JP5076866B2 - 計時装置および計時装置の衛星信号受信方法 - Google Patents
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Description
GPS衛星からの信号(航法メッセージ)は、GPS時刻の週初めのC/Aコード(Coarse and Acquisition Code)のリセットに同期して、フレームやサブフレームを送信している。従って、C/Aコードを用いて航法メッセージを解読できれば、一衛星からの信号だけで、GPS時刻の週の初めからの経過時間がわかり、0.1秒程度の精度で時刻補正することができる。
すなわち、GPS衛星の軌道は約20000〜27000kmであるから、電波の伝播時間は66.6〜90ミリ秒程度であり、これを補正することでミリ秒オーダー程度の誤差でUTC(協定世界時)と同期でき、実用上問題ない精度の計時が可能となる。
従って時刻情報を受信する際は、無作為にGPS衛星をサーチする必要がある。このサーチ処理を行った際に、最初に捕捉したGPS衛星によってナビゲーションデータ(NAVデータ)をデコードできれば、受信時間の短縮が図れ、かつ、消費電力も低減できる。
しかしながら、捕捉したGPS衛星からの信号が弱信号であったり、移動中の受信において受信ユーザのコースが変更されたり高層建物の陰になったりすることで捕捉衛星を脱捕してしまう可能性が高く、そのたびにGPS衛星を再サーチする必要があり、トータルの受信時間が長くなり、消費電力も増大してしまう。
すなわち、信号状態検出部で検出された信号状態において、例えば、信号強度(受信レベル)が所定値以上と高い場合には、一衛星モードにより1つの位置情報衛星しか捕捉できていなくても、時刻情報をデコードして取得することができる。すなわち、一衛星モード時で、受信環境が良好で信号強度が高い場合には、短時間で時刻/週情報を取得でき、消費電力も低減できる。しかし、一衛星モードだけで処理すると、受信環境が悪化し、信号強度が低下した場合に、時刻/週情報の取得確率も低下し、衛星サーチ処理やNAVデータのデコード処理を繰り返すことになるため、受信時間も長くなって消費電力も増大する。
一方、多チャンネルモードのみで受信処理を行うと、受信環境が良好な場合には、一衛星モードに比べて消費電力が増加してしまうが、受信環境が悪化して信号強度が低い場合でも、時刻/週情報の取得確率を高くでき、一衛星モードに比べて受信時間も短くできて消費電力を抑えることができる。
従って、本発明のように、信号状態に基づいて一衛星モードおよび多チャンネルモードを選択すれば、平均的な受信時間を短くでき、消費電力も低減できるとともに、受信環境が悪化している場合でも時刻/週情報の取得できる確率を高くでき、受信環境の影響を軽減できて受信に成功する確率を向上できる。
一方、信号状態が良好でなければ、多チャンネルモードに移行し、複数の位置情報衛星を捕捉して、信号をデコードできるため、時刻/週情報の取得確率を高くでき、受信時間も短くできて消費電力を抑えることができる。
このような本発明によれば、多チャンネルモード時において、信号強度が比較的大きい場合に同時捕捉する衛星の数を少なくしているので、その分、消費電力を低減できる。また、信号強度が比較的大きいため、捕捉衛星数が少なくても信号をデコードできる確率も高くできる。
一方、多チャンネルモード時において、信号強度が比較的小さければ同時捕捉する衛星の数を多くしているので、信号をデコードできる確率も高くでき、衛星の再サーチや再デコード処理を無くすことができる。
従って、本発明では、信号強度に応じて受信チャンネル数を調整することで、平均的な時刻/週情報の取得確率を高くでき、受信時間も短くできて消費電力を抑えることができる。
なお、dBmは1mWを0dBとしたものであり、例えば、−130dBm=1×10−13mWとなる。
これに対し、本発明では、一衛星モード時に、デコード処理のタイムアウトになれば、多チャンネルモードに移行して処理を行うため、他の衛星を捕捉して時刻情報を取得できる可能性も高まる。
従って、時刻/週情報の取得確率を高くでき、受信時間も短くできて消費電力を抑えることができる。
また、このデコードタイムアウト判定時間は、取得する時刻情報の種類に応じてさらに調整してもよい。例えば、位置情報衛星がGPS衛星の場合、時刻情報には週の始めからの経過時間であるZカウントデータと、週の情報である週番号データとがあり、週番号データは1週間に1回受信すればよい。そこで、Zカウントデータのみ取得すればよい場合で、デコードタイムアウト判定時間を短く設定する場合には、例えば12秒とし、長く設定する場合には、例えば24秒とすればよい。また、Zカウントデータおよび週番号データを取得する場合で、デコードタイムアウト判定時間を短く設定する場合には、例えば60秒とし、長く設定する場合には、例えば120秒とすればよい。
さらに、クロック信号がずれている場合でも、低仰角の位置情報衛星だけでなく、中仰角や高仰角の位置情報衛星の信号も受信でき、衛星を捕捉して時刻情報を取得できる確率を向上でき、消費電力も低減できる。
一方、多チャンネルモード時に、捕捉した位置情報衛星の数が設定数になっていない場合でも、信号強度が設定値以上の場合には、衛星捕捉処理を終了して衛星信号をデコードしているため、捕捉衛星数が少なくても衛星信号をデコードでき、時刻/週情報の取得処理時間を短くでき、消費電力も低減できる。
従って、本発明の計時装置によれば、位置情報衛星からの衛星信号に基づいて正しい時刻に修正できるとともに、消費電力を低減できて電池寿命の長時間化や電池の小型化が可能となる。このため、特に腕時計や懐中時計のような携帯型の計時装置に適している。
従って、前記計時装置と同様に、平均的な受信時間を短くでき、消費電力も低減できるとともに、受信環境が悪化している場合でも時刻/週情報の取得できる確率を高くでき、受信環境の影響を軽減できて受信に成功する確率を向上できる。
また、受信開始時に、まず、一衛星モードで処理を行っており、その際の信号状態に基づいて、一衛星モードから多チャンネルモードに移行するため、信号状態が良好であれば、一衛星モードのままで衛星捕捉および信号デコード処理が行われる。このため、短時間で時刻/週情報を取得でき、消費電力も低減できる。一方、信号状態が良好でなければ、多チャンネルモードに移行し、複数の位置情報衛星を捕捉して、信号をデコードできるため、時刻/週情報の取得確率を高くでき、受信時間も短くできて消費電力を抑えることができる。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は、本発明に係る計時装置であるGPS衛星信号受信装置付き腕時計1(以下「GPS付き腕時計1」という)を示す概略図である。また、図2は、GPS付き腕時計1の主なハードウエア構成等を示す概略図である。
図1に示すように、GPS付き腕時計1は、文字板2および指針3からなる時刻表示部を備える。文字板2の一部には開口が形成され、LCD表示パネル等からなるディスプレイ4が組み込まれている。
ディスプレイ4はLCD表示パネル等で構成され、緯度、経度や都市名等の位置情報を表示する他、メッセージ情報を表示する。
そして、GPS付き腕時計1は、地球の上空を所定の軌道で周回している複数のGPS衛星5からの衛星信号を受信して衛星時刻情報を取得し、内部時刻情報を修正したり、測位情報つまり現在位置をディスプレイ4に表示できるように構成されている。
なお、GPS衛星5は、本発明における位置情報衛星の一例であり、地球の上空に複数存在している。現在は約30個のGPS衛星5が周回している。
次に、GPS付き腕時計1の回路構成に関して説明する。図2に示すように、GPS付き腕時計1は、時刻表示装置45、GPS装置40、時刻修正装置44を備え、コンピュータとしての機能も発揮する構成となっている。なお、図2に示すように、時刻表示装置45、GPS装置40、時刻修正装置44は一部の構成が重複している。
[GPS装置の構成]
図2に示すように、GPS付き腕時計1は、GPS衛星5から送信される衛星信号を受信、処理するGPS装置40を備えている。
GPS装置40は、GPSアンテナ11、フィルタ(SAW)31、受信回路18を備える。フィルタ(SAW)31は、バンドパスフィルタであり、1.5GHzの衛星信号を抜き出すものとなっている。このGPS装置40により、本発明の受信部が構成されている。
RF部27は、PLL回路34、IFフィルタ35、VCO(Voltage Controlled Oscillator)41、ADC(A/D変換器)42、ミキサ46、LNA(Low Noise Amplifier)47、IFアンプ48等を備えている。
ミキサ46でミキシングされたIFは、IFアンプ48、IFフィルタ35を通り、ADC(A/D変換器)42でデジタル信号に変換される。
そして、ベースバンド部30は、RF部27のADC42からデジタル信号が入力され、制御信号に基づき、衛星信号の演算(デコード処理)を行い、衛星時刻情報や測位情報を取得できるようになっている。
また、RTC38は、本発明の内部時刻情報を生成する内部時刻情報生成部として機能する。このRTC38は、TCXO32から出力される基準クロックでカウントアップされるようになっている。
時刻修正装置44は、前記受信回路18と、制御部20と、駆動回路43とを備えている。この時刻修正装置44で本発明の時刻情報修正部が構成されている。
制御部20は、記憶部20Aを備えるとともに、GPS装置40や、指針3、ディスプレイ4の駆動を制御するものである。すなわち、制御部20は、制御信号を受信回路18に送り、GPS装置(受信部)40の受信動作を制御する受信制御部を構成している。
また、記憶部20Aは、前記受信回路18のベースバンド部30で得られた時刻データ(衛星時刻情報)や、測位データが記憶される。
時刻表示装置45は、制御部20、RTC38、TCXO32、記憶部20A、駆動回路43、指針3、ディスプレイ4などを備えて構成されている。駆動回路43は、図示しないステップモータを駆動して指針3を駆動する指針駆動回路と、ディスプレイ4を駆動するディスプレイ駆動回路とを備えている。
そして、RTC38で生成された内部時刻情報は、前記記憶部20Aに現時刻の情報として記憶され、制御部20は、記憶部20Aに記憶された時刻データに基づいて、指針3やディスプレイ4の表示時刻を制御する。
そして、制御部20は、受信した衛星信号に基づいて生成された時刻情報が記憶部20Aに記憶されて内部時刻情報が更新されると、駆動回路43を通して、ディスプレイ4に修正された時刻情報を表示するようになっている。
さらに、制御部20は、指針3で指示していた現時刻情報と修正された内部時刻情報との差を算出し、その時間差分だけ指針3が移動するように、駆動回路43を介してステップモータを駆動し、指針3が修正後の時刻を指示するように制御する。
すなわち、充電用コイル22は、充電制御回路28を通じて二次電池24に電力を充電する。二次電池24は、レギュレータ29を介して、時刻修正装置44等に駆動電力を供給するようになっている。
以上に説明したように、本実施形態における時計機構は、いわゆる電子時計となっている。
ここで、GPS衛星5から送信される信号(衛星信号)である航法メッセージについて、説明する。
図3、4は、GPS衛星信号を示す概略説明図である。
各GPS衛星5からは、図3に示すように、1フレームデータ(30秒)単位で信号が送信されてくる。この1フレームデータは、5個のサブフレームデータ(1サブフレームデータは6秒)を有している。各サブフレームデータは、10個のワード(1ワードは0.6秒)を有している。
また、TLMに続くワードは、HOW(hand over word)データが格納されたHOWワードとなり、その先頭には、TOW(Time of Week、「Zカウント」ともいう)というGPS衛星のGPS時刻情報(衛星時刻情報)が格納されている。
GPS時刻情報は毎週日曜日の0時からの経過時間が秒で表示され、翌週の日曜日の0時に0に戻るようになっている。つまり、GPS時刻情報は、週の初めから一週間毎に示される秒単位の情報であって、経過時間が1.5秒単位で表した数となっており、ZカウントあるいはZカウントデータともいわれており、GPS付き腕時計1が現在時刻を知る手がかりともなっている。
週番号データは、現在のGPS時刻情報が含まれる週を表す情報である。すなわち、GPS時刻情報の起点は、UTC(世界協定時)における1980年1月6日00:00:00であり、この日に始まる週は週番号0となっている。そして、週番号と経過時間(秒)のデータを取得することで、受信側はGPS時刻情報を取得できる構成となっている。
また、週番号データは、1週間単位で更新されるデータとなっている。
従って、受信側で、一旦、週番号データを取得しており、その週番号データを取得した時期からの経過時間がカウントされている場合は、再度、週番号データを取得しなくても、取得している週番号データと経過時間から、GPS衛星の現在の週番号データが分かる。従って、Zカウントデータを取得すれば、現在のGPS時刻が概算で分かるようになっている。このため、GPS装置40は、時刻情報を取得する場合には、通常、Zカウントデータのみを取得する。
そして、この主フレームデータは、それぞれ300ビット(300bit)ずつの5つのサブフレームデータに分割されている。
そして、1フレームデータは30秒に相当する。従って、サブフレームデータの1つは、6秒に相当するデータとなっている。上述したように、この各サブフレームデータの先頭の2語には、TLMワード、HOWワードのZカウント(TOW)データが含まれている。そして、Zカウントデータは、サブフレーム1から始まり、サブフレームデータ毎に6秒おきのデータとなっている。つまり、サブフレーム1からサブフレーム5はTLMワード、HOWワードのZカウント(TOW)データを有している。この、Zカウント(TOW)データは、次のサブフレームデータの時刻情報となっている。例えば、サブフレーム1のZカウントデータは、サブフレーム2の時刻データとなっている。
従って、HOWデータつまりZカウントは、6秒間隔で送信されるのに対し、週番号データ、エフェメリスパラメータ、アルマナックパラメータは、30秒間隔で送信される。
つまり、このようなGPS衛星5のフレームデータ等を取得するには、ベースバンド部30でGPS衛星5の信号と同期する必要がある。
この場合、特に1ms単位の同期のためにC/Aコード(1023chip(1ms))が用いられる。このC/Aコード(1023chip(1ms))は、地球を周回している複数のGPS衛星5毎に異なっており、固有のものとなっている。
従って、特定のGPS衛星5の衛星信号を受信する場合は、GPS装置40において、GPS衛星5に固有のC/Aコードを発生させて位相同期することで、受信することができるようになっている。
そして、C/Aコード(1023chip(1ms))と同期させると、サブフレームデータのTLMワードのプリアンブルデータ、HOWワードを受信でき、HOWワードのZカウントデータ(時刻情報)が取得できる。
さらに、測位情報は、衛星信号のエフェメリスパラメータを3〜4衛星分取得すればよい。ここで、エフェメリスパラメータは、30秒ごとに送信されるサブフレーム2のプリアンブルから600ビット、つまり約12秒の受信を行うことで取得できる。
GPS衛星5の衛星信号である航法メッセージは以上のように構成されている。
次に、図5に基づいて、本発明の受信制御部50のシステム構成について説明する。図5は、主に制御部20において実行されるプログラムで実現される機能ブロックである。
すなわち、受信制御部50は、衛星捕捉制御部51、信号状態検出部52、デコード制御部53、受信チャンネル設定部54を備える。
次に、GPS付き腕時計1の受信動作について、図6のフローチャートも参照して説明する。
なお、衛星捕捉制御部51は、タイムアウトであるか否かを次のように判定する。すなわち、一衛星の捕捉処理時間は数百ミリ秒程度である。そして、GPS付き腕時計1が全衛星の軌道情報(アルマナックパラメータ)を取得していない状態から衛星捕捉処理を行うコールドスタート時は、GPS衛星5を無作為にサーチすることになる。この場合、例えば、No.1のGPS衛星5から順にサーチし、No.30のGPS衛星5を捕捉できた場合、つまり一衛星の捕捉に最も時間がかかる場合でも、約2秒程度で衛星を捕捉できる。従って、衛星捕捉制御部51は、S11の受信開始後、予め設定したサーチタイムアウト判定時間(例えば3秒)を経過しても衛星を捕捉できなければS13でタイムアウトと判定する。
S16において、受信レベルが所定値以上であった場合には、衛星捕捉制御部51は、GPS装置40における衛星サーチ処理を終了し、デコード制御部53は、一衛星モードのままで、捕捉したGPS衛星5から受信したNAVデータのデコード処理を継続して行う(S17)。
そして、衛星捕捉制御部51および信号状態検出部52は、次に捕捉した衛星5の受信レベルが所定値以上であるか、または、受信レベルが所定値未満であっても所定数(例えば3個)の衛星5を捕捉できたかを判定する(S19)。
すなわち、多チャンネルモードの場合、複数のGPS衛星5を捕捉でき、NAVデータのデコード処理も並行して行うことができる。従って、衛星サーチ処理を継続している間も、既にGPS衛星5を捕捉できたチャンネルでは、捕捉した衛星信号からNAVデータのデコード処理が継続して行われており、所定数のGPS衛星5を捕捉する前に、一部のGPS衛星5のNAVデータから時刻情報や週情報を取得できる場合がある。従って、デコード制御部53は、衛星サーチ処理中であっても、S20において時刻/週情報を受信できたかを確認している。
また、S21において、タイムアウトであると判定された場合は、衛星捕捉制御部51は、GPS受信処理を停止し(S22)、受信に失敗したことをディスプレイ4等に表示し、制御部20は現状の内部時刻に基づいて指針3を運針し、内部時刻を表示する(S23)。
なお、デコード制御部53は、S20,24において、通常は、Zカウントデータおよび週番号データを取得できたか否か、つまり時刻/週情報を取得できたか否かを判定している。但し、前回、週番号データ(WN)を取得後、1週間以内の場合であり、週番号データ(WN)を再取得する必要がない場合には、S20,24において、Zカウントデータが取得できたか否かを判定してもよい。
なお、デコードタイムアウト判定時間は、例えば、6秒間隔で送信されるZカウントのみを取得する場合には、12秒〜24秒程度に設定すればよい。一方、30秒間隔で送信される週番号まで取得する場合には、60秒〜120秒程度に設定すればよい。
S25において、タイムアウトであると判定された場合は、デコード制御部53は、GPS受信処理を停止し(S14)、受信に失敗したことをディスプレイ4等に表示し、制御部20は現状の内部時刻に基づいて指針3を運針し、内部時刻を表示する(S15)。
一方、受信レベルが所定値未満であれば、多チャンネルモードに変更し、所定数の衛星を捕捉できた場合や、受信レベルが所定値以上の衛星を捕捉できた場合には、捕捉したGPS衛星5から送信されるNAVデータのデコード処理を行う。
ここで、一衛星モード時および多チャンネルモード時の時刻情報(Zカウントデータや週番号データ)を取得するまでの時間と、取得率に関する実験データを図7のグラフに示す。
図7に示すように、Zカウントデータの取得時間は、受信レベルが高いほど短くなり、例えば、受信レベルが−137dBm以上であれば、いずれのモード時においても10〜20秒未満に抑えることができる。
一方、受信レベルが低くなるとZカウントデータの取得時間も長くなり、例えば、受信レベルが−139dBm以下であれば、いずれのモード時においても40〜70秒もの時間がかかり、S23でタイムアウトと判定されることになる。
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1)GPS付き腕時計1は、最初に一衛星モードで衛星サーチ処理を行い、受信レベル(信号強度)が所定値以上と高い場合には、一衛星モードのままNAVデータのデコードを行い、受信レベルが所定値未満と低い場合には、多チャンネルモードに移行してNAVデータのデコードを行うため、受信環境の影響を軽減できて、時刻/週情報を取得できる確率を向上でき、消費電力も低減できる。
すなわち、一衛星モードのみで受信処理を行うと、受信環境が良好で受信レベルが高い場合には、短時間で時刻/週情報を取得でき、消費電力も低減できる。しかし、受信環境が悪化して受信レベルが低くなると、時刻/週情報の取得確率も低下し、衛星サーチ処理やNAVデータのデコード処理を繰り返すことになるため、受信時間も長くなって消費電力も増大する。
一方、多チャンネルモードのみで受信処理を行うと、受信環境が悪化して受信レベルが低い場合でも、時刻/週情報の取得確率を高くでき、一衛星モードに比べて受信時間も短くできて消費電力を抑えることができる。しかし、受信環境が良好な場合には、一衛星モードに比べて消費電力が増加してしまう。
これに対し、本実施形態では、受信チャンネル設定部54を設け、受信レベルの値で一衛星モードおよび多チャンネルモードを選択しているので、平均的な受信時間を短くでき、消費電力も低減できるとともに、受信環境が悪化している場合でも時刻/週情報の取得できる確率を高くでき、受信場所の制約が小さく、利便性を向上できる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態において、前述した他の実施形態と同一または同様の構成については、同一符号を付し、説明を省略または簡略する。
第2実施形態は、図8のフローチャートに示すように、受信レベルの値に応じてデコード時間のタイムアウト判定時間を設定している点と、一衛星モード時に前記デコード時間がタイムアウトになった場合にGPS受信を停止するのではなく、受信チャンネル設定部54によって多チャンネルモードに移行する点が前記第1実施形態と相違し、他の処理や回路構成は第1実施形態と同じである。
以下に、第2実施形態の処理フローを、図8を参照して第1実施形態と相違する部分を中心に説明する。
一方、第1実施形態では、S16で受信レベルが所定値以上である場合は、衛星サーチ終了およびNAVデータのデコード処理の継続(S17)を行っていたが、第2実施形態では、デコード処理のタイムアウトを判定する時間(デコードタイムアウト判定時間)を設定する処理(S31)を行ってから、S17の処理を行っている。
この場合、S31では、Zカウントデータのみを取得する場合のデコードタイムアウト判定時間としては、受信レベルが−137dBm以上、−133dBm以下の場合は24秒とし、受信レベルが−133dBmよりも大きい場合は12秒としている。
また、週情報まで取得する場合のデコードタイムアウト判定時間としては、受信レベルが−137dBm以上、−133dBm以下の場合は120秒とし、受信レベルが−133dBmよりも大きい場合は60秒としている。
また、S24では、捕捉した複数のGPS衛星5の中で、少なくとも1つのGPS衛星5から時刻/週情報が取得できれば、「Yes」と判定すればよい。1つの時刻/週情報が取得できれば、GPS付き腕時計1の時刻を修正できるためである。
第2実施形態によれば、前記第1実施形態の(1)〜(3)と同じ作用効果を奏することができる。
(4)さらに、S31で受信レベルに応じたデコード時間のタイムアウト判定時間を設定しているため、時刻/週情報を受信できるのかを、より正確にかつ迅速に判定することができる。すなわち、受信レベルが高い場合には、図7に示すように短時間で時刻/週情報を受信できるはずであるため、デコードタイムアウト判定時間も短く設定できる。そして、この場合に、デコード時間がタイムアウトになった場合には、捕捉したGPS衛星5からは時刻/週情報を受信できないことを迅速に判断できる。このため、無駄な受信処理を行う時間を短くでき、消費電力をより一層低減できる。
すなわち、GPS付き腕時計1を装着して利用者が屋外を歩いている場合等、S16の受信レベルの判定時は受信レベルの高い信号を受信できていたが、利用者の移動に伴い、そのGPS衛星5からの信号が建物などに遮られ、NAVデータのデコード処理時には信号強度が低下して時刻/週情報を取得できない場合がある。このような場合でも、第2実施形態では、多チャンネルモードに移行して、複数のGPS衛星5をサーチし、NAVデータのデコード処理を行うため、時刻/週情報を取得できる可能性が高まり、内部時計を正確な時刻に修正できる確率も向上するため、利便性も向上できる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
第3実施形態は、図9のフローチャートに示すように、単位時間当たりの受信レベルの変動幅が予め設定された所定幅以内であるか否かを判定し(S41)、所定幅を超えている場合に多チャンネルモードに移行する点が前記第1実施形態と相違し、他の処理や回路構成は第1実施形態と同じである。
以下に、第3実施形態の処理フローを、図9を参照して第1実施形態と相違する部分を中心に説明する。
そして、第3実施形態では、S17とS24との間に、信号状態検出部52は、単位時間当たりの受信レベルの変動幅が予め設定された所定幅以内であるか否かを判定している(S41)。S41では、例えば、1秒あたりの受信レベルの変動が±3dBmであるか否かを判定している。
S41において、変動幅が所定幅以上であれば、GPS衛星5が建物の影に隠れた場合などが想定できるため、受信チャンネル設定部54は、多チャンネルモードに移行して処理を続行する(S18)。
第3実施形態によれば、前記第1実施形態の(1)〜(3)と同じ作用効果を奏することができる。
(6)さらに、S41で単位時間当たりの受信レベル変動幅を判定しているので、捕捉していたGPS衛星5がビルの影に隠れて受信信号の強度が低下した場合に、デコード時間がタイムアウトとなるまで待たずに、時刻/週情報の取得が難しいことを判定できる。そして、S41で「No」と判定すれば、S18の多チャンネルモードに移行して処理を継続しているので、時刻/週情報を受信できる確率を向上でき、時計1の利便性も向上できる。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
第4実施形態は、図10のフローチャートに示すように、受信レベルが所定値未満の場合に、その受信レベルの値によって多チャンネルモードでの衛星の捕捉数を設定している点(S51)が前記第1実施形態と相違し、他の処理や回路構成は第1実施形態と同じである。
以下に、第4実施形態の処理フローを、図10を参照して第1実施形態と相違する部分を中心に説明する。
そして、第4実施形態では、S16で受信レベルが所定値未満(例えば−133dBm未満)と判定された場合、受信チャンネル設定部54は、捕捉チャンネル数を設定する(S51)。
一方、受信レベルが−137dBm未満の場合には、より多くのGPS衛星5を捕捉したほうがよいため、受信チャンネル設定部54は、捕捉チャンネル数を捕捉可能な最大数に設定する。例えば、受信回路が8チャンネルの場合には、捕捉可能な最大数は「8」となるため、捕捉チャンネル数も「8」に設定する。
そして、S19では、衛星捕捉制御部51は、S51で設定した数だけGPS衛星5を捕捉できたかを判定する。
第4実施形態によれば、前記第1実施形態の(1)〜(3)と同じ作用効果を奏することができる。
(7)さらに、S51で捕捉チャンネル数を設定しているので、設定数のGPS衛星5を捕捉するまでの平均的な時間を短くできて消費電力を低減できるとともに、時刻/週情報を取得できる確率を向上できる。
すなわち、一衛星モードで捕捉したGPS衛星5の受信レベルがS16においては所定値未満であっても、ある程度、高い場合には、多チャンネルモードにおける捕捉衛星数が少なくても時刻/週情報を取得できる確率が高い。そして、捕捉衛星数が少ないことで、捕捉可能な最大数の衛星を捕捉する場合に比べて、受信処理を短くできて消費電力を低減できる。
また、一衛星モードで捕捉したGPS衛星5の受信レベルが低い場合には、多チャンネルモードにおける捕捉衛星数を多くしているので、時刻/週情報を取得できる確率も向上できる。
従って、受信レベルの値で多チャンネルモード時の捕捉衛星数を設定すれば、時刻/週情報を取得できる確率を向上しつつ、消費電力も低減できる。
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
第5実施形態は、図11のフローチャートに示すように、受信レベルが所定値未満の場合に、サーチ周波数を設定し、その設定した周波数でGPS衛星5をサーチする点が前記第1実施形態と相違し、他の処理や回路構成は第1実施形態と同じである。
以下に、第5実施形態の処理フローを、図11を参照して第1実施形態と相違する部分を中心に説明する。
そして、第5実施形態では、S16で受信レベルが所定値未満(例えば−133dBm未満)と判定された場合、衛星捕捉制御部51はサーチ周波数を設定している(S61)。
すなわち、GPS衛星5から送信される衛星信号の周波数(送信周波数)は、すべての衛星で同じ周波数f0である。但し、受信機における受信周波数は、受信機に対するGPS衛星5の仰角によって変動する。これは、受信周波数には、ドップラー効果などが影響するためである。
具体的には、受信機に対して天頂に位置するGPS衛星5から信号を受信する場合、ドープラーシフトは0となり、送信周波数に対する受信周波数の誤差も0となる。
一方、上記ドップラーシフト(周波数誤差)は、仰角が低いほど大きくなり、送信周波数からの誤差が大きくなる。また、前記ドップラーシフトは、GPS衛星5が受信機に近づく方向に移動して向かって来る場合にプラス方向つまり周波数が高くなる方向に変化し、GPS衛星5が受信機から離れて地平線に向かって沈んでいく場合にマイナス方向つまり周波数が低くなる方向に変化する。
従って、複数の周波数範囲でGPS衛星5をサーチすれば、仰角の異なるGPS衛星5をそれぞれ捕捉することができる。
このため、第1周波数範囲でのサーチ処理を行うように設定されたチャンネルでは、高仰角のGPS衛星5がサーチ、捕捉される。
また、第2周波数範囲でのサーチ処理を行うように設定されたチャンネルでは、中仰角のGPS衛星5がサーチ、捕捉される。
さらに、第2周波数範囲でのサーチ処理を行うように設定されたチャンネルでは、低仰角のGPS衛星5がサーチ、捕捉される。
上記の点を除いて、他の処理は前記第1実施形態と同じである。
第5実施形態によれば、前記第1実施形態の(1)〜(3)と同じ作用効果を奏することができる。
(8)さらに、S61でサーチ周波数を3種類の範囲で設定しているため、高仰角、中仰角、低仰角の各GPS衛星5をサーチすることができる。このため、例えば、天頂側が屋根で覆われている場合でも、斜め方向に位置するGPS衛星5を捕捉して時刻情報を取得することもできる。従って、受信環境の影響を軽減でき、受信可能な場所の制限も小さくでき、受信できる確率を向上でき、消費電力も低減できる。
なお、本発明は、前記各実施形態に限らない。
例えば、前記各実施形態におけるタイムアウト判定時間(サーチタイムアウト判定時間、複数サーチタイムアウト判定時間、デコードタイムアウト判定時間)の具体的な時間は、前記実施形態に限らず、実施にあたって適宜設定すればよい。
同様に、S16における受信レベルの判定閾値の具体的な値も、実施にあたって適宜設定すればよい。
また、上述の各実施形態は、GPS衛星について説明したが、本発明は、GPS衛星だけではなく、ガリレオ、GLONASSなどの他の全地球的航法衛星システム(GNSS)やSBASなどの静止衛星や準天頂衛星などの時刻情報を含む衛星信号を発信する位置情報衛星でも良い。
Claims (11)
- 位置情報衛星を捕捉し、この捕捉した前記位置情報衛星から送信される衛星信号を受信する受信部と、
前記受信部が受信した衛星信号に基づいて時刻情報を生成する時刻情報生成部と、
時刻情報を表示する時刻表示部と、
前記受信部を制御する受信制御部と、を備える計時装置であって、
前記受信制御部は、
前記受信部を制御して位置情報衛星の捕捉処理を実行させる衛星捕捉制御部と、
捕捉した位置情報衛星の信号状態を検出する信号状態検出部と、
前記受信部を制御して捕捉した位置情報衛星から送信される衛星信号のデコード処理を実行させるデコード制御部と、
前記信号状態検出部で検出された信号状態に基づいて、前記受信部を一衛星モードまたは多チャンネルモードに設定する受信チャンネル設定部とを備え、
前記受信部は、一衛星モードに設定された場合には、同時に捕捉およびデコード可能な位置情報衛星の数は1つに設定され、多チャンネルモードに設定された場合には、同時に捕捉およびデコード可能な位置情報衛星の数は複数に設定され、
前記受信チャンネル設定部は、受信開始時は、前記受信部を一衛星モードにして1つの位置情報衛星を捕捉し、一衛星モードで捕捉した位置情報衛星の信号状態を前記信号状態検出部で検出し、検出した前記信号状態に基づいて前記一衛星モードのままで処理を継続する場合と、一衛星モードから多チャンネルモードに移行する場合とを選択することを特徴とする計時装置。 - 請求項1に記載の計時装置において、
前記受信チャンネル設定部は、前記受信部が一衛星モードに設定されている際に、捕捉した位置情報衛星の信号強度が設定値未満であれば、多チャンネルモードに移行することを特徴とする計時装置。 - 請求項2に記載の計時装置において、
前記受信チャンネル設定部は、捕捉した位置情報衛星の信号強度に基づいて、前記多チャンネルモードでの受信チャンネル数を設定することを特徴とする計時装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の計時装置において、
前記受信チャンネル設定部は、前記受信部が一衛星モードに設定されている際に、捕捉した位置情報衛星の信号強度が設定値以上であっても、予め設定されたデコードタイムアウト判定時間内に、衛星信号から時刻情報をデコードできなかった場合には、多チャンネルモードに移行することを特徴とする計時装置。 - 請求項4に記載の計時装置において、
前記受信チャンネル設定部は、前記捕捉した位置情報衛星の信号強度に応じて、前記デコードタイムアウト判定時間を設定することを特徴とする計時装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の計時装置において、
前記受信チャンネル設定部は、前記受信部が一衛星モードに設定されている際に、捕捉した位置情報衛星の信号強度が設定値以上であっても、前記衛星信号をデコードしている際の信号強度の変動幅が設定幅を超えた場合には、多チャンネルモードに移行することを特徴とする計時装置。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載の計時装置において、
前記受信部が多チャンネルモードに設定されている場合、
前記衛星捕捉制御部は、位置情報衛星の捕捉周波数を複数の範囲に設定し、各周波数範囲で位置情報衛星の捕捉を行うことを特徴とする計時装置。 - 請求項1から請求項7のいずれかに記載の計時装置において、
前記受信部が多チャンネルモードに設定されている場合、
前記衛星捕捉制御部は、設定数の位置情報衛星を捕捉できた場合、または、捕捉した位置情報衛星の信号強度が設定値以上の場合に衛星捕捉処理を終了し、
前記デコード制御部は、衛星捕捉処理の終了後、捕捉した位置情報衛星の衛星信号をデコードさせることを特徴とする計時装置。 - 請求項1から請求項8のいずれかの記載の計時装置において、
前記受信部が多チャンネルモードに設定されている場合、
前記衛星捕捉制御部は、受信チャンネル毎に位置情報衛星の捕捉処理を実行させ、
前記デコード制御部は、捕捉できた位置情報衛星から衛星信号のデコード処理を実行させ、かつ、時刻情報をデコードして取得できたか否かを判定し、
前記衛星捕捉制御部は、いずれかの受信チャンネルにおいて時刻情報をデコードして取得できた場合は、衛星捕捉処理を終了することを特徴とする計時装置。 - 請求項1から請求項9のいずれかに記載の計時装置において、
内部時刻情報を生成する内部時刻情報生成部と、
前記内部時刻情報を修正する時刻情報修正部とを備え、
前記時刻情報修正部は、前記受信部で受信した衛星信号に基づいて前記時刻情報生成部で生成された時刻情報により、前記内部時刻情報を修正し、
前記時刻表示部は、前記内部時刻情報を表示することを特徴とする計時装置。 - 位置情報衛星を捕捉し、この捕捉した前記位置情報衛星から送信される衛星信号を受信する受信部と、
前記受信部が受信した衛星信号に基づいて時刻情報を生成する時刻情報生成部と、
時刻情報を表示する時刻表示部と、
前記受信部を制御する受信制御部と、を備える計時装置の衛星信号受信方法であって、
前記位置情報衛星を捕捉する衛星捕捉工程と、
前記衛星捕捉工程で捕捉した位置情報衛星の信号状態を検出する信号状態検出工程と、
前記衛星捕捉工程で捕捉した位置情報衛星から送信される衛星信号をデコードするデコード工程と、
前記信号状態検出工程で検出された信号状態に基づいて、同時に捕捉およびデコード可能な位置情報衛星の数を、1つにする一衛星モード、または、複数にする多チャンネルモードのいずれかに、前記受信部を設定する受信チャンネル設定工程と、を備え、
前記受信チャンネル設定工程は、受信開始時は、前記受信部を一衛星モードにして1つの位置情報衛星を捕捉し、一衛星モードで捕捉した位置情報衛星の信号状態を前記信号状態検出工程で検出し、検出した前記信号状態に基づいて前記一衛星モードのままで処理を継続する場合と、一衛星モードから多チャンネルモードに移行する場合とを選択する
ことを特徴とする計時装置の衛星信号受信方法。
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