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JP5050205B2 - 孔の孤立したハニカム構造体の製造方法 - Google Patents
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JP5050205B2 - 孔の孤立したハニカム構造体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ハニカム構造体の製造方法に関するものであり、より詳細には、耐熱性および耐薬品性に優れており、さらに、孤立した空孔を有するハニカム構造体を製造するための方法に関するものである。
近年、ハニカム構造体は、光学・電子工学およびバイオテクノロジーの各分野への応用が期待されている。光学・電子工学の分野では、例えば、高機能の複合材料、触媒、非線形光学材料、記憶素子などへの応用が期待されている。バイオテクノロジーの分野では、ハニカム構造を有する多孔性フィルムにおいて、そのハニカムパターンが細胞接着面を提供し、多孔質構造が細胞の支持基盤へのアクセス、栄養の供給ルートとなることが示されている。
サブミクロンから100ミクロン程度の均一な空孔を持つハニカム構造体を得る方法としては、ナノインプリントを含む金型技術がある。しかしながら、この方法では、鋳型を剥離する際に空孔の形状が崩れるため、原理的に鋳型の構造を正確に反映させることが難しい。
また、コロイド微粒子分散液を乾燥させ、集積したコロイド結晶を鋳型としてハニカム状の多孔質膜を得る方法が知られているが、集積に時間がかかること、材料を流し込んだ後、上記と同様、鋳型を除去しなければならないことなどの問題があった。
そこで、上記の方法に対し、自己組織化現象を利用してハニカム構造体を製造する技術が研究されてきている。これは、空気中などから凝縮する液滴およびその溶媒界面に析出するポリマーが3相境界域に自己集積することにより、ハニカム構造体を作製できるという方法である。
具体的には、本発明者らによって、ポリマー溶液を固体基板上に塗布(キャスト)し、高湿度の空気を吹き付けることによって生成した水滴を鋳型としてハニカム状の多孔質膜を得る方法が提案されている〔例えば、特許文献1(特開2003−80538号公報(2003年3月19日公開))・特許文献2(特開2003−128832号公報(2003年5月8日公開))参照〕。この自己組織化現象を利用した方法は、複雑な製造装置を用いることなく、また上記の金型技術を用いた製造方法のように製造に長い時間を要することもなく、高精度のハニカム構造体を製造することができる。
しかしながら、上記水滴を鋳型としてハニカム構造を有する高分子膜を作製する技術では、形成される孔を孤立させた状態とすることが困難であるという課題を有している。具体的には、水滴を鋳型とすると、ハニカム状の構造を形成することは可能であるものの、形成される孔同士が連通した状態となってしまう。
上記技術は、本発明者らによって提案されたものであり、ハニカム状の多孔質膜を簡便に作製することが可能な非常に優れた技術である。ところが、形成される孔が連通孔となるため、得られる多孔質膜(ハニカム構造体)の用途が限定されてしまう。それゆえ、形成される孔それぞれを孤立させ、ハニカム構造体の用途をより拡大することが可能な技術の開発が求められている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、液滴を鋳型として自己組織化によりハニカム構造体を製造する際に、形成される孔を孤立した状態とすることが可能な技術を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、液滴を鋳型として孔を有するハニカム構造体を作製してから適切な後処理を行うことで、当該ハニカム構造体本体の一部を微細レベルで融着させ、複数の孔の連通部位を塞いで互いに孤立した空孔を形成することが可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明にかかるハニカム構造体の製造方法は、上記の課題を解決するために、ハニカム状に配列する複数の孔を有するハニカム構造体の製造方法であって、少なくともハニカム構造体の本体となる本体材料を第1溶媒に溶解または分散させた材料溶液を、支持体上に積層することで当該材料溶液の液膜を形成する液膜形成工程と、形成した液膜から第1溶媒を揮発させながら、上記第1溶媒には混合しない第2溶媒の液滴を生じさせることに伴う上記本体材料の自己組織化により、上記液滴を鋳型として複数の孔をハニカム状に形成する孔形成工程とを含んでおり、さらに、上記孔形成工程で得られた膜状体に対して、孔の周囲の構造を部分的に変形または除去することにより、個々の孔を孤立させる孔孤立工程を含んでいることを特徴としている。
上記製造方法においては、上記孔孤立工程では、上記膜状体の加熱による本体材料の溶融、または、本体材料を溶解可能とする溶媒または溶液への膜状体の曝露によって、孔の周囲の構造を部分的に変化させてもよいし、上記膜状体の表面に対する粘着体の密着および剥離によって、孔の周囲の構造を部分的に除去してもよい。この部分的な除去では、例えば、粘着体として接着テープを用いることができる。
上記製造方法においては、上記本体材料として、高分子材料、または、重合反応により高分子化するモノマー材料を少なくとも用いることができる。また、上記本体材料としてモノマー材料が用いられる場合、上記材料溶液には、当該モノマー材料の重合反応を促進する触媒を含有させることができる。
上記製造方法においては、上記第1溶媒が疎水性有機溶媒であるとともに、上記第2溶媒が水である場合を特に好ましい例として挙げることができる。この場合、上記孔形成工程では、第2溶媒の蒸気を含有する気体を液膜に吹き付けることによって、液膜の表面に液滴を形成することが好ましい。
また、上記製造方法においては、上記液膜形成工程では、支持体表面への材料溶液のキャストにより液膜を形成することが好ましい。
さらに、本発明には、上記製造方法によって製造されるハニカム構造体も含まれる。
加えて、本発明にかかる製造方法では、上記液膜形成工程、孔形成工程、孔孤立工程の全てを含んでいる必要は無く、例えば、既に製造済のハニカム構造体を中間体として用いて、これに対して孔孤立工程のみを施すことも可能である。
すなわち、本発明にかかるハニカム構造体の別の製造方法としては、ハニカム状に配列する複数の孔を有するハニカム構造体の製造方法であって、隣接する孔と孔とが互い連通している連通部分を少なくとも一部に有した、液滴を鋳型として少なくともハニカム構造体の本体となる本体材料を自己組織化させることにより製造されたハニカム構造体前駆体に対して、孔の周囲の構造を部分的に変形または除去することにより、上記連通部分における個々の孔を孤立させる孔孤立工程を含んでいることを特徴としている。
上記製造方法においては、上記孔孤立工程では、上記膜状体の加熱による本体材料の溶融、または、本体材料を溶解可能とする溶媒または溶液への膜状体の曝露によって、孔の周囲の構造を部分的に変化させてもよいし、上記膜状体の表面に対する粘着体の密着および剥離によって、孔の周囲の構造を部分的に除去してもよい。この部分的な除去では、例えば、粘着体として接着テープを用いることができる。
上記製造方法においては、上記本体材料として、高分子材料、または、重合反応により高分子化するモノマー材料を少なくとも用いることができる。
本発明では、以上のように、液滴を鋳型として本体材料を自己組織化することによりハニカム構造体を作製した後に、得られたハニカム構造体を完成体としてではなく、中間体として扱い、当該中間体に対して、加熱、溶液への曝露、物理的な加工等の後処理を施している。これにより、ハニカム構造体の孔の形状を制御することが可能になり、孔の連通したハニカム構造だけでなく、個々の孔が孤立(独立)したハニカム構造を製造することができる。また、孔孤立工程を含む一連の製造工程の条件を適宜設定することで、ハニカム構造そのものの形状も制御することが可能となる。
その結果、さまざまな目的や用途に応じて多様な構造のハニカム構造体を得ることが可能となり、ハニカム構造体の利用分野を拡大して、その実用性をさらに一層向上させることができる。
本発明のさらに他の目的、特徴、および優れた点は、以下に示す記載によって十分わかるであろう。また、本発明の利益は、添付図面を参照した次の説明で明白になるであろう。
実施例1で得られたハニカムフィルムの走査線電子顕微鏡(SEM)写真を示す図である。 実施例2で得られたハニカムフィルムのSEM写真を示す図である。 実施例3で得られたハニカムフィルムのSEM写真を示す図である。 実施例4で得られた中間体ハニカムフィルムの光学顕微鏡写真を示す図である。 実施例4で得られたハニカムフィルム(完成体)のSEM写真を示す図である。 実施例5で得られたハニカムフィルムのSEM写真を示す図である。
本発明の一実施形態について説明すると以下の通りであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明にかかるハニカム構造体は、孔の形成後に、当該孔を有する構造体を加熱したり溶媒等に曝露したりする。これら処理により、例えば、孔の周囲の構造体本体を上下に融着させることが可能になるため、当該孔の周囲に孤立した隔壁を形成することが可能となり、孤立した孔を形成することができる。
本発明にかかるハニカム構造体の製造方法を工程に区分するとすれば、ハニカム構造体の本体となる材料(本体材料)の溶液を調製する工程(材料溶液調製工程)、得られた溶液を用いて支持体上に液膜を形成する工程(液膜形成工程)、得られた液膜から溶媒を蒸発させることで本体材料を自己組織化することにより孔を形成する工程(孔形成工程)、形成された孔を孤立させる工程(孔孤立工程)に区分することができる。以下、上記各工程の区分に基づいて製造方法を具体的に説明する。
〔材料溶液調製工程〕
上記材料溶液調製工程では、少なくとも、ハニカム構造体の本体となる本体材料を任意の溶媒(便宜上、第1溶媒と称する)に溶解または分散させて材料溶液を調製する。本発明において用いられる本体材料は特に限定されるものではなく、後段の孔形成工程によって微細な空孔を形成可能とする材料であればよいが、具体的には、例えば、後述する実施例に示すように、各種の高分子材料(ポリマーまたは樹脂)を挙げることができる。
上記高分子材料としては、具体的には、例えば、ポリ乳酸、ポリヒドロキシ酪酸、ポリカプロラクトン、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート等の脂肪族ポリエステル;ポリメチルメタクリレート、ポリテトラヒドロフルフリルメタクリレート等のポリアクリル酸エステル類;ポリブチレンカーボネート、ポリエチレンカーボネート等の脂肪族ポリカーボネート;ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド等のポリイミド類等を挙げることができるが特に限定されるものではない。これら高分子材料は、ハニカム構造体の用途等に応じて適切な材料を選択することができる。また、これら高分子材料は1種類のみ用いられてもよいし、2種類以上を組み合わせたポリマーブレンドとして用いられてもよい。
また、上記本体材料としては、高分子材料そのものではなく、重合反応により高分子化するモノマー材料を用いてもよい。具体的なモノマー材料としては特に限定されるものではなく、例えば、上述した高分子材料の重合に用いられるモノマー化合物を適宜選択して用いることができる。さらに、上記本体材料としては、高分子材料にモノマー材料やオリゴマー材料、あるいはその他の架橋剤を組み合わせてもよい。これによって、液膜を形成した後に、モノマー材料やオリゴマー材料を架橋反応させることにより、分子レベルで三次元構造を有するハニカム構造体を製造することができる。
上記本体材料として、モノマー材料やオリゴマー材料、架橋剤等を用いる場合、必要に応じて触媒を添加して重合反応や架橋反応を促進することができる。触媒としては、モノマー材料等の具体的な種類や重合または架橋反応の種類に応じて、公知の適切な物質を選択して用いることができる。
なお、本発明において用いられる本体材料としては、高分子材料以外の材料を用いることが可能であることは言うまでもない。後述する孔形成工程にてハニカム構造を形成できるとともに、孔孤立工程を実施できる材料であれば、どのような材料でも本発明において使用することができる。
上記第1溶媒は、本体材料として用いられる各種物質を溶解または分散させることができる溶媒であれば特に限定されるものではない。本発明では、上述のように各種高分子材料(またはその原料となるモノマー材料等)を本体材料として好適に用いることができるので、第1溶媒としては、これら高分子材料を溶解または分散可能とする各種有機溶媒を好適に用いることができる。
具体的には、例えば、クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン系有機溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メチルイソブチルケトン等の非水溶性ケトン類;ジエチルエーテル等のエーテル類;等を挙げることができる。また、二硫化炭素等の溶媒も用いることが可能である。これら溶媒は単独で用いてもよいし、必要に応じて2種類以上を組み合わせた混合溶媒として用いることもできる。
後述する孔形成工程では、ハニカム構造を形成するにあたって液膜上に微小な水滴粒子を形成することが、好ましい実施形態として挙げられる。したがって、用いられる第1溶媒としては、水との親和性ができるだけ低い溶媒であることが好ましい。換言すれば、非水溶性(疎水性)溶媒であることが好ましい。
上記材料溶液の調製方法は特に限定されるものではなく、用いる本体材料の種類に応じて、適宜好ましい調製方法を選択して用いればよい。高分子材料の場合、低分子の化合物や物質に比べると、分子量が大きいため溶媒への円滑な溶解が困難となる場合がある。そこで、溶解または分散時に、加熱や超音波の印加等、各種の処理を施してもよい。また、重合反応で得られた高分子の重合溶媒溶液をそのまま材料溶液として用いることも可能である。
さらに、上記材料溶液には、本体材料以外に、ハニカム構造の形成や形状の制御に影響を与えない範囲で、公知の添加剤を加えてもよい。
ここで、本発明においては、本体材料として、主たる材料とは別に、第1溶媒および第2溶媒への双方の親和性を有する両親媒性化合物を併用することが好ましい。これにより、孔形成工程において、第2溶媒の液滴と液膜の第1溶媒との間の表面張力を減少させることができるので、液滴が凝集して1つの塊に融合することを事実上防止することが可能となる。その結果、ハニカム構造をより一層良好に製造することができる。
上記両親媒性化合物は特に限定されるものではないが、第1溶媒として疎水性有機溶媒を用いるとともに第2溶媒として水を用いる場合には、両親媒性ポリマーを用いることができる。両親媒性ポリマーとしては、例えば、ポリアクリルアミドを主鎖骨格とし、疎水性側鎖としてドデシル基、親水性側鎖としてカルボキシル基を併せ持つ両親媒性ポリマーや、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールブロックコポリマーなどが挙げられる。
疎水性側鎖はメチレン基、フェニレン基などの非極性直鎖状基であり、エステル基やアミド基などの連結基を除いて、末端まで極性基やイオン性解離基などの親水性基を分岐しない構造であることが好ましい。例えばメチレン基を用いる場合は5つ以上のユニットからなることが好ましい。
親水性側鎖はメチレン基などの連結部分を介して末端に極性基やイオン性解離基、またはオキシエチレン基などの親水性部分を有する構造であることが好ましい。
疎水性側鎖と親水性側鎖の比率は、その大きさや非極性、極性の強さ、疎水性有機溶媒の疎水性の強さにもよるが、ユニット比率が3/1〜1/3の範囲であることが望ましい。また、コポリマーの場合、疎水性側鎖の親水性側鎖の交互重合体よりも、疎水性溶媒への溶解性に影響しない範囲で疎水性側鎖と親水性側鎖がブロックを形成するブロックコポリマーであることが好ましい。
なお、後述するように、本発明にかかるハニカム構造体は、バイオテクノロジー分野において例えば細胞培養用基材としてい用いることができる。そのため、このような用途の場合には、毒性のない両親媒性化合物を用いることが好ましい。毒性のない両親媒性化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールブロック共重合体、アクリルアミドポリマーを主鎖骨格とし、疎水性側鎖としてドデシル基と親水性側鎖としてラクトース基或いはカルボキシル基を併せ持つ両親媒性ポリマー、またはヘパリンやデキストラン硫酸、核酸(DNAやRNA)などのアニオン性高分子と長鎖アルキルアンモニウム塩とのイオンコンプレックス、ゼラチン、コラーゲン、アルブミン等の水溶性タンパク質を親水性基とした両親媒性ポリマー等を利用することが望ましい。
〔液膜形成工程〕
上記液膜形成工程では、上述した材料溶液を、支持体上に積層することで当該材料溶液の液膜を形成する。ここで言う「液膜」とは、上記材料溶液が、溶液状態のままで支持体表面に膜状に広がって安定して形成されている状態を指すものとする。
上記支持体の材質としては、液膜に対して影響を及ぼさない一方、液膜に含まれる第1溶媒や本体材料、またはその他の添加剤等により、変質したり腐食したりしない材料で形成されていれば特に限定されるものではない。具体的には、例えば、ガラス、金属、シリコンウエハー等の無機材料;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエーテルケトン、ポリフッ化エチレン等の耐有機溶剤性に優れた有機材料;水、流動パラフィン、液状ポリエーテル等の液体;等を用いることができる。後述する実施例では、アルミニウムやガラスを用いている。
上記支持体の具体的な形状は特に限定されるものではなく、その表面で液膜を安定して保持できるような形状であればよい。通常は、平板(基板)が好適に用いられるが、ハニカム構造体の形状に応じて、湾曲した基板を用いてもよい。さらに、連続的にハニカム構造体を大量に生産する場合には、回転ドラムや回転ベルト等の回転体を用いることもできる。
上記支持体の表面は、液膜を保持できるような平滑性を有していればよいが、後述の孔形成工程後に、支持体から引き剥がすことを前提として、引き剥がし性を向上するために公知の表面処理を施していてもよい。
上記支持体上に液膜を積層する具体的な方法としては特に限定されるものではなく、支持体表面へ材料溶液をキャストするキャスト法;バーコーター、ロールコーター、ナイフコーター等の公知のコーティング部材による塗工法;公知の各種ダイを用いた押出塗布法;支持体を材料溶液に浸漬するディップ法;等を挙げることができる。後述する実施例では、キャスト法により液膜を形成しているが、もちろんこれに限定されるものではなく、材料溶液や支持体の種類、製造規模等を考慮して適切な方法を選択して用いればよい。
また、上記液膜の積層方法(形成方法)における条件も特に限定されるものではなく、支持体上に形成した液膜が、孔形成工程に入るまでの間に、状態が変化したり成分が変質したりしない範囲で、積層方法に応じた条件を適宜設定すればよい。
〔孔形成工程〕
上記孔形成工程では、形成した液膜から第1溶媒を揮発させながら、上記第1溶媒には混合しない第2溶媒の液滴を生じさせることに伴う上記本体材料の自己組織化により、上記液滴を鋳型として複数の孔をハニカム状に形成する。
上記第2溶媒として用いられる溶媒は、具体的には特に限定されるものではなく、第1溶媒の種類に応じて、当該第1溶媒と混合しない公知の溶媒を選択して用いればよい。上述したように、第2溶媒としては水を用いることが好ましいが、もちろんこれに限定されるものではなく、各種低級アルコール等の親水性有機溶媒を水と併用して用いることも可能である。
本発明者らによって見出された孔形成工程の特に好ましい形態では、水蒸気を含む気体を液膜に吹き付けることによって、液膜の表面に液滴を形成するとともに、液膜から疎水性有機溶媒を蒸発させることによって、本体材料を自己組織化させる。
より具体的には、支持体上に形成した液膜は、疎水性有機溶媒が蒸発する際に潜熱を奪われる。そのため温度が下がった液膜表面(すなわち、蒸発冷却)では、気体中に含まれる水蒸気が凝結して微小な水滴(液滴)となり、液膜表面に付着する。ここで、上述したように、液膜に含有される両親媒性化合物の親水性部分の働きによって、水滴と疎水性有機溶媒との間の表面張力が減少し、水滴が凝集して1つの塊に融合することが有効に回避される。この状態で、溶媒蒸発と周囲からの補填に基づく液膜内での材料溶液の流れとにより水滴が移送・集積され、さらに横毛管力により最密充填される。充填された水滴を鋳型として液膜に含有される本体材料が自己組織化し、ハニカム状のパターン構造が形成されることになる。
上記水蒸気を含む気体(吹き付け用気体)としては、具体的には、例えば、空気、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスを好適に用いることができる。また、液膜の成分(本体材料や第1溶媒等)の種類や支持体の種類等に応じて、不活性ガス以外の気体を用いることができる。この吹き付け用気体は、単独のガスを用いてもよいし、空気のような混合ガスを用いてもよい。
上記気体においては、良好にハニカム構造を形成するためにも、湿度(言い換えれば第2溶媒の蒸気圧)と流量とを制御することが非常に好ましい。これら湿度や流量の制御方法は、特に限定されるものではなく、ガスの流通や吹き付けにかかわる公知の技術を用いて制御すればよい。また、湿度や流量の具体的な範囲は特に限定されるものではなく、材料溶液や支持体の種類、製造規模等を考慮して適切な条件を設定すればよい。例えば、後述する実施例では、湿度70%、吹き付け流量を2〜3リットル/分の条件としている。
上記吹き付け用気体は、液膜に吹き付ける前にフィルターを通過させるなどの除塵処置を施すことが望ましい。また、雰囲気中の塵は水蒸気の凝結核となって形成されるハニカム構造体に影響を及ぼすため、製造現場にも除塵設備等を設置することが好ましい。
〔孔孤立工程〕
上記孔孤立工程では、上記孔形成工程で得られた膜状体に対して、孔の周囲の構造を部分的に変形または除去することにより、個々の孔を孤立させる。つまり、本発明では、上記孔形成工程で得られたハニカム構造体を中間体として、この中間体に対して孔を孤立させる処理を行う。具体的には、孔が連通している場合には連通箇所を塞ぎ、ハニカム構造の幹や柱がある程度の厚みや幅を有するのであれば、連通部分の周辺を除去する。
孔の連通箇所を塞ぐ方法は特に限定されるものではないが、代表的な方法としては、孔形成工程で得られたハニカム構造体の中間体(膜状体)を加熱して孔の周囲を熱融着させたり、膜状体を各種溶液や溶媒に曝露して部分的に溶解したりして、孔の周囲の構造を部分的に変化させればよい。
上記膜状体を加熱する方法は特に限定されるものではなく、膜状体すなわちハニカム構造体となる本体材料の種類や、ハニカム構造体のマクロの形状(フィルム状の場合、膜厚や幅、長さ等)等の諸条件に応じて、好適な加熱方法を選択すればよい。後述する実施例では、ホットステージを用いてフィルム状の膜状体を加熱している。
上記膜状体を加熱する際の加熱温度は特に限定されるものではなく、本体材料の融点またはガラス転移温度(Tg)に合わせて適切な温度を設定すればよい。高分子材料の場合、Tg付近で加熱することにより、孔の周囲を軟化、融解させて連通孔を有効に塞ぐことができる(例えば、実施例1、2および4の加熱温度を参照)。また、加熱温度を変化させることにより孔の周囲の軟化や融解の程度を制御することができるので、孔を完全に孤立させない状態に留めたり、孤立された孔の壁の厚みを変化させたりすることができる。言い換えれば、本発明では、単に、連通孔を孤立させるのではなく、加熱温度の制御によりハニカム構造そのものの状態を制御することもできる。
上記膜状体を溶液や溶媒に曝露する場合、用いる溶液や溶媒の種類は特に限定されるものではなく、本体材料を溶解可能とするものであればよい。通常は、本体材料に対する良溶媒を用いたり、酸性溶液やアルカリ性溶液等を用いたりすることができる。後述する実施例では、本体材料が各種高分子であるため、例えば、当該高分子材料の良溶媒であるクロロホルムを用いている(実施例3参照)。また、溶液や溶媒への曝露処理も、上記加熱と同様に、曝露条件を変化させたり、用いる溶媒の種類を変えたりすることにより孔の周囲における溶解の程度を制御することができる(例えば、実施例3において、ハニカム構造の幹の太さや柱の高さ等を変化さえることが可能である)ので、孔を完全に孤立させない状態に留めたり、孤立された孔の壁の厚みを変化させたりすることができる。それゆえ、本発明では、溶液や溶媒への曝露条件を制御することによってもハニカム構造そのものの状態を制御することもできる。
なお、上記曝露条件としては、膜状体の溶液または溶媒への曝露時間、曝露温度、溶液または溶媒の濃度等を挙げることができるが特に限定されるものではない。
上記膜状態において、孔の周囲の構造を部分的に除去する方法は特に限定されるものではないが、例えば、後述する実施例に示すように、上記膜状体の表面に対して粘着体を密着および剥離する操作を挙げることができる(実施例5参照)。粘着体およびその粘着度については、本体材料の強度やハニカム構造の形状(幹や柱のサイズ)等に応じて適切に選択すればよい。後述する実施例では、上記粘着体として接着テープを用いている。
〔その他の工程〕
なお、本発明にかかる製造方法は、上記材料溶液調製工程、液膜形成工程、孔形成工程、孔孤立工程の全てを含んでいる必要はなく、少なくとも孔孤立工程のみを含んでいればよい。例えば、材料溶液としては、既に調製済の溶液を用いることが可能であるため、省略可能であるし、既に製造されたハニカム構造体に対して孔孤立工程のみを施しても構わない。また、孔形成工程または孔孤立工程の後に、形成されたハニカム構造体を支持体から剥離する工程等を含んでいてもよい。
〔本発明にかかるハニカム構造体〕
本発明にかかるハニカム構造体は、上記の製造方法によって製造されるものであり、ハニカム状に配列する複数の孔を有するものであればよいが、上述したように、個々の孔が孤立した状態となっている。言い換えれば、独立した孔がハニカム状に規則的に配列した状態となっている。
ここで、本発明にかかるハニカム構造体の具体的な形状、すなわち、ハニカム構造のようなミクロ形状ではなく、マクロの形状は特に限定されるものではない。上記の製造方法であれば、膜、すなわちフィルム状のハニカム構造体の製造に好適であるため、本発明にかかるハニカム構造体の代表的な形状(一次形状)としては、平板状のハニカム膜やハニカムフィルムを挙げることができる。これらハニカム膜/フィルムは、正方形や長方形のような四角形の二次形状を有していてもよいし、円形や楕円形の二次形状を有していてもよいし、より複雑な二次形状を有していてもよい。これら二次形状は、ハニカム構造体の用途に応じて適宜設定されるものであり、製造されたハニカム膜/フィルムを打ち抜いたり切り取ったりする二次加工を施すことで容易に製造することができる(実施例参照)。
また、本発明にかかるハニカム構造体は、延伸することによって、伸長した空孔の配列構造を有するハニカム構造体フィルムとしてもよい。延伸の方法は特に限定されるものではなく、例えば、ハニカム構造体の2以上の端をピンセットまたは手でつまみ、伸長方向に引っ張ることにより行うことができる。あるいは、マイクロマニュピレーターを用いて延伸を行うこともできる。さらに、一対の圧延ローラー等を用いてもよい。
本発明にかかるハニカム構造体に形成される孔の状態は特に限定されるものではなく、貫通孔であってもよいし、非貫通孔であってもよい。また、全ての孔が孤立している必要はなく、用途に応じては、部分的または周期的に孔が連通していてもよい。このような状態は、上記製造方法の諸条件を制御することにより達成可能である。
〔本発明の利用〕
本発明によって得られるハニカム構造体の利用分野は特に限定されるものではなく、ハニカム構造を利用可能な公知の幅広い分野に利用することができる。具体的には、例えば、大面積・フレキシブル表示デバイス、ELパネル等の面発光体・表示デバイス、記憶素子などの電子工学分野;フォトニック結晶や光導波路等の非線形光学材料、光エネルギー変換素子等の光学(および電子)分野;各種触媒、マイクロリアクター等の化学分野;DNAチップ、マイクロアレイ、マクロアレイ、プロテインチップ、細胞培養基板等のバイオテクノロジー分野;等を挙げることができる。
特に、周期的かつ互いに孔の孤立したハニカム状の多孔質体はフォトニック結晶素子への応用が期待される。また、電子工学の分野においては、電極等のマトリクス材料として熱や溶媒に安定に構造を保持することが可能となる。バイオテクノロジーの分野では、近年基板のパターンが細胞の増殖・分化などに与える影響が解明されつつあるが、各種溶媒等に対しても耐性をもつため、安定なパターン化基材として用いることが可能で、細胞培養基板としての用途は有望である。さらに、周期的かつ互いに孔の孤立したハニカム形状は、マイクロリアクターとしても非常に有望である。
〔実施例〕
本発明について、実施例および図1〜4に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。
<実施例1:熱融解による孔孤立工程の例1>
本体材料として、ポリ(ε−カプロラクトン)(Aldrich)および次に示す構造の両親媒性ポリアクリルアミド(CAPポリマー)
Figure 0005050205
を用いるとともに、第1溶媒としてクロロホルムを用いて材料溶液を調製した。ポリ(ε−カプロラクトン)とCAPポリマーとは重量比10:1となるようにクロロホルムに溶解させ、本体材料の最終濃度を4mg/mlとなるように、材料溶液を調製した。
支持体として、内部にアルミ基板(5cm四方、厚さ0.1mm、ニラコ製)を敷き詰めた外径9cmのガラスシャーレを用いた。このガラスシャーレ内に、上記材料溶液5mlをキャストして、液膜を形成した。この液膜に対して、温度25℃、湿度30%の環境下で高湿度空気(湿度70%)を吹き付けた(3litter/分)。これにより中間体として、孔の連通したハニカム構造体(中間体ハニカムフィルム)を得た。
アルミ基板上に形成されている中間体ハニカムフィルムを、打ち抜き刃を用いて直径1cmの円形状に打ち抜いた。その後、ヒーター(商品名:RH6000、ジャパンハイテック社製)を用いて、100℃で、それぞれ、0秒、5秒、40秒の時間で加熱することにより当該中間体ハニカムフィルムの融解を行い、完成体としてのハニカム構造体(ハニカムフィルム)を製造した。
得られた完成体のハニカムフィルムを走査型電子顕微鏡(SEM、商品名:S−3500N、日立製)により観察した。観察条件は、倍率を×2.0kおよび8.0k倍とし、電圧を25kvとし、基板を0°(正面)および45°傾けた状態とした。その結果を図1(a)に示す。
なお、図1(a)中の0s、5s、40sは、100℃での加熱時間(0秒、5秒、40秒)のことを示しており、図1(a)中のTop viewは、基板を正面(0°)から観察したものであり、Tilt viewは、基板を45°傾けて観察したものを示している。
図1(a)に示す結果から明らかなように、加熱時間を長くするほどハニカム構造の幹が細くなり、柱がつぶれた構造になっていることが分かった。特に、40秒加熱したハニカムフィルムでは、完全なディンプル構造にはなっていないものの、相似の構造体を製造することが可能であった。
<実施例2:熱融解による孔孤立工程の例2>
実施例1と同様の条件で、独立した工程で中間体ハニカムフィルムを作製し、当該中間体ハニカムフィルムを、100℃、50秒加熱することによって、完成体としてのハニカム構造体(ハニカムフィルム)を製造した。得られたハニカムフィルムをSEMにより観察した結果を図1(b)に示す。なお、観察条件は実施例1と同一である。
図1(b)に示す結果から明らかなように、50秒加熱したハニカムフィルムでは、柱状の幹の部分にポリマーが集まった構造が観察された。
以上の結果から、加熱時間を調整することで、ハニカム構造の幹の部分や柱の部分の形状を制御できることがわかる。
<実施例3:溶媒による孔孤立工程の例>
本体材料として、ポリメチルメタクリレート(PMMA、Aldrich)およびCAPポリマーを用いるとともに、第1溶媒としてクロロホルムを用いて材料溶液を調製した。PMMAとCAPポリマーとは重量比10:1となるようにクロロホルムに溶解させ、本体材料の最終濃度を4mg/mlとなるように、材料溶液を調製した。
支持体として、内部にアルミ基板を敷き詰めた外径9cmのガラスシャーレを用いた。このガラスシャーレ内に、上記材料溶液7mlをキャストして、液膜を形成した。この液膜に対して、温度25℃、湿度30%の環境下で高湿度空気(湿度70%)を吹き付けた(3litter/分)。これにより中間体として、孔の連通したハニカム構造体(中間体ハニカムフィルム)を得た。
上記ガラスシャーレ内部の縁の部分は若干低くなっているので、この部分にクロロホルムを約1mlキャストし、その後数十秒ほどガラスシャーレに蓋をすることで中間体ハニカムフィルムを溶解させ、完成体としてのハニカム構造体(ハニカムフィルム)を製造した。
得られた完成体のハニカムフィルムをSEMにより観察した。観察条件は、倍率を×4.0k倍とし、電圧を16.0kvとし、基板を55°傾けた状態とした。その結果を図2に示す。
図2に示す結果から明らかなように、溶解させたハニカムフィルムでは、ハニカム構造の柱の部分がつぶれ、ハニカムの上部構造と下部構造とがつながったディンプル構造をとっていることが観察された。したがって、溶解処理によってもハニカム構造の形状を制御することが可能であることがわかる。
<実施例4:熱融解による孔孤立工程の例3>
本体材料として、ポリブタジエン(商品名:RB820、JSR)およびCAPポリマーを用いるとともに、第1溶媒としてクロロホルムを用いて材料溶液を調製した。ポリブタジエンとCAPポリマーとは重量比10:1となるようにクロロホルムに溶解させ、本体材料の最終濃度を1.5mg/mlとなるように、材料溶液を調製した。
支持体として、内部にカバーガラス(18mm×18mm、MATSUNAMI)を敷き詰めた外径9cmのガラスシャーレを用いた。このガラスシャーレ内に、上記材料溶液5mlをキャストして、液膜を形成した。この液膜に対して、温度23℃、湿度53%の環境下で、200mlの脱イオン水が入った洗気瓶を通した窒素を吹き付けた(2litter/分)。これにより中間体として、孔の連通したハニカム構造体(中間体ハニカムフィルム)を得た。
得られた中間体ハニカムフィルムをカバーガラスごと切り出し、光学顕微鏡(商品名:BH−2、OLYMPUS)で観察した。その結果を図3(a)に示す。また、カバーガラスごと切り出した中間体ハニカムフィルムをヒーター(商品名:RH6000、ジャパンハイテック社製)で、100℃で1分間加熱することにより当該中間体ハニカムフィルムの融解を行い、完成体としてのハニカム構造体(ハニカムフィルム)を製造した。
得られた完成体のハニカムフィルムをSEMにより観察した。観察条件は、倍率を100〜1000倍とし、電圧を10〜25kvとし、基板を0°〜75°傾けた状態とした。その結果を図3(b)に示す。
なお、図3(b)中の上側の2つのSEM像は、加熱前の基板の状態を示したものであり、左側が基板の正面(0°)を観察したものであり、右側が基板を70°傾けた状態で観察したものである。また、図3(b)中の下側の2つのSEM像は、加熱後の基板の状態を示したものであり、左右ともに基板を70°傾けた状態で観察したものである。なお、図3(b)中の下方左側のSEM像は、非貫通膜であり、下方右側のSEM像は、貫通膜である。
<実施例5:接着テープによる孔孤立工程の例>
本体材料として、ポリテトラヒドロフルフリルメタクリレート(Aldrich)およびCAPポリマーを用いるとともに、第1溶媒としてクロロホルムを用いて材料溶液を調製した。ポリテトラヒドロフルフリルメタクリレートとCAPポリマーとは重量比10:1となるようにクロロホルムに溶解させ、本体材料の最終濃度を4mg/mlとなるように、材料溶液を調製した。
支持体として外径9cmのガラスシャーレを用いた。このガラスシャーレ内に、上記材料溶液5mlをキャストして、液膜を形成した。この液膜に対して、温度25℃、湿度30%の環境下で高湿度空気(湿度70%)を吹き付けた(2litter/分)。これにより中間体として、孔の連通したハニカム構造体(中間体ハニカムフィルム)を得た。
上記中間体ハニカムフィルムの表面に接着テープ(セロテープ(登録商標)、ニチバン株式会社)を貼り付けた後、そのテープを剥しとった。さらにその操作を一回、二回繰り返した。これにより当該中間体ハニカムフィルムにおいて、孔の周囲の構造を部分的に除去し、完成体としてのハニカム構造体(ハニカムフィルム)を製造した。
得られた完成体のハニカムフィルムおよび中間体ハニカムフィルムをSEMにより観察した。観察条件は、倍率を×1.0k倍とし、電圧を25kvとし、基板を55°傾けた状態とした。これにより、元のハニカム構造、ガラスシャーレ上のピラー構造、接着テープ上のピラー構造を比較した。その結果を図4に示す。
図4に示す結果から明らかなように、接着テープによる貼り付けおよび剥離の操作を3回繰り返すことで、ガラスシャーレの表面にディンプル構造を作製することができた。
なお本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以上のように、本発明では、液滴を鋳型として本体材料を自己組織化することにより得られたハニカム構造体に後処理を行うことにより、ハニカム構造の形状を制御している。そのため、さまざまな目的や用途に応じて多様な構造のハニカム構造体や微細多孔膜を得ることが可能となり、ハニカム構造体の利用分野を拡大することが可能となる。そのため、本発明は、孤立した空孔を有するハニカム構造体を利用したマイクロリアクター、フォトニック結晶、細胞培養基板等の分野に利用することができる。

Claims (15)

  1. ハニカム状に配列する複数の孔を有するハニカム構造体の製造方法であって、
    少なくともハニカム構造体の本体となる本体材料を第1溶媒に溶解または分散させた材料溶液を、支持体上に積層することで当該材料溶液の液膜を形成する液膜形成工程と、
    形成した液膜から第1溶媒を揮発させながら、上記第1溶媒には混合しない第2溶媒の液滴を生じさせることに伴う上記本体材料の自己組織化により、上記液滴を鋳型として複数の孔をハニカム状に形成する孔形成工程とを含んでおり、
    さらに、上記孔形成工程で得られた膜状体に対して、孔の周囲の構造を部分的に変形または除去することにより、個々の孔を孤立させる孔孤立工程を含んでいることを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
  2. 上記孔孤立工程では、上記膜状体の加熱による本体材料の溶融、または、本体材料を溶解可能とする溶媒または溶液への膜状体の曝露によって、孔の周囲の構造を部分的に変化させることを特徴とする請求項1に記載のハニカム構造体の製造方法。
  3. 上記孔孤立工程では、上記膜状体の表面に対する粘着体の密着および剥離によって、孔の周囲の構造を部分的に除去することを特徴とする請求項1に記載のハニカム構造体の製造方法。
  4. 上記粘着体として接着テープを用いることを特徴とする請求項3に記載のハニカム構造体の製造方法。
  5. 上記本体材料として、高分子材料、または、重合反応により高分子化するモノマー材料が少なくとも用いられることを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載のハニカム構造体の製造方法。
  6. 上記本体材料としてモノマー材料が用いられる場合、上記材料溶液には、当該モノマー材料の重合反応を促進する触媒が含有されていることを特徴とする請求項5に記載のハニカム構造体の製造方法。
  7. 上記第1溶媒が疎水性有機溶媒であるとともに、上記第2溶媒が水であることを特徴とする請求項1ないし6の何れか1項に記載のハニカム構造体の製造方法。
  8. 上記孔形成工程では、第2溶媒の蒸気を含有する気体を液膜に吹き付けることによって、液膜の表面に液滴を形成することを特徴とする請求項1ないし7の何れか1項に記載のハニカム構造体の製造方法。
  9. 上記液膜形成工程では、支持体表面への材料溶液のキャストにより液膜を形成することを特徴とする請求項1ないし8の何れか1項に記載のハニカム構造体の製造方法。
  10. 請求項1から9の何れか1項に記載の製造方法によって製造されるハニカム構造体。
  11. ハニカム状に配列する複数の孔を有するハニカム構造体の製造方法であって、
    隣接する孔と孔とが互い連通している連通部分を有した、少なくともハニカム構造体の本体となる本体材料を液滴を鋳型として自己組織化させることにより製造された膜状体に対して、孔の周囲の構造を部分的に変形または除去することにより、上記連通部分における個々の孔を孤立させる孔孤立工程を含んでいることを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
  12. 上記孔孤立工程では、上記膜状体の加熱による本体材料の溶融、または、本体材料を溶解可能とする溶媒または溶液への膜状体の曝露によって、孔の周囲の構造を部分的に変化させることを特徴とする請求項11に記載のハニカム構造体の製造方法。
  13. 上記孔孤立工程では、上記膜状体の表面に対する粘着体の密着および剥離によって、孔の周囲の構造を部分的に除去することを特徴とする請求項11に記載のハニカム構造体の製造方法。
  14. 上記粘着体として接着テープを用いることを特徴とする請求項13に記載のハニカム構造体の製造方法。
  15. 上記本体材料として、高分子材料、または、重合反応により高分子化するモノマー材料が少なくとも用いられることを特徴とする請求項11ないし14の何れか1項に記載のハニカム構造体の製造方法。
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