JP5079598B2 - 静電荷現像用トナー、及びその製造方法 - Google Patents
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Description
静電荷現像用トナーは、顔料等の着色剤及び結着樹脂を含む材料で構成されるトナー粒子を乾式状態で用いる乾式現像用トナーと、トナー粒子を電気絶縁性液体に分散した液体現像用トナーとに大別される。
乾式現像用トナーは、固体状態のトナーを取り扱うので、取り扱い上の有利さより、現在、静電荷現像用トナーの主流を占めている。高解像度且つ高画質な画像を得るためには、先ず、感光体に形成された静電潜像の電荷密度に応じた量のトナーを付着させるための適切な帯電性及び温度や湿度などの環境変化による画像劣化防止の観点から帯電性の環境安定性に問題があり、且つ乾式現像用トナーでは保存時等におけるトナー粒子の凝集が起こりやすくトナー粒子を分散した際の均一性等に問題があった。またこれらの特性は、高解像度を目指し、トナー粒子径を比較的小さくした場合には、上述したような粉体であることによる問題が更に顕著なものとなる。
すなわち、湿式粉砕法では、トナー粒子を十分小さな大きさに粉砕するのが困難であり、トナー粒子の大きさを、十分に小さいものとするには、非常に長い時間、非常に大きな粉砕エネルギーを要し、液体現像剤の生産性が著しく低かった。また、上述したような方法では、トナー粒子の粒度分布が広くなり易い。その結果、各トナー粒子間での特性(例えば、帯電特性等)のバラツキが大きくなり易い。
また、重合法では、所望の大きさのトナー粒子、及びトナー粒子の粒度分布も比較的狭く作成できる。しかし、従来の重合法では、分散剤、未反応物等の不純物を取り除くことが不可能である。その結果、トナーの品質の安定性、信頼性は低いものになり易い。
更に上述したような従来方法では、トナー粒子の分散性の十分に高い液体現像用トナーを得るのが困難であった。トナー粒子の分散性が悪いと、長時間放置した場合、トナー粒子が沈降してしまい、トナー粒子の凝集等が生じてしまうという問題があった。また、このように一旦沈降して凝集等が生じてしまうと、再度攪拌して分散させようとしても(再分散性)分散しにくいものになってしまい、画像形成の際に、トナー粒子を均一に供給できなくなるという問題があった。
以上示したように、液体現像用トナーの利用に際し、各帯電性粒子間での特性(例えば、粒径、帯電特性等)の均一性、及び電気絶縁性液体中での帯電性粒子の分散性・再分散性、これらの改善が強く望まれている。
特許文献6の特開平9−3354号公報には、カルボキシル基を有するカーボンブラックに、ポリシロキサン構造部分とカルボキシル基に対して反応性があるエポキシ基、アニシジル基またはチオエポキシ基とを有する重合体をグラフト化してなる着色剤を含む着色剤組成物が記載されているが、これは、カーボンブラック自体のグラフト化を特徴とするもので、樹脂と着色剤からなる着色粒子をエポキシ変性シリコーンで変性してなるものとは基本的に異なる。
(2)「前記酸性基が、カルボキシル基、或いはスルホン酸基である前記第(1)項に記載の液体現像剤」、
(3)「前記着色粒子の平均粒子径が0.3〜5μmであることを特徴とする前記第(1)項または第(2)に記載の液体現像剤」、
(4)「電気絶縁性液体中にトナー粒子を含有する液体現像剤の製造方法であって、少なくとも結着樹脂と着色剤を含み、粒径分布の相対標準偏差(CV値)が30%以下であり、かつ表面に酸性基を有する着色粒子と、エポキシ変性シリコーンとを、少なくとも含む電気絶縁性液体中で、超音波分散下、該着色粒子表面を該エポキシ変性シリコーンで化学修飾することを特徴とする液体現像剤の製造方法」、
(5)「電気絶縁性液体は、25℃における動粘度が2〜100mm2/sの範囲のシリコーンオイルであることを特徴とする前記第(4)項に記載の液体現像剤の製造方法」、
(6)「表面に酸性基を有する着色粒子は、重合法により製造することを特徴とする前記第(4)項または第(5)項に記載の液体現像剤の製造方法」により達成される。
また、本発明の製造方法によれば、表面に酸性基を有する着色粒子、及びエポキシ変性シリコーンを有する電気絶縁性液体中で、超音波分散下で表面に酸性基を有する着色粒子を分散しながら反応処理を行うことで、非常に簡便に、しかも均一に着色粒にシリコーン基が直接結合・被覆された静電荷現像用トナー粒子を作製することができる。また、液体現像用トナー作製の場合は、上記電気絶縁性液体中で、そのままで使用することも可能である。更に、電気絶縁性液体がシリコーンオイルの場合、液体現像用トナーの分散性は飛躍的に向上する。
更に、本発明の静電荷現像用トナー粒子を、本処理後、有機溶媒を留去、或いは濾過することによりトナー粒子を分取、乾燥することにより、乾式現像用トナー粒子を得ることができる。
本発明の表面に酸性基を有する着色粒子の製造方法について説明する。
まず、着色粒子の表面に酸性基を導入する方法について説明する。酸性基の導入方法としては、従来公知の方法を適宜使用できる。例えば、酸性基を有する樹脂に対する溶解度差を利用して造粒する方法、具体的には、酸性基を有する樹脂を溶剤に溶解し、酸性基を有する樹脂に対して貧溶媒中に滴下する方法、特に、酸性基を有する樹脂を溶剤に溶解し、水系連続相中で造粒する方法が極性基である酸性基が特異的に粒子表面に形成される点で好適である。この場合、必要に応じて水系連続相中に分散安定剤等の助剤を添加しても良い(コアセルベーション法)。なお、樹脂中又は該樹脂含有の分散液中には、着色剤の他、必要に応じて、分散剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤など各種添加剤を均一に溶解、分散するようにしても良い。
上記相対標準偏差(CV値)は下記数式(1)により算定される。
上記酸性基を有する着色粒子を得るための重合方法は、分散重合でも、懸濁、乳化重合でも適宜利用できるが、表面に酸性基を有する着色粒子の製法としては、水系媒体中の重合が好ましく、平均粒子径が0.3〜5μmの着色粒子の製法としては、水系媒体中の分散重合が更に好ましい。
先ず、重合の必須成分であるラジカル重合性単量体としては、特に限定されるものではない。例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン誘導体、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピロン酸ビニル等のビニルエステル類、アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、エチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル誘導体、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体、4−ビニルピリジン等のビニルピリジン誘導体が挙げられる。
これらの中で特に、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、4−ビニルピリジン等のアミノ基を有する単量体、及びそれらの塩は、正帯電性を有する静電荷現像用トナーの製造には、電荷制御能を有する単量体として重要である。また、単量体による帯電性の制御方法が、後述する電荷制御剤による帯電性の制御方法より、静電荷現像用トナーの電気抵抗に与える影響が少なく、帯電の安定性の点でより優れた方法である。
上記酸性基を有する単量体の配合量は、上記単量体と併せた総単量体100重量部に対して1〜30重量部とすることが好適である。
作製粒子の酸価としては7〜200(mgKOH/g)なる範囲内が好ましい。酸価が7以下であると、次工程でのエポキシ変性シリコーンによる化学修飾において反応が制限され、トナー粒子表面のシリコーン基の機能が充分に発揮されず、良好な分散性・分散安定性が得られず、酸価が200以上であると、殆ど特性の向上が見られず、トナー粒子表面のシリコーン基の機能が飽和に達しているものと思われる。更に、酸価としては、7〜200(mgKOH/g)なる範囲内では、粒子作成時の分散安定性が向上し、分散剤、或いは分散安定剤の使用量を低減することができ(自己分散型)、結果的に、単分散性が高い粒子が作成でき、更に洗浄回数の低減など操作面、及び環境面でも有利である。従って、上記酸性基を有する単量体は、酸価が、7〜200(mgKOH/g)の範囲内のなるように配合されることが更に好ましい。
これら単量体は、単独で用いてもよく、2種以上併用しても良い。また、必要に応じて、単量体中ビニル基を2個以上含有する架橋性単量体を含有してもよい。ビニル基を2個以上含有する架橋性単量体としては特に限定されず、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジビニルナフタレン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタジエングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記架橋性単量体は単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
重合組成物には樹脂の重合度を制御し、軟化点や分子量等の物性を調節するために連鎖移動剤を添加することができる。連鎖移動剤としては、ラジカル重合反応で一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることが可能であり、特に限定されるものではない。例えば、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン、及びスチレンダイマー等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤は、特に限定されず、従来公知のものを適用できる。
例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、オキソクロロ過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサニエート、ジ−t−ブチルパ−オキサイド等の過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2‘−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドリキシエチル)プロピオンアミド]、ジメチル2,2‘−アゾビスイソブチレート、2,2’アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルビキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ系化合物が挙げられる。中でも、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2‘−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系油溶性重合開始剤が好適に使用される。上記ラジカル重合開始剤は、必要に応じて還元剤と組み合わせたレドックス系開始剤として使用してもよい。レドックス開始剤を用いることで、重合活性が上昇し重合温度の低下が図れ、更に重合時間の短縮が期待できる。また、上記ラジカル重合開始剤の配合量は、重合性単量体100重量部に対して0.1〜10重量部とすることが好適である。
酸性基を有する微粒子を作製する際には、必要に応じて、界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては特に限定されるものではないが、下記のイオン性及びノニオン性界面活性剤が好適に用いられる。
イオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、等のスルホン酸塩、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム、等の硫酸エステル、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等の脂肪酸塩などが挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリエチレンオキシド、ポリポロピレンオキシド、ポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドの組み合わせ、ポリエチレングリコールの高級脂肪酸エステル、ポリプロピレンオキシドの高級脂肪酸エステル、アルキルフェノールポリエチレンオキシド、アルキルフェノールポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシドアルキルエーテル、ポリプロピレンオキシドアルキルエーテルグリコール、ソルビタンエステルなどが挙げられる。
界面活性剤の配合量は、総単量体100重量部に対して、0.1〜5重量部とすることが好適である。
有機顔料としては、従来公知の顔料が使用可能できる。どのような顔料でも使用することができるが好適な有機顔料としては、例えば、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、銅フタロシアニン、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1,C.I.ピグメント・レッド122,C.I.ピグメント・レッド57:1,C.I.ピグメント・レッド184,C.I.ピグメント・イエロー97,C.I.ピグメント・イエロー12,C.I.ピグメント・イエロー17,C.I.ソルベント・イエロー162,C.I.ピグメント・イエロー180,C.I.ピグメント・イエロー185,C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を挙げることができる。
無機顔料としては、従来公知の顔料が使用可能できる。どのような顔料でも使用することができるが好適な無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、ベンガラ、フェライト、マグネタイト等が挙げられる。
これらの着色剤は所望に応じて、単独又は複数を選択併用することが可能である。
本発明に係わる表面に酸性基を有する粒子の体積平均粒径は、0.3〜5μmで粒径分布の揃った樹脂粒子であることが好ましい。また本発明に係わる粒子のガラス転移点(Tg)は特に制限されないが、好ましくは−10〜120℃の範囲である。また本発明に係わる樹脂粒子の分子量は特に制限されないが、好ましくは質量平均分子量で2000〜1000000である。
重合終了後、室温まで冷却後、酸性基を有する粒子に対して、公知の方法によって濾過、洗浄、乾燥を行うことにより、着色剤含有の、酸性基を有する粒子を製造することができる。
静電現像用トナー粒子は、上述したような表面に酸性基を有する着色粒子を、エポキシ変性シリコーンを用いて化学修飾することにより得られる。化学修飾は、主に着色粒子の表面上の酸性基とエポキシ基の化学反応によるもので、シリコーン基を着色粒子の表面にエステル基を介して直接結合させることにより、このシリコーンオイルが着色粒子を被覆し、静電荷現像用トナー粒子間の凝集、融着等を生じることなく、静電荷現像用トナー粒子が良好な分散性、及び長期に亘る分散安定性を達成することができる。
静電荷現像用トナー粒子は、表面に酸性基を有する着色粒子とエポキシ変性シリコーンを有機溶媒中で処理することにより製造できる。
使用する有機溶媒は、酸性基を有する着色粒子を溶解することなく、エポキシ変性シリコーンオイルを溶解、或いは一部溶解できる有機溶媒であれば、いかなる有機溶媒でも使用できるが、ハイドロカーボン、或いはシリコーンオイルなど反応不活性有機溶媒を好適に使用することができる。
更に、液体現像用トナー粒子を製造する場合は、反応不活性有機溶媒の中でも、特に電気絶縁性液体を使用し、表面に酸性基を有する着色粒子をエポキシ変性シリコーンで処理後、液体現像用トナーとして使用することもできる。これは、酸性基とエポキシ基の反応は、結果的にエステル基、及びアルコール性のOH基が生成するのみで、静電荷現像用トナーの電気抵抗に与える影響が非常に少ないためであると考えている。
この電気絶縁性液体は、高純度石油、或いはシリコーンオイル等で具体的な市販品としては、前記高純度石油では、例えば、アイソパーG,H,L,M(エクソン化学社製)やノルパー12(エクソン化学社製)等が挙げられ、前記シリコーンオイルでは、例えば、SH−200シリーズ(東レ・ダウコーニング社製)、KF−96シリーズ(信越化学社製)、L−45シリーズ(日本ユニカー社製)、及びAKシリーズ(旭化成ワッカーシリコーン社製)等が挙げられる。更に、これら電気絶縁性液体中、特にシリコーンオイルが好適に使用できる。
(式中、Xはエポキシ基、グリシジル基、エポキシシクロヘキサン基等のエポキシ基、lは0又は1、Yはメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン等の直鎖、或いは分岐のアルキレン連結基、Zは直鎖又は分岐シロキシル基を示す。シロキシル基に対して、置換位置としては、片末端、両末端、側鎖、及び側鎖両末端があり、特に制限されないが、中でも片末端(m=1)が好ましい。Zで示されるシロキシル基の好ましい構造は、ジメチルポリシロキサン骨格を有し、末端置換基に炭素数1〜炭素数6の低級アルキル基を有するものが更に好ましく、ジメチルシロキサンの重合度nは、1〜50,より好ましくは1〜16である。)
前記エポキシ変性シリコーンは、前記表面に酸性基を有する着色粒子の酸価に対して、0.01〜5当量添加して化学修飾することが好ましい。
更に、本発明の静電荷現像用トナー粒子を乾式現像用トナーに使用する場合は、本処理後、従来公知の方法により、有機溶媒を留去、或いは濾過することによりトナー粒子を分取、乾燥することにより、乾式現像用トナー粒子を得ることができる。
本発明の静電荷現像用トナー粒子を液体現像用トナーに応用する場合、液体現像用トナーに対し、トナー粒子の含有量としては、0.5〜50重量%が好ましく、1〜30重量%がより好ましい。静電荷現像用トナー粒子の含有量が0.5重量%未満であると、着色力に乏しく、印刷画像において充分な画像濃度が得られなくなることがある。一方、50重量%を超えると、液体現像剤の粘度が高くなり、印刷装置における液体現像用トナーの搬送性、延伸性に劣るため、良好な印刷画像が得られなくなることがある。
トナー粒子の平均粒径(重量平均粒径)としては、0.3〜5μmであることが好ましい。5μmより大きなトナー粒子は、画質低下を生じるだけでなく、静置しておくと沈降しやすく、トナー粒子の凝集を招く恐れがある。また、0.3μm以下では、凝集力が増加し、取り扱いが困難となる。
転写剤に定着させるための結着樹脂としては、表面に酸性基を有する着色粒子製造時の重合性単量体の組成比で制御され、ガラス転移温度、軟化温度、分子量等において特に制限はないが、画像形成の際、転写剤上に好適に画像を定着可能な樹脂組成に設計することが好ましい。
ワックスとしては、特に制限はなく公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、パラフィン系ワックス、ポリエチレン系ワックス、ポリプロピレン系ワックス、ポリエステル系ワックス、アルコール系ワックス、ウレタン系ワックス等が挙げられる。これらのワックスは、一種単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。
電荷制御剤としては、特に制限はなく公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、フッ素系界面活性剤、サリチル酸金属錯体、アゾ系化合物等の含金属色素、四級アンモニウム塩、ニグロシン等のアジン色素等が挙げられる。これらは一種単独で使用しても良く、二種以上を併用しても良い。
また、本発明の静電荷現像用トナーには、更に、必要に応じて公知の添加剤を加えてもよい。例えば、分散剤、熱安定剤、防腐剤、表面張力調整剤、酸化防止剤、近赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、蛍光剤、蛍光増白剤等が挙げられる。
本発明に係わる静電荷現像用トナーを液体現像用トナーに応用する場合、電荷制御機能を重合性単量体レベルで制御することで、移動度等、電気泳動に係わる基本特性の安定性を高め、更に、着色粒子表面に有するシロキシル基により、トナー粒子の分散性・再分散性に優れ、搬送時に流動性が良好で、保存安定性が高く、長期に亘って安定して高品位な画像を形成可能な特性を有している。
本発明に係わる静電荷現像用トナーは、非常に簡便な方法で製造することができる。このため、トナー特性が安定し、良好な品質の印刷像を信頼性高く製造することができる。
先ず、静電荷現像用トナーの評価に用いる方法と装置を下記に示す。
<表面に酸性基を有する着色粒子の粒径、及び相対標準偏差(CV値)>
・測定装置:粒径アナライザーFPAR-1000(大塚電子(株)社製)
・試料:1.0重量%水溶液で測定した。
<静電荷現像用トナー粒子のゼータ電位>
・測定装置:ELS−8000(大塚電子(株)社製)を用いて、電界強度500V/cmで測定した。
〔合成例1〕
分散剤としてポリアクリル酸(5.0重量部)<和光純薬製、MW.5000>、フタロシアニンブルー(C.I.ピグメントブルー15:3)(10重量部)、1N−水酸化カリウム(69.38重量部)、及びイオン交換水20.6重量部をメディア式湿式粉砕器を用い、10重量%のフタロシアニンブルー分散液を得た。
他方、リン酸二水素カリウム(0.082重量部)、1N−水酸化カリウム(24.74重量部)、エタノール(50重量部)、及びイオン交換水(8.26重量部)をホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタックスT25)で高速攪拌下(8000rpm)で、カルボキシル基を有する単量体であるメタクリル酸(2.08重量部)、重合性単量体であるメチルメタクリレート(19.29重量部)、アミノ基を有する単量体である4-ビニルピリジン(5.06重量部)を投入し、更に前記10重量%のフタロシアニンブルー分散液(30重量部)を添加し10分間高速攪拌下混合し反応液を得た。
続いて、予め用意しておいた温度計と窒素導入管とを装着した500mlのセパラブルフラスコに、上記反応液、及び、油溶性重合開始剤(和光純薬社製、商品名「V−59」=2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル))(0.51重量部)のエタノール(10重量部)溶液を投入し、更に、窒素気流下で攪拌を行いながら、68℃に昇温した。更に6時間反応を行い、その後、放冷し、2N−硫酸にて酸性化(pH=5)後、濾過し、水洗処理を2回行い、乾燥処理を行うことにより、表面にカルボキシル基を有する着色粒子(A)が23.68重量部得られた。
この粒子の粒度分布測定を行ったところ、平均粒径:0.6μmであり、その相対標準偏差(CV値)は24%であった。
リン酸二水素カリウム(0.082重量部)、1N−水酸化カリウム(14.25重量部)、エタノール(26重量部)、及びイオン交換水(69.75重量部)をホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタックスT25)で高速攪拌下(8000rpm)で、カルボキシル基を有する単量体であるメタクリル酸(1.07重量部)、重合性単量体であるメチルメタクリレート(21.23重量部)、アミノ基を有する単量体である2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(3.70重量部)を投入し、更に加工着色剤であるマイクロリス(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名[Blue4G−WA])(5.0重量部)を添加し、30分間高速攪拌下混合し反応液を得た。
続いて、予め用意しておいた温度計と窒素導入管とを装着した500mlのセパラブルフラスコに、上記反応液、及び、油溶性重合開始剤(和光純薬社製、商品名「V−65」=2,2’−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル))(0.62重量部)のエタノール(10重量部)溶液を投入し、更に、窒素気流下で攪拌を行いながら、58℃に昇温した。更に6時間反応を行い、その後、放冷し、2N−硫酸にて酸性化(pH=5)後、濾過し、水洗処理を2回行い、乾燥処理を行うことにより、表面にカルボキシル基を有する着色粒子(B)が25.24重量部得られた。
この粒子の粒度分布測定を行ったところ、平均粒径:1.1μmであり、その相対標準偏差(CV値)は29%であった。
次に、上記〔合成例〕で得られた表面にカルボキシル基を有する着色粒子に対してエポキシ変性シリコーン処理を行った。
リン酸二水素カリウム(0.082重量部)、1N−水酸化カリウム(13.57重量部)、メタノール(72重量部)、及びイオン交換水(74.43重量部)をホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタックスT25)で高速攪拌下(8000rpm)で、スルホン酸基を有する単量体である2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(2.43重量部)を添加、更に加工着色剤であるマイクロリス(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名[Blue4G−WA])(5.0重量部)を添加、更に重合性単量体であるメチルメタクリレート(20.07重量部)、アミノ基を有する単量体であるN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリリルアミド(3.50重量部)、及び油溶性重合開始剤(和光純薬社製、商品名「V−65」=2,2’−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル))(0.58重量部)よりなる溶液を添加し、30分間高速攪拌下混合し反応液を得た。
続いて、予め用意しておいた温度計と窒素導入管とを装着した500mlのセパラブルフラスコに、上記反応液を加え、更に、窒素気流下で攪拌を行いながら、58℃に昇温した。更に6時間反応を行い、その後、放冷し、2N−硫酸にて酸性化(pH=5)後、濾過し、水洗処理を2回行い、乾燥処理を行うことにより、表面にカルボキシル基を有する着色粒子(C)が26.84重量部得られた。
この粒子の粒度分布測定を行ったところ、平均粒径:2.2μmであり、その相対標準偏差(CV値)は15%であった。
200mlのビーカーに、合成例2で得られた表面にカルボキシル基を有する着色粒子(B)(10重量部)、シリコーンオイル[東レダウコーニング(株)社製、SH200−2mm2/s](86.18重量部)、及びエポキシ変性シリコーンオイル[信越化学(株)社製、X−22−173DX](3.83重量部)を加え、超音波分散機(出力:130W、周波数:20kHz、パルサー方式)で、2時間処理し、液体現像用トナー(I)を得た。この着色粒子分散液は、平均粒径:1.3μm、相対偏差値(CV値):25%、ゼータ電位:46mVであった。また、この分散液を20日間の保存試験をしたところ、平均粒径:1.2μm、で凝集も起こらず、またゼータ電位も43mVと殆ど変化せず、非常に優れた保存安定性を示した。
200mlのビーカーに、合成例1で得られた表面にカルボキシル基を有する着色粒子(A)(10重量部)、シリコーンオイル[東レダウコーニング(株)社製、SH200−2mm2/s](87.47重量部)、及びエポキシ変性シリコーンオイル[アヅマックス(株)社製、MCR-E11](2.53重量部)を加え、超音波分散機(出力:130W、周波数:20kHz、パルサー方式)で、2時間処理し、液体現像用トナー(II)を得た。この着色粒子分散液は、平均粒径:0.7μm、相対偏差値(CV値):23%、ゼータ電位:+70mVであった。また、この分散液を20日間の保存試験をしたところ、平均粒径:0.7μm、で凝集も起こらず、またゼータ電位も68mVと殆ど変化せず、非常に優れた保存安定性を示した。
200mlのビーカーに、合成例3で得られた表面にスルホン酸基を有する着色粒子(C)(10重量部)、シリコーンオイル[東レダウコーニング(株)社製、SH200−2mm2/s](86.18重量部)、及びエポキシ変性シリコーンオイル[信越化学(株)社製、X−22−173DX](4.35重量部)を加え、超音波分散機(出力:130W、周波数:20kHz、パルサー方式)で、2時間処理し、液体現像用トナー(III)を得た。この着色粒子分散液は、平均粒径:2.4μm、相対偏差値(CV値):15%、ゼータ電位:+110mVであった。また、この分散液を20日間の保存試験をしたところ、平均粒径:2.4μm、で凝集も起こらず、またゼータ電位も+110mVと殆ど変化せず、非常に優れた保存安定性を示した。
温度計と環流冷却器とを装着した容器に、分岐鎖脂肪族炭化水素アイソパーG(エッソ石油製:80重量部)、トルエン(48重量部)、エタノール(30重量部)を投入し、更にエチレン・酢酸ビニル共重合体の部分ケン化物デュミランC−2280(武田薬品工業製:6.67重量部)、フタロシアニンブルー(C.I.ピグメントブルー15:3)(1.33重量部)、及びリン酸エステル系界面活性剤プライサーフAL(第一工業製薬製:0.8重量部)を加えて70℃で3時間加熱下高速攪拌し、フタロシアニンブルーの分散液を作成した。このフタロシアニンブルーの分散液を、弱攪拌下で30℃まで徐冷し、更に、減圧下でトルエン、及びエタノールを留去し、着色樹脂粒子を析出させ、更に電荷制御剤としてナフテン酸ジルコニウムを加えて(固形分濃度:10重量%)、液体現像用トナー(IV)を得た。この着色粒子分散液は、平均粒径:2.7μm、相対偏差値(CV値):320%、ゼータ電位:+84mVであった。また、この分散液を20日間の保存試験をしたところ、凝集し、再分散したが、分散が悪く、粒径測定では大粒径側に凝集体と思われるピークが大きく観測され、ゼータ電位:+27mVと低下していた。
実施例1において、シリコーンオイル[東レダウコーニング(株)社製、SH200−2mm2/s](82.35重量部)、ポリエーテル変性シリコーンオイル[信越化学(株)社製、KF−945](7.66重量部)に代えた以外は実施例1同様に超音波処理した。ポリエーテル変性シリコーンオイルは、実施例1で使用したエポキシ変性シリコーンオイルの2倍重量濃度にしたにもかかわらず、殆ど分散されず、粒径を測定することもできなかった。
実施例1、実施例2、実施例3、及び比較例1で得られた着色粒子分散液を以下に示す装置により、電気泳動を確認した。
電気泳動装置について説明する。電気泳動の評価は、図1に示す高速度カメラ撮影装置(9)を用いて行う。まず、ガラス基板(9d)上にITO膜(9c)を100μm間隔をあけて100nm蒸着し、その上に25μm厚のガラス板(9h)を100μm間隔で接着し液溜を設ける。次に、液溜に上記表面機能性部材の分散液(9g)を注入し、ITO電極間に1000Vの電圧を印加した時に液滴が泳動される様子を高速度カメラ(9a)にて上方から観察し、電気泳動の評価を行う。その結果、実施例1,実施例2、及び実施例3共に、速い泳動を確認し、更に電解(極性)に対しても正確に対応していることを確認した。しかし比較例1では、全体に分布を持った泳動が見られ、一部逆極性の泳動粒子も観察された。
画像評価は、図2に示した構造をした画像形成実験装置に、実施例3の液体現像用トナーIII、及び比較例1の液体現像用トナーIVをセットし印字試験を行った。
本発明では、現像バイアスを1000V,900V,800Vの3種の条件で、転写バイアス−1000Vに統一した現像条件で、PPC用紙に出力し画像を目視で判断した。
評価結果を表1に示す。
9a 高速度カメラ
9b モニタ
9c ITO膜
9d ガラス基板
9f スイッチ
9g 分散液
9h ガラス板
9j 直流電源
Claims (6)
- 電気絶縁性液体中にトナー粒子を含有する液体現像剤であって、前記トナー粒子は、少なくとも結着樹脂と着色剤を含み、表面に酸性基を有する着色粒子を、エポキシ変性シリコーンを用いて化学修飾してなるものであり、かつ粒径分布の相対標準偏差(CV値)が30%以下であることを特徴とする液体現像剤。
- 前記酸性基が、カルボキシル基、或いはスルホン酸基である請求項1に記載の液体現像剤。
- 前記着色粒子の平均粒子径が0.3〜5μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の液体現像剤。
- 電気絶縁性液体中にトナー粒子を含有する液体現像剤の製造方法であって、少なくとも結着樹脂と着色剤を含み、粒径分布の相対標準偏差(CV値)が30%以下であり、かつ表面に酸性基を有する着色粒子と、エポキシ変性シリコーンとを、少なくとも含む電気絶縁性液体中で、超音波分散下、該着色粒子表面を該エポキシ変性シリコーンで化学修飾することを特徴とする液体現像剤の製造方法。
- 電気絶縁性液体は、25℃における動粘度が2〜100mm2/sの範囲のシリコーンオイルであることを特徴とする請求項4に記載の液体現像剤の製造方法。
- 表面に酸性基を有する着色粒子は、重合法により製造することを特徴とする請求項4または5に記載の液体現像剤の製造方法。
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