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JP5077699B2 - バッテリの昇温制御装置 - Google Patents
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Description

本発明は、車両に搭載したバッテリの充電及び/又は放電を周期的に繰り返すことで該バッテリを昇温させる昇温制御を実行するバッテリの昇温制御装置に関する発明である。
一般に、バッテリ(二次電池)は、低温状態にある場合、常温時と比べて内部の活性化レベルが低下して内部抵抗が大きくなる(図2参照)。そのため、バッテリ放電時の電流が同一の場合でも、内部抵抗により両端電圧の低下幅が大きくなる。バッテリは、その両端電圧により性能が制約されるため、バッテリ温度が低温になるほど、連続放電可能時間が短くなり、バッテリから取り出せる電力量が減少する。反対に、充電時は、バッテリ温度が低温になるほど、両端電圧の上昇幅が大きくなり、連続充電可能時間も短くなる。
そこで、近年、バッテリの低温時にバッテリを強制的に昇温して早期に充放電性能を確保するために、バッテリの充放電を強制的に実行してバッテリ内部でジュール熱の発生を促進することで、バッテリを内部から昇温させる技術が幾つか提案されている。
例えば、特許文献1(特開2007−12568号公報)、特許文献2(特開2007−28702号公報)には、バッテリの温度を温度センサで検出して、バッテリの検出温度が低温のときに、バッテリの充電と放電を交互に周期的に繰り返すことで、バッテリ内部でジュール熱の発生を促進してバッテリを昇温させる昇温制御を実行することが開示され、更に、この昇温制御の実行中にバッテリの充放電を周期的に繰り返す手段として、昇圧コンバータ又はモータ駆動回路(インバータ)を用いることが開示されている。
しかし、特許文献1のように、昇圧コンバータを用いて周期的な充放電を繰り返した場合、昇圧コンバータのコンデンサへの入出力電流が発生し、コンデンサの振動音が発生するという課題がある。この課題を解決するために、特許文献3(特開2008−78167号公報)のように、コンデンサの内部に振動を吸収する緩衝材層を追加したり、特許文献4(特開2008−66503号公報)のように、コンデンサの電極面を弾性率の小さい樹脂材料でモールド成形するようにしたものがある。
また、特許文献2のように、モータ駆動回路(インバータ)を用いて周期的な充放電を繰り返した場合、モータの駆動力変動を伴う場合があり、その駆動力変動によってドライバビリティが低下するという課題がある。また、特許文献5(特開2008−162397号公報)には、歯車装置を介してモータの駆動力を伝達するハイブリッド車において、モータの駆動力変動により歯車の歯打ち音が発生するという課題が開示され、更に、この課題を解決するために、歯車の歯打ち音が発生したときに、歯車の歯打ち音の発生を低減するようにエンジン出力の補正等を行うことが開示されている。
特開2007−12568号公報 特開2007−28702号公報 特開2008−78167号公報 特開2008−66503号公報 特開2008−162397号公報
しかし、上記従来技術では、昇温制御時のバッテリの充放電の繰り返し周期や振幅によっては、振動音等の騒音を低減する効果が不足したり、駆動力変動を低減する効果が不足する場合が予想される。
そこで、本発明の目的は、昇温制御の実行中に発生する振動音等の騒音や駆動力変動を上記従来技術とは異なる方法で効果的に低減させることができるバッテリの昇温制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、車両に搭載したバッテリの充電及び/又は放電を周期的に繰り返すことで該バッテリを昇温させる昇温制御を実行するバッテリの昇温制御装置において、車速を検出する車速検出手段と、前記昇温制御の実行中に前記バッテリの充電及び/又は放電の繰り返し周期と振幅の少なくとも一方を振動騒音及び/又は駆動力変動が減少するように制限する制限手段を備え、前記制限手段は、前記車速検出手段で検出した車速も考慮して前記繰り返し周期と振幅のいずれか一方に基づいて他方を制限することを特徴とするものである。
本発明は、昇温制御の実行中に乗員が騒音として認識するのは、可聴周波数域(おおよそ20〜20000Hz)の音であるという特性を利用し、この可聴周波数域での振動振幅を小さくすることで、乗員が認識する振動騒音を低減させることが可能となる。また、昇温制御の実行中に乗員が駆動力変動として認識するのは、低周波数域の駆動力変動であるという特性を利用し、低周波数域での振動振幅を小さくすることで、乗員が認識する駆動力変動を低減させることが可能となる。これにより、昇温制御による振動音等の騒音や駆動力変動を低減しながら、速やかにバッテリを昇温させることが可能となる。
この場合、請求項のように、繰り返し周期と振幅のいずれか一方に基づいて他方を制限するようにすると良い。例えば、繰り返し周期に基づいて振幅を制限するようにすれば、確実に可聴周波数域での振動振幅を小さくすることができる。反対に、振幅に基づいて繰り返し周期を制限するようにすれば、振動振幅が大きくなる領域が、可聴周波数域や駆動力変動を認識しやすい低周波数域に入らないように繰り返し周期を制限することができ、同様の効果を得ることができる。
ところで、車速が速くなるほど、ロードノイズ、風切り音等の走行騒音が大きくなるため、低速走行時に乗員に聞こえていた昇温制御による騒音が、高速走行時には走行騒音に埋もれてほとんど聞こえなくなる場合がある。同様に、車速が速くなるほど、昇温制御による駆動力変動も乗員が感じにくくなる。
この点を考慮して、請求項のように、車速を検出する車速検出手段を備えたシステムでは、車速検出手段で検出した車速も考慮して繰り返し周期と振幅の少なくとも一方を制限するようにすれば、車速が速くなるに従って、乗員が昇温制御による騒音や駆動力変動を認識しにくくなるのに対応して、繰り返し周期や振幅の制限条件を適正に変化させることができ、高速走行時に繰り返し周期や振幅を過剰に制限することを回避することができて、繰り返し周期や振幅の制限による昇温性能の低下を最小限に抑えることができる。
また、請求項のように、運転者の走行意図を検出する走行意図検出手段を備えたシステムでは、走行意図検出手段で検出した運転者の走行意図も考慮して繰り返し周期と振幅の少なくとも一方を制限するようにしても良い。このようにすれば、例えば、昇温制御の実行中に運転者がアクセルペダルを踏み込んで急加速する場合に、運転者の加速要求を満たすように繰り返し周期や振幅の制限条件を適正に変化させることができ、昇温制御の実行中に、随時、運転者の加速要求等を満たしながら、バッテリの昇温を促進させることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を電気自動車に適用して具体化した3つの実施例1〜3を説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図4に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて電気自動車全体のシステム構成を説明する。
本実施例1の電気自動車には、車両駆動源となるモータ11と、該モータ11の電源となる高電圧バッテリ12と、車両の各種電装品(電気負荷)の電源となる低電圧バッテリ17とが搭載されている。モータ11は、発電機兼用の電動機である同期発電電動機により構成され、高電圧バッテリ12は、例えば200〜300Vの高電圧を出力するLiイオン電池、ニッケル水素電池等の二次電池により構成されている。
高電圧バッテリ12とモータ11との間には、昇圧コンバータ13とインバータ14が設けられ、モータ11の駆動時には、高電圧バッテリ12から出力される直流電圧が昇圧コンバータ13で昇圧されてインバータ14で交流電圧に変換されてモータ11に供給される。これにより、モータ11が回転して車両の駆動輪15が駆動される。また、モータ11の発電時には、駆動輪15の回転力によりモータ11が回転されて交流電力が発電され、その交流電力がインバータ14で直流電力に変換されて昇圧コンバータ13で降圧されて高電圧バッテリ12に充電される。
低電圧バッテリ17は、高電圧バッテリ12の出力電圧よりも低い直流電圧(例えば、12V)を出力する鉛蓄電池等の二次電池により構成されている。低電圧バッテリ17は、双方向DC/DCコンバータ18を介して高電圧バッテリ12の電源ラインに接続されている。低電圧バッテリ17の充電時には、高電圧バッテリ12の出力電圧を双方向DC/DCコンバータ18で降圧して低電圧バッテリ17に充電する。
一方、イグニッションスイッチ(図示せず)のオン操作直後に、低電圧バッテリ17の出力電圧を双方向DC/DCコンバータ18で昇圧して高電圧バッテリ12の電源ラインに供給することで、昇圧コンバータ13の平滑コンデンサ(図示せず)にプリチャージする。また、後述する昇温制御の実行中に、高電圧バッテリ12と低電圧バッテリ17との間で双方向DC/DCコンバータ18の昇圧/降圧動作により高電圧バッテリ12の充電及び/又は放電を周期的に繰り返して、高電圧バッテリ12を昇温させるようにしても良い。
昇圧コンバータ13、インバータ14及び双方向DC/DCコンバータ18の動作は、電子制御ユニット(以下「ECU」と表記する)20によって制御される。このECU20は、CPU21を主体とするマイクロコンピュータにより構成され、CPU21の他に、各種のプログラムやイニシャル値等のデータを記憶するROM22と、各種データを一時的に記憶するRAM23等により構成されている。
このECU20には、高電圧バッテリ12の充放電を管理するのに必要な信号、例えば、電流センサ24で検出した高電圧バッテリ12の充放電電流と、電圧センサ25で検出した高電圧バッテリ12の電圧と、温度センサ26で検出した高電圧バッテリ12の温度等の信号が入力される。その他、ECU20には、シフトレバー27の操作位置を検出するシフトポジションセンサ28からのシフトポジション信号、アクセルペダル29の踏込み量を検出するアクセル開度センサ30(走行意図検出手段)からのアクセル開度信号、ブレーキペダル31の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ32からのブレーキペダルポジション信号、車速センサ33からの車速信号、モータ11の回転角を検出する回転角センサ34からの回転角信号等が入力される。
以上のように構成された本実施例1では、ECU20は、アクセル開度センサ30からのアクセル開度信号と車速センサ33(車速検出手段)からの車速信号等に基づいて要求トルクを算出し、この要求トルクを実現するようにモータ11の運転を制御する。
更に、ECU20は、後述する図3の昇温制御ルーチンを実行することで、温度センサ26で検出した高電圧バッテリ12の温度が所定温度よりも低いときに、高電圧バッテリ12をその充放電を周期的に繰り返して昇温させる昇温制御を実行する。この昇温制御の実行中に、高電圧バッテリ12の内部で発生するジュール熱は、電流の2乗に比例することが分かっている。従って、電流が流れる方向(充電か放電か)とは関係なく、より大きな電流を高電圧バッテリ12に流した方が高電圧バッテリ12の昇温を促進できる。
しかし、昇温制御の実行中に充電又は放電のいずれか一方のみを連続して長時間行うと、高電圧バッテリ12の分極効果が大きくなり、顕著な電圧変化が発生する。この対策として、昇温制御の実行中に充電と放電を交互に周期的に繰り返すことが効果的であるが、最適な昇温を実現するための充放電の繰り返し周期と振幅は、残存容量SOCやバッテリ温度のみならず、内部抵抗、製造ばらつき、劣化など、時々刻々と変化する高電圧バッテリ12の内部状態に応じて変化する。従って、最大限の昇温性能を発揮するための充放電の繰り返し周期と振幅は、高電圧バッテリ12の内部状態に応じて変化させることが望ましい。しかし、充放電の繰り返し周期や振幅によっては、乗員が認識する振動音等の騒音や駆動力変動が大きくなる可能性がある。
例えば、昇温制御を実行する電気装置として昇圧コンバータ13を用いる場合は、高電圧バッテリ12と昇圧コンバータ13のコンデンサ(図示せず)との間で充電と放電を交互に周期的に切り換える。この際、昇圧コンバータのコンデンサへの入出力電流が発生して、コンデンサ自体が振動して騒音が発生する。この振動騒音の大きさは、コンデンサへの充放電電流(もしくは電力)の振幅に応じて決まり、その周期は電流周期で決まる。
そして、昇温制御の実行中に乗員が騒音として認識するのは、可聴周波数域(おおよそ20〜20000Hz)の音であるという特性を利用し、この可聴周波数域での振動振幅を小さくすることで、乗員が認識する振動騒音を低減させることが可能となる。これにより、昇温制御による振動騒音を低減しながら、速やかにバッテリを昇温させることが可能となる。
また、昇温制御を実行する電気装置としてモータ11を用いる場合は、モータ11の駆動力変動を伴う場合があるが、乗員が駆動力変動として認識するのは、低周波数域の駆動力変動であることから、低周波数域での振動振幅を小さくすれば、乗員が認識する駆動力変動を低減させることが可能となる。これにより、騒音だけではなく駆動力変動を低減しながら、速やかな高電圧バッテリ12の昇温が可能となる。
そこで、本実施例1では、図3の昇温制御ルーチンによって、昇温制御の実行中に高電圧バッテリ12の温度に基づいて設定した充放電の繰り返し周期に基づいて振幅を振動騒音や駆動力変動が低減するように制限することで、昇温制御の実行中に乗員が認識する振動騒音や駆動力変動を低減させるようにしている。
図3の昇温制御ルーチンは、ECU20の電源オン期間中に所定周期で繰り返し実行される。本ルーチンが起動されると、まずステップ101で、温度センサ26で検出した高電圧バッテリ12の温度(以下「バッテリ温度」という)Tb を読み込む。この後、ステップ102に進み、検出したバッテリ温度Tb が所定温度よりも低いか否かで、昇温制御の実行領域であるか否かを判定し、バッテリ温度Tb が所定温度以上であれば、昇温制御を行う必要がないと判断して、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
これに対して、上記ステップ102で、バッテリ温度Tb が所定温度よりも低いと判定されれば、ステップ103以降の昇温制御の処理を次のようにして実行する。まず、ステップ103で、検出したバッテリ温度Tb をパラメータとして充放電電流の振幅ベース値Ibamp.bs を算出するマップMap1を参照して、現在のバッテリ温度Tb に応じた充放電電流の振幅ベース値Ibamp.bs を算出する。
Ibamp.bs =Map1(Tb )
この振幅ベース値Ibamp.bs は、次のステップ104で算出する充放電の周期τchg で制限する前の振幅に相当する。尚、マップMap1は、予め、実験データ、設計データ、シミュレーション結果等に基づいて作成されている。バッテリ温度Tb の他に、高電圧バッテリ12の電流及び/又は電圧も考慮して振幅ベース値Ibamp.bs を算出するようにしても良い。
次のステップ104で、バッテリ温度Tb をパラメータとして充放電の周期τchg を算出するマップMap2を参照して、現在のバッテリ温度Tb に応じた充放電の周期τchg を算出する。
τchg =Map2(Tb )
このマップMap2は、予め、実験データ、設計データ、シミュレーション結果等に基づいて作成されている。バッテリ温度Tb の他に、高電圧バッテリ12の電流及び/又は電圧も考慮して周期τchg を算出するようにしても良い。
この後、ステップ105に進み、図4のマップMap3を参照して充放電の周期τchg に基づいて充放電電流の振幅制限値Ibamp.maxを算出する。この振幅制限値Ibamp.maxは充放電による振動音等の騒音を低減させるために設定され、また、昇温制御を実行する電気装置としてモータ11を用いる場合は、騒音だけではなく、充放電による駆動力変動や回転数変動を抑制してドライバビリティを向上させるために振幅制限値Ibamp.maxが設定されている。図4のマップMap3は、予め、実験データ、設計データ、シミュレーション結果等に基づいて、充放電による振動騒音、モータ11の駆動力変動、回転数変動が発生しやすい周期領域(周波数領域)で振幅制限値Ibamp.maxを小さくするように設定されている。
そして、次のステップ106で、振幅ベース値Ibamp.bs を振幅制限値Ibamp.maxで制限処理(ガード処理)して最終的な充放電電流の振幅Ibampを決定する。具体的には、振幅ベース値Ibamp.bs と振幅制限値Ibamp.maxとを比較して小さい方を最終的な充放電電流の振幅Ibampとする。
Ibamp=Min(Ibamp.bs ,Ibamp.max)
これらのステップ105、106の処理が特許請求の範囲でいう制限手段としての役割を果たす。
この後、ステップ107に進み、充放電電流の振幅Ibampと周期τchg を用いて、次式により指令電流Ib を算出する。
Ib =Ibamp×sin(2π・t/τchg )
上式において、tは、昇温制御開始からの経過時間である。
この後、ステップ108に進み、上記ステップ107で算出した指令電流Ib に応じて電気装置(例えば昇圧コンバータ13、インバータ14、モータ11、双方向DC/DCコンバータ18等)を制御することで、高電圧バッテリ12の充電と放電とを周期τchg 、振幅Ibampで繰り返して高電圧バッテリ12を昇温させる。
尚、充放電電流の振幅Ibamp、周期τchg に加え、電圧センサ25で検出した高電圧バッテリ12の電圧Vpresを用いて、下記式により指令電力Pb を算出して、この指令電力Pb に応じて電気装置を制御することによって、高電圧バッテリ12の充電と放電とを周期τchg 、電流振幅Ibampで繰り返して高電圧バッテリ12を昇温させるようにしても良い。
Pb =Vpres×Ibamp×sin(2π・t/τchg )
以上説明した本実施例1では、昇温制御の実行中に高電圧バッテリ12の充放電の繰り返し周期に基づいて振幅を振動騒音を低減させるように制限したので、昇温制御の実行中に発生する振動音等の騒音を低減しながら、速やかに高電圧バッテリ12を昇温させることができる。また、昇温制御を実行する電気装置としてモータ11を用いる場合は、充放電の繰り返し周期に基づいて振幅を制限することで、騒音だけではなく、駆動力変動も低減しながら、速やかな高電圧バッテリ12の昇温が可能となる。
ところで、車速が速くなるほど、ロードノイズ、風切り音等の走行騒音が大きくなるため、低速走行時に乗員に聞こえていた昇温制御による騒音が、高速走行時には走行騒音に埋もれてほとんど聞こえなくなる場合がある。同様に、車速が速くなるほど、昇温制御による駆動力変動も乗員が感じにくくなる。
この点を考慮して、本発明の実施例2では、図5の昇温制御ルーチンを実行することで、繰り返し周期の他に車速も考慮して振幅制限値Ibamp.maxを算出して振幅を制限するようにしている。
図5の昇温制御ルーチンは、ECU20の電源オン期間中に所定周期で繰り返し実行される。本ルーチンが起動されると、まずステップ201で、温度センサ26で検出したバッテリ温度Tb と、車速センサ33で検出した車速Spdを読み込む。この後、ステップ202〜204で、前記実施例1で説明した図3の昇温制御ルーチンのステップ102〜104と同様の方法で、バッテリ温度Tb が所定温度よりも低いときに、バッテリ温度Tb に応じた振幅ベース値Ibamp.bs と周期τchg を算出する。
この後、ステップ205に進み、図6のマップMap4を参照して充放電の周期τchg と車速Spdに基づいて充放電電流の振幅制限値Ibamp.maxを算出する。この際、車速Spd毎に作成した複数枚のマップの中から、現在の車速Spdに対応したマップを選択して周期τchg に応じた振幅制限値Ibamp.maxを算出するようにしても良いし、或は、車速Spdと周期τchg をパラメータとして振幅制限値Ibamp.maxを算出する1枚の二次元マップを用いて現在の車速Spdと周期τchg に応じた振幅制限値Ibamp.maxを算出するようにしても良い。
この後、ステップ206〜208で、前記実施例1で説明した図3の昇温制御ルーチンのステップ106〜108と同様の方法で、振幅ベース値Ibamp.bs を振幅制限値Ibamp.maxで制限処理(ガード処理)して最終的な充放電電流の振幅Ibampを決定し、この振幅Ibampと周期τchg を用いて算出した指令電流Ib に応じて電気装置を制御することで、高電圧バッテリ12の充電と放電とを周期τchg 、振幅Ibampで繰り返して高電圧バッテリ12を昇温させる。
以上説明した本実施例2によれば、充放電の周期の他に車速も考慮して振幅制限値Ibamp.maxを算出して振幅を制限するようにしたので、車速が速くなるに従って、乗員が昇温制御による振動騒音や駆動力変動を認識しにくくなるのに対応して、振幅の制限を緩和することができ、高速走行時に振幅を過剰に制限することを回避することができて、振幅の制限による昇温性能の低下を最小限に抑えることができる。
ところで、昇温制御の実行中に運転者がアクセルペダル29を踏み込んで急加速する場合には、騒音や駆動力変動を低減するよりも、運転者の加速要求を満たすことを優先させることが望ましい。
この点を考慮して、本発明の実施例3では、図7の昇温制御ルーチンを実行することで、繰り返し周期の他にアクセル踏込み量も考慮して振幅制限値Ibamp.maxを算出して振幅を制限するようにしている。
図7の昇温制御ルーチンは、ECU20の電源オン期間中に所定周期で繰り返し実行される。本ルーチンが起動されると、まずステップ301で、温度センサ26で検出したバッテリ温度Tb と、アクセル開度センサ30で検出したアクセル踏込み量Acrを読み込む。この後、ステップ302〜304で、前記実施例1で説明した図3の昇温制御ルーチンのステップ102〜104と同様の方法で、バッテリ温度Tb が所定温度よりも低いときに、バッテリ温度Tb に応じた振幅ベース値Ibamp.bs と周期τchg を算出する。
この後、ステップ305に進み、図8のマップMap5を参照して充放電の周期τchg とアクセル踏込み量Acrに基づいて充放電電流の振幅制限値Ibamp.maxを算出する。この際、アクセル踏込み量Acr毎に作成した複数枚のマップの中から、現在のアクセル踏込み量Acrに対応したマップを選択して周期τchg に応じた振幅制限値Ibamp.maxを算出するようにしても良いし、或は、アクセル踏込み量Acrと周期τchg をパラメータとして振幅制限値Ibamp.maxを算出する1枚の二次元マップを用いて現在のアクセル踏込み量Acrと周期τchg に応じた振幅制限値Ibamp.maxを算出するようにしても良い。
この後、ステップ306〜308で、前記実施例1で説明した図3の昇温制御ルーチンのステップ106〜108と同様の方法で、振幅ベース値Ibamp.bs を振幅制限値Ibamp.maxで制限処理(ガード処理)して最終的な充放電電流の振幅Ibampを決定し、この振幅Ibampと周期τchg を用いて算出した指令電流Ib に応じて電気装置を制御することで、高電圧バッテリ12の充電と放電とを周期τchg 、振幅Ibampで繰り返して高電圧バッテリ12を昇温させる。
以上説明した本実施例3によれば、充放電の周期の他にアクセル踏込み量も考慮して振幅制限値Ibamp.maxを算出して振幅を制限するようにしたので、昇温制御の実行中に運転者がアクセルペダル29を踏み込んで急加速する場合に、運転者の加速要求を満たすように振幅の制限を緩和することができ、昇温制御の実行中に、随時、運転者の加速要求を満たしながら、高電圧バッテリ12の昇温を促進させることができる。
尚、昇温制御の実行中に、運転者がブレーキペダル31を踏み込んで急減速する場合にも、ブレーキペダル31の踏込み量に応じて、運転者の減速要求を満たすように振幅の制限を緩和するようにしても良く、要は、運転者の走行意図を考慮して振幅の制限条件を変化させるようにすれば良い。
[その他の実施例]
上記実施例1〜3では、いずれも、昇温制御の実行中に高電圧バッテリ12の温度に応じて設定した充放電の周期に基づいて振幅を制限するようにしたが、これとは反対に、昇温制御の実行中に高電圧バッテリ12の温度、電流、電圧等に応じて設定した充放電の振幅に基づいて周期を制限するようにしても良い。このように、振幅に基づいて周期を制限するようにしても、振動振幅が大きくなる領域が、可聴周波数域や駆動力変動を認識しやすい低周波数域に入らないように周期を制限することが可能となり、同様の効果を得ることができる。勿論、充放電の周期と振幅の両方を振動騒音や駆動力変動を低減させるように制限するようにしても良い。
また、昇温制御用の電気装置は、双方向DC/DCコンバータ18、昇圧コンバータ13、モータ11に限定されず、例えば、オルタネータ、電動式エアコン、電動式パワーステアリング装置、一方向のみの電圧変換を行うDC/DCコンバータ等を用いても良い。この場合、オルタネータ(発電機)と他の電気装置とを組み合わせて充電と放電を周期的に繰り返すようにしても良いし、いずれか1つの電気装置で充電と放電のいずれか一方のみを周期的(間欠的)に繰り返すようにしても良い。
尚、本発明は、高電圧バッテリ12の昇温制御に限定されず、低電圧バッテリ17の昇温制御に適用して実施しても良い。
その他、本発明は、図1に示すような電気自動車に限定されず、モータとエンジンの両方を駆動源とするハイブリッド電気自動車にも適用して実施でき、更には、エンジンのみを駆動源とする車両に搭載されたバッテリの昇温制御にも本発明を適用して実施できる等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。
本発明の実施例1の電気自動車のシステム構成を概略的に示す構成図である。 高電圧バッテリの温度と内部抵抗との関係を説明する図である。 実施例1の昇温制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の充放電の周期τchg に基づいて充放電電流の振幅制限値Ibamp.maxを算出するマップMap3の一例を概念的に示す図である。 実施例2の昇温制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例2の充放電の周期τchg と車速Spdに基づいて充放電電流の振幅制限値Ibamp.maxを算出するマップMap4の一例を概念的に示す図である。 実施例3の昇温制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例3の充放電の周期τchg とアクセル踏込み量Acrに基づいて充放電電流の振幅制限値Ibamp.maxを算出するマップMap5の一例を概念的に示す図である。
符号の説明
11…モータ(電気装置)、12…高電圧バッテリ、13…昇圧コンバータ、14…インバータ、17…低電圧バッテリ、18…双方向DC/DCコンバータ、20…ECU(制限手段)、24…電流センサ、25…電圧センサ、26…温度センサ、28…シフトポジションセンサ、30…アクセル開度センサ(走行意図検出手段)、32…ブレーキペダルポジションセンサ、33…車速センサ(車速検出手段)

Claims (2)

  1. 車両に搭載したバッテリの充電及び/又は放電を周期的に繰り返すことで該バッテリを昇温させる昇温制御を実行するバッテリの昇温制御装置において、
    車速を検出する車速検出手段と、
    前記昇温制御の実行中に前記バッテリの充電及び/又は放電の繰り返し周期と振幅の少なくとも一方を振動騒音及び/又は駆動力変動が減少するように制限する制限手段を備え
    前記制限手段は、前記車速検出手段で検出した車速も考慮して前記繰り返し周期と振幅のいずれか一方に基づいて他方を制限することを特徴とするバッテリの昇温制御装置。
  2. 運転者の走行意図を検出する走行意図検出手段を備え、
    前記制限手段は、前記走行意図検出手段で検出した運転者の走行意図も考慮して前記繰り返し周期と振幅の少なくとも一方を制限することを特徴とする請求項1に記載のバッテリの昇温制御装置。
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