JP5044749B2 - 熱可塑性重合体の製造装置並びにシステム、及び該装置を用いた重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
従来、高生産性と環境性の双方を満足する硬化性組成物として、ホットメルト及び反応性ホットメルトが著名である。両者は、高生産性、環境性の点で有用である。しかし、省エネルギー面では満足するものではなかった。なぜなら、従来の製造は、原料を反応槽中に充填した後、温度80〜100℃で、数時間かけて混合撹拌、反応して製造している。反応は回分式であり、又、製品の取り出し、貯蔵においては、製品が極度に湿気を嫌うため、湿気を完全に遮断する必要があり、厳重管理の基に貯蔵されている。又、製品を使用(塗布)する際には、製品を塗布装置の溶融タンクに装填し、加熱溶融し、配管等装置全体を加熱して塗布に供せられる。このように、従来法は製品の製造と使用が分離されており、製造、貯蔵、使用等の維持管理が煩雑であった。その上、熱エネルギーを多消費する等の課題があった。
すなわち本発明は、1.反応性ホットメルト組成物又はホットメルト組成物の主成分である熱可塑性重合体(以下重合体と略す)を連続的に生成する装置並びにシステムであって、該装置は、(1)該重合体を生成するための原料である、第1剤、第2剤の夫々を貯留するための貯留容器、(2)貯留容器から、第1剤、第2剤用を常に一定の比率で混合機に供給するための2機の精密定量吐出機、(3)切り替え弁(4)加熱部を有するか又は有しなくともよい混合機、(6)加熱部を有する吐出部を有し更に、(A)該重合体の生成を確認する手段、及び又は(B)重合体の塗布を確認する手段を具備することを特徴とする熱可塑性重合体の製造装置並びにシステムである。
3.更に、前記(A)の該重合体の生成を確認する手段が、(a1)発熱ピーク温度又は発熱ピーク時間の計測、(a2)重合体生成のモデル計算、(a3)溶融粘度の計測、(a4)組成の計測の何れか又はその組み合わせである。
4.更に、前記(B)の該重合体の塗布を確認する手段が、(b1)被着材上に塗布された塗布体の温度、(b2)外観、(b3)色調の計測の何れか又はその組み合わせである。
6.前記1に記載の熱可塑性重合体を連続的に生成する装置並びにシステムが、該装置で重合体の生成と塗布を一体化して行うことができることを特徴とする前記1〜5に記載の熱可塑性重合体製造装置並びにシステムである。
7.前記1〜6に記載の熱可塑性重合体の製造装置並びにシステムが、2剤型の製造装置並びにシステムであることを特徴とする反応性ホットメルト又はホットメルト用熱可塑性重合体の製造装置並びにシステムである。
8.前記に記載の(A)〜(C)の手段により、該重合体の生成、塗布の確認、並びに生成/塗布の履歴を管理することを特徴とする、熱可塑性重合体の生成検査方法、塗布検査方法又は管理方法である。
10.前記9の製造方法において、前記、(4)混合機温度が20〜250℃、(6)吐出部温度が50〜280℃であることを特徴とする反応性ホットメルト又はホットメルト用重合体の製造方法である。
11.前記9又は10に記載の製造方法により得られる重合体が、湿気硬化型硬化性組成物、粘着型硬化性組成物、光硬化型組成物、又はレドックス硬化型組成物の主成分に使用されることを特徴とする、湿気硬化型反応性ホットメルト組成物、粘着型反応性ホットメルト組成物、光硬化型反応性ホットメルト組成物、又はレドックス硬化型反応性ホットメルト組成物である。
12.前記11に記載の該組成物を使用して溶融塗布(吐出)し、塗布固着(粘着)後該組成物を、加熱及び又は光/UVの照射により、硬化(架橋)促進することを特徴とする硬化促進方法である。
「固着」とは、いわゆる液体から固体の変化に伴うある種の凝集力(接着力)を指し、この中には、液体と固体の境界領域のいわゆる「粘着」も含むものとする。
「架橋」とは通常は化学架橋を指すが、物理架橋(耐熱性の向上が認められるもの)も含む。
「熱可塑性重合体」とは通常の線状高分子を指すが、この中には、比較的分子量の小さいプレポリマーなども含む。その他、熱硬化型の重合体であっても加熱時に流動性が保持される重合体(初期重合体又は重合前駆体)も含めるものとする。
本発明で言う「重合体」とは、特に断りのない限り、本発明でいう、前記の「熱可塑性重合体」をさす。
「2剤」とは「2液」、「剤」は「液」のことを指すが、常温で固体状であっても軽微な加熱(〜40℃程度)により容易に液状化するものを含む。
「連続的」に「生成」するとは、本装置を用いて熱可塑性重合体を生成、吐出する際に、原料(2剤)を常時一定の比率で連続的に供給し反応させることを指す。この中には、吐出の一時停止、及びサイクル(間欠)吐出等に伴う、原料の断続供給も含めるものとする。又、「生成」とは「合成」を指す。
本発明の「2剤型反応性ホットメルト」とは、常温では液状の2剤からなる原料を、加熱下で、2剤を極めて短時間に反応させ、加熱下で流動性を呈する熱可塑性重合体を合成する。該流動体を室温下に向け吐出する以降の工程は、前記の「反応性ホットメルト」と同様である。従って、本発明で言う、「2剤型反応性ホットメルト」は「2剤からなる液状の反応性ホットメルト製品」とも定義することができる。
本発明の装置並びにシステム(以下、単に本装置という)は、常温で2液からなる原料を使用して、加熱下で重合体を連続的に生成し、製品として、吐出/塗布するものである。更に、製品不良を撲滅するために、本装置上で、重合体(製品)の生成、吐出、並びに塗布をリアルタイムに確認する確認手段(機能)を付加したものである。具体的には、生成された重合体の特性、吐出状態及び塗布状態を計測して、該データをコンピュータ(マイコンを含む)で解析し、製品としての適否を判定し、製品の品質等を確認するものである。
図面を参照して本発明を説明する。
図1は、本発明の重合体の製造装置並びにシステム(本装置と略す)の基本的な構成
を示す概略図である。図1において、本装置は第1剤貯留容器及び第2剤貯留容器(10,20)、第1剤送液用及び第2剤送液用の精密定量吐出機(11、21)、第1剤制御弁及び第2剤制御弁(12、22)、混合器(30)、貯留部(40)、加熱部(50)、吐出部(60)、第1剤計側センサー(10a,10b)、第2剤計側センサー(20a,20b)、混合状態又は組成計測用光学センサー(30b)、反応時間計測センサー(30d)、反応温度計測センサー(30c)、重合体生成物用光学センサー(40b)、貯留部温度センサー(40c)、粘度センサー(40e)、吐出温度計測センサー(60c)、塗布体温度計測センサー(70c)、吐出/塗布体計測光学センサー(70b)、制御部(80)等を含んで構成される。なお、ここで挙げたセンサー類は例であり、これに限定されず又、必ずしも全部を含める必要はない。
生成された重合体の存在を確認する方法としては、重合体の分子量及び又は組成等を計測する方法が有効である。重合体の分子量の計測には、管内を流動する重合体の流動粘度(溶融粘度)を計測するのが有効である。図3bは、(36)のコネクター上に設置した粘度計測用の粘度センサーの概略図を示した。上端部のコネクター(49u)はミキサーと、下端部(49b)は貯留部と夫々接続される。粘度センサーは振動粘度計であり、(43h)が該粘度計の本体であり、(43t)は粘度計に設置された温度計であり、(43s)は粘度検知部である。図では、粘度計の設置が鉛直方向に配置されているが、水平方向に配置されても差し支えない。振動粘度計が好ましい理由は、粘度計を小型化でき、管内の流動粘度をインラインで計測でき、且つ測定精度が高く、応答速度が速い等による。
貯留容器(10,20)は市販品を使用することができる。精密定量吐出機(11、12)の吸引力で該容器中の各液剤を混合機に供給できるので、特に容器を加圧したり加温する必要はない。しかし、粘度の高い液剤を供給し易くするために緩やかな加圧や加温が加えられても良い。該容器の外側は直接外気に晒されていても良い。又、該容器を収納するタンク等の中に装備されていても良い。液剤中の湿気、気泡等を除去するために、該タンクを減圧ポンプと連結されるのが好ましい。又、該液剤は、原料であると同時に製品であるので、該貯留容器の管理は重要である。液剤は湿気吸収により製品の品質が低下する可能性があるため、容器内をチッソ又は乾燥空気雰囲気に保つのが望ましい。容器材質は、金属、プラスティックス製何れでも良く、プラスティックスの場合は、湿気バリアー性の材質が良い。又、液剤の供給量、残液量を表示用の液面計や重量計(10a,20a)、を備えるのが望ましい。
原料確認センサーは、容器内貯留液の残液量の計測用には、液面計や重量計、又、液剤の供給量の計測にはオリフィス流量計、超音波流量計等の流量計である。この他にも、液剤の送液状態の外観(気泡の混入等)を直接計測する光学センサー等である。又、精密定量吐出機のピストンの運動を制御するためのタイマー等も、時間計測センサーの中に含めるものとする。重合体の生成計測用センサーは、時間センサー、温度センサー、光学センサー、粘度センサー、圧力センサー等のセンサーである。
温度センサーとしては、赤外線カメラセンサー、サーミスター抵抗センサー等が有用である。
光学センサーとしては、混合性の評価(着色状態等計測)には可視光センサーが、又、重合体生成(化学組成)の計測には、近赤外分光センサー、レーザラマン分光センサー、赤外線分光センサー等が有用であり、その中でも近赤外センサーが好適である。
又、簡単に粘度を計測する簡便計測法(図3f)として、1).予め実験室で、異なる数点の標準粘度重合体(温度、粘度共既知)等を用いて、一定量の加熱流液を一定温度、時間でノズル先端部から、100mm下の被着材(100mm角、厚さ5mmの平滑アルミ板、温度25℃)に滴下し、その塗布体の広がり/形状を計測し、粘度と塗布体の広がり/形状の関係をシミュレーションにより算出する。これを、実操作系の塗布体に適用し、塗布体の広がり/形状から塗布体の粘度を推定することができる。
又、2).後述する(実施例試験法(e)で示す)重合体の液切れ性から重合体の流動性の評価から重合体の粘度を推定することができる。該粘度計測方法は操作が簡単にできる上、粘度既知の標準物質との対比試験を詳細に行い、シミュレーションしておくことにより、粘度を正確に推定でき、本装置の粘度計測に十分役立てることができる。
図4aは全体のフローを示すものであり、以下の工程からなる。先ず、原料供給工程で、供給された原料(2剤)の適否を確認し、次いで、重合体(プレポリマー)を生成工程で、生成された重合体の適否を確認し、次いで、吐出/塗布工程で、重合体の吐出/塗布の適否を確認する。各工程における確認は、計測されたデータ(信号)がコンピュータに送信され、コンピュータでデータ処理され、リアルタイムに実行できるようになっている。ここで図中の(YES)は該データが基準値内にあり適正であり、(NO)は基準値外であり不適正であることを示す。計測結果がディスプレイに表示され常時監視できるようになっている。更に、該データは重合体生成並びに塗布の履歴管理にも利用できるようになっており、その結果、製品の管理が確実に実行される。尚ここでは、該確認手段としてコンピュータの使用を前提としているが、実験室規模、若しくは低速ラインの小規模生産下等において、確認手段として目視等による判定が使用されたとしても本発明を妨げるものではない。尚、本フロー図(図4)は本発明の例を示すもので、本発明はこれに限定されるものではない。
図4cは、吐出確認と塗布確認のフロー図である。重合体の吐出途上の確認や、塗布体の確認、即ち塗布直後の被着材面上の塗布体の温度計測、色調等を含む外観計測がなされ、コンピュータに取り込まれた映像(画像)データは、画像処理が実行され、塗布確認の適否が実行される。
(i)データ処理: 各計測センサーで計測された信号がコンピュータ(マイクロコンピュータ含む)送信され、受信信号がコンピュータでデータ処理(画像処理)される。データ処理は、予めプログラムされたタスクを実行し信号を特性値(温度、時間、容量、粘度、スペクトル等)に変換する。確認処理の適否判定は、基本的には標準操作系の標準入力データ(標準値又は基準値)と実操作系のデータ(計測値)との比較等により判定される。なお、本図のデータ処理工程欄には、例として粘度法(a3)を示した。
(ii)データ表示: 操作は全作業時間、常時連続的に(i)のデータ処理に基づいて、全工程(各工程)の操作状況が、必要に応じ一目で確認できる構成になっている。実操作のある工程で異常が発生すると、直ちにその箇所に異常表示がなされ、警報が発せられる。この警報に基づいて、作業の点検、中断、トラブル等に迅速に対応できる構成となっている。
(iii)データ統合管理: 更に、計測データ並びに前記一連のデータ処理の結果がデータ貯蔵され、重合体の製造、塗布を統合的に管理するシステムとして活用される。以上のデータ処理並びにデータ管理により本装置の重合体生成確認手段及び塗布確認手段としての機能を果たすことができ、より信頼性の高い重合体の製造装置並びにシステムが構築される。更に本装置を発展させ自動化システムの構築に繋げることができる。
2)該標準重合体の分子量に対応する粘度は、前記1)の夫々の標準重合体を反応温度、及び反応時間を変えて合成(生成)し、同時に、粘度を計測することにより求められる。反応温度一定下において、重合体の生成は反応時間の関数でもあり、粘度の決定は、各反応時間で粘度を計測し粘度が収束(一定)になる粘度を求めことにより、標準粘度(ηs)が決定される。ここで、該(ηs)の生成時間が、該反応温度における重合体の標準生成時間(ts)である。更に、同様の操作により、反応温度を変えた試験から、標準粘度(ηs)が決定される。ここで、双方とも反応が完結したとすれば、双方の(ηs)は近似的に一致する。又、(ts)は反応温度により変化する。即ち、高温下においては反応が加速されるので,(ts)は短縮される。
(3)重合体生成確認: 標準重合体データ(当量比、温度、時間)が入力されると、その標準粘度(ηs)が該線図から算出される。次いで、該標準重合体生成に対応する、実操作系設定条件下の重合体生成において計測された粘度、即ち実測粘度(η)が計測される。この粘度の実測データ(η)と標準データ(ηs)を比較することにより、実操作系における重合体生成の適否が決定される。
先ず、前記(a3)法ステップ(1)の標準重合体の調製に用いられたデータが活用せられ、以下のようにして実行される。ステップ(1a): 前記ステップ(1)の標準重合体の粘度の収束点、即ち標準粘度(ηs)を決定するために採用された、標準当量比(eqs)下において、反応温度と反応時間を変えた試験から、先ず標準反応温度(Ts)における反応収束時間(ts)が求められる。ここで、該反応収束時間(ts)は前記の標準反応時間(ts)のことを指す。更に、前記同様該重合体の各反応温度(Tn)における標準反応時間(tns)が求められる。この試験から、標準重合体生成の標準当量下(eqs)における温度(T)〜時間(t)線図が得られる。
ステップ(2a): 標準重合体生成と同一条件で、実操作による重合体生成が実施され、その、当量比(eqo)、反応温度(To)及び反応時間(to)の実測値データが計測される。重合体生成の判定は、前記の粘度法と同様、実測系の計測データ(eqo,To,to)と標準データ(eqs,Ts,ts)の入力データの対比により、コンピュータで演算処理され決定される。概念的には、実測系と標準系の夫々の当量比が近似的に等しく、且つ実測系の温度、時間データ(To,to)が標準系の温度、時間データ(Ts、ts)より大であれば、重合体は適正に生成されるものとして判定される。
重合体生成の判定は、前記(a2)と同様、標準系データとして、発熱ピーク時間(tp)が入力され、実操作系データとして発熱ピーク時間(tpo)が計測され、両者の比較により決定される。即ち、重合体の生成確認は、標準系、実操作系の設定温度が同一の場合は、(tp)より(tpo)を長くすることにより、又、両者のピーク設定時間が同一の場合は、実操作系の設定温度を標準系の設定温度よりも高く設定することにより達成される。
滞留時間(to(秒)) =[本装置の反応部容積(V(ml))/(2機の精密定量吐出器1サイクルの吐出量(v(ml))×同1サイクルの平均時間(秒)]
ここで、反応部容積とは、混合機、貯留器、接続部、接続配管及び吐出部の内容積の総和である。実操作系においては、原料2剤が混合機に供給され、重合体の反応が開始され、重合体を生成し、装置内を移動しながら吐出部から吐出される。この移動時間が滞留時間として与えられ、この間に、重合体の反応が行われ、更に熟性し近似的に完結に至る。そこで、滞留時間は、前記の重合体標準生成時間(ts)に更に熟成時間が加わった時間として与えられる。そして、実質的にはこの滞留時間が実操作系の反応時間(to)であると定義することもできる。重合体の生成をより確実にするため、滞留時間(to)は標準生成時間(ts)の少なくとも3倍以上、望ましくは5〜20倍が望ましい。以上、重合体の生成確認法((a1)〜(a4))を示したが、これら確認法についてのプログラムが作成され、該プログラムを実行することにより重合体の生成が判定される。
更に又、別の態様として、塗布体の温度分布の計測等があり、前記同様、実操作系と標準系の画像比較により、塗布状態が判定される。更に又、別の態様として、塗布体の固着性及び又は粘着性状態を直接確認するために、例えば、塗布体の表面にプローブを接触させ、プローブの侵入度や糸引き状態の計測が有用である。これらも前記同様の画像比較により塗布体の適否が判定される。
以上、図1〜図5を用いて本発明を説明したが、本図は本発明を例示するものであり、これにより本発明は制限されるものではない。
1.[重合体用原料] : 重合体生成用の原料である第1剤は一方の反応性物質ことであり、他方の反応性物質と反応して高分子を形成できる。第2剤は、第1剤と反応する他方の反応性物質のことであり、一方の反応性物質と反応して高分子を形成できる。そのため、双方の反応性物質は、加熱下では流動性を呈し室温下では固化する高分子を生成することができるものであれば用いることができる。これら反応性物質は常温で液状のものが好ましい。これら反応性物質は、重付加型物質、付加重合型物質等いずれも用いることができるが、重付加型物質が好ましく、モノマー及び又はプレポリマーが特に好ましい。又は官能基間の反応を利用するカップリング剤、金属カチオン種と有機酸アニオン種等、キレート化剤等、分子量の増加を伴うものであれば用いることができる。
(ii)好ましい当量基準(NCO基/OH基当量比)は、NCO/OH比は2.5/1〜1.3/1であり、より好ましくは2.5/1〜1.5/1である。又、当量比が2.5/1以上においては、固着性が低下する傾向にある。更に、得られた重合体中における未反応NCO原料の残存確率が高くなる傾向にあり、加熱下におけるNCO蒸気(毒性面)の対策を考える必要がある。一方、1.3/1以下では、得られる重合体のNCO基濃度が減少するため、目的とする湿気硬化性が低下する恐れがある。又、重合体生成の収束時間が長くなる傾向があるので、本発明(短時間収束)においては好ましい方向ではない。
(iii)重合体生成温度は30℃〜250℃である。好ましくは50℃〜180℃である。温度が250℃を超えると重合体が劣化する恐れがあり、30℃以下であると本発明に必要な短時間生成ができない恐れがある。又、重合体の生成時間(前記の標準反応時間(ts))は、1〜60秒が好ましい。生成時間が60秒を超えると生産性低下の懸念があり、1秒以下では、反応が十分速くこれ以上速くする必要がない。しかし、本発明の生成温度、生成時間はこれらに限定されない。重合体生成触媒は、公知のポリウレタン成触媒が有用であり、例えば、トリエチレンジアミン等の3級アミン系触媒、金属系触媒としてのジブチルスズジラウリレート等の有機スズ系触媒、鉄・クロム・ニッケル・亜鉛などのオクテン酸塩類、又はナフテン酸塩類、アセチルアセトン錯化合物などである。これら触媒の添加により、重合体の生成時間を著しく短縮することができる。これら触媒の添加量は、重合体生成用の原料(第1剤、第2剤)の全量100重量部に対し0.005〜5重量部の範囲である。
(iii)重合体合成温度は、該重合体は分子内部に不飽和二重結合を有するため熱安定性が考慮される必要があり、合成温度は30℃〜180℃である。好ましくは50℃〜140℃である。温度が180℃を超えると重合体の安定性が低下する恐れがあり、30℃以下であると本発明に必要な短時間硬化性が得られない恐れがある。又、重合体の生成時間、重合体生成触媒及び触媒添加量は、前記(P2)重合体の場合と略同様である。更に、重合体の架橋を行うためにラジカル架橋触媒が追加して使用される。
特に、前記(P4)RHM系において易溶融性被覆化物質の融点以下で吐出し、吐出後は該融点以上に加熱する方法は架橋(硬化)を著しく促進する。又、(P5)系RHMにおいてはエネルギー線照射により架橋(硬化)を著しく促進する。このように、該反応性ホットメルトの重合体を塗布後、加熱若しくはエネルギー線照射により後硬化(架橋)を促進する重合体の硬化促進方法は、生産効率をより一層高める上で有用である。
1.装置は図1に準じ。
(第1剤及び第2剤用の貯留容器): ガラス製、50mlを使用した。第1剤用貯留器にはジイソシアネート液を充填した。第2剤貯留器にはジオールと重合体合成触媒混合液を充填した。
(該2剤用の精密定量吐出機): 半透明PP製シリンジを使用した。 夫々2機のシリンジが連動する吐出機を2種(第1剤/第2剤用シリンジ: 1ml/2.5ml用、5ml/2.5ml用)を用意した。
(混合機): 容器は銅製10ml(内径20mm、高さ35mm、厚さ1mm)の底部に吐出口(内径に内接、3mmφ)を設け、又、吐出口をアルミテープで塞いだ。デジタル温度計を取り付けた撹拌棒(幅8mm、長さ80mm、厚さ2mmの鋼製平板)を用いた。又、混合機の蓋は塩化ビニリデンフィルムで代用して、容器を覆った。
(該2剤用の切り替え弁): PP製三方弁を使用した。該三方弁を介して、貯留容器、シリンジ、該混合機に連結させた。
(加熱部): 加熱部にアルミ製ブロック(中心部に径23mmφ、深さ15mmの凹部を設けた100mm角、厚さ20mmの平板)を使用、加熱制御は,600W電熱器を連続通電することにより毎分12〜13℃(温度50℃〜150℃の範囲)の昇温速度が得られ、電熱器のオン/オフで温度制御した。
(接続配管): 半透明PEパイプを使用した。
(MDI系ジイソシアネートプレポリマー): URIC N2023: 伊藤製油社製(官能基数2、当量260、淡黄褐色、粘度2500mPa・s(25℃)、密度1.14)
(ジオール): Y403: 伊藤製油製(官能基数2、当量350、淡黄色透明、粘度250mPa・s、密度0.95)
C1090: クラレ社製: (官能基数2、当量500、無色透明、粘度10,000mPa・s、密度1.09)
(重合体生成触媒): DBTDL(ジブチル錫ジラウレート、和光純薬社製)
((e)吐出時の流動性): 各加熱混合機温度(吐出時)における混合機内の生成重合体の流動性を示す。流動性の判定は、混合機内流動液に浸した撹拌棒を該液から引き上げ、撹拌棒に付着した該液の液切れ性で判定した。液切れ時間が短時間のものほど易流動性を示す。予め異なる粘度の粘度既知サンプル(約500mPa・s、約2,000mPa・s、約10,000mPa・s)の液切れ性を確認しておき、該液切れ性との比較により、生成重合体の液切れ性を目視観察、流動性を評価した。判定: +: 流動性良、粘度は約10,000mPa・s以上、++: 流動性優、粘度は約2,000〜10,000mPa・s、+++: 流動性優、粘度は500〜2,000mPa・s、相当を示す。
((f)室温下塗布体の粘着性): (e)塗布体の粘着性(固着性)は、該(e)吐出液を室温下に向けアルミ平板(100mm角、厚さ5mm)吐出後、60秒後の塗布体にプローブを軽く接触させ引き上げた。プローブの侵入状況及び引き上げ時時の抵抗(糸引き)の状況から評価した。粘着性の評価は、(○)は、十分な粘着性(タック)があり、目的とする重合体の生成が認められる。(×)は粘着性が認められない(重合体の生成が認められない)。(△)は重合体の生成がやや不十分である。
((g)オープンタイム): 前記(f)の粘着性評価に用いた塗布体のオープンタイム(接着作業可能時間)を評価した。評価は、鋼製平板(幅8mm、長さ80mm、厚さ2mm)長さ20mmを塗布体に圧着し、塗布体の硬化が進行し圧着できなくなる時間をオープンタイムとした。
((h)表面乾燥時間): 前記(f)の評価サンプルを用いて表面乾燥時間を評価した。評価は、塗布体にプローブを軽く接触させ、表面の乾燥性(硬化性)が進行し、プローブの痕跡が認めらなくなる時間を乾燥時間とした。
((i)塗布体の流動性): 塗布体の流動性は、100mm角、厚さ5mmのアルミ平滑板の中心部に吐出液を約5滴流下、流動液の広がりを計測し、評価の判定は、流動性の広がりを目視並びにデジタルカメラ撮影によった。(○)は適正な流動を示し、流動後は粘着性を保持した。(×)印は過流動を示し、粘着性を示さなかった。(△)は流動性、粘着性とも若干不足した。
((k)重合体の架橋性(耐熱性)): 前記(i)硬化物(72時間養生)の細片(約3mm角、厚さ約1mm)を使用して、前記の加熱部用アルミ製ブロック上に該細片をセットし、毎分10℃で定速昇温し、細片の外観(軟化状態等)をルーペで観察した。
末端OH型重合体の加熱下短時間合成確認と該重合体等の評価、並びに本発明(連続実機製造)装置の基礎設計値データ取得を目的として、表1(実験NO1−1〜NO1-4)の試験を行った。本発明では、短時間合成に伴い反応熱が多量に発生する。そのため反応熱の影響を極力抑えるため少量反応系によった。先ず、NO1−1について説明する。室温下、前記貯留容器に充填された第1剤、第2剤を、三方弁を介して、1ml/2.5ml用シリンジに夫々、0.6ml、2.5mlをピストンで押し下げ吸引採取した。次いで、シリンジ吐出口から混合機までの流路に貯留される液剤の計量誤差をさけるため三方弁を取り外し、シリンジ内の2剤を定速押し出し、室温下、混合機内に直接吐出した。次いで、混合機を塩化ビニリデンフィルムで撹拌棒をセットした容器を覆った。その後、室温下、手動混合で15秒間急速撹拌した。この間、反応熱の発生は無かった。
次いで直ちに、予め加熱され加熱部(温度約80℃)に混合機をセットし、該温度で約15秒間混合した。最初、室温下の混合機を加熱ブロックにセットすることにより、一時的に液剤温度は低下(約60℃)したが、その後、約15〜30秒、急激な反応が起こり、その反応熱で温度は急上昇し液温は80℃を超えた。その後、緩やかな撹拌を続け、液温を約80℃に保持し、混合機内の生成液の流動性(e)を評価した後、直ぐ、加熱ブロックから混合機を素早く引き上げ混合機底部吐出口のアルミテープを剥がし、約0.3mlの流動液を前記アルミ平板上(室温)に塗布した。塗布後は素早くアルミテープで吐出口を塞ぎ、再度加熱ブロックにセットし、更に緩やかな撹拌を続けながら加熱昇温した。又、得られた塗布体については、(f)粘着性、及び(g)オープンタイムを測定した。その結果を表1に併記した。
末端NCO型(湿気硬化型)重合体について、実施例1と同じ目的で試験した。NO2−1について説明する。この試験は、表1に示すように、第2剤の配合処方を変え、且つ,NCO/OH比変えた他は実施例1に則り、末端NCO基型重合体生成とその評価を行った。その結果を、表1に併記した。又、NO2−2〜の2−3の試験についても、実施例1と同様、NO2−1を定速加熱した。NO2−3(温度約140℃)について、生成された重合体の(e)流動性、(f)粘着性、及び(g)オープンタイム等を測定し、結果を表1に併記した。なお、重合体の生成に伴う発熱挙動については実施例1と同様の傾向を示した。即ち、最初の加熱(80℃: NO.2−1)において、急激な反応熱の発生が認められたが、その後、140℃までの昇温において、液温も定速昇温されたことから反応熱の生成は観測されていないと考えられた。
塗布体の流動性を評価するために、表1に示す、無触媒処方を使用して、(e)加熱時流動性、(f)塗布体の粘着性及び(g)塗布体の流動性を測定した。実施例2(NO2−3)と比較した。その結果、塗布体の粘着性を示すことができず、又、塗布体の流動性が著しく、本発明の重合体として不適であった。
1.重合体の生成/加熱下短時間合成: 実施例1(NO1−1〜1−4)、表1の、加熱温度/時間を変えた試験から、最初の加熱(80℃: NO1−1)において、急激な反応の発生が認められた。その後、加熱温度を100℃〜140℃(NO1−2〜1−4)に追加加熱を行っても反応熱の生成は認められなかった。このことから、最初の加熱で重合体の生成が短時間で行われ且つ反応が収束され、その結果、重合体が短時間で安定的に生成できることが示された。そして、以下の試験からも裏付けることができる。
即ち、(e)の流動性試験から、生成重合体の流動性は温度が上昇に伴い増加した(80℃(+)〜140℃(+++))。このことは、生成された重合体の粘度が温度上昇により低下したことを示し、高分子理論と合致する。
更に、(f)の塗布体の粘着性(固着性)から、NO1−1〜NO1−4の粘着性は、NO1−1が若干低下する傾向が認められたが、全体として良好であった。更に、(g)の塗布体のオープンタイムにおいても、塗布直後と室温3日経過後についても、何れも粘着性に変化は認められなかった。
更に、実施例2(NO2−1〜2−3)の、加熱温度/時間を変えた試験から、最初の加熱(80℃: NO1−1)において、急激な反応の発生が認められ、その後、加熱温度を100℃〜140℃(NO2−2〜2−3)に追加加熱を行っても反応の生成は認められなかった。実施例1と同様、最初の加熱で重合体の生成が短時間で行われ且つ短時間で反応が収束されたことが示唆された。又、粘着性(固着性)も十分であった。以上のことから、実施例1と同様、重合体の加熱下短時間合成が適正に実施できることがわかった。
ここで、実施例2(NO2−3)の重合体については、(g)のオープンタイムが30分、(h)の塗布体表面の乾燥時間が60分であることは、重合体が湿気硬化性であることに基づく。そして、室温放却に伴う初期固着性は高粘着が保持されたことにより良好であった。又、該粘着状態が約30分保持されたことにより接着張り合わせ等の作業性は良好であった。又、60分後には硬化(架橋)が開始され良好な湿気硬化性を示した。以上のことから、該オープンタイム、乾燥時間が何れも適切であることが示された。
又、(i)塗布直後の塗布体の被着材面上の流動挙動がレジタルカメラで撮影され、映像がコンピュータに取り込み画像拡大し観察した。この重合体画像(NO2−3)と比較例1画像を比較することにより、該画像解析が重合体生成の確認に有効であることがわかった。
更に又、NO2−3における架橋体の適格性については、(j)の強度、(k)の耐熱の評価から、強靭且つ耐熱性に優れる硬化体が得られた。このことから、重合体の硬化(架橋)が適切に進行することが確認された。
(1)NO1−1(設定温度80℃)は生成重合体の反応は、該温度、該反応時間内で急激な発熱を計測し、反応が略収束しているものと考えられた。このことから、NO1−1は、本発明の重合体の条件として満足しており、この重合体の生成条件が、標準系重合体の生成条件に採用できるものと考えられた。
(2)NO1−2(設定温度100)は、NO1−1を加熱昇温させ、反応の収束(完結)を目指したものである。この操作により、発熱については認められず、このことから反応は既に収束していると考えられ、この重合体の生成条件が、実操作系重合体の生成条件に採用できるものと考えられた。
(3)確認判定は、NO1-2とNO1−1の重合体生成反応の収束性の比較、即ち、NO1−1の生成条件(標準系/入力データ)、NO1−2の生成条件(実操作系/計測データ)の対比により行うことができる。そして、実施例の結果も、その確認法が適正であることを示した。
本実施例により、重合体の超短時間、且つ安定的生成が可能なことが示された。更に、得られた重合体が本発明の重合体として適切な機能を有することが示された。更には重合体並びに架橋体の評価/判定に対しても有効であることが示され、同時に、本発明実機用装置の基礎設計値データとして有用であることが示された。又、該実機装置については、これら実施例等に加え、必要に応じ公知技術(自動化技術、計測/制御技術、並びにコンピュータ技術等)の付加により得られることは明白である。
11 第1剤用精密定量吐出機
12 第1剤用切り替え弁
10a 第1剤用液量残量計測センサー
10b 第1剤用液量供給計測センサー
20 第2剤用貯留容器
21 第2剤用精密定量吐出機
22 第2剤用切り替え弁
20a 第2剤用液量残量計測センサー
20b 第2剤用液量供給計測センサー
30 混合機
31 混合容器
32 混合撹拌機
33 スタティックミキサー外筒
34 スタティックミキサー混合エレメント
35〜36 コネクター
30b 混合性計測センサー
30c 混合機温度計測センサー
30d 反応時間計測センサー
40 貯留器
40b 重合体組成計測センサー
40c 貯留器温度計測センサー
40e 溶融粘度計測センサー
41K、61K 切り替え弁
43h、43s、43t : 粘度センサーの本体、検出部、温度計
44h、44s、44o、44t: 粘性抵抗センサーの本体、検出部、オリフィス、温度計
45、45(b1),45(b2): 光学センサーの透光部、入射側(光源側素子)、反射側検知部
50 加熱部
60 吐出部
61 吐出弁
62 台座
60c 吐出部温度計測センサー
61D 逆止弁
63S 吐出機シリンダー
63P 吐出機ピストン
70 塗布体
70b 塗布体光学センサー
70c 塗布体温度センサー
71 被着材
80 制御部
Claims (9)
- 反応性ホットメルト組成物又はホットメルト組成物の主成分である熱可塑性重合体(以下重合体と略す)を連続的に生成する装置であって、該装置は、(1)該重合体を生成するための原料である第1剤、第2剤の夫々を貯留するための貯留容器、(2)貯留容器から、第1剤、第2剤を常に一定の比率で混合機に供給するための2機の精密定量吐出機、(3)切り替え弁、(4)加熱部を有するか又は有しなくともよい混合機、(6)加熱部を有する吐出部を有し、更に、(A)該重合体の生成を確認する手段を具備し、該重合体生成確認手段が、(a1)発熱ピーク温度又は発熱ピーク時間の計測、(a2)重合体生成計算、(a3)溶融粘度の計測、(a4)組成の計測の何れか又はその組み合わせであることを特徴とする熱可塑性重合体の製造装置。
- 更に,(4)の混合機と(6)の吐出部の間に、(5)加熱部を有する貯留部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性重合体の製造装置。 - 更に,(B)該重合体の塗布を確認する手段を具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱可塑性重合体の製造装置。
- 前記(B)の該重合体の塗布確認手段が、(b1)被着材上に塗布された塗布体の温度、(b2)外観、(b3)色調の計測の何れか又はその組み合わせであることを特徴とする請求項3に記載の熱可塑性重合体の製造装置。
- 請求項1記載の計測((a1)〜(a4)),から得られる信号をコンピュータに入力し、コンピュータによりリアルタイムでデータ処理され、重合体の生成の確認を判定する
検査手段、並びに重合体の生成の履歴を管理する管理手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の熱可塑重合体の製造装置。 - 請求項4の計測((b1)〜(b3)),から得られる信号をコンピュータに入力し、コンピュータによりリアルタイムでデータ処理され、重合体の塗布の確認を判定する検査手段、並びに重合体の塗布の履歴を管理する管理手段を具備することを特徴とする請求項4に記載の熱可塑性重合体の製造装置。
- 請求項1〜6何れか1項に記載の製造装置で、重合体の生成と塗布を一体化して行うことができることを特徴とする請求項1〜6何れか1項に記載の熱可塑性重合体の製造装置。
- 請求項1〜7何れか1項に記載の熱可塑性重合体製造装置を用いて、反応性ホットメルト又はホットメルト用熱可塑性重合体を製造することを特徴とする反応性ホットメルト又はホットメルト用熱可塑性重合体の製造方法。
- 請求項8に記載の製造方法において、前記、混合機の温度が20〜250℃、吐出部の温度が50〜280℃であることを特徴とする請求項8記載の反応性ホットメルト又はホットメルト用熱可塑性重合体の製造方法。
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