以下、本発明の実施形態について、以下の順に図面を参照しながら説明する。
1.プリンタの全体構成
2.ポジション切換手段の構成
3.トレイの構成
4.付勢装置及びローラ位置切換手段の構成
5.排出駆動ローラ、押圧ローラ、トレイ、の位置関係
<<1.プリンタの全体構成>>
以下では、図1及び図2を参照しながら、本発明に係る記録装置或いは液体噴射装置の一例としてのインクジェットプリンタ(以下「プリンタ」と言う)1の全体構成について概説する。ここで、図1はプリンタ1の外観斜視図、図2は同側断面図である。尚、以下では、図2の右方向(装置前方側)を用紙搬送経路の「下流側」と言い、左方向(装置後方側)を「上流側」と言うこととする。
図1に示すようにプリンタ1は、プリンタ機能に加えてスキャナ機能を備える複合機であり、プリンタ部10と、プリンタ部10の上部に位置するスキャナユニット9とを備えて成る。
プリンタ部10は、主として「被記録媒体」、「被噴射媒体」の一例としての記録用紙(主として単票紙:以下「用紙P」と言う)へインクジェット記録を行うインクジェット式プリンタの機能を備えている。図1中、符号11で示す部材は、記録が行われた用紙Pを排出する排出口を塞ぐカバー体を示し、このカバー体11は、プリンタ機能の使用時に手前側にほぼ90°回動した状態で前記排出口を開放する。プリンタ部10の上部手前側には、操作パネル6が設けられており、スキャナユニット9を使用したスキャニング機能、プリンタ部10での記録機能及びスキャニングした画像を記録する機能などがこの操作パネル6で操作可能となっている。
スキャナユニット9は、図示しない回動軸(後部側に設けられている)を中心に上方へ回動することにより開閉可能な蓋体8を備え、蓋体8の下側にはスキャニングを行う際に対象となる印刷物等を載置するガラス載置面(図示せず)が設けられている。更にガラス載置面の下側にはスキャニング装置(図示せず)が設けられている。スキャナユニット9は、それ自体が全体として図示しない回動軸(後部側に設けられている)を中心に上方へ回動することで、プリンタ部10の上部が開放し、キャリッジ等の記録部における部材(例えばインクカートリッジ)の交換やメンテナンス等ができるようになっている。
以下、プリンタ部10の構成について図2を参照しながら説明する。プリンタ部10は、大略的には用紙Pを装置後部に設けられた給送装置2から被記録媒体搬送手段としての搬送ローラ29へ給送し、搬送ローラ29によって記録手段32へと搬送し、記録の行われた用紙Pを被記録媒体排出装置3によって装置外部へ排出する構成を有している。また、プリンタ10は、被記録媒体としての光ディスクがセットされた、プレート形状を成すトレイ90(図14)や、厚手のボード紙等の剛性の高い被搬送媒体を、搬送ローラ29によって搬送可能な直線的な搬送経路を有しており、即ち光ディスクのラベル面やボード紙等へ直接インクジェット記録を実行可能に構成されている。
以下、給送装置2から順に詳説する。給送装置2は、ホッパ19と、給送ローラ20と、リタードローラ21と、戻しレバー22とを備えて構成されている。
ホッパ19は板状体から成り、上部の揺動支点(図示せず)を中心に揺動可能に構成され、揺動することにより、ホッパ19上に傾斜姿勢に支持された用紙Pを給送ローラ20に圧接させ、または、給送ローラ20から離間させる。給送ローラ20は側面視略D形の形状を成し、その円弧部分によって圧接した最上位の用紙Pを下流側へ給送する一方で、用紙Pが給送された後の、搬送ローラ29による用紙Pの搬送中においては、搬送負荷を生じさせない様に図示する様にその平坦部が用紙Pと対向する様に制御される。
リタードローラ21は、給送ローラ20の円弧部分と圧接可能に設けられている。リタードローラ21は用紙Pの重送が発生せずに、1枚だけ用紙Pが給送されている場合にはこの用紙Pに接して従動回転(図2の時計回り)し、用紙Pが給送ローラ20とリタードローラ21との間に複数枚存在する場合には、用紙間の摩擦係数が用紙Pとリタードローラ21との間の摩擦係数よりも低いため、回転せずに停止した状態となる。従ってこれにより、給送されるべき最上位の用紙Pにつられて重送されようとする次位以降の用紙Pが、リタードローラ21から下流側へ進まずに、重送が防止される。戻しレバー22は回動可能に設けられていて、重送されようとした次位以降の用紙Pをホッパ19上に戻す作用を奏する。
給送装置2と搬送ローラ29との間には、用紙Pの通過を検出する検出手段(図示せず)と、用紙Pの給送姿勢を形成するとともに用紙Pの給送ローラ20への接触を防止して搬送負荷を軽減するガイドローラ26が設けられている。
給送装置2の下流側に設けられた搬送ローラ29は、モータによって回転駆動される搬送駆動ローラ30と、該搬送駆動ローラ30に圧接して従動回転する搬送従動ローラ31とを備えて構成されている。搬送駆動ローラ30は用紙幅方向に延びる金属軸の外周面に耐摩耗性粒子がほぼ均一に分散されて成る付着層を備えて成され、搬送従動ローラ31は外周面がエラストマ等の低摩擦材料によって成され、図3に示すように搬送駆動ローラ30の軸線方向に複数配設されている。
また、搬送従動ローラ31は本実施形態では1つの紙案内上24の下流側端部に2つ自由回転可能に軸支され、その紙案内上24は、用紙幅方向に3つ、図3に示すように設けられている。また、紙案内上24は軸24aがメインフレーム23に軸支されることで、用紙搬送経路を側視して軸24a中心に揺動可能に設けられるとともに、コイルばね25によって、搬送従動ローラ31が搬送駆動ローラ30に圧接する方向に付勢されている。
給送装置2によって搬送ローラ29へ給送された用紙P、或いは、装置前方側から挿入されたトレイ90(図14)或いはボード紙等は、搬送駆動ローラ30と搬送従動ローラ31とによってニップされた状態で搬送駆動ローラ30が回転することにより、下流側の記録手段32へと搬送される。
記録手段32は、インクジェット記録ヘッド(以下「記録ヘッド」と言う)36と、当該記録ヘッド36と対向するように設けられる紙案内下37とを備えて構成される。記録ヘッド36はキャリッジ33の底部に設けられ、当該キャリッジ33は主走査方向に延びるキャリッジガイド軸34にガイドされながら、図示しない駆動モータによって主走査方向に往復動する様に駆動される。また、キャリッジ33は、複数の色毎に独立したインクカートリッジ(図示せず)をカバー35の内部に有し、前記インクカートリッジから記録ヘッド36へとインクを供給する。
用紙Pと記録ヘッド36との距離を規定する紙案内下37には、記録ヘッド36と対向する面にリブが形成されているとともに(図示せず)、インクを打ち捨てる凹部(図示せず)が形成されていて、用紙Pの端部から外れた領域に吐出するインクを前記凹部に打ち捨てることにより、用紙Pの端部に余白無く印刷を行う所謂フチ無し印刷が実行される。
続いて、記録ヘッド36の下流側には、被記録媒体排出装置3が設けられている。被記録媒体排出装置3は、ガイドローラ43と、排出ローラ40と、排紙フレームAssy45と、スタッカ13と、フレーム48と、ローラ位置切換手段5と、更に図2では図示されないその他の構成要素を備えている。
ガイドローラ43は用紙Pの紙案内下37からの浮き上がりを防止して用紙Pと記録ヘッド36との距離を一定に保つ機能を果たす。排出ローラ40は図示しないモータによって回転駆動される排出駆動ローラ41と、当該排出駆動ローラ41に接して従動回転する排出従動ローラ42とを備えて構成されている。本実施形態において排出駆動ローラ41はゴムローラによって成されるとともに回転駆動される軸体の軸方向に複数設けられる。
排出従動ローラ42は外周に複数の歯を有する歯付きローラによって成されるとともに、「従動ローラ支持手段」としての排紙フレームAssy45に、複数の排出駆動ローラ41と対になるよう複数設けられる。記録手段32によって記録の行われた用紙Pは、排出駆動ローラ41と排出従動ローラ42とによってニップされた状態で排出駆動ローラ41が回転駆動されることにより、スタッカ13へと排出される。尚、詳細は後述するが、トレイ90(図14)やボード紙等は、排出駆動ローラ41と押圧ローラ78とによってニップされた状態で排出駆動ローラ41が回転駆動されることにより、下流側へ排出される。
排紙フレームAssy45は、排出従動ローラ42が排出駆動ローラ41に接する接触ポジションと、排出駆動ローラ41から離間する離間ポジションと、をとり得るように変位可能に(切り換え可能に)設けられている。また、排紙フレームAssy45を前記接触ポジションから前記離間ポジションへ変位させるローラ位置切換手段5が設けられているが、これらについては後に詳述する。
排紙フレームAssy45の下流側には、排出される用紙Pをスタックするスタッカ13が設けられている。このスタッカ13は、後に詳述するトレイ90(図14)やボード紙等を搬送する為の直線状の搬送経路を形成する第1のポジション(図2、図4(B)参照)と、当該第1のポジションより下方に位置し、排出ローラ40によって排出される用紙Pをスタック可能な第2のポジション(図4(A)参照)と、をポジション切換手段5(後述)によって切り換え可能に設けられている。プレート形状を成す「被搬送媒体」としてのトレイ90やボード紙等は、スタッカ13が第1のポジションにあるときに、スタッカ13に支持されながら、装置前方から後方側(上流側)へ向けて手差しで挿入される(給送される)。即ち、スタッカ13は、トレイ90を支持するガイド手段としても機能する。
以上がプリンタ1の全体構成である。
<<2.ポジション切換手段の構成>>
続いて、図3乃至図13を参照しながらスタッカ13のポジションを切り換えるポジション切換手段4について詳説する。ここで、図3はプリンタ部10の装置本体の外観斜視図、図4はプリンタ1前部の外観斜視図、図5はスタッカ13及びポジション切換手段4の斜視図、図6は同分解斜視図、図7及び図8は同側面図、図9は軸65及びピニオン歯車66の斜視図、図10はスタッカ13、ポジション切換手段4、カバー体11の斜視図、図11乃至図13はポジション切換手段4の要部側面図である。
図3に示すように装置前方に設けられたスタッカ13の内部にはサブスタッカ14が収納されており、サブスタッカ14がスタッカ13から引き出されることで、用紙Pを支持する支持面(スタック面)が拡張されるよう構成されている。尚、図3はスタッカ13が第2のポジションにある状態を示しており、第1のポジションにあるとき、即ちトレイ90(図14)やボード紙等をガイドする姿勢のときは、サブスタッカ14はスタッカ13に収納される。
スタッカ13の支持面13a上には、図3乃至図6に示すようにトレイ90(図14)の両側端をガイドするガイドリブ80A、80Bが形成され、またガイドリブ80A、80Bには、トレイ90の両側端の上部を覆うような形状を成す庇部81A、81Bがそれぞれ形成されている。トレイ90が第1のポジションにあるスタッカ13上からプリンタ1内部に挿入される際、ガイドリブ80A、80Bによってトレイ90の主走査方向位置が規制されるとともに、庇部81A、81Bによって支持面13aから浮き上がらないように規制されるようになっている。尚、支持面13a上には、支持面13aとトレイ90底面との間の接触面積を低減して円滑にトレイ90を案内する為に、トレイ90の挿入方向に延びるリブ82が、トレイ90の幅方向に適宜の間隔を置いて複数形成されている。
スタッカ13の両サイドにはポジション切換手段4が設けられており、左側のポジション切換手段4には、操作レバー69が設けられている。図3及び図4(A)に示すように操作レバー69はスタッカ13が第2のポジションにあるときにやや上方を向いた姿勢にあり、この操作レバー69を下方に押し下げることにより、ポジション切換手段4が動作して図4(B)に示すようにスタッカ13が第1のポジションに切り換わる(変位する)ようになっている。
操作レバー69は、図7及び図8に示すように軸受部69aと、軸受部69aから装置前方側(図の右方向)に延びる操作部69cとを有しており、また軸受部69aから装置奥側(図の左方向)に延びる側の端部には長穴69bが形成されている。軸受部69aは、後述するガイド部材54に形成された軸54aに嵌合し、これによって操作レバー69が軸54aを回動軸として回動可能に設けられている。尚、図5乃至図8において符号70は、操作レバー69を付勢する2安定ばねを示しており、この2安定ばね70によって操作レバー69が図7に示す姿勢或いは図8に示す姿勢のいずれかに安定して保持されるようになっている。
尚、操作レバー69は、図10に示すように操作部69cがスタッカ13の下方に設けられたカバー体11と係合可能となっている。図10(A)は、スタッカ13が第1のポジションにある状態を示しており、この状態からカバー体11を閉方向に回動させると、当該カバー体11が、図10(B)に示すように操作レバー69を、スタッカ13を第1のポジションから第2のポジションに切り換える方向に回動させる(押し上げる)様に、操作部69cの長さ及び位置関係が設定されている。
また、これに加えてスタッカ13は、第1のポジション及び第2のポジションの双方において、カバー体11の閉方向への回動に伴ってその自由端が当該カバー体11と干渉しても、当該カバー体11の回動動作に伴って自由端が上方に持ち上がる様、回動可能(半拘束状態)に設けられている。
従って以上により、スタッカ13が第1のポジションにあるときにカバー体11を閉方向に回動させると、当該カバー体11が操作レバー69を押し上げるので、当該カバー体11を平方向に回動させるという操作のみで、スタッカ13を第2のポジションに切り換えるとともに、当該スタッカ13を回動させることができる(図10(B))。
また、カバー体11の回動に伴って当該カバー体11がスタッカ13と干渉しても、スタッカ13は自由端が上方に持ち上がる方向には回動可能なように半拘束状態となっているので、カバー体11によってスタッカ13を破損させる虞が無い。
次に、ポジション切換手段4は、図5及び図6に示すように「被操作部」としての1本の軸65と、ガイド手段50とを備え、更に図5及び図6においては表れていないが図8及び図9に示されるように軸65に対してスタッカ13の自由端側に位置する第1規制手段51と、軸65に対してスタッカ13の基端側に位置する第2規制手段52とを備えて構成されている。
軸65は、図8及び図9に示すようにスタッカ13を側視してスタッカ13の重心位置よりスタッカ13の基端側(図8及び図9において左側)に配置され、スタッカ13の幅方向に延びるとともにスタッカ13を挿通し、そしてスタッカ13の両側面から外側に突出するように、スタッカ13に回動自在に設けられている。
ガイド手段50は、軸65の軸端に取り付けられるピニオン歯車66と、スタッカ13の変位方向(本実施形態では上下方向)に延びるとともに軸65の端部が遊挿されるガイド穴55及びピニオン歯車66と噛合するラック56を備えて構成されたガイド部材54と、を有している。
ガイド部材54は、プリンタ1の底部を構成するハウジング部材とは別個独立に形成され、スタッカ13の両サイドに配置されている。
軸65は、上記ガイド穴55に遊挿されることによって上下方向にのみ変位するよう規制状態に設けられ、且つ、その一方側の端部が、操作レバー69に形成された長穴69bに遊挿された状態となっている。従って操作レバー69が回動すると、これに伴って軸65(スタッカ13)がガイド穴55内を上下に変位する。
尚、軸65は、スタッカ13の両サイドに配置されたラック&ピニオン機構(ラック56及びピニオン歯車66)によって、左右が同期して上下に変位するよう構成されており、これによって操作レバー69を操作した際に片側のみが上下に変位するといった不具合が防止されている。
尚、軸65の軸端には図9に示すように軸線方向に延びるキー穴65aが形成されており、このキー穴65aに、ピニオン歯車66の内周に形成された突起66aが嵌入することで、ピニオン歯車66が軸65に対して空転しないよう固定状態で設けられる。ここで軸65は、金属板の曲げ加工によって形成された中空軸であり、加工前の金属板材の端部に形成された凸部65bと凹部65cとが嵌合する嵌合構造によって円筒形状が長期に渡って維持されるように形成されている。
即ち、凸部65bは先端に向かうほど幅が広くなるよう形成されており、凹部65cはこの様に形成された凸部65bとちょうど嵌合する形状を成しており、この様な凹部65cと凸部65bとが嵌合することによって楔効果が生じるので、金属板のスプリングバック作用によって接合部が開くことなく、溶接等の接合工程なしに円筒軸の形状を長期に渡って維持することが可能となっている。
また、キー穴65aは、加工前の金属板材に形成された段差部65d、65eが、曲げ加工によって互いに向き合うことによって形成されるものであり、キー穴65aのほぼ中央に円筒軸の継ぎ目が位置するようになっている。従って金属板の曲げ加工後にキー穴65aを形成する為に別途切削加工を行うことなく、容易且つ低コストにキー穴65を形成することが可能となっており、またキー穴65の幅寸法や長さ寸法を容易に調整することができるようになっている。
次に、スタッカ13の側面には図6〜8に示すように正面視において三角形の形状を成すとともにガイド部材54に向かって突出する第1係合部67が形成されており、またスタッカ13の基端側端部には、装置奥側に突出する第2係合部68が形成されている。一方、ガイド部材54の側には、第1係合部67が当接する第1規制部57と、第2係合部68が当接する第2規制部61とが形成されている。尚、第1係合部67と第1規制部57とは第1規制手段51を構成し、第2係合部68と第2規制部61とは第2規制手段52を構成する。
以下、上記のように構成された第1規制手段51及び第2規制手段52について更に詳説する。第1規制部57は、図11(A)に示すようにほぼ水平な面を成す第1規制面58と、下方に向かって第1係合部67から離間する様な傾斜面を成す第2規制面59とを有している。また第2規制部61は、第2規制部61の底面の一部を形成する第3規制面62と、ほぼ垂直な面を成しつつ上方に向かって第2係合部から離間する様な傾斜面を成す第4規制面63とを有している。尚、図11乃至図13では、実際にはガイド部材54に形成される第1規制部57及び第2規制部61を、図面の簡略化の為に独立した部材として実線で描いている。
スタッカ13が第2のポジションにあるとき、図7、或いは図11(A)の実線で示すように、スタッカ13の自重によって軸65がガイド穴55の下縁に圧接するとともに第2係合部68が第2規制部61の下側に潜り込んで第3規制面62に当接した状態となっている。即ち、軸65はスタッカ13の重心位置に対し基端側に位置しているので、スタッカ13は軸65を回動軸として図の時計回り方向に回動する傾向が生じるが、第2係合部68が第3規制面62に当接することでその回動動作が規制され、これによってスタッカ13の第2のポジションが保持される。この第2のポジションにおいて、第1係合部67は、第1規制部67とは係合せずに離間した状態となっている。尚、当該第2のポジションでは、スタッカ13は図示するように自由端側が僅かに上方を向いた傾斜姿勢となる。
次に、スタッカ13が第2のポジションにある状態から、操作レバー69を下方に押し下げる、即ち軸65をガイド穴55において上方向に変位させると、図11(A)の仮想線及び符号13’で示すように第2係合部68が第3規制面62の端部に移動するとともにスタッカ13の自由端が上方に持ち上がる。そして更に操作レバー69を下方に押し下げて軸65を上方に変位させると、図11(B)に示すように第2係合部68が第3規制面62から第4規制面63に移り、以降は第2係合部68が第4規制面63に当接しつつ上方に変位する。この一連の過程において、第1係合部67は、第1規制部57から離間した状態を維持するので、スタッカ13の傾斜姿勢は、第2規制手段52と軸65とによって形成される。
次いで、操作レバー69を更に下方に押し下げて軸65を上方に変位させると、図12(A)の実線から仮想線への変化に示すように第2係合部68が第4規制面63から離れるとともに、第1係合部67が第2規制面59に当接し、以降は第1係合部67が第2規制面59に当接しつつ上方に変位し、これによってスタッカ13の回動動作が規制される。即ち、スタッカ13の姿勢を形成する手段が、第2規制手段52から、第1規制手段51へと移ることになる。
そして操作レバー69を更に下方に押し下げて軸65を更に上方に変位させると、図12(B)の仮想線から実線への変化に示すように第1係合部67は第2規制面59との当接状態から第1規制面58との当接状態に切り換わり、これによってスタッカ13の姿勢が傾斜姿勢からほぼ水平姿勢に変化し、最終的に第1のポジションに切り換わる。この第1のポジションでは、スタッカ13の自重によって第1係合部67が第1規制面58に上から圧接するが、この圧接点はスタッカ13の重心より基端側に位置しているので、スタッカ13には図の時計回り方向に回動する傾向が生じるが、軸65がガイド穴55の上縁に圧接することで、スタッカ13の回動動作が規制され、これによって第1のポジションが保持される。
尚、第1係合部67が第2規制面59に当接しつつ上方に変位する際に(図12(A)の仮想線で示す状態)、スタッカ13の傾斜角度が緩いと、第1係合部67が第2規制面59に強く圧接して上方に変位することができない為、第1係合部67が第2規制面59に当接しつつ上方に変位する際のスタッカ13の傾斜角度は、可能な限り急であることが望ましい。
この様にして第1のポジションに切り換わったスタッカ13を、再び第2のポジションに切り換える場合には、上記とは逆に操作レバー69を上方に押し上げて、軸65を下方に変位させる。これにより、第1係合部67が第1規制面58に上から圧接した状態から、第2規制面59に横から当接した状態に切り換わり、第1係合部67が第2規制面59に当接しつつ下方に変位する。そして、やがて第1係合部67が第2規制面59から離れるとともに第2係合部68が第4規制面63に横から当接する。そして、第2係合部68が第4規制面63に当接しつつ下方に変位し、最後に第2係合部68が第2規制部61の下側にもぐり込み、第2係合部68が第3規制面62と当接した状態となって、これにより第2のポジションに切り換わる。
以上により第1規制手段51は、スタッカ13の第1のポジションを保持し、更に第1のポジションから第2のポジションへの切り換えの際に第1のポジションが解除された後、或いは、第2のポジションから第1のポジションへの切り換えの際に第1のポジションに切り換わる前の、スタッカ13の姿勢を軸65とともに傾斜姿勢(自由端が上方を向くような傾斜姿勢)に規制する。また第2規制手段52は、スタッカ13の第2のポジションを保持し、更に第2のポジションから第1のポジションへの切り換えの際に第2のポジションが解除された後、或いは、第1のポジションから第2のポジションへの切り換えの際に第2のポジションに切り換わる前の、スタッカ13の姿勢を軸65とともに傾斜姿勢(自由端が上方を向くような傾斜姿勢)に規制する。
以上の様に構成されたポジション切換手段4は、第1規制手段51及び第2規制手段52の2つの規制手段、即ちスタッカ13の姿勢を規制する手段を2つ備えており、スタッカ13のポジション切換操作の過程において、スタッカ13を自由端側が上方向を向く傾斜姿勢に維持するとともに、スタッカ13の姿勢を規制する機能を交互に受け渡す。
従ってこれにより、第1規制手段51と第2規制手段52との間に設けられた被操作部としての軸65を、ガイド穴55内で上下させるという単純操作のみで、スタッカ13を第1のポジションから第2のポジションへ、そして第2のポジションから第1のポジションへと、双方向のポジション切換操作を実行することが可能となっているとともに、2つの規制手段を用いることによってそれぞれのポジションを確実に保持することが可能となっている。つまりスタッカ13のポジション切り換え操作を、操作レバー69を上下に操作するのみで行うことが可能となり、スタッカ13のポジション切換操作をより一層判り易く且つ簡単なものとすることが可能となる。
特に、図1を参照しつつ説明した様に本発明に係るプリンタ部10は上部にスキャナユニット9を備えており、当該スキャナユニット9により、スタッカ13それ自体を持って操作することが困難となっているが、上記の様に操作レバー69を操作することでスタッカ13のポジションを双方向に切り換えることができ、スタッカ13それ自体を持って操作する構成に比してポジション切換操作がより一層容易となる。
加えて、スタッカ13を第1のポジションから第2のポジションに切り換える過程において、スタッカ13の姿勢が第1係合部67の第2規制面59への当接によって規制された状態から、第2係合部68の第4規制面63への当接によって規制される状態に切り換わる際のスタッカ13の傾斜角度が、切り換わり直前の傾斜角(図13において仮想線で示すスタッカ13の水平面に対する傾斜角度)をα1、切り換わり直後の傾斜角(図13において実線で示すスタッカ13の水平面に対する傾斜角度)をα2とすると、α1>α2の関係を成し、且つ、切り換わり直前において第2係合部68が第4規制面63に対向しているよう、第2規制面59及び第4規制面63が形成されている。
従って以上により第1係合部67が第2規制面59から離れるとともに第2係合部68が第4規制面63に当接する際、図13に示すように第2係合部68と第4規制面63との間には隙間Cが形成された状態となり、且つ第2係合部68は、既に第4規制面63を形成する垂直面の上端(符号Tで示す)を過ぎて下方に位置している。従ってこれにより、軸65を下方に変位させる過程において、第2係合部68が第4規制面63を形成する垂直面の上端Tに引っ掛かることなく、確実に第2のポジションへの切り換えることが可能となっている。
<<3.トレイの構成>>
続いて、被記録媒体或いは被噴射媒体としての光ディスクをセット可能な「プレート形状を成す被搬送媒体」としてのトレイ90の構成について図14および図15を参照しながら説明する。図14はトレイ90の平面図、図15はトレイ90先端の外観斜視図である。
図15に示すように、トレイ90は平面視において長方形の形状を成し、搬送駆動ローラ30と搬送従動ローラ31とによってニップ可能なプレート形状を成すとともに、搬送駆動ローラ30の回転に伴って副走査送り可能となっている。
トレイ90は、トレイ本体91とセット部92とを備えるように樹脂材料によって一体的に形成されている。セット部92は、図示するように平面視において円形の形状を成す凹部によって構成されている。セット部92の中心には凸部98が形成され、光ディスクがセット部92にセットされた際に、光ディスクの中心穴が凸部98に嵌合し、これによって光ディスクのセット部92における位置が定まるようになっている。
図14の上下方向はトレイ90の搬送方向となっていて、第1のポジションにあるスタッカ13を介してトレイ90を直線状の搬送経路に挿入する(給送する)際には、図14の上方を先端として挿入するようになっている。即ち、符号93は、トレイ90の先端を示している。尚、この先端93は、後に詳述する水平面97及び傾斜面96に対し、トレイ90の挿入方向(図14の上方向)に延設されているが、これについては後に詳述する。
そして、トレイ90の先端93には、舌片部94が、トレイ90の挿入方向に突出するように、トレイ90と一体的に形成されている。この舌片部94は平面視及び側断面視(図示せず)において先端に向かって先細りするとともに、その底面が、トレイ本体91の底面とともに平坦な面を形成するように成されている。尚、トレイ90の先端93も、舌片部94と同様に側断面視(図示せず)において先端に向かって先細りするように形成されている。
これは、以下の理由による。即ち、トレイ90を直線状の搬送経路に挿入する際には、トレイ90の先端93を頭にして、第1のポジションにあるスタッカ13を介して装置奥側へ向けて挿入する。このとき、後述するローラ位置切換手段5によって排出従動ローラ42が排出駆動ローラ41から離間するとともに、押圧ローラ78(図1)が搬送経路に進出し、トレイ90は排出駆動ローラ41と押圧ローラ78とによって(搬送経路を側視して)挟まれた状態となる。そして、この状態で排出駆動ローラ41が回転駆動されることによって、トレイ90が搬送ローラ29へ向けて給送される。
搬送駆動ローラ30と搬送従動ローラ31とによってトレイ90を副走査送りするには、トレイ90の先端93を、搬送駆動ローラ30と搬送従動ローラ31との間に入り込ませる必要があるが、トレイ90の先端93には舌片部94が形成されているので、排出駆動ローラ41の回転に伴ってトレイ90が搬送ローラ29へ向けて搬送されると、舌片部94が搬送駆動ローラ30と搬送従動ローラ31との間に入り込み、これがきっかけとなってその後にトレイ90の先端93が搬送駆動ローラ30と搬送従動ローラ31との間に入り込み、やがてトレイ90は両ローラによってニップされる。
即ち、舌片部94によってトレイ90先端の面積(平面視による)が極めて小さくなるので、小さい力でトレイ90の先端93を搬送駆動ローラ30と搬送従動ローラ31との間に容易に入り込ませることができる。従ってこれにより、搬送従動ローラ31を搬送駆動ローラ31から離間(レリース)させる手段を用いることなく、トレイ90を搬送駆動ローラ30と搬送従動ローラ31との間に入り込ませることが可能となっている。
尚、トレイ90の先端側において両側端近傍には、水平面97と傾斜面96とが形成されているが、この水平面97と傾斜面96の果たす役割については後に詳述する。
<<4.付勢装置及びローラ位置切換手段の構成>>
続いて、図16乃至図25を参照しながら、排紙フレームAssy45を接触ポジションに向けて付勢する付勢装置(捻りばね49)の構成、排紙フレームAssy45を接触ポジションから離間ポジションに変位させるローラ位置切換手段5の構成について詳説する。ここで図16は排紙フレームAssy45の取付状態を示す斜視図、図17は排紙フレームAssy45、スタッカ13、ポジション切換手段4の斜視図、図18は同側面図、図19は排紙フレームAssy45を接触ポジションに向けて付勢する捻りばね(付勢装置)49の斜視図、図20は同正面図、図21はレリース部材75の外観斜視図、図22乃至図26は排紙フレームAssy45周辺の搬送経路の側断面図である。
[4−1.付勢装置の構成]
図16及び図17に示すように、「被付勢部材」、「従動ローラ支持フレーム」としての排紙フレームAssy45は、金属板材によって形成された排紙フレーム46と、樹脂材料によって形成されたローラ支持部材47とを備えて構成され、主走査方向(用紙幅方向)に延びる形状を成している。
ローラ支持部材47には、排出従動ローラ42を軸支するホルダ部44が、主走査方向に局在するように一体的に形成されていて、また、後述するレリース部材75を軸支する軸受部47a、47aが一体的に形成されている。
この排紙フレームAssy45は、図示しないガイド手段によって排出従動ローラ42が排出駆動ローラ41に接する第1のポジション(以下「接触ポジション」と言う:図22参照)と、排出従動ローラ42が排出駆動ローラ41から離間する第2のポジション(以下「離間ポジション」と言う:図26参照)とを変位可能に設けられているとともに、図19及び図20に示す捻りばね(付勢装置)49によって、接触ポジションに向けて付勢された状態に設けられている。
尚排紙フレームAssy45は、離間ポジションにおいて、図26に示すようにほぼ水平姿勢に保持されるようになっている。これは、排紙フレームAssy45の上流側の上方がキャリッジ35の主走査領域となっており、例えば排紙フレームAssy45の上流側が斜め上方に向かうように排紙フレームAssy45の姿勢が傾斜姿勢となると、排紙フレームAssy45の上流側端部がキャリッジ35と干渉してしまうからである。そこで、上述の通り排紙フレームAssy45を離間ポジションにおいて水平姿勢とすることで、排紙フレームAssy45とキャリッジ35とを大きく離すことなく双方の干渉を防止して、装置の大型化を防止している。
続いて、排紙フレームAssy45を付勢する捻りばね(付勢装置)49について詳説する。図19及び図20に示すように、排紙フレーム46の長手方向両端部(図19及び図20は片方の端部を示している)において接触ポジション側の面(上面)には用紙搬送経路に対し平行(図20の紙面表裏方向)に延びる舌片46aが形成されており、当該舌片46aに、捻りばね49の捻り部49aが嵌入するように設けられている。
そして、捻りばね49の一端49bは捻り部49aから排紙フレーム46に対しほぼ垂直に垂下して排紙フレーム46に係止し、他端49cは、図19(A)及び図20(A)に示すように排紙フレームAssy45が接触ポジションにあるときに、捻り部49aに対し排紙フレームAssy45の変位方向(図20の上下方向)と交差する方向に延びて、同方向に位置するフレーム48に形成された係止部48aに係止する。これにより捻りばね49は、排紙フレームAssy45が接触ポジションにあるときに所定の開き角度をとる。
捻りばね49は、一端49bと他端49cが開く方向に付勢力を発揮するので、他端49cが係止部48aを付勢する付勢力Fの垂直方向(排紙フレームAssy45の変位方向)分力FVが、排紙フレームAssy45を接触ポジションに向けて付勢する付勢力となる。
ここで、図20(A)に示す排紙フレームAssy45の接触ポジションにおいては、捻りばね49の他端49cが、排紙フレームAssy45の変位方向(上下方向)に対して直交する方向に近い角度(急な角度)で延びるため、分力FVが比較的大きくなっている。ところが、図20(B)に示すように排紙フレームAssy45が離間ポジションをとると、捻りばね49の他端49cが、排紙フレームAssy45の変位方向(上下方向)に沿う方向に近い角度(緩い角度)で延びるため、分力FVが小さくなる。
即ち、排紙フレームAssy45を付勢する付勢装置(付勢手段)としての捻りばね49が、排紙フレームAssy45の変位動作に伴ってその姿勢が変化するよう設けられており、しかもその姿勢の変化に伴って、排紙フレームAssy45を接触ポジションに向けて付勢する力の成分FVが、排紙フレームAssy45が接触ポジションから離間ポジションに向かうに従って小さくなるよう設けられている。
これは、以下の理由による。即ち、普通紙や専用紙等の用紙Pに印刷を実行する際に、排出従動ローラ42が排出駆動ローラ41から離間してしまうと、用紙Pを排出できなくなり、或いは、用紙Pが浮くことによって記録ヘッド36と擦れ、印刷面を汚損する虞がある。従って普通紙や専用紙等の用紙Pへ印刷を行う際には、排紙フレームAssy45が接触ポジションに確実に保持されることが望まれる。
排紙フレームAssy45を接触ポジションに確実に保持するには、排紙フレームAssy45とその上部に位置するフレーム48との間に例えば強力な圧縮ばね等を配設することが有効であるが、しかしこの様に単純に付勢力を高めるのみでは、光ディスクのラベル面へ印刷を実行する場合において、排紙フレームAssy45を接触ポジションから離間ポジションに変位させる際の操作力が、接触ポジションから離間ポジションに向かうに従って極めて大きくなり、その結果仕事量が増大して操作性が低下することになる。
しかし、上述のように排紙フレームAssy45を接触ポジションに向けて付勢する捻りばね49は、排紙フレームAssy45の変位動作に伴ってその姿勢が変化し、当該姿勢の変化に伴って排紙フレームAssy45を接触ポジションに向けて付勢する力の成分FVが、接触ポジションから離間ポジションに向かうに従って小さくなるので、最も大きい付勢力を必要とする接触ポジションにおいては排紙フレームAssy45を付勢する付勢力が最大となり、排紙フレームAssy45を接触ポジションに確実に保持することができる。
そして、接触ポジションから離間ポジションに向かうに従ってその付勢力が小さくなるので、排紙フレームAssy45を離間ポジションに変位させる際の仕事量が増大することが無く、操作性の低下を防止することが可能となる。特に、本実施形態においては、後述するローラ位置切換手段5により、トレイ90が挿入されるに伴って排紙フレームAssy45が離間ポジションに変位するので、トレイ90を挿入する際の抵抗を小さくすることができ、トレイ90の挿入性が向上する。
また、捻りばね49を排紙フレームAssy45に設けることにより、捻りばね49の設置スペースを最小限に抑えることが可能となるので、装置の小型化に資すことができる。
尚、排紙フレームAssy45が離間ポジションにある際には、排紙フレームAssy45の変位方向と直交する方向の分力FHが大きくなるが、捻りばね49は排紙フレームAssy45の長手方向両端部に配置されており、従って分力FHが大きくなっても互いに相殺されて、排紙フレームAssy45に悪影響を与えることがない。
[4−2.ローラ位置切換手段の構成]
続いて、排紙フレームAssy45を接触ポジションから離間ポジションに変位させるとともに押圧ローラ78を非押圧位置から押圧位置へ変位させるローラ位置切換手段5について詳説する。
ローラ位置切換手段5は、図21乃至図26に示すレリース部材75を備えて構成されている。このレリース部材75は主走査方向に延びる軸体によって成され、その軸端部75a、75aが図16に示すようにローラ支持部材47に形成された軸受部47a、47aにスナップフィット式に嵌合することにより、ローラ支持部材47に回動可能に軸支される。
図21に示すようにレリース部材75の一方の軸端部75aの近傍には、レバー部76が形成され、更にレバー部76近傍と、他方の軸端部75aの近傍には、「押圧部」としての押圧ローラ78(例えば、ゴムローラによって成される)が、軸受部77によってそれぞれ回動自在に軸支されている。
図22は、排出従動ローラ42が排出駆動ローラ41に接した状態(排紙フレームAssy45の接触ポジション)を示し、図26は排出従動ローラ42が排出従動ローラ41から離間した状態(排紙フレームAssy45の離間ポジション)を示している。また、図23乃至図25は、排紙フレームAssy45が接触ポジションと離間ポジションとの間に位置する状態を示している。また、図22乃至図24は押圧ローラ78が非押圧位置にある状態を示し、図25、図26は押圧ローラ78が押圧位置にある状態を示している。
排紙フレームAssy45が接触ポジションにあり、且つスタッカ13が第2のポジションにある状態を示す図22においては、図示するようにレバー部76がトレイ90の搬送経路に突出し、且つ、押圧ローラ78がトレイ90の搬送経路から退避した状態(非押圧位置)となっている。ここで、レリース部材75は、図示しない付勢手段(例えば、捻りばね)の付勢力によってレバー部76がトレイ90の搬送経路に突出するような回動傾向が付勢された状態に設けられている(図22の矢印r方向)。
ここで、排紙フレームAssy45は、図17に示すようにスタッカ13の上部に設けられているとともに、ローラ支持部材47の長手方向両端部には脚部47b、47bが下方に垂下するように形成されている。
この脚部47b、47bは、図18に示すようにポジション切換手段4を構成する軸65の上方に位置しており、スタッカ13が第2のポジションにある状態(図18(A))から第1のポジション(図18(B))に切り換わる際に軸65と係合し、当該軸65によって所定量上方に押し上げられる(図18(B)、図23)。
即ち、スタッカ13のポジションが第2のポジションから第1のポジションに切り替わる際に、排紙フレームAssy45が軸65によって予め所定量押し上げられる。これにより、トレイ90を手差しで挿入する際には、排紙フレームAssy45が既に接触ポジションから離間ポジションに向けて所定量上方に変位した状態となっているので、後に排紙フレームAssy45を離間ポジションへ変位させる際の仕事量が減少し、排紙フレームAssy45を最小限の労力をもって容易に離間ポジションに変位させることが可能となっている。
特に、本実施形態では排紙フレームAssy45が接触ポジションにあるときに、捻りばね49(図19)によって排紙フレームAssy45を接触ポジションに向けて付勢する力の成分が最大となるよう構成されている。即ち、排紙フレームAssy45の単位変位量あたりの仕事量は、接触ポジションからの変位開始部分が最も大きくなり、そしてこのように仕事量を最も必要とする接触ポジションからの変位開始部分が、スタッカ13のポジション切換動作によって担保されることとなり、後に排紙フレームAssy45を離間ポジションへ変位させる際に、より一層仕事量を軽減することができ、軽い力で容易に離間ポジションへ変位させることができる。
次に、排紙フレームAssy45が接触ポジションから離間ポジションへ向けて所定量上昇した状態(図23)において、トレイ90が装置前方から装置奥側へ向けてスタッカ13上から挿入されると、図24及び図25に示すようにトレイ90の係合部95(図14及び図15も参照)がレバー部76を押し上げて、レリース部材75が図の時計回り方向に回動し、押圧ローラ78がトレイ90の水平面97に接地する。
そしてこの状態からトレイ90が装置奥側に向けて更に挿入されると、押圧ローラ78が水平面97に圧接しながらレリース部材75が更に回動し、これによって排出フレームAssy45が上方に押し上げられる。尚、以降押圧ローラ78がトレイ90を押圧する際の当該押圧ローラ78の位置は全て押圧ローラ78の圧接位置となる。
トレイ90が更に装置奥側に挿入されると、レリース部材75が、押圧ローラ78を介してトレイ90から受ける反力によって回動しない安定姿勢となり(図26に示す姿勢)、そして押圧ローラ78がトレイ90に形成された傾斜面96を上ることにより、排紙フレームAssy45が更に上方に押し上げられて、図26に示すように排紙フレームAssy45が離間ポジションに変位する。尚、図26において符号78’、78’’は押圧ローラ78の途中位置を示している。
ここで、押圧ローラ78は傾斜面96を登ることにより徐々にトレイ90を押圧する押圧力を高めていくので、トレイ90を挿入している過程において急激に負荷が増加するようなことが無く、違和感なくスムーズにトレイ90を挿入することが可能となっている。
以上により、レリース部材75の回動動作を介して排紙フレームAssy45が離間ポジションに変位するとともに押圧ローラ78が非押圧位置から押圧位置へ変位するので、排紙フレームAssy45のレリースストロークを大きくとることができるとともに、リンク機構を採用する場合等のように部品点数の増加を招くことなく、低コストにローラ位置切換手段5を構成することができる。
また、トレイ90が搬送経路に挿入されることで、トレイ90それ自体が排紙フレームAssy45を接触ポジションから離間ポジションに変位させるとともに押圧ローラ78が非押圧位置から押圧位置へ変位させるので、特別な操作を要せずに排出従動ローラ42を排出駆動ローラ41から確実に離間させ、且つ押圧ローラ78を非押圧位置から押圧位置に変位させることができ、ユーザの取扱性を向上させることが可能となる。更に、押圧ローラ78によってトレイ90が排出駆動ローラ41に向けて押圧されるので、トレイ90の浮き上がり、即ちトレイ90にセットされた光ディスクと排出従動ローラ42との接触を確実に防止することができる。また、押圧ローラ78は自由回転可能なので、トレイ90の搬送に際しての搬送負荷を最小限に留めることができる。
尚、本実施形態では、排紙フレームAssy45が接触ポジションから離間ポジションに変位する際の変位量は約5mmであり、そのうちスタッカ13のポジション切換操作による変位量は約3mmであり、トレイ90が挿入されてレリース部材75が回動し、更に押圧ローラ78がトレイ90に形成された斜面96を上ることによって変位する量は約2mmとなっている。
ところで、図26においてトレイ90は押圧ローラ78と排出駆動ローラ41とによって挟持された状態となるので、排出駆動ローラ41を回転させることによってトレイ90を搬送可能な状態となる。そしてトレイ90は、排出駆動ローラ41の回転によって上流側の搬送ローラ29へ向けて搬送され、その先端に形成された舌片部94(図14、15)の作用によって、トレイ90の先端は搬送駆動ローラ30と搬送従動ローラ31との間に円滑に入りこみ、トレイ90は搬送駆動ローラ30と搬送従動ローラ31とによってニップされた状態となる。以降は、搬送駆動ローラ30の回転によって下流側に副走査送りされ、記録ヘッド36による光ディスクへの記録が実行される。
尚、トレイ90が排出される際には、レリース部材75には図22の矢印rで示す方向の回動傾向が付与されているので、レバー部76が、トレイ90の先端を排出方向(図22乃至図26において右方向)に押し出すように作用する。従ってこれによりトレイ90の排出性が高まり、円滑にトレイ90を排出することが可能となっている。
また、押圧ローラ78は複数(本実施形態では、2つ)設けられるとともに、その主走査方向における位置は、トレイ90の主走査方向中心に対してほぼ対称を成す位置(本実施形態では、トレイ90の両側端近傍)であるので、押圧ローラ78と排出駆動ローラ41とによってトレイ90を搬送する際に、スキューを生じることなく適切に搬送することができるようになっている。
尚、レリース部材75に形成されたレバー部76は排紙フレームAssy45が接触ポジションにあるときに、用紙搬送経路を側視して当該用紙搬送経路に突出した状態となっているが、レバー部76は主走査方向において用紙搬送経路の外側に設けられており、用紙Pの排出を妨げない様になっている。また押圧ローラ78は主走査方向において用紙搬送経路の内側に配設されているが、排紙フレームAssy45の接触ポジションにおいては図22に示すように用紙搬送経路の上方に退避しているので、用紙Pの排出を妨げることは無い。
<<5.排出駆動ローラ、押圧ローラ、トレイ、の位置関係>>
続いて、排出駆動ローラ41、押圧ローラ78、トレイ90、の位置関係について詳述する。上述の様に、トレイ90は押圧ローラ78によって「駆動ローラ」としての排出駆動ローラ41に向けて押圧される構成となっているが、トレイ90が「ガイド手段」としてのスタッカ13上から記録手段32(図2)に向けて挿入された際、トレイ90の先端93が排出駆動ローラ41に到達する前にトレイ90が押圧ローラ78から押圧力を受けると、トレイ90の先端93が排出駆動ローラ41に衝突し、即ちトレイ90挿入時の”引っ掛かり感”を招くことになる。
尚、排出駆動ローラ41は、トレイ90の支持面13a(より詳しくはリブ82の頂面)に対して高位置に配置されている。これは、トレイ90をスタッカ13上から挿入した際に、排出駆動ローラ41を確実にトレイ90の底面に接触させる為である。
また、トレイ90の先端93が排出駆動ローラ41に到達する前にトレイ90が押圧ローラ78から押圧力を受けると、トレイ90がスタッカ13の基端側端部を押し下げ、これによってスタッカ13が軸65を中心に図の反時計回り方向に回動してしまい、スタッカ13は第1のポジションにおいてトレイ90をガイドする為の適切な姿勢(本実施形態では水平姿勢)を維持できなくなる。
そこで本実施形態においては、押圧ローラ78がトレイ90を押圧する前に、トレイ90の先端93が排出駆動ローラ41に到達するよう構成している。
具体的には、図24は舌片部94が排出駆動ローラ41に到達した時点の状態を示しているが、図示するようにこの時点では未だ押圧ローラ78はトレイ90を押圧していない。次に、図25は押圧ローラ78が水平面97に接地した瞬間(押圧ローラ78が押圧位置に切りかわった瞬間)を示しているが、このときトレイ90の先端93は、既に排出駆動ローラ41に到達している。
つまり、トレイ90の先端93は、押圧ローラ78がトレイ90の押圧を開始する位置である水平面97に対し、トレイ90の挿入方向(図の左方向)に延設されている。従ってこれにより、押圧ローラ78がトレイ90を押圧する前に、トレイ90の先端93が排出駆動ローラ41に到達する。
尚、押圧ローラ78がトレイ90を押圧する前に、トレイ90の先端93が排出駆動ローラ41に到達するように構成する場合、トレイ90の先端93を延設するのではなく、排出駆動ローラ41(排出ローラ40)の位置を下流側(図の右方向)に配置するようにしても良い。また、ローラ位置切換手段5(レリース部材75)を、トレイ90の先端93が排出駆動ローラ41に到達すると同時に、または到達した後に、押圧ローラ78がトレイ90の上面(水平面97或いは傾斜面96)に接地するように構成しても良い。
以上により、トレイ90をガイドするガイド手段としてのスタッカ13と、スタッカ13と記録手段32(図2)との間に位置し、トレイ90の底面と接するとともに回転駆動される排出駆動ローラ41と、当該排出駆動ローラ41に対してトレイ90の側に位置し、トレイ90を排出駆動ローラ41に向けてトレイ90の上面側から押圧する押圧ローラ78を、を備えた構成において、トレイ90が押圧ローラ78によって押圧された状態でトレイ90の先端93が排出駆動ローラ41に当接することを防止できる。
その結果、トレイ90を挿入する際の”引っ掛かり感”の発生を防止でき、あるいはその程度を大幅に軽減することができる。また、押圧ローラ78がトレイ90を押圧する押圧力が、スタッカ13に直接伝わらないので、第1のポジションにあるスタッカ13の姿勢(本実施形態では水平姿勢)に悪影響を及ぼさず、トレイ90を支持する際の姿勢を適切な状態に維持することができる
尚、以上説明した実施形態においては光ディスクをセットしたトレイ90を挿入することで、排紙フレームAssy45を接触ポジションから離間ポジションに変位させるとともに押圧ローラ78を非押圧位置から押圧位置へ変位させたが、厚手のボード紙等を差し込むことによっても、排紙フレームAssy45を接触ポジションから離間ポジションに変位させることができる。