JP5047713B2 - 感光体微小領域の潜像計測装置 - Google Patents
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例を挙げると、(1)カンチレバー方式:感光体表面と探針の間に働く力F(静電引力など)による片持ち梁の機械的変位、あるいは振動状態の変化を片持ち梁の背面にレーザ光を照射し、反射した光を光検出し、その変位量の値から表面電位を知る方法(特許文献1:特開平5−119093号公報、特許文献2:特開平5−149988号公報参照)、(2)エレクトロメータ方式:感光体表面に近接して、ある面積を持つ電極を配置し、電極に誘導された電荷がグランドに対して持つ電位を測定する方法(特許文献3:特開平11−184188号公報、特許文献4:特開平11−184189号公報、非特許文献1:W. Hillen et al, SPIE Vol.914 Medical Imaging II(1988) p253、非特許文献2:Enrique Garcia et al, IEEE Transaction Devices 38(5)(1991) p1077参照)、(3)光減衰による変位電流方式(誘導電流方式):感光体表面に近接して設置された電極で、帯電した感光体表面に極小の光スポットを照射し、光減衰による表面電荷の消失によって電極に誘導される電荷量(誘導電流)を測定し、表面電位を知る方法(非特許文献3:竹嶋基治他、Japan Hardcopy 2001論文集,B-32,第281頁、非特許文献4:J.A.Rowlands et al, Med. Phys. 18(3), May/Jun 1991,p421参照)等がある。
特許文献5:特開2006−84434号公報には、耐絶縁性をμmオーダの精度で評価することが記載されており、特許文献6:特開2006−10430号公報には、検出手段の引き込み電圧の影響に起因する測定誤差を防止することが記載されており、特許文献7:特開2005−166542号公報には、表面電位分布を2次電子によらずに極めて高精度に測定することが記載され、特許文献8:特開2004−251800号公報には、荷電粒子ビームの照射電流を、表面電荷分布を消失させない大きさに設定し、表面電荷分布を精度よく測定する方法が記載されている。
しかし、サンプルを真空中においての測定となり、劣化したサンプル上につくられた静電潜像を評価したいときには、測定までに時間が経過することと、真空に引くことで、表面に何かがついていた場合には、それが除かれてしまい、劣化状態が変わってしまうことは十分あり得る。したがって、本発明とは構成、技術課題、および目的が異なる。特許文献9は本発明者に係る既発明の公開公報であり、本発明は特許文献9の改良された応用発明に当たる。
特許文献9:特開2006−38666号公報には、光減衰電位変化による変位電流測定において、副走査方向の空間分解能を確保しながら検出信号のS/N比を向上させることが記載されている。
〔目的1〕
円筒状感光体の周囲に、帯電器、露光器(1)(潜像書込手段)、透明導電電極と、その背面側に露光器(2)(検知光露光手段)、除電器がこの順に配置されており、露光器(1)で感光体表面上に潜像パターンを形成し、該パターンが透明導電電極部に来たとき、感光体の回転移動を停止し、露光器(2)で1ショットパルス露光を行ない、感光体上の電荷の光減衰に伴い透明導電電極に誘起される信号を採取し、次に感光体を露光器(2)の周方向のビーム幅(以下「厚み」と記載)以上にステップで移動し、同様にして信号採取を繰り返す測定装置にあって、露光器(1)により形成される潜像パターンが、感光体回転方向に少なくとも2本/mm以上のラインパターンであるように露光器(1)を制御し、潜像を形成することで、感光体の解像度特性が感光体への負荷と伴に、どのように変化するかを容易に評価できる微小領域潜像計測装置を提供する。
〔目的2〕
請求項1において露光器(1)で形成される潜像のラインパターンが概ねV字型に減衰した電位パターンとなるように露光器(1)を制御し、潜像を形成することで、感光体の解像度特性を容易に評価できる微小領域潜像計測装置を提供する。
〔目的3〕
請求項2の潜像パターンにおいて、1つのV字型電位パターンの片側傾斜部の幅が、1回のステップ移動距離の2倍以上の距離になるように露光器(1)を制御し、潜像を形成することで、感光体の解像度特性を容易に評価できる微小領域潜像計測装置を提供する。
〔目的4〕
請求項3の潜像パターンにおいて、2つのV字型電位パターンに挟まれる未露光部の電位は少なくも1回のステップ移動距離の2倍以上の距離であって、この範囲の最大電位と最小電位の差が100V以内であるように露光器(1)を制御し、潜像を形成することで、感光体の解像度特性を容易に評価できる微小領域潜像計測装置を提供する。
〔目的5〕
請求項1〜4における露光器(1)をラインビームレーザとすることで、解像度評価用潜像パターンの形成が容易な微小領域潜像計測装置を提供する。
〔目的6〕
請求項1〜5における露光器(2)がラインビームであって、このラインビーム長が露光器(1)のラインビーム長より短いラインビームレーザであることで、精度の良い電位計測を可能とする微小領域潜像計測装置の提供。
〔目的7〕
請求項1〜6において、露光器(1)のラインビームレーザの光パワー出力が、対象となる感光体の「必要露光エネルギー」に対し、該エネルギー以下、好ましくは1/2以下の露光エネルギーが到達するように制御されることで、解像度を評価しやすい潜像パターンの作成が容易になることを目的とした微小領域潜像計測装置。
(1)「円筒状感光体の周囲に、帯電器、露光器(1)(潜像書込手段)、透明導電電極と、その背面側に配置される露光器(2)(検知光露光手段)、除電器がこの順に配置されており、露光器(1)で感光体表面上に潜像パターンを形成し、該パターンが透明導電電極部に来たとき、感光体の回転移動を停止し、露光器(2)で1ショットパルス露光を行ない、感光体上の電荷の光減衰に伴い透明導電電極に誘起される信号を採取し、次に感光体を露光器(2)の周方向のビーム幅(以下、厚みと記載)以上にステップで移動し、同様にして信号採取を繰り返す測定装置にあって、露光器(1)により形成される潜像パターンが、感光体回転方向に少なくとも2本/mm以上のラインパターンであるように露光器(1)を制御し、上記各ラインパターンにおけるラインの厚み方向の電位形状を、該ラインに挟まれた未露光部分の電位を含めて計測することを特徴とする微小領域潜像計測装置。」;
(2)「前記露光器(1)で形成される潜像のラインパターンが、概ねV字型に減衰した電位パターンとなるように露光器(1)を制御することを特徴とする前記第(1)項に記載の微小領域潜像計測装置。」;
(3)「前記潜像パターンにおいて、1つのV字型電位パターンの片側傾斜部の幅が、1回のステップ移動距離の2倍以上の距離になるように露光器(1)を制御することを特徴とする前記第(2)項に記載の微小領域潜像計測装置。」;
(4)「前記潜像パターンにおいて、2つのV字型電位パターンに挟まれる未露光部の電位は少なくも1回のステップ移動距離の2倍以上の距離であって、この範囲の最大電位と最小電位の差が100V以内であるように露光器(1)を制御することを特徴とする前記第(3)項に記載の微小領域潜像計測装置。」;
(5)「前記露光器(1)がラインビームレーザであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の微小領域潜像計測装置。」;
(6)「前記露光器(2)がラインビームであって、このラインビームの主走査方向の長さが露光器(1)のラインビームの主走査方向の長さより短いラインビームレーザであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の微小領域潜像計測装置。」;
(7)「前記露光器(1)のラインビームレーザの光パワー出力が、対象となる感光体の必要露光エネルギーに対し、該エネルギー以下、好ましくは1/2以下の露光エネルギーが到達するように制御されることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の微小領域潜像計測装置。」
ここで、本発明における前記第(7)項に記載の「必要露光エネルギー」とは、所定の帯電電位(400V以上)から100V(絶対値表記)へ減衰させるのに必要な露光エネルギーを意味する。
また、請求項2、3、4により、感光体の解像度特性を容易に評価できる。
また、請求項5により、解像度評価用潜像パターンの形成が容易となる。
また、請求項6により、精度の良い電位計測を可能とする微小領域潜像計測装置を提供できる。
さらにまた、請求項7により、解像度を評価しやすい潜像パターンの作成が容易になる。
これまで、感光体の表面電位を測定する測定器は振動容量型と言われる方式で行なわれてきた。この測定器で感光体と表面電位計プローブ間のギャップは通常1mm〜3mmで使用されることが多いがプローブが検出する領域は5mmφ〜20mmφになり、空間分解能の点から、1mm以下の領域の電位計測は不可能であった。そこで先述した種々の技術が検討されているが、それぞれ実用化する上で困難な問題があり、鋭意開発努力が続けられている。本発明は感光体の光減衰を利用した方式をベースにし、この方式で感光体上の1mm幅以下の領域における潜像電位のくずれを評価する方法および装置の提供を目的としている。また、この方式で評価しやすい微小領域潜像パターンの提供を目的としている。潜像電位のくずれは、初期状態(未使用)の感光体上に微小領域潜像パターンを形成し、これを本発明方式の測定装置で測定した後、感光体に負荷を与えて劣化させてから、再度微小領域潜像パターンを形成して同様に測定し、評価することになる。この結果から感光体の負荷に対する耐性を判断できる。このとき、微小領域潜像パターンとしては1mm幅に1本のライン状の電位減衰部でもよいが、露光部と未露光部が存在すると、パターンの形、およびくずれを評価しやすいため、2本以上が好ましい。また、ライン状とすることで、解像度評価としてこの潜像のくずれの評価が使いやすくなる。
すなわち、評価したい部分(電位データで表現したい部分)の幅は、測定ステップ(移動距離)の2倍以上あるのが好ましい。上限は1mm幅に収まるように決めることになる。
この潜像パターンの形成に使用する露光器は結像光学系、ビームスキャン方式の書込み光学系、等で実現できる。しかしながら本発明の方式においては、ラインパターンは感光体回転方向には1mm幅、感光体軸方向には検知光(ラインビーム)の長さ(20mm)以上が必要であり、このサイズで軸方向に均一な照度の露光が必要となるが、光学系の設計に工夫が必要となり、実現は困難である。また、ビームスキャン方式の露光器では軸方向に一定な照度の露光は容易であるが、感光体の線速、書込みの副走査方向の解像度(dpi)、ポリゴンのミラー面数等から、ポリゴンの回転数(rpm)を決め、主走査方向の露光開始のビームのタイミングをとる必要があり、また、主走査方向のライン毎にビーム強度を設定する必要があり、光学系の制御はレーザプリンターの書込み光学系の制御と同じ精度で行う必要があるなど、測定装置への組み込みは使いこなしに難がある。このため、潜像パターンの形成に使用する露光器としては、検知光として使用する露光器と同様にラインビームレーザを別に用意し、使用するのが好ましい。この場合は感光体軸方向(主走査方向)には既に長さが確保されており、回転方向(副走査方向)には感光体線速に合わせて露光幅が1mmになるように露光器の点灯時間を決め、この時間内で光パワーを制御することで、容易に潜像パターンを形成することができる。このとき、ラインビームレーザの副走査方向のサイズ(厚み)は測定ステップ以下であることが好ましい。ただし、ラインビームレーザのサイズはガウシアンビームレーザのサイズの定義から最大の光パワーが1/e2(=13.5%)になる位置をサイズとしているが、特殊な光学系を使いラインビームにしているため、ガウシアンビームとは異なる。実際にはビームの裾切れが悪く、サイズ(厚み)は広いビームになり、測定ステップ以上に露光域が広範囲になってしまう。このことをふまえ、露光パワーを制御することで目的の潜像パターンを得ることができる。具体的には対象となる感光体の「必要露光エネルギー」(ここで、「必要露光エネルギー」とは、上記のように、所定の帯電電位(400V以上)から100V(絶対値表記)へ減衰させるのに必要な露光エネルギーを意味する)に対し、このエネルギーを与える露光パワーを小さくすることで、裾切れの悪さによる露光領域の広がりを修正し、適正なラインパターンの潜像を得ることができることが見いだされた。また、露光を受けている時間を短くすることでも、同様の効果を得ることができる。露光時間を短くする方法としては、露光器の点灯時間を制御して短くするか、感光体の線速を早めることで達成される。後者は必要露光エネルギーより小さいエネルギーを与えることに相当する。
以上から、得られる潜像パターン(説明図)を図1に示した。図中の点線の細長い四角は露光器(2)による検知光に相当する。
<装置構成について>
測定装置は図2に示す構成であり、動作は感光体ドラムを回転させ、帯電(スコロトロン帯電器による)、露光器(1)による書き込み(露光時間=狙いの書込幅/感光体線速)、形成された潜像が電極部に来たところで帯電・回転を停止、露光器(2)(ラインビームレーザ(主走査方向)20mm×(副走査方向)24μm−655nm−)を検出光として照射する。電位減衰による誘導電流(変位電流)を測定すると、感光体ドラムを次の測定位置まで回転・移動(50μm)させて次の検出光を照射し、誘導電流(変位電流)を測定する。この測定を潜像幅全体を測定するまで繰り返す(図2、図3)。あらかじめ、帯電電位とそのときの誘導電流(変位電流)の大きさの関係を調べておき、測定した誘導電流(変位電流)の大きさからそのときの帯電電位を求め、これを潜像幅に対してプロットすることで、潜像の1次元プロファイルを知ることができる。
図2に示す実験装置は以下の機器で構成した。
・帯電器:メイン用 高圧電源 トレック社 610C
グリッドバイアス用電源 松定プレシジョン(株) HJPM-1.5
・表面電位計:トレック社 モデル344
・露光器(1):Global Laser社 Lyte-MV レーザラインジェネレーターモジュール 放射角30°、
波長635nm、
焦点距離 モジュールのレーザ出射端より83mmの位置になるよう、モジュール内の光学系を調整
露光パワー制御 リニア変調DC0〜1V(at DC〜200kHz)
出力される光パワーは減光フィルター1/125で減光した上で、DC0〜0.5V
の範囲で点灯する。(図15参照)
露光時間制御 (形成したい潜像パターン幅/感光体線速)+調整露光時間、露光パワ
ーの制御は任意波形発生装置(アジレント・テクノロジーHP33220A)に
よる
取り付け位置 水平に対し斜め45°で取り付け
波長655nm
ラインの厚み24μm
ラインの長さ20mm
焦点距離 レーザ出射端と感光体の距離74mm−本露光器の固有な値(固定)
露光エネルギー レーザパワー×レーザ点灯時間で設定する。レーザパワーはLD駆動電
流による。ここでは表面電位800(-V)を100(-V)に減衰させる前記定義の
「必要露光エネルギー」を露光することにし、レーザ点灯時間2μsに
固定し、レーザパワーを感光体の感度特性に合わせ設定した。すべてこ
の条件で露光する。
・透明導電電極:基板:
石英ガラス 10mm×30mm×1mmt
感光体に対向する面 反射防止膜付き導電電極:
ITO(102.8)/SiO2(103.15)
裏面(レーザ入射側)反射防止膜:
Ta2O5(25.49)/SiO2(38.15)/Ta2O5(86.74)/SiO2(111.65)
( )の数値は膜厚で単位はnm
感光体とのギャップは全て0.1mmとした。
・露光器(2)のトリガー:任意波形発生装置(アジレント・テクノロジーHP33120A)
One shot pulseを発生させトリガーとした。
発生パルス幅は2μsにした。
取り付け位置 水平位置
・信号処理系:電流増幅器(KEITHLEY 428)+オシロスコープ(横河電機 DL708)
・コントローラ:PC(自作ソフト)、測定装置の制御、データ処理
・ドラム回転装置:駿河精機(株)精密回転ステージ KS432-75
ドライバー D220
分解能 0.0025°/パルス
位置決め精度 0.03°
回転速度 12.5°/sに設定した。
・感光体ドラム:当社製造の積層OPC(有機光半導体)ドラム60mmφ×334mm長、帯電電位800(−V)から100(−V)への電位減衰に必要な露光エネルギーは655nmにおいて概ね0.3μJ/cm2前後である。
(1):まず、測定対象の感光体ドラム(未使用品)について、検量線データを測定した。
帯電器のスコロトロングリッドバイアス、ワイヤに印加の高電圧を順次かえ、帯電部が電極部に来たところで、回転を止め、検知光を照射した。検知光は6回照射し、最初の2回のデータは破棄し、残りの4つのデータの平均値をその帯電電位で得られる信号強度とした。狙いの帯電電位は以下の通り。測定される信号データの例は図4に、得られた検量線データの例は図5に示した。測定時のタイミングは図3に示したタイミングにおいて、露光器(1)「潜像書込」を無効にして行なった。
下記は狙いの帯電電位。
900(−V)、800(−V)、700(−V)、600(−V)、500(−V)、400(−V)、300(−V)、200(−V)、100(−V)
なお、検量線データ測定時、および潜像パターンデータ測定時に最初の2つのデータを破棄している理由は、露光器(2)のラインビームの周方向のサイズは24μmであるが裾切れが完全ではなく、100μm先まで影響を及ぼしているためである。
Al蒸着PETフィルム(厚み0.1mm)に1mmφの貫通孔を設け、Al面を上にしてAlドラムに巻き付けた。フィルムのAl面に100Vの電圧を印加した。Alドラムはグランドに設置した。この状態で、市販の振動容量型表面電位計を使用し、ドラムの軸方向、および周方向に電位計プローブを0.5mmのギャップを維持しながらスキャンし、0.1mmのピッチでデータを採取し、グラフ化した。図8に示すように、ピンホールのサイズは2mmφ程度に計測され、また、0V電位であるはずのピンホール中心部も55V程度に測定され、従来の振動容量型表面電位計では空間分解能が不足し、1mm内の潜像を測定することは不可能であることがわかる。
実施例1と同様に感光体(未使用品)の検量線データを測定し、次に初期の潜像パターンを測定した。その後、感光体をオゾン雰囲気(5ppm)中に置いた。初期、1日後、2日後、4.5日後に取り出し、潜像パターンの測定を行なった。
結果を図9−1,図9−2,図9−3,図9−4に示す。4.5日後に潜像パターンにくずれが生じていることが分かる。特徴はV字型ライン部の電位が浅くなっていることと、V字型パターンの幅が広がっていることである。前者は、一見、感光体の感度特性に劣化(感度が遅くなる)が生じているように受け取れるが、感光体の感度特性に依存する「検量線データ」をこの時点で取り直すと、初期とちがいはほとんどなかった(図10参照)。感度の劣化ではなく、感光体表面の静電荷が表面抵抗が低くなり、潜像が表面方向で流れていると推測される。この根拠として、V字型の減衰部分の図中の面積を計算すると(概算)、初期から4.5日後も大きなちがいはなく、露光器(1)の露光で消えた電荷量にちがいは生じていないと言える。また、この1mm幅内で見られる「潜像のくずれ」が生じたとき、感光体ドラムのマクロな特性である帯電特性(帯電のしやすさ、暗中での電荷保持能)、感度特性(光による電位の放電特性)、残留電位特性には初期と比較し、変化はなかった(図11)。これまでの評価方法でとらえることのできない微小領域の特性を本発明の計測装置でとらえることが可能になったことが分かる。
(1)1つのV字型潜像パターンをつくるときの露光エネルギーの決め方について:
感光体はこれまでものと異なるが当社の積層OPCを用いた。帯電電位800(−V)から100(−V)への電位減衰に必要な露光エネルギーは655nmにおいて概ね0.23μJ/cm2であった。
この感光体に250μm幅の1つのV字型パターンをつくるときの露光器(1)ラインビームの光パワーをつぎのようにして決めた。
感光体ドラム上の1点が受ける露光エネルギーE:
E=(ラインビームの厚み)/v×(P(t)/ビーム面積)・・・・・・(1)
(1)式の前半はドラム上の1点が露光されている時間(s)を与える。
(1)式の後半は光パワーの密度を与える。
vはドラム線速
P(t)は光パワー(時間の関数)
ビーム面積は「ラインビームの厚み×長さ」なので
(1)式に代入して
E=1/v×P(t)/ビームの長さ
P(t)は狙いの潜像幅をつくるために点灯している時間の間に、0からPmax、へと直線的に増加し、つぎに、Pmaxから0へとの直線的に減少するので、この露光時間中の平均光パワー値は、Pmax×(1/2)とおく。
したがって
E=1/v×Pmax/ビームの長さ×(1/2)
具体的な数値を次のようにすると、
v=0.6545(cm/s)(ドラムの回転速度は12.5°/sであることと、60mmφドラムであることによる)
Pmax=1(μW)(制御電圧0.125V、減光フィルター1/125による)
ビームの長さ=3(cm)
計算すると、
E=0.25(μJ/cm2)
であり、本発明で定義される前記必要露光エネルギーと変わらない値になる。
Claims (7)
- 円筒状感光体の周囲に、帯電器、露光器(1)(潜像書込手段)、透明導電電極と、その背面側に配置される露光器(2)(検知光露光手段)、除電器がこの順に配置されており、露光器(1)で感光体表面上に潜像パターンを形成し、該パターンが透明導電電極部に来たとき、感光体の回転移動を停止し、露光器(2)で1ショットパルス露光を行ない、感光体上の電荷の光減衰に伴い透明導電電極に誘起される信号を採取し、次に感光体を露光器(2)の周方向のビーム幅(以下、厚みと記載)以上にステップで移動し、同様にして信号採取を繰り返す測定装置にあって、露光器(1)により形成される潜像パターンが、感光体回転方向に少なくとも2本/mm以上のラインパターンであるように露光器(1)を制御し、上記各ラインパターンにおけるラインの厚み方向の電位形状を、該ラインに挟まれた未露光部分の電位を含めて計測することを特徴とする微小領域潜像計測装置。
- 前記露光器(1)で形成される潜像のラインパターンが、概ねV字型に減衰した電位パターンとなるように露光器(1)を制御することを特徴とする請求項1に記載の微小領域潜像計測装置。
- 前記潜像パターンにおいて、1つのV字型電位パターンの片側傾斜部の幅が、1回のステップ移動距離の2倍以上の距離になるように露光器(1)を制御することを特徴とする請求項2に記載の微小領域潜像計測装置。
- 前記潜像パターンにおいて、2つのV字型電位パターンに挟まれる未露光部の電位は少なくも1回のステップ移動距離の2倍以上の距離であって、この範囲の最大電位と最小電位の差が100V以内であるように露光器(1)を制御することを特徴とする請求項3に記載の微小領域潜像計測装置。
- 前記露光器(1)がラインビームレーザであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の微小領域潜像計測装置。
- 前記露光器(2)がラインビームであって、このラインビームの主走査方向の長さが露光器(1)のラインビームの主走査方向の長さより短いラインビームレーザであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の微小領域潜像計測装置。
- 前記露光器(1)のラインビームレーザの光パワー出力が、対象となる感光体の「必要露光エネルギー」に対し、該エネルギー以下、好ましくは1/2以下の露光エネルギーが到達するように制御されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の微小領域潜像計測装置。
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