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JP5079598B2 - 静電荷現像用トナー、及びその製造方法 - Google Patents
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静電荷現像用トナー、及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等の画像形成装置に用いられる静電荷現像用トナー、及びその製造方法に関し、更に詳細には、帯電性に優れ、且つ分散性・分散安定性を高めるための修飾方法に特徴のある静電荷現像用トナー、及びその製造方法に関し、特に高解像度の画像を与えることができる液体現像用トナーに関する。
電子写真法とは、感光体の表面を一様に帯電させ(帯電工程)、感光体の表面に露光により静電潜像を形成させ(露光工程)、形成された静電潜像を着色樹脂粒子よりなるトナーで現像し(現像工程)、紙やOHPシート等の記録媒体に該トナー像を転写し(転写工程)、転写されたトナーを記録媒体に定着(定着工程)、して印刷物を得る方法である。
静電荷現像用トナーは、顔料等の着色剤及び結着樹脂を含む材料で構成されるトナー粒子を乾式状態で用いる乾式現像用トナーと、トナー粒子を電気絶縁性液体に分散した液体現像用トナーとに大別される。
近年、電子写真法を用いた、複写機、ファクシミリ、及びプリンター等の画像形成装置に対し、カラー化のニーズが高まってきている。カラー印刷では、例えば、鮮明な色調の再現が求められる写真等の高解像度且つ高画質である画像印刷をおこなうことから、それらの要求に対応しうるカラートナーが求められている。
乾式現像用トナーは、固体状態のトナーを取り扱うので、取り扱い上の有利さより、現在、静電荷現像用トナーの主流を占めている。高解像度且つ高画質な画像を得るためには、先ず、感光体に形成された静電潜像の電荷密度に応じた量のトナーを付着させるための適切な帯電性及び温度や湿度などの環境変化による画像劣化防止の観点から帯電性の環境安定性に問題があり、且つ乾式現像用トナーでは保存時等におけるトナー粒子の凝集が起こりやすくトナー粒子を分散した際の均一性等に問題があった。またこれらの特性は、高解像度を目指し、トナー粒子径を比較的小さくした場合には、上述したような粉体であることによる問題が更に顕著なものとなる。
一方、液体現像用トナーでは、媒体として電気絶縁性液体を用いることから、乾式現像用トナーに比べ、保存時における液体現像用トナー中でのトナー粒子の凝集という問題が生じにくく、微細なトナーを用いることができる。その結果、液体現像用トナーは、乾式現像用トナーに比べ細線画像の再現性が良く、階調再現性が良好で、カラーの再現性に優れており、また、高速での画像形成方法としても優れているという特徴を有している。これらの優れた特長を生かした、液体現像用トナーを用いた電子写真技術を利用した高画質高速デジタル印刷装置の開発が盛んになりつつある。このような状況下で、より良い特性を有する液体現像用トナーの開発が求められている。
このような液体現像用トナーの製造方法として、電気絶縁性液体中において、着色剤と樹脂を含む材料を粉砕することにより液体現像用トナーを製造する湿式粉砕法(例えば、特許文献1:特開平8−36277号公報)や、モノマー成分を電気絶縁性液体中で重合させることにより、前記絶縁性液体に不溶な樹脂粒子を形成する重合法、(例えば、特許文献2:特公平8−7470号公報) 樹脂、着色剤、及びその他の材料を溶剤に溶解、或いは分散し、溶解度差を利用して液体現像用トナーを製造する方法(コアセルベーション法)(例えば、特許文献3:第3712434号)などが知られている。
しかしながら、従来の液体現像用トナーの製造方法では、以下のような問題点があった。
すなわち、湿式粉砕法では、トナー粒子を十分小さな大きさに粉砕するのが困難であり、トナー粒子の大きさを、十分に小さいものとするには、非常に長い時間、非常に大きな粉砕エネルギーを要し、液体現像剤の生産性が著しく低かった。また、上述したような方法では、トナー粒子の粒度分布が広くなり易い。その結果、各トナー粒子間での特性(例えば、帯電特性等)のバラツキが大きくなり易い。
また、重合法では、所望の大きさのトナー粒子、及びトナー粒子の粒度分布も比較的狭く作成できる。しかし、従来の重合法では、分散剤、未反応物等の不純物を取り除くことが不可能である。その結果、トナーの品質の安定性、信頼性は低いものになり易い。
更に上述したような従来方法では、トナー粒子の分散性の十分に高い液体現像用トナーを得るのが困難であった。トナー粒子の分散性が悪いと、長時間放置した場合、トナー粒子が沈降してしまい、トナー粒子の凝集等が生じてしまうという問題があった。また、このように一旦沈降して凝集等が生じてしまうと、再度攪拌して分散させようとしても(再分散性)分散しにくいものになってしまい、画像形成の際に、トナー粒子を均一に供給できなくなるという問題があった。
特許文献4(特開2004−93706号公報)では、トナー粒子の分散性を改善する目的で、電気絶縁性液体中に、トナー粒子と、メルカプト変性シリコーンオイル、アミノ変性シランカップリング剤、及び有機アルミニウム化合物を添加してなる液体現像剤が提案されている。しかしながら、かかる方法では、メルカプト変性シリコーンオイル、及びアミノ変性シランカップリング剤は、トナー粒子表面の不純物である加水分解基、アミノ基と一部は反応するものの、大部分は吸着によりトナー粒子表面を被覆することで分散性の改善を図る方法で、大量のメルカプト変性シリコーンオイル、及びアミノ変性シランカップリング剤の添加が必要であり、更に有機アルミニウム化合物が添加される。これら添加剤は液体現像剤の帯電性を非常に不安定化し、地汚れ、かぶり等を生じるという問題を生じる。
以上示したように、液体現像用トナーの利用に際し、各帯電性粒子間での特性(例えば、粒径、帯電特性等)の均一性、及び電気絶縁性液体中での帯電性粒子の分散性・再分散性、これらの改善が強く望まれている。
また、近年、オゾン等の放電生成物の生成量を少なくして画像形成を行い得ることから、正帯電性の液体現像剤を用いて画像を形成する方法の開発が進められている(例えば、特許文献5:特開平10−319646号公報)。この特許公報記載の正帯電性の液体現像用トナーでは、帯電制御剤を添加することにより、帯電性粒子を正帯電にしている。ところで、従来トナー粒子を構成する樹脂材料としては、定着性や帯電特性の観点から、負帯電性のものが一般に広く用いられている。このように負帯電性樹脂材料を用いたトナー粒子に、帯電制御材を添加して正帯電化させることも考えられるが、十分な帯電量を得るのが困難であった。また、正帯電性の樹脂材料をトナー粒子の構成材料として用いることも考えられるが、正帯電性の樹脂材料は、樹脂そのものの安定性が低く、トナー粒子を構成する材料として適用するのが困難であった。
特許文献6の特開平9−3354号公報には、カルボキシル基を有するカーボンブラックに、ポリシロキサン構造部分とカルボキシル基に対して反応性があるエポキシ基、アニシジル基またはチオエポキシ基とを有する重合体をグラフト化してなる着色剤を含む着色剤組成物が記載されているが、これは、カーボンブラック自体のグラフト化を特徴とするもので、樹脂と着色剤からなる着色粒子をエポキシ変性シリコーンで変性してなるものとは基本的に異なる。
特開平8−36277号公報 特公平8−7470号公報 特許第3712434号 特開2004−93706号公報 特開平10−319646号公報 特開平9−3354号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、着色粒子の帯電性・帯電安定性に優れ、しかも良好な分散性・分散安定性を有する静電荷現像用トナーを提供するものである。また、再分散性にも優れた静電荷現像用トナーを提供するものである。特に、正帯電性を有する静電荷現像用トナーを提供するものである。
上記課題は、本発明の(1)「電気絶縁性液体中にトナー粒子を含有する液体現像剤であって、前記トナー粒子は、少なくとも結着樹脂と着色剤を含み、表面に酸性基を有する着色粒子を、エポキシ変性シリコーンを用いて化学修飾してなるものであり、かつ粒径分布の相対標準偏差(CV値)が30%以下であることを特徴とする液体現像剤」、
(2)「前記酸性基が、カルボキシル基、或いはスルホン酸基である前記第(1)項に記載の液体現像剤」、
(3)「前記着色粒子の平均粒子径が0.3〜5μmであることを特徴とする前記第(1)項または第(2)に記載の液体現像剤」、
(4)「電気絶縁性液体中にトナー粒子を含有する液体現像剤の製造方法であって、少なくとも結着樹脂と着色剤を含み、粒径分布の相対標準偏差(CV値)が30%以下であり、かつ表面に酸性基を有する着色粒子と、エポキシ変性シリコーンとを、少なくとも含む電気絶縁性液体中で、超音波分散下、該着色粒子表面を該エポキシ変性シリコーンで化学修飾することを特徴とする液体現像剤の製造方法」、
(5)「電気絶縁性液体は、25℃における動粘度が2〜100mm/sの範囲のシリコーンオイルであることを特徴とする前記第()項に記載の液体現像剤の製造方法」、
(6)「表面に酸性基を有する着色粒子は、重合法により製造することを特徴とする前記第()項または第()項に記載の液体現像剤の製造方法」により達成される。
本発明によれば、少なくとも結着樹脂と着色剤を含み、表面に酸性基を有する着色粒子を、エポキシ変性シリコーンを用いて化学修飾してなるトナー粒子を含む静電荷現像用トナー(乾式トナーおよび液体トナー)が提供される。このトナーは、該静電荷現像用トナー粒子の表面に、シリコーン基が直接結合・被覆された着色粒子が形成されたものであり、少量のエポキシ変性シリコーンを用い、帯電特性などに対する影響を最小限に抑えることで静電的特性に優れ、且つ着色粒子間の分散性を非常に向上させるものである。
また、本発明の製造方法によれば、表面に酸性基を有する着色粒子、及びエポキシ変性シリコーンを有する電気絶縁性液体中で、超音波分散下で表面に酸性基を有する着色粒子を分散しながら反応処理を行うことで、非常に簡便に、しかも均一に着色粒にシリコーン基が直接結合・被覆された静電荷現像用トナー粒子を作製することができる。また、液体現像用トナー作製の場合は、上記電気絶縁性液体中で、そのままで使用することも可能である。更に、電気絶縁性液体がシリコーンオイルの場合、液体現像用トナーの分散性は飛躍的に向上する。
更に、本発明の静電荷現像用トナー粒子を、本処理後、有機溶媒を留去、或いは濾過することによりトナー粒子を分取、乾燥することにより、乾式現像用トナー粒子を得ることができる。
以下の詳細且つ具体的な説明より明らかなように、本発明によれば、少なくとも結着樹脂と着色剤を含み、表面に酸性基を有する着色粒子を、エポキシ変性シリコーンを用いて化学修飾したトナー粒子を含む静電荷現像用トナーが提供され、この静電荷現像用トナーは、帯電特性など静電的特性に優れ、且つ着色粒子間の分散性、及び分散安定性・再分散性を非常に向上させ、従って、耐久性に優れ、かつ安定した機能を有するものである。また、該静電荷現像用トナー粒子は、電気絶縁性液体中で、超音波分散処理することにより、非常に適応範囲の広い、かつ簡便な方法で製造することができる。
以下、本発明の静電荷現像用トナー、及びその製造方法の好適な実施形態について、詳細に説明する。
本発明の表面に酸性基を有する着色粒子の製造方法について説明する。
まず、着色粒子の表面に酸性基を導入する方法について説明する。酸性基の導入方法としては、従来公知の方法を適宜使用できる。例えば、酸性基を有する樹脂に対する溶解度差を利用して造粒する方法、具体的には、酸性基を有する樹脂を溶剤に溶解し、酸性基を有する樹脂に対して貧溶媒中に滴下する方法、特に、酸性基を有する樹脂を溶剤に溶解し、水系連続相中で造粒する方法が極性基である酸性基が特異的に粒子表面に形成される点で好適である。この場合、必要に応じて水系連続相中に分散安定剤等の助剤を添加しても良い(コアセルベーション法)。なお、樹脂中又は該樹脂含有の分散液中には、着色剤の他、必要に応じて、分散剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤など各種添加剤を均一に溶解、分散するようにしても良い。
上記樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、メラミン系樹脂等の合成樹脂、ゼラチン、カゼイン、セルロースデンプンなどの天然樹脂、あるいはこれらの共重合樹脂等で、樹脂中に、活性水素基含有の酸性基としてカルボキシル基、スルホン酸基、フエノール性水酸基、メチロール基或いはそれらの塩が導入された樹脂であればいずれも適用できる。また、これら樹脂は使用目的に応じて架橋構造を形成したものとしてもよい。
更に、粒子の表面に酸性基を導入する方法には、重合法がある。重合法は、重合性単量体又は重合前駆体(オリゴマー等)に、又はこれらを分散してなる分散液媒体に、重合開始剤と、必要に応じて着色剤、及び架橋剤等の各種添加剤とともに均一に溶解、あるいは分散させた重合性組成物を調整し、昇温して重合することにより、所望の粒径を有する微粒子を得ることができる。また、必要に応じて、連鎖移動剤、ワックス、及び帯電制御剤等の各種添加剤等を添加してもよい。重合法は上記コアセルベーション法と比較して、粒径分布の狭い粒子が得られることより、より均一性を要求される用途には好適に使用される。
上記粒子の粒径分布は、製造される本発明の静電荷現像用トナー粒子の粒径分布に反映されることから、単分散性の高いものが好ましく、相対標準偏差(CV値)として30%以下であることが好ましい。相対標準偏差(CV値)が30%を超えると上記粒子から製造される静電荷現像用トナー粒子の粒径分布が広がり、粒径の不均一性より生じる粒子の特性が著しく損なわれ、例えば、帯電性等の静電的特性に差が生じ問題となる。
上記相対標準偏差(CV値)は下記数式(1)により算定される。
Figure 0005079598
(式中、sdは粒子径の標準偏差を、mは平均径である。)
なお、上記sd、及びmは、粒径アナライザー(FPAR−1000:大塚電子社製)による動的光散乱法により得られる数値である。
上記酸性基を有する着色粒子の製法は、いかなる製法によって得られたものでも使用でき、例えば、粉砕法で得られた着色粒子、分散安定剤の存在下、水系媒体中で析出させることで得られた着色粒子、或いは重合法などの湿式法により得られた着色粒子等を使用することができるが、中でも得られた粒子の均一性が最も優れた重合法が好ましい。
上記酸性基を有する着色粒子を得るための重合方法は、分散重合でも、懸濁、乳化重合でも適宜利用できるが、表面に酸性基を有する着色粒子の製法としては、水系媒体中の重合が好ましく、平均粒子径が0.3〜5μmの着色粒子の製法としては、水系媒体中の分散重合が更に好ましい。
上記水系媒体とは、親水性有機溶媒の水溶液を意味する。また、親水性有機溶媒とは、20℃における水への溶解度が2%以上の有機溶媒を意味する。親水性有機溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、変性エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−アミルアルコール、3−ペンタノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテルアルコール類、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類、ピリジン、ジメチルホルムアミド等の窒素原子含有の有機溶媒などが挙げられる。これらの有機溶媒は一種もしくは二種以上の混合物を用いることができる。中でも、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の、低級アルコールがより好ましい。これら親水性有機溶媒と水との混合溶媒により、重合安定性を維持しながら、粒子径、及び粒径分布を制御することができる。水系媒体を調整する際の親水性有機溶媒と水との混合比率は、重量比99:1〜5:95が好ましい。親水性有機溶媒の割合が99を超えると生成する重合体の合着が起こることがあり、5未満では、分散安定性が低下し粒子径、及び粒径分布を制御できなくなる場合がある。また、上記親水性有機溶媒位以外の、有機溶媒を粒子径、粒径分布、及び分散安定性の制御のために、生成重合体が溶解しない範囲内で併用することができる。これら併用する有機溶媒としては、ヘキサン、オクタン、デカン、ヘキサデカン、シクロヘキサン、石油エーテル、トルエン、キシレン等の炭化水素類、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラブロムエタン等のハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類等が挙げられる。更に、SO 2−、PO 3−,Cl,Na,K,Mg2+,Ca2+,等の無機イオンが存在した状態で、或いは水系媒体はpH調整された状態で、重合を行っても良い。
次に水系媒体中での分散重合法を採用するに際して詳しくは、所定の重合性単量体、着色剤、及び重合開始剤を水系媒体に逐次添加、分散し、加熱により重合を進行させる。複数の重合性単量体は物別に加えても良いし、予め複数の重合性単量体を混合しておいて添加しても良い。また、重合性単量体はそのまま添加しても良いし、予め水や界面活性剤等と混合、調整した乳化液として添加することもできる。重合温度及び重合時間は、重合反応が起こる範囲で適宜設定することができる。
先ず、重合の必須成分であるラジカル重合性単量体としては、特に限定されるものではない。例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン誘導体、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピロン酸ビニル等のビニルエステル類、アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、エチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル誘導体、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体、4−ビニルピリジン等のビニルピリジン誘導体が挙げられる。
これらの中で特に、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、4−ビニルピリジン等のアミノ基を有する単量体、及びそれらの塩は、正帯電性を有する静電荷現像用トナーの製造には、電荷制御能を有する単量体として重要である。また、単量体による帯電性の制御方法が、後述する電荷制御剤による帯電性の制御方法より、静電荷現像用トナーの電気抵抗に与える影響が少なく、帯電の安定性の点でより優れた方法である。
上記所望の粒子の作製に適用する必須成分である酸性基としては、カルボキシル基、燐酸基、スルホン酸基、芳香族性ヒドロキシ基、メチロール基等があり(活性水素基を含有しない酸性基、例えばニトロ基やニトロソ基、酸無水基等の基は、本発明でいう「酸性基」に該当しない)、中でもカルボキシル基、或いはスルホン酸基が好ましい。これら酸性基を有する単量体としては、例えば、4−ビニル安息香酸、3−ビニル安息香酸、4−スチレンスルホン酸などのスチレン誘導体、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、イタコン酸モノブチルエステル、マレイン酸、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノブチルエステル、2−カルボキシルエチル(メタ)アクリレート、コハク酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)エステル、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタクリロイルオキシ)エチルスルホン酸、等の(メタ)アクリル酸系誘導体が挙げられる。
上記酸性基を有する単量体の配合量は、上記単量体と併せた総単量体100重量部に対して1〜30重量部とすることが好適である。
作製粒子の酸価としては7〜200(mgKOH/g)なる範囲内が好ましい。酸価が7以下であると、次工程でのエポキシ変性シリコーンによる化学修飾において反応が制限され、トナー粒子表面のシリコーン基の機能が充分に発揮されず、良好な分散性・分散安定性が得られず、酸価が200以上であると、殆ど特性の向上が見られず、トナー粒子表面のシリコーン基の機能が飽和に達しているものと思われる。更に、酸価としては、7〜200(mgKOH/g)なる範囲内では、粒子作成時の分散安定性が向上し、分散剤、或いは分散安定剤の使用量を低減することができ(自己分散型)、結果的に、単分散性が高い粒子が作成でき、更に洗浄回数の低減など操作面、及び環境面でも有利である。従って、上記酸性基を有する単量体は、酸価が、7〜200(mgKOH/g)の範囲内のなるように配合されることが更に好ましい。
これら単量体は、単独で用いてもよく、2種以上併用しても良い。また、必要に応じて、単量体中ビニル基を2個以上含有する架橋性単量体を含有してもよい。ビニル基を2個以上含有する架橋性単量体としては特に限定されず、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジビニルナフタレン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタジエングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記架橋性単量体は単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
重合組成物には樹脂の重合度を制御し、軟化点や分子量等の物性を調節するために連鎖移動剤を添加することができる。連鎖移動剤としては、ラジカル重合反応で一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることが可能であり、特に限定されるものではない。例えば、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン、及びスチレンダイマー等が挙げられる。
上記表面に酸性基を有する粒子の作製に用いるラジカル重合開始剤について説明する。
ラジカル重合開始剤は、特に限定されず、従来公知のものを適用できる。
例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、オキソクロロ過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサニエート、ジ−t−ブチルパ−オキサイド等の過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2‘−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドリキシエチル)プロピオンアミド]、ジメチル2,2‘−アゾビスイソブチレート、2,2’アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルビキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ系化合物が挙げられる。中でも、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2‘−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系油溶性重合開始剤が好適に使用される。上記ラジカル重合開始剤は、必要に応じて還元剤と組み合わせたレドックス系開始剤として使用してもよい。レドックス開始剤を用いることで、重合活性が上昇し重合温度の低下が図れ、更に重合時間の短縮が期待できる。また、上記ラジカル重合開始剤の配合量は、重合性単量体100重量部に対して0.1〜10重量部とすることが好適である。
次に、上記酸性基を有する粒子の作製に用いる添加剤について説明する。
酸性基を有する微粒子を作製する際には、必要に応じて、界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては特に限定されるものではないが、下記のイオン性及びノニオン性界面活性剤が好適に用いられる。
イオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、等のスルホン酸塩、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム、等の硫酸エステル、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等の脂肪酸塩などが挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリエチレンオキシド、ポリポロピレンオキシド、ポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドの組み合わせ、ポリエチレングリコールの高級脂肪酸エステル、ポリプロピレンオキシドの高級脂肪酸エステル、アルキルフェノールポリエチレンオキシド、アルキルフェノールポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシドアルキルエーテル、ポリプロピレンオキシドアルキルエーテルグリコール、ソルビタンエステルなどが挙げられる。
界面活性剤の配合量は、総単量体100重量部に対して、0.1〜5重量部とすることが好適である。
更に、必要に応じて、分散安定剤を添加してもよい。分散安定剤としては、例えば、部分鹸化されたポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸−ポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、ゼラチン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩等の高分子分散安定剤、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、ベントナイト等の無機分散安定剤が挙げられる。分散安定剤の配合量は、総単量体100重量部に対して0.1〜5重量部とすることが好適である。
また、これら界面活性剤、或いは分散安定剤は、必要に応じてpH調整を行い使用することもできる。pH調整は、弱塩基性あるいは弱酸性の化合物が好ましい。これらの処理により界面活性剤、或いは分散安定剤を塩構造を有する親水性官能基とし、分散、或いは分散安定機能を有効に引き出すことができる。
なお、上記の他、必須成分として着色剤が添加される。着色剤微粒子分散液は、着色剤を水系媒体中、あるいは溶剤系媒体中に分散することにより調整することができる。着色剤の分散処理は、水中の場合は、界面活性剤、或いは分散安定剤が使用でき、これらを単独、或いは適当な組成で混合して使用すればよい。溶剤系では着色剤と充分に湿潤する溶剤を選択し、必要に応じ界面活性剤、或いは分散安定剤も使用される。用いられる溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。着色剤の分散処理に使用する分散機は特に限定されないが、好ましくは超音波分散機、機械的ホモジナイザーや圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダー、ダイヤモンドファインミル、ビーズミル等の媒体型分散機が挙げられる。
着色剤としては、各種の顔料及び染料を挙げることができる。
有機顔料としては、従来公知の顔料が使用可能できる。どのような顔料でも使用することができるが好適な有機顔料としては、例えば、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、銅フタロシアニン、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1,C.I.ピグメント・レッド122,C.I.ピグメント・レッド57:1,C.I.ピグメント・レッド184,C.I.ピグメント・イエロー97,C.I.ピグメント・イエロー12,C.I.ピグメント・イエロー17,C.I.ソルベント・イエロー162,C.I.ピグメント・イエロー180,C.I.ピグメント・イエロー185,C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を挙げることができる。
無機顔料としては、従来公知の顔料が使用可能できる。どのような顔料でも使用することができるが好適な無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、ベンガラ、フェライト、マグネタイト等が挙げられる。
これらの着色剤は所望に応じて、単独又は複数を選択併用することが可能である。
また、これらの着色剤を予め樹脂によって被覆された、いわゆる加工着色剤を使用することができ、具体的には、着色剤と樹脂を二本ロール等で加熱下に混練したカラーチップ(太平化学、大成化工製等)と呼ばれるものや、マイクロリス(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製)、といった市販の加工着色剤を使用することができる。また、加工着色剤は、着色剤を樹脂溶液に分散し、ここに貧溶媒を加えて樹脂を着色剤表面に析出させるコアセルベーション法等、公知のいかなる方法によって得られたものを使用することができる。
着色剤の使用量は、表面に酸性基を有する粒子中において樹脂成分100重量部に対する含有量が2〜50重量部、好ましくは5〜30重量部となるような量が好適である。
本発明に係わる表面に酸性基を有する粒子の体積平均粒径は、0.3〜5μmで粒径分布の揃った樹脂粒子であることが好ましい。また本発明に係わる粒子のガラス転移点(Tg)は特に制限されないが、好ましくは−10〜120℃の範囲である。また本発明に係わる樹脂粒子の分子量は特に制限されないが、好ましくは質量平均分子量で2000〜1000000である。
次に、上記酸性基を有する粒子を製造する方法としては特に限定されず、その製造条件は、使用する着色剤、使用する樹脂(或いは重合性単量体)、使用する分散剤(或いは分散安定剤)等に応じて設定すればよい。例えば、水系媒体中の分散重合では、必要に応じて分散剤、或いは分散安定剤が添加された水系媒体中に、上記の着色剤、重合性単量体を適宜加えて、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機等の分散機によって均一に溶解又は分散させ、重合開始剤を添加し、窒素気流下で、適切な温度に昇温・重合反応を行う。重合開始剤の添加時期としては、重合性単量体中に添加、或いは水系媒体中に溶解・分散前、或いは後に添加、できる。
重合終了後、室温まで冷却後、酸性基を有する粒子に対して、公知の方法によって濾過、洗浄、乾燥を行うことにより、着色剤含有の、酸性基を有する粒子を製造することができる。
次に、静電荷現像用トナーの作製方法について説明する。
静電現像用トナー粒子は、上述したような表面に酸性基を有する着色粒子を、エポキシ変性シリコーンを用いて化学修飾することにより得られる。化学修飾は、主に着色粒子の表面上の酸性基とエポキシ基の化学反応によるもので、シリコーン基を着色粒子の表面にエステル基を介して直接結合させることにより、このシリコーンオイルが着色粒子を被覆し、静電荷現像用トナー粒子間の凝集、融着等を生じることなく、静電荷現像用トナー粒子が良好な分散性、及び長期に亘る分散安定性を達成することができる。
静電荷現像用トナー粒子は、表面に酸性基を有する着色粒子とエポキシ変性シリコーンを有機溶媒中で処理することにより製造できる。
使用する有機溶媒は、酸性基を有する着色粒子を溶解することなく、エポキシ変性シリコーンオイルを溶解、或いは一部溶解できる有機溶媒であれば、いかなる有機溶媒でも使用できるが、ハイドロカーボン、或いはシリコーンオイルなど反応不活性有機溶媒を好適に使用することができる。
更に、液体現像用トナー粒子を製造する場合は、反応不活性有機溶媒の中でも、特に電気絶縁性液体を使用し、表面に酸性基を有する着色粒子をエポキシ変性シリコーンで処理後、液体現像用トナーとして使用することもできる。これは、酸性基とエポキシ基の反応は、結果的にエステル基、及びアルコール性のOH基が生成するのみで、静電荷現像用トナーの電気抵抗に与える影響が非常に少ないためであると考えている。
この電気絶縁性液体は、高純度石油、或いはシリコーンオイル等で具体的な市販品としては、前記高純度石油では、例えば、アイソパーG,H,L,M(エクソン化学社製)やノルパー12(エクソン化学社製)等が挙げられ、前記シリコーンオイルでは、例えば、SH−200シリーズ(東レ・ダウコーニング社製)、KF−96シリーズ(信越化学社製)、L−45シリーズ(日本ユニカー社製)、及びAKシリーズ(旭化成ワッカーシリコーン社製)等が挙げられる。更に、これら電気絶縁性液体中、特にシリコーンオイルが好適に使用できる。
更に、エポキシ変性シリコーンとしては、例えば、下記式(2)に示す分子構造を有してなり、
Figure 0005079598

(式中、Xはエポキシ基、グリシジル基、エポキシシクロヘキサン基等のエポキシ基、lは0又は1、Yはメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン等の直鎖、或いは分岐のアルキレン連結基、Zは直鎖又は分岐シロキシル基を示す。シロキシル基に対して、置換位置としては、片末端、両末端、側鎖、及び側鎖両末端があり、特に制限されないが、中でも片末端(m=1)が好ましい。Zで示されるシロキシル基の好ましい構造は、ジメチルポリシロキサン骨格を有し、末端置換基に炭素数1〜炭素数6の低級アルキル基を有するものが更に好ましく、ジメチルシロキサンの重合度nは、1〜50,より好ましくは1〜16である。)
このエポキシ変性シリコーンの好適な具体例としては、(3−グリシドキシプロピル)ビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン[アヅマックス(株)社製]、(3−グリシドキシプロピル)ペンタメチルジシロキサン[アヅマックス(株)社製]等の低分子量エポキシ変性シリコーン、MCR−E11[アヅマックス(株)社製]、MCR−E21[アヅマックス(株)社製]、X−22−173DX[信越化学(株)社製]、FZ−3720[東レダウコーニング(株)社製]、BY16−839[東レダウコーニング(株)社製]、SF8411[東レダウコーニング(株)社製]等の高分子量エポキシ変性シリコーンを挙げることができる。
次に、静電荷現像用トナーの作製は、基本的には、着色粒子中の表面酸性基とエポキシ変性シリコーン中のエポキシ基が有機溶媒中で衝突することで酸性基のエステル化(反応)が進み、処理(反応)初期では表面に酸性基を有する着色粒子は凝集状態にあり、処理(反応)が進むにつれて有機溶媒との相溶性が増加し、処理(反応)後期では凝集状態の殆どが一次粒子分散状態に進行するものと考えられる。従って、本処理は好ましくは攪拌下で行われ、更に好ましくは超音波分散機、機械的ホモジナイザーや圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダー、ダイアモンドファインミル、ビーズミル等の媒体型分散機、中でも分散効率の優れる超音波分散機を好適に使用することができる。更に本処理は必要に応じて過熱化で行うこともでき、室温より80℃、好ましくは室温より50℃である。
前記エポキシ変性シリコーンは、前記表面に酸性基を有する着色粒子の酸価に対して、0.01〜5当量添加して化学修飾することが好ましい。
更に、本発明の静電荷現像用トナー粒子を乾式現像用トナーに使用する場合は、本処理後、従来公知の方法により、有機溶媒を留去、或いは濾過することによりトナー粒子を分取、乾燥することにより、乾式現像用トナー粒子を得ることができる。
(液体現像用トナーへの応用)
本発明の静電荷現像用トナー粒子を液体現像用トナーに応用する場合、液体現像用トナーに対し、トナー粒子の含有量としては、0.5〜50重量%が好ましく、1〜30重量%がより好ましい。静電荷現像用トナー粒子の含有量が0.5重量%未満であると、着色力に乏しく、印刷画像において充分な画像濃度が得られなくなることがある。一方、50重量%を超えると、液体現像剤の粘度が高くなり、印刷装置における液体現像用トナーの搬送性、延伸性に劣るため、良好な印刷画像が得られなくなることがある。
トナー粒子の平均粒径(重量平均粒径)としては、0.3〜5μmであることが好ましい。5μmより大きなトナー粒子は、画質低下を生じるだけでなく、静置しておくと沈降しやすく、トナー粒子の凝集を招く恐れがある。また、0.3μm以下では、凝集力が増加し、取り扱いが困難となる。
転写剤に定着させるための結着樹脂としては、表面に酸性基を有する着色粒子製造時の重合性単量体の組成比で制御され、ガラス転移温度、軟化温度、分子量等において特に制限はないが、画像形成の際、転写剤上に好適に画像を定着可能な樹脂組成に設計することが好ましい。
トナー粒子に含まれるその他の成分としては、ワックス、電荷制御剤等が挙げられる。
ワックスとしては、特に制限はなく公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、パラフィン系ワックス、ポリエチレン系ワックス、ポリプロピレン系ワックス、ポリエステル系ワックス、アルコール系ワックス、ウレタン系ワックス等が挙げられる。これらのワックスは、一種単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。
電荷制御剤としては、特に制限はなく公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、フッ素系界面活性剤、サリチル酸金属錯体、アゾ系化合物等の含金属色素、四級アンモニウム塩、ニグロシン等のアジン色素等が挙げられる。これらは一種単独で使用しても良く、二種以上を併用しても良い。
また、磁性体としては、特に制限はなく公知のものの中から適宜選択でき、例えば、金属、合金、金属化合物、フェライトなどを挙げることができる。この内、金属としては、例えば、鉄、コバルト、ニッケル等が挙げられ、合金としては、前記金属の合金などが挙げられ、金属化合物としては、例えば、Fe,γ−Fe,コバルト添加酸化物等が挙げられ、フェライトとしては、例えば、MnZnフェライト、NiZnフェライト等が挙げられる。これらは、一種単独で使用しても良く、二種以上を併用しても良い。
また、本発明の静電荷現像用トナーには、更に、必要に応じて公知の添加剤を加えてもよい。例えば、分散剤、熱安定剤、防腐剤、表面張力調整剤、酸化防止剤、近赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、蛍光剤、蛍光増白剤等が挙げられる。
(効果)
本発明に係わる静電荷現像用トナーを液体現像用トナーに応用する場合、電荷制御機能を重合性単量体レベルで制御することで、移動度等、電気泳動に係わる基本特性の安定性を高め、更に、着色粒子表面に有するシロキシル基により、トナー粒子の分散性・再分散性に優れ、搬送時に流動性が良好で、保存安定性が高く、長期に亘って安定して高品位な画像を形成可能な特性を有している。
本発明に係わる静電荷現像用トナーは、非常に簡便な方法で製造することができる。このため、トナー特性が安定し、良好な品質の印刷像を信頼性高く製造することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
先ず、静電荷現像用トナーの評価に用いる方法と装置を下記に示す。
<表面に酸性基を有する着色粒子の粒径、及び相対標準偏差(CV値)>
・測定装置:粒径アナライザーFPAR-1000(大塚電子(株)社製)
・試料:1.0重量%水溶液で測定した。
<静電荷現像用トナー粒子のゼータ電位>
・測定装置:ELS−8000(大塚電子(株)社製)を用いて、電界強度500V/cmで測定した。
次に、下記の〔合成例〕のそれぞれにおいて、表面に酸性基を有する着色粒子を作製する。
〔合成例1〕
分散剤としてポリアクリル酸(5.0重量部)<和光純薬製、MW.5000>、フタロシアニンブルー(C.I.ピグメントブルー15:3)(10重量部)、1N−水酸化カリウム(69.38重量部)、及びイオン交換水20.6重量部をメディア式湿式粉砕器を用い、10重量%のフタロシアニンブルー分散液を得た。
他方、リン酸二水素カリウム(0.082重量部)、1N−水酸化カリウム(24.74重量部)、エタノール(50重量部)、及びイオン交換水(8.26重量部)をホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタックスT25)で高速攪拌下(8000rpm)で、カルボキシル基を有する単量体であるメタクリル酸(2.08重量部)、重合性単量体であるメチルメタクリレート(19.29重量部)、アミノ基を有する単量体である4-ビニルピリジン(5.06重量部)を投入し、更に前記10重量%のフタロシアニンブルー分散液(30重量部)を添加し10分間高速攪拌下混合し反応液を得た。
続いて、予め用意しておいた温度計と窒素導入管とを装着した500mlのセパラブルフラスコに、上記反応液、及び、油溶性重合開始剤(和光純薬社製、商品名「V−59」=2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル))(0.51重量部)のエタノール(10重量部)溶液を投入し、更に、窒素気流下で攪拌を行いながら、68℃に昇温した。更に6時間反応を行い、その後、放冷し、2N−硫酸にて酸性化(pH=5)後、濾過し、水洗処理を2回行い、乾燥処理を行うことにより、表面にカルボキシル基を有する着色粒子(A)が23.68重量部得られた。
この粒子の粒度分布測定を行ったところ、平均粒径:0.6μmであり、その相対標準偏差(CV値)は24%であった。
〔合成例2〕
リン酸二水素カリウム(0.082重量部)、1N−水酸化カリウム(14.25重量部)、エタノール(26重量部)、及びイオン交換水(69.75重量部)をホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタックスT25)で高速攪拌下(8000rpm)で、カルボキシル基を有する単量体であるメタクリル酸(1.07重量部)、重合性単量体であるメチルメタクリレート(21.23重量部)、アミノ基を有する単量体である2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(3.70重量部)を投入し、更に加工着色剤であるマイクロリス(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名[Blue4G−WA])(5.0重量部)を添加し、30分間高速攪拌下混合し反応液を得た。
続いて、予め用意しておいた温度計と窒素導入管とを装着した500mlのセパラブルフラスコに、上記反応液、及び、油溶性重合開始剤(和光純薬社製、商品名「V−65」=2,2’−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル))(0.62重量部)のエタノール(10重量部)溶液を投入し、更に、窒素気流下で攪拌を行いながら、58℃に昇温した。更に6時間反応を行い、その後、放冷し、2N−硫酸にて酸性化(pH=5)後、濾過し、水洗処理を2回行い、乾燥処理を行うことにより、表面にカルボキシル基を有する着色粒子(B)が25.24重量部得られた。
この粒子の粒度分布測定を行ったところ、平均粒径:1.1μmであり、その相対標準偏差(CV値)は29%であった。
次に、上記〔合成例〕で得られた表面にカルボキシル基を有する着色粒子に対してエポキシ変性シリコーン処理を行った。
〔合成例3〕
リン酸二水素カリウム(0.082重量部)、1N−水酸化カリウム(13.57重量部)、メタノール(72重量部)、及びイオン交換水(74.43重量部)をホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタックスT25)で高速攪拌下(8000rpm)で、スルホン酸基を有する単量体である2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(2.43重量部)を添加、更に加工着色剤であるマイクロリス(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名[Blue4G−WA])(5.0重量部)を添加、更に重合性単量体であるメチルメタクリレート(20.07重量部)、アミノ基を有する単量体であるN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリリルアミド(3.50重量部)、及び油溶性重合開始剤(和光純薬社製、商品名「V−65」=2,2’−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル))(0.58重量部)よりなる溶液を添加し、30分間高速攪拌下混合し反応液を得た。
続いて、予め用意しておいた温度計と窒素導入管とを装着した500mlのセパラブルフラスコに、上記反応液を加え、更に、窒素気流下で攪拌を行いながら、58℃に昇温した。更に6時間反応を行い、その後、放冷し、2N−硫酸にて酸性化(pH=5)後、濾過し、水洗処理を2回行い、乾燥処理を行うことにより、表面にカルボキシル基を有する着色粒子(C)が26.84重量部得られた。
この粒子の粒度分布測定を行ったところ、平均粒径:2.2μmであり、その相対標準偏差(CV値)は15%であった。
〔実施例1〕
200mlのビーカーに、合成例2で得られた表面にカルボキシル基を有する着色粒子(B)(10重量部)、シリコーンオイル[東レダウコーニング(株)社製、SH200−2mm2/s](86.18重量部)、及びエポキシ変性シリコーンオイル[信越化学(株)社製、X−22−173DX](3.83重量部)を加え、超音波分散機(出力:130W、周波数:20kHz、パルサー方式)で、2時間処理し、液体現像用トナー(I)を得た。この着色粒子分散液は、平均粒径:1.3μm、相対偏差値(CV値):25%、ゼータ電位:46mVであった。また、この分散液を20日間の保存試験をしたところ、平均粒径:1.2μm、で凝集も起こらず、またゼータ電位も43mVと殆ど変化せず、非常に優れた保存安定性を示した。
〔実施例2〕
200mlのビーカーに、合成例1で得られた表面にカルボキシル基を有する着色粒子(A)(10重量部)、シリコーンオイル[東レダウコーニング(株)社製、SH200−2mm/s](87.47重量部)、及びエポキシ変性シリコーンオイル[アヅマックス(株)社製、MCR-E11](2.53重量部)を加え、超音波分散機(出力:130W、周波数:20kHz、パルサー方式)で、2時間処理し、液体現像用トナー(II)を得た。この着色粒子分散液は、平均粒径:0.7μm、相対偏差値(CV値):23%、ゼータ電位:+70mVであった。また、この分散液を20日間の保存試験をしたところ、平均粒径:0.7μm、で凝集も起こらず、またゼータ電位も68mVと殆ど変化せず、非常に優れた保存安定性を示した。
〔実施例3〕
200mlのビーカーに、合成例3で得られた表面にスルホン酸基を有する着色粒子(C)(10重量部)、シリコーンオイル[東レダウコーニング(株)社製、SH200−2mm2/s](86.18重量部)、及びエポキシ変性シリコーンオイル[信越化学(株)社製、X−22−173DX](4.35重量部)を加え、超音波分散機(出力:130W、周波数:20kHz、パルサー方式)で、2時間処理し、液体現像用トナー(III)を得た。この着色粒子分散液は、平均粒径:2.4μm、相対偏差値(CV値):15%、ゼータ電位:+110mVであった。また、この分散液を20日間の保存試験をしたところ、平均粒径:2.4μm、で凝集も起こらず、またゼータ電位も+110mVと殆ど変化せず、非常に優れた保存安定性を示した。
〔比較例1〕(コアセルベーション方法による液体現像用トナーの作成)
温度計と環流冷却器とを装着した容器に、分岐鎖脂肪族炭化水素アイソパーG(エッソ石油製:80重量部)、トルエン(48重量部)、エタノール(30重量部)を投入し、更にエチレン・酢酸ビニル共重合体の部分ケン化物デュミランC−2280(武田薬品工業製:6.67重量部)、フタロシアニンブルー(C.I.ピグメントブルー15:3)(1.33重量部)、及びリン酸エステル系界面活性剤プライサーフAL(第一工業製薬製:0.8重量部)を加えて70℃で3時間加熱下高速攪拌し、フタロシアニンブルーの分散液を作成した。このフタロシアニンブルーの分散液を、弱攪拌下で30℃まで徐冷し、更に、減圧下でトルエン、及びエタノールを留去し、着色樹脂粒子を析出させ、更に電荷制御剤としてナフテン酸ジルコニウムを加えて(固形分濃度:10重量%)、液体現像用トナー(IV)を得た。この着色粒子分散液は、平均粒径:2.7μm、相対偏差値(CV値):320%、ゼータ電位:+84mVであった。また、この分散液を20日間の保存試験をしたところ、凝集し、再分散したが、分散が悪く、粒径測定では大粒径側に凝集体と思われるピークが大きく観測され、ゼータ電位:+27mVと低下していた。
〔比較例2〕
実施例1において、シリコーンオイル[東レダウコーニング(株)社製、SH200−2mm/s](82.35重量部)、ポリエーテル変性シリコーンオイル[信越化学(株)社製、KF−945](7.66重量部)に代えた以外は実施例1同様に超音波処理した。ポリエーテル変性シリコーンオイルは、実施例1で使用したエポキシ変性シリコーンオイルの2倍重量濃度にしたにもかかわらず、殆ど分散されず、粒径を測定することもできなかった。
〔応用例1〕
実施例1、実施例2、実施例3、及び比較例1で得られた着色粒子分散液を以下に示す装置により、電気泳動を確認した。
電気泳動装置について説明する。電気泳動の評価は、図1に示す高速度カメラ撮影装置(9)を用いて行う。まず、ガラス基板(9d)上にITO膜(9c)を100μm間隔をあけて100nm蒸着し、その上に25μm厚のガラス板(9h)を100μm間隔で接着し液溜を設ける。次に、液溜に上記表面機能性部材の分散液(9g)を注入し、ITO電極間に1000Vの電圧を印加した時に液滴が泳動される様子を高速度カメラ(9a)にて上方から観察し、電気泳動の評価を行う。その結果、実施例1,実施例2、及び実施例3共に、速い泳動を確認し、更に電解(極性)に対しても正確に対応していることを確認した。しかし比較例1では、全体に分布を持った泳動が見られ、一部逆極性の泳動粒子も観察された。
〔応用例2〕<非接触型液体現像装置による画像評価>
画像評価は、図2に示した構造をした画像形成実験装置に、実施例3の液体現像用トナーIII、及び比較例1の液体現像用トナーIVをセットし印字試験を行った。
本発明では、現像バイアスを1000V,900V,800Vの3種の条件で、転写バイアス−1000Vに統一した現像条件で、PPC用紙に出力し画像を目視で判断した。
評価結果を表1に示す。
Figure 0005079598
本発明の液体現像剤は、驚くべきことに、非常に低い現像バイアス条件でも、鮮明な画像を得ることが出ることが判明した。この効果の説明として、本発明の液体現像剤が粒径分布の狭い均質なトナー粒子であること、及びエポキシ変性シリコーンによる化学修飾により分散性・分散安定性が大きく改善されたことの相乗効果により実現されたと考えられる。更に、この大きな効果の説明として、理由は現時点では定かでないが次のように推測される。均質なトナー粒子に電場を加えることにより、ランダムに分散していた粒子が誘電分極により電場方向に配列し電極方向に鎖状構造が形成され、この鎖状構造により電界の集中がなされ、低い現像バイアス条件でも鮮明な画像が得られたものと推測される。この鎖状構造形成には、トナー粒子の均質性と、良好な分散性(流動性)が関与しているものと考えている。
本発明の応用例で用いる電気泳動装置を示した図である。 本発明の応用例の画像評価で用いる画像形成実験装置を示した図である。
符号の説明
9 カメラ撮影装置
9a 高速度カメラ
9b モニタ
9c ITO膜
9d ガラス基板
9f スイッチ
9g 分散液
9h ガラス板
9j 直流電源

Claims (6)

  1. 電気絶縁性液体中にトナー粒子を含有する液体現像剤であって、前記トナー粒子は、少なくとも結着樹脂と着色剤を含み、表面に酸性基を有する着色粒子を、エポキシ変性シリコーンを用いて化学修飾してなるものであり、かつ粒径分布の相対標準偏差(CV値)が30%以下であることを特徴とする液体現像剤
  2. 前記酸性基が、カルボキシル基、或いはスルホン酸基である請求項1に記載の液体現像剤
  3. 前記着色粒子の平均粒子径が0.3〜5μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の液体現像剤
  4. 電気絶縁性液体中にトナー粒子を含有する液体現像剤の製造方法であって、少なくとも結着樹脂と着色剤を含み、粒径分布の相対標準偏差(CV値)が30%以下であり、かつ表面に酸性基を有する着色粒子と、エポキシ変性シリコーンとを、少なくとも含む電気絶縁性液体中で、超音波分散下、該着色粒子表面を該エポキシ変性シリコーンで化学修飾することを特徴とする液体現像剤の製造方法。
  5. 電気絶縁性液体は、25℃における動粘度が2〜100mm/sの範囲のシリコーンオイルであることを特徴とする請求項に記載の液体現像剤の製造方法。
  6. 表面に酸性基を有する着色粒子は、重合法により製造することを特徴とする請求項またはに記載の液体現像剤の製造方法。
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