Deprecated: The each() function is deprecated. This message will be suppressed on further calls in /home/zhenxiangba/zhenxiangba.com/public_html/phproxy-improved-master/index.php on line 456
JP5082066B2 - 電解加工方法並びに電解加工装置 - Google Patents
[go: Go Back, main page]

JP5082066B2 - 電解加工方法並びに電解加工装置 - Google Patents

電解加工方法並びに電解加工装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5082066B2
JP5082066B2 JP2007203663A JP2007203663A JP5082066B2 JP 5082066 B2 JP5082066 B2 JP 5082066B2 JP 2007203663 A JP2007203663 A JP 2007203663A JP 2007203663 A JP2007203663 A JP 2007203663A JP 5082066 B2 JP5082066 B2 JP 5082066B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wafer
film
processed
electrolytic
linear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007203663A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009034802A (ja
Inventor
隆 藤田
純二 渡邉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Seimitsu Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Seimitsu Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Seimitsu Co Ltd filed Critical Tokyo Seimitsu Co Ltd
Priority to JP2007203663A priority Critical patent/JP5082066B2/ja
Publication of JP2009034802A publication Critical patent/JP2009034802A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5082066B2 publication Critical patent/JP5082066B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Description

この発明は、材料表面の平滑化処理を行う電解加工方法並びに電解加工装置に関するものであり、特に、加工精度の向上を図った電解加工方法並びに電解加工装置に関するものである。
超LSIにおいては、超微細多層配線化を進める中で層問絶縁膜のLow-k化(低誘電率化)が必須となりつつある。Low-k材料は空隙率が高いため、従来一般的な平坦化手法であるCMP(Chemical Mechanical Polishing)では、研摩圧力による被加工膜の破壊や剥離が起こり易く、より低圧の研磨技術が要求されることとなった。
被加工膜へ直接に工具の圧力がかからない加工方法としては電解加工があり、電解加工とCMPを組合わせて低圧で効率的に研磨を行う電解CMPも知られている(特許文献1、2、3など)。電解CMPにおいては、化学機械的に改質される過程と電解溶出によって除去される過程とが競合し、さらに、それとは別に機械的な除去作用も同時に関係する。そのため、加工メカニズムが複雑になって制御が難しい。例えば、研磨レートが低下した場合において、その原因が電解プロセスにおける電気二重層の成長などに起因する電気エネルギー伝達ロスによるものか、化学プロセスによる表面酸化によるものか、或いは、単に研磨パッドの目詰まりによるものかを判断することが困難で、安定した加工を行うことは容易ではない。また、物理的接触による被加工薄膜の損傷や破壊の虞が完全に解消されるものではない。つまり、電解溶出作用と、化学的に改質する作用、機械的に除去する作用が混在し、それぞれが独立して作用して加工除去していくため、その3つの作用においてそれぞれの加工の分担量も制御しながらも精度良く制御管理することは不可能である。
また、電解加工において、純粋に電解溶出の要素だけを利用して加工を行う場合、被加工面全体の電解加工が等方的に進行するので、微小凹凸の修正は困難であり、平坦化を進行させるためには機械的な除去加工を要する。そのため、化学機械的研磨によって平坦化を行い、その後電解加工を行うなどの2段の工程を組む場合が多い。しかし、導電膜の研磨の工程が一つ多くなることや、電解加工の効率が悪くなるため、生産性の点から良いとはいえない。
また、等方的な電解加工において、加工の進行は純粋な電解溶出によるものであるが、電解溶出が起こる場合は、被加工物から格子欠陥などのエネルギー的に活性な点付近や溶液内のイオン濃度の高い部分に電解集中が起こる。その電界集中により、さらに、その付近にイオンが集結する。その結果、イオンが凝集した被加工物の付近から選択的に溶出が進行する。それに対して、その周りはイオンが少なくなり、加工されにくい部分も付随的に生まれる。加工が進む部分と進まない部分がばらついて存在し、結果として面荒れが大きくなる。このようにイオンを含む溶液に対して電界がかけられた中では、溶液内のゆらぎや材料表面の格子欠陥などの状態によって電解溶出が先に起こる部分と起こりにくい部分が存在してしまい、微視的に一様な鏡面加工の進行は困難であって、電解溶出した表面は荒れた表面になり、配線部分の断面積も小さくなる(例えば、特許文献4)。
また、同様に、電解加工のウェーハ全面における平面精度の向上を図った技術としては、被加工面よりも小さい対向電極部材を被加工面に対して相対的に移動して、平面度を検知しつつ選択的に研磨することにより加工精度の向上を図った電解加工方法及び電解加工装置が知られている(特許文献5)。しかし、この装置においても、電極とウェーハの間の電極間ギャップの形成方法について、どのような方法で凸部と凹部の電極間ギャップを形成し、それを厳密に制御するかについての記述はない。
また、ウェーハの平坦化を行う上で微小なパターンの凸部と凹部において、配線ルールがミクロンオーダーかサブミクロンオーダーであるため、微小な凹凸の起伏もミクロンオーダーかサブミクロンオーダーであり、これを平坦化することが目標とされる。その一方、ウェーハの全体の反りや厚みむらなどによる全体的なうねりによる起伏は、数十ミクロンか、反りにおいては、例えば、直径300mmウェーハの場合は100μmに及ぶ場合もある。こうしたロングレンジのうねりに対して、電極とウェーハとの接触を避けるためには数百ミクロン程度のギャップが必要となる。
しかし、実際に数百ミクロンの電極間ギャップを設けた場合、ウェーハの微小な凹凸がミクロンオーダーであるのに対して、電極間ギャップは相対的に非常に大きくなるため、実質的には先に述べたように等方的に加工が進行にすることになる。
尚、こうした微小凹凸の凸部を選択的に加工する方法として、キレート膜を導電性膜上に形成させて、キレート膜上の凸部をまず機械的に除去して、電解加工を行うことにより、凸部を他と比べて選択的に加工を進行させて、平坦化を行うとしている。平面と平面で機械加工する場合、ウェーハ全面が完全に均一に接触するのではなく、接触点と非接触点が現れ、真実接触点はごく一部である。この真実接触点の部分において加工が進行する。よって、加工する現象は瞬間的にはまばらに加工が進行するが、ある程度の長い時間加工すると、真実接触点のウェーハ面内の確率密度分布が平均化されるため、見かけ上ウェーハ全面が均一に加工されるのである。
しかし、キレート膜を除去する工程で考えた場合、真実接触点が確率分布により平均化される十分な時間を要するものではなく、極短い時間で除去されることが予測されるため、上述したような真実接触点部分でキレート膜が除去される部分とキレート膜が除去されない部分がウェーハ面内でまばらに存在することになる。キレート膜が除去された部分は、銅表面が露出して急激に導電率が向上するため、その部分は選択的に加工が進行する。一方、ウェーハ面内で凸部でありながらも、真実接触部分として接触しなかった部分は、依然としてキレート膜が表面を保護している状態になるため、加工は進行しないままである。よって、短時間で見た場合、接触点と非接触点の加工ばらつきの差が顕著になることが予測され、実際に理想的な加工が進行するとは考えられない。
さらに、本公報では、事前に測定して得たウェーハの膜厚に応じて除去すべき被研磨膜の量を算出し、それに応じて陰極部材の移動時間を制御するとしている。しかし、通常の電解研磨の場合、その陽極側では、電解溶出で銅が電気分解する一方、水が電気分解されて陽極酸化も進行する。
よって、活性酸素が生まれるため、陽極はすぐに酸化が進行し、CuO の酸化第二銅がすぐに形成されてしまう。
以上のことから、普通に加工を行う場合、すべての電流が電解溶出加工に消費されるのではなく、水が電気分解することにも使用されるので、使用した電流量で加工量を精密に見積もることは困難である。
特許文献6の電解加工方法及び電解加工装置によれば、イオン交換体を使用して、超純水を水素イオンH+ と水酸化物イオンOH-とに分けて、そのうちの水酸化物イオンOH-を使用してウェーハ表面を加工するものである。
しかし、この水酸化物イオンOH-は先にも述べたように、陽極部分では活性な酸素原子が形成され、この酸素原子によって陽極の銅はすぐに酸化される、いわゆる陽極酸化が進行する。そのため、Cuの純粋な電解溶出と陽極酸化が競合して安定した加工が進行しない問題が予測される。
さらに、この電解加工方法の基本原理は、水酸化物イオンという化学種が表面に作用することによって加工が進行する方式である。イオンやプラズマといった化学種が表面に作用して加工が進行する場合、その化学種は、被加工物表面のエネルギー的に活性な点から選択的に加工が行われる。たとえば、化学液によるエッチングなどが顕著な例であるが、化学的にエッチングされる場合、エッチングが進行する場所が格子欠陥などのエネルギー活性点になるため、結果として、エッチングは面内で制御性が無く、被加工対象物の表面エネルギー状態に応じてまばらに加工が進行し、鏡面にはならないと考えられる。
以上のように、公知例中の水による電解加工では、水酸化物イオンが陽極で酸素を作り、陽極酸化を促進し、電解溶出を阻害する問題があり、化学種と被加工物との加工では、エッチングと同様に、活性点から順に加工が進行して面が荒れてしまう問題がある。
本願出願人の提案である特許文献7の電解加工方法及び電解加工装置は、被加工面とこれに対向する電極とのギャップを極めて小さくし、電解作用のギャップ依存性を大きくすることによって電解加工の研磨精度の向上を図ったものである。つまり、電極間ギャップが大きい場合に比して電極間ギャップが微小な場合は、対向電極と被加工面の凹と凸の距離の差が相対的に大きくなることにより、凸部の研磨がより効果的に行われるという着想に基づくものである。
本内容は、特許文献5に関する説明で述べたように、ウェーハ全体の反りなどによるうねりは数十ミクロンから数百ミクロンもあり、通常はウェーハと電極間のギャップをうねり以上とするのに対して、流体の応力を利用して電極をウェーハに対して浮上させてギャップを形成することにより、ミクロンオーダーおよびサブミクロンオーダーの起伏を有する微小な凹凸を平坦化することができるようにしたものである。
これにより、数十ミクロンから数百ミクロンもあると考えられるウェーハ表面のうねりに追従しながらも、自動的に流体の応力によって、ウェーハに対する電極位置が決定し、場合によっては、微小な凹凸に見合ったサブミクロンオーダーのギャップを形成することも可能とすると考えられる。
しかし、特許文献7の電解加工方法及び電解加工装置は、電極位置をウェーハに対する位置に対して制御することは問題ないが、先に述べたように化学種による電解加工によって加工が進行するため、次の問題が考えられる。
1. イオンによる加工のため活性点から順に加工が進行し表面が荒れやすい
2. 銅が電解溶出する際に、同時に一部にイオンが集積して電解集中が起こり、そのため電解集中ポイントでは、銅の電解溶出のみならず水の電気分解も進行する。結果として、水酸化物イオンにより酸素が発生するため、銅の表面を酸化させてしまう陽極酸化が進行する。
また、特許文献2に記載の装置においては、以下の問題がある。
1. 加工の3要素が独立して作用して競合する部分もあるため、それぞれの要素による加工の分担量を制御しにくく、結果として加工の制御性が悪い。
2. ウェーハ面とパッド面の接触状態は、完全に均一に接触するものではなく、真実接触状態は一部である。そのため、電気が供給される部分もごく一部から供給され、その接触抵抗は非常に大きくなるほか、その接触状態をウェーハの枚数やパッドの処理枚数に関わらず、接触状態を絶えず安定して保ちつつ、接触抵抗を安定して管理することは非常に難しい。
3. パッドが非常に大きい場合、パッド面内でも電位分布が発生してウェーハとの電位差がパッド面内で一定ではなくなり、ウェーハの均一性に多大な影響が出る。
これらの3つの要素が加工の安定性を考えた上では問題になる。
また、特許文献3に記載の装置においては、ウェーハ表面を陽極にするうえで、ボール部分から電気が給電されるが、先に述べたような真実接触状態がごく一部になり一様にならない問題や、電極のボール部分とウェーハ表面の間の接触抵抗が大きく影響し、運動する形態の中ではその抵抗変化などを制御することができなくなり、結果として安定した電解溶出を起こすことが不可能になるという問題が予測される。
特許文献8は、リテーナ内周面に陽極を配し、この陽極に当接する外周シード膜を介して、Cu膜に通電する方法を開示している。Cu膜通電と同時にCu膜表面にパッドを摺動させて払拭し、Cu膜を除去するものである。しかし、研磨中に研磨時によって働くCu表面における摩擦抵抗によって、Cu外周部とリテーナ内周部との間の通電状態は大きくばらつくことになる。
たとえば、陽極側から供給された電気は、必ずしもウェーハのみに給電されるわけではない。リテーナ内周部とウェーハ外周にはスラリー(または電解液)が入り込む。このスラリーを介して漏電する量も無視できない。このスラリーは、ウェーハのリーディングエッジ側(ウェーハから見てパッドが流れてくる上流側)とウェーハのトレーリングエッジ側(ウェーハから見てパッドが流れ去る下流側)では、スラリーの侵入する度合いも大きく変わる。そのため、スラリーを介して漏電する量もウェーハの位置によって変化することになる。場合によっては、通電状態が絶えず連続的である保証もなく、スラリーの侵入する影響によっては通電が断続的になる可能性もある。
さらに、ウェーハがパッドに対して全面で同時接触して研磨される場合、必ずしも均一に研磨されるとは限らない。例えば、ウェーハの外周部がウェーハの内周部に対して、程度の差はあれ、速く加工されることもある。この場合、ウェーハ外周部付近の導電性膜は、内周部の導電性膜よりも先に除去が完了してしまうことになる。このとき、導電性膜表面にはリテーナ内周面から通電させて電気を供給しているが、ウェーハ外周部の導電性膜が先に除去されてしまうと、残されたウェーハ内周面の導電性膜には電気が通電できなくなるため、結果として膜が取り残されてしまうことになる。
特開2001-196335号公報 特開2005-340600号公報 米国特許第7084064号明細書 特表2002-520850号公報 特開2002-93761号公報 特開2003-205428号公報 特開2006-233253号公報 特開2003-347243号公報
以上述べた従来の電解加工の問題点をふまえて本発明は、以下の事項を目的とする。
1.3つの作用(機械、化学、電解)が混在して加工の制御性が低下することを防止する
2.イオン密度の場所むらによって生じる電界強度ばらつきによる加工ばらつきをなくす。
3.水が電気分解することによって生じる酸素原子により、陽極である銅表面が酸化することを防止する。
4.パッド面内の電位ばらつきや、ウェーハ保持状態による電界強度の不安定な状態を生じないように、ウェーハのうねりに対して電極が追従して移動し、微小ギャップで安定して均一な電位勾配を形成して、微小な凹凸の平坦化を実現する。
5.上記のように、微小ギャップを形成して微小な電流を制御する電解加工において、連続的かつ安定して電気を給電するシステムを形成する。
この発明は、上記目的を達成するために提案するものであり、請求項1記載の発明は、運動するウェーハを有し、ウェーハ表面に被加工対象膜を形成した被加工対象物を平坦化加工する電解加工方法であって、前記運動するウェーハの被加工対象膜に対して一定距離を隔てて対向させた導電性材料で構成された複数の束ねた線状部材(線状電極)を有し、運動するウェーハの表面へ電解液を供給することで加工部に電解液を導入し、前記導入された電解液による流体潤滑により、前記個々の線状部材をウェーハ運動方向に変形させて、前記線状部材の先端と被加工対象膜との間に、一定の微小ギャップを形成し、前記線状部材と被加工対象膜に通電して、前記被加工対象膜を電解溶出させて加工を行う電解加工方法を提供するものである。
上記の電解加工方法は、可撓性の線状電極を使用することで、線状電極が一本の線状部材であっても複数本を束ねた線状電極状のものであっても、個々の線状電極が撓んで一定の圧力で被加工物表面に作用する。また、たとえウェーハが100μm程度うねっていたとしても、線状電極のたわみによって線状電極先端が被加工物表面に押し付ける圧力は大きく変化することなくほとんど一定とみなしうる。それにより、電解加工工具である線状電極先端部は、被加工対象物であるウェーハ全体のうねりに追従しながらも、被加工対象物と微小ギャップを形成して、その部分の電位勾配は線状電極が存在しない他の部分との電位勾配と比べて非常に大きくなることから、選択的に電解溶出加工が進行する。
また、従来の電解加工においては、平面パッドや平面電解加工工具を使用していた。また、一方の陽極側である被加工物表面もほとんど平面とみなされる。こうした「平面」と「平面」が対向する状態で電解液を介在させて加工する場合、電解液中のイオン濃度のゆらぎや被加工物表面上のエネルギー的に活性な点が、他と比べて速く加工が進行し、その他の部分では緩やかに加工が進行するために、結果的にエッチングされたような荒れた表面になる。しかし、本発明によると、被加工物表面はほとんど平面であるのに対して、電極側は「点」とみなしうる。よって、接触形態は、「平面」と「点」が対抗する形となる。多数の線状電極が存在すると、実質的には多数の「点群」と「平面」とが対峙することになる。それぞれの点と平面とは、線状電極の撓みによる安定した曲げ応力によって、極めて安定して物理的に近接ないしは接触することが可能となる。その結果、非常に大きい電位勾配をそれぞれの点の部分で形成することが可能になり、電解溶出加工が起こるに十分な電位勾配を得て、効率的に電解加工が行われる。
また、線状電極の点の部分が、ウェーハ表面に作用する作用割合は、電解液中のイオン濃度のゆらぎや被加工物表面上のエネルギー的に活性な点であるかどうかなどとは関係ない。ウェーハ面内の一定エリア内に作用する作用確率分布は、ウェーハ状態や電解液状態に関係なくすべて同じ割合で作用する。よって、加工の素過程は、電解溶出加工という材料表面にダメージを与えない化学的な加工であるにもかかわらず、その加工が行われる場所ごとの確率分布は、化学エッチングなどのような材料表面のエネルギー状態に依存した加工ではなく、ランダムに加工が進行するため、極めて均一な鏡面を得ることができる。その結果、微小な配線パターンにおいても、加工面が荒れることによる配線断面積の低下などを引き起こすことはなく、最終的なデバイスにした場合における配線断面も十分確保することが可能となる。
また、従来のような平面と平面が対向して電解加工が行われる場合、その平面の面内において、中には十分な電位勾配を得て、電解溶出加工が進行する部分もある。しかし一方で、場所によっては、中途半端な電位勾配が形成されて、水が電気分解されるなどして、表面が酸化される場合もある。
本発明では線状電極の先端部分で、局所的に十分な電位勾配を効率的に形成するため、通常、上記のように陽極で起こる陽極酸化が進行せず、純粋に被加工物の電解溶出を進行させる極めて安定した電解加工を行うことができる。
さらに、電極が線状であることから、線状電極間を通って電解液の供給はスムーズに行うことができる。従来のように平面のウェーハと、平面の電極ないしは平面のパッドが、摺接して加工が進行する場合、新しい電解液が細部まで供給されずに、電解液の供給律速状態になり、加工レートが低下する問題があったが、線状電極では、電解液は平面と平面の微小な隙間にだけ存在するのではなく、線状電極の上部まで電解液がいきわたることが可能となるため、絶えず新しい電解液が加工部に作用して安定して電解加工を行うことができる。
また、さらに線状電極を多数配置することによって実質的な線状電極の表面積を大きく取ることができる。そのため、線状電極と電解液の間で界面張力が働き、毛細管現象によって、線状電極の上部にまで電解液を蓄えることが可能になる。そのため、少量の電解液であっても、絶えず線状電極自体が毛細管の効果によって電解液を自身で蓄えることが可能になるため電解液の少量化にも寄与する。
請求項2の発明は、回転するウェーハを有し、ウェーハ表面に被加工対象膜を形成した被加工対象物を平坦化加工する電解加工方法であって、前記回転するウェーハの被加工対象膜に対して一定距離を隔てて対向させた導電性材料で構成された複数の束ねた線状部材を有し、運動するウェーハの表面へ電解液を供給することで加工部に電解液を導入し、前記導入された電解液がウェーハの回転に伴ってウェーハの外縁に向かって流れ、ウェーハ上に一様な膜を形成し、前記線状部材は、ウェーハ上の電解液の動圧によって、ウェーハ運動方向に弾性変形して、前記被加工対象膜との間に一定の微小ギャップを形成し、前記線状部材を陰極とし、被加工対象膜を陽極として通電して、前記被加工対象膜を電解溶出させて加工を行う電解加工方法を提供するものである。
上記の電解加工方法は、一定の圧力で被加工物表面に作用する線状電極とウェーハの被加工対象膜の間に、液体、気体、被膜などにより電気的なギャップを形成することで、線状電極と被加工対象物との間に一定の微小ギャップが形成され、ウェーハがうねっていたとしても、線状電極がたわむことにより一定の電気的ギャップで効率的に電解加工が進行する。
上記の電解加工方法は、線状電極とウェーハとの間に介在する電解液によって線状電極とウェーハとの間にギャップを形成することで、線状電極先端部は被加工対象物であるウェーハ全体のうねりに追従しながらも、被加工対象物と微小ギャップを形成して、その部分の電位勾配は線状電極が存在しない他の部分との電位勾配と比べて非常に大きくなることから、選択的に電解溶出加工が進行する。また、そのギャップは被加工物表面に形成された凹凸量とほぼ同程度であるため、被加工物表面に形成された微小な凹凸の凸部で特に大きな電位勾配が形成される。その結果、微小な凹凸の平坦化を行うことが可能になる。
上記の電解加工方法は、可撓性の線状電極とウェーハとの間に作用する電解液の動圧または静圧により安定した微小ギャップが形成される。
請求項記載の発明は、前記可撓性の導電性の線状電極の先端部表面に絶縁被膜が形成された線状部材を使用することを特徴とする請求項1記載の電解加工方法を提供するものである。
上記の電解加工方法においては、導電性材料の表面に形成された絶縁体を電極間ギャップとして被加工物表面に作用することになる。このとき、線状電極の先端部は被加工物表面に物理的に接触していたとしても、絶縁体の膜厚分の微小なギャップを介して接触することになる。
線状電極先端部の絶縁皮膜はサブミクロンオーダーにすることができ、サブミクロンオーダーの電極間ギャップはウェーハの微小凹凸のオーダーに対応する。よって、微小凹凸の凸部に対する電極間ギャップが極小となり、凸部が選択的に加工される。一方で、ウェーハ表面全体のうねりに対しては、線状電極全体が撓んで一定圧力で絶えず被加工対象物に接触するため、ウェーハ全面では均一に電解溶出加工が進行する。
請求項4記載の発明は、電解液を前記線状電極の上部から線状電極に沿って流下させて被加工対象物の表面に供給する請求項2記載の電解加工方法を提供するものである。
この方法によれば、新しい電解液を線状電極に沿わせて流下させることで、線状電極の表面と電解液の間で働く界面張力によって、毛細管の効果が働き、極少量の電解液であっても線状電極先端に効果的に作用させることが可能になる。また、線状電極に沿わせて供給した電解液はほとんどが線状電極先端部を通過することになるため、供給した電解液のほとんどが電解加工に寄与することになり、少ない電解液で効率的に加工を行うことが可能となる。
尚、線状電極に沿わせて新しい電解液を供給することにより、既に電解加工して反応した古い電解加工液が新しい電解液によって流され、絶えず新しい電解液と古い電解液の置換がスムーズに進行する。これにより、電解液の供給律速による加工レートの低下という問題を起こすことなく絶えず安定して加工を進行させることが可能となる。
請求項記載の発明は、前記電解液は誘電体の固体微粒子を含有した電解液である請求項1記載の電解加工方法を提供するものである。
電解液に誘電粒子を含有させることにより、他の固体微粒子を含有させた場合よりも研磨対象材料の凸部分はさらに電界強度が増してワークレートが向上する。
請求項記載の発明は、運動するウェーハを有し、ウェーハ表面に被加工対象膜を形成した被加工対象物を平坦化加工する電解加工装置であって、前記運動するウェーハの被加工対象膜に対して一定距離を隔てて対向させた導電性材料で構成された複数の束ねた線状部材と、運動するウェーハの表面へ電解液を供給し加工部に導入する電解液の導入手段と、前記線状部材を陰極とし、被加工対象膜を陽極として通電する通電手段とを有し、前記導入された電解液の流体潤滑により、前記個々の線状部材をウェーハ運動方向に弾性変形させて、前記線状電極の先端と前記被加工対象膜との間に一定の微小ギャップを形成し、
前記被加工対象膜を電解溶出させて加工を行う電解加工装置を提供するものである。
上記の電解加工装置は、請求項1記載の電解加工方法を実施するための装置であり、前述したように、可撓性の線状電極が一定の圧力で被加工物表面に作用する。ウェーハがうねっていたとしても、線状電極先端が被加工物表面に押し付ける圧力はほとんど一定であり、被加工物表面の微小凸部に対して選択的に電解溶出加工が進行する。
請求項記載の発明は、回転するウェーハを有し、ウェーハ表面に被加工対象膜を形成した被加工対象物を平坦化加工する電解加工装置であって、前記回転するウェーハの被加工対象膜に対して一定距離を隔てて対向させた導電性材料で構成された複数の束ねた線状部材と、運動するウェーハの表面へ電解液を供給し加工部に導入する電解液の導入手段と、前記線状部材を陰極とし、被加工対象膜を陽極として通電する通電手段とを有し、前記導入された電解液がウェーハの回転に伴ってウェーハの外縁に向かって流れ、ウェーハ上に一様な膜を形成し、前記線状部材は、ウェーハ上の電解液の動圧によって、ウェーハ運動方向に弾性変形させて、前記被加工対象膜との間に一定の微小ギャップを形成し、前記被加工対象膜を電解溶出させて加工を行う電解加工装置を提供するものである。
上記の電解加工装置は、請求項2記載の電解加工方法を実施するための装置であり、柔軟な線状電極が回転するウェーハに対してギャップをもって対向し、ギャップが微小なため被加工対象膜の初期段差の凸部分に対して凹部分よりも強い電解強度を作用させることができる。
請求項記載の発明は、上記線状電極はカーボンファイバー、またはカーボン被膜を形成したファイバーである請求項6または7記載の電解加工装置を提供するものである。
上記の電解加工装置においては、線状電極の導電性が良く、また線状電極が電解液によって腐食したり溶出したりする虞がない。
請求項記載の発明は 上記線状電極は、導電性線状部材の少なくとも先端部表面に絶縁被膜を形成した線状電極であることを特徴とする請求項6または7記載の電解加工装置を提供するものである。
上記の構成では絶縁被膜を形成した線状電極を用いることにより、線状電極を被加工対象膜へ接触させてギャップを極小とした状態での電解加工が可能となる。
請求項10記載の発明は 前記電解液を供給し加工部に導入する電解液の導入手段は、線状電極の上部から線状電極に沿って電解液を流下させて、被加工対象物表面へ電解液を供給する電解液供給手段を備えた請求項6、7または9記載の電解加工装置を提供するものである。
この構成においては、新しい電解液を線状電極に沿わせて流下させることで、供給した電解液のほとんどが線状電極先端部を通過するので、供給した電解液のほとんどが電解加工に作用することになる。
請求項11記載の発明は、ウェーハに被加工対象膜を形成した被加工対象物を保持するウェーハチャックと、ウェーハチャックから前記被加工対象膜へ給電する給電電極を備え、前記給電電極をシールして給電電極と電解液との接触を防止した請求項6、7または9記載の電解加工装置を提供するものである。
上記の電解加工装置においては、ウェーハチャックに設けた給電電極をシールしているので、給電電極が電解液に接触することがない。
請求項1及び請求項記載の発明は、可撓性の線状電極を使用することで、線状電極の点と被加工物表面の平面とが安定して物理的に近接或いは接触し、非常に大きい電位勾配をそれぞれの点の部分で形成することが可能になり、均一な鏡面を効率的に加工することができる。
請求項2及び請求項記載の発明は、線状電極とウェーハの被加工対象膜の間に電気的なギャップを形成することで、強い電位勾配を得て効率的に電解加工が行われる。
請求項3及び請求項9記載の発明は、少なくとも先端部の表面に緻密な酸化被膜が形成された線状部材を電極として使用することにより、線状電極をウェーハの被加工対象膜へ接触させても電気的に短絡することがなく、線状電極をウェーハの被加工対象膜へ接触させ、酸化被膜の厚さと等しい究極的に微小のギャップで加工を行うことができる。
請求項4及び請求項10記載の発明は、電解液を前記線状電極の上部から線状電極に沿って流下させて被加工対象物の表面に供給することにより、供給した電解液のほとんどが電解加工に寄与することになり、少ない電解液で効率的に加工を行うことができる。
また、線状電極の先端部分へ新しい電解液が供給されて電解液の置換がスムーズに進行し、電解液の供給律速による加工レートの低下という問題を起こすことなく、加工の安定度が向上する。
請求項記載の発明は、電解液に誘電体微粒子を含有させることにより、誘電体微粒子が存在する箇所の電界強度が増し、さらに研磨精度並びに研磨レートが向上する。
請求項記載の発明は、線状電極にカーボンファイバー、またはカーボン被膜を形成したファイバーを用いることにより、研磨レートなどの電解加工性能と耐久性の向上が期待できる。
請求項11記載の発明は、ウェーハチャックに設けた給電電極をシールしているので、給電電極が電解液によって侵されることがなく、安定性及び耐久性が向上する。
本発明は、運動するウェーハを有し、ウェーハ表面に被加工対象膜を形成した被加工対象物を平坦化加工する電解加工方法であって、前記運動するウェーハの被加工対象膜に対して一定距離を隔てて対向させた導電性材料で構成された複数の束ねた線状部材を有し、運動するウェーハの表面へ電解液を供給することで加工部に電解液を導入し、前記導入された電解液による流体潤滑により、前記個々の線状部材をウェーハ運動方向に変形させて、前記線状部材の先端と被加工対象膜との間に、一定の微小ギャップを形成し、前記線状部材と被加工対象膜に通電して、前記被加工対象膜を電解溶出させて加工を行う構成とすることにより、被加工薄膜の破壊の虞がなく、研磨精度並びに研磨レートが高く、制御が容易で安定した加工を行える電解加工方法並びに電解加工装置を提供するという目的を達成した。
(1)本発明において、被加工物表面はほとんど表面であるのに対し、電極側は個々の点とみなすことができ、それらの点は、個々に独立して変形可能であり、線状電極の撓みによる安定した曲げ応力によって極めて安定して、物理的に近接ないしは接触する。
(2)回転するウェーハ上へ注液ノズルから電解液を噴射すると、ウェーハの表面中心部へ噴射された電解液は、ウェーハの回転に伴って外縁に向かって流れ、ウェーハ上にほぼ一様な厚さの水膜が形成される。
(3)そして、線状電極は、ウェーハ上の電解液の動圧によって撓み、線状電極の先端とウェーハ表面の間には微小ギャップが生じる。
(4)電解液により線状電極とウェーハは流体潤滑状態となっており、ギャップは電解液の種類、温度状態等で決まる微小値に保たれ、ウェーハと線状電極の間へ電圧を印加すると、電解液に電気二重層が生成されるが、前記ギャップは電気二重層の厚さよりも小さいことから、線状電極とウェーハ間の電流状態はウェーハの面上の位置による電気二重層の厚さの偏差の影響を受けず、電流分布が安定する。微小なギャップにおいてはウェア表面の凹凸の相対的な距離差が大きいので、凸部が選択的に電解加工される。
(5)線状電極は、ウェーハの中心から外縁に向かって順次移動し、前記ギャップには新鮮な電解液が供給されて、電解作用により生成された線状電極近傍のCuイオンは排除されて、安定且つ迅速に電解反応が進む。
(6)さらに、電極が線状であることから、線状電極間を通って電解液の供給はスムーズになり、線状電極の上部まで電解液がいきわたり、絶えず新しい電解液が加工部に作用して安定して電解加工を行なえる。
(7)線状電極を多数配置することによって、線状電極の表面積を大きくできるため、毛細管現象によって、線状電極の上部にまで電解液を蓄えることができ、少量の電解液であっても、絶えず線状電極自体が毛細管の効果によって電解液を蓄えることができる。
以下、先に電解加工装置の構成を説明し、その作用説明とともに電解加工方法の詳細を記す。図1に示すように、電解加工装置11の円盤状の定盤12上には、表面にCuやTa等の導電性膜が形成されたシリコンのウェーハWが載置される。定盤12の下面中心にはスピンドル(図示せず)が設けられており、モータ(図示せず)により定盤12は矢印A方向に回転駆動される。
定盤12の上方に位置する加工ヘッド部13は、水平方向へ回動するアーム14と、その先端に取付けた電解加工工具である線状電極15とによって構成されている。アーム14は、図示しない駆動装置により水平方向への回動と回転中心軸を含めた全体の昇降を制御され、電解加工動作時はウェーハWの中心位置から半径方向へ回動され、ウェーハWの装着や交換の際は、定盤12上から外側の退避位置へ移動する。16は、定盤12上のウェーハWの表面へ電解液を供給する注液ノズルである。
線状電極15と定盤12とには直流電源17から電力が供給される。ウェーハWと線状電極15の間に流れる電流値が、電解加工装置11の制御部(図示せず)に設定されている電流値の範囲を超えた場合は、制御部が加工ヘッド部13を上昇退避させて加工を停止したり、警告を表示したりする。
線状電極15は、先端を曲面に加工した導電性ファイバーの集合体を束ねたもので、図2の例は、電極ホルダ部18でカーボンファイバー19を束ねたものである。また、カーボンファイバー19に代えて樹脂ファイバーの表面にカーボンをコーティングしたものであってもよい。
図3に示す線状電極21は、図2の線状電極15とは線状の材質が異なり、導電性金属フィラメント22の表面に酸化処理により非導電性の酸化被膜23を形成して不動態としたものであり、酸化被膜を容易に形成できるフィラメントの材質としてはAl,Ta,Tiなどが挙げられる。
尚、図4に示すように、線状電極15の直近に配置した注液ノズル16が線状電極15とともに移動し、注液ノズル16が線状電極15の上部へ電解液Sを噴射するように構成すれば、電解液Sが線状電極15に沿って流下する。これにより、電解液のほとんどが線状電極先端部を通過して電解反応に利用されることになり、少ない電解液で効率的に電解加工作用箇所の電解液が入替わり、電解加工が迅速に行われる。
また、図5に示すように、管の周面に穴又はスリットを設けた注液管24に線状電極15の上端部を取付け、注液管24の穴又はスリットから電解液Sを放出し、電解液Sが線状電極15の上端部から下端へ向けて流下するようにしても、図4の例と同様な効果を奏する。
次に、定盤12のウェーハチャック機構を説明する。図6と図7に示すように、定盤の外周部には6個のウェーハチャック31〜36が等間隔に取り付けられている。各ウェーハチャック31〜36はウェーハWの固定とウェーハWへの給電を行うもので、ウェーハチャック31〜36の内側(ウェーハW側)に給電電極A〜Fが設けられている。給電電極A〜Fは、後述する封止機構によって電解液に接触しないようにシールされている。
図6に示すように、円形に配置された給電電極A〜Fは、それぞれ導線41〜46により相互に接続されており、各導線41〜46には電気抵抗を測定するためのテスタ51〜56が設けられている。テスタ51〜56の測定値はコントローラ61に送信されて各給電電極A〜Fの導通状態が評価判定され、その結果はモニタ装置62に表示される。導通不良が生じた場合、複数の給電電極A〜Fのうちの何れが導通不良となったかが特定されてアラームにより自動的に報知される。
図7に示すように、ウェーハW(図1では表示を省略している)の上方には加工センサ63がウェーハWの半径方向へ移動可能に配設されている。加工センサ63はウェーハW上面の加工変化点を指向する投光部及び受光部を備えており、電解加工中におけるウェーハWの加工変化点が光学的に検出される。加工センサ63の検出信号はコントローラ61へ送信されて加工進行状況が解析され、その結果はモニタ装置62に表示される。
続いて、給電電極A〜Fの封止機構について説明する。なお、給電電極A〜Fの封止機構は全て同一構造であるので、給電電極Aを例にとってその構造を説明する。図8に示すように、ウェーハチャック31の内側には断面逆L形の電極保持部37が設けられている。電極保持部37の内側には断面逆L形の給電電極Aが装着され、この給電電極Aの下端部がウェーハWの外周部上面に接触して電気的に導通する。
ウェーハチャック31と給電電極Aの間にはシリコーンゴム等の薬品耐性を有する弾性体38が介装され、この弾性体38の内面にはウェーハWを保持するための係合溝39が形成されている。係合溝39へ係合したウェーハWは弾性体38の弾力によりがたつきなく保持される。電解加工時に、給電電極A〜Fは弾性体38にてウェーハWの外周部へ適度な押圧力で弾接するので、給電電極A〜FからウェーハWへの電気の供給が常に安定し、ウェーハWに対して均一な平坦加工が行われる。また、給電電極A〜Fの周囲は弾性体38と電極保持部37にて封止されていて電解液が接触しないので、電解液によって給電電極A〜Fが酸化する虞がない。
次に、本発明の電解加工方法について説明する。図1に示すように、電解加工装置11の定盤12上にウェーハWを載置し、定盤駆動機構を起動させて、回転するウェーハW上へ注液ノズル16から電解液Sを噴射する。電解液Sは例えばNaNO3の0.5%〜1%水溶液で、注液ノズル16からウェーハWの表面中心部へ噴射された電解液Sは、ウェーハWの回転に伴って矢印FのようにウェーハWの外縁へ向かって流れ、ウェーハW上にほぼ一様な厚さの水膜が形成される。
そして、加工ヘッド部13を上方待機位置から予め設定されている所定位置まで下降させると、線状電極15の先端が電解液S中へ埋没するが、図9に示すように、線状電極15は回転するウェーハW上の電解液Sの動圧によって撓み、線状電極15の先端とウェーハWの表面との間には微小なギャップGが生じる。
電解液Sにより線状電極15とウェーハWは流体潤滑状態となっており、ギャップGは、電解液Sの種類、温度状態、及び供給する圧力や、線状電極の弾性強度や上下位置等の条件によって決まる微小値に保たれる。
ウェーハWと線状電極15の間へ電圧を印加すると、ウェーハW上の電解液Sに電気二重層が生成されるが、ギャップGは電気二重層の厚さよりも小さいことから、線状電極15とウェーハW間の電流状態は、ウェーハWの面上の位置による電気二重層の厚さの偏差の影響を受けず、電流分布が安定である。また、ギャップが広い場合に比較して、微小なギャップGにおいてはウェーハW表面の凹凸の相対的な距離差が大きいので、電界がより凸部に集中することになり、凸部が選択的に電解加工される。
線状電極15はウェーハWの中心から外縁に向かって順次移動し、ウェーハWと線状電極15間のギャップGには新鮮な電解液が供給されて、電解作用により生成された線状電極の近傍のCuイオンは排除されることになり、安定且つ迅速に電解反応が進む。
図2の線状電極15に代えて、図3の線状電極21を用いた場合も上記と同様のプロセスで電解加工を行うことができるが、この線状電極21には非導電性の酸化被膜23が形成されているので、先端がウェーハWの表面の被加工膜に接触しても電源が短絡する虞がない。また、電源短絡の虞がないことから、線状電極21の加工中の高さ位置を下げて、積極的に先端を被加工膜へ接触させた状態で電解加工を行うこともできる。この場合、ウェーハWと線状電極21とのギャップは酸化被膜23の厚さと等しくなり、ナノメータ単位の究極的な微小ギャップによる電解加工が可能となる。
加工中に直流電源17より流れた電流量は、電解加工装置11の制御部で積算される。制御部は、積算された電流量と加工センサ63により測定されたウェーハWの加工量から単位電流量あたりの加工量を算出する。これに基づき、順次線状電極15,21を移動し、ウェーハW上の各半径位置における線状電極の滞在時間割合を適正化して、全面に均一な加工を施す。
上記の加工手順では、一般的なNaNO3水溶液を電解液として用いる説明をしたが、固体粒子を含有した電解液を用いることにより、通常の電解液を用いた場合よりも研磨精度並びに研磨レートの向上が見込まれる。
非誘電体の固体微粒子、或いは誘電率の低い固体微粒子の場合であっても、微粒子の機械的研磨作用による研磨レートの上昇は期待できるが、誘電率が高い固体微粒子ほど研磨レートが上昇することが実験結果に表れていて、その理由は誘電体微粒子とワークの表面間の電解液によるギャップ間の電位勾配が、誘電体の無い場合に比べて極めて大きくなるためと考えられる。
つまり、微粒子が電極とワークの間のギャップに進入し、微粒子が研磨対象材料に衝突、もしくは近接した部分だけが電位勾配が急峻になり、その部分は実質的な電極間のギャップが小さくなって電界強度(電位勾配)が大きくなる。そのため、その部分に電解溶出のための活性化エネルギーが集中して除去加工が進行する。また、anatase TiO2等は半導体でもあり、固体粒子内の電子移動は電解液中より高速となるので、固体粒子がワークへ直接接触する場合はその効果も大きくなるものとも考えられる。電解液中に分散させた微粒子は、分布確率の一様性に応じて研磨対象材料の全面にくまなく作用し、欠陥部分であってもなくても均等に作用することになる。そのため、表面は荒れることなく、鏡面が形成される。
以上のように、電極とワーク間のギャップに固体微粒子、好ましくは高誘電率の固体微粒子を介在させることにより、被研磨面に大きな電位勾配を作用させて、微粒子が電解加工のトリガーを与える効果を示す結果が得られた。
実際の図に示すような装置において電解加工を行う場合、例えば次のような実験条件を使用することで実施することが可能である。
上記に加えて、別の電極材料としては、
ブラシ線径を0.2mm程度とし、先端部を機械的な引き掻き作用が働かないように丸い形状として整える。ブラシ材料としては、Cu(銅),Al(アルミニウム)かもしくはその合金,W(タングステン),Ti(チタン)などを使用。電極先端の表面をバーナーなどの炎で熱酸化させて、表面に絶縁膜の皮膜を形成する。これを、電極材料として使用してもよい。
尚、この発明は上記の実施形態に限定するものではなく、この発明の技術的範囲内において種々の改変が可能であり、この発明がそれらの改変されたものに及ぶことは当然である。
本発明の電解加工装置の構成解説図であり、(a)は平面図、(b)は正面図。 線状電極の正面図。 線状電極の他の実施形態を示す正面図。 電解液供給手段の他の実施形態を示す解説図。 電解液供給手段の他の実施形態を示す解説図。 電解加工装置のウェーハチャック機構を説明するための平面図。 電解加工装置のウェーハチャック機構を説明するための斜視図。 ウェーハチャック機構の側面断面図。 線状電極とウェーハのギャップ形成作用を表す解説図。
符号の説明
11 電解加工装置
12 定盤
13 加工ヘッド部
14 アーム
15 線状電極
16 注液ノズル
17 直流電源
18 電極ホルダ部
19 カーボンファイバー
21 線状電極
22 導電性金属フィラメント
23 不動態酸化被膜
31〜36 ウェーハチャック
37 電極保持部
38 弾性体
39 係合溝
41〜46 導線
51〜56 テスタ
61 コントローラ
62 モニタ装置
63 加工センサ
A〜F 電極
S 電解液
W ウェーハ

Claims (11)

  1. 運動するウェーハを有し、ウェーハ表面に被加工対象膜を形成した被加工対象物を平坦化加工する電解加工方法であって、
    前記運動するウェーハの被加工対象膜に対して一定距離を隔てて対向させた導電性材料で構成された複数の束ねた線状部材を有し、
    運動するウェーハの表面へ電解液を供給することで加工部に電解液を導入し、
    前記導入された電解液による流体潤滑により、前記個々の線状部材をウェーハ運動方向に変形させて、前記線状部材の先端と被加工対象膜との間に、一定の微小ギャップを形成し、
    前記線状部材と被加工対象膜に通電して、前記被加工対象膜を電解溶出させて加工を行う電解加工方法。
  2. 回転するウェーハを有し、ウェーハ表面に被加工対象膜を形成した被加工対象物を平坦化加工する電解加工方法であって、
    前記回転するウェーハの被加工対象膜に対して一定距離を隔てて対向させた導電性材料で構成された複数の束ねた線状部材を有し、
    運動するウェーハの表面へ電解液を供給することで加工部に電解液を導入し、前記導入された電解液がウェーハの回転に伴ってウェーハの外縁に向かって流れ、ウェーハ上に一様な膜を形成し、
    前記線状部材は、ウェーハ上の電解液の動圧によって、ウェーハ運動方向に弾性変形して、前記被加工対象膜との間に一定の微小ギャップを形成し、
    前記線状部材を陰極とし、被加工対象膜を陽極として通電して、前記被加工対象膜を電解溶出させて加工を行う電解加工方法。
  3. 前記可撓性の導電性の線状電極の先端部表面に絶縁被膜が形成された線状部材を使用することを特徴とする請求項1記載の電解加工方法。
  4. 電解液を前記線状電極の上部から線状電極に沿って流下させて被加工対象物の表面に供給する請求項2記載の電解加工方法。
  5. 前記電解液は誘電体の固体微粒子を含有した電解液である請求項1記載の電解加工方法。
  6. 運動するウェーハを有し、ウェーハ表面に被加工対象膜を形成した被加工対象物を平坦化加工する電解加工装置であって、
    前記運動するウェーハの被加工対象膜に対して一定距離を隔てて対向させた導電性材料で構成された複数の束ねた線状部材と、
    運動するウェーハの表面へ電解液を供給し加工部に導入する電解液の導入手段と、
    前記線状部材を陰極とし、被加工対象膜を陽極として通電する通電手段とを有し、
    前記導入された電解液の流体潤滑により、前記個々の線状部材をウェーハ運動方向に弾性変形させて、前記線状電極の先端と前記被加工対象膜との間に一定の微小ギャップを形成し、
    前記被加工対象膜を電解溶出させて加工を行う電解加工装置。
  7. 回転するウェーハを有し、ウェーハ表面に被加工対象膜を形成した被加工対象物を平坦化加工する電解加工装置であって、
    前記回転するウェーハの被加工対象膜に対して一定距離を隔てて対向させた導電性材料で構成された複数の束ねた線状部材と、
    運動するウェーハの表面へ電解液を供給し加工部に導入する電解液の導入手段と、
    前記線状部材を陰極とし、被加工対象膜を陽極として通電する通電手段とを有し、
    前記導入された電解液がウェーハの回転に伴ってウェーハの外縁に向かって流れ、ウェーハ上に一様な膜を形成し、
    前記線状部材は、ウェーハ上の電解液の動圧によって、ウェーハ運動方向に弾性変形させて、前記被加工対象膜との間に一定の微小ギャップを形成し、
    前記被加工対象膜を電解溶出させて加工を行う電解加工装置。
  8. 上記線状電極は、カーボンファイバー、またはカーボン被膜を形成したファイバーである請求項6または7記載の電解加工装置。
  9. 上記線状電極は、導電性線状部材の少なくとも先端部表面に絶縁被膜を形成した線状電極であることを特徴とする請求項6または7記載の電解加工装置。
  10. 前記電解液を供給し加工部に導入する電解液の導入手段は、線状電極の上部から線状電極に沿って電解液を流下させて、被加工対象物表面へ電解液を供給する電解液供給手段を備えた請求項6、7または9記載の電解加工装置。
  11. ウェーハに被加工対象膜を形成した被加工対象物を保持するウェーハチャックと、ウェーハチャックから前記被加工対象膜へ給電する給電電極を備え、前記給電電極をシールして給電電極と電解液との接触を防止した請求項6、7または9記載の電解加工装置。
JP2007203663A 2007-08-03 2007-08-03 電解加工方法並びに電解加工装置 Expired - Fee Related JP5082066B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007203663A JP5082066B2 (ja) 2007-08-03 2007-08-03 電解加工方法並びに電解加工装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007203663A JP5082066B2 (ja) 2007-08-03 2007-08-03 電解加工方法並びに電解加工装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009034802A JP2009034802A (ja) 2009-02-19
JP5082066B2 true JP5082066B2 (ja) 2012-11-28

Family

ID=40437197

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007203663A Expired - Fee Related JP5082066B2 (ja) 2007-08-03 2007-08-03 電解加工方法並びに電解加工装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5082066B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5849348B2 (ja) * 2012-08-16 2016-01-27 株式会社ケミカル山本 電解研磨装置用電極
JP6099081B2 (ja) * 2012-12-05 2017-03-22 国立大学法人 東京大学 電解液ジェット加工装置及び電解液ジェット加工方法
CN110153514B (zh) * 2019-04-24 2020-07-28 南京航空航天大学 旋印电解加工过程中最小加工间隙及平均蚀除速率预测法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS544891B2 (ja) * 1972-03-24 1979-03-12
JPS5310717B2 (ja) * 1973-04-11 1978-04-15
JPH03281125A (ja) * 1990-03-30 1991-12-11 Mitsubishi Materials Corp 電解ミリング用陰極体及び電解ミリング方法
JP2002110592A (ja) * 2000-09-27 2002-04-12 Sony Corp 研磨方法および研磨装置
JP2003191132A (ja) * 2001-12-26 2003-07-08 Toshiba Corp 電解研磨方法および半導体装置の製造方法
JP4582409B2 (ja) * 2005-02-23 2010-11-17 株式会社東京精密 電解加工装置及び加工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009034802A (ja) 2009-02-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100425404C (zh) 电化学机械研磨系统和用于检测研磨终点的方法
US7311811B2 (en) Device providing electrical contact to the surface of a semiconductor workpiece during processing
US9987699B2 (en) Electrochemical system and method for electropolishing hollow metal bodies
JP5743800B2 (ja) SiCウェハの製造方法
JP2001196335A (ja) エレクトロケミカルメカニカル平坦化方法及び装置
EP3953503B1 (en) Electropolishing method
JP2011519747A (ja) Cmpパッド厚みおよびプロファイル監視システム
JP5148206B2 (ja) 電解加工方法並びに電解加工装置
JP5082066B2 (ja) 電解加工方法並びに電解加工装置
JP2010058192A (ja) 加工電極、電解加工装置、電解加工方法、および構造体の製造方法
US20210387274A1 (en) Electrolysis and grinding combined machining device and method
US20060091005A1 (en) Electolytic processing apparatus
JP2008266693A (ja) 電解加工による導電性膜の除去方法及び電解加工装置
US7504018B2 (en) Electrochemical method for Ecmp polishing pad conditioning
JP4582409B2 (ja) 電解加工装置及び加工方法
JP2007050506A (ja) 電解加工装置
Biswas et al. Experimental study of wheel wear in electrolytic in-process dressing and grinding
JP2007051374A (ja) 電解加工方法および基板処理方法
CN101781789A (zh) 用于基板的金属层抛光方法及电解槽
JP6797409B2 (ja) 触媒表面基準エッチング方法及びその装置
US12090600B2 (en) Face-up wafer electrochemical planarization apparatus
JP2016155697A (ja) 炭化ケイ素基板、炭化ケイ素基板の平坦化処理方法及びその製造装置
US7563356B2 (en) Composite processing apparatus and method
CN101781790B (zh) 用于基板的金属层减厚方法及电解槽
CN121798065A (zh) 一种等离子体电解加工方法及设备

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100609

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111108

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120703

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120731

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5082066

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150914

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees