JP5061632B2 - o−二置換芳香族化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
また本発明者らはマイクロリアクターを用いてハロゲン化合物とリチウム試薬とを反応させてモノリチオ化体を得、これに求電子化合物を反応させる方法を提案している(特許文献1)。しかし、この文献にはハロゲン化合物のハロゲン基1個の反応を開示しており、2個のハロゲン原子が隣接して芳香環上に存在するo−ジハロ芳香族化合物を対応のo−二置換芳香族化合物とすることについては記載はない。またこの特許文献記載方法では、モノリチオ化の反応温度が−10〜40℃と、従来の温度に比べて極めて高い温度で実施できることが特徴であるが、2個のハロゲン原子が隣接して芳香環上に隣接して存在するo−ジハロ芳香族化合物を対応のo−二置換芳香族化合物とすることについては記載はない。
そのためo−ジハロ芳香族化合物の2個のハロゲン原子を全て求電子置換反応させて、o−二置換芳香族化合物を効率よく、高収率で製造できる方法の開発が強く望まれている。
すなわち、本発明は、
(1)少なくとも下記の工程を連続的に行うことを特徴とするo−二置換芳香族化合物の製造方法、
(a)第1のマイクロリアクターでo−ジハロ芳香族化合物の一つのハロゲン原子を、マイクロリアクターの流路内の温度が−80℃〜−50℃の条件下でモノリチオ化する工程(第1工程)、
(b)このモノリチオ化体を、第2のマイクロリアクターで、マイクロリアクターの流路内の温度が−80℃〜−50℃の条件下で求電子置換して、モノ置換モノハロ芳香族化合物を得る工程(第2工程)、
(c)第3のマイクロリアクターでもう一方のハロゲン原子をリチオ化する工程(第3工程)、及び
(d)第4のマイクロリアクターで引き続き求電子置換させる工程(第4工程)。
(2)求電子置換に際し、求電子化合物として、アルデヒド化合物、ケトン化合物、クロロシラン化合物、クロロスタンナン化合物、ハロゲン化アルキル化合物、スルホン酸エステル化合物、又はボロン酸エステル化合物を用いる(1)に記載のo−二置換芳香族化合物の製造方法、及び
(3)第1のマイクロリアクターの流路断面最小長さが10μm〜500μmであり、かつ第2〜第4のマイクロリアクターの流路断面最小長さが各々独立して10μm〜2000μmである(1)または(2)に記載のo−二置換芳香族化合物の製造方法、
(4)第1のマイクロリアクターの流路断面最小長さが、第2〜第4のマイクロリアクターの流路断面最小長さより小さい(1)〜(3)のいずれか1項に記載のo−二置換芳香族化合物の製造方法、
を提供するものである。
本発明において、上記の(a)〜(d)の工程を連続的に行うことは、各工程の反応をフローで連続的に行うことを意味し、各工程の間に適宜、精製処理等を挿入することを除外するものではない。
本発明において用いられるo−ジハロ芳香族化合物は下記一般式(I)で表わされる。
本発明においては、第1及び第2の工程で、一方のハロゲン原子X1をリチオ化後求電子基に置換し、第3及び第4の工程で隣接するハロゲン原子X2をリチオ化後求電子基と置換して、下記一般式(II)で表わされる、o−二置換芳香族化合物を得る。
本発明におけるマイクロリアクター(マイクロフローリアクター)とは、複数の液体を混合する混合部(マイクロミキサー)とそれに続く反応部からなる微小流通式反応器であり、混合部および反応部の流路断面の最小長さが数μmから数千μmのものが代表的である。目的に応じて、流路断面の最小長さおよびそれ以外の長さを適宜選択することができる。
前記マイクロリアクターの流路断面の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、円形、矩形、半円形、三角形等が挙げられる。また、液体を内部で複数の流路に分けて流通させることもできる。
前記マイクロリアクターの反応部の流れ方向の長さや形状については、特に制限はなく、反応の種類や反応時間等に応じて適宜選択することができる。
前記マイクロリアクター全体あるいは一部を恒温槽内に設置する方法、及び流路付近に設置した別の流路の中を熱媒(冷媒)を流通させる方法、流路付近に冷却器あるいは加熱器を設置する方法等によって反応温度を制御することができる。
前記マイクロリアクターを複数連結して用いる方法、及び複数のマイクロリアクターを組み込んだ装置を用いる方法により多段階の反応を行うことができる。
マイクロリアクターは、通常数mm以下、好ましくは500μmより小さな等価直径の微小流路(マイクロチャンネル)を有し、その微小流路内で反応を行う装置として定義され、小型流動反応器、または静的マイクロミキサー(スタティックマイクロミキサー)を使用して定常状態で反応を実施するための反応装置である。ここで、等価直径とは流路断面を円形に換算した場合の直径である。静的マイクロミキサーとは、例えばWO96/30113号に記載されているような、混合のための微細な流路を有しているミキサーに代表される装置であり、また「“マイクロリアクターズ” 第3章、W.Ehrfeld、V.Hessel、H.Lowe著、Wiley−VCH社刊」に記載されている混合機(ミキサー)である。
前記マイクロリアクターの材質としては、特に制限はなく、耐熱性、耐圧性、耐溶剤性、及び加工容易性等の要求に応じて、適宜選択することができる。例えば、ステンレス鋼、チタン、銅、ニッケル、アルミニウムなどの金属、ガラス、フォチュランガラス、各種セラミックス、ピーク樹脂、プラスチック、シリコン、及びPFA、TFAAなどのテフロン樹脂等を好適に使用できる。
(a)X線リソグラフィと電気メッキを組み合わせたLIGA技術
(b)EPON SU8を用いた高アスペクト比フォトリソグラフィ法
(c)機械的マイクロ切削加工(ドリル径がマイクロオーダのドリルを高速回転させるマイクロドリル加工等)
(d)Deep RIEによるシリコンの高アスペクト比加工法
(e)Hot Emboss加工法
(f)光造形法
(g)レーザー加工法
(h)イオンビーム法
本発明で用いるマイクロリアクターは上記のどの微細加工技術を用いていても良く、特に制限されない。
工程1又は3における有機リチウム試薬の使用量は、用いるo−ジハロ芳香族化合物の種類によって異なるが、基質(o−ジハロ芳香族化合物又はモノ置換モノハロ芳香族化合物1モルに対して、好ましくは0.1〜2.0モル、より好ましくは0.5〜1.3モル、更に好ましくは0.9〜1.1モルである。
これら求電子化合物の使用量は、リチオ化芳香族化合物1モルに対して、好ましくは0.1〜2.0モル、より好ましくは0.5〜1.3モル、更に好ましくは0.9〜1.1モルである。
本発明においては、マイクロリアクターの流路内で反応を行うと、マイクロ流路がマイクロ反応場として働き、高速かつ効率的な拡散と混合が起こる。したがって、本発明によれば目的のo−二置換芳香族化合物を高収率、高選択的に製造できる。このマイクロリアクターの流路断面最小長さは、第1のマイクロリアクターでは、好ましくは10〜800μm、より好ましくは10〜500μmであり、第2〜第4のマイクロリアクターでは、それぞれ独立して、好ましくは10〜5000μm、より好ましくは10〜2000μmである。
なお、本発明において工程4は、リチオ化体が分解しないような条件であれば、生成したリチウム化体をフラスコや反応槽等へ送り、そこで求電子化合物を添加するバッチ反応でも良いが、好ましくはマイクロリアクターを用いる連続反応である。
工程2〜4のマイクロリアクターの間では流路断面最小長さの大小関係は圧力損失の増大が問題とならない範囲で出来るだけ小さなものとするのが好ましい。
マイクロリアクターの流路長は、第1及び第3のリチオ化反応の場合では、好ましくは30〜1000mm、第2及び第4の求電子置換反応の場合は、好ましくは、30〜2000mm、より好ましくは500〜2000mmである。
上記マイクロリアクター中の反応液の反応時間(滞留時間)は流路長および流速の調整により行われる。
本発明の一般式(I)で表される化合物はo−ジハロ芳香族化合物であり、これは前記のように芳香族へテロ環化合物を含む意味である。Aで表される環は具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の単環式または多環式の6〜10員の芳香環;チオフェン、フラン、ピラン、ピリジン、ピロール、ピラジン、アゼピン、アゾシン、アゾニン、アゼシン、オキサゾール、チアゾール、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、トリアゾール、テトラゾール、イミダゾール、ピラゾール、モルホリン、チオモルホリン、ピペリジン、ピペラジン、キノリン、イソキノリン、インドール、イソインドール、キノキサリン、フタラジン、キノリジン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、クロメン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン等の5〜10員の単環式または多環式の窒素、酸素および硫黄から選択される1〜4個の原子を含有する芳香族ヘテロ環を表す。好ましくは単環式、多環式の芳香族であり、より好ましくはベンゼンである。
本発明で用いる求電子化合物は、具体的には、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン;固体状硫黄、二酸化硫黄、酸素等の無機物類;二酸化炭素;トリフルオロメチルスルホン酸メチルエステル、トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸等のスルホン酸類;ジメチル硫酸;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ベンゾフェノンイミン、アセトフェノンイミン等のイミン類;クロロトリメチルシラン、クロロジメチルフェニルシラン、クロロジメチルシラン、ブロモトリメチルシラン等のハロゲン化シリコン類;クロロジアルキルヒドロシラン等のクロロシラン化合物;トリクロロボラン、トリブロモボラン等のハロゲン化ホウ素類;ピナコールボロン酸エステル、トリメチルボロン酸エステル、トリイソプロピルボロン酸エステル等のボロン酸エステル類;メトキシジエチルボラン、トリス(ジメチルアミノ)ボラン、ビス(ピナコレート)ジボラン等のホウ素化合物;二塩化ジブチルスズ、二臭化ジフェニルスズ等のスズ化合物類;パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アクリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、ニコチンアルデヒド等のアルデヒド類;アセトン、2−ブタノン、ベンゾフェノン、アセトフェノン、DMF、tert−ブチル−4−オキソ−1−ピペリジンカルボキシレート等のケトン類;クロロ蟻酸エチル、クロロ蟻酸フェニル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸オクチル、酢酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸フェニル等のエステル類;無水酢酸、無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等の酸無水物類;アセチルクロライド、ベンゾイルクロライド、2−ピリジンカルボニル クロライド等のハロゲン化アシル類;オキシラン、2−メチル−オキシラン等のオキシラン類;6−アザビシクロ[3,1,0]ヘキサン、7−アザビシクロ[4,1,0]ヘプタン等のアジリジン類;3−オキソ−1,3−ジフェニル−1−プロペン、2−メチル−3−オキソ−3−ジフェニル−1−プロペン等のα、β−不飽和ケトン類;ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化ブチル、臭化メチル、臭化エチル、臭化ヘキシル、臭化オクチル、1,2−ジヨードエタン、1,2−ジブロモエタン、1,6−ジヨードヘキサン、1,8−ジブロモオクタン、1,2−ジブロモシクロペンテン等のハロゲン化アルキル類;N−ブロモコハク酸イミド、N−ヨードコハク酸イミド、N−クロロコハク酸イミド、N−ブロモフタル酸イミド等の酸イミド類;ジメチルジスルフィド、ジフェニルジスルフィド等のジスルフィド類;クロロジフェニルホスフィン、クロロジメチルホスフィン等のホスフィン類;クロロジフェニルホスフィンオキシド、クロロジメチルホスフィンオキシド等のホスフィンオキシド類が挙げられる。これらの中で好ましくは、クロロトリメチルシラン、ベンズアルデヒド、DMFである。
下記化合物中の略号は次のとおりである(以下、同様)。
Me:メチル Ph:フェニル Bu:ブチル
Et:エチル Pr:プロピル
なお、本発明の変換法は公知のハロゲン−金属交換反応の改良方法であることから、本発明の該工程に用いられる製造条件は、有機リチウム試薬などのハロゲン−金属交換反応および求電子試薬との反応に使用されている反応生成物の精製法を含め、反応温度以外の製造条件を全て採用することができる。
本発明を図1に示すマイクロリアクター装置を用いて実施した。
4つのT字型マイクロミキサー(M1,M2,M3,M4)と4つのマイクロチューブリアクター(R1,R2,R3,R4)から構成されるマイクロリアクターの内,M1からR1,M2,R2までをクーリングバス(−78℃)に浸し,またM3からR3,M4,R4までをクーリングバス(0℃)に浸した。R4から流出する反応液を0℃に冷却したフラスコに採った。第1のT字型ミキサーM1(内径250μm)には,オルトジブロモベンゼンのTHF溶液(0.27M)と,n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.5M)を,それぞれ6mL/min(1.62mmol/min),1.2mL/min(1.8mmol/min)の流速でシリンジポンプを用いて送液した。第2のT字型ミキサーM2(内径500μm)には,トリフルオロメタンスルホン酸メチル(MeOTf)のTHF溶液(0.65M)を,3mL/min(1.95mmol/min)の流速で送液した。第3のT字型ミキサーM3(内径500μm)には,n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.5M)を1.8mL/min(2.7mmol/min)の流速で送液した。第4のT字型ミキサーM4(内径500μm)には,クロロトリメチルシランのTHF溶液(1.62M)を,3mL/min(4.86mmol/min)の流速で送液した。チューブリアクターR1(内径500μm,長さ50cm)における滞留時間は0.82秒,チューブリアクターR2(内径1000μm,長さ150cm)における滞留時間は6.93秒,チューブリアクターR3(内径1000μm,長さ12.5cm)における滞留時間は0.49秒,チューブリアクターR4(内径1000μm、長さ150cm)における滞留時間は1.57秒である。R4通過後,反応液を15秒間サンプリングして,アイスバスで0℃で1時間攪拌した。反応後の溶液をGC(CBP1カラム;0.25mm×25m,開始温度50℃,昇温速度10℃/分)を用いて分析した結果,トリメチル(o−トリル)シラン(GC保持時間13.5分)が67%の収率で得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) ・ 0.32 (s, 9H), 2.45 (s, 3H), 7.14 (tt, J = 7.6, 0.4 Hz, 2H), 7.25 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 6.8 Hz, 1H); 13C NMR (100 MHz) ・ 0.0, 23.1, 124.7, 129.0, 129.6, 134.1, 138.2, 143.3. スペクトルデータは文献値と一致した。この実施例の反応成分と結果を後記の表1に示した。
図1と同様のマイクロリアクター装置を用いた。
4つのT字型マイクロミキサー(M1,M2,M3,M4)と4つのマイクロチューブリアクター(R1,R2,R3,R4)から構成されるマイクロリアクターの内,M1からR1,M2,R2までをクーリングバス(−78℃)に浸し,またM3からR3,M4,R4までをクーリングバス(0℃)に浸した。R4から流出する反応液を0℃に冷却したフラスコに採った。第1のT字型ミキサーM1(内径250μm)には,オルトジブロモベンゼンのTHF溶液(0.27M)と,n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.5M)を,それぞれ6mL/min(1.62mmol/min),1.2mL/min(1.8mmol/min)の流速でシリンジポンプを用いて送液した。第2のT字型ミキサーM2(内径500μm)には,トリフルオロメタンスルホン酸メチルのTHF溶液(0.65M)を,3mL/min(1.95mmol/min)の流速で送液した。第3のT字型ミキサーM3(内径500μm)には,n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.5M)を1.8mL/min(2.7mmol/min)の流速で送液した。第4のT字型ミキサーM4(内径500μm)には,トリブチルクロロスタナンTHF溶液(1.62M)を,3mL/min(4.86mmol/min)の流速で送液した。チューブリアクターR1(内径500μm,長さ50cm)における滞留時間は0.82秒,チューブリアクターR2(内径1000μm,長さ150cm)における滞留時間は6.93秒,チューブリアクターR3(内径1000μm,長さ12.5cm)における滞留時間は0.49秒,チューブリアクターR4(内径1000μm、長さ150cm)における滞留時間は1.57秒である。R4通過後,反応液を15秒間サンプリングして,アイスバスで0℃で1時間攪拌した。反応後の溶液をGC(CBP1カラム;0.25mm×25m,開始温度50℃,昇温速度10℃/分)を用いて分析した結果,トリブチル(o−トリル)スタナン(GC保持時間25.3分)が62%の収率で得られた。 1H NMR (400 MHz, CDCl3) ・ 0.89 (t, J = 7.2 Hz, 9H), 1.04-1.09 (m, 6H), 1.26-1.38 (m, 6H), 1.44-1.56 (m, 6H), 2.38 (s, 3H), 7.08-7.39 (m, 4H); 13C NMR (100 MHz) ・ 10.2, 13.8, 25.1, 27.5, 29.3, 124.7, 128.1, 128.7, 136.4, 141.8, 144.4. HRMS (EI) m/z 計算値C15H25Sn (M+-C4H9)として: 325.0978, 実測値: 325.0979. スペクトルデータは文献値と一致した。この実施例の反応成分と結果を後記の表1に示した。
図1と同様のマイクロリアクター装置を用いた。
4つのT字型マイクロミキサー(M1,M2,M3,M4)と4つのマイクロチューブリアクター(R1,R2,R3,R4)から構成されるマイクロリアクターの内,M1からR1,M2,R2までをクーリングバス(−78℃)に浸し,またM3からR3,M4,R4までをクーリングバス(0℃)に浸した。R4から流出する反応液を0℃に冷却したフラスコに採った。第1のT字型ミキサーM1(内径250μm)には,オルトジブロモベンゼンのTHF溶液(0.27M)と,n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.5M)を,それぞれ6mL/min(1.62mmol/min),1.2mL/min(1.8mmol/min)の流速でシリンジポンプを用いて送液した。第2のT字型ミキサーM2(内径500μm)には,トリフルオロメタンスルホン酸メチルのTHF溶液(0.65M)を,3mL/min(1.95mmol/min)の流速で送液した。第3のT字型ミキサーM3(内径500μm)には,n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.5M)を1.8mL/min(2.7mmol/min)の流速で送液した。第4のT字型ミキサーM4(内径500μm)には,ベンズアルデヒドのTHF溶液(1.62M)を,3mL/min(4.86mmol/min)の流速で送液した。チューブリアクターR1(内径500μm,長さ50cm)における滞留時間は0.82秒,チューブリアクターR2(内径1000μm,長さ150cm)における滞留時間は6.93秒,チューブリアクターR3(内径1000μm,長さ12.5cm)における滞留時間は0.49秒,チューブリアクターR4(内径1000μm、長さ150cm)における滞留時間は1.57秒である。R4通過後,反応液を15秒間サンプリングして,アイスバスで0℃で1時間攪拌した。反応後の溶液をGC(CBP1カラム;0.25mm×25m,開始温度50℃,昇温速度10℃/分)を用いて分析した結果,フェニル−o−トリルメタノール(GC保持時間21.8分)が61%の収率で得られた。 1H NMR (400 MHz, CDCl3) ・ 2.27 (s, 3H), 6.02 (s, 1H), 7.12-7.36 (m, 8H), 7.52 (dd, J = 5.6, 1.6 Hz, 1H); 13C NMR (100 MHz) ・ 19.5, 73.4, 126.0, 126.2, 127.0, 127.40, 127.43, 128.3, 130.4, 135.2, 141.3, 142.7. スペクトルデータは文献値と一致した。この実施例の反応成分と結果を後記の表1に示した。
図1と同様のマイクロリアクター装置を用いた。
4つのT字型マイクロミキサー(M1,M2,M3,M4)と4つのマイクロチューブリアクター(R1,R2,R3,R4)から構成されるマイクロリアクターの内,M1からR1,M2,R2までをクーリングバス(−78℃)に浸し,またM3からR3,M4,R4までをクーリングバス(0℃)に浸した。R4から流出する反応液を0℃に冷却したフラスコに採った。第1のT字型ミキサーM1(内径250μm)には,オルトジブロモベンゼンのTHF溶液(0.27M)と,n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.5M)を,それぞれ6mL/min(1.62mmol/min),1.2mL/min(1.8mmol/min)の流速でシリンジポンプを用いて送液した。第2のT字型ミキサーM2(内径500μm)には,トリフルオロメタンスルホン酸メチルのTHF溶液(0.65M)を,3mL/min(1.95mmol/min)の流速で送液した。第3のT字型ミキサーM3(内径500μm)には,n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.5M)を1.8mL/min(2.7mmol/min)の流速で送液した。第4のT字型ミキサーM4(内径500μm)には,アセトフェノンのTHF溶液(1.62M)を,3mL/min(4.86mmol/min)の流速で送液した。チューブリアクターR1(内径500μm,長さ50cm)における滞留時間は0.82秒,チューブリアクターR2(内径1000μm,長さ150cm)における滞留時間は6.93秒,チューブリアクターR3(内径1000μm,長さ12.5cm)における滞留時間は0.49秒,チューブリアクターR4(内径1000μm、長さ150cm)における滞留時間は1.57秒である。R4通過後,反応液を15秒間サンプリングして,アイスバスで0℃で1時間攪拌した。反応後の溶液をGC(CBP1カラム;0.25mm×25m,開始温度50℃,昇温速度10℃/分)を用いて分析した結果,1−フェニル−1−(o−トリル)エタノール(GC保持時間21.7分)が53%の収率で得られた。 1H NMR (400 MHz, CDCl3) ・ 1.85 (s, 3H), 1.94 (s, 3H), 2.29 (br s, 1H), 7.04 (dd, J = 6.8, 1.6 Hz, 1H), 7.10-7.28 (m, 7H), 7.61 (dd, J = 7.2, 2.0 Hz, 1H); 13C NMR (100 MHz) ・ 21.4, 32.1, 76.6, 125.08, 125.12, 125.7, 126.3, 127.4, 127.8, 132.2, 136.9, 144.3, 147.7. スペクトルデータは文献値と一致した。この実施例の反応成分と結果を後記の表1に示した。
図1と同様のマイクロリアクター装置を用いた。
4つのT字型マイクロミキサー(M1,M2,M3,M4)と4つのマイクロチューブリアクター(R1,R2,R3,R4)から構成されるマイクロリアクターの内,M1からR1,M2,R2までをクーリングバス(−78℃)に浸し,またM3からR3,M4,R4までをクーリングバス(0℃)に浸した。R4から流出する反応液を0℃に冷却したフラスコに採った。第1のT字型ミキサーM1(内径250μm)には,オルトジブロモベンゼンのTHF溶液(0.27M)と,n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.5M)を,それぞれ6mL/min(1.62mmol/min),1.2mL/min(1.8mmol/min)の流速でシリンジポンプを用いて送液した。第2のT字型ミキサーM2(内径500μm)には,ベンズアルデヒドのTHF溶液(0.65M)を,3mL/min(1.95mmol/min)の流速で送液した。第3のT字型ミキサーM3(内径500μm)には,n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.5M)を1.8mL/min(2.7mmol/min)の流速で送液した。第4のT字型ミキサーM4(内径500μm)には,クロロトリメチルシランのTHF溶液(1.62M)を,3mL/min(4.86mmol/min)の流速で送液した。チューブリアクターR1(内径500μm,長さ50cm)における滞留時間は0.82秒,チューブリアクターR2(内径1000μm,長さ150cm)における滞留時間は6.93秒,チューブリアクターR3(内径1000μm,長さ12.5cm)における滞留時間は0.49秒,チューブリアクターR4(内径1000μm、長さ150cm)における滞留時間は1.57秒である。R4通過後,反応液を15秒間サンプリングして,アイスバスで0℃で1時間攪拌した。反応後の溶液をGC(CBP1カラム;0.25mm×25m,開始温度50℃,昇温速度10℃/分)を用いて分析した結果,フェニル(2−(トリメチルシリル)フェニル)メタノール(GC保持時間23.9分)が74%の収率で得られた。 1H NMR (400 MHz, CDCl3) ・ 0.56 (s, 9H), 2.67 (br s, 1H), 6.28 (s, 1H), 7.35-7.49 (m, 8H), 7.71-7.74 (m, 1H); 13C NMR (100 MHz) ・ 0.9, 74.5, 126.4, 126.8, 127.0, 127.8, 127.9, 129.6, 134.2, 138.4, 143.5, 149.0. HRMS (EI) m/z 計算値 C15H17OSi (M+-CH3)として: 241.1049, 実測値: 241.1049. この実施例の反応成分と結果を後記の表1に示した。
図1と同様のマイクロリアクター装置を用いた。
4つのT字型マイクロミキサー(M1,M2,M3,M4)と4つのマイクロチューブリアクター(R1,R2,R3,R4)から構成されるマイクロリアクターの内,M1からR1,M2,R2までをクーリングバス(−78℃)に浸し,またM3からR3,M4,R4までをクーリングバス(0℃)に浸した。R4から流出する反応液を0℃に冷却したフラスコに採った。第1のT字型ミキサーM1(内径250μm)には,オルトジブロモベンゼンのTHF溶液(0.27M)と,n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.5M)を,それぞれ6mL/min(1.62mmol/min),1.2mL/min(1.8mmol/min)の流速でシリンジポンプを用いて送液した。第2のT字型ミキサーM2(内径500μm)には,ベンズアルデヒドのTHF溶液(0.65M)を,3mL/min(1.95mmol/min)の流速で送液した。第3のT字型ミキサーM3(内径500μm)には,n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.5M)を1.8mL/min(2.7mmol/min)の流速で送液した。第4のT字型ミキサーM4(内径500μm)には,クロロトリブチルスタナンのTHF溶液(1.62M)を,3mL/min(4.86mmol/min)の流速で送液した。チューブリアクターR1(内径500μm,長さ50cm)における滞留時間は0.82秒,チューブリアクターR2(内径1000μm,長さ150cm)における滞留時間は6.93秒,チューブリアクターR3(内径1000μm,長さ12.5cm)における滞留時間は0.49秒,チューブリアクターR4(内径1000μm、長さ150cm)における滞留時間は1.57秒である。R4通過後,反応液を15秒間サンプリングして,アイスバスで0℃で1時間攪拌した。反応終了後,濃縮した後,シリカゲルカラムクロマトグラフィー(へキサン)により精製し,フェニル(2−(トリブチルスタニル)フェニル)メタノールが無色の油状物として,111.0mg,58%の収率で得られた。 1H NMR (400 MHz, CDCl3) ・ 0.86 (t, J = 7.6 Hz, 9H), 1.01-1.05 (m, 6H), 1.25-1.35 (m, 6H), 1.45-1.53 (m, 6H), 2.11 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.73 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.16-7.34 (m, 8H), 7.47-7.51 (m, 1H); 13C NMR (100MHz, CDCl3) ・ 11.0, 13.8, 27.5, 29.3, 78.0, 126.9, 127.0, 127.26, 127.32, 128.2, 128.3, 136.7, 141.8, 143.4, 149.6. HRMS (EI) m/z 計算値 C21H29OSn (M+-C4H9)として: 417.1240, 実測値: 417.1239. この実施例の反応成分と結果を後記の表1に示した。
工程3及び工程4を下記式に従い、かつ以下に詳述したようにバッチ式で行った以外は実施例1と全く同様にしてトリメチル(o−トリル)シランの合成を試みた。その結果を下記表2に示した。
アルゴンガスで置換した10mL容二口フラスコに実施例1の工程2より得られたo−ブロモトルエンの0.32ミリモル/LTHF溶液を2ml仕込み、アルゴンガス下で0℃に冷却した。磁気攪拌機を用いて攪拌しながら、n−ブチルリチウムの1.58モル/Ln−ヘキサン溶液をゆっくり0.34ml滴下し0℃で30分間攪拌した。次に、クロロトリメチルシランの0.96ミリモル/LTHF溶液をゆっくり0.59ml滴下し0℃で60分間攪拌した。反応後の溶液をGC(CBPカラム1; 0.25mm×25m; 開始温度,50℃; 昇温速度,10℃/分)を用いて分析した結果、o−トリメチルシリルトルエンが4%の収率で得られるとともに、副生成物としてo−ブチルトルエンが91%の収率で得られた。
アルゴンガスで置換した10mL容二口フラスコに実施例1の工程2より得られたo−ブロモトルエンの0.32ミリモル/LTHF溶液を2ml仕込み、アルゴンガス下で−78℃条件下とした。磁気攪拌機を用いて攪拌しながら、n−ブチルリチウムの1.58モル/Ln−ヘキサン溶液をゆっくり0.34ml滴下し−78℃で30分間攪拌した。次に、クロロトリメチルシランの0.96ミリモル/LTHF溶液をゆっくり0.59ml滴下し−78℃で60分間攪拌した。反応後の溶液をGC(CBPカラム1; 0.25mm×25m; 開始温度,50℃; 昇温速度,10℃/分)を用いて分析した結果、o−トリメチルシリルトルエンが定量的な収率で得られた。
連結された工程1〜4の4段の反応の内、第1段の生成物であるo−ブロモリチウム化合物は極めて熱に不安定であり、従来の合成技術であるバッチ法では、−110℃という極めて超低温で反応を行うことが必要であるが、第3段のリチオ化反応、第4段のリチオ化体の求電子置換反応も−78℃の冷却条件が必要である。さらにバッチ法では、第3段のリチオ化反応に30分間、第4段の求電子置換反応に60分間、合計、反応に90分間を必要とし、実施例1の秒単位の反応時間に対し、比較にならない程反応時間が長期化した。
また、バッチ法では製品を取り出すためには室温まで加熱昇温を行い、分液などの後処理を行うことが必要であり、全体としてエネルギーの無駄が大きい。
これに対して、本発明の各実施例では前段のリチオ化と求電子化合物との反応と、後段のリチオ化と求電子化合物との反応を連続して行うことが可能になるばかりでなく、工程3、4を0℃で行うことができ、生産のためのエネルギーコストが節約される。しかも、反応を連続化することにより後処理に要する作業時間をなくして、製造に要する時間を著しく短縮でき、生産性向上の面からもメリットは著しく大きい。
Claims (4)
- 少なくとも下記の工程を連続的に行うことを特徴とするo−二置換芳香族化合物の製造方法。
(a)第1のマイクロリアクターでo−ジハロ芳香族化合物の一つのハロゲン原子を、マイクロリアクターの流路内の温度が−80℃〜−50℃の条件下でモノリチオ化する工程、
(b)このモノリチオ化体を、第2のマイクロリアクターで、マイクロリアクターの流路内の温度が−80℃〜−50℃の条件下で求電子置換して、モノ置換モノハロ芳香族化合物を得る工程、
(c)第3のマイクロリアクターでもう一方のハロゲン原子をリチオ化する工程、及び
(d)第4のマイクロリアクターで引き続き求電子置換させる工程。 - 求電子置換に際し、求電子化合物として、アルデヒド化合物、ケトン化合物、クロロシラン化合物、クロロスタンナン化合物、ハロゲン化アルキル化合物、スルホン酸エステル化合物、又はボロン酸エステル化合物を用いる請求項1に記載のo−二置換芳香族化合物の製造方法。
- 第1のマイクロリアクターの流路断面最小長さが10μm〜800μmであり、かつ第2〜第4のマイクロリアクターの流路断面最小長さが各々独立して10μm〜5000μmである請求項1または2に記載のo−二置換芳香族化合物の製造方法。
- 第1のマイクロリアクターの流路断面最小長さが、第2〜第4のマイクロリアクターの流路断面最小長さより小さい請求項1〜3のいずれか1項に記載のo−二置換芳香族化合物の製造方法。
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