3eは、重合体の吐出及び塗布の計測センサーを例示したものである。左側のセンサー(70c)は温度を計測するセンサーであり赤外線カメラ等であり、塗布体の温度分布が計測される。又、右側のセンサーは(70b)は塗布体の外観(形状、色調等)を計測するセンサーであり、VTRカメラ、高感度CCDカメラ、高速CCDカメラ等で被着材面上の塗布状況を、経時的/連続的に映像が計測される。又、吐出/流出液の流出途上又は塗布体の流動状態を高速度カメラで計測することにより、生成された重合体の粘度を算定することが可能で、生成された重合体の適否を占うことも可能である。又、塗布後の塗布体の流動状態(塗布の広がり、塗布厚さ等)をVTRカメラで計測することにより、前記高速度カメラの計測と同様、生成された重合体の適否を占うことも可能である。図3fは重合体の塗布モデルを摸式的に示したものである。上図(1)の点線で囲われた部分が塗布される箇所である。図(2)は、塗布される箇所に重合体が適切塗布された(塗りつぶし部分)例である。図(3)は、重合体(或いは未反応の原料等)が低粘度あるため流動しすぎて塗布体が広がりすぎた例である。その反対に、図(4)は、流動不良で塗布体が適切に広がらない例である。図(3)〜(4)は好ましくない塗布例である。
次に、図1〜3に使用される部材について、更に説明する。
貯留容器(10,20)は市販品を使用することができる。精密定量吐出機(11、12)の吸引力で該容器中の各液剤を混合機に供給できるので、特に容器を加圧したり加温する必要はない。しかし、粘度の高い液剤を供給し易くするために緩やかな加圧や加温が加えられても良い。該容器の外側は直接外気に晒されていても良い。又、該容器を収納するタンク等の中に装備されていても良い。液剤中の湿気、気泡等を除去するために、該タンクを減圧ポンプと連結されるのが好ましい。又、該液剤は、原料であると同時に製品であるので、該貯留容器の管理は重要である。液剤は湿気吸収により製品の品質が低下する可能性があるため、容器内をチッソ又は乾燥空気雰囲気に保つのが望ましい。容器材質は、金属、プラスティックス製何れでも良く、プラスティックスの場合は、湿気バリアー性の材質が良い。又、液剤の供給量、残液量を表示用の液面計や重量計(10a,20a)、を備えるのが望ましい。
精密定量吐出機(11,21)は、2剤を連続的に精密定量吐出ができるものであれば、公知、市販のものを使用することができる。なかでも、ギヤーポンプ、ピストンポンプ、プランジャーポンプ、シリンジポンプなどの容積計量方式の吐出機が有効である。特に吐出機を加温する必要はないが、粘度の高い液剤を供給し易くするために緩やかな加温が加えられても良い。重合体の安定生成するためには、該吐出機の吐出精度が特に重要である。該、吐出精度(吐出量ノバラツキ)は少なくとも±5%以内、好ましくは±3%以内であることが望ましい。又、液剤の供給(気泡の混入等)、ピストンの駆動等シリンダー内の内部の状態が観察できるように、シリンダー材質は透明材質若しくは半透明材質が望ましく、又、ピストンは有色材質であるのが望ましい。又、吐出機は、液剤粘度が数mPa・ s〜数10万mPa・ s程度に対応できる必要がある。又、液切り替え弁(12,22)としては、図1では二方弁(逆止弁)を用いているが、貯留容器、シリンジ、及び混合機の夫々を連結する三方弁を用いても何ら差し支えない。又、該弁には特に制限はなく、公知のスライド弁、回転弁、逆止弁、ニードル弁などが使用される。
混合機(30)は、混合機は、通常のモーターの回転等を利用した機械的な撹拌混合機(動的混合機)、又、スタティックミキサーなどの静的混合機等が何れも適切であり市販のものが使用できる。図2においては、混合機の組み合わせを例示しているがこれ以外であっても何ら差し支えない。静的、動的何れの混合機を使用するかは重合体製造現場の条件等により採択される。又、何れの混合機においても原料2剤を均一混合できることが前提である。該均一混合を得るためスタティックミキサーにおいては、混合エレメントは少なくとも30エレメント程度が必要である。好ましくは30〜60エレメントが望ましい。又、エレメントの外径と外筒の内径とのクリアランスは10μ〜5μが望ましい。10μ以上では、該クリアランスを液剤が移動し混合されない恐れがある。5μ以下では、エレメントの外筒への挿/脱着がスムーズにできない恐れがある。又、ミキサーの容積及び形状は、反応熱の制御、熱伝動の迅速な制御等により、ミキサーを小型化するのが好適である。混合機容積は概ね10ml〜0.1mlが望ましい。又、該ミキサーが加熱下で使用される場合は、材質は金属、セラミックス、ガラスが望ましい。プラスティックスは耐熱性に富むエンプラが望ましい。
貯留部(40)は、貯留部の吐出側に吐出弁(図2c/61)を設けることにより、吐出液の糸切れ性を良くすることができる。更に、該吐出弁と2剤供給弁(12,22)を同期させることにより、重合体のよりスムーズに吐出できる。又、図2dは、貯留部を介して生成した重合体を、別に設けた重合体吐出用シリンダー(63P)に供給し、該シリンダーから吐出する例を示した。省エネ型のホットメルトモールディング成形や反応性ホットメルトモールディング成形等にも使用できる。吐出部(60)は、吐出温度を精密に制御するために、加熱付きの細管(ノズル)が好ましい。
加熱部(50)は、混合機、貯留器及び吐出部の加熱に使用される。又、図には記載していないが、2機の吐出機及び該吐出機から混合機に至るパスは液剤(2剤)の粘度を下げるため等、加熱されていても良い。該加熱は混合機中での混合性、反応性を高める上で有効である。加熱手段は電熱加熱、赤外線加熱、加熱液体媒体循環、加熱空気循環等何れでも良い。又、温度制御は精密に制御されることが望ましく、温度制御は制御温度の±5℃以内、好ましくは±2℃、更に好ましくは±1℃以内である。温度制御のレスポンスを速めるため冷却部(機構)を設けても良い。ここで、加熱部の温度としては、例えば、混合機の温度は20〜250℃、貯留部の温度は50〜250℃、吐出部の温度は50〜280℃が適切である。
次に、センサー類について説明する。
原料確認センサーは、容器内貯留液の残液量の計測用には、液面計や重量計、又、液剤の供給量の計測にはオリフィス流量計、超音波流量計等の流量計である。この他にも、液剤の送液状態の外観(気泡の混入等)を直接計測する光学センサー等である。又、精密定量吐出機のピストンの運動を制御するためのタイマー等も、時間計測センサーの中に含めるものとする。重合体の生成計測用センサーは、時間センサー、温度センサー、光学センサー、粘度センサー、圧力センサー等のセンサーである。
温度センサーとしては、赤外線カメラセンサー、サーミスター抵抗センサー等が有用である。
光学センサーとしては、混合性の評価(着色状態等計測)には可視光センサーが、又、重合体生成(化学組成)の計測には、近赤外分光センサー、レーザラマン分光センサー、赤外線分光センサー等が有用であり、その中でも近赤外センサーが好適である。
粘度センサーは、重合体生成(分子量)の評価に有用な粘度計である。特に、装置の小型化、インライン上への設置に対し、振動粘度計が有用である。又、図3cに例示した粘性抵抗センサーが有用である。
又、簡単に粘度を計測する簡便計測法(図3f)として、1).予め実験室で、異なる数点の標準粘度重合体(温度、粘度共既知)等を用いて、一定量の加熱流液を一定温度、時間でノズル先端部から、100mm下の被着材(100mm角、厚さ5mmの平滑アルミ板、温度25℃)に滴下し、その塗布体の広がり/形状を計測し、粘度と塗布体の広がり/形状の関係をシミュレーションにより算出する。これを、実操作系の塗布体に適用し、塗布体の広がり/形状から塗布体の粘度を推定することができる。
又、2).後述する(実施例試験法(e)で示す)重合体の液切れ性から重合体の流動性の評価から重合体の粘度を推定することができる。該粘度計測方法は操作が簡単にできる上、粘度既知の標準物質との対比試験を詳細に行い、シミュレーションしておくことにより、粘度を正確に推定でき、本装置の粘度計測に十分役立てることができる。
塗布体の確認センサーは、塗布体の温度(分布)を計測するセンサーには赤外線カメラが有用である。又、直接、塗布体の外観、形状、色調、流動状態等の映像を計測するセンサーが有用である。それらセンサーはVTRカメラ、高速度デジタルカメラ、高分解能デジタルカメラ、等のカメラ類である。その他、塗布体の固着性及び又は粘着性の計測センサーとして、塗布体表面にプローブを接触させ、プローブの侵入度や糸引き状態を計測する接触センサーが有用である。これら接触センサーは、本装置のラインに組み込まれ連続的(製品毎)に計測され、塗布体の判別に利用できる。
図4は、本装置を用いて、重合体の生成と塗布の確認を行うことを示すフロー図である。
図4aは全体のフローを示すものであり、以下の工程からなる。先ず、原料供給工程で、供給された原料(2剤)の適否を確認し、次いで、重合体(プレポリマー)を生成工程で、生成された重合体の適否を確認し、次いで、吐出/塗布工程で、重合体の吐出/塗布の適否を確認する。各工程における確認は、計測されたデータ(信号)がコンピュータに送信され、コンピュータでデータ処理され、リアルタイムに実行できるようになっている。ここで図中の(YES)は該データが基準値内にあり適正であり、(NO)は基準値外であり不適正であることを示す。計測結果がディスプレイに表示され常時監視できるようになっている。更に、該データは重合体生成並びに塗布の履歴管理にも利用できるようになっており、その結果、製品の管理が確実に実行される。尚ここでは、該確認手段としてコンピュータの使用を前提としているが、実験室規模、若しくは低速ラインの小規模生産下等において、確認手段として目視等による判定が使用されたとしても本発明を妨げるものではない。尚、本フロー図(図4)は本発明の例を示すもので、本発明はこれに限定されるものではない。
図4bは原料供給と重合体生成確認のフローを示すものである。重合体生成については,(a1)発熱温度の計測を行う反応熱法、(a2)重合体モデル計算を行う計算法、(a3)粘度計測法、(a4)組成法の4ルートについて示したものである。最初の原料供給確認は、2機の精密定量吐出機から、原料(2剤)が一定比率で供給されているかの確認であり、且つ、均一混合性の確認であり、この両者の確認により重合体の分子量を規定する当量基準の確認が行われる。次に、以下の何れかの方法にて重合体の生成確認が行われる。例えば、該(a1)においては、発熱ピーク温度又は発熱ピーク時間の計測データが、又(a2)については当量基準、生成温度及び生成時間の計測データが、コンピュータでデータ処理され、重合体生成確認の適否が実行される。
図4cは、吐出確認と塗布確認のフロー図である。重合体の吐出途上の確認や、塗布体の確認、即ち塗布直後の被着材面上の塗布体の温度計測、色調等を含む外観計測がなされ、コンピュータに取り込まれた映像(画像)データは、画像処理が実行され、塗布確認の適否が実行される。
図5は本装置、コンピュータのデータ処理、データ表示、データ管理等の概念図を示したものである。その概要を説明する。図では示していないが、コンピュータは複数台で構成され、又、ネットに繋がれていても差し支えない。
(i)データ処理: 各計測センサーで計測された信号がコンピュータ(マイクロコンピュータ含む)送信され、受信信号がコンピュータでデータ処理(画像処理)される。データ処理は、予めプログラムされたタスクを実行し信号を特性値(温度、時間、容量、粘度、スペクトル等)に変換する。確認処理の適否判定は、基本的には標準操作系の標準入力データ(標準値又は基準値)と実操作系のデータ(計測値)との比較等により判定される。なお、本図のデータ処理工程欄には、例として粘度法(a3)を示した。
(ii)データ表示: 操作は全作業時間、常時連続的に(i)のデータ処理に基づいて、全工程(各工程)の操作状況が、必要に応じ一目で確認できる構成になっている。実操作のある工程で異常が発生すると、直ちにその箇所に異常表示がなされ、警報が発せられる。この警報に基づいて、作業の点検、中断、トラブル等に迅速に対応できる構成となっている。
(iii)データ統合管理: 更に、計測データ並びに前記一連のデータ処理の結果がデータ貯蔵され、重合体の製造、塗布を統合的に管理するシステムとして活用される。以上のデータ処理並びにデータ管理により本装置の重合体生成確認手段及び塗布確認手段としての機能を果たすことができ、より信頼性の高い重合体の製造装置並びにシステムが構築される。更に本装置を発展させ自動化システムの構築に繋げることができる。
先ず、(A)重合体生成確認のデータ処理について詳細に説明する。前記でも述べたが、本発明の重合体とは、加熱温度下では流動性を、又常温下では固着又は粘着性を呈する重合体の事である。又、本発明の原料とは、加熱下、又常温下共、易流動性の液体を呈す低分子体の事である。又、本発明は、加熱下短時間で、原料を重合体に転換することにある。本発明では、原料と重合体との間には分子量に明確な差があるわけではない。本発明では、該原料が該重合体に転換し、原料及び重合体が前記の相状態を満足できれば良いのである。そして、この転換には必ず分子量の増加が伴う。本発明ではこの分子量の増加を重合体生成(合成)と定義する。
最初に粘度法(a3)における重合体生成の判定法を説明する。高分子理論により重合体の分子量と溶融粘度の間には関係式が成立する。即ち、分子量が増加すると溶融粘度が増大するが、該関係式は重合体の分子構造に依存する。又、重合体の溶融粘度と温度の間にも相関(関係式成立)がある。即ち、溶融粘度は温度が増大すると粘度は低下するが、これも又、該関係式は分子構造等に依存する。この関係を利用して下記ステップにより重合体生成の適否判定を行うことができる。
ステップ(1)標準重合体の調製(粘度標準値の決定): 本装置、又は本装置に準ずる装置を用いて、予め別途実験室で、異なる分子量を有する標準重合体(数種)を調整し、得られた該重合体の各温度における粘度が計測される。具体的には、1)該標準重合体の調製は、分子量が既知で且つ官能基数は何れも2官能性である原料(第1剤、第2剤)を使用して、当量比(当量基準)が決定され、且つ反応が完結するものと仮定すれば、理論的に分子量が算出される。そして、該重合体の分子量の調節は、該当量比を変えることにより調節される。
2)該標準重合体の分子量に対応する粘度は、前記1)の夫々の標準重合体を反応温度、及び反応時間を変えて合成(生成)し、同時に、粘度を計測することにより求められる。反応温度一定下において、重合体の生成は反応時間の関数でもあり、粘度の決定は、各反応時間で粘度を計測し粘度が収束(一定)になる粘度を求めことにより、標準粘度(ηs)が決定される。ここで、該(ηs)の生成時間が、該反応温度における重合体の標準生成時間(ts)である。更に、同様の操作により、反応温度を変えた試験から、標準粘度(ηs)が決定される。ここで、双方とも反応が完結したとすれば、双方の(ηs)は近似的に一致する。又、(ts)は反応温度により変化する。即ち、高温下においては反応が加速されるので,(ts)は短縮される。
(2)シミュレーション線図の作成: 前記の標準重合体を使用して、測定温度を変えて粘度が計測されると、該重合体の温度ー粘度曲線が得られる。この操作を各標準重合体に摘要することにより、夫々の標準重合体の粘度〜温度曲線が定まる。即ち、標準重合体の分子量、粘度、温度の関係を示すシミュレーション線図が作成され、この線図がコンピュータに記憶される。
(3)重合体生成確認: 標準重合体データ(当量比、温度、時間)が入力されると、その標準粘度(ηs)が該線図から算出される。次いで、該標準重合体生成に対応する、実操作系設定条件下の重合体生成において計測された粘度、即ち実測粘度(η)が計測される。この粘度の実測データ(η)と標準データ(ηs)を比較することにより、実操作系における重合体生成の適否が決定される。
(4)重合体適否判定の基準: 前記加熱下における計測値粘度の判定は、常温(25℃)下における粘度の判定は以下の考えに基づいている。前記で述べたが、本発明の重合体の適正条件は加熱下において流動性、常温下において固着又は粘着することである。従って、該重合体条件を満たすための常温下の粘度、即ち、高粘着状態を保持することが前提である。実作業において要求される粘着力は、作業条件等によって変わるので必ずしも限定されるものではないが、常温下で粘着を保持する粘度としては、大よそ最低限約500Pa・s程度が必要であると仮定される。そこで、先ず、この粘度を、常温下の粘着保持下限粘度(ηo)として仮決定される。しかし、該粘度(ηo)より低い粘度では、操作のバラツキ等により粘着性(固着性)が得られない場合も生ずる。そのため、粘着保持粘度としては安全性を見越して(ηo)より、粘度が高い粘着保持標準粘度(ηos)が用いられる。ここで、該(ηo)は該(ηos)の標準偏差内にあり、該(ηos)の下限値に相当する。そして、この(ηos)は、加熱下の計測温度においては、前記の標準粘度(ηs)として与えられる。従って、前記実操作系加熱下の実測粘度(η)の計測から、該実測データ(η)と標準粘度(ηs)を比較することにより、即ち、実測データ(η)が標準粘度(ηs)と同等若しくは大きければ、常温下において、安定な粘着(固着)が得られることになり、生成された重合体が適切で有ると判定される。
次に、図には示していないが、重合体生成確認の別の態様であるモデル計算法(a2)を説明する。
先ず、前記(a3)法ステップ(1)の標準重合体の調製に用いられたデータが活用せられ、以下のようにして実行される。ステップ(1a): 前記ステップ(1)の標準重合体の粘度の収束点、即ち標準粘度(ηs)を決定するために採用された、標準当量比(eqs)下において、反応温度と反応時間を変えた試験から、先ず標準反応温度(Ts)における反応収束時間(ts)が求められる。ここで、該反応収束時間(ts)は前記の標準反応時間(ts)のことを指す。更に、前記同様該重合体の各反応温度(Tn)における標準反応時間(tns)が求められる。この試験から、標準重合体生成の標準当量下(eqs)における温度(T)〜時間(t)線図が得られる。
ステップ(2a): 標準重合体生成と同一条件で、実操作による重合体生成が実施され、その、当量比(eqo)、反応温度(To)及び反応時間(to)の実測値データが計測される。重合体生成の判定は、前記の粘度法と同様、実測系の計測データ(eqo,To,to)と標準データ(eqs,Ts,ts)の入力データの対比により、コンピュータで演算処理され決定される。概念的には、実測系と標準系の夫々の当量比が近似的に等しく、且つ実測系の温度、時間データ(To,to)が標準系の温度、時間データ(Ts、ts)より大であれば、重合体は適正に生成されるものとして判定される。
次に、発熱温度の計測(a1)が有用である。本発明においては、重合体が極めて短時間に生成される。その結果、生成過程で短時間に多量の反応熱が発生するので急激な温度上昇が伴う。経時的に温度を精密に計測し、この急激な温度上昇から重合体の生成を以下のようにして決定することができる。本方法は前記計算法(a2)と類似しており、標準系重合体と実操作系重合体の生成時における夫々の発熱ピーク温度(Tp)、該ピーク時間(tp)を計測し、データ処理することにより重合体の生成を確認する方法である。先ず、標準重合体の粘度収束データの計測において、該標準反応(設定温度)下で経時的に温度を計測する。重合体生成反応は、最初、誘導期が認められた後、急速な反応が進行し急激な温度上昇を伴うが、その後温度は低下し安定する。ここで、該ピーク時間(tp)とは、2剤混合後の誘導期が終わり、反応が開始され最高発熱温度(Tp)に至るまでの時間として定義する。この発熱曲線(温度/時間)の計測から、最大重合体生成速度の時間は該(tp)の1/2〜1/3のところにあると推測された。又、該(tp)で過半の反応が終了すると推測された。又、該(tp)と前記の反応収束時間(ts)と間には、該(ts)は(tp)の2〜3倍以上であろうと推定された。このことから、反応を完結させるには、1)この反応液を該設定温度下に保ち、該(tp)より反応時間を延長する。又、2)該(tp)下においては、該設定温度より高い温度で反応させる。以上の事が有効であると考えられ、本方法はこの考えに基づいて重合体の生成を確認する。
該発熱ピーク時間(tp)の決定は、先ず、同一の標準系重合体(3分割された)を使用して、第1の該重合体を使用して、設定温度下(T1)で、該重合体の温度を計測し、発熱ピーク温度(Tp1)、ピーク時間(tp1)を計測する。次に、第2の重合体で、設定温度を上げ(T2)、同様に発熱ピーク温度(Tp2)、ピーク時間(tp2)を計測する。第3の重合体で(T3)下で、(Tp3)、(tp3)を計測する。その結果、夫々の設定温度について、(tp)が求められる。これをプロットして、標準重合体系の設定温度(T)〜発熱ピーク時間(tp)線図が得られる。当然のことながら、設定温度(T)が高ければピーク時間(tp)は短縮される。又、該(tp)は重合体生成の収束(完結)時間に関係し、該(tp)が短時間であれば、該収束時間も短時間になることが示唆される。
重合体生成の判定は、前記(a2)と同様、標準系データとして、発熱ピーク時間(tp)が入力され、実操作系データとして発熱ピーク時間(tpo)が計測され、両者の比較により決定される。即ち、重合体の生成確認は、標準系、実操作系の設定温度が同一の場合は、(tp)より(tpo)を長くすることにより、又、両者のピーク設定時間が同一の場合は、実操作系の設定温度を標準系の設定温度よりも高く設定することにより達成される。
更に、組成法の計測(a4)も有用である。該方法は重合体合成用の第1剤原料(NCO基含有)、第2剤原料(OH基含有)と重合体の近赤外スペクトルの計測に基づく。例えば、非湿気硬化型重合体(末端OH型重合体)の合成する場合、重合体合成が開始される前には第1剤イソシアネート存在によるNCO基の近赤外スペクトルが計測されるが、反応の進行により、NCO基がOH基と反応し消費され、末端OH型の重合体が生成する。即ち、反応の終点直近ではNCO基が消失するので、このNCO基固有の近赤外スペクトルの消失状況により、重合体生成の適否判断が決定できる。また同様に、湿気硬化型重合体末端NCO型重合体においては、前記末端OH型重合体の生成とは逆の反応、即ち、反応の終点直近ではOH基が消失するので、このOH基固有の近赤外スペクトルの消失状況により、重合体生成の確認が可能である。生成重合体の適否判定は、標準重合体系(入力記憶)と実操作系(計測)スペクトルの比較から決定される。
ここで、スタティックミキサーを使用した場合、前記の重合体生成の必要な滞留時間は次式により与えられる。

滞留時間(to(秒)) =[本装置の反応部容積(V(ml))/(2機の精密定量吐出器1サイクルの吐出量(v(ml))×同1サイクルの平均時間(秒)]

ここで、反応部容積とは、混合機、貯留器、接続部、接続配管及び吐出部の内容積の総和である。実操作系においては、原料2剤が混合機に供給され、重合体の反応が開始され、重合体を生成し、装置内を移動しながら吐出部から吐出される。この移動時間が滞留時間として与えられ、この間に、重合体の反応が行われ、更に熟性し近似的に完結に至る。そこで、滞留時間は、前記の重合体標準生成時間(ts)に更に熟成時間が加わった時間として与えられる。そして、実質的にはこの滞留時間が実操作系の反応時間(to)であると定義することもできる。重合体の生成をより確実にするため、滞留時間(to)は標準生成時間(ts)の少なくとも3倍以上、望ましくは5〜20倍が望ましい。以上、重合体の生成確認法((a1)〜(a4))を示したが、これら確認法についてのプログラムが作成され、該プログラムを実行することにより重合体の生成が判定される。
次に、(B)塗布体の確認判定について説明する。簡単に粘度を計測する簡便計測法(段落0033)を示したが、この方法が塗布体の確認判定に有効である。図3fは、重合体の塗布モデルを摸式的に示したものである。3f(1)の点線で囲われた部分が、所定の塗布箇所である。3f(2)は、所定の箇所に適切に塗布(塗りつぶした部分)された状態を示す。3f(3)は、塗布過剰、又,3f(4)は塗布不足等、何れも不適切な塗布状態を示す。これら塗布状態の適否判別は、予め、適切に塗布された画像データが標準画像データとして登録される。同様に、実操作系において、塗布体のVTR映像データ等が得られ、これが画像処理された実測画像データとして得られる。この両者の画像比較、即ち、実測画像データと登録された標準画像データを比較することにより塗布体の適否が判定される。
更に、塗布体の確認判定の別の態様として、色調計測による方法が有用である。特に、レドックス(酸化/還元)型の反応性ホットメルト組成物に対しては取分け有用である。該組成物は、レドックス触媒(重合開始剤、重合促進剤の2種)が含有されている。該2種の触媒は触媒活性の封鎖状態(架橋反応が進行しない)では色調に変化が無い。しかし、触媒活性の封鎖が解かれと、触媒間の反応により色調が変化する。該色調変化は重合促進剤に使用されている金属系触媒の酸化状態の変化による。又、該変化は架橋反応の開始を示唆する。従って、この塗布体の着色状況を計測すれば、塗布体の位置並びに架橋反応を同時に計測することができるので、極めて有効な判定法となる。判定は、前記同様、実操作系の着色と、標準系の着色の比較により決定される。
更に又、別の態様として、塗布体の温度分布の計測等があり、前記同様、実操作系と標準系の画像比較により、塗布状態が判定される。更に又、別の態様として、塗布体の固着性及び又は粘着性状態を直接確認するために、例えば、塗布体の表面にプローブを接触させ、プローブの侵入度や糸引き状態の計測が有用である。これらも前記同様の画像比較により塗布体の適否が判定される。
最後に(C)塗布管理について説明する。以上の(A)〜(B)の確認、検査等に基づいて、又、該検査のために収集、記憶された計測データを活用して、事前に作成された、重合体生成検査、塗布検査並びに履歴(生成/塗布)管理プログラムを用いて、データの再検証が適宜実行される。該検証は、作業の休止時間(例えば夜間)を利用して、自動的に遡及検証を行っても良いし、又、作業中に別のコンピュータで自動検証を行っても良い。これら検証作業により、重合体の連続的製造、塗布並びに製造履歴の管理をより確実に実施できる。
以上、図1〜図5を用いて本発明を説明したが、本図は本発明を例示するものであり、これにより本発明は制限されるものではない。
以下、本発明装置を使用して得られる重合体製造方法を説明する。
1.[重合体用原料] : 重合体生成用の原料である第1剤は一方の反応性物質ことであり、他方の反応性物質と反応して高分子を形成できる。第2剤は、第1剤と反応する他方の反応性物質のことであり、一方の反応性物質と反応して高分子を形成できる。そのため、双方の反応性物質は、加熱下では流動性を呈し室温下では固化する高分子を生成することができるものであれば用いることができる。これら反応性物質は常温で液状のものが好ましい。これら反応性物質は、重付加型物質、付加重合型物質等いずれも用いることができるが、重付加型物質が好ましく、モノマー及び又はプレポリマーが特に好ましい。又は官能基間の反応を利用するカップリング剤、金属カチオン種と有機酸アニオン種等、キレート化剤等、分子量の増加を伴うものであれば用いることができる。
中でも、ポリウレタンを形成できる反応性物質が好ましい。その理由は、重合体の分子量を制御し易いこと、重合体の生成速度が速いこと、重合体生成において副生物を伴わないこと、又多様な反応性物質が選択できること等である。従って、本装置を用いて、原料から重合体を極めて短時間に且つ安定的に生成する上で最適である。ポリウレタン生成の一方の反応性物質は、イソシアネート基(NCO基)を有する官能性モノマー及び又はプレポリマーである。これらは例えば、ジフェニルメタン4,'4ジイソシアネート(MDI)及び該MDIの誘導体(MDIのプレポリマー、液状MDI及び変性MDIを含む)、ヒマシ油変性MDI、TDI誘導体(TDIのプレポリマー)等の芳香族ジイソシアネート。又、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族ジイソシアネート、及びHDIの誘導体、又はイソホロンジイソシネート、キシリデンジイソシアネート、水添キシリデンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、及びその誘導体があるが、これらに限定されずウレタン化学で使用される公知のものを用いることができる。
この中でも、速い硬化速度、優れた耐熱性、イソシアネートの中では蒸気圧が低くいために安全面で有利な、MDIの誘導体が適切である。又、前記の脂肪族系ジイソシアネート、又水素原子等で飽和された環状脂肪族、脂環族ジイソシアネート等も非黄変ポリウレタンを得る点で特に有用である。MDIの誘導体としては,NCO基当量が約125〜3000でありNCO基の平均官能基数が約2〜3であるものが適切であり、線状高分子を得る点で官能基数は約2のものが最も良い。しかし、これらモノマー類は有機活性水素基と反応して、分子量の増加が伴う本発明の重合体が得られればよいのであって、必ずしも官能基数はこれらには限定されない。
他方の反応性物質は、有機活性水素基を有する官能性モノマー及び又はプレポリマーである。有機活性水素基としては、例えば、−OH基、−COOH基、−NH2基、−NHR基、−SH基等である。この中で、イソシアネート(NCO)基との反応性に優れ、安全性(低毒性、低臭気)、低価格である点で−OH基(水酸基)が適切である。有機活性水素基が−OH基である官能性モノマー及び又はプレポリマーとして、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ヒマシ油、ヒマシ油変性ポリオール、末端水酸基停止液状ポリブタジエン及びその水素添加物、末端水酸基停止液状ポリイソプレン及びその水素添加物、末端水酸基化変性シリコーン油、主鎖及び又は側鎖にシリコーン連鎖を含む末端水酸基化物、主鎖及び又は側鎖にフッ素原子で置換された有機基を含む末端水酸基化物などである。また、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、3メチルペンタンジオール、オクタンジオールなどの低分子ジオールは鎖延長剤として有用である。しかし、これらに限定されずウレタン化学で使用される公知のものを用いることができる。
この中で好ましいモノマー及び又はプレポリマーは、−OH基当量が約31〜10000の範囲であり、平均官能基数が約2〜3のポリオールが、中でも平均官能基数が2のジオールが適切である。理由は、線状高分子を得る点で官能基数は約2のものが最も良い。しかし、これらモノマー類はイソシアネートと反応して本発明の重合体が得られればよいのであって、必ずしもこれらの官能基数には限定されない。
2.[重合体の形態]: 本発明の重合体を便宜的に(1)架橋の伴わない重合体、即ち、ホットメルト(HMと略す)用の重合体(P1)と、(2)架橋の伴う重合体、即ち、反応性ホットメルト(RHMと略す)用の重合体(P2〜P5)に分ける。更に、(2)のRHM重合体は、湿気硬化型RHM(P2、P3)、と非湿気硬化型のRHM(P4、P5)に分ける。更に、湿気硬化型RHMは、末端NCO型RHM(P2)と末端シリル基型RHM(P3)に分ける。又、非湿気硬化型RHMは、レドックスRHM硬化型(P4)と光硬化型RHM(P5)に分ける。更に、これら重合体の主な構成等の差は以下のとおり。湿気硬化型RHM、非湿気架橋型RHMでは、互いに架橋形式が異なるので主鎖構造は両者とも異なる。しかし、重合体生成用の生成触媒は両者共同じに対し、重合体の架橋触媒は両者で異なる。即ち、前者の架橋は、重合体が空気中の湿気と反応し架橋体を形成し、このときの架橋触媒は前記の生成触媒がそのまま用いられる。これに対し、後者は、更に、ラジカル架橋用の架橋触媒が必要である。重合体等について以下個別に説明する。
(2−1)末端NCO型湿気硬化型RHM(P2): 該重合体は通常、線状重合体であり、(i)原料としては、ジイソシアネーと、ジオール等の2官能性同士の前記モノマー類が使用される。該重合体はNCO過剰系の反応で得られる。
(ii)好ましい当量基準(NCO基/OH基当量比)は、NCO/OH比は2.5/1〜1.3/1であり、より好ましくは2.5/1〜1.5/1である。又、当量比が2.5/1以上においては、固着性が低下する傾向にある。更に、得られた重合体中における未反応NCO原料の残存確率が高くなる傾向にあり、加熱下におけるNCO蒸気(毒性面)の対策を考える必要がある。一方、1.3/1以下では、得られる重合体のNCO基濃度が減少するため、目的とする湿気硬化性が低下する恐れがある。又、重合体生成の収束時間が長くなる傾向があるので、本発明(短時間収束)においては好ましい方向ではない。
(iii)重合体生成温度は30℃〜250℃である。好ましくは50℃〜180℃である。温度が250℃を超えると重合体が劣化する恐れがあり、30℃以下であると本発明に必要な短時間生成ができない恐れがある。又、重合体の生成時間(前記の標準反応時間(ts))は、1〜60秒が好ましい。生成時間が60秒を超えると生産性低下の懸念があり、1秒以下では、反応が十分速くこれ以上速くする必要がない。しかし、本発明の生成温度、生成時間はこれらに限定されない。重合体生成触媒は、公知のポリウレタン成触媒が有用であり、例えば、トリエチレンジアミン等の3級アミン系触媒、金属系触媒としてのジブチルスズジラウリレート等の有機スズ系触媒、鉄・クロム・ニッケル・亜鉛などのオクテン酸塩類、又はナフテン酸塩類、アセチルアセトン錯化合物などである。これら触媒の添加により、重合体の生成時間を著しく短縮することができる。これら触媒の添加量は、重合体生成用の原料(第1剤、第2剤)の全量100重量部に対し0.005〜5重量部の範囲である。
(2−2)非湿気硬化型RHM(P4): 該重合体はラジカル架橋を行うために重合体主鎖にエチレン性不飽和基を導入する必要がある。該不飽和基の位置は重合体内部、末端の何れでもよい。そのため、(i)原料として、分子内にエチレン性不飽和基を有するポリウレタン形成用官能性モノマー類が有用であり、該モノマー類は、更にイソシアネート基を含有するモノマー類、又は、更にOH基を含有するモノマー類の何れであっても良いが、好ましくは更にOH基を含有するモノマー類である。それらは、前記の両末端水酸基停止の液状イソプレン、液状1.4型ポリブタジエン、1.2型ポリブタジエン等であり、又、分子内に(メタ)アクリル基を有し且つ水酸基を1個又は2個有するモノ又はジオール等である。分子内に(メタ)アクリル基を有し且つ水酸基を1個又は2個有するモノ又はジオール等のモノマー類としては、作業環境の観点から常温での蒸気圧が0.1Torr、より好ましくは0.01Torr以下であり、実質的に不揮発性か又無臭であることが望ましい。該モノマー類の例として、2ヒドキシエチル(メタ)アクリレート、2プロキシオキシ(メタ)アクリリレート、2ヒドキシブチル(メタ)アクリレート、2ヒドキシブチル3アクリロイロキシプロピル(メタ)クリレート、2ヒドキシ3フェノキシプロピルアクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)クリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)クリル酸付加物、エチレングリコールジグリシジルエーテル(メタ)クリル酸付加物等のエポキシエステル等が挙げられる。しかしこれらに限定されず、アクリル化学で公知のものが用いられる。
(ii)当量基準は、ジイソシアネート、ジオールの2官能性同士のモノマー類を使用して線状高分子を生成する場合はOH基過剰系で得られる。NCO基/OH基比は概ね1/1.2〜1/2.5が好ましい。当量比が1/2.5以下では固着性が低下する傾向にある。一方、1/1.2以上では、重合体生成の収束時間が長くなる傾向があるので、本発明(短時間収束)においては好ましい方向ではない。又、分子内に(メタ)アクリル基を有し且つ水酸基を有するモノマー類を用いて重合体を生成する場合は、ジイソシアネート、ジオールの2官能性同士のモノマー類を必ずしも使用する必要はなく、例えば、多官能イソシアネートモノマー類に、前記の分子内に(メタ)アクリル基を有し且つ水酸基(OH基)を1個有するモノオール類を使用して、OH基過剰系で反応して,多官能イソシアネートのNCO基をブロック(キャピング)した、分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を有する重合体が得られる。この場合の、NCO基/OH基の当量基準は化学量論比(1/1)〜若干OH基過剰系が望ましい。更に又、分子内に(メタ)アクリル基を含有する単官能性のイソシアネートモノマー類と、多官能性ポリオールをNCO基過剰系で反応させ、OH基ブロックさせて得られる分以内に2個以上のエチレン性不飽和基を有する重合体が得られる。この場合の、NCO基/OH基の当量基準は化学量論比(1/1)〜若干NCO基過剰系が望ましい。
(iii)重合体合成温度は、該重合体は分子内部に不飽和二重結合を有するため熱安定性が考慮される必要があり、合成温度は30℃〜180℃である。好ましくは50℃〜140℃である。温度が180℃を超えると重合体の安定性が低下する恐れがあり、30℃以下であると本発明に必要な短時間硬化性が得られない恐れがある。又、重合体の生成時間、重合体生成触媒及び触媒添加量は、前記(P2)重合体の場合と略同様である。更に、重合体の架橋を行うためにラジカル架橋触媒が追加して使用される。
(iv)ラジカル架橋型触媒は、重合開始剤及び重合促進剤からなるレドックス(酸化/還元)触媒、又は光硬化触媒である。レドックス触媒使用される。重合開始剤としては、クメンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等、t−ブチルパーオキシラウレート等のパーオキシエステルの有機過酸化物が、又、重合促進剤としては、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸銅等の金属石鹸類が有用であり、何れも公知のものが使用される。又、重合開始剤量の使用量は、全反応性物質の全量100重量部に対し、0.005〜5重量部である。好ましい量は0.01〜3重量部である。又、重合促進剤量は、0.002〜5重量部であり、好ましくは0.01〜2重量部である。重合開始剤、重合促進剤の少ない使用量で架橋反応を促進することが可能である。しかし、重合開始剤と重合促進剤の共存は重合体の安定性を損なうので、重合開始剤、重合促進剤の何れか又は双方をパラフィン等の易熱溶融性物質等で表面処理した(v)被覆化触媒の使用が望ましい。
更に又、(vi)光触媒として通常の公知光触媒を使用して、硬化性を改善する(P5)重合体系の組成物とすることができる。そして、該組成物を用いる利点として、従来の光/UV硬化の欠点、即ち空気中酸素による硬化阻害に対し、改善効果がある。通常、前記のアクリルモノマー類等のエチレン性不飽和基含有液状物質の硬化(ラジカル重合)は、酸素が重合禁止剤として作用するため酸素に接する液状表面、並びに酸素の拡散により液内部も硬化阻害を受ける。本発明の硬化前の重合体は高粘着体(半固体状)若しくは固着体(固体状)とすることができるので、酸素の重合体内部への拡散を抑制する効果が期待できる。又、該硬化触媒は通常のラジカル重合型の光重合開始剤がよく、例えば、ベンゾイン誘導体、ベンゾフェノン誘導体等の公知開始剤が使用できる。好ましい添加量は応性物質の全量100重量部に対し、0.3〜3重量部が使用される。
(2−3)シリコーン湿気硬化型RHM(P3): 湿気硬化型の別の形態のRHM重合体として、分子内に2個以上の加水分解性ケイ素基含有の重合体(P3)が有用である。該重合体の加水分解性ケイ素基が湿気により加水分解され、湿気架橋型の反応性ホットメルト重合体にすることができる。そのため、該重合体合成用の原料のモノマー類としては、例えば、前記の分子内に2個以上の炭素―炭素2重結合を含有する該モノマー類に、分子内にHSi基と加水分解性ケイ素基を含有するシラン系モノマー類を付加反応して得られる。前者のモノマー類としては、公知のアクリル系モノマー類等が又、公知のポリオキシポリプロピレンジオールの末端にアルケニル基を導入した末端アルケニル基含有プレポリマー等が有用である。又、後者のモノマー類としては、公知の加水分解性ケイソ基含有のシラン化合物、トリアルコキシシラン、ジアルコキシシラン化合物等が有用である。又、該重合体はイソシアネート基と加水分解性ケイ素基を含有するシラン系化合物とジオール又はトリオール等のモノマー類とを反応させることにより得ることもできる。該シラン系化合物としては、γイソシアネートプロピルトリメトキシシラン類、公知のものを使用できる。重合体生成反応は、即ち当量基準は化学量論比若しくはその近傍が望ましく、反応温度は60〜140℃が望ましい。触媒には白金系錯体触媒等の公知触媒が使用される。
(2−4)HM重合体(P1): モノマー類は、前記(P2)の重合体生成に使用されたものが使用される。当量基準はNCO/OH比は約1.5/1〜1/1.5である。好ましくは1.3/1〜1.03/1、又は1/1.03〜1/1.3の範囲が適切である。該当量比が1.5/1以上、又1/1.5以下では、該重合体として必要とする分子量が得られない恐れがある。重合体分子量は、理論的にはNCO/OH比が1/1(理論当量比)で、得られる分子量が最大となり、分子量の増大に伴い、強度特性等に優れる重合体が得られる。しかし、ここで好ましい範囲として、1.03/1〜1/1.03の範囲を外す理由は、NCO/OH比が理論当量比若しくは理論比の直近であると、重合反応が限りなく進行するので重合反応の収束時間が長くなる。又、高分子量側においては、分子量の増加は溶融粘度を著しく増加させるので、流動性の制御を短時間に正確に制御することが難しくなるからである。本発明は、分子量の低下により生じる物性を多少犠牲にしても、反応収束性等の操作性を優先したいからである。又、該重合体は架橋されないので、重合体自体の耐熱性をよくすることが望ましい。その結果、重合体の流動温度は高くなるので生成温度も高くなる傾向がある。生成温度は100℃〜250℃程度であり、150℃〜250℃が望ましい。
3.[重合体(P4)の生成温度と吐出温度]: 該重合体は分子内に不飽和基を有すること、更に又レドックス触媒を含有することから、基本的には熱安定性を欠く反応系である。そのため、重合体の生成温度は低いことが望ましい。しかし、生成温度が低い状態で得られた重合体をその温度で吐出すると粘度が高く流動性が低下する。流動性を改善するには吐出部の温度を高める必要がある。他の理由は、レドックス触媒(重合開始剤及び重合促進剤)の共存は重合体の安定性を損なうので、安定性維持のため、重合開始剤、重合促進剤の何れか又は双方をパラフィン等の易熱溶融性物質等で表面処理した触媒の使用が望ましい。例えば、熱易溶融性物質として使用されるパラフィンの融点はその分子量分布等によりシャープな融点を示さず、その融解域は約融点±10℃に及ぶ。そのため、重合体の生成温度は、該被覆物質により触媒活性が保護された状態で合成され、又、該重合体の吐出は該物質の融点以上、即ち、触媒活性の封鎖が解かれ触媒活性を再生される状態で吐出されることが望ましい。そのため、重合体の生成温度と吐出温度の差の大きい方が望ましく、温度差は20〜150℃であることが望ましい。
4.[2剤型反応性ホットメルトの有用性]: 被覆化触媒を含有する(P4)重合体を例に説明する。製品剤系は常温液状の2剤からなり、触媒が2剤夫々に分離して添加される。例えば、第1剤には前記のジイソシアネートモノマー類、第2剤には前記の分子内にエチレン性不飽和基を有するジオールモノマー類、更に第2剤にウレタン合成触媒が、更に第1剤に易溶融性物質で被覆された重合開始剤、第2剤に易溶融性物質で被覆された重合促進剤が夫々添加される。なお、被覆化触媒の調製は前記特許文献1(段落0090〜0091)記載の方法等による。このように常温液状2剤系にすることにより操作性が容易になり、又、触媒の分離により何よりも安全性が著しく改善される。次いで、重合体生成は前記の当量基準、反応温度、反応時間等を適切に選択し、反応温度は易溶融性物質の融点以下で行うことにより、極めて短時間で重合体が生成せられる。次いで、吐出は、易熱溶融物質の融点以上の温度で吐出され、室温で冷却され極めて短時間で固着(高粘着)する。次いで架橋は、吐出時、融点以上の加熱によりレドックス触媒が再生することにより短時間で架橋体に変換できる。又、少ない触媒量で高効率に架橋を行うことができる。
このように優れた(P4)硬化系は、本装置を用いることのみにおいて、経済的且つ安定して得られる。なぜなら、該(P4)硬化系を、1液型の反応性ホットメルト製品として適用するとなると、製品中(重合体)に、レドックス触媒を共存させねばならない。たとえ、触媒として被覆化触媒を用いたとしても、何らかの原因、例えば、輸送時等で加温又は被覆表面の破壊等によって、被覆表面が破壊される恐れがある。表面が破壊されるとそれが少量であっても、レドックス触媒は触媒効率が高いために反応が開始される。そして一端反応が開始されると連鎖的に進行し、その反応熱で自然に発火する恐れがある。従って、製品の貯蔵、輸送等には冷凍保存などが必要である。又、使用に際し、加熱された塗布機溶解槽への充填/溶融に対しては温度制御が極めて重要となる。製品を大量に扱う場合は特に注意が必要である。このことは従来の回分法で製品を大量に製造する場合も同じである。このような課題に対し、本装置を使用し、製品系を2剤型にすることによってのみ課題が解決される。
本装置用いて得られる高効率、安定且つ品質保証に富む重合体を主成分として用いられる反応性ホットメルト硬化性組成物としては、反応性ホットメルト接着剤、反応性ホットメルト粘着剤、反応性ホットメルトシーリング剤/封止剤、反応性ホットメルトコーティング剤、反応性ホットメルト注入剤又は反応性ホットメルトモールディング用の成形材等、フィルム/シート等である。又、光硬化性反応性ホットメルト硬化性組成物である。又、各種の機能性充填剤を高充填使用することによって、高熱伝導材、高導電材、難燃材などの高機能材にすることができる。又、製品の用途/利用としては、建築内装用剤、車載用剤(内装)、環境・衛生用剤、電気・電子用剤などが有用である。本発明の特徴である省エネルギー、高生産性を活かした、同種又は異種材料の連続積層(ラミネーション)接合、Bステージ硬化は有用である。
特に、前記(P4)RHM系において易溶融性被覆化物質の融点以下で吐出し、吐出後は該融点以上に加熱する方法は架橋(硬化)を著しく促進する。又、(P5)系RHMにおいてはエネルギー線照射により架橋(硬化)を著しく促進する。このように、該反応性ホットメルトの重合体を塗布後、加熱若しくはエネルギー線照射により後硬化(架橋)を促進する重合体の硬化促進方法は、生産効率をより一層高める上で有用である。
本発明の硬化性組成物は必要に応じ、前記の(メタ)アクリレート類や他の比揮発性の反応性モノマー類を添加することができる。その他各種の添加剤を配合することができる。添加剤の例としては、テルペン系樹脂、ロジン誘導体、ジシクロペンタジエン樹脂等の液状の粘着付与剤、特に反応性の不飽和基を有する液状の粘着付与剤は有用である。フマル酸エステル、アジピン酸エステル、リン酸エステル等の可塑剤、反応性の可塑剤。モンタンワックス、ポリエチレンワックス等のワックス。炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、酸化亜鉛、石英粉末、シリカ、半水石膏、ゼオライト、セメント、タルクなどの無機充填剤。さらに銅、ニッケル等の各種金属粉、木粉等各種の有機系粉末、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維、着色剤、熱安定剤、難燃剤、酸化防止剤、光安定剤などが添加できる。しかしこれらに限定されない。又、流動性を妨げない範囲でポリマー類を添加できる。
以下、実施例により、本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に制約されるものではない。
1.装置は図1に準じ。
(第1剤及び第2剤用の貯留容器): ガラス製、50mlを使用した。第1剤用貯留器にはジイソシアネート液を充填した。第2剤貯留器にはジオールと重合体合成触媒混合液を充填した。
(該2剤用の精密定量吐出機): 半透明PP製シリンジを使用した。 夫々2機のシリンジが連動する吐出機を2種(第1剤/第2剤用シリンジ: 1ml/2.5ml用、5ml/2.5ml用)を用意した。
(混合機): 容器は銅製10ml(内径20mm、高さ35mm、厚さ1mm)の底部に吐出口(内径に内接、3mmφ)を設け、又、吐出口をアルミテープで塞いだ。デジタル温度計を取り付けた撹拌棒(幅8mm、長さ80mm、厚さ2mmの鋼製平板)を用いた。又、混合機の蓋は塩化ビニリデンフィルムで代用して、容器を覆った。
(該2剤用の切り替え弁): PP製三方弁を使用した。該三方弁を介して、貯留容器、シリンジ、該混合機に連結させた。
(加熱部): 加熱部にアルミ製ブロック(中心部に径23mmφ、深さ15mmの凹部を設けた100mm角、厚さ20mmの平板)を使用、加熱制御は,600W電熱器を連続通電することにより毎分12〜13℃(温度50℃〜150℃の範囲)の昇温速度が得られ、電熱器のオン/オフで温度制御した。
(接続配管): 半透明PEパイプを使用した。
2.原料は下記市販品を使用した。
(MDI系ジイソシアネートプレポリマー): URIC N2023: 伊藤製油社製(官能基数2、当量260、淡黄褐色、粘度2500mPa・s(25℃)、密度1.14)
(ジオール): Y403: 伊藤製油製(官能基数2、当量350、淡黄色透明、粘度250mPa・s、密度0.95)
C1090: クラレ社製: (官能基数2、当量500、無色透明、粘度10,000mPa・s、密度1.09)
(重合体生成触媒): DBTDL(ジブチル錫ジラウレート、和光純薬社製)
3.評価試験方法(表1)の説明
((e)吐出時の流動性): 各加熱混合機温度(吐出時)における混合機内の生成重合体の流動性を示す。流動性の判定は、混合機内流動液に浸した撹拌棒を該液から引き上げ、撹拌棒に付着した該液の液切れ性で判定した。液切れ時間が短時間のものほど易流動性を示す。予め異なる粘度の粘度既知サンプル(約500mPa・s、約2,000mPa・s、約10,000mPa・s)の液切れ性を確認しておき、該液切れ性との比較により、生成重合体の液切れ性を目視観察、流動性を評価した。判定: +: 流動性良、粘度は約10,000mPa・s以上、++: 流動性優、粘度は約2,000〜10,000mPa・s、+++: 流動性優、粘度は500〜2,000mPa・s、相当を示す。
((f)室温下塗布体の粘着性): (e)塗布体の粘着性(固着性)は、該(e)吐出液を室温下に向けアルミ平板(100mm角、厚さ5mm)吐出後、60秒後の塗布体にプローブを軽く接触させ引き上げた。プローブの侵入状況及び引き上げ時時の抵抗(糸引き)の状況から評価した。粘着性の評価は、(○)は、十分な粘着性(タック)があり、目的とする重合体の生成が認められる。(×)は粘着性が認められない(重合体の生成が認められない)。(△)は重合体の生成がやや不十分である。
((g)オープンタイム): 前記(f)の粘着性評価に用いた塗布体のオープンタイム(接着作業可能時間)を評価した。評価は、鋼製平板(幅8mm、長さ80mm、厚さ2mm)長さ20mmを塗布体に圧着し、塗布体の硬化が進行し圧着できなくなる時間をオープンタイムとした。
((h)表面乾燥時間): 前記(f)の評価サンプルを用いて表面乾燥時間を評価した。評価は、塗布体にプローブを軽く接触させ、表面の乾燥性(硬化性)が進行し、プローブの痕跡が認めらなくなる時間を乾燥時間とした。
((i)塗布体の流動性): 塗布体の流動性は、100mm角、厚さ5mmのアルミ平滑板の中心部に吐出液を約5滴流下、流動液の広がりを計測し、評価の判定は、流動性の広がりを目視並びにデジタルカメラ撮影によった。(○)は適正な流動を示し、流動後は粘着性を保持した。(×)印は過流動を示し、粘着性を示さなかった。(△)は流動性、粘着性とも若干不足した。
((j)重合体の架橋性(強度)): 前記(h)の塗布体を、25℃、50%RH下で24時間、及び72時間養生し、その塗布体の、外観、強度面を定性評価した。判定: (○)は、塗布体硬化物は淡黄色透明で、180度の折り曲げに耐え、抗張力は100kg/mm2、以上あり強靭性を有した。
((k)重合体の架橋性(耐熱性)): 前記(i)硬化物(72時間養生)の細片(約3mm角、厚さ約1mm)を使用して、前記の加熱部用アルミ製ブロック上に該細片をセットし、毎分10℃で定速昇温し、細片の外観(軟化状態等)をルーペで観察した。
実施例1.
末端OH型重合体の加熱下短時間合成確認と該重合体等の評価、並びに本発明(連続実機製造)装置の基礎設計値データ取得を目的として、表1(実験NO1−1〜NO1-4)の試験を行った。本発明では、短時間合成に伴い反応熱が多量に発生する。そのため反応熱の影響を極力抑えるため少量反応系によった。先ず、NO1−1について説明する。室温下、前記貯留容器に充填された第1剤、第2剤を、三方弁を介して、1ml/2.5ml用シリンジに夫々、0.6ml、2.5mlをピストンで押し下げ吸引採取した。次いで、シリンジ吐出口から混合機までの流路に貯留される液剤の計量誤差をさけるため三方弁を取り外し、シリンジ内の2剤を定速押し出し、室温下、混合機内に直接吐出した。次いで、混合機を塩化ビニリデンフィルムで撹拌棒をセットした容器を覆った。その後、室温下、手動混合で15秒間急速撹拌した。この間、反応熱の発生は無かった。
次いで直ちに、予め加熱され加熱部(温度約80℃)に混合機をセットし、該温度で約15秒間混合した。最初、室温下の混合機を加熱ブロックにセットすることにより、一時的に液剤温度は低下(約60℃)したが、その後、約15〜30秒、急激な反応が起こり、その反応熱で温度は急上昇し液温は80℃を超えた。その後、緩やかな撹拌を続け、液温を約80℃に保持し、混合機内の生成液の流動性(e)を評価した後、直ぐ、加熱ブロックから混合機を素早く引き上げ混合機底部吐出口のアルミテープを剥がし、約0.3mlの流動液を前記アルミ平板上(室温)に塗布した。塗布後は素早くアルミテープで吐出口を塞ぎ、再度加熱ブロックにセットし、更に緩やかな撹拌を続けながら加熱昇温した。又、得られた塗布体については、(f)粘着性、及び(g)オープンタイムを測定した。その結果を表1に併記した。
実験NO1−2: 該NO1−1の定速加熱を100℃まで続行した。この間液温も定速昇温され、反応熱の生成は観測されないと考えられた。温度約100℃で5秒間、急速撹拌した後、No1−1と同様、(e)の流動性、(f)粘着性及び(g)オープンタイム)測定行い、結果を表1に併記した。同様に、実験NO1−3〜1−4についても加熱を続行し、温度約120℃、約140℃における、夫々の(e)流動性、(f)粘着性、及び(g)オープンタイムを測定した。その結果を表1に併記した。
実施例2.
末端NCO型(湿気硬化型)重合体について、実施例1と同じ目的で試験した。NO2−1について説明する。この試験は、表1に示すように、第2剤の配合処方を変え、且つ,NCO/OH比変えた他は実施例1に則り、末端NCO基型重合体生成とその評価を行った。その結果を、表1に併記した。又、NO2−2〜の2−3の試験についても、実施例1と同様、NO2−1を定速加熱した。NO2−3(温度約140℃)について、生成された重合体の(e)流動性、(f)粘着性、及び(g)オープンタイム等を測定し、結果を表1に併記した。なお、重合体の生成に伴う発熱挙動については実施例1と同様の傾向を示した。即ち、最初の加熱(80℃: NO.2−1)において、急激な反応熱の発生が認められたが、その後、140℃までの昇温において、液温も定速昇温されたことから反応熱の生成は観測されていないと考えられた。
比較例1.
塗布体の流動性を評価するために、表1に示す、無触媒処方を使用して、(e)加熱時流動性、(f)塗布体の粘着性及び(g)塗布体の流動性を測定した。実施例2(NO2−3)と比較した。その結果、塗布体の粘着性を示すことができず、又、塗布体の流動性が著しく、本発明の重合体として不適であった。
Figure 0005044749
(結果の考察)
1.重合体の生成/加熱下短時間合成: 実施例1(NO1−1〜1−4)、表1の、加熱温度/時間を変えた試験から、最初の加熱(80℃: NO1−1)において、急激な反応の発生が認められた。その後、加熱温度を100℃〜140℃(NO1−2〜1−4)に追加加熱を行っても反応熱の生成は認められなかった。このことから、最初の加熱で重合体の生成が短時間で行われ且つ反応が収束され、その結果、重合体が短時間で安定的に生成できることが示された。そして、以下の試験からも裏付けることができる。
即ち、(e)の流動性試験から、生成重合体の流動性は温度が上昇に伴い増加した(80℃(+)〜140℃(+++))。このことは、生成された重合体の粘度が温度上昇により低下したことを示し、高分子理論と合致する。
更に、(f)の塗布体の粘着性(固着性)から、NO1−1〜NO1−4の粘着性は、NO1−1が若干低下する傾向が認められたが、全体として良好であった。更に、(g)の塗布体のオープンタイムにおいても、塗布直後と室温3日経過後についても、何れも粘着性に変化は認められなかった。
更に、実施例2(NO2−1〜2−3)の、加熱温度/時間を変えた試験から、最初の加熱(80℃: NO1−1)において、急激な反応の発生が認められ、その後、加熱温度を100℃〜140℃(NO2−2〜2−3)に追加加熱を行っても反応の生成は認められなかった。実施例1と同様、最初の加熱で重合体の生成が短時間で行われ且つ短時間で反応が収束されたことが示唆された。又、粘着性(固着性)も十分であった。以上のことから、実施例1と同様、重合体の加熱下短時間合成が適正に実施できることがわかった。
2.生成重合体の適格性及び架橋体の適格性: 以上、実施例1及び実施例2の重合体については、重合体の生成、性能共適切であると言えた。
ここで、実施例2(NO2−3)の重合体については、(g)のオープンタイムが30分、(h)の塗布体表面の乾燥時間が60分であることは、重合体が湿気硬化性であることに基づく。そして、室温放却に伴う初期固着性は高粘着が保持されたことにより良好であった。又、該粘着状態が約30分保持されたことにより接着張り合わせ等の作業性は良好であった。又、60分後には硬化(架橋)が開始され良好な湿気硬化性を示した。以上のことから、該オープンタイム、乾燥時間が何れも適切であることが示された。
又、(i)塗布直後の塗布体の被着材面上の流動挙動がレジタルカメラで撮影され、映像がコンピュータに取り込み画像拡大し観察した。この重合体画像(NO2−3)と比較例1画像を比較することにより、該画像解析が重合体生成の確認に有効であることがわかった。
更に又、NO2−3における架橋体の適格性については、(j)の強度、(k)の耐熱の評価から、強靭且つ耐熱性に優れる硬化体が得られた。このことから、重合体の硬化(架橋)が適切に進行することが確認された。
3.生成重合体の(m)確認判定: 前記(a1)発熱温度計測法を参考にして、生成重合体の確認判定を行った。例として、実験NO1−1、NO1−2により説明する。
(1)NO1−1(設定温度80℃)は生成重合体の反応は、該温度、該反応時間内で急激な発熱を計測し、反応が略収束しているものと考えられた。このことから、NO1−1は、本発明の重合体の条件として満足しており、この重合体の生成条件が、標準系重合体の生成条件に採用できるものと考えられた。
(2)NO1−2(設定温度100)は、NO1−1を加熱昇温させ、反応の収束(完結)を目指したものである。この操作により、発熱については認められず、このことから反応は既に収束していると考えられ、この重合体の生成条件が、実操作系重合体の生成条件に採用できるものと考えられた。
(3)確認判定は、NO1-2とNO1−1の重合体生成反応の収束性の比較、即ち、NO1−1の生成条件(標準系/入力データ)、NO1−2の生成条件(実操作系/計測データ)の対比により行うことができる。そして、実施例の結果も、その確認法が適正であることを示した。
4.本発明実機用装置の基礎設計値データ:
本実施例により、重合体の超短時間、且つ安定的生成が可能なことが示された。更に、得られた重合体が本発明の重合体として適切な機能を有することが示された。更には重合体並びに架橋体の評価/判定に対しても有効であることが示され、同時に、本発明実機用装置の基礎設計値データとして有用であることが示された。又、該実機装置については、これら実施例等に加え、必要に応じ公知技術(自動化技術、計測/制御技術、並びにコンピュータ技術等)の付加により得られることは明白である。
10 第1剤用貯留容器
11 第1剤用精密定量吐出機
12 第1剤用切り替え弁
10a 第1剤用液量残量計測センサー
10b 第1剤用液量供給計測センサー
20 第2剤用貯留容器
21 第2剤用精密定量吐出機
22 第2剤用切り替え弁
20a 第2剤用液量残量計測センサー
20b 第2剤用液量供給計測センサー
30 混合機
31 混合容器
32 混合撹拌機
33 スタティックミキサー外筒
34 スタティックミキサー混合エレメント
35〜36 コネクター
30b 混合性計測センサー
30c 混合機温度計測センサー
30d 反応時間計測センサー
40 貯留器
40b 重合体組成計測センサー
40c 貯留器温度計測センサー
40e 溶融粘度計測センサー
41K、61K 切り替え弁
43h、43s、43t : 粘度センサーの本体、検出部、温度計
44h、44s、44o、44t: 粘性抵抗センサーの本体、検出部、オリフィス、温度計
45、45(b1),45(b2): 光学センサーの透光部、入射側(光源側素子)、反射側検知部
50 加熱部
60 吐出部
61 吐出弁
62 台座
60c 吐出部温度計測センサー
61D 逆止弁
63S 吐出機シリンダー
63P 吐出機ピストン
70 塗布体
70b 塗布体光学センサー
70c 塗布体温度センサー
71 被着材
80 制御部

Claims (9)

  1. 反応性ホットメルト組成物又はホットメルト組成物の主成分である熱可塑性重合体(以下重合体と略す)を連続的に生成する装置であって、該装置は、(1)該重合体を生成するための原料である第1剤、第2剤の夫々を貯留するための貯留容器、(2)貯留容器から、第1剤、第2剤を常に一定の比率で混合機に供給するための2機の精密定量吐出機、(3)切り替え弁、(4)加熱部を有するか又は有しなくともよい混合機、(6)加熱部を有する吐出部を有し、更に、(A)該重合体の生成を確認する手段を具備し、該重合体生成確認手段が、(a1)発熱ピーク温度又は発熱ピーク時間の計測、(a2)重合体生成計算、(a3)溶融粘度の計測、(a4)組成の計測の何れか又はその組み合わせであることを特徴とする熱可塑性重合体の製造装置。
  2. 更に,(4)の混合機と(6)の吐出部の間に、(5)加熱部を有する貯留部を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性重合体の製造装置。
  3. 更に,(B)該重合体の塗布を確認する手段を具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱可塑性重合体の製造装置。
  4. 前記(B)の該重合体の塗布確認手段が、(b1)被着材上に塗布された塗布体の温度、(b2)外観、(b3)色調の計測の何れか又はその組み合わせであることを特徴とする請求項3に記載の熱可塑性重合体の製造装置。
  5. 請求項記載の計測((a1)〜(a4)),から得られる信号をコンピュータに入力し、コンピュータによりリアルタイムでデータ処理され、重合体の生成の確認を判定する
    検査手段、並びに重合体の生成の履歴を管理する管理手段を具備することを特徴とする請求項に記載の熱可塑重合体の製造装置。
  6. 請求項の計測((b1)〜(b3)),から得られる信号をコンピュータに入力し、コンピュータによりリアルタイムでデータ処理され、重合体の塗布の確認を判定する検査手段、並びに重合体の塗布の履歴を管理する管理手段を具備することを特徴とする請求項に記載の熱可塑性重合体の製造装置。
  7. 請求項1〜6何れか1項に記載の製造装置で、重合体の生成と塗布を一体化して行うことができることを特徴とする請求項1〜6何れか1項に記載の熱可塑性重合体の製造装置。
  8. 請求項1〜7何れか1項に記載の熱可塑性重合体製造装置を用いて、反応性ホットメルト又はホットメルト用熱可塑性重合体を製造することを特徴とする反応性ホットメルト又はホットメルト用熱可塑性重合体の製造方法。
  9. 請求項に記載の製造方法において、前記、混合機の温度が20〜250℃、吐出部の温度が50〜280℃であることを特徴とする請求項8記載の反応性ホットメルト又はホットメルト用熱可塑性重合体の製造方法。
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