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JP5062964B2 - 分子ポンプ - Google Patents
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Description

本発明は、ターボ分子ポンプ、複合分子ポンプ、ねじ溝分子ポンプなどの分子ポンプに関し、特に、生成物による再起動不能を防止する分子ポンプに関する。
この種の分子ポンプは、半導体製造装置や液晶製造装置などで真空排気するポンプとして使用され、吸気口と排気口を有するポンプケース内にロータが回転自在に設けられ、モータにより回転駆動される構造を有している(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−73088号公報
しかしながら、従来のこの種の分子ポンプには、次のような問題があった。
この種の分子ポンプは、半導体製造装置や液晶製造装置などで使用することにより、反応生成物がポンプの内部に付着し堆積することがある。そこで、生成物の付着堆積を防ぐために、ヒータや誘導コイル等で分子ポンプ内部を加熱したり、排気ガスの負荷による摩擦熱を利用して分子ポンプ内部を加熱しているが、これらの対策をしても確実に生成物の付着を抑えることは難しく、生成物の付着は残存する。
一方、これまでの運転実績によれば、たとえ生成物が分子ポンプ内部に付着・堆積しても、運転を継続し続けている限りこの種のポンプがロータロックを引き起こすことはない。しかしながら、分子ポンプの吸気口側あるいは排気口側に接続されている装置・バルブ・真空配管等をメンテナンスするためには、この種のポンプを停止してその内部を大気に解放せざるを得ない。
このとき、分子ポンプの停止による分子ポンプ内部の温度低下や大気開放による生成物の湿気吸収等により物理的・化学的変化が急激に進行し、ステータとロータ間の隙間に生成物が固着し、ロータロックが発生することがある。一旦、ロータロックが発生した場合、これを再起動させようとしても、ロータを駆動するモータの起動トルクは小さいために、分子ポンプが再起動できなくなることがあった。
再起動を行うときに付着した生成物を除去する方法としては、磁気軸受により支持・浮上・制御されているロータを該制御手段により揺動させて生成物を掻き落とす方法や、ステータを100℃〜180℃に加熱して生成物を昇華させる方法等が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、生成物によりロータとステータが強固に固着した場合には、上記揺動方法は効果を充分発揮できず、また、100℃〜180℃のステータ加熱で昇華できる物質は限られており、この温度で昇華できない物質は多数あり、この加熱による方法も効果を充分発揮できない場合があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、真空排気を停止しても、再起動不能になることを確実に防止する分子ポンプを提供することを目的とする。
本発明の分子ポンプは、吸気口と排気口を有するポンプケース内にモータにより回転するロータを備え、真空排気する分子ポンプにおいて、メンテナンスモードを有し、該メンテナンスモードにおいて、分子ポンプが運転中のときには、ブレーキ動作を行って前記モータを予め定めた第1の規定回転速度の超低速回転とし、分子ポンプが運転中でないときには、起動トルクを増大させて前記モータを再起動して該モータを前記第1の規定回転速度の超低速回転とし、所定の設定時間経過しても該モータが前記第1の規定回転速度にならないときは、該モータの回転を停止してから通常と逆の回転方向で該モータを再起動して該モータを前記第1の規定回転速度よりも低い第2の規定回転速度の超低速回転とし、第2の規定回転速度になったとき、停止動作を行い、再び回転起動して第1の規定回転速度になったとき、そのまま第1の規定回転速度で運転し、メンテナンスモードの実行を終了することとした。
本発明の分子ポンプは、メンテナンスモードを有し、該メンテナンスモードにおいて、分子ポンプが運転中のときは、ブレーキ動作を行なって前記モータを予め定めた超低速回転とすることとしたため、真空排気を停止してもロータは大気中で回転可能な超低速で回転し続けて再起動不能になることを確実に防止することができる。
また、本発明の分子ポンプは、メンテナンスモードを有し、該メンテナンスモードにおいて、分子ポンプが運転中でないときは、起動トルクを増大させて前記モータを再起動することとしたり、あるいは、通常と逆の回転方向で前記モータを再起動することとしたり、あるいはまた、前記モータを微小角度正逆回転させて再起動することとしたため、ロータとステータ間に付着した生成物を容易にかき落すことができて再起動不能を確実に防止することができる。
本発明の実施の形態の分子ポンプを図面により説明する。
図1は本発明を適用可能な代表的な分子ポンプの本体1の断面図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態の分子ポンプの本体1は、ターボ分子ポンプ部Aとねじ溝分子ポンプ部Bとからなる複合分子ポンプである。
前記本体1は吸気口2と排気口3を有するポンプケース1aと、該ポンプケース1aの内面に当接して設けたターボ分子ポンプ部ステータ4a及びねじ溝分子ポンプ部ステータ4bと、これらステータ4a、4b内で回転するロータ5と、前記ポンプケース1a内に設けた内部ハウジング9に軸支されロータ5が固定されている回転軸8と、内部ハウジング9内に設けられたモータ10とで構成されている。
前記ターボ分子ポンプ部Aのロータ5の外周面には、多数の動翼6が放射状に多段に形成されていると共に、前記ターボ分子ポンプ部ステータ4aの内周面には、これら動翼6間に位置する多数の静翼7が突設されている。また、前記ねじ溝分子ポンプ部Bの前記ロータ5の外形は円筒状に形成され、該ロータ5が内周部にねじ溝4b1を有するねじ溝分子ポンプ部ステータ4b内に挿通している。前記モータ10はDCブラシレスモータからなり、モータ10の回転駆動により回転軸8を介してロータ5が回転して真空排気するようになっている。
図2は、本発明の実施の形態の分子ポンプの本体1及びコントローラ16のブロック図を示す。
図2に示すように、本発明の実施の形態の分子ポンプは、本体1と、コントローラ16とで構成されている。本体1は、図1に示すように構成されているが、図2に示すようにモータ10の回転速度を検出する回転速度検出器11が回転軸8の周辺に設けられている。コントローラ16は、DC電源をAC電源に変換しモータ10を駆動するインバータ12と、インバータ12の出力電流を検出する電流検出器13と、電流検出器13の出力をディジタル信号に変換するAD変換器14と、メンテナンスモードのプログラムを記憶した記憶部17と、AD変換器14を介し電流検出器13からの信号を入力して定格電流制御を行い、回転速度検出器11からの信号を入力し回転速度のフィードバック制御を行い、メンテナンスモードの実行の操作が行われたときメンテナンスモードによる制御を行う制御部15から構成されている。メンテナンスモードは、分子ポンプに接続されている装置、バルブ、真空配管等のメンテナンスを実施したり或いは分子ポンプが再起動不能のときに用いられる。また、回転速度検出器11からの信号を入力して行う回転速度のフィードバック制御は、通常の回転速度での運転と、メンテナンスモードでの超低速回転速度の運転でも行うことができる。
図3は、本発明の実施の形態の分子ポンプでメンテナンスモードの操作が行われるときの実施例1のフローチャートを示す。
本発明の実施の形態の分子ポンプでメンテナンスモードの操作が行われるときの動作を図3のフローチャートに従って説明する。ここでメンテナンスモードとは、分子ポンプに接続されている装置、バルブ、真空配管等のメンテナンスのために、分子ポンプを超低速で回転させたり、あるいはまた、分子ポンプが生成物の付着、堆積によりロータロックを起こして再起動不能となった時に用いる特別の運転モードのことである。
分子ポンプは通常は所定の排気速度が得られる所定の定格回転速度で運転する。図3に示すように、操作スイッチ(図示せず)によりメンテナンスモードの実行の操作を行うと(ステップ21)、分子ポンプが運転中のときには(ステップ22のyes)、ブレーキ 動作を行い(ステップ23)、大気圧中で回転可能な超低速回転速度の例えば20rps以下の第1の規定回転速度まで減速し(ステップ24)、第1の規定回転速度まで減速しないときには(ステップ24のno)、ブレーキ動作(ステップ23)を繰り返し、第1の規定回転速度まで減速したときには(ステップ24のyes)、そのまま第1の規定回転速度で運転し(ステップ25)、メンテナンスモードの実行を終了する。
分子ポンプが運転中でないときには(ステップ22のno)、通常の1.5から3倍の起動トルクで起動し(ステップ31)、第1の規定回転速度になったとき(ステップ32のyes)、そのまま第1の規定回転速度で運転し(ステップ25)、メンテナンスモー ドの実行を終了する。第1の規定回転速度にならなかったとき(ステップ32のno)、予め定めた例えば30〜60秒の設定時間をタイムオーバするまで起動を継続し(ステップ33のno)、予め定めた設定時間をタイムオーバしたとき(ステップ33のyes) 、停止動作を行い(ステップ34)、さらに、通常の1.5から3倍の起動トルクで逆方向に回転起動し(ステップ35)、例えば2〜5rpsの第2の規定回転速度になったとき(ステップ36のyes)、停止動作を行い(ステップ39)、再び通常の1.5から 3倍の起動トルクで起動し(ステップ31)、第1の規定回転速度になったとき(ステップ32のyes)、そのまま第1の規定回転速度で運転し(ステップ25)、メンテナン スモードの実行を終了する。第1の規定回転速度にならなかったとき(ステップ32のno)、ステップ32以降のステップを繰り返す。
ステップ36で第2の規定回転速度にならなかったとき(ステップ36のno)、予め定めた例えば15〜30秒の設定時間をタイムオーバするまで逆方向の回転起動を継続し(ステップ37のno)、予め定めた設定時間をタイムオーバしたとき(ステップ33のyes)、操作者がリトライするかどうかを決定し、操作者が再起動不可能と判断しリトライしないときには(ステップ38のno)、メンテナンスモードの実行を終了する。リトライするときには(ステップ38のyes)、再び通常の1.5から3倍の起動トルクで起動するステップ31からの一連のステップを繰り返す。なお、装置等のメンテナンスは分子ポンプのメンテナンスモードの作動中、またはメンテナンスモードの実行の前後に行うことができる。また、モータの起動トルクの増大は、短時間のみの運転に限定するので異常発熱をすることはない。
以上説明したように、本発明の実施の形態の分子ポンプは、通常は定格回転速度で運転し、運転中にメンテナンスモードにしたときには、大気圧中でも回転可能な超低速の規定回転速度まで減速し、そのまま回転を継続して再起動を可能にすることができる。
運転停止中のときには、通常の1.5倍から3倍の起動電流を流し高起動トルクを発生させ再起動を可能とし、高起動トルクを発生させても再起動不可のときには逆回転方向の起動により再起動を可能とする。
なお、本発明の実施の形態の分子ポンプは、運転停止中のときに、通常の1.5倍から3倍の起動電流を流し高起動トルクを発生させ再起動を可能とすることと、逆回転方向の起動を行い再起動を可能とすることを単独で行うようにすることもできる。
また、分子ポンプが最初運転中でない場合(22ステップがno)に、もし分子ポンプを規定回転速度まで加速できるときは、ステップ32のyes又はステップ36のyesによりロータロック(生成物によるロータの固着)が解消したと判断できるので、その場合は超低速での連続運転をせずにそのまま停止して終了としてもよい。
図4は、本発明の実施の形態の分子ポンプでメンテナンスモードの操作が行われるときの実施例2のフローチャートを示す。
分子ポンプは通常は所定の定格回転速度で運転する。図4に示すように、操作スイッチ(図示せず)によりメンテナンスモードの実行の操作を行うと(ステップ21)、分子ポンプが運転中のときには(ステップ22のyes)、ブレーキ動作を行い(ステップ23)、大気圧中でも回転可能な回転速度の例えば1〜20rpsの第1の規定回転速度まで減速し(ステップ24)、第1の規定回転速度まで減速しないときには(ステップ24のno)、ブレーキ動作(ステップ23)を繰り返し、第1の規定回転速度まで減速したときには(ステップ24のyes)、そのまま第1の規定回転速度で運転し(ステップ25)、メンテナンスモードの実行を終了する。
分子ポンプが運転中でないときには(ステップ22のno)、通常の1.5から3倍の起動トルクで正逆回転する(ステップ40)。このときの実施条件としては、例えば、正逆回転の速さを9〜11Hz、振れ角度を±7°以内、正逆回転の時間を10秒間とする。
その後通常に起動させ、例えば10秒以内に前記第1の規定回転速度まで加速すれば(ステップ41)、そのまま第1の規定速度で運転し(ステップ25)、メンテンスモード の実行を終了する。ところが10秒以内に第1の規定回転速度にならなかったとき(ステップ41のno)、予め定めた例えば30〜60秒の設定時間をタイムオーバーするまで通常の起動を継続し(ステップ42のno)、予め定めた設定時間をタイムオーバーしたとき(ステップ42のyes)、停止動作を行い(ステップ43)、操作者がリトライす るかどうかを決定し、操作者が再起動不可能と判断しリトライしないときには(ステップ44のno)、メンテナンスモードの実行を終了する。リトライするときには(ステップ44のyes)、再び通常の1.5から3倍の起動トルクで微小角度正逆回転して(ステップ40)、前述の作動を繰り返す。
尚、本発明の実施の形態の分子ポンプは、回転速度検出器11よりの信号を入力し回転速度のフィードバック制御を行うこととしたが、回転速度検出器11を設けずコントローラ16よりの出力周波数と出力電流で回転速度の制御を行うようにすることもできる。
さらに、本発明の実施の形態の分子ポンプは、複合分子ポンプの外、ターボ分子ポンプ、ねじ溝分子ポンプなどに適用できる。又、前記実施例1及び実施例2のいずれにおいても回転軸8はその取付位置を保持してモータにより回転するだけであり、磁気軸受制御により揺動等をさせる必要がないため、ポンプの軸受形式としては磁気軸受型だけでなく玉軸受型や気体軸受型などにも適用できる。
本発明は、半導体製造装置等の凝縮し易いプロセスガスの排気を行う分子ポンプに使用される。
本発明を適用可能な代表的な分子ポンプの本体の断面図を示す。 本発明の実施の形態の分子ポンプの本体とコントローラのブロック図を示す。 本発明の実施の形態の分子ポンプでメンテナンスモードの操作が行われるときの実施例1のフローチャートを示す。 本発明の実施の形態の分子ポンプでメンテナンスモードの操作が行われるときの実施例2のフローチャートを示す。
1 本体
1a ポンプケース
2 吸気口
3 排気口
4a ターボ分子ポンプ部ステータ
4b ねじ溝分子ポンプ部ステータ
5 ロータ
6 動翼
7 静翼
8 回転軸
9 内部ハウジング
10 モータ
11 回転速度検出器
12 インバータ
13 電流検出器
14 AD変換器
15 制御部
16 コントローラ
17 記憶部
A ターボ分子ポンプ部
B ねじ溝ポンプ部

Claims (3)

  1. 吸気口と排気口を有するポンプケース内にモータにより回転するロータを備え、真空排気する分子ポンプにおいて、メンテナンスモードを有し、該メンテナンスモードにおいて、分子ポンプが運転中のときには、ブレーキ動作を行って前記モータを予め定めた第1の規定回転速度の超低速回転とし、分子ポンプが運転中でないときには、起動トルクを増大させて前記モータを再起動して該モータを前記第1の規定回転速度の超低速回転とし、所定の設定時間経過しても該モータが前記第1の規定回転速度にならないときは、該モータの回転を停止してから通常と逆の回転方向で該モータを再起動して該モータを前記第1の規定回転速度よりも低い第2の規定回転速度の超低速回転とし、第2の規定回転速度になったとき、停止動作を行い、再び回転起動して第1の規定回転速度になったとき、そのまま第1の規定回転速度で運転し、メンテナンスモードの実行を終了することを特徴とする分子ポンプ。
  2. 前記メンテナンスモードは、前記通常と逆の回転方向で前記モータを再起動しても該モータが前記第2の規定回転速度にならなかったとき設定時間をタイムオーバするまで前記逆方向の回転起動を継続し、タイムオーバしたとき、操作者の決定に従ってリトライさせるかどうかを選択させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の分子ポンプ
  3. 前記モータの予め定めた第1の超低速回転の回転速度は、20rps以下であることを特徴とする請求項1に記載の分子ポンプ。
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