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JP5063003B2 - 銅ナノ粒子の製造方法、銅ナノ粒子、導電性組成物および電子デバイス - Google Patents
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銅ナノ粒子の製造方法、銅ナノ粒子、導電性組成物および電子デバイス Download PDF

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本発明はナノ粒子の製造方法、ナノ粒子、導電性組成物および電子デバイスに関し、詳しくはナノ粒子の製造方法、この方法によって得られるナノ粒子、ならびにこのナノ粒子を含有する導電性組成物およびこの導電性組成物を用いて形成した被膜層を有する電子デバイスに関する。
有機酸金属塩とアミン化合物とを反応させて金属微粒子を製造し、この金属微粒子を用いて導電性被覆層を形成することはよく知られているところであり、既に多くの方法が提案されている。例えば、特許文献1には、このような導電性被覆層を形成するに好適なものとされる金属元素含有有機化合物ペースト、およびこのペーストを用いて得られる電子デバイスが提案されている。
特開2002−329419号公報
特許文献1に記載の方法によって得られる金属微粒子は、粒子径が0.1μm(100nm)以下とされているが、その粒度分布についての記載はない。しかし、例えば、導電パターン描画用インク組成物として、導電性被覆層を形成する場合、平均粒子径が10nmを超え、しかも粒子径が均一でなく、粒度分布が広い金属微粒子を用いると、金属微粒子の分散体であるインクの保管時に凝集が生じやすくなり、その結果、インクジェット装置を用いて回路パターンを描画する際につまりなどの問題が生じる可能性がある。さらに、導電性の金属膜を焼成処理などにより形成する場合、粒子間の空隙が大きくなるため、均一な膜の形成が難しくなることや基板との密着性が低くなるなどの問題が生じる。
このように、従来の方法によって得られる金属微粒子は粒子径や粒子の均一性(粒度分布)などの点でなお不十分であり、更なる改善が望まれている。
本発明の目的は、電子デバイスなどの導電性被覆層の形成に好適な粒子径や粒度分布などの特性を有するナノ粒子およびそのようなナノ粒子の製造に好適なナノ粒子の製造方法を提供することにある。また、本発明の目的は、上記ナノ粒子を含有する導電性組成物およびこの導電性組成物を用いて得られる被覆層を有する電子デバイスを提供することにある。
本発明者らの研究によれば、前記課題は下記発明により達成できることがわかった。
(1)攪拌機付き反応装置内で有機酸塩と炭素数8〜16のモノアミン化合物とを含む溶液に還元剤を添加し、銅金属核の形成およびその成長を行わせて銅ナノ粒子を製造する方法であって、該銅金属核の形成およびその成長を10〜55℃の温度、かつ、還元剤を添加するときの液温変化ΔTが20℃以下の条件下で行うことを特徴とするナノ粒子の製造方法。
(2)有機酸銅塩がギ酸銅、酢酸銅、シュウ酸銅、オレイン酸銅、ステアリン酸銅およびテトラデカン酸銅から選ばれる少なくとも1種である上記(1)の銅ナノ粒子の製造方法。
(3)炭素数8〜16のモノアミン化合物がオクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ドデシルジメチルアミンおよびトリオクチルアミンから選ばれる少なくとも1種である上記(1)または(2)の銅ナノ粒子の製造方法。
(4)還元剤がジメチルアミンボラン、tert−ブチルアミンボラン、水素化ホウ素ナトリウム、シュウ酸、アスコルビン酸、ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドから選ばれる少なくとも1種である上記(1)〜(3)のいずれかの銅ナノ粒子の製造方法。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかナノ粒子の製造方法により調製した、平均粒子径(D)が10nm以下であり、かつσ/D(σ:標準偏差値、D:平均粒子径)が0.2以下であるナノ粒子。
(6)上記(5)のナノ粒子を1ないし80質量%含んでなる導電性組成物。
(7)上記(6)の導電性組成物を用いて形成された被覆層を有する電子デバイス。
本発明の方法によれば、ナノサイズの微粒子、具体的には、例えば、平均粒子径が10nm以下であり、かつσ/Dが0.2の微細で、均一性に優れたナノ粒子を容易に製造することができる。
本発明の方法によって得られるナノ粒子を含む導電性組成物を、例えば、回路パターン描画用インクとして使用すると均一な被膜が形成されるため、導電性に優れた金属被膜を得ることができる。
本発明によれば、有機酸塩と炭素数8〜16のモノアミン化合物とを反応させてナノ粒子を製造する際に、金属核の形成およびその成長を100℃未満の温度で行う。有機酸塩と炭素数8〜16のモノアミン化合物とを反応させて微粒子を製造すること自体は公知であり、本発明においても、上記有機酸塩およびモノアミン化合物としては、この種の反応に一般に知られている有機酸塩およびモノアミン化合物を用いることができる(例えば、特許文献1参照)。
上記有機酸塩の具体例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸、シュウ酸、酒石酸、フタル酸、メタクリル酸、クエン酸、アクリル酸、安息香酸などのカルボン酸やスルホン酸などと、銅との塩を挙げることができる。なかでも、銅のカルボン酸、具体的には、ギ酸銅、酢酸銅、シュウ酸銅、オレイン酸銅、ステアリン酸銅およびテトラデカン酸銅が好適に用いられる。
上記炭素数8〜16のモノアミン化合物の具体例としては、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ドデシルジメチルアミンおよびトリオクチルアミンが挙げられる。これらは1種でも、あるいは2種以上混合して使用してもよい。
有機酸塩とモノアミン化合物との割合については、特に限定されるものではないが、通常、モノアミン化合物を有機酸塩1モルに対し0.5モル以上30モル未満、好ましくは3モル以上15モル未満の割合で使用する。0.5モルより少ないと、有機酸塩とモノアミン化合物との均一な混合物が調製できないため還元時に凝集が生じやすくなり、一方、30モル以上添加しても微粒子化には作用せず余分なコストが必要となる。
本発明の方法の特徴は、上記の有機酸塩とモノアミン化合物との反応を金属核の形成およびその成長を100℃未満の温度で行う点にある。前記特許文献1においては、40〜80℃で4〜96時間行う前段反応と、前段反応より20〜50℃高い温度で10分〜8時間行う後段反応とからなる二段階反応を経て金属微粒子を製造するに対して、本発明においては10〜55℃の温度範囲で、液温変化ΔT(温度変化範囲)が20℃以下、好ましくは10℃以下、より好ましくは5℃以下、特に好ましくは実質的に一定の温度に維持しながら、必要時間、具体的には、例えば、0.1〜5時間、好ましくは0.2〜3時間反応を行うことにより、金属核の形成とその成長を終了させる。このようにすることにより、平均粒子径が10nm以下であり、かつσ/Dが0.2以下であるナノ粒子を効率よく製造することができる。
なお、本発明の「金属核の形成およびその成長」とは、ナノ粒子の核が形成され、それが成長して目的とするナノ粒子が得られるまでの過程を意味する。
本発明の方法においては、上記の有機酸塩とモノアミン化合物との混合物と還元剤との反応の際に、液温変化ΔTを20℃以下、好ましくは10℃以下、より好ましくは5℃以下、特に好ましくは実質的に一定の温度に調整しながら、還元剤を添加して、金属核およびその成長を完了させるのがよい。上記還元剤としては、ジメチルアミンボラン、tert−ブチルアミンボラン、水素化ホウ素ナトリウム、シュウ酸、アスコルビン酸、ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドを挙げることができる。これらは2種以上混合して使用することもできる。なかでも、ジメチルアミンボランおよび水素化ホウ素ナトリウムが好適に用いられる。
本発明の方法によれば、平均粒子径(D)が10nm以下、好ましくは2〜8nm、より好ましくは3〜7nmであり、かつσ/D(σ:標準偏差値、D:平均粒子径)が0.2以下、好ましくは0.01〜0.19、より好ましくは0.02〜0.18であるナノ粒子が得られる。本発明においては、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)を使用して金属ナノ粒子の粒子径を測定し、その平均値および標準偏差値を算出した。なお、本発明の「ナノ粒子」とは、ナノ粒子のほかに、酸化物ナノ粒子、あるいはナノ粒子と酸化物ナノ粒子との混合物を包含するものである。例えば、銅はCu O、CuOなどの酸化物の形態で存在する。
上記還元剤は、有機酸塩1モルに対し、0.1モル以上10モル未満、好ましくは0.3モル以上5モル未満の割合で用いるのが一般的である。10モル以上では、還元力が強すぎるため粒子が凝集しナノ粒子が得られなくなり、一方、0.1モルより少ないと十分に還元できないためナノ粒子が生成しない。
上記還元剤の添加方法には特に制限はなく、還元剤を水に溶解して水溶液として添加するのが一般的である。具体的には、有機酸塩とモノアミン化合物との混合物に、反応液を100℃未満とし、さらに液温変化ΔTを20℃以下に調整しながら、還元剤を所定時間内に徐々に添加すればよい。
上記の有機酸塩とモノアミン化合物と還元剤との反応によって得られるナノ粒子は、未反応のモノアミン化合物や還元剤から生成する生成物などとともに反応液中に含まれているため、アセトン、エタノール、メタノール、水など加えて静置した後、メンブレンフィルターなどを用いてろ過することにより、ナノ粒子をモノアミン化合物とともに沈殿物として回収することができる。
次に、上記ナノ粒子の沈殿物を再度溶媒に分散させる。この溶媒としては、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、ノルマルペンタン、ノルマルヘプタン、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン、ベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、テルピネオール、デカン、ウンデカン、ドデカン、テトラデカン、ヘキサデカン、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコールなどを用いることができる。溶媒量は、沈殿物に対して質量で1倍以上100倍未満、好ましくは3倍以上50倍未満である。100倍以上使用しても溶解性に変化はなく、1倍未満では金属ナノ粒子の分散体を調製することができない。
上記溶媒に沈殿物を分散させたものをナノ粒子分散液として使用してもよいが、分散液に含まれる不純物を取り除くとの観点から、分散液を5℃以下にまで冷却した後、再度メンブレンフィルターなどでろ過を行い、そのろ過液をナノ粒子分散液として使用することが好ましい。また、更に好ましくは、上記ろ過液中の溶媒を減圧除去させた後、再度上記溶媒に分散させることにより、不純物が少なく、かつナノ粒子を高濃度に含有したナノ粒子分散液を調製することができる。
本発明の導電性組成物とは、平均粒子径が10nm以下であり、かつσ/Dが0.2以下であるナノ粒子を1〜80質量%、好ましくは30〜60質量%含有するものであり、通常、前記ナノ粒子の有機溶剤分散液について、そのナノ粒子の含有量を1〜80質量%とすることにより容易に得られる。この導電性組成物は、電子デバイスにおける導電性パターンを作成するための、導電パターン描画用インク組成物として好適に用いられる。
本発明の導電性組成物を所定の基板に塗布した後、熱処理することによりナノ粒子からなる被覆層が形成される。導電性組成物を基板に塗布する方法については特に制限はなく、この種の分散体の塗布に一般に用いられている方法にしたがって行うことができる。具体的には、例えば、スクリーン印刷法、ディップコーティング法、スプレー法、スピンコーティング法などを採用することができる。上記基板としては、電極、配線、回路などを構成するのに一般に用いられている、焼成によって焼失、劣化しない耐熱性のものであればいずれでもよい。具体的には、例えば、鉄、銅、アルミニウムなどの金属基板、ポリイミドフィルムなどの耐熱性樹脂基板、ガラス基板などを挙げることができる。また、上記熱処理は、真空中、不活性ガス中、酸化性ガス、還元性ガス中のいずれかの雰囲気において実施することが好ましく、また、その際の熱処理温度は50℃以上500℃未満であることが好ましい。この被覆層は当該金属成分から構成されるものであり、金属それ自体に相当する導電性を示す。銅は、比抵抗値が低いこと、また耐エレクトロマイグレーション性の観点から好適である
また、本発明の電子デバイスとは、上記導電性組成物を所望の形状に形成した被覆層、具体的には、例えば、金属配線および端子電極を有するものであり、その具体例としては、積層チップキャパシタ、積層チップインダクタ、チップ抵抗器、ビルドアップ基板、フレキシブルプリント基板、ガラス基板、セラミック基板などを挙げることができる。
本発明の有利な実施態様を示している以下の実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。
(実施例1)
1Lのガラスビーカーに酢酸銅一水和物(和光純薬工業株式会社製)15.7gとオクチルアミン(和光純薬工業株式会社)101.6gとを仕込み、40℃で10分間攪拌混合した。次に、前記ガラスビーカーを30℃の恒温水槽に入れ、これに、溶解させたジメチルアミンボラン溶液を液温が40℃付近となるようにし、0.5時間かけて徐々に添加して、還元処理を行い、金属核の形成およびその成長を終了させた。
上記還元処理後の溶液にアセトン200gを添加し、しばらく放置した後、ろ過により銅および有機物からなる沈殿物を0.1μmの孔径を有するメンブレンフィルターで分離回収した。回収物にトルエンを添加し再溶解した後、10℃まで冷却した後、再度メンブレンフィルターでろ過した。続いて、トルエンを減圧除去した後、テトラデカン溶媒を添加し、銅ナノ粒子を40質量%含有する分散液が得られた。
上記分散液をFE−SEMにより観察したところ、銅ナノ粒子の平均粒子径は5nmであり、σ/Dの値は0.14であった。
(比較例1)
1Lのガラスビーカーに酢酸銅一水和物(和光純薬工業株式会社製)15.7gとオクチルアミン(和光純薬工業株式会社)101.6gとを仕込み、40℃で10分間攪拌混合した。次に、この混合溶液を120℃まで昇温した後、溶解させたジメチルアミンボラン溶液を添加し還元処理を実施した。還元時の温度は120℃でほぼ安定していた。
還元後の溶液を40℃まで冷却した後、実施例1と同様の方法で銅ナノ粒子を40質量%含有する分散液の調製を試みた。実施例1では、0.1μmの孔径を有するメンブレンフィルターのろ過は容易であったが、本調製ではろ過が非常に困難であり、1μmの孔径を有するメンブレンフィルターでろ過を実施したが、10倍の時間を要した。
また、分散液をFE−SEMにより観察したところ、銅ナノ粒子の平均粒子径は20nmであり、σ/Dの値は0.40であることが確認された。

Claims (7)

  1. 攪拌機付き反応装置内で有機酸塩と炭素数8〜16のモノアミン化合物とを含む溶液に還元剤を添加し、銅金属核の形成およびその成長を行わせて銅ナノ粒子を製造する方法であって、金属核の形成およびその成長を10〜55℃の温度、かつ、還元剤を添加するときの液温変化ΔTが20℃以下の条件下で行うことを特徴とするナノ粒子の製造方法。
  2. 有機酸銅塩がギ酸銅、酢酸銅、シュウ酸銅、オレイン酸銅、ステアリン酸銅およびテトラデカン酸銅から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の銅ナノ粒子の製造方法。
  3. 炭素数8〜16のモノアミン化合物がオクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ドデシルジメチルアミンおよびトリオクチルアミンから選ばれる少なくとも1種である請求項1または2記載の銅ナノ粒子の製造方法。
  4. 還元剤がジメチルアミンボラン、tert−ブチルアミンボラン、水素化ホウ素ナトリウム、シュウ酸、アスコルビン酸、ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の銅ナノ粒子の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかナノ粒子の製造方法により調製した、平均粒子径(D)が10nm以下であり、かつσ/D(σ:標準偏差値、D:平均粒子径)が0.2以下であるナノ粒子。
  6. 請求項ナノ粒子を1ないし80質量%含んでなる導電性組成物。
  7. 請求項導電性組成物を用いて形成された被覆層を有する電子デバイス。
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