以下、本発明の実施の形態に係る洗濯乾燥機について説明する。以下の説明及び図面では、同一の部品には同一の参照符号及び名称を付してある。それらの機能も同一である。したがって、それらについての詳しい説明は繰返さない。また、以下に説明する洗濯乾燥機の構成要素のうち、特に記載が無いものに関しては、その構成材料は、その動作温度の範囲ではガスを漏洩せず、変質も変形もしない材料で構成されているものとする。さらに、その材料は、動作温度の範囲においてはガスを発生しない材料であるものとする。
[第1の実施の形態]
−構成−
図1(a)に、本発明の第1の実施の形態に係る洗濯乾燥機100の正面外観図を、(b)に外観右側面図を、それぞれ示す。図1(a)はドアを閉めた状態、図1(b)はドアを開けた状態である。
図1(a)を参照して、本実施の形態に係る洗濯乾燥機100は、実質的には斜めドラム式洗濯乾燥機であって、前面にドアユニット7が取付けられた、この洗濯乾燥機の筐体である外箱1と、外箱1内に、洗濯物の投入口がドアユニット7側を向き、かつやや上方を向くように傾斜して設けられる円筒形の水槽2とを含む。
ドアユニット7は、外箱1の前面中央に形成された開口部に対し、蝶番により開閉可能に取付けられたドア70と、ドア70前面の右端上部近傍に設けられる、ドア70を開閉するための取手部72とを含む。ドア70は、円形の枠と、この枠内にはめ込まれた透明のドアガラス71とを含む。
図2は、図1(a)に示す断面2−2における矢印方向の断面図を示す。図2の白矢印は空気循環経路を示す。
図2を参照して、洗濯乾燥機100は、さらに、水槽2内に、水槽2の中心軸を回転中心として回転可能に設置され、ドアユニット7に面する方向に開口を有する回転ドラム3と、水槽2の背面に取付けられ、水槽2の背面に形成された開口を通じて回転ドラム3を軸支するモータ4と、回転ドラム3の内周壁部に配置される複数個のバッフル5とを含む。
回転ドラム3の開口は、ドアユニット7に臨んでおり、この開口部から投入された衣類6を収容する。バッフル5は外箱1の正面から見て非対称の山形であり、頂上部が左側に湾曲した略鉤状を呈する。外箱1の正面方向から見て回転ドラム3が時計回りに回転する場合、衣類6はバッフル5に引掛り易い。引掛かった衣類6は、回転ドラム3の時計回り回転に応じてバッフル5に持上げられた後、その引掛りが外れて回転ドラム3の下部へ落ちる。このことにより衣類6のたたき洗いが実現する。回転ドラム3が反時計回りに回転する場合、衣類6はバッフル5に引掛かりにくく、そのため、衣類6の絡まりがほぐされる。洗濯乾燥機100は、回転ドラム3の回転方向と、回転/停止のタイミングとにより、洗濯の強弱を制御する。
洗濯乾燥機100は、さらに、外箱1内の上部背面近傍に設けられる給気部34と、給気部34に設けられる給気弁35と、給気部34に接続された吸気口を有する循環ファン9と、循環ファン9の排気口及び水槽2の背面下端近傍を接続するように設けられ、循環ファン9から排出された空気を水槽2内に導く、複数の送風管36(図2には1本の送風管しか現れていない。)と、送風管36内に設けられるプラズマクラスターイオン(登録商標。Plasma Cluster Ion。以下「PCイオン」と示す。)発生素子50と、送風管36の、PCイオン発生素子50よりも下流側において、送風管36の外周壁に接するよう設けられる空気加熱ヒータ10と、送風管36の、水槽2への開口部付近に設けられた逆止弁66とを含む。
洗濯乾燥機100はさらに、水槽2の前面上端及び循環ファン9の吸気口を接続するように設けられる排気管38と、水槽2及び排気管38の接続部近傍の排気管38内に設けられた、排気管38よりも小径の枝管61と、枝管61の前後に設けられた、電磁弁からなる逆止弁62及び63と、枝管61内に配置されたにおいセンサ部105と、排気管38の水槽2への開口部と枝管61との間に設けられ、水槽2から排気された循環空気に含まれる糸屑、粉塵等を除去するためのフィルタ64とを含む。逆止弁62及び63は通常は閉じておき、においセンシングを行なうときのみ開く。
循環ファン9は、循環する空気中のにおい成分を除去するためのにおい捕集部(図示せず。)を含む。におい捕集部は、空気の循環を妨害しないように設けられる。におい捕集部は、モレキュラーシーブ等のガス吸着剤を含む。
なお、本実施の形態では、においセンサ部105は枝管61内部のみに設けられている。しかし本発明はそのような実施の形態には限定されない。例えば、送風管36を通じて水槽2内に送風される温風に、正確なセンシングを妨害する何らかの成分が含まれている場合があり得る。そうした妨害成分の影響を除去するために、例えば送風管36と水槽2との接続部にも電磁弁を設け、送風管36内にガスセンサを設けてもよい。においセンサ部105の出力と、送風管36内に設けたガスセンサの出力との差分をとることにより、温風内の妨害成分の影響を除去できる。
PCイオン発生素子50は、互いに接続される、複数の電極、誘電体、及び電圧源を含む。PCイオン発生素子50は複数の電極間に高電圧を印加することによりPCイオンを発生し、これを送風管36内の循環空気に付与する。PCイオンはにおい成分を除去する効果がある。
空気加熱ヒータ10は送風管36内の循環空気を加熱する。給気弁35の開状態により、循環ファン9は外部から導入した空気を、連通する送風管36、水槽2及び回転ドラム3、及び、第2の排気管の各内部において循環させる。逆止弁62及び63はにおいセンシングの際のみ開とされる。逆止弁62及び63を開状態とするとにおいセンサ部105によるにおいセンシングが可能となり、逆止弁62及び63を閉じるとにおいセンシングが行なわれなくなる。いずれの場合にも、排気管38内の枝管61以外の部分により温風の循環が可能である。回転ドラム3内には、複数の送風管36により、送風管36が1本の場合に比べより強力に送風がなされる。空気加熱ヒータ10により循環空気が加熱される場合、回転ドラム3内において、衣類6に含まれているにおい成分の一部は循環空気に移動する。
洗濯乾燥機100は、さらに、外箱1内の底部前面に設けられる排水ポンプ11と、外箱1の背面下端に設けられる排水部12と、水槽2と排水ポンプ11の取水口との間、及び、排水ポンプ11の排水口と排水部12との間に架設される排水管44と、水槽2の下面後端及び排水管44との接続部に設けられる排水弁60とを含む。
洗濯乾燥機100はさらに、図示しない外部の水源と水槽2とに接続され、外部の水源からの洗濯用水を水槽2に給水する給水管と、給水管に設けられる洗濯用給水弁と、給水管内に設けられる銀イオン溶出ユニットとを含む。
銀イオン溶出ユニットは、電圧源、及び、電圧源に接続される2枚の板状の銀電極を含む。2枚の銀電極は、互いの板面が対向するように、洗濯用給水の循環方向と略平行に設置される。銀電極間に電圧を印加することにより、洗濯用水に銀イオンが溶出する。銀イオンを含む水は、排水弁60並びに逆止弁62及び63が閉状態で、かつ、洗濯用給水弁が開状態のときに、給水管を通じて水槽2内に供給される。
洗濯乾燥機100は、さらに、排水ポンプと、外箱1の背面に設けられる排水部と、水槽2の下面後端と排水ポンプとの間、及び、排水ポンプと排水部との間に架設される排水管と、水槽2と排水管との接続部に設けられる排水弁とを含む。
図3に、図2に示すにおいセンサ部105の側断面図を示す。
図2及び図3を参照して、においセンサ部105は、中空で略直方体の筺体120と、筺体120の逆止弁62側端面に設けられ、筺体120の内部空間に循環空気を導入するための逆止弁が設けられたガス導入部128と、筺体120の逆止弁63側端面に設けられる、筺体120の内部空間の気体を排出する、逆止弁が設けられた排気部122とを含む。ガス導入部128及び排気部122は小室175内に開口している。
においセンサ部105はさらに、筺体120の内部に形成され、筺体120の内部空間を、小室170,171、172、173、174及び175に分離するための、仕切部材150、152、153、154、及び155を含む。仕切部材150は、小室170、171、及び172にそれぞれ対応して形成された、開口110、111及び112を有する。仕切部材152は、小室173及び174にそれぞれ対応して形成された、開口113及び114を有する。
においセンサ部105はさらに、筐体120の上面及び下面において、開口110、111,112、113、及び114にそれぞれ対向するように設けられる、排気部122と同様の排気部130、131、132、133及び134を含む。
においセンサ部105には、小室毎に異なる特定におい成分を検出するためのセンサ等が配置されている。その構成はいずれも同じである。したがって、ここでは小室170の構成のみを説明する。
においセンサ部105は、さらに、小室170内に、開口110を塞ぐように設けられる循環空気中の特定におい成分のみを選択的に透過する選択透過膜162を含む。
選択透過膜162は、具体的には、ポリスルフォン、セルロースアセテート、ポリイミド、ポリ4−メチルペンテン、シリコンゴム、ポリカーボネート等の高分子材料、パラジウム等の特定成分を吸着する金属、及びこれらの複合材料のうち、特定におい成分検出について、その感度及び精度を向上させるものが選択される。例えばセンサが検出する特定におい成分を透過させる材料、又は、当該特定におい成分の検出を阻害する物質を透過しない材料である。
この実施の形態では、選択透過膜162は循環空気中のこれら特定におい成分のみを透過するものとする。選択透過膜162は、上記した特定におい成分に加え、循環空気中の通常の気体(窒素、酸素等)を透過するものであってもよい。また、各小室に設けられた選択透過膜は、互いに異なるガス成分が透過されるものである。
においセンサ部105はさらに、小室170内の、開口110と排気部130との間に配置されたセンサ基板140と、センサ基板140の開口110に臨む面に設けられたヒータ144と、ヒータ144の上、すなわち開口110に臨む位置に配置された、特定におい成分の濃度を測定するためのセンサ148と、小室175内の、開口112及び114と排気部122との間に設けられ、ガス導入部128から小室175内部に導入される排気を反射して押戻すための反射板166と、ガス導入部128内部の逆止弁の近傍に設けられ、循環空気の流量を測定するための流量センサ164とを含む。
このにおいセンサ部105で使用されるセンサ148は、特定におい成分を選択的に吸着することができる。センサ148はいずれも、カーボンナノチューブ(Carbon Nano Tube。以下「CNT」と呼ぶ。)からなるガスセンサ素子を含んでいる。
このにおいセンサ部105で使用されるセンサは、皮脂よごれ由来の飽和脂肪酸、化学よごれ由来の炭化水素、油よごれ由来の不飽和脂肪酸、泥よごれ由来のアミン類、及び汗よごれ由来のイソ吉草酸をそれぞれ検出する5つのセンサを含むものとする。以降、上記各成分を検出するセンサを、この順に、センサA,B,C,D,及びEと呼ぶ。なお、本実施の形態ではよごれの検出のために上記におい成分を検出することとしたが、検出すべきにおい成分が上の5種類に限定されるわけではなく、他のにおい成分を検出するようにしてもよいことはいうまでもない。
図4に、ガスセンサ素子180の概略構成を示す。図3を参照して、ガスセンサ素子180は、特定の分子により表面修飾されたカーボンナノ構造体からなるセンシング部182と、センシング部182の両端に配置された電極184及び186とを含む。
図5に、センシング部182における表面修飾の様子を模式的に示す。図5を参照して、センシング部182は、CNT構造体188と、CNT構造体188表面に固定された、検出対象ガスに対応する特定の物質の分子194とを含む(ここでは分子194として金属フタロシアニンの分子構造を図示しているが、分子194は金属フタロシアニンに限定されない。)。
たとえばマンガンフタロシアニンでカーボンナノ構造体の表面を修飾すると、循環空気中の脂肪酸がこれらマンガンフタロシアニンに吸着される。その結果、前述したとおりカーボンナノ構造体の電気抵抗が変化する。この変化量は、カーボンナノ構造体表面に吸着した脂肪酸分子の数に応じて変わる。したがって、センシング部182に電流を通したときの抵抗値の変化を見ることにより、循環空気中の脂肪酸の濃度を検出することができる。特定におい成分のにおい強度は、各成分の濃度と正の相関関係にあることは言うまでもない。したがって、センシング部182の電気抵抗変化により特定におい成分のにおい強度を求めることができる。
なお、この実施の形態では、センサ148のセンシング部として、皮脂よごれである脂肪酸を選択的に吸着するマンガンフタロシアニンにより表面修飾されたものを用いている。
図6は、各センサに設けられた、ガスセンサ素子180の電気抵抗変化を測定するための測定回路200の構成を示す。図6を参照して、測定回路200は、定電圧源210と、定電圧源210の両端の間に直列に接続されたガスセンサ素子180及び負荷抵抗212と、ガスセンサ素子180及び負荷抵抗212の接点に接続された入力を持ち、この接点の電位変化を増幅するための増幅器214とを含む。負荷抵抗212の抵抗値は既知である。ガスセンサ素子180及び負荷抵抗212の接続点の電位を測定することにより、ガスセンサ素子180の電気抵抗の変化を知ることができ、したがって、ガスセンサ素子180に吸着した特定におい成分の濃度を知ることができる。
図7は、洗濯乾燥機100の電気的構成を示す概略ブロック図である。図7を参照して、洗濯乾燥機100は、においセンサ部105、モータ4及びPCイオン発生素子50の他に、銀イオン溶出ユニット42、操作パネル232、水位センサ234、ドアセンサ350、乾燥部238、給排水部242、モータの回転数を検出して回転数信号を出力する回転数検出装置240、給排水部242、及びこれらを制御するプログラムを実行するマイクロプロセッサ236を含む。
操作パネル232は、洗濯条件等の表示を行ない、ユーザによる設定変更を受けるためのものである。水位センサ234は水槽2内の水位を検知するためのものである。ドアセンサ350は、ドアユニット7の開閉状態の変化を検知するためのものである。
乾燥部238は、水槽2及び回転ドラム3内に温暖空気を送風するためのものであり、前述の逆止弁62及び63、給気弁35、循環ファン9、並びに空気加熱ヒータ10を含む。給排水部242は、水槽2への給水と、外部への排水を行なうためのものであり、洗濯用給水弁68、排水ポンプ11及び排水弁60、及び逆止弁66を含む。
マイクロプロセッサ236は、においセンサ部105に接続され、においセンサ部105の制御を行なうためのにおいセンサ部制御装置256の機能と、においセンサ部256を含め各種機能ブロックを制御する制御部270の機能とを実現するプログラムを実行する。マイクロプロセッサ236はそのために、プログラム及びその他の制御に必要なデータを記憶するための記憶部280と、図示しないCPU(Central Processing Unit)とを含む。記憶部280が記憶するデータは、においセンサ部105からのにおい成分の検出信号のレベルとにおい成分の濃度との関係を記憶したルックアップテーブルと、換算されたにおい成分の組合せに対して判定されるよごれの属性との関係と、判定されたよごれの属性に対する好ましい洗濯条件の組合せを記憶する。
制御部270は、操作パネル232、水位センサ234、においセンサ部制御装置256、ドアセンサ350、乾燥部238、回転数検出装置240、モータ4、給排水部242、銀イオン溶出ユニット42及びPCイオン発生素子50に接続され、これらを制御することにより、においセンシングに基づく洗濯条件の設定、及び、洗濯乾燥機としての一般的な機能を実現するためのものである。
図8に、図7に示す操作パネル232の一例を示す。図8を参照して、操作パネル232は、におい成分の種類ごとにその検出の有無を表示するためのにおい種類表示部310と、洗濯終了後のにおいセンシングにおけるにおい成分の検出の有無を表示するための消臭可否表示部311と、検出された各種におい成分のにおい強度を表示するためのにおい強度表示部312とを含む。
におい種類表示部310は、「皮脂よごれ」等の、におい成分の種類を示す複数のテキストと、テキストのそれぞれに対応する互いに異なる色の複数のランプとを含む。例えば、においセンサ部105に関連して、「皮脂よごれ」に対応の左端ランプは、センサAにより飽和脂肪酸(皮脂よごれ由来)が検出された場合に点灯し、検出されない場合は点灯しない。他のランプも同様である。皮脂よごれの他に、化学よごれ、油よごれ、泥よごれ、及び汗よごれに関して検出結果が表示される。化学よごれは、センサBによる炭化水素の検出に対応する。油よごれはセンサCの不飽和脂肪酸検出、泥よごれはセンサDのアミン類検出、汗よごれはセンサEのイソ吉草酸検出に、それぞれ対応する。
消臭可否表示部311は、「消臭済」のテキスト形状の窓と、この窓に設けられた光源とからなる。におい成分が何ら検出されなかった場合、消臭可否表示部311の光源は点灯する。何らかのにおい成分が検出された場合は点灯しない。
におい強度表示部312は、上下に配列された5つのバー状の窓と、これら各窓に設けられる、緑色及び赤色の光源とからなる。全ての種類のにおい成分を総合したにおいレベルに応じて、弱から強の5つのバーが下から上の順に点灯する。全くにおいがないときには全くバーは点灯しない。弱いにおいがするときは1番下のバーのみが点灯する。においがそれより強くなると、1番目及び2番目のバーが点灯する。以下同様で、においが最も強くなると全てのバーが点灯する。におい強度表示部312の点灯色はにおい強度と関連する。例えば、におい強度が弱い場合には緑色で点灯し、やや強くなると黄色で点灯し(緑色及び赤色の双方を点灯させる。)、最も強いと赤色で点灯する。この表示色が緑色であれば「においなし(OK)」、黄色であれば「ややにおいあり(考慮して洗濯)」、赤だと「強いにおい(しっかり洗濯)」のようなメッセージを表示するようにしてもよい。
操作パネル232は、さらに、前すすぎボタン314、水量ボタン316、残り時間ボタン320、洗濯強さボタン325、銀イオンボタン324、及び、PCイオンボタン328を含む。
操作パネル232は、さらに、洗濯条件の設定を表示するための、水量表示部318、残り時間表示部322、洗剤種類表示部321、洗剤量表示部323、洗濯強さ表示部327、銀イオン表示部326、及び、PCイオン表示部330を含む。
前すすぎボタン314は、「前すすぎ」のテキスト形状の窓が形成された可撓性のあるパネルと、このパネル内に設けられた光源と、このパネルが押下されたことを検知するパネル下に設けられたスイッチとを含む。この光源は、洗濯前のすすぎ(前すすぎ)に関し、前すすぎ有りの設定の場合は点灯し、なしの場合は点灯しない。前すすぎボタン314の押下により、前すすぎの設定(有り/無し)が変更される。
水量ボタン316が押下されると、水量表示部318の表示、及び、洗濯に利用する水量の設定が変更される。
残り時間ボタン320が押下されると、残り時間表示部322の表示、及び、洗濯開始からすすぎを経て脱水が終了するまでの時間の設定が変更される。
洗剤種類表示部321及び洗剤量表示部323は、それぞれ、洗剤種類及び洗剤量に関する条件を表示する。
洗濯強さボタン325が押下されると、洗濯強さに関する設定が変更され、洗濯強さ表示部327において変更後の条件に対応するランプが点灯する。
銀イオンボタン324は、「銀イオン」のテキスト形状の窓が形成された可撓性のあるパネルと、このパネル内に設けられた光源と、このパネルが押下されたことを検知するパネル下に設けられたスイッチとを含む。この光源は、すすぎ水に対する銀イオン付与に関し、銀イオン有りの設定の場合は点灯し、なしの場合は点灯しない。銀イオン表示部326は、銀イオン強度が「強」であることを示すランプと、「標準」であることを示すランプとを含む。銀イオンボタン324の光源が点灯している場合、銀イオン表示部326が含む、強又は標準の何れかに対応するランプが点灯する。銀イオンボタン324の押下により銀イオン付与の設定が変更される。
PCイオンボタン328は「PCイオン」のテキスト形状の窓が形成された可撓性のあるパネルと、このパネル内に設けられた光源と、このパネルが押下されたことを検知するパネル下に設けられたスイッチとを含む。PCイオンボタン328及びPCイオン表示部330の表示態様は、銀イオンボタン324及び銀イオン表示部326と同様である。
操作パネル232は、さらに、洗濯を開始するためのスタートボタン340と、洗濯乾燥機100の主電源をON/OFFするための電源ボタン342とを含む。
図9に、図7に示す記憶部280が記憶する、衣類6に含まれるにおい成分の属性に応じて表示及び設定される洗濯条件を含む、洗濯条件決定テーブル346を示す。図9を参照して、洗濯条件決定テーブル346は、洗濯前の前すすぎ、洗濯に利用する水量、洗濯にかかる時間(残り時間)、ユーザに推奨する洗剤種類及びその量、洗濯強さ、すすぎ時の銀イオン付与強度、並びに乾燥時のPCイオン付与強度の各項目を含む。
ここでは、衣類6に含まれるにおい成分を、その属性により親油性、親水性、及びその他の3種類に分類している。洗濯条件決定テーブル346は、においがない場合(以降「なし」と呼ぶ。)も含め、においの属性に対応した4種類の洗濯条件を含む。なお、洗濯によるよごれの落ちにくさは、親油性、その他、親水性の順である。
親油性におい成分は、図8のにおい種類表示部310に表示の種類のうち、皮脂よごれ、化学よごれ、及び油よごれを含み、洗剤により効果的に除去される。したがって、親油性におい成分に対する洗濯条件によれば、強力な種類の洗剤を使うこと、及び、その洗剤量を多くすることをユーザに促す表示がなされる。加えて、洗濯水量も多く設定される。親油性におい成分には有機物が含まれる。このため、この洗濯条件では有機物の分解に効果的な銀イオン及びPCイオンの付与強度を強力とし、各付与量を多くする。
親油性よごれと比較して、汗よごれ等の親水性におい成分は水により効果的に除去される。したがって、親水性におい成分に対する洗濯条件によれば、前すすぎの後、通常よりも少ない洗剤量で、多量の洗濯水量により洗濯が行なわれる。
その他のにおい成分は、泥よごれを含む。この場合、なしの場合と洗濯条件は同様であるが、消臭のため、銀イオン及びPCイオンの付与を行なう。
図10は、図7に示す制御部270が実行する、におい成分の属性に基づき、よごれに応じた洗濯を実行するためのプログラムの制御構造を示すフローチャートである。本プログラムは、電源ボタン342押下後、図7に示すドアセンサ350がドアユニット7の開から閉への状態を検知し、制御部270がその旨を受信したことに応答して起動される。
図10を参照して、本プログラムは、図7に示すにおいセンサ部制御装置256ににおいセンシングを指示し、その結果に応じた洗濯条件の表示及び設定を行なうステップ(以下単に「S」と示す。)80と、S80の後に実行され、図8に示すスタートボタン340の押下があるまで待機するS82と、S82においてスタートボタン340の押下があったと判定されたことに応答して実行され、洗濯を開始するS84と、S84の後に実行され、当該洗濯が終了するまで待機するS86と、S86において洗濯が終了したと判定されたことに応答して実行され、S80と同様、においセンサ部制御装置256ににおいセンシングを指示し、その結果に応じた洗濯条件の表示及び設定を行なうS88とを含む。
図11は図10に示すS80の詳細を示すフローチャートである。図11を参照して、S80において実行される処理は、図7に示す乾燥部238を制御して水槽2へ温暖空気の送風を開始するS90と、S90の後に実行され、逆止弁62及び63を開にするS92と、S92の後に実行され、所定時間が経過するまで待機するS94と、S94において所定時間が経過したと判定されたことに応答して実行され、逆止弁62及び63を閉にするS96とを含む。
本プログラムは、さらに、においセンサ部制御装置256ににおいセンシングを指示するS100と、S100の後に実行され、S92、S94及びS96と同様の処理をそれぞれ行なうS102、S104及びS106と、S106の後に実行され、乾燥部238を制御して送風を停止するS108とを含む。
S80で実行される処理は、さらに、S108の後に実行され、においセンサ部制御装置256からセンシング結果を受信したか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS110と、S110においてセンシング結果を受信したと判定されたことに応答して実行され、図8に示すにおい種類表示部310において、検出されたにおい成分の、種類に対応するランプを点灯するS112と、S112の後に実行され、図9に示す洗濯条件決定テーブル346において、受信したセンシング結果に含まれる、におい属性の行により規定される洗濯条件を図8に示す操作パネル232に表示するS114と、S114の後に実行され、受信したにおい属性の行により規定される洗濯条件を設定するS116とを含む。S116の後、S80の処理は終了する。
S80で実行される処理は、さらに、S110においてセンシング結果を受信していないと判定されたことに応答して実行され、所定時間を経過したか否かを判定し、所定時間を経過していない場合は処理をS110に戻すS122と、S122において所定時間を経過したと判定されたことに応答して実行され、操作パネル232にエラーを表示するS124とを含む。S124におけるエラー表示は、例えば、におい種類表示部310及びにおい強度表示部312に含まれる光源が順次、点灯/消灯するような態様であっても良い。S124の後、S80の処理は終了する。
なお、図10に示すS88における処理は、S80と同様である。しかし、図11のS112において、S80では図8に示す消臭可否表示部311は点灯しないのに対し、S88では、受信したセンシング結果においてにおい成分の検出が無い場合、消臭可否表示部311が点灯することが、S80とは異なる。
図12は、図11のS110においてYESと判定されたことに応答して制御部270が起動する、図8に示すにおい強度表示部312における表示を行なうためのプログラムのフローチャートである。図12を参照して、本プログラムは、におい強度表示部312の表示をクリアするS144と、S144の後に実行され、タイマ(制御部270に内蔵)をクリアしスタートさせるS146と、S146の後に実行され、S146の後に実行され、全てのにおい成分の検出値の合計を算出するS148と、S148において算出された検出値合計に応じた表示色で、検出値合計に応じた数のバーをにおい強度表示部312に表示させるS150と、S150の後に実行され、タイマが満了するまで待機するS152とを含む。S152においてタイマが満了したと判定された場合、処理を終了する。なお、スタートボタン340の押下があった場合、このプログラムは強制終了される。
図13は、図8の操作パネル232に含まれる、前すすぎボタン314、水量ボタン316、残り時間ボタン320、洗濯強さボタン325、銀イオンボタン324、及び、PCイオンボタン328が押下を受けたことに応答して、その都度、制御部270が起動するプログラムのフローチャートである。
図13を参照して、各種ボタンに対応する構成要素の動作設定を変更するためのプログラムは、押下前の設定が、当該項目の最下位レベルであるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS180を含む。ここでレベルの上位下位は、前すすぎのようなON/OFF設定ではONを上位、OFFを下位とする。洗濯水量のような量の設定では多量を上位、少量を下位とする。また、洗濯強さ等のような強弱設定では強を上位、弱を下位とする。
本プログラムは、さらに、S180において押下前の設定が、当該項目の最下位レベルであると判定されたことに応答して実行され、設定を当該項目での最上位レベルに設定し、対応する表示を行なうS182と、S180において当該設定が当該項目の最下位レベルではないと判定されたことに応答して実行され、当該項目について一つ下位のレベルへ設定を変更し、対応する表示を行なうS184とを含む。S182及びS184の後、処理は終了する。
図14は、図8に示すにおいセンサ部制御装置256が定期的に実行する、センサの基準値を取得するためのフローチャートである。センサは、どうしても経時的に劣化するため、ある間隔をおいてこのような基準値を取得する処理を実行する。例えば前回の基準値の測定後、ある程度の期間(例えば1ヶ月)が経過した後、最初に使用者が電源を投入したときに、洗濯物が投入される前にこの処理を実行する。洗濯物が投入されているか否かについては、たとえば回転ドラム3の重量変化を測定すればよい。この処理の途中で洗濯物が投入されたときには、そこで処理を終え、次の機会に測定の続きを実行する。
図14を参照して、本プログラムは、図7に示す乾燥部238を制御して水槽2へ温暖空気の送風を開始するS200と、逆止弁62及び63を開くS201と、においセンサ部105内の全センサの再生を行なうS202と、S202の後に実行され、所定時間が経過するまで待機するS203と、S203において所定時間が経過したと判定されたことに応答して実行され、においセンサ部105の全センサにおいて測定を行なうS204と、S204の後に実行され、全センサからの出力に対し、以下の一連のステップからなるプロセス211を実行した後処理を終了するS205とを含む。
プロセス211は、処理対象のセンサからの出力に対し、当該センサの出力を読出すS206と、この出力レベルを内蔵メモリ内の、当該センサに対応するテーブルに記憶するS207とを含む。プロセス211は、温風そのもののにおいセンシングを行ない、センサの出力を基準値として記憶する。S207の後、処理は次のセンサへ進む。
図15及び図16は、図8に示すにおいセンサ部制御装置256が、図11に示すS100において実行されるセンシング処理を実現するための処理のフローチャートである。
図15を参照して、本プログラムは、制御部270の指示により起動され、図14に示すS202、S203及びS204と同様の処理をそれぞれ行なうS216、S217、及びS218と、S218の後に実行され、全センサからの出力に対し、以下の一連のステップからなるプロセス222を実行するS220とを含む。
プロセス222は、処理対象のセンサからの出力に対し、当該センサの出力を読出すS224と、この出力レベルに基づいて当該センサからの出力があったか否か(当該出力レベルと、対応するテーブルに記憶されている基準値との差が所定のしきい値より高いか否か)を判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS226と、S226において出力があったと判定されたことに応答して実行され、当該センサの出力に対応するルックアップテーブルを用いて当該におい成分のにおい強度を算出するS228と、S228の後に実行され、当該におい成分が検出されたことを示す情報、及び、S228において算出されたにおい強度を内蔵メモリに記憶するS230と、S226において出力がないと判定されたことに応答して実行され、当該におい成分が検出下限以下であったことを示す情報を内蔵メモリに記憶するS232とを含む。S230及びS232の後、当該センサの出力に対する処理は終了する。
図16を参照して、本プログラムは、さらに、プロセス222の後に実行され、センサAの検出があったか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS250と、S250においてセンサAの検出があったと判定されたことに応答して実行され、衣類6の有するにおいの属性が親油性であると決定し内蔵メモリに記憶するS252と、S250においてセンサAの検出が無かったと判定されたことに応答して実行され、センサBの検出があったか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS256と、S256においてセンサBの検出が無かったと判定されたことに応答して実行され、センサCの検出があったか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS258とを含む。S256及びS258においてYESと判定された場合、処理はS252へ進む。
本プログラムは、さらに、S258においてセンサCの検出が無かったと判定されたことに応答して実行され、センサDの検出があったか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS260と、S260においてセンサDの検出があったと判定されたことに応答して実行され、においの属性をその他と決定するS262と、S262においてセンサDの検出が無かったと判定されたことに応答して実行され、センサEの検出があったか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるS264と、S264においてセンサEの検出があったと判定されたことに応答して実行され、においの属性を親水性と決定するS266と、S264においてセンサEの検出が無かったと判定されたことに応答して実行され、衣類6がにおい成分を有せず、におい属性を無しと決定するS268とを含む。
本プログラムは、さらに、S252、S262、S266及びS268の後に実行され、内蔵メモリに記憶されるセンシング結果に関する情報を制御部270に通知するS254を含む。S254では、決定されたにおい属性と、検出対象におい成分の検出の有無と、検出されたにおい成分のにおい強度とを制御部270に通知する。
本プログラムは、さらに、においセンサ部105内の全センサの再生を行なうS272を含む。S272の後、処理を終了する。
−動作−
図2、図3及び図7を参照して、以上に構成を説明した洗濯乾燥機100は、以下のように動作する。
ユーザが図8に示す電源ボタン342を押下し、主電源を投入する。このとき、前回の基準値測定から所定期間が経過していれば、図14に示す基準値の取得処理が実行される。ユーザが洗濯物である衣類6を回転ドラム3に投入した後、開状態のドアユニット7を閉状態とする。ドアセンサ350はこれを検知して、制御部270に通知する。これに応答して、制御部270は図10に制御構造を示すプログラムを起動する。
図14に示す基準値の取得処理では洗濯乾燥機100は以下のように動作する。
排水ポンプ11の電源が投入され、排水可能となる。制御部270は乾燥部238を制御して送風を開始する(図14のS200)。すなわち、図2を参照して、給気弁35は開とされ、循環空気の供給源及び通路が確保される。循環ファン9の電源が投入され、白矢印方向に空気が循環する。空気加熱ヒータ10により循環空気が加熱される。送風管36を介して温暖な循環空気が回転ドラム3内に導入される。逆止弁62及び63は開とされ、循環空気は枝管61へ導入される(S201)。フィルタ64によりフィルタリングされた後、循環空気がにおいセンサ部105に導入される。制御部270は所定の時間が経過するまで待機する(S203)。この時間はにおいセンサ部105の再生を十分に行なうためのものである。
においセンサ部制御装置256は、小室170〜174の各構成要素に対して以下の制御を行なう。においセンサ部制御装置256は、ヒータ144に一定時間電流を流して加熱し、センサ148のCNTに吸着したガス分子を脱離させ、センサを再生させる(図14のS202)。においセンサ部制御装置256は、脱離したガス分子が、センサ148に再吸着しないで十分排気されるよう、所定時間待機する(S203)。排気された脱離ガス分子は、循環ファン9に含まれるにおい捕集部により捕集され、回転ドラムに導入される循環空気に脱離ガス成分が含まれることが防がれる。
なお、本実施の形態では再生時の脱離ガスをにおい捕集部により捕集している。しかし本発明はそのような実施の形態には限定されない。例えば、再生時には、脱離ガスを洗濯機外部でかつ給気部34への空気取入口と反対側に排出するような排気管を設けてもよい。
続いて、においセンサ部制御装置256は、導入される循環空気の測定、すなわち、全センサについて、出力を読出す処理(S206)及びその値を基準値としてテーブルに記憶する処理(S207)を実行する。この後、制御部270は逆止弁62及び63を閉とする(S208)。さらに温風を停止する(S209)。
以上の処理で基準値がテーブルに記憶される。途中で回転ドラム3内に洗濯物が投入されたときには、その時点までのデータを保持し、S208及びS209の処理を実行してこのプログラムの実行を直ちに終了する。
使用者が洗濯物を回転ドラム3に投入した後、制御部270は、温風の送風を開始させ(S90)、逆止弁62及び63を開き(S92)、センサが完全に再生されるよう、所定時間が経過するまで待機する(S94)。所定時間が経過したら逆止弁62及び63を閉じ(S96)、においセンサ部制御装置256ににおいセンシングを実行するよう指示する(図11のS100)。温暖空気の循環を継続し、逆止弁62及び63を開とする(S102)ことにより、衣類6に付着したよごれから発生するにおい成分の一部が循環空気により枝管61に導入される。制御部270は、所定時間が経過してにおいセンサ部105によるセンシング終了後、逆止弁62及び63を閉とする(S104でYES、S106)。制御部270は、乾燥部238を制御して送風を停止する。すなわち、空気加熱ヒータ10及び循環ファン9の電源は切断される。給気弁35は閉とされる(S106)。制御部270はにおいセンサ部制御装置256からセンシング結果の通知を受けるまで待機する。
図6を参照して、定電圧源210により、ガスセンサ素子180と負荷抵抗212とを直列接続したものの両端に一定電圧をかけておく。
図3を参照して、枝管61内の空気はガス導入部128から小室175に導入される。空気の一部は開口110〜114を介して小室170〜174に直接流入する。このとき、選択透過膜162の存在により、空気中の特定におい成分のうち、脂肪酸のみが効率よく小室170に導入される。その他のセンサの検出対象成分についても同様に、効率よく該当する小室に導入される。このとき、選択透過膜162の存在と、排気部130〜134の存在とにより、循環空気はある程度の圧力で筐体120中に吹込まれる必要がある。その結果、開口110〜114を経て各センサ148にいたる循環空気の流速は高くなり、センサ148は比較的多量の循環空気にさらされることになる。開口110〜114を通り過ぎた循環空気も、反射板166により反射されて再び開口110〜114の位置に戻る。ガス導入部128からは引続き循環空気が小室175中に導入されるため、反射された循環空気と導入された循環空気とが開口110〜114の地点で会合し、効率よく小室170〜174に導入される。
なお、この実施の形態では、流量センサ164によって計測開始からの循環空気の流量を測定する。においセンサ部制御装置256は、循環空気の量が不足しているとき及び十分になったときには、制御部270にその旨を通知する。制御部270は乾燥部238を制御して測定に適切な風量を調整する。
センサ148においては、脂肪酸分子等がCNTに吸着され、その結果ガスセンサ素子180の電気抵抗が増加する。その変化を増幅器214で増幅した信号を出力信号として、においセンサ部制御装置256が読出す。
においセンサ部制御装置256は以下の処理を、脂肪酸を検出するセンサAの出力に対して行なう。すなわち、出力を読出して、そのレベルを基準値として対応するテーブルに記憶する(図14のS214及びS215)。
においセンサ部制御装置256は、センサAに対するのと同様の処理を他のセンサの出力に対しても行なう。
においセンサ部制御装置256は、制御部270からのにおいセンシング開始指示により、図15のプログラムを起動する。
においセンサ部制御装置256は、小室170〜174の各構成要素に対して、基準値取得の際と同様の制御を行なう(S216、S217及びS218)。
においセンサ部制御装置256は以下の処理を、脂肪酸を検出するセンサAの出力に対して行なう。すなわち、出力を読出して、その値が出力の存在を示しているか否かを判定する。もしも出力の存在が示されている場合には、においセンサ部制御装置256は内蔵メモリに記憶されている脂肪酸用のルックアップテーブルを用い、S224で読出したセンサ出力を用いたテーブルルックアップによって、循環空気中の脂肪酸のにおい強度を算出し(図14のS228)、それを内蔵メモリ内の記憶領域に記憶する。
もしもS226で出力がないと判定されると、においセンサ部制御装置256は脂肪酸の測定値が検出限界以下であったことを示す情報を記憶する(S232)。
全センサの出力に対する処理の後、においセンサ部制御装置256は、全センサの検出があったか否かを判定し、判定結果に基づき衣類6の有するにおいの属性を決定する。すなわち、センサA、B及びCの何れかの検出があった場合(S250、S256、又はS258のいずれかでYES)、においセンサ部制御装置256は、におい属性が親油性であると決定し内蔵メモリに記憶する(S252)。センサA、B及びCの何れについても検出下限以下であって、センサDの検出があった場合(S262でYES)、においセンサ部制御装置256は、におい属性がその他であると決定し記憶する(S262)。センサEのみ検出があった場合(S264でYES)、においセンサ部制御装置256は、におい属性が親水性であると決定し記憶する(S266)。全センサにおいて検出が無かった場合(S264でNO)、においセンサ部制御装置256が、におい属性はなしであると決定し記憶する(S268)。内蔵メモリに記憶されたにおい属性と、各センサ出力に対応する、検出対象におい成分の検出の有無及びにおい強度とは、制御部270に通知される(S254)。
再び図11のプログラムにおいて、制御部270は、センシング結果を受信したことに応答して、操作パネル232のにおい種類表示部310において、受信した検出におい成分の、種類に対応するランプを点灯させる(S110においてYES、S112)。制御部270は、記憶部280に記憶される洗濯条件決定テーブル346(図9に示す)を読出す。制御部270は、洗濯条件決定テーブル346内の、受信したにおい属性の行により規定される洗濯条件を操作パネル232に表示する(S114)。制御部270は、同様に、洗濯条件決定テーブル346内の、受信したにおい属性の行により規定される各洗濯条件に応じ、接続される構成要素を制御して、各洗濯項目に関する設定を行なう(S116)。
センシング結果受信により、制御部270は、さらに、図12に制御構造を示すプログラムを起動する。制御部270は、におい強度表示部312の表示をクリアし(S144)、内蔵タイマをクリアして起動させる(S146)。処理対象のにおい成分に関する情報において、当該成分が検出された場合(S148でYES)、そのにおい強度を割当てられた色によりにおい強度表示部312に表示する(S150,S152でNO)。タイマが満了した場合(S152でNO)、及び、当該におい成分が検出されていない場合(S148でNO)、処理は次のにおい成分の情報へ進む。
操作パネル232に含まれるボタンの押下により、洗濯条件の変更が指示された場合、制御部270は図13に制御構造を示すプログラムを起動する。押下前の設定が、当該項目の最下位レベルであった場合(S180においてYES)、制御部270は当該項目の最上位レベルに設定を変更し、操作パネル232に対応する表示を行なう。押下前の設定が最下位レベルでなければ(S180でNO)、制御部270は押下前より一つ下位のレベルに設定、及び表示を変更する(S184)。
その後スタートボタン340の押下があった場合(図10のS82においてYES)、制御部270は設定された条件による洗濯を開始する。
洗濯が終了した場合(S86においてYES)、制御部270は再びにおいセンサ部制御装置256ににおいセンシングを指示し、その結果に応じてにおい属性により規定される洗濯条件の表示及び設定を行なう(S88)。ここで、におい成分の検出がない場合は消臭可否表示部311が点灯し、ユーザににおい成分を検出しなかった旨を通知する。におい成分が再び検出された場合、消臭可否表示部311は点灯しない。
具体例として、衣類6に脂肪酸(皮脂よごれ由来)及びインドール(汗よごれ由来)が含まれていた場合について以下に示す。
においセンサ部制御装置256は、センサAの出力から脂肪酸のにおい強度を算出し、皮脂よごれを検出したことを示す情報、及び算出したにおい強度を内蔵メモリに記憶する(図14のS230)。センサB〜Dに関して、においセンサ部制御装置256は、化学よごれ、油よごれ及び泥よごれが検出以下であったことを示す情報を記憶する(S232)。センサEに対して、センサAと同様の処理が行なわれる。
においセンサ部制御装置256は、センサAの検出があったため(S250においてYES)、当該におい属性を親油性と決定してこれを内蔵メモリに記憶する(S252)。内蔵メモリに記憶されたセンシング結果が制御部270に通知される(S254)。
制御部270は、受信したセンシング結果に基づき、図8に示すにおい種類表示部310において、皮脂よごれ及び汗よごれに対応するランプを点灯させる(図11のS110においてYES、S112)。さらに、制御部270は、図9に示す洗濯条件決定テーブル346内の親油性の行により規定される各洗濯条件を操作パネル232に表示し設定する(S114及びS116)。この結果、皮脂よごれに対し、効果的な洗濯を行なうことが出来る。
なお、ここでは親油性のよごれを主眼に洗濯を行なうことを想定しており、複数の洗濯物から発生するにおい成分の中に親油性のよごれから発生するものがあれば、親油性のよごれを落とすことを主眼に洗濯条件を設定する。しかし本発明はそのような実施の形態には限定されない。例えば、親油性のよごれの量と親水性のよごれの量とをにおい成分から推定し、それらの値を数値的に表示して、使用者に洗濯条件を指定させたり、洗濯物をよごれ別に分けさせたりするようにしてもよい。また、検出されたにおい成分からよごれの構成を推定し、それをグラフ等で表すようにしてもよい。
この表示により、ユーザは衣類6に含まれるにおい種類と全体のにおい強度とを知ることが出来る。このため、洗剤の種類、洗濯物の分別、及び洗濯時間等の設定等を適切に行なうことが出来る。
制御部270は、化学よごれ、油よごれ、泥よごれに関し、センサB〜Dにおける検出が無い(S148においてNO)ため何の表示も行なわない。
制御部270は、さらに、図9のにおい強度表示部312によごれのにおい強度を表示する。検出された全てのよごれのにおい強度を合計した値に応じた数の強度バーについて、よごれが全くないかほとんどない場合には緑色のランプを、中程度のよごれの場合には緑色と赤色の双方のランプを、よごれの量が大きな場合には赤色のランプを、それぞれ点灯させる(S148においてYES、S150)。制御部270は、所定の時間が経過しタイマが満了する(S152においてYES)まで当該表示を継続する。
ユーザが図8に示す前すすぎボタン314を押下したものとする。これは、汗よごれが親水性であるため、ユーザが汗よごれ除去のための洗濯条件調整を試みたものである。ボタン押下前の前すすぎ設定は無しであるため(図13のS180においてYES)、制御部270は、前すすぎ設定をありに変更してその旨を表示する(S182)。
スタートボタン340の押下により洗濯が開始され、洗濯終了後(図10のS86においてNO)、再びにおいセンサ部105によるにおいのセンシングが行なわれる。センサA〜Eのいずれも検出が無い場合、制御部270は消臭可否表示部311を点灯させる。ユーザは、衣類6を回転ドラム3内に収容したまま、におい成分が除去できたか否かを確認することが出来る。もしセンサ検出があった場合、におい属性に応じて再び洗濯条件が設定される。衣類6を回転ドラム3内に収容したまま、再びにおい除去に適した条件で洗濯を行なうことが出来る。このため、ユーザは衣類6を水槽2から取出してにおいを確認する等の煩雑な作業を回避することが出来る。
以上のように、本実施の形態に係る洗濯乾燥機によれば、検出したにおいから、よごれの属性を決定し、これに応じて、よごれを除去するのに適した洗濯条件を設定する。その結果、洗濯物のよごれ除去に適した洗濯を行なうことが出来る。
さらに、この洗濯乾燥機によれば、洗濯物のにおい成分を高感度に検出し、その結果、よごれを発見し、発見したよごれを除去することができる。
加えて、この洗濯乾燥機によれば、洗濯後、におい成分の発生源、すなわちよごれを除去できたか否かを槽から洗濯物を取出すことなく確認することが可能である。さらに、よごれが除去されていないと判定された場合には、洗濯を繰返して実行することができる。
[変形例]
上記実施の形態において、センサとしては5種類の特定におい成分を検出できるものを使用した。しかし、本発明はそのような実施の形態には限定されず、5種類を超える又は5種類未満の特定におい成分を検出できるように異なる数のセンサを用いてもよい。この場合には、これらのセンサを同一の小室に配置することも、別々の小室に配置することもできる。ただし、前者の場合には各センサが、特定におい成分の選択的吸着能を有することが条件である。後者の場合には、各小室の入り口に、所望の化学物質のみを選択的に透過する選択透過膜を配置すればよい。
上記実施の形態においては選択透過膜を使用している。しかし本発明は、選択透過膜を利用しないセンサを用いるものでも良い。さらに、複数のセンサは、選択透過膜を用いるセンサと、そうでないセンサとの両方を含むものでも良い。
上記実施の形態において、においセンサ部制御装置256が図14に示すS220において行なう判定は、特定におい成分の濃度が検出下限を超えるか否かというものである。しかし、この発明はこのような実施の形態に限定されない。例えば、各におい成分のにおい強度にしきい値を設ける。テーブルルックアップにより求められるにおい強度がしきい値を超えない場合は、当該におい成分の存在はその後の洗濯条件の決定に反映されない態様であっても良い。
上記実施の形態では、洗濯物に付着したよごれから発生するにおい成分のセンシング結果のみを反映した洗濯条件が設定される。しかし、この発明はそのような実施の形態に限定されない。従来の洗濯乾燥機は、洗濯物の量にしたがい、予め定められた洗濯条件を設定する。例えば本発明において、当該洗濯条件に対し、さらに、におい成分の属性を加味した条件を準備して実行しても良い。具体的には、例えば、におい成分によってよごれが親油性であることが示されていれば、洗濯量により規定される洗剤量をさらに増やす等の例を挙げることが出来る。従来の洗濯乾燥機は、洗濯物の素材等に合わせて異なる洗濯条件を設定することができるが、本発明において、これらの素材にあわせた洗濯条件に、におい成分の属性を加味した条件を付加しても良い。
上記実施の形態において、この洗濯乾燥機は、におい成分として、皮脂よごれ由来の飽和脂肪酸、化学よごれ由来の炭化水素、油よごれ由来の不飽和脂肪酸、泥よごれ由来のアミン類、及び汗よごれ由来のイソ吉草酸を検出する。しかし、本発明はこのような実施の形態に限定されない。例えば、たばこ臭、介護等に伴うトイレ臭、建材に係るVOCs(揮発性有機化合物、Volatile Organic Compounds)臭、排ガス臭、生ごみ臭、焼肉臭、部屋干による洗濯臭、及び、ペット臭等のにおい成分を検出する態様であっても良い。さらに、これらの各におい成分の除去に適した洗濯条件が予め定められており、各におい成分の検知により適切な洗濯条件を設定する態様であることが望ましい。
なお、上記のようなにおい成分は、複数の化学物質により構成される。したがって、この洗濯乾燥機は、においセンサ部に当該化学物質を検出するセンサを含み、各センサの検出結果を総合して当該におい成分を検出し、同定する態様であっても良い。例えば、たばこ臭を発生する成分はアンモニア、ピリジン、二酸化炭素及びインドール等を含み、トイレ臭成分はアンモニア及びインドールを含む。においセンサ部にアンモニア、ピリジン、二酸化炭素及びインドールをそれぞれ検出する4種類のセンサを搭載する。全センサにおいて、各検出対象物質が検出されれば、当該におい成分はたばこ臭であり、アンモニア及びインドールのみが検出されればトイレ臭と同定することが出来る。
洗剤には芳香剤が含まれていることが多い。これら芳香剤は洗濯の実行後に多少は洗濯物に残存する。そのため、洗濯の実行後ににおいセンサ部105によるにおい成分の検出を実行すると、検出結果に悪影響が生じる可能性がある。一方、現在の洗濯機には洗剤の自動投入機能が備えられていることが一般的である。洗剤の自動投入機能が備えられている場合には、その洗剤から発生するにおいについてセンシングするガスセンサを別に設け、その検出値と洗濯後のにおいセンサ部105の出力との差分をとることによって、洗剤の芳香剤による影響を抑えることができる。洗剤の自動投入機能が備えられていない場合、例えば洗剤の銘柄にあわせて予め芳香剤による影響として標準的と考えられる値をセンサ出力の基準値として記憶しておき、この値を測定値から差引くようにしてもよい。
今回開示された実施の形態は単に例示であって、この発明が上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。この発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含む。