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JP5074647B2 - トナー担持体及び画像形成装置 - Google Patents
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JP5074647B2 - トナー担持体及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トナー担持体及び画像形成装置に関し、さらに詳しくは、複写機やプリンター等の画像形成装置において、静電潜像を保持した感光体や紙等の画像形成体にトナーを供給して、該画像形成体表面に可視像を形成させるためのトナー担持体であって、画像むらのない高品質の画像を与え、かつ長期使用における特性変化が小さく耐久性に優れたトナー担持体、及びそれを装着した画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機やプリンター等の電子写真方式の画像形成装置などにおいて、静電潜像を保持した感光体等の画像形成体に一成分トナーを供給し、該トナーを潜像に付着させて可視化する画像形成方法として、加圧現像法が知られている(米国特許第3152012号明細書、同第3731146号明細書等)。
この加圧現像法は、トナーを担持した、トナー担持体を、静電潜像を保持した画像形成体(感光体)に接触させて、トナーを該画像形成体の潜像に付着させることにより画像形成を行うもので、このため上記トナー担持体を導電性と弾性を有する導電性弾性体で形成することが必要である。
すなわち、この加圧現像法では、例えば図2に示すように、トナーを供給するためのトナー塗布用ローラ5と静電潜像を保持した画像形成体(感光体)6との間に、トナー担持体(現像ローラ)1が配設され、これらトナー担持体1、画像形成体6及びトナー塗布用ローラ5がそれぞれ図中央矢印方向に回転することにより、トナー7がトナー塗布用ローラ5によりトナー担持体1の表面に供給され、このトナーが成層ブレード8により均一な薄膜に整えらる。そして、この状態でトナー担持体1が画像形成体6と接触しながら回転することにより、薄層に形成されたトナーがトナー担持体1から画像形成体6の潜像に付着して、該潜像が可視化するようになっている。図中9は転写部であり、ここで紙等の記録媒体にトナー画像を転写するようになっている。また、10はクリーニング部であり、そのクリーニングブレード11により転写後に画像形成体6表面に残存するトナーを除去するようになっている。
【0003】
このような加圧現像法による画像形成装置においては、トナー担持体1は、画像形成体6に密着した状態を保持しながら回転しなければならず、このため図1の概略断面図に示すように、金属等の良導電性材料からなるシャフト2の外周に、シリコーンゴム、NBR(アクリロニトリルーブタジエン重合ゴム)、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム)、ポリウレタンゴム等の弾性ゴムやフォームなどに導電剤を配合して導電性を付与した導電性弾性体からなる導電性弾性層3を形成した構造となっている。さらに、トナー7に対する帯電性や付着性のために、画像形成体6及び成層ブレード8との摩擦力制御のために、あるいは弾性体による画像形成体の汚染防止などのために、樹脂等からなる被覆層4が導電性弾性層3の表面に設けられている。
一方、紙やOHP紙などの紙葉類からなる画像形成体に、トナー担持体上に担持させたトナーを孔状の制御電極を介して直接飛翔せしめて、画像を形成させる画像形成法も提案されている。また、画像形成体(感光体)に近接して非接触状態に配設されたスリーブ状のトナー担持体の表面に、薄層に成層した非磁性トナーを担持し、これを画像形成体上に飛翔させて現像を行い、画像を形成させる方法も提案されている(特開昭58−116559号公報)。
【0004】
いずれの場合も、トナー担持体上には、トナーに対する帯電性や付着性の制御のために、あるいは画像形成体、成層ブレード、制御電極等の他の部材との摩擦力低減などのために、樹脂等からなる被覆層が導電性弾性層の表面に設けられている。
本発明者らは、これまでに、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂等の樹脂を表面層に用いたトナー担持体を、摩擦や画像を改良しうるトナー担持体として提案してきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、最近に至って、プリンターなどが高速化されたり、微細画像が要求されたり、あるいはカラー画像化されたりすることにより、画像形成に対する要求が厳しくなり、従来のトナー担持体では対応できない種々の問題が顕在化してきた。
その一つとして、印刷速度向上のために、各種部材を高速駆動化した結果生じる部材への応力過多の影響がある。すなわち、トナー担持体をプリンター等に組み込み、長時間連続して高速度印刷を行う場合、担持体表面に筋状の傷が発生する場合がある。
【0006】
本発明者らは上記問題について検討を重ねた結果、当該現象が次のような原因によるものであるという知見を得た。
すなわち、例として図2に示すような画像形成装置において、感光体6及びトナー担持体表面に残った前回印刷時の残留トナーが非常に大きな鏡像力を持つ場合、あるいはトナー担持体表層のタック性が大きい場合等にクリーニングブレード11やトナー塗布用ローラ5によって残留トナーを除去しきれないことがある。この状態で長時間連続印刷を続けると、付着した残留トナーが成層ブレード8及び感光体6とトナー担持体1との摩擦によって徐々に融着し、成層ブレード8にトナー固着体が形成される。当該付着体に擦られる度、トナー担持体は局部的な応力を与えることになり、しばらくそのような状態が続くと、トナー担持体表面に傷が入る原因となるのである。この現象は、鏡像力に強く影響を受けているため、プリンター設計にてトナーを高帯電させる系において特に発生し易い。この傷は、印刷画像にも反映されるため、発生を未然に防ぐことはプリンターの高速化を実現する上で不可欠の課題となる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、高帯電トナーを用いたプリンター設計においても、長期連続印刷に耐え得る高速印刷プリンターに対し、好適に適用することのできるトナー担持体及び該トナー担持体を用いた画像形成装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために、まず以下に示すことに着目した。
▲1▼トナーのクリーニング効率を上げて残留トナーの付着を抑える。
(a)トナーの鏡像力を上げないために、トナー担持体を低帯電能塗膜処理する。
(b)トナー担持体表面を低タック性塗膜処理する。
▲2▼トナー付着体による傷に強い担持体表面を形成する。
(c)トナー担持体を高強度塗膜処理する。
この中で(b)については、現在一般に処方されている被覆層用塗膜材料が既に十分低タック性を実現しているため、これ以上の改善は困難であり、また、極度の摩擦低減はトナー担持体のトナー搬送性の悪化にも繋がるため、この手法での課題解決は、プリンター全体の設計を鑑みて実施する必要があり、全ての系で効果があるとは言い難い。また、(a)については高帯電トナー系の設計への適合性、(c)については強度増加に伴う硬化の影響で被覆層のひび割れが発生する懸念があるため、それぞれ単独での課題達成は容易ではない。
【0008】
本発明者らは、さらに研究を進めた結果、上記の(a)と(c)の効果をバランスよく取り入れることで、前記目的を達成し得ることを見出した。すなわち、被覆層として用いる熱硬化性樹脂に、硬化剤としてメチルエーテル変性メラミン化合物を使用したことにより当該課題を達成することに成功した。
被覆層の構成樹脂成分としてメラミン樹脂を用いると、優れた帯電能をトナー担持体に与えることができるが、概してこのような系では硬くて脆い被覆層を形成し易い。これはメラミン樹脂の自己縮合によりメラミン骨格のクラスター構造が形成されることによるものと推定される。これに対し、メチルエーテル変性メラミン化合物を硬化剤とした樹脂の場合、メラミンの自己縮合が起こり難く、脆性の小さい被覆層を形成できる。特に、完全アルキル化型で単核構造のものを用いると、上記の効果が顕著に現れることを見出した。この事実は、トナー担持体被覆層を高強度とするのに有利に働く。
【0009】
また、当該構成の被覆層を設けた場合、一般的なメラミン樹脂を使用した系に対して帯電能が低めになることも明らかになった。この理由については推測の域をでないが、次のように推定される。すなわち、メラミン樹脂は、その構造が電子供与性能に有利な形態を取っており、優れた電子放出能を現出するが、当該構成ではメラミンクラスターが減少したことによって、メラミンの持つ電子供与能力がある程度抑制されたと考えられる。この事実は、トナー担持体を適度に低帯電能化し、残留トナーの鏡像力を抑制するのに有利に働く。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
【0010】
すなわち、本発明は、表面にトナーを担持してその薄膜を形成し、この状態で画像形成体に接触又は近接して、該画像形成体表面に該トナーを供給することにより、画像形成体表面に可視画像を形成させるトナー担持体において、トナー担持体が、導電性弾性層の表面に、メチルエーテル変性メラミン化合物で硬化させた熱硬化性樹脂を含み、かつ該熱硬化性樹脂とメチルエーテル変性メラミン化合物の使用割合が、重量比で50:50〜98:2である材料からなる被覆層を有するものであることを特徴とするトナー担持体を提供するものである。
【0011】
また本発明は、トナー担持体が装着されてなり、かつトナー担持体の表面にトナーを担持してその薄膜を形成し、このトナー担持体を画像形成体に接触または近接させて、該画像形成体表面にトナーを供給することにより、画像形成体表面に可視画像を形成させる画像形成装置において、該トナー担持体として、上記本発明のトナー担持体を用いたことを特徴とする画像形成装置をも提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のトナー担持体は、図1に示すように、良導電性シャフト2の外周に導電性弾性層3が形成され、導電性弾性層3の表面に被覆層4を形成したものである。シャフト2としては、良好な導電性を有するものであればいずれのものも使用し得るが、通常は、金属製の中実体からなる芯金や内部を中空にくりぬいた金属製円筒体等の金属製シャフトが用いられる。
上記導電性弾性層3には、適当なゴム材料に導電剤を添加して導電性を付与した弾性材料が用いられる。ここで、ゴム材料としては、特に制限はなく、例えばニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴム等が挙げられ、これらは一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いることができるが、これらの中で、特にクロロプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム及びウレタンゴムから選ばれる一種又は二種以上の混合物が好ましい。
【0013】
一方、これらのゴム材料に添加される導電剤は、イオン導電剤と電子導電剤とがあり、前者のイオン導電剤の例としては、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム等のドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム等のオクタデシルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、アルキル硫酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩などのアンモニウム塩;リチウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、トリフルオロメチル硫酸塩、スルホン酸塩などが挙げられる。
また、電子導電剤の例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボンブラック;SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボンブラック;酸化処理を施したインク用カーボンブラック、熱分解カーボンブラック、グラファイト;酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛等の導電性金属酸化物;ニッケル、銅等の金属などの粉末が挙げられる。
【0014】
これらの導電剤は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その添加量は特に制限されるものではないが、イオン導電剤の場合、上記ゴム材料100重量部に対して、0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜2重量部の範囲とすることができ、電子導電剤の場合、1〜50重量部、好ましくは5〜40重量部の範囲とすることができる。
この導電剤添加量の調整により、導電性弾性層の抵抗値を、103〜1010Ω・cm、特に104〜108Ω・cmの範囲に調整するのが好ましい。なお、この導電性弾性層には、上記導電剤以外に必要に応じ、従来公知の充填剤、架橋剤など、その他のゴム用添加剤を適宜添加することができる。
この導電性弾性層の硬度は、JIS−Aで60°以下、特に25〜55°の範囲とすることが好ましい。この硬度が60°を超えるとトナー担持体が硬くなり、感光体等との接触面積が小さくなって、良好な画像形成が行えなくなるおそれがある上、トナーに損傷を与えて画像形成体や成層ブレードへのトナー固着などが発生して、画像不良が生じる原因となる。逆に低硬度になりすぎると、画像形成体や成層ブレードとの摩擦が大きくなり、ジッター等の画像不良が発生するおそれがある。
【0015】
導電性弾性層は、画像形成体や成層ブレードなどと当接して使用されることから、圧縮永久歪みが小さいことが好ましく、具体的には20%以下、特に10%以下が好ましい。特にポリウレタンゴムは、この圧縮永久歪みを小さく設計できるので、好ましい。
また、この導電性弾性層の表面粗さは、JIS10点平均粗さで、15μmRz以下、特に3〜10μmRzとすることが好ましい。この平均粗さが15μmRzを超えるとトナー担持体の表面を形成する被覆層を厚く形成する必要があり、その結果、トナー担持体表面が硬くなり、トナーに損傷を与えて画像形成体や成層ブレードへのトナー固着などが発生して、画像不良となるので好ましくない。また、Rzが小さすぎると、該被覆層を形成したときに、トナー担持体の表面のRzが小さくなりすぎ、トナー担持量が少なくなり画像濃度が低下するおそれが生じる。
【0016】
なお、この表面粗さは、表面粗さ計「サーフコム590A」(東京精密社製)を用いて、円周方向に測定長さ2.4mm、測定速さ0.3mm/秒、カットオフ波長0.8mmでローラのシャフト方向及び円周方向で偏りがないように300箇所以上測定して求めた値である(以下においても同様)。
本発明のトナー担持体においては、トナーに対する帯電性や付着性の制御のために、画像形成体や成層ブレードなどとの摩擦力低減のために、あるいは、弾性体による画像形成体の汚染防止などのために、上記導電性弾性層の表面に樹脂等からなる被覆層が設けられている。
【0017】
本発明においては、この被覆層は、メチルエーテル変性メラミン化合物で硬化させてなる熱硬化性樹脂を含む材料から構成されている。熱硬化性樹脂をメチルエーテル変性メラミン化合物で硬化させる際、反応完結性や熱処理時間の短縮のために、所望により酸性触媒を用いることができる。
上記熱硬化性樹脂としては、例えば変性アルキッド樹脂、オイルフリーアルキッド樹脂、及びアルキッド変性、エポキシ変性又はアルコール変性樹脂(具体的には、アルキッド変性ウレタン樹脂、アルキッド変性シリコーン樹脂、エポキシ変性シリコーン樹脂、アルコール変性シリコーン樹脂等)などの中から選ばれる少なくとも一種が好ましく用いられる。これらの熱硬化性樹脂の中で、オイルフリーアルキッド樹脂、アルキッド変性シリコーン樹脂、エポキシ変性シリコーン樹脂及びアルコール変性シリコーン樹脂がより好ましく、特にオイルフリーアルキッド樹脂が好適である。
【0018】
一方、硬化剤として用いられるメチルエーテル変性メラミン化合物としては、例えば完全アルキル化型メチルエーテル変性メラミン、メチロール基型メチルエーテル変性メラミン、イミノ基型メチルエーテル変性メラミン、及びこれらの中間型のものなどを好ましく挙げることができるが、これらの中で完全アルキル化型メチルエーテル変性メラミン、イミノ基型メチルエーテル変性メラミン及び、上記中間型のものがより好ましく、特に完全アルキル化型メチルエーテル変性メラミン、及び完全アルキル化型メチルエーテル変性メラミンとイミノ基型メチルエーテル変性メラミンとの中間型のものが好適である。これらのメチルエーテル変性メラミン化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、所望により用いられる酸性触媒としては、硬化剤として完全アルキル化型メチルエーテル変性メラミンを用いる場合には、強酸性の芳香族スルホン酸系触媒が好ましく用いられ、また、その他の硬化剤では弱酸性のリン酸エステル系触媒が好ましく用いられる。上記芳香族スルホン酸系触媒はアミンブロック型のものでもよい。
【0019】
本発明においては、前記熱硬化性樹脂とメチルエーテル変性メラミン化合物の使用割合は、被覆層の物性面から重量比で50:50〜98:2の範囲で選定される。
本発明に係る被覆層は、溶剤に対する不溶部が70重量%以上のものが好ましく、この不溶部が70重量%未満では、長期間の放置により、画像形成体や成層ブレードなど、トナー担持体と接触している部材の圧接痕ができ、その結果、画像に黒横線などの不具合が生じるおそれがある。特に、溶剤不溶部が80重量%以上のものが好適である。
【0020】
本発明に係る被覆層は、上記硬化剤により硬化された熱硬化性樹脂を主成分とするものであるが、その他に、トナーへの帯電能のさらなる向上、他の部材との摩擦力低減や導電性付与等の目的で、荷電制御剤、滑剤、導電剤、その他の樹脂等の種々の添加剤を含有させることができる。
本発明のトナー担持体においては、このような被覆層の抵抗を、導電性弾性層の抵抗より高くすることが、トナー担持体の抵抗を調整するうえで好ましく、この被覆層の好ましい抵抗値は、109〜1015Ω・cmの範囲であり、特に1010〜1013Ω・cmの範囲が好ましい。また、トナー担持体の抵抗としては106〜1012Ω・cmの範囲が好ましく、107〜1010Ω・cmが特に好ましい。
【0021】
また、被覆層を形成したトナー担持体の表面粗さは、JIS10点平均粗さで、10μmRz以下、特に1〜8μmRzとすることが好ましい。この平均粗さが10μmRzを超えると、トナーの帯電量が小さくなったり、逆帯電トナーが生じて、画像かぶりを生じるので好ましくない。また、Rzが小さすぎるとトナー担持量が少なくなり、画像濃度が低下する恐れが生じる。
本発明のトナー担持体における被覆層の形成方法については特に制限はないが、前記の熱硬化性樹脂、メチルエーテル変性メラミン化合物及び必要に応じて用いられる酸性触媒や各種添加剤を溶解又は分散させてなる塗工液をディピング法、ロールコーター法、ドクターブレード法、スプレー法などにより、導電性弾性層上に塗布したのち、50〜170℃程度の温度で乾燥、架橋硬化させて形成する。
【0022】
この被覆層の厚さは、3〜50μm程度とすることができるが、特に5〜30μmの範囲が好ましい。この被覆層の厚さが薄すぎると局所的な放電が起こり、画像に白横線が発生しやすくなる。また、厚すぎるとトナー担持体が硬くなり、トナーに損傷を与えて画像形成体や成層ブレードへのトナー固着などが発生して画像不良の原因となる。
前記塗工液の調製に用いられる溶媒としては、例えばメタノール,エタノール,イソプロパノール,ブタノール等のアルコール系溶媒、アセトン,メチルエチルケトン,シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、トルエン,キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、イソプロピルエーテル,テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、クロロホルム,ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等、及びこれらの混合溶媒などが挙げられる。本発明においては、アルコール系溶媒及びアルコール系溶媒と各種炭化水素系溶媒との混合溶媒が特に好ましく用いられる。
【0023】
本発明のトナー担持体は、電子写真装置における現像装置などの画像形成装置に現像ローラ等として組み込まれて用いられるものであり、例えば、図2に示したように、トナーを供給するためのトナー塗布用ローラ5と静電潜像を保持した感光ドラム(画像形成体)6との間に、本発明のトナー担持体を現像ローラ1として配置し、トナー塗布用ローラ5によりトナー7を担持し、これを成層ブレード8により均一な薄層に整え、さらにこの薄層からトナーを感光ドラム(画像形成体)6に供給し、感光ドラム(画像形成体)6の静電潜像にトナーを付着させて潜像を可視化するものである。図2に示した画像形成装置の詳細については、上述の従来技術において説明したので省略する。
【0024】
なお、本発明のトナー担持体を装着する画像形成装置は、図2に示したものに限定されず、表面にトナーを担持して該トナーの薄層を形成し、この状態で画像形成体に接触又は近接して、該画像形成体表面にトナーを供給することにより、画像形成体表面に可視画像を形成するものであればいずれのものでもよい。例えば、紙やOHP用紙等の紙葉類を画像形成体とし、ごれらにトナー担持体上に担持させたトナーを制御電極に形成した孔を通して直接飛翔せしめ、紙やOHP用紙に直接画像を形成させるものであってもよい。
また、本発明のトナー担持体に担持させるトナーとしては、非磁性の一成分現像剤が好適に用いられるが、磁性タイプの一成分現像剤を用いることもでき、例えば磁性一成分現像剤を用いて白黒画像印字を行う場合にも、本発明のトナー担持体及び画像形成装置を好適に用いることができる。
【0025】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例で得られたローラ(トナー担持体)について、下記の要領で特性試験を行った。
(1)被覆層の層厚
被試験ローラの垂直切断面を走査型電子顕微鏡により観察して測定した。
(2)被覆層の溶剤不溶率
被試験ローラとは別に、ガラス板を用意して、各ローラの被覆層形成に用いた塗工液をガラス板に塗布し、各ローラの作製と同一の条件で塗膜を加熱し、硬化させて塗膜試料を作製した。このガラス板を、塗工液の調製に用いたものと同様の溶媒中に常温で24時間浸漬した後、乾燥させて、浸漬前後の塗膜の重量を測定し、下記の式により溶剤不溶率を算出し、ローラの被覆層の溶剤不溶率とし、この被覆層の溶剤不溶率が70重量%以上かどうかを確認した。
溶剤不溶率=〔(溶剤に浸漬、乾燥後の塗膜重量)/(溶剤に浸漬前の塗膜重量)〕×100(重量%)
(3)ローラの抵抗
被試験ローラの両端に各500gの荷重をかけて銅板上に押し付け、抵抗率計R8340A(アドバンテスト社製)を用い、100Vの電圧を印加して抵抗値を測定した。
(4)トナー帯電量
被試験ローラを現像ローラとして、図2に示した現像ユニット部に装着し、現像ローラを50mm/秒の周速で回転させ、この現像ローラ表面にトナー薄層を形成し、このトナー薄層を吸引してファラディゲージ内に導入し、電荷量を測定した。これと同時に、吸引されたトナー量も測定し、単位重量当たりのトナー帯電量〔q/m(μC/g)〕を求めた。
【0026】
参考例1
グリセリンにプロピレンオキサイドとエチレンオキサイドを付加し、分子量5000としたポリエーテルポリオール(OH価:33)100部(重量部、以下同じ)に1,4−ブタンジオール1.0部、ニッケルアセチルアセトネート0.5部、ジブチルチンジラウレート0.01部及びアセチレンブラック2.0部を添加し、混合機を用いて混合してポリオール組成物を調製した。
このポリオール組成物を減圧下に攪拌して脱泡した後、ウレタン変性MDIを17.5部加えて2分間攪拌し、これを、金属シャフトを配置し予め110℃に加熱した金型に注型し、110℃で2時間硬化させて金属シャフトの外周に導電性弾性層を形成してローラを得た。得られたローラの表面を研磨して、表面をJIS10点平均粗さ15.0μmRzに調整した。
【0027】
なお、この表面粗さは、表面粗さ計「サーフコム590A」(東京精密社製)を用いて、円周方向に測定長さ2.4mm、測定速さ0.3mm/秒、カットオフ波長0.8mmでローラのシャフト方向及び円周方向で偏りがないように300箇所以上測定して求めた値である(以下の例においても同様)。
次に、ポリエーテルポリウレタン樹脂溶液に導電剤としてアセチレンブラックを添加することにより、成膜時の体積抵抗率を1.08×108Ω・cmに調整した固形分濃度12.5重量%の塗布液を調製した。この塗布液中に、上記導電性弾性ローラを浸漬して引き上げ、100℃で30分間風乾した。
さらに、オイルフリーアルキッド樹脂〔大日本インキ(株)製、商品名:ベッコライトM-6402-50、固形分50重量%〕とメチルエーテル変性メラミン〔三井サイテック(株)製、商品名:サイメル325、固形分80重量%〕を、固形分重量比で70:30となるように配合したのち、これを、メチルエチルケトンで希釈して、固形分濃度15重量%の被覆用塗工液を調製した。上記風乾した導電性弾性ローラを室温に戻したのち、当該塗工液中に浸漬して引き上げ、110℃にして4時間加熱、硬化させ、図1で示すローラ状トナー担持体を得た。
【0028】
該トナー担持体を現象ローラとして、図2に示した現像ユニットにおいて、現像バイアス−400V、ブレードバイアス−600Vとし、平均粒径7μmの負帯電性非磁性一成分トナーを用い、線速60mm/secの周速で回転させながら反転現像で画像出しを行い、白地、ハーフトーン、黒地画像における画像における画像評価を実施した。初期画像、耐久画像共に計5枚を各々評価して傾向をつかんだ。耐久画像として、連続4%印字1万枚終了後の印刷画像を用いた(印刷条件・評価方法は、以下の例においても同様)。また、耐久試験前に、当該現象系におけるトナー帯電量(q/m)を測定したところ、43.70μC/gと、若干高目の帯電能特性を示した。
【0029】
上記試験の結果、初期・耐久の各画像とも良好な印刷結果を得ることができた。特に耐久試験後、トナー担持体表面をビデオマイクロスコープにて観察したところ、傷の発生は認められず、画像も良好な状態を保っていた。
参考例2
参考例1において、オイルフリーアルキッド樹脂とメチルエーテル変性メラミンの固形分重量比を95:5とした以外は、参考例1と同様にしてローラ状トナー担持体を作製した。
該トナー担持体を現像ローラとして、参考例1と同様の試験を行った。また、耐久試験前に、当該現像系におけるトナー帯電量(q/m)を測定したところ、38.55μC/gと、中庸の帯電能特性を示した。
【0030】
上記試験の結果、初期・耐久の各画像とも良好な印刷結果を得ることができた。特に耐久試験後、トナー担持体表面をビデオマイクロスコープにて観察したところ、傷の発生は認められず、画像も良好な状態を保っていた。
実施例
参考例1において、メチルエーテル変性メラミンの代わりに、完全アルキル化単核メチルエーテル変性メラミン〔三井サイテック(株)製、商品名:サイメル303、固形分100%〕を用い、かつ被覆用塗工液に芳香族スルホン酸系触媒〔三井サイテック(株)製、商品名:キヤタリスト4040、主成分40重量%〕を塗工液の重量に基づき0.15重量%添加した以外は、参考例1と同様にしてローラ状トナー担持体を作製した。
【0031】
該トナー担持体を現像ローラとして、参考例1と同様の試験を行った。また、耐久試験前に、当該現像系におけるトナー帯電量(q/m)を測定したところ、46.45μC/gと、若干高目の帯電能特性を示した。
上記試験の結果、初期・耐久の各画像とも良好な印刷結果を得ることができた。特に耐久試験後、トナー担持体表面をビデオマイクロスコープにて観察したところ、傷の発生は認められず、画像も良好な状態を保っていた。
比較例1
参考例1において、メチルエーテル変性メラミンの代わりに、n−ブチルエーテル変性メラミン〔大日本インキ(株)製、商品名:スーパーベッカミンL−117−60、固形分60重量%〕を用いた以外は、参考例1と同様にしてローラ状トナー担持体を作製した。
該トナー担持体を現像ローラとして、参考例1と同様の試験を行った。また、耐久試験前に、当該現像系におけるトナー帯電量(q/m)を測定したところ、59.79μC/gと、高い帯電能特性を示した。
【0032】
上記試験の結果、初期画像については良好な結果が得られたが、耐久試験後、トナー担持体をビデオマイクロスコープにて観察したところ、表面に長さ1〜2mmの傷が多数発生し、これが画像にも現れてハーフトーン画像・黒ベタ画像に斑となって現れてしまった。
比較例2
参考例1において、オイルフリーアルキッド樹脂とメチルエーテル変性メラミンの固形分重量比を30:70とした以外は、参考例1と同様にしてローラ状トナー担持体を作製した。
該トナー担持体を現像ローラとして、参考例1と同様の試験を行った。また、耐久試験前に、当該現像系におけるトナー帯電量(q/m)を測定したところ、71.35μC/gと、著しく高い帯電能特性を示した。上記試験の結果、初期画像については、ハーフトーン画像を中心に若干高濃度化した画像特性となっていた。耐久試験後、トナー担持体表面をビデオマイクロスコープにて観察したところ、表面に長さ1〜2mmの傷が多数発生し、これが画像にも現れてハーフトーン画像に斑となって現れてしまった。
【0033】
比較例3
参考例1において、被覆用塗工液として、オイルフリーアルキッド樹脂及びメチルエーテル変性メラミンを用いる代わりに、フェノール樹脂〔住友デュレズ(株)製、商品名:スミライトレジンPR−50232、固形分50重量%〕を用い、固形分濃度を12重量%に調製した塗工液を用いた以外は、参考例1と同様にしてローラ状トナー担持体を作製した。
該トナー担持体を現像ローラとして、参考例1と同様の試験を行った。また、耐久試験前に、当該現像系におけるトナー帯電量(q/m)を測定したところ、69.71μC/gと、著しく高い帯電能特性を示した。上記試験の結果、初期画像については、ハーフトーン画像を中心に若干高濃度化した画像特性となっていた。耐久試験後、トナー担持体表面をビデオマイクロスコープにて観察したところ、表面に長さ1〜2mmの傷が多数発生し、これが画像にも現れてハーフトーン画像・黒ベタ画像に斑となって現れてしまった。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、高帯電トナーを用いたプリンタ設計においても、長期連続印刷に耐え得る高速印刷プリンタに対し、好適に適用することのできるトナー担持体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のトナー担持体の一例を示す概略断面図である。
【図2】 本発明の画像形成装置の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1:トナー担持体(現像ローラ)
2:シャフト
3:導電性弾性層
4:被覆層
5:トナー塗布用ローラ
6:画像形成体(感光体)
7:トナー
8:成層ブレード
9:転写部
10:クリーニング部
11:クリーニングブレード

Claims (8)

  1. 表面にトナーを担持してその薄膜を形成し、この状態で画像形成体に接触又は近接して、該画像形成体表面に該トナーを供給することにより、画像形成体表面に可視画像を形成させるトナー担持体において、
    トナー担持体が、導電性弾性層の表面に、酸性触媒を用いてメチルエーテル変性メラミン化合物で硬化させた熱硬化性樹脂を含み、かつ該熱硬化性樹脂とメチルエーテル変性メラミン化合物の使用割合が、重量比で50:50〜98:2である材料からなる被覆層を有するものであることを特徴とするトナー担持体。
  2. メチルエーテル変性メラミン化合物が、完全アルキル化型メチルエーテル変性メラミン、メチロール基型メチルエーテル変性メラミン、イミノ基型メチルエーテル変性メラミン又はこれらの中間型のものである請求項1に記載のトナー担持体。
  3. 熱硬化性樹脂が、変性アルキッド樹脂、オイルフリーアルキッド樹脂及びアルキッド変性、エポキシ変性又はアルコール変性樹脂の中から選ばれる少なくとも一種である請求項1又は2に記載のトナー担持体。
  4. 導電性弾性層を構成するゴム弾性体が、クロロプレンゴム、プタジエンゴム、エチレンプロピエンゴム及びウレタンゴムの中から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜のいずれかに記載のトナー担持体。
  5. 被覆層の溶剤に対する不溶率が70重量%以上である請求項1〜のいずれかに記載のトナー担持体。
  6. 被覆層の厚さが3〜50μmである請求項1〜のいずれかに記載のトナー担持体。
  7. 表面粗さがJIS10点平均粗さで10μmRz以下である請求項1〜のいずれかに記載のトナー担持体。
  8. トナー担持体が装着されてなり、かつトナー担持体の表面にトナーを担持してその薄膜を形成し、このトナー担持体を画像形成体に接触又は近接させて、該画像形成体表面にトナーを供給することにより、画像形成体表面に可視画像を形成させる画像形成装置において、上記トナー担持体として、請求項1〜のいずれかに記載のトナー担持体を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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