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JP5053833B2 - 被検物の形状を測定する測定方法、測定装置及び前記被検物形状の測定をコンピュータに実行させるプログラム - Google Patents
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JP5053833B2 - 被検物の形状を測定する測定方法、測定装置及び前記被検物形状の測定をコンピュータに実行させるプログラム - Google Patents

被検物の形状を測定する測定方法、測定装置及び前記被検物形状の測定をコンピュータに実行させるプログラム Download PDF

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Description

本発明は、被検物の形状を測定する測定方法、測定装置及び前記被検物形状の測定をコンピュータに実行させるプログラムに関する。
一般に、カメラレンズや半導体露光装置の投影光学系には、複数のレンズが用いられている。1枚のレンズだけでは収差をとることができないからである。例えば、10年位前のカメラレンズは7枚くらいのレンズからなる。10年位前の半導体露光装置の光学系には、30枚くらいのレンズが使われていた。レンズ枚数の削減によるコスト低減、低収差化、そして、レンズ群の省スペース化を実現するためには、非球面レンズが必要である。近年では、カメラレンズや半導体露光装置の光学系にも非球面レンズが搭載され、コスト低減、低収差化、そして、レンズ群の省スペース化が進んでいる。
非球面レンズは様々な利点がある一方で、加工の要求の厳しさや測定の困難さが問題になっていた。そのため、非球面加工、そして、非球面形状測定は近年活発に研究が行われている分野である。
非球面形状計測は、大別して2種類に分けることができる。第一の測定方法は、接触式で、いわゆるプローブで面をなぞり形状を測定する。接触式は、適用範囲が広いが、プローブで面の一点一点を測定するためどうしても測定時間がかかる。または、接触により傷がつく恐れがある。第二の方法は、非接触式で、干渉計を用いた非球面計測が代表的である。
干渉計を用いた非球面計測は、光軸方向に被検物を走査する方法がある。光軸方向に被検物を走査させて複数枚の干渉縞を取得し、各干渉縞を処理をした後、最終的な形状を算出する。代表的な方法として、例えば、米国特許第6781700号(特許文献1)や特開2004−45168号公報(特許文献2)がある。
米国特許第6781700号 特開2004−45168号公報
米国特許第6781700号(特許文献1)では、軸対称な設計値を持つ非球面形状の測定方法を開示している。被検物を光軸方向に走査すると、ある特定の領域だけに輪環状の干渉縞が現れる。このように特許文献1では、干渉縞と被検物の形状の関係を数学的に関連付けることで干渉縞から非球面形状を算出している。しかしながら、この方法では、高度に制御された干渉計と高度な干渉縞処理が必要となる。
特開2004−45168号公報(特許文献2)でも、軸対称な設計値を持つ非球面形状の測定方法を開示している。被検物を光軸方向に走査するときに現れる輪環状の干渉縞を複数枚取得する。各干渉縞のオフセット分を除去したのち、2πn(nは整数)の補正を入れて干渉縞をつなぎ合わせている。特許文献2で開示された技術によれば、容易な方法で形状を算出できる。しかしながら、後に詳しく述べるように近似的な解法であり、走査量が大きくなると前提となる近似がくずれ計測精度が悪化する。
このように、非球面形状を干渉計で測定する場合、高度な処理または近似計算が必要であった。そこで、本発明の例示的目的は、近似計算を用いることなく、簡単な処理で非球面形状が測定可能な干渉測定方法、干渉測定装置、及び、プログラムを提供することにある。

上記の例示的目的を達成するため、本発明の一側面としての干渉測定方法は、光源からの光による参照面からの参照光と被検物からの光との干渉縞を用いて前記被検物の形状を測定する測定方法であって、前記被検物の第1番目の干渉縞を取得し、前記第1番目の干渉縞を前記被検物の第1番目の形状に変換するステップと、前記被検物を前記参照面の光軸方向に移動した位置において第2番目の干渉縞を取得するステップと、前記第1番目の干渉縞の基準点における位相と前記第2番目の干渉縞の基準点における位相とを揃え、前記第2番目の干渉縞をアンラップするステップと、アンラップした前記第2番目の干渉縞を前記被検物の第2番目の形状に変換するステップと、前記被検物の第1番目の形状と前記被検物の前記第2番目の形状とが一致するか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにおいて、一致しないと判定した場合、アンラップした前記第2番目の干渉縞に前記光源の波長の整数倍を加えて、前記被検物の形状を算出するステップとを有する。 また、本発明の他の側面としてのプログラムは、光源からの光による参照面からの参照光と被検物からの光との干渉縞を用いた前記被検物の形状の測定をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記被検物の第1番目の干渉縞を取得し、前記第1番目の干渉縞を前記被検物の第1番目の形状に変換するステップと、前記被検物を前記参照面の光軸方向に移動した位置において第2番目の干渉縞を取得するステップと、前記第1番目の干渉縞の基準点における位相と前記第2番目の干渉縞の基準点における位相とを揃え、前記第2番目の干渉縞をアンラップするステップと、アンラップした前記第2番目の干渉縞を前記被検物の第2番目の形状に変換するステップと、前記被検物の第1番目の形状と前記被検物の前記第2番目の形状とが一致するか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにおいて、一致しないと判定した場合、アンラップした前記第2番目の干渉縞に前記光源の波長の整数倍を加えて前記被検物の形状を算出するステップとを有する。
また、本発明のさらに他の側面としての測定装置は、被検物の形状を測定する測定装置であって、光源と、前記光源からの光を用いて、参照面からの参照光と前記被検物からの光との干渉縞を測定する測定部と、前記測定部で測定された干渉縞から前記被検物の形状を算出する算出部と、前記被検物を前記参照面の光軸方向に移動する移動機構とを有し、前記算出部は、前記測定部によって測定された前記被検物の第1番目の干渉縞を前記被検物の第1番目の形状に変換し、前記第1番目の干渉縞の基準点における位相と前記被検物を前記参照面の光軸方向に移動した位置において得られた第2番目の干渉縞の基準点における位相とを揃えて前記第2番目の干渉縞をアンラップし、該アンラップした前記第2番目の干渉縞を前記被検物の第2番目の形状に変換し、前記被検物の第1番目の形状と前記被検物の前記第2番目の形状とが一致するか否かを判定して一致しないと判定した場合、アンラップした前記第2番目の干渉縞に前記光源の波長の整数倍を加えて前記被検物の形状を算出する。
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、簡単な処理で非球面形状を測定することが可能となる。
本実施例は、特に、干渉計による非球面レンズの測定技術に関する。本実施例の測定方法は、光源からの光による参照面からの参照光と被検物からの光との干渉縞を用いて被検物の形状を測定するものである。
ここで、干渉計とは、参照面と被検波面の干渉により、被検物の形状又は透過波面を測定する装置である。本実施例の干渉測定方法の被検物となる非球面レンズは、例えば、露光装置やカメラ用のレンズとして用いられる。

図1は、本実施例における干渉計の構成を示したものである。本実施例の干渉計1は、非球面計測用の干渉計であり、いわゆるフィゾー型干渉計である。干渉計1は、準単色光源Sを持つ。光源Sから発した光はレンズL1により、ピンホールPHに集光される。ピンホール透過後の発散光はビームスプリッターBSを透過し、コリメーターレンズCL1で平行光になる。平行光は、コリメーターレンズCL2で集光されて集束光になり、参照球面生成レンズTSに入射する。以下、参照球面生成レンズTSの光軸をOAで表し、z方向は光軸と平行とする。
参照球面生成レンズTSは、光源Sと反対側の面(反射面TS1)において、光を一部反射させる。反射面TS1で反射された光は、参照面(基準波面)になる。参照球面生成レンズTSの反射面TS1にて反射された光は、コリメーターレンズCL2とコリメーターレンズCL1を透過し、さらに、ビームスプリッターBSで反射され、レンズL2を透過した後、撮像素子Cに到達する。
一方、参照球面生成レンズTSを透過した光は、集光位置CPで一度集光し、その後発散光になり、被検物Tに入射し、反射される。被検物Tで反射された光は、再び集光位置CPで一度集光し、参照球面生成レンズTS、コリメーターレンズCL2、そして、コリメーターレンズCL1を透過し、さらに、ビームスプリッターBSで反射され、レンズL2を透過した後、撮像素子Cに到達する。参照球面生成レンズTSで反射された光と被検物Tで反射された光は、互いに干渉するので撮像素子Cに干渉縞を形成する。測定部としての撮像素子Cには、通常CCDが用いられ、干渉縞を測定して、画像データを制御部に送る。
図2は、非球面を干渉計1で測定したときの干渉縞を示す図である。被検物Tが非球面のとき、干渉縞の密度が低い領域と干渉縞の密度が濃い領域が現れる。例えば、被検物Tが軸対称非球面で、参照球面生成レンズTSの集光位置CPと被検物Tの距離が、被検物Tの中心曲率半径と等しいときには、図2(a)に示される干渉縞が得られる。
図2(a)を参照すると、干渉縞の中心部に密度の低い干渉縞が形成されていることがわかる。干渉縞の密度が濃いところは、いわゆるモアレ縞になっており、被検物の形状を反映した干渉縞ではない。なお、干渉縞に対するx座標、y座標は図2(a)のように決め、以後、干渉縞に対するx座標、y座標は共通とする。
参照球面生成レンズTSの集光位置CPと被検物Tの距離が、被検物の中心曲率半径とずれている場合、図2(b)に示されるように、輪環状の干渉縞が現れる。以下、輪環状の干渉縞をゾーンと呼ぶ。やはり、干渉縞の密度が濃いところは、モアレ縞になっており、被検物の形状を反映した干渉縞にはならない。
前述の米国特許第6781700号(特許文献1)では、非球面形状と干渉縞の関係を数式で表している。図3は、特許文献1に開示される非球面形状と干渉縞の関係を示す図である。以下、図3を用いて特許文献1の原理を説明する。
被検物の中心曲率半径をR(被検物の第1番目の測定位置)とする。参照球面生成レンズTSの集光位置CPと被検物Tの距離がRのとき、被検物の中心近傍に干渉縞が現れる。例えば、図2(a)はこのような状態である。続いて、z方向に距離v(第1番目の測定位置からの走査量)だけ走査して干渉縞を得ると、図2(b)のような干渉縞が得られる。
特許文献1に従えば、被検物形状、すなわち、半径方向の距離hに対する面形状z’は、数式(1)、及び、数式(2)で与えられる。
数式(1)、及び、数式(2)で使用されるpについて説明する。参照球面生成レンズTSの集光位置CPと被検物Tの距離を(R+v)とする。参照球面生成レンズTSの集光位置CPとゾーンまでの距離をRとすれば、(R+v)−Rがpである。
このとき、pの絶対値は光源の波長λの半分よりも大きい。特許文献1ではpは干渉計の精度で測定可能とあるが、pの絶対値がλ/2以上のときは通常の干渉計では測定できない。nを整数、Δの絶対値を1/2以下としたとき、通常の単色干渉計では(nλ+Δλ)がΔλと観測されてしまうからである。通常は、アンラップと呼ばれる手法を用いて、nを推定する。すなわち、CCD上のあるピクセルに注目して、前記ピクセルの上下左右のピクセルと整合がとれるようにnを推定する。しかし、図2(b)の干渉縞を見るとわかるように、干渉縞が密になりすぎてアンラップはできない。よって、pを測定するには、高度な干渉計が必要となる。
また、特許文献1では、dp/dvは数値計算で求められると記載されているが、dp/dvを求めるのは高度な処理が必要である。
特開2004−45168号公報(特許文献2)では、中心とゾーンに密度が低い干渉縞ができることを利用して非球面形状を測定している。被検物を走査すると、ゾーンの位置が変わっていく。被検物を走査しながら複数枚の干渉縞を取得すると、各干渉縞の中心の位相はオフセットとみなすことができる。そこで、各干渉縞のオフセット補正ができる。
オフセットの補正が終わった後、各ゾーンに2πnの補正をしてゾーンを重ねることで非球面形状が計測可能になると特許文献2で開示されている。しかし、被検物を走査しているので、各干渉縞で倍率が異なり、CCD面上の座標と被検物の座標の対応が、各干渉縞で異なってしまう。そのため、被検物の走査量v(移動量)が小さいときは近似的に特許文献2の方法が可能であるが、被検物の走査量vが大きくなると、特許文献2の方法では測定誤差が生じる。
本発明では、比較的簡易な測定方法と処理で、非球面形状を測定する。本発明の基本的考え方を図4を参照して説明する。
図4は、本実施例における非球面形状と干渉縞の関係を示す図である。 図4に従えば、半径方向の距離h、及び、距離hに対する面形状z’(高さ方向の距離)は、数式(3)、及び、数式(4)から導出される。
数式(3)と数式(4)において、θは、参照球面生成レンズTSの集光位置CPと干渉縞を結ぶ直線が光軸と成す角度である。δpは、干渉縞で取得した位相を光源Sの波長に基づいて長さに変換した値である。すなわち、干渉縞で測定された位相を長さ単位に変換した値である。Rは最初(第1番目)の干渉縞を取得するときの、参照球面生成レンズTSの集光位置CPと被検物中心の距離である。Rは、被検物の中心曲率半径にすると解析が楽である。 δpは干渉縞から得ることができ、θは干渉計内部の光学系の設計値から知ることができる。そのため、数式(3)と数式(4)において、未知数はz’、h、そして、nである。未知数の数より方程式の数が少ないので、通常は数式(3)と数式(4)を解くことはできない。ただし、nは整数という制約を用いれば、nを決定することが可能になる。
次に、具体的にnを求める方法について説明する。
本実施例では、光源Sとして、安定化He−Neレーザー(波長λ=633nm)を用いる。被検物は、軸対称な非球面とする。被検物は凸形状で、中心近傍での曲率半径は、20.75mmである。被検物の有効径は20.0mmである。
図5は、被検物Tの走査を模式的に示したものである。
初めに、図5(a)に示されるように、参照球面生成レンズTSの集光位置CP(キャッツアイ位置)に被検物Tの頂点を合わせる。参照球面生成レンズTSの集光位置CPに被検物Tの頂点を合わせる方法を説明する。被検物Tからの反射光と参照球面生成レンズTSからの反射光の干渉縞を撮像素子Cで取得する。干渉縞をアンラップしたのちZernike多項式にフィッティングする。Zernike多項式のデフォーカス成分(第四項)がほぼ0になれば、参照球面生成レンズTSの集光位置に被検物Tの頂点が一致している。
次に、図5(b)のように、被検物Tを、第一の位置(第1番目の位置)に移動する。第一の位置において、参照球面生成レンズTSと被検物Tの距離は、被検物の中心近傍の曲率半径(20.75mm:中心曲率半径)に等しい。すなわち、Rを20.75mmとする。そして、第一の干渉縞(第1番目の干渉縞)を取得する。
さらに、被検物Tをv(i>1)だけ移動させて第iの干渉縞を取得する。ここで、i>1であるが、i=1のとき、v=0とする。
図6は、本実施例において、被検物Tを移動させたときに得られる干渉縞である。図6(a)〜(e)に示される干渉縞は、それぞれ、走査量v(移動量)が異なる。図6(a)はv=0.0000mm、図6(b)はv=0.6153mm、図6(c)はv=1.0756mm、図6(d)はv=1.4629mm、図6(e)はv=1.8001mmに、それぞれ対応した干渉縞である。
図7(a)〜(e)は、それぞれ、図6(a)〜(e)の干渉縞をアンラップして、y=0の断面をプロットした図である。ここでは、干渉縞の中心が0になるようにアンラップしている。なお、アンラップとは、隣り合う点に位相飛びが生じている場合に、位相をつなぎ合せて接続することである。アンラップ処理としては、一般的にはフラッドフィル法が良く用いられる。
アンラップ処理を行うときは、各干渉縞に共通な基準点を設けて、各干渉縞における基準点の位相が常に同じ値になるようにする。軸対称非球面の場合、測定画像の中心には必ず干渉縞が出る。よって、本実施例では、各干渉縞の中心を基準点として、各干渉縞の基準点における位相が0になるようにした。干渉縞が密になりすぎてアンラップできなかった領域は、無効データ(0)としている。
図6(d)と図6(e)では、中心とゾーンの間の干渉縞密度が濃いため、中心とゾーンの間の領域はアンラップできない。そのため、図7(d)と(e)では、中心部とゾーン部の二箇所に干渉縞情報を得ることができるが、中心部とゾーン部の相関関係は失われる。しかし、以下のように、本発明によれば中心部とゾーン部の相関関係を取り戻すことができる。
図8は、図7から数式(3)及び数式(4)を用いて得られた被検物Tの形状を示した図である。図8(a)〜(d)、(f)は、それぞれ、各干渉縞をアンラップして得られた図7(a)〜(e)から、数式(3)及び数式(4)のnを0として、被検物Tの形状に変換した図である。図8(e)、(g)は、nの値を調整した後に得られた被検物の形状である。
図8(a)は、図7(a)を数式(3)と数式(4)で変換した結果である。本図によれば、h≒5.6mmまで、被検物の形状を回復(算出)することができている。
図7(b)を数式(3)と数式(4)で変換すると、図8(b)に示されるように、h≒7.5mmまで形状が回復できる。h≒5.6mmまでの形状は、図7(a)から既に算出されている。このため、h≒5.6mmまでの形状は、図8(a)の値と図7(b)から算出された値との平均値をとる。h≒5.6mm以上の領域では、図7(b)から算出された値のみを用いる。その結果、図8(b)が得られる。
図7(c)を数式(3)と数式(4)で変換すると、h≒8.8mmまで被検物の形状を回復することができる。h≒7.5mmまでは既に算出されているため、図8(b)と同様に、h≒7.5mmまでは既に算出された結果との平均値をとる。h≒7.5mm以上の領域では図7(c)から算出した結果を用いると、図8(c)を得ることができる。
問題は、図7(d)を数式(3)と数式(4)で変換した場合である。単純に図7(d)を数式(3)と数式(4)で変換すると、図8(d)の結果が得られる。図8(d)の点線部は、ゾーン部から変換した形状である。明らかに、図8(c)までに回復された形状と一致していない。
そこで、数式(3)と数式(4)のnを調整する必要がある。このとき、nを97とすると、図8(e)のように、図7(d)のゾーン部から変換した形状と図8(c)までに回復された形状を一致させることができる。図8(c)までに回復した被検物の形状と、図7(d)でnを97として求めた被検物の形状とが一致する部分については、これらの平均値を求める。
このようにして、h≒9.8mmまで形状を回復させることができる。nの調整は、nは整数であるため、nを1ずつ増加または減少させ、数式(3)と数式(4)に基づいて干渉縞を被検物の形状に変換すればよい。そうすれば、必ず、図8(c)までに回復した形状と、図7(d)を形状に変換した結果が一致する。
または、図8(c)までに回復した形状と、図7(d)でnを0として形状を算出した結果の差分(図8(d)における実線部と点線部の差分)をcosθ倍した値を波長λで割れば、精度良くnを推定することができる。
同様に、図7(e)を数式(3)と数式(4)で変換すると、図8(f)を得ることができる。図8(f)の点線部は、ゾーン部から変換した形状であり、図8(e)までに回復された被検物の形状と一致しない。しかし、数式(3)と数式(4)でnを146とすると、図8(g)のように、図8(e)までに回復された形状と一致させることができる。
図8(e)までに回復された被検物の形状と、図7(e)でnを146として求めた被検物の形状が一致する部分は、これらの形状を重ねて平均をとる。重なり部分を平均化することにより、h≒10.0mmまで形状を回復させることができる。なお、nの推定方法は上述のとおりである。
以上に説明した手法を用いることにより、簡単な処理で非球面形状を精度よく測定することが可能となる。
次に、本実施例における干渉測定方法を一般化し、本実施例について図9を参照しながら詳細に説明する。図9は、参照面と被検物からの反射光の干渉縞を解析して被検物の形状を測定する干渉測定方法のフローチャートを示している。
図10は下記の干渉測定方法を実行するためのコンピュータ10の構成図である。コンピュータ10は、制御部11、記憶部12、表示部13、入力部14及び媒体インターフェイス15を備える。制御部11、表示部13、記憶部12、入力部14及び媒体インターフェイス15は、バス配線を介して相互に接続されている。媒体インターフェイス15は、記録媒体16を接続可能に構成されている。制御部11は、例えばCPU,GPU,DSP又はマイコンなどであり、一時記憶のためのキャッシュメモリをさらに含む。記憶部12は、例えばメモリやハードディスクなどである。媒体インターフェイス15は、例えばCD−ROMドライブやUSBインターフェイスなどである。記録媒体16はCD−ROMやUSBメモリなどである。
本実施例の干渉測定方法では、まず、入力部14から測定開始指令が入力され、制御部11はステップS101において、被検物を初期位置に移動するように駆動機構に指令する。被検物の初期位置は、被検物のパワー成分を正確に測定する必要がある場合、参照面から射出した光が集光するキャッツアイ位置に設定されるのが望ましい。
次に、ステップS102では、制御部11からの指令により駆動機構が初期位置にある被検物を走査して、被検物の中心部における曲率半径だけ光軸方向に移動させる。このため、第1番目の走査位置は、参照面が集光するキャッツアイ位置から、被検物の中心曲率半径だけ離れた位置に配置されていることになる。なお、本実施例の干渉測定装置は、被検物を光軸方向に駆動(移動)する駆動機構(移動機構)、及び、駆動機構による駆動量を測定する測定機構(測定部)を備える。このため、被検物は駆動機構により決められた距離だけ光軸方向に移動可能となっている。駆動機構及び測定機構は、制御部11に制御され、測定機構によって得られた束手データは制御部11に送られる。
被検物を初期位置から中心曲率半径だけ移動させた後、ステップS103において、参照面と被検物から反射した光の第一の干渉縞を取得する。干渉縞の取得方法としては、どのような方法を用いてもよい。よく知られた方法として、例えば位相シフト法がある。撮像素子Cによって取得されたデータは制御部11(記憶部12)に送られ、メモリに記憶される。
第一の干渉縞を取得した後、算出部としての制御部11はステップS104において、第一の干渉縞をアンラップ処理する。アンラップ処理としては、フラッドフィル法以外にも、周知の処理方法を用いてもよい。なお、アンラップ処理を行うときは、基準点を決めて、この基準点の位相を保存する必要がある。被検物が軸対称非球面である場合、干渉縞の中心を基準点に設定することがより好ましい。
次に、ステップS105において、制御部11はアンラップした第一の干渉縞を、数式(3)と数式(4)を用いて被検物の形状に変換する。このとき、各数式のnは0としてよい。
以上のステップS101乃至S105により、本実施例における干渉測定方法の初期測定動作が終了する。この初期測定動作では、被検物の第1番目の干渉縞を取得し、第1番目の干渉縞を被検物の第1番目の形状に変換することになる。初期測定動作が完了すると、ステップS106において、i(自然数)を2にセットする。
次に、ステップS107では、駆動機構が被検物をvだけ光軸方向に移動する。移動量vは、第i番目の干渉縞におけるゾーンと第i−1番目の干渉縞におけるゾーンが重なるようにする。例えば、第1番目と第2番目の干渉縞におけるゾーンが重なるようにする。被検物をvだけ移動させると、ステップS108において、撮像素子Cと制御部11(記憶部12)により第i番目の干渉縞を取得(記憶)する。このように、ステップS107とステップS108では、被検物を参照面の光軸方向に走査し、第i番目(iは2以上の自然数)の走査位置で第i番目の干渉縞を取得する。
ステップS109では、制御部はステップS108にて取得した第i番目の干渉縞をアンラップ処理する。第i番目の干渉縞をアンラップする際には、この基準点の位相が、ステップS104にて保存された第1番目の干渉縞の基準点の位相と等しくなるように調整する。これは、第1番目の干渉縞の基準点と第i番目の干渉縞の基準点(干渉縞の中心点)との位相のオフセットを補正するためである。このように、ステップS109では、第1番目の干渉縞の基準点における位相と第i番目の干渉縞の基準点における位相とを揃え、第i番目の干渉縞をアンラップする。
ステップS110では、制御部は数式(3)と数式(4)を用いて、ステップS109においてアンラップした第i番目の干渉縞から被検物の形状を算出する。このとき、各数式中のnには0が代入される。このように、ステップS110では、アンラップした第i番目の干渉縞を被検物の第i番目の形状に変換する。
次に、ステップS111では、制御部は第i番目の干渉縞から変換された被検物の形状と、第i−1番目の干渉縞から既に変換されている被検物の形状とを比較する。ここでは、被検物の第i−1番目の形状と被検物の第i番目の形状とが、第i−1番目と第i番目の形状の重なり部分において一致するか否かを判定する。なお、形状の一致とは、第i−1番目と第i番目の形状が完全に一致する場合だけでなく、これらが実質的に一致していると評価できる場合も含まれる。
図8(d)、(e)の実線と点線で示されるように、被検物の第i−1番目の形状と第i番目の形状には、被検物の半径方向の距離hについて、互いに重なっている部分が存在する。このため、第i−1番目と第i番目の形状が一致するか否かは、この重なり部分における複数の点(距離h)での差分の二乗和平均から判断される。この二乗和平均が所定のしきい値より小さい場合には、第i−1番目と第i番目の形状は一致すると判定される。
これらの形状が一致していないと判断された場合には、ステップS112に進む。
ステップS112では、制御部は数式(3)と数式(4)を計算する際に、各数式中のnを調整して、第i番目の干渉縞から被検物の形状を求める。ここで、nの調整方法について詳細に説明する。まず、nは整数であるという制約がある。このため、nを1ずつ増加または減少させ、ステップS110、ステップS111、及び、ステップS112を繰り返せば、所定の整数nにおいて、必ず、被検物の第i番目の形状と第i−1番目の形状とが一致する。
第i番目と第i−1番目の形状が一致するか否かは、上記のとおり、重なり部分における複数の点での差分の二乗和平均から求められる。nを1ずつ増加または減少させて計算し、二乗和平均が所定のしきい値より小さくなったとき、そのときのnで形状が一致すると判定することができる。または、複数のnを用いて複数の二乗和平均を算出し、最小値(極小値)が得られるnのときに形状が一致すると判定することもできる。ステップS112は、第i番目と第i−1番目の形状が一致するまで繰り返される。
このように、ステップS112では、被検物の第i−1番目の形状と被検物のi番目の形状とが一致しない場合、重なり部分において一致するように、アンラップした第i番目の干渉縞に光源の波長の整数倍を加えて被検物の第i番目の形状に変換する。
なお、二乗和平均によることなく、第i番目の干渉縞と第i−1番目の干渉縞との差分をcosθ倍した値を波長λで割ることによっても、精度良くnを推定することができる。この場合には、ステップS112を繰り返すことなく、形状を一致させるためのnを求めることが可能である。
ステップS111において、被検物の第i−1番目と第i番目の形状が一致していると判断された場合には、ステップS113に進む。ステップS113では、制御部は被検物の第i−1番目の形状と第i番目の形状を重ねて、この重なり部分を平均化する。この平均化処理により、ノイズなどの測定誤差の影響を低減することができる。
ステップS114では、制御部は数式(4)から求めた距離hに基づいて、被検物の有効径全域を測定したかを判断する。被検物の有効径全域の測定が終了した場合には、測定処理を終了する。被検物の有効径全域の測定が終了していない場合には、ステップS115に進む。
ステップS115では、iに1を加えた値を新たにiにセットして、ステップS107に進む。ステップS107からは、上述のとおりの測定処理が繰り返され、ステップS114において被検物の有効径全域の測定が終了したと判断された場合に、測定処理は終了する。測定して得られた被検物の形状データは表示部13に表示される。
本実施例の干渉測定方法は以上のとおりである。なお、本実施例と特許文献1の技術との違いの一つは、干渉縞から形状に変換する式が異なることである。さらに、特許文献1では、中心部とゾーン部の相関関係がわかっていることが前提であるが、本実施例では、中心部とゾーン部の相関関係がわからなくてもよい。
本実施例と特許文献2の違いの一つは、干渉縞を形状に変換するステップが存在することである。すなわち、図9のフローチャートにおいて、ステップS105とステップS110の存在が、本実施例と特許文献2との違いである。干渉縞を形状に変換するステップが存在することにより、干渉測定方法における測定精度を向上させることができる。
本実施例において、被検物の走査量を正確に測定することにより被検物の測定精度を向上させることができる。そのため、レーザー測長器などの測長手段を備える必要がある。被検物走査中に被検物が傾いたりすることがないよう、少なくとも2箇所で被検物の走査量を測長する必要がある。
本実施例ではフィゾー型の干渉計について説明したが、フィゾー型の干渉計以外にも、点回折干渉計(Point Diffraction Interferometer)に上記の測定方法を適用しても良い。
なお、プログラムによって、上記の被検物の形状を測定する方法(ステップ)、つまり、図9に記載のS101〜S114をコンピュータに実行させることもできる。プログラムは、記録媒体16若しくは外部のコンピュータから媒体インターフェイス15を介してコンピュータにインストールされ、記憶部12に記憶される。
以上、本発明の上記実施例によれば、近似計算を行うことなく簡単な処理で非球面形状が測定可能な干渉測定方法を提供することができる。
また、本発明の上記実施例よれば、上記干渉測定方法をコンピュータに実行させるプログラム、及び、上記干渉測定方法を実行するように構成された干渉測定装置を提供することができる。
本実施例における干渉計の構成を示す図である。 非球面を干渉計で測定したときの干渉縞(a)(b)を示す図である。 従来技術における非球面形状と干渉縞の関係を示す図である。 本実施例における非球面形状と干渉縞の関係を示す図である。 本実施例における被検物の走査(a)〜(c)を模式的に示す図である。 本実施例において走査量を変化させて得られる干渉縞(a)〜(e)を示す図である。 図6(a)〜(e)の干渉縞をアンラップ処理して、y=0の断面をプロットした図である。 図7(a)〜(e)の干渉縞から変換された被検物の形状(a)〜(g)を示す図である。 本実施例における干渉測定方法のフローチャートである。 コンピュータの構成を示す図である。
符号の説明
1 干渉計
S 光源
L1 レンズ
L2 レンズ
PH ピンホール
BS ビームスプリッター
CL1 コリメーターレンズ
CL2 コリメーターレンズ
TS 参照球面生成レンズ
TS1 反射面
CP 集光位置
T 被検物
C 撮像素子

Claims (8)

  1. 光源からの光による参照面からの参照光と被検物からの光との干渉縞を用いて前記被検物の形状を測定する測定方法であって、
    前記被検物の第1番目の干渉縞を取得し、前記第1番目の干渉縞を前記被検物の第1番目の形状に変換するステップと、
    前記被検物を前記参照面の光軸方向に移動した位置において第2番目の干渉縞を取得するステップと、
    前記第1番目の干渉縞の基準点における位相と前記第2番目の干渉縞の基準点における位相とを揃え、前記第2番目の干渉縞をアンラップするステップと、
    アンラップした前記第2番目の干渉縞を前記被検物の第2番目の形状に変換するステップと、
    前記被検物の第1番目の形状と前記被検物の前記第2番目の形状とが一致するか否かを判定する判定ステップと、
    前記判定ステップにおいて、一致しないと判定した場合、アンラップした前記第2番目の干渉縞に前記光源の波長の整数倍を加えて、前記被検物の形状を算出するステップとを有することを特徴とする測定方法。
  2. 前記被検物は軸対称非球面であることを特徴とする請求項1に記載の測定方法。
  3. 前記第1番目の干渉縞の基準点は、該干渉縞の中心に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の測定方法。
  4. 前記被検物が、前記参照面が集光する位置から前記被検物の中心曲率半径だけ離れた位置に配置された状態で前記第1番目の干渉縞が得られることを特徴とする請求項1に記載の測定方法。
  5. 前記被検物の半径方向の距離をh、高さ方向の距離をz’、前記被検物の第1番目の測定位置をR、該第1番目の測定位置からの走査量をv、前記参照面が集光する位置と前記干渉縞を結ぶ直線が前記光軸となす角度をθ、該干渉縞で測定された位相を長さ単位に変換した値をδp、前記光源の波長をλとしたとき、整数nを推定して、数式(1)からz’、数式(2)からhを導出することを特徴とする請求項1記載の測定方法。

  6. 光源からの光による参照面からの参照光と被検物からの光との干渉縞を用いた前記被検物の形状の測定をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記被検物の第1番目の干渉縞を取得し、前記第1番目の干渉縞を前記被検物の第1番目の形状に変換するステップと、
    前記被検物を前記参照面の光軸方向に移動した位置において第2番目の干渉縞を取得するステップと、
    前記第1番目の干渉縞の基準点における位相と前記第2番目の干渉縞の基準点における位相とを揃え、前記第2番目の干渉縞をアンラップするステップと、
    アンラップした前記第2番目の干渉縞を前記被検物の第2番目の形状に変換するステップと、
    前記被検物の第1番目の形状と前記被検物の前記第2番目の形状とが一致するか否かを判定する判定ステップと、
    前記判定ステップにおいて、一致しないと判定した場合、アンラップした前記第2番目の干渉縞に前記光源の波長の整数倍を加えて前記被検物の形状を算出するステップと
    を有することを特徴とするプログラム。
  7. 被検物の形状を測定する測定装置であって、
    光源と、
    前記光源からの光を用いて、参照面からの参照光と前記被検物からの光との干渉縞を測定する測定部と、
    前記測定部で測定された干渉縞から前記被検物の形状を算出する算出部と、
    前記被検物を前記参照面の光軸方向に移動する移動機構とを有し、
    前記算出部は、前記測定部によって測定された前記被検物の第1番目の干渉縞を前記被検物の第1番目の形状に変換し、
    前記第1番目の干渉縞の基準点における位相と前記被検物を前記参照面の光軸方向に移動した位置において得られた第2番目の干渉縞の基準点における位相とを揃えて前記第2番目の干渉縞をアンラップし、該アンラップした前記第2番目の干渉縞を前記被検物の第2番目の形状に変換し、
    前記被検物の第1番目の形状と前記被検物の前記第2番目の形状とが一致するか否かを判定して一致しないと判定した場合、アンラップした前記第2番目の干渉縞に前記光源の波長の整数倍を加えて前記被検物の形状を算出することを特徴とする測定装置。
  8. 前記移動機構による移動量を測定する測定部を備えることを特徴とする請求項7に記載の測定装置。
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