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JP5070372B2 - 車両用傾斜判定装置 - Google Patents
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JP5070372B2 - 車両用傾斜判定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用傾斜判定装置に関するものである。
例えば特許文献1,2に開示されているように、車両に傾斜センサーを設置し、その傾斜センサーからの出力に基づいて車両の走行時の各種の制御をすることが行なわれている。この傾斜センサーは、一般的に加速度センサーを用いて構成されている。
特開2001−336618 特開2000−329784
上述のように、加速度センサーを使用した傾斜検出は一般的に行われているが、これを車両の傾斜監視装置に応用する場合は次のような問題が発生する。すなわち、ジャッキアップによるタイヤの盗難を検出したい場合は、数°程度の微妙な傾斜変化を検出することが好ましい。しかし、市販の加速度センサーの出力は温度変化により大きな変化を示すことがあり、誤動作を起こす可能性がある。
この温度変化による誤動作を防止するために温度補償を行う必要があるが、温度変化による出力変化は個体差が多く定量的な補償はかけ難い。更に、温度が変化している状態で傾斜が変化する場合も考えられ、温度による出力変化と傾斜角度変化による出力変化を見極める必要がある。
また、数°程度の微妙な傾斜変化を検出しようとした場合は、感度を高くする必要があり、そうすると、風や別の車両が近くを通った場合に発生する自車両の振動により加速度センサーの出力が大きな変化を示すことがあり、係る現象に伴う誤動作を起こす可能性がある。この振動による誤動作を防止するために振幅検出を行う必要があるが、振動が発生している状態で傾斜が変化する場合も考えられるので、振動のみの振幅と、振動と傾斜変化を含む振幅を見極める必要がある。
更に、車両監視装置の駆動電源は、電池を使用することが多い。係る場合、消費電流を少なくすることが望ましいため、一般的に間欠で動作する手法が採られる。一方、反応をよくするためには間欠時間を短くする必要があり、間欠時間は短く消費電流を少なくするためには間欠動作時間を短くする必要がある。しかし、前記の振動による振幅は数ヘルツと非常に低い周波数成分であり、判定にはそれなりの時間を要するため、現実的には間欠時間を短くすることが難しい。
本発明は、温度変化による誤動作を防止し、また消費電流を少なくしつつ振動が発生している状態でも傾斜変化を検出することが可能である車両用傾斜判定装置を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明に係る車両用傾斜判定装置は、加速度センサーと、温度センサーと、前記加速度センサーの出力から車両の傾斜を判定し、出力装置を制御する制御装置と、を備える。そして、前記制御装置は、所定の時点における前記加速度センサーの出力値を加速度センサー出力基準値として記憶する手段と、その記憶された加速度センサー出力基準値と同時点における前記温度センサーの出力値を温度センサー出力基準値として記憶する手段と、前記加速度センサーの出力と前記基準値から車両の傾斜を判定する傾斜判定手段と、前記記憶された前記加速度センサー出力基準値並びに温度センサー基準値を更新する基準値設定手段と、から構成する。さらに、前記基準値設定手段は、前記加速度センサー出力基準値からの前記加速度センサーの出力値の変化量が、前記温度センサー出力基準値からの前記温度センサーの出力値の変化量から想定される加速度センサーの出力値の変化量より大きい場合には前記想定される加速度センサーの出力値の変化量に基づいて前記加速度センサー出力基準値更新すると共にその時点の温度を新たな温度センサー出力基準値として更新し、前記加速度センサー出力基準値からの前記加速度センサーの出力値の変化量が、前記温度センサー出力基準値からの前記温度センサーの出力値の変化量から想定される加速度センサーの出力値の変化量より小さい場合には前記加速度センサーの出力値を新たな加速度センサー出力基準値として更新すると共にその時点の温度を新たな温度センサー出力基準値として更新するように構成した。
前記制御装置は、前記傾斜判定手段の間欠動作を制御する傾斜判定動作制御手段を備え、前記傾斜判定動作制御手段は、間欠動作中の前記傾斜判定手段が傾斜ありと判定した場合に前記傾斜判定手段を連続動作させるように制御するようにするとよい。
また、前記傾斜判定手段は、前記加速度センサーの出力と、その出力に基づいて前記基準値設定手段が更新した加速度センサー出力基準値と、を比較して傾斜判定するようにすることができる。或いは、前記基準値設定手段における各出力基準値の更新処理は、前記傾斜判定手段の傾斜判定後に行なうように設定され、前記傾斜判定手段が傾斜判定する際の閾値は、前記温度センサーの出力に応じて変更するようにすることもできる。
本発明では、加速度センサーと温度センサーの出力に基づき、加速度センサー出力基準値からの加速度センサーの出力値の変化量が温度センサー出力基準値から想定される想定値より大きい場合には想定値を新たな加速度センサー出力基準値として更新すると共にその時点の温度を新たな温度センサー出力基準値として更新し、加速度センサー出力基準値からの加速度センサーの出力値の変化量が温度センサー出力基準値から想定される想定値より小さい場合には加速度センサーの出力値を新たな加速度センサー出力基準値として更新すると共にその時点の温度を新たな温度センサー出力基準値として更新するようにしたため、温度変化による誤動作が抑制される。
間欠駆動させるとともに、傾斜のおそれ有りと判定した際に連続駆動に切り替えるようにした場合には、消費電流を少なくしつつ振動を検出することができる。
図1,図2は、車両用傾斜判定装置の好適な一実施形態を示している。本実施形態の車両用傾斜判定装置は、傾斜角度検出装置1と、温度検出装置2と、それら両検出装置の検出信号に基づいて傾斜判定を行なう制御装置3と、その制御装置の判定結果に従い所定の出力動作を行なう出力装置4と、を備えている。
傾斜角度検出装置1は、加速度センサーを用いて構成される。本実施形態の傾斜角度検出装置1は、直交座標系におけるX軸方向と、Y軸方向との2つの方向の加速度(傾斜)を検出するもので、その加速度センサーのX軸方向の出力(X出力)とY軸方向の出力(Y出力)とを制御装置3に入力するように設定する。傾斜角度検出装置1を構成する加速度センサーは、複数軸方向の加速度を検出可能なものを使用するとともに、その内の2出力を利用しても良いし、1方向の加速度を検出可能なものを2つ用意し、各加速度センサーの検出方向を異ならせる(直交させる)ようにしてもよい。
温度検出装置2は、検出した温度を電圧に変換して出力する装置であり、その変換された電圧を制御装置3に入力するように設定する。
制御装置3は、1チップマイクロコンピュータを用いて構成する。傾斜角度検出装置1のX出力およびY出力と、温度検出装置2の出力をAD変換して入力し、内部で処理を行ない、車両が一定角度以上に傾斜したか否かを判断し、一定角度以上に傾斜したと判断した場合に、出力装置4に対して警報動作指令を送る。
出力装置4は、ブザー等を用いた音出力装置や、LED等を用いた光出力装置や、電波無線等を使用した通報装置等が用いられる。
1チップマイクロコンピュータで構成される制御装置3は、図2に示すような機能ブロックを実現するように形成される。図示するように、各検出装置の出力と比較する出力基準値を記憶する比較値記憶部11と、その出力基準値の更新並びに傾斜判定する際の閾値を設定する基準値設定部12と、車両の傾斜判定を行なう傾斜判定部14と、傾斜判定部14の動作を制御する傾斜判定動作制御部13と、を備える。
図3は、感度が1V/Gで0G時のオフセット電圧が1Vの加速度センサーの傾斜角度対出力のグラフである。加速度センサーは、加速の他、重力にも反応するため、センサーの傾きが図3に示すように直流の出力変化として出力される。
車両用傾斜判定装置を車両用のセキュリティセンサーとして用いる場合、駐車中の車両が一定角度以上に傾斜したことを検出し、警報等を発する必要がある。そこで、制御装置3は、セキュリティがセットされた時点の加速度センサーの出力(停車時の傾斜角度に対応した出力)を基準値として記憶し、その基準値に対して閾値を設けその閾値を越えた場合に傾斜ありと判断するようにした。一例を示すと、図3の傾斜角度検出装置1に加速度センサーを使用した場合、セキュリティがセットされた時点の傾きが5°だった場合、そのときのセンサーの出力値である1.087Vを基準値とし、この基準値に±0.052V(3°相当)を加算した1.139Vと1.035Vを閾値とし、1.139Vを超えた場合と1.035Vを下回った場合に傾斜ありと判断し警報を行う。すなわち、1.139Vは約8°に相当し1.035Vは約2°に相当するため、基準値の±3°以上の出力変化があった場合に傾斜ありと判断し、警報を行なうことになる。
そこで本実施形態では、アーム指示を受けた際の傾斜角度検出装置1の出力(X出力,Y出力)を、加速度センサー出力基準値として比較値記憶部11に格納する。そして、その後は傾斜角度検出装置1の出力を傾斜判定部14に与え、傾斜判定部14は、比較値記憶部11に格納された加速度センサー出力基準値と現在の傾斜角度検出装置1の出力とを比較し、その差が基準値設定部12から与えられる閾値以上か否かを判断し、傾斜の有無を判定する。
民生向けの安価な加速度センサーのオフセット電圧の温度変化は比較的大きく、感度が1V/Gである場合の温度変化1℃あたりのオフセット電圧の変化は最大で±17mV/℃程度発生することが予想される。図3に示す特性図から明らかなように、この±17mV/℃という値は傾斜角度換算で1°に該当する。
従って、図3に示す基本特性を有する加速度センサーを用いた傾斜角度検出装置の場合、車両が静止状態にあっても周囲温度がセットされたときから3℃変化すると、センサー出力は車両が±3°傾斜した場合と同じ値が出力され、それに基づいて誤報が発せられるおそれがある。そこで、温度検出装置2の出力を制御装置3に与え、温度補償を行なうようにした。
しかしながら、オフセット電圧の温度変化は個々の加速度センサーごとの個体差が大きく定量的な補正をかけることは困難である。すなわち、オフセット電圧の変化が最大で±17mV/℃とした場合、1℃の温度上昇時の個体差は−17mV〜+17mVの範囲で発生することになる。しかも、オフセット電圧の変化と温度変化の変化は比例する場合や反比例する場合もあるため、個々の加速度センサーのオフセット電圧の温度特性を測定し個別に補正値を設定する必要があるが、係る補正値の設定処理は多くの時間を要し、大量生産ができず実用的でない。
そこで本実施形態では、傾斜角度検出装置1に用いられる加速度センサーの個体差を吸収するため、温度変化が生じた場合、温度検出センサー2からの温度出力と、傾斜角度検出装置1からの出力に基づき、傾斜角度検出装置1の出力値における温度変化の影響を算出する。そして、係る温度変化の影響分を考慮して加速度センサー出力値基準値を更新する。また、そのときの温度を温度センサー出力基準値として更新する。これにより、傾斜角度検出装置1の出力と比較する加速度センサー出力基準値は、温度変化に対応した補正が行なわれるため、温度変化による誤動作を回避することができる。なお、実際には、制御装置3は、基準時間(例えば1秒)ごとに検出装置1,2の出力を取得し、出力基準値の更新の可否並びに傾斜の有無を判断し、必要に応じて出力基準値の更新や、警報出力を行なう。
より具体的には、1℃の変化あたり±17mVの範囲を補正領域として考え、温度変化が生じた場合に温度補償処理を行なう。つまり、図4は、感度が1V/Gでオフセット電圧の温度変化の予測が最大±17mV/℃の加速度センサーを使用し、基準値に対して±52mV以上(3°以上の傾斜変化)の変化があった場合に警報を発生する場合の補正領域と警報領域のグラフである。±17mV/℃の温度変化を考慮すると、図4の「補正領域部分」が温度変化に対して考慮するべき範囲となり、警報範囲はこの補正領域に対し+52mV以上または−52mV以下であるため図4に示す警報領域となる。
本実施形態では図4の補正領域を考慮し、加速度センサーの出力値が温度変化で予想される最大値以内の場合にはその出力値を温度変化によるオフセット値と仮定し、その出力値を新たな加速度センサー出力基準値とするようにし、それ以上の出力電圧である場合には温度変化によるオフセット値を考慮して傾斜判定を行うようにした。
具体的には1℃の温度が変化した場合の出力変化が±17mV以内の場合はその時点の出力を基準値に置き換え、1℃の温度変化に対して17mVより多く変化した場合は温度変化によるオフセット値の最大値として想定した+17mV(或いは−17mV)が温度変化による出力変動分と想定し傾斜判定をするようにした
これにより±17mV以内の場合は傾斜変化なしと判断するが、±69mV以上(|17mV+52mV|)の変化があった場合は傾斜変化ありと判断される(17mV:1℃変化時の想定最大値、52mV:傾斜判定のための閾値)。すなわち、基準値を1℃変化時の想定最大値に設定し、この基準値から閾値分変化があるか否かで傾斜判定を行う。この69mVは角度換算で約4°に相当し温度変化が1℃あった場合でも4°以上傾斜が変化した場合は傾斜変化ありと判断されることになる。また、温度変化によるオフセット電圧の変化と傾斜に基づく変化が逆方向に作用した場合(例えば1℃上昇時の温度変化によるオフセット電圧が+17mVで傾斜が−3°の変化の場合)でも、温度によるオフセット電圧の変化は最大17mVと予想されるため、逆方向に86mV分傾斜が変化した場合は傾斜ありと判断される。この86mVは角度換算で約5°に相当するため、温度変化が1℃あった場合でも5°以上傾斜が変化した場合は必ず傾斜変化ありと判断されることになる。
このようにすることでセキュリティセット時から少なくとも5°相当以上の加速度センサーの出力変化が発生した場合には確実に傾斜を判定することができる。尚、温度変化が急激に発生するような場合には、温度によるオフセット電圧の変化と傾斜の変化が逆方向に変化する状況において傾斜判定できない範囲が増えてしまうが、実際には温度変化が1℃発生した場合に補正を行なうようにしたり、1秒毎に補正を行うようにしたりすれば、温度変化は1℃以内に抑えることが可能であるため、上述した例のように5°以上の角度変化を検出することが可能となる。なお、補正を行う際の温度変化量や補正間隔の値、閾値を適宜設定することにより、傾斜判定の感度を設定することができる。
これにより、加速度センサーの出力値が想定される温度補正範囲内にあるときにはその時の加速度センサーの出力値を基準として更新され、正確な基準値の更新を可能とすることができる。また、加速度センサーの出力値が想定される温度補正範囲内にないときには想定される温度変化の値を基準値として採用することで、精度は落ちるものの基準値の更新を行うことができる。
また、傾斜判定部14は、加速度センサー出力基準値と、加速度センサーの出力値を比較し、基準値設定部12により設定された閾値以上の差があるか否かにより車両が傾斜しているか否かを判定し、判定結果を出力装置4に送っている。
一方、実際の使用状況では、風や車両が近くを通った場合の振動で車両が振動し、その揺れ幅が大きいと、傾斜角度検出装置1から出力されるX出力およびまたはY出力の変動量が大きくなり、誤警報のおそれがある。さらに、振動のみの場合と、傾斜変化を伴う振動の場合がある。そこで、振動のみの場合は誤動作と判断し、傾斜変化を伴う振動の場合は傾斜と判断するように、両現象を弁別できるようにすることが望ましい。
図5中、区間(a)は振動のみの出力波形で区間(b)は傾斜変化を伴う振動の出力波形の一例を示している。図から明らかなように、振動による出力変化は何れの場合も必ず振幅を伴うが、振幅のみの場合の出力はある値を中心に振幅が発生し、傾斜変化を伴う振幅の場合は傾斜変化を中心に振幅が発生する。従って、振幅の平均値と閾値を比較することで両者を弁別することができる。
振幅の平均化はハードウエアによるローパスフィルタで行うようにしてもよいし、AD変換を行ないデジタルで処理をしても良い。但し、風や車両が近くを通った場合の振動は数ヘルツと低いため、ハードウエアを使用した場合は平均化に時間がかかる。そこで、特に後述するように間欠動作を行なわせる場合には、デジタル処理で平均化を図るようにするのがよい。
さらに、傾斜判定部14は省電力化のため間欠動作させるための傾斜判定動作制御部13をもち、傾斜判定部14において傾斜ありと判定したときには傾斜判定動作制御部13は傾斜判定部14を連続動作させるようにしている。このようにすることで、傾斜中に振動による加速度センサーの出力値が振られることがあっても傾斜であることを判定できるようになると共に通常は間欠動作が可能であることから省電力化を図ることができる。なお、ここでは傾斜判定部14のみを間欠動作させているが、基準値設定部12の動作を同一タイミングの間欠動作とすることも可能であり、この場合には制御装置3全体を間欠動作させてもよい。
間欠時間は、省電力のためにはできるだけ長い方がよいが、反応を良くするためには短いほうがよい。さらに、図4を見るとわかる通り、温度補償は温度変化が大きい程補正領域が多くなり検出精度が落ちるため、極力小さな温度変化で補正をかけた方がよい。そこで、本実施形態では、間欠時間を1秒間隔程度とした。
一方、振動検出は数ヘルツの振幅を平均したいため、少なくとも1秒間の出力値の平均を採ることが好ましい。そこで本実施形態では、先ず1秒の間欠動作で温度補正と傾斜判定を行い、傾斜変化があった場合は1秒の連続動作へ移行して平均を求め、再度傾斜判定を行うようにした。
図6は、上記の間欠動作のタイムチャートの一例を示している。前半の2回の間欠動作では傾斜変化なしと判断されており間欠動作を続けているが、3回目の間欠動作は傾斜ありと判断されたため、連続動作に移行し続く1秒間の平均を取得し傾斜の最終判断が行われる。このように、本実施形態では、傾斜変化がない場合は1秒間隔の間欠動作を行い、傾斜変化の疑いがある場合のみ1秒の連続動作となるため、反応がよく消費電流が少なく更に振動による誤動作を防止した間欠動作となる。
振幅を含む出力を間欠で監視した場合は、偶然に出力変化があっても出力変化が無いと判断される場合があるが、間欠動作と振幅の周波数が完全に同期する確率は非常に少ないと考えられる。
なお、実際には制御装置3はCPU(1チップマイコン)により構成され、図7,図8に示すフローチャートに示めす動作を実行することにより上記構成を実現している。ここで、使用する加速度センサーは、感度が1V/Gでオフセット電圧の温度変化が最大で±17mV/℃とする。そして、その加速度センサーを内蔵する傾斜角度検出装置1のX出力かY出力が基準値に対して±52mV(角度換算で約3°)以上変化した場合に警報を行なうものとする。さらに、温度補正の上限は±17mV/℃(角度換算で約1°)とした。また、X出力,Y出力は、0.01秒間隔でサンプリングし、単位時間(1秒間)の平均値を求めるようにした。
上記の前提のもとで、比較値記憶部11は、アーム指示(監視開始指示)の入力を待つ(S0)。このアーム指示は、例えば、ユーザからのマニュアル操作(携帯機のスイッチの押下等)や、車両の状態の変化に基づいて自動的(例えば、ドアロックに連動等)に発行されるように設定できる。
アーム指示を受信したならば、比較値記憶部11は、そのときのセンサー出力を取得し、各センサーの出力基準値として記憶保持する。すなわち、温度検出装置2の温度出力を温度センサー出力基準値(TREF)とし、傾斜角度検出装置1のX出力,Y出力をそれぞれ加速度センサー出力基準値(XREF),(YREF)とする。
次いで、1秒のタイマーにより、1秒経過するのを待つ(S2)。このタイマーで間欠時間を制御しており、1秒経過後に次の処理ステップS3へ移行する。処理ステップS3では、各センサーの出力(X出力,Y出力,温度出力)を取得する。この取得した出力は、温度センサーの出力(TDATA)、加速度センサーのX出力(XDATA)、Y出力(YDATA)として、基準値設定部12と傾斜判定部14に与えられる。
基準値設定部12は、取得した温度の現在値(TDATA)と、比較値記憶部11に記憶保持された温度センサー出力基準値(TREF)とを比較し、温度の差異(TΔ)の絶対値を求める(S4)。
次いで、温度の差異(TΔ)が0(温度変化なし)か否かを判断する(S5)。TΔ=0の場合、傾斜判定部14は、X出力の現在値(XDATA)と基準値(XREF)を比較しX出力の差異(XΔ)の絶対値を求めるとともに、Y出力の現在値(YDATA)と基準値(YREF)を比較しY出力の差異(YΔ)の絶対値を求める(S6)。なお、傾斜判定部14は、基準値設定部12から傾斜判定実行命令を受けてS6以降の処理を実行する。この傾斜判定実行命令は、TΔ=0の場合並びに、後述する基準値変換処理が完了した際に、基準値設定部12から出力される。
次いで、傾斜判定部14は、X出力の差異(XΔ)とY出力の差異(YΔ)の少なくとも一方が、52mV以上か否かを判断する(S7)。この閾値である52mVは、基準値設定部12から与えられる。なお、本実施形態では、閾値は固定値であるため、傾斜判定部14自体が予め保持するようにしてもよい。
X出力の差異(XΔ)並びにY出力の差異(YΔ)のいずれも閾値未満の場合には、傾斜変化の可能性がないため、S7の分岐判断は、Noとなるので処理ステップS2に戻る。一方、X出力の差異(XΔ)とY出力の差異(YΔ)の少なくとも一方が閾値以上となった場合、傾斜変化の可能性があるため処理ステップS8へ進み、X出力とY出力の1秒間の平均値を取得する。すなわち、今までは処理ステップS2の実行により1秒間隔の間欠駆動をしていたが、ここで連続駆動に切り替える。そして、X出力の平均値(XAVE)と、Y出力の平均値(YAVE)とを算出したならば、X出力の平均値(XAVE)と基準値(XREF)を比較しX出力の差異(XΔ)の絶対値を求めるとともに、Y出力の平均値(YAVE)と基準値(YREF)を比較しY出力の差異(YΔ)の絶対値を求める(S9)。
そして、X出力の差異(XΔ)とY出力の差異(YΔ)の少なくとも一方が52mV以上か否かを判断する(S10)。係るX出力の差異(XΔ)並びにY出力の差異(YΔ)のいずれも閾値未満の場合には、振動による誤動作と判断し、S7の分岐判断は、Noとなるので処理ステップS2に戻る。一方、X出力の差異(XΔ)とY出力の差異(YΔ)の少なくとも一方が閾値以上となった場合、傾斜変化と判断し、処理ステップS11に飛び、傾斜警報を出力させる(S11)。つまり、傾斜判定部は、出力装置4に対し、警報指示を送る。
一方、温度変化があった場合は、処理ステップS5の分岐判断がNoとなるので、基準値設定部12が処理ステップ12における基準と変換処理を実行した後で、処理ステップS6に進み、変換された更新後の出力基準値に基づき、傾斜判定部14が上述した各処理を実行する。
ここで処理ステップ12の基準値変換処理は、図8に示すフローチャートを実行する。すなわち、まずX出力の現在値(XDATA)と基準値(XREF)を比較しX出力の差異(XΔ)の絶対値を求めるとともに、Y出力の現在値(YDATA)と基準値(YREF)を比較しY出力の差異(YΔ)の絶対値を求める(S21)。
次いで、X出力の差異(XΔ)が“17mV*温度の差異(TΔ)”以下か否かを判断し(S22)、“17mV*温度の差異(TΔ)”以下の場合には温度変化のみと判断してX出力の基準値(XREF)を現在値(XDATA)に置き換える(S23)。また、X出力の差異(XΔ)が“17mV*温度の差異(TΔ)”を超えている場合には、温度変化と傾斜変化の両方があると判断し、処理ステップS26に飛び、X出力の差異(XΔ)が正か否かを判断する(S26)。そして、X出力の差異が正の場合(S26がYes)は、X出力の基準値(XREF)に“17mV*温度の差異(TΔ)”を加算し(S27)、X出力の差異が負の場合(S26がNo)は、X出力の基準値(XREF)に“17mV*温度の差異(TΔ)”を減算する(S28)。これにより、X出力についての加速度センサー出力基準値の補正処理が完了する。次いで、同様の処理を出力Yについても実行する(S24,S25,S31,S32,S33)。その後、温度センサー出力基準値(TREF)を現在値(TDATA)に置き換える(S34)。
なお、処理ステップS22,S24の判定において、表1にあるように太文字部分は温度変化内として判定可能であるが、同じ温度変化,同じ角度変化があった場合でも温度変化のみであると判定できない場合がある。この場合においても想定した温度変化の最大値を新たな基準値とすることで傾斜判定を可能としている。
Figure 0005070372
上述した実施形態では、各センサー出力基準値を更新した後に傾斜判定をしたが、本発明はこれに限ることはなく、センサー出力基準値の更新処理を傾斜判定の後に行なうようにしても良い。その場合、例えば基準値設定部から傾斜判定部に与える閾値を温度センサーの出力に応じて増減するようにする。
車両用傾斜判定装置の好適な一実施形態を示す図である。 車両用傾斜判定装置の好適な一実施形態の制御装置を示す機能ブロック図である。 加速度センサーの特性図の一例を示すグラフである。 補正範囲と警報範囲を説明する図である。 傾斜と振動を説明するグラフである。 間欠制御を説明する図である。 制御装置の機能を示すフローチャートである。 制御装置の機能を示すフローチャートである。
符号の説明
1 傾斜角度検出装置
2 温度検出装置
3 制御装置
4 出力装置
11 比較値記憶部
12 基準値設定部
13 傾斜判定動作制御部
14 傾斜判定部

Claims (4)

  1. 車両用のセキュリティシステムに用いる車両用傾斜判定装置であって、
    加速度センサーと、
    温度センサーと、
    前記加速度センサーの出力から車両の傾斜を判定し、出力装置を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    セキュリティセット時における前記加速度センサーの出力値を加速度センサー出力基準値として記憶する手段と、
    その記憶された加速度センサー出力基準値と同時点における前記温度センサーの出力値を温度センサー出力基準値として記憶する手段と、
    前記加速度センサーの出力と前記基準値から車両の傾斜を判定する傾斜判定手段と、
    前記記憶された前記加速度センサー出力基準値並びに温度センサー基準値を更新する基準値設定手段と、からなり
    前記基準値設定手段は、
    前記加速度センサー出力基準値からの前記加速度センサーの出力値の変化量が、前記温度センサー出力基準値からの前記温度センサーの出力値の変化量から想定される加速度センサーの出力値の変化量より大きい場合には、前記想定される加速度センサーの出力値の変化量に基づいて前記加速度センサー出力基準値更新すると共にその時点の温度を新たな温度センサー出力基準値として更新し、
    前記加速度センサー出力基準値からの前記加速度センサーの出力値の変化量が、前記温度センサー出力基準値からの前記温度センサーの出力値の変化量から想定される加速度センサーの出力値の変化量より小さい場合には前記加速度センサーの出力値を新たな加速度センサー出力基準値として更新すると共にその時点の温度を新たな温度センサー出力基準値として更新するものである
    ことを特徴とする車両用傾斜判定装置。
  2. 前記制御装置は、前記傾斜判定手段の間欠動作を制御する傾斜判定動作制御手段を備え、
    前記傾斜判定動作制御手段は、間欠動作中の前記傾斜判定手段が傾斜ありと判定した場合に前記傾斜判定手段を連続動作させるように制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用傾斜判定装置。
  3. 前記傾斜判定手段は、前記加速度センサーの出力と、その出力に基づいて前記基準値設定手段が更新した加速度センサー出力基準値と、を比較して傾斜判定することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用傾斜判定装置。
  4. 前記基準値設定手段における各出力基準値の更新処理は、前記傾斜判定手段の傾斜判定後に行なうように設定され、
    前記傾斜判定手段が傾斜判定する際の閾値は、前記温度センサーの出力に応じて変更することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用傾斜判定装置。
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