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JP5077487B2 - 車両ボディ構造体 - Google Patents
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Description

本発明は、車両のボディ構造に関し、特に、車両の床部分を構成するフロアパネル周辺の車両ボディ構造体に関する。
自動車の車体において、その剛性を高めるために、車室の床面を構成するフロアパネルに、車両の前後方向へ沿って延在するフロアメンバを設置し、このフロアパネルとフロアメンバとで閉断面を形成した車体構造が知られている。特許文献1記載の技術は、フロアパネルに前後方向に沿って延びる凹部(溝)を形成し、その溝内にフロアメンバを収容することで、車室の床面に段差が生じるのを抑制する一方、フロアメンバの後端を車両の左右方向に延在するクロスメンバで固定することでその補強を行っている。
特開2007−83868号公報
このようにして車両の剛性を高めることで、オフセット衝突時の車室の変形を抑制して乗員を保護する機能を有する。一方で、フルラップ衝突時においては、オフセット衝突時に比較して車体同士の衝突範囲が広くなるため、荷重に対する変形量が同じであれば、車両減速加速度が大きくなる。そのため、フルラップ衝突時には変形部分を増やす必要があり、従来は、車両パッケージの変更により対処していた。
そこで本発明は、オフセット衝突時には少ない変形量を、フルラップ衝突時には大きな変形量を達成することを可能とした車両ボディ構造体を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る車両ボディ構造体は、車室の床面を構成するフロアパネルと、車両の前後方向に沿って延在するフロアメンバにより、その延在方向と垂直な断面中において閉断面を形成する車両ボディ構造体であって、フロアメンバとフロアパネルとは、閉断面の接触部分で接合されておらず、両者を前記フロアパネルの平坦部付近の前記閉断面の外側で接続するブラケットを備えている。
車幅方向に延在してフロアメンバをまたいでフロアパネルに固定されるフロアクロスメンバをさらに備えていてもよい。フロアパネルを挟んで、フロアメンバと反対側に、車両の前後方向に沿って延在し、フロアパネルとフロアメンバの閉断面とその一部を共有する閉断面を形成する第2のフロアメンバを備えていてもよい。フロアパネルは、車両の前後方向に沿って延在する凹部を備えており、フロアメンバはこの凹部内に収容されているとよい。ブラケットは、オフセット衝突時に見込まれる荷重より大きく、フルラップ衝突時に見込まれる荷重より小さい前後方向への荷重が付与されるとフロアメンバとフロアパネルの接続を分離するとよい。
フロアメンバとフロアパネルとは閉断面を形成し、これが前後方向に沿って延びることで、車室床面の剛性を高めるので、オフセット衝突時の車室の変形を効果的に抑制することができる。フルラップ衝突時には、両者を接続するブラケットが外れることで、床面全体の剛性は低下し、フロアパネルの変形を許容する。このため、車両減速加速度を小さくすることができ、乗員への衝撃を緩和できる。
本発明に係る車両ボディ構造体の構造を示す斜視図である。 図1のII−II線断面図である。 フルラップ衝突時の図1の構造体の変形状態を示す斜視図である。 図3のIV−IV線断面図である。 従来の車両ボディ構造体の構造を示す斜視図である。 図5のVI−VI線断面図である。 フルラップ衝突時の図5の構造体の変形状態を示す斜視図である。 図7のVIII−VIII線断面図である。 衝突時の荷重−変形特性例を示すグラフである。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明に係る車両ボディ構造体の構造を示す斜視図であり、図2は、そのII−II線断面図である。本発明に係る車両ボディ構造体1は、車質床面を形成するフロアパネル10を備える。フロアパネル10は、例えば金属板により形成される板状の部材であり、床部分を構成する左右の平坦部11(図は右側部分のみを示し、左側部分の記載は省略している)と、前方部分で上方に持ち上がるダッシュロアパネル部12と、車両前後方向に沿って車室側へと突出する断面が略コの字状のフロアトンネル部13を有している。各平坦部11からダッシュロアパネル部12の車幅方向の中心付近には、車両の前後方向に沿って溝(凹部)14が形成されている。
この溝14内には、この溝14の延在方向に沿って延びるフロアアッパメンバ20が収容されている。フロアアッパメンバ20は、略コの字状の断面部分を有し、その開放端面を溝14の底面に向けて収容されることにより、溝14の底面とフロアアッパメンバ20のコの字状の部分とが閉断面を形成している。フロアアッパメンバ20の上面とフロアパネル10の平坦部11とは、それぞれ板状のブラケット41、42に溶接されて接続されている(図2に溶接箇所を×印で示す)。
フロアパネル10のこの溝14の下部のフロアアッパメンバ20と反対側の対称位置には、溝14の延在方向に沿って延びる略コの字状断面のフロアアンダメンバ21が配置されている。この結果、溝14の底面とフロアアンダメンバ21のコの字状の部分とが閉断面を形成している。
ブラケット41、42より車両後方側のフロアパネル10の平坦部11上には、車幅方向に沿って延在するフロアクロスメンバ30が配置されている。このフロアクロスメンバ30も略コの字状の断面を有しており、その開放端面が平坦部11側を向くよう配置され、固定されている。この結果、フロアクロスメンバ30は、溝14及び、その中に収容されているフロアアッパメンバ20をまたぐ形で配置される。そして、フロアクロスメンバ30とフロアアッパメンバ20との間には隙間が設けられ、両者は接続されていない。
本実施形態の車両ボディ構造体1においては、オフセット衝突時は、フロアアッパメンバ20、フロアアンダメンバ21それぞれとフロアパネル10とが形成する閉断面によって剛性が高められているので、車室の変形を効果的に抑制することができる。
一方、フルラップ衝突時は、フロアパネル10を積極的に変形させることで衝突エネルギーを吸収する。フルラップ衝突時の変形状態を図3、図4に示す。本実施形態においては、ブラケット41、42のフロアアッパメンバ20、または、平坦部11との溶接箇所の車両前後方向の荷重に対する強度を、オフセット衝突時に見込まれる荷重より大きく、フルラップ衝突時に見込まれる荷重より小さく設定しておく。
この結果、フルラップ衝突時には、ブラケット41、42とフロアアッパメンバ20または平坦部11との溶接部が破断等して剥がれることにより、フロアアップメンバ20と平坦部11との接続が解除されることにより、フロアアップメンバ20は、溝14内を後方に移動する。このとき、フロアクロスメンバ30と、フロアアップメンバ20とは接続されていないので、このフロアアップメンバ20の後方への移動をフロアクロスメンバ30が邪魔することがない。これにより、フロアパネル10の剛性が下がり、フロアクロスメンバ30を含めた車両ボディ構造体1の変形により、衝突エネルギーを吸収することができる。
図5〜図8に比較のため、従来の構造とそのフルラップ衝突時の変形例を示す。図5、図7はそれぞれ変形前、変形後の斜視図であり、図6、図8はそれぞれそのVI−VI線、VIII−VIII線断面図であって、本実施形態についての図1〜図4に対応している。
この従来構造のフロアパネル10aの基本構成は、図1に示されるフロアパネル10とほぼ同様であるが、溝14aを有しておらず、フロアアッパメンバ20aは、ダッシュロアパネル部12から平坦部11のフロアクロスメンバ30に至る箇所のフロアパネル10上に取り付けられており、その後端は、フロアクロスメンバ30によって固定されている。
この構造によっても車両ボディ構造体1aの剛性を高めることができるため、オフセット衝突時の車室の変形を抑制することができる。しかしながら、フルラップ衝突時においても、フロアアッパメンバ20aの後方への移動は、フロアクロスメンバ30によって抑制されるため、フロアパネル10全体としての剛性は高められていることになり、その変形が抑制されることになる。その結果、車両減速加速度が大きくなり、本実施形態に比較して乗員への衝撃が伝わりやすくなる。
図9は、本実施形態と従来例とでオフセット衝突時とフルラップ衝突時の荷重変形特性を比較したグラフである。オフセット衝突時の荷重変形特性はほぼ同様のため、本実施形態の荷重変形特性のみを示す(図中の線C)。フルラップ衝突時の荷重変形特性については従来例を線Aで、本実施形態の場合をBで示す。
フルラップ衝突時の初期は、本実施形態においてもブラケット41、42の溶接点が破断するまでは、従来例と同様の反力−変形量対応を示す。本実施形態では、反力が増大してブラケット41、42の溶接点が破断すると、そこからは、衝突エネルギーが変形に用いられるため、衝突反力は増大することなくフロアパネル10等を変形させる。このため、最大衝突反力は、従来例より低く保たれる。一方、オフセット衝突時は、衝突反力により溶接点が破断するには至らない。
以上説明した実施形態では、ブラケット41、42とフロアパネル10、フロアアッパメンバ20とは溶接により接続したが、ボルトやネジ等を利用して締結してもよい。この場合も、オフセット衝突時の荷重より大きく、フルラップ衝突時の荷重より小さい荷重で接続が解除されるように構成する。
ここでは、フロアアッパメンバ20とフロアアンダメンバ21とを有し、フロアアッパメンバ20を溝14内に収容する例を説明したが、フロアアンダメンバ21側に溝を形成して、これを収容する形式としてもよい。溝に収容されているメンバ側をブラケットで接続しておくと、ブラケットが破断した際に、当該メンバが溝の長手方向に沿って移動しやすくなり、好ましい。また、いずれか一方のメンバのみを設ける形態でもよい。この場合には、そのメンバをフロアパネルとブラケットで接続するとよい。以上の説明では、クロスメンバを有する形態を説明してきたが、クロスメンバを設けない構成であってもよい。
本発明は、自動車以外の各種車両のフロア構造にも適用が可能である。
1、1a…車両ボディ構造体、10、10a…フロアパネル、11…平坦部、12…ダッシュロアパネル部、13…フロアトンネル部、14、14a…溝、20、20a…フロアアッパメンバ、21…フロアアンダメンバ、30…フロアクロスメンバ、41、42…ブラケット。

Claims (5)

  1. 車室の床面を構成するフロアパネルと、車両の前後方向に沿って延在するフロアメンバにより、その延在方向と垂直な断面中において閉断面を形成する車両ボディ構造体であって、
    前記フロアメンバと前記フロアパネルとは、閉断面の接触部分で接合されておらず、両者を前記フロアパネルの平坦部付近の前記閉断面の外側で接続するブラケットを備えている車両ボディ構造体。
  2. 車幅方向に延在して前記フロアメンバをまたいで前記フロアパネルに固定されるフロアクロスメンバをさらに備えている請求項1記載の車両ボディ構造体。
  3. 前記フロアパネルを挟んで、前記フロアメンバと反対側に、車両の前後方向に沿って延在し、前記フロアパネルと前記フロアメンバの閉断面とその一部を共有する閉断面を形成する第2のフロアメンバを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両ボディ構造体。
  4. 前記フロアパネルは、車両の前後方向に沿って延在する凹部を備えており、前記フロアメンバは該凹部内に収容されている請求項1〜3のいずれかに記載の車両ボディ構造体。
  5. 前記ブラケットは、オフセット衝突時に見込まれる荷重より大きく、フルラップ衝突時に見込まれる荷重より小さい前後方向への荷重が付与されると前記フロアメンバとフロアパネルの接続を分離する請求項4記載の車両ボディ構造体。
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