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JP5083502B2 - 眼科用組成物 - Google Patents
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JP5083502B2 - 眼科用組成物 - Google Patents

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本発明は、塩化ベンザルコニウム等の刺激性防腐剤を含有しなくても、保存効力に優れ、眼への刺激が少ない眼科用組成物に関するものである。
眼科用組成物は、二次汚染等に由来する製剤の腐敗を防止する目的のため、通常、塩化ベンザルコニウム、グルコン酸クロルヘキシジン等のカチオン性防腐剤や、メチルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル等の防腐剤を配合する。特に、塩化ベンザルコニウムやグルコン酸クロルヘキシジン等のカチオン系防腐剤は保存効力に優れ、この防腐剤は、点眼剤分野では、60%程度の割合で防腐剤として使用されている(文献名「点眼剤の使い方」眼科診療プラクティス,42,1999)。しかしながら、これら防腐剤は、粘膜に刺激性を与えることが知られている。
一方、近年、VDT作業の増加、コンタクトレンズ使用者の増加、アレルギー患者の増加に伴い、目にトラブルを有する患者が急速に増えてきている。特にソフトコンタクトレンズ使用者は角膜が傷つきやすい状態にあり、刺激性防腐剤の刺激に過敏であり、影響を受けやすい。そこで、前記のような刺激性の防腐剤を低減又は含まない眼科用組成物が望まれていた。
なお、刺激性のカチオン系防腐剤を低減又は使用せずに、眼科用組成物の保存効力を確保する技術としては、防腐剤にベルベリンを配合して防腐効力を増強する技術(特許文献1:特開2001−64108号公報参照)、パンテノールとホウ酸と分子中に3個以上の水酸基を有する化合物を配合する技術(特許文献2:特開2002−265357号公報参照)、トロメタモールを配合する技術(特許文献3:特開2002−316926号公報参照)、トロメタモールとホウ酸等とを特定比で含有し、pH5〜7.5である眼科用組成物にする技術(特許文献4:特開2004−2364号公報参照)、0.001〜0.005%の塩化ベンザルコニウムと8.14mM〜0.24Mのホウ酸イオンを含有する点眼剤組成物(特許文献5:特開平10−130156号公報参照)、低濃度のカチオン活性剤と緩衝剤とキレート剤と高分子多糖類とを含有する点眼液組成物(特許文献6:特開平10−203960号公報参照)、ホウ酸とEDTAとPVPの組み合わせからなる防腐剤(特許文献7:特開平2002−80314号公報参照)、塩基性アミノ酸と水酸基を有するアミノ酸から構成されるコポリマーからなる眼科用保存剤(特許文献8:特開2004−203867号公報参照)、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミンとホウ酸からなる防腐剤(特許文献9:特開2005−330276号公報参照)等が挙げられる。
特開2001−64108号公報 特開2002−265357号公報 特開2002−316926号公報 特開2004−2364号公報 特開平10−130156号公報 特開平10−203960号公報 特開平2002−80314号公報 特開2004−203867号公報 特開2005−330276号公報 点眼剤の使い方、「眼科診療プラクティス」,42,1999
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、塩化ベンザルコニウムやグルコン酸クロルヘキシジン等のカチオン性防腐剤、パラベン、ソルビン酸、及びその塩から選ばれる防腐剤を含有しなくても、保存効力(防腐力)に優れ、眼刺激が低い新たな眼科用組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、組成物のpHが3.5〜3.9であり、かつ組成物の緩衝力を特定の低い範囲に調整することによって、十分な防腐効果を持ち、さらにしみる、痛いといった刺激感が少ない眼科用組成物が得られることを見出した。一般に、眼科用組成物は低pH域では眼刺激が強くなることが当該分野の常識であり、通常は中性近辺に調整され酸性側とする場合でもpH5以上とされる。従って本発明のpH域で眼刺激が低い眼科用組成物は、新規な発明である。
従って、本発明は下記発明を提供する。
[1].トロメタモール、ホウ酸及びホウ砂から選ばれる緩衝剤を含有し、pHが3.〜3.9であって、下記式で表されるQが3〜18mLであり、カチオン性防腐剤、パラベン、ソルビン酸、及びその塩から選ばれる防腐剤を含有しない眼科用組成物。
Q=QHCl+QNaOH
(上記式中、QHCl:組成物100gをpH3.5まで下げるのに必要な0.1mol/LHCl量(mL)、
QNaOH:組成物100gをpH7.5まで上げるのに必要な0.1mol/LNaOH量(mL))
[2].緩衝剤の含有量が、眼科用組成物中0.001〜1.3w/v%である[1]記載の眼科用組成物。
[3].さらに、メントール、ボルネオール、カンフル、ゲラニオール、ハッカ水、ユーカリ油、ウイキョウ油、ベルガモット油、リナロール、及びペパーミント油から選ばれる清涼化剤を含有する[1]又は[2]記載の眼科用組成物。
[4].点眼剤又は洗眼剤である[1]〜[]のいずれかに記載の眼科用組成物。
[5].ソフトコンタクトレンズ用点眼剤、ソフトコンタクトレンズ用洗眼剤、ソフトコンタクトレンズ装着液、ソフトコンタクトレンズ取り外し液、又はコンタクトレンズケア剤である[1]〜[]のいずれかに記載の眼科用組成物。
本発明によれば、保存効力に優れ、眼への刺激が低い眼科用組成物を提供することができ、塩化ベンザルコニウム等の防腐剤の配合量を減らすことができる。
本発明の眼科用組成物のpH(20℃)は3.5〜3.9であり、好ましくは3.6〜3.8である。pHが3.5より低くなると、しみる等の刺激感を感じるおそれがあり、3.9を超えると、防腐力の効果が不十分である。pH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩酸等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。なお、pHの測定は20℃でpH浸透圧計(HOSM−1)、東亜ディーケーケー(株))を用いて行う。
本発明の眼科用組成物は、下記式で表されるQが18mL以下である。
Q=QHCl+QNaOH
(上記式中、QHCl:組成物100gをpH3.5(20℃)まで下げるのに必要な0.1mol/LHCl量(mL)、
QNaOH:組成物100gをpH7.5(20℃)まで上げるのに必要な0.1mol/LNaOH量(mL))
この上記Qは組成物の緩衝力を示すものであり、Qが18mL以下であり、この範囲で刺激感がない組成物が得られる。また、Qは3〜18mLが好ましく、より好ましくは3〜14mLである。
緩衝剤としては、ホウ酸、ホウ砂等のホウ素系緩衝剤、酢酸、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸系緩衝剤、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム等のリン酸系緩衝剤、炭酸ナトリウム等の炭酸系緩衝剤、クエン酸、クエン酸ナトリウム等のクエン酸系緩衝剤、イプシロンアミノカプロン酸、トロメタモール、アスパラギン酸及びアスパラギン酸塩、ならびにグルタミン酸及びグルタミン酸塩から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。この中でも、トロメタモール、ホウ酸、ホウ砂が好ましく、特に防腐効力の点から、ホウ酸、トロメタモール、又はその混合物が好ましい。
緩衝剤の含有量は、眼科用組成物中0.001〜1.3w/v%(質量/容量%,g/100mL、以下同様)が好ましく、より好ましくは0.05〜1.2w/v%、さらに好ましくは0.05〜1.0w/v%である。
上記緩衝剤は眼科用組成物で通常設定されるpH5以上の中性〜弱酸性付近では眼刺激は低く、眼科用組成物に許容される緩衝剤の配合量範囲では、緩衝力が眼刺激に大きな影響を与えることもない。従って、緩衝力による眼刺激の有無が重大な要因となるのは、本発明のような低いpH範囲における特異な現象といえる。
本発明の眼科用組成物には清涼化剤を配合することが好ましく、清涼化剤の配合により、さらに薬物由来の刺激感をマスキングできる。清涼化剤としては、メントール、ボルネオール、カンフル、ゲラニオール、ハッカ水、ユーカリ油、ウイキョウ油、ベルガモット油、リナロール、ペパーミント油等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。この中でも、使用感の点からメントール、カンフル、ボルネオールが好ましい。
清涼化剤の含有量は、眼科用組成物中0.0005〜0.03w/v%が好ましく、より好ましくは0.001〜0.015w/v%、さらに好ましくは0.001〜0.012w/v%である。
本発明の眼科用組成物は、眼科用組成物に用いられる各種成分を、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。好ましい配合成分としては、薬物、安定化剤、粘ちょう化剤、等張化剤、溶解補助剤、抗酸化剤等が挙げられる。
薬物としては、下記のものが挙げられる。
充血除去成分:α−アドレナリン作動薬、例えば、イミダゾリン誘導体(ナファゾリン、テトラヒドロゾリン等)、β−フェニルエチルアミン誘導体(フェニレフリン、エピネフリン、エフェドリン、メチルエフェドリン等)、及びそれらの薬学上又は生理的に許容される塩(例えば、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、硝酸テトラヒドロゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸メチルエフェドリン等の無機酸塩;酒石酸水素エピネフリン等の有機酸塩等)等。
眼筋調節薬成分:アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤、例えば、メチル硫酸ネオスチグミン等の第4級アンモニウム化合物及びそれらの塩等。
抗炎症薬成分又は収斂薬成分:プラノプロフェン、セレコキシブ、ロフェコキシブ、インドメタシン、ジクロフェナク、ジクロフェナクナトリウム、ピロキシカム、メロキシカム、アスピリン、メフェナム酸、インドメタシンファルネシル、アセメタシン、イブプロフェン、チアプロフェン酸、ロキソプロフェンナトリウム、塩酸チアラミド、ベルベリン及び薬理学的に許容される塩(例えば、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン)、アズレンスルホン酸及び薬理学的に許容される塩(例えば、アズレンスルホン酸ナトリウム等)、亜鉛塩(例えば、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛等)、リゾチーム、塩化リゾチーム、サリチル酸メチル、アラントイン、グリチルリチン酸及び薬理学的に許容される塩(例えば、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸アンモニウム等)等。
抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分:例えば、ケトチフェン、アシタザノラスト、クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、レボカバスチン、クロモグリク酸、トラニラスト、イブジラスト、アンレキサノクス、ペミロラスト及びそれらの薬学上又は生理的に許容される塩等。
ビタミン類:例えば、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム(活性型ビタミンB2)、シアノコバラミン(ビタミンB12)、塩酸ピリドキシン(ビタミンB6)、ビタミンEアセテート、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール(ビタミンAパルミテート)等
アミノ酸類:例えば、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、トレオニン、アラニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシン、セリン、プロリン、チロシン、システイン、ヒスチジン、オルニチン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、グリシルグリシン、アミノエチルスルホン酸(タウリン)及びその塩(例えば塩酸システイン等)等。
抗菌薬成分又は殺菌薬成分:これは有効成分として配合するもので、防腐剤として配合するものではない。スルホンアミド類(例えば、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、スルフイソミジン及び薬理学的に許容される塩(スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソミジンナトリウム等)、アクリノール、アルキルポリアミノエチルグリシン、ニューキノロン剤(ロメフロキサシン、レボフロキサシン、シプロフロキサシン、オフロキサシン、ノルフロキサシン、塩酸シプロフロキサシン等)、ベルベリン及びその塩(例えば、硫酸ベルベリン等)、βラクタム系抗菌薬(スルベニシリン、セフメノキシム等)、アミノグリコシド系抗菌薬(カナマイシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン、シソマイシン、ジベカシン、ベカナマイシン、ミクロノマイシン等)、テトラサイクリン系抗菌薬(オシテトラサイクリン等)、マクロライド系抗菌薬(エリスロマイシン等)、クロラムフェニコール系抗菌薬(クロラムフェニコール等)、ポリペプチド系抗菌薬(コリスチン等)等。また、抗ウイルス薬(ドクスウリジン、アシクロビル、アデニンアラビノシド、ガンシクロビル、ホスカルネット、バラシクロビル、トリフルオロチミジン、シドフォビア、カルボサイクリック・オキセタノシンG等)、抗真菌薬(ピマリシン、フルコナゾール、イトラコナゾール、ミコナゾール、フルシトシン、アムホテリシンB等)等。
オリゴ糖類:ラクツロース、ラフィノース、プルラン、シクロデキストリン等。
多糖類又はその誘導体:アラビアゴム、カラヤガム、キサンタンガム、キャロブガム、グアーガム、グアヤク脂、クインスシード、ダルマンガム、トラガント、ベンゾインゴム、ローカストビーンガム、カゼイン、寒天、アルギン酸、デキストリン、デキストラン、カラギーナン、ゼラチン、コラーゲン、ペクチン、デンプン、ポリガラクツロン酸(アルギン酸)、キチン及びその誘導体、キトサン及びその誘導体、エラスチン、ヘパリン、ヘパリノイド、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸及びその塩(アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム等)等。
局所麻酔薬成分:リドカイン、オキシブプロカイン、ジプカイン、プロカイン、アミノ安息香酸エチル、メプリルカイン、メピバカイン、ブピバカイン、コカイン及びそれらの塩(塩酸リドカイン、塩酸オキシブプロカイン等)等。
ステロイド成分:ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、コルチゾール、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロン、パラメタゾン、ベタメタゾン及びそれらの塩等。
緑内障治療成分:臭化ジスチグミン、マレイン酸チモロール、塩酸カルテオロール、塩酸ベタキソロール、ラタノプロスト、イソプロピルウノプロストン、塩酸ジピベフリン、塩酸アプラクロニジン、塩酸ピロカルピン、カルバコール、塩酸ドルゾラミド、アセタゾラミド、メタゾラミド及びそれらの塩等。
白内障治療成分:ピレノキシン、グルタチオン、唾液腺ホルモン、チオプロニン、Dihydro azapentacene disulfonate及びそれらの塩(例えばSodium5,12−dihydro azapentacene disulfonate等)等。
散瞳成分:塩酸シクロペントラート、トロピカミド等。
薬物の含有量は、各薬物の有効な適性量を選択することができるが、眼への刺激性、組成物の安定性等の点から、眼科用組成物中0.001〜5w/v%の範囲が好ましい。
安定化剤としては、例えばエデト酸ナトリウム、エデト酸等が挙げられる。エデト酸類は系の安定性を維持する効果を有する。安定化剤の含有量は、眼科用組成物中0.001〜2w/v%の範囲が好ましい。
粘ちょう化剤としては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系高分子化合物、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等のポリビニル系高分子化合物、流動パラフィン、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール等が挙げられる。粘ちょう化剤の含有量は、眼科用組成物中0.005〜3w/v%の範囲が好ましい。
等張化剤としては、例えば塩化カリウム、塩化ナトリウム、グリセリン等が挙げられる。等張化剤の含有量は、眼科用組成物中0.001〜3w/v%の範囲が好ましい。
溶解補助剤としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール等の多価アルコール、ポリソルベート80、ポロクサマー類、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POE(60)硬化ヒマシ油等のPOE硬化ヒマシ油等の界面活性剤が挙げられる。溶解補助剤の含有量は、眼科用組成物中0.001〜3w/v%の範囲であることが好ましい
抗酸化剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ヒドロキノン、没食子酸プロピル、亜硫酸水素ナトリウム等が挙げられる。抗酸化剤の含有量は、眼科用組成物中0.001〜1w/v%の範囲であることが好ましい。
本発明の眼科用組成物は、塩化ベンザルコニウムやグルコン酸クロルヘキシジン等のカチオン性防腐剤、パラベン(パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル等のパラオキシ安息香酸エステル)、ソルビン酸、及びその塩から選ばれる防腐剤を含有しなくても、保存効力(防腐力)を有するため、前記防腐剤の含有量を、眼科用組成物中0.001w/v%以下、又は前記防腐剤を含有しない眼科用組成物とすることもできる。
本発明の眼科用組成物は、例えば、残部を水とし、公知の製造方法で製造することができる。具体的には、上記各成分を滅菌精製水、イオン交換水等の水、あるいはエタノール等のアルコールとの混合溶媒等に溶解させた後、pHを3.5〜3.9に調整し、さらに必要に応じて浸透圧等をpH調整剤、等張化剤により適宜調整することによって得ることができる。得られた眼科用組成物は、公知の点眼容器(紫外線防止剤あるいは色素を含有するものが配合成分の安定性上好ましい)に充填し、フィルム包装等の包装を施して、保存安定性が良好な眼科用組成物として提供することができる。
眼科用組成物としては、点眼剤、洗眼剤等が挙げられ、コンタクトレンズ用、特にソフトコンタクトレンズ用として好適である。より具体的には、ソフトコンタクトレンズ装着中に使用するソフトコンタクトレンズ用点眼剤、ソフトコンタクトレンズを外した後に使用するソフトコンタクトレンズ用洗眼剤、ソフトコンタクトレンズ装着時に使用するソフトコンタクトレンズ装着液、ソフトコンタクトレンズを外す際に使用するソフトコンタクトレンズ取り外し液、又はコンタクトレンズケア剤(洗浄、すすぎ、消毒及び保存)等に使用できる。本発明の眼科用組成物の適応できるソフトコンタクトレンズの種類については特に制限されるものではなく、繰り返し使用されるソフトコンタクトレンズの他、1日使い捨てソフトコンタクトレンズ、1週間使い捨てソフトコンタクトレンズ、2週間使い捨てソフトコンタクトレンズのいずれのレンズにも使用することができる。
以下、実施例、参考例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1〜10、参考例1〜14、比較例1〜17]
表1〜7に示す組成の(配合単位w/v%)各配合成分を定法に準じて滅菌精製水に溶解した後、各溶液を無菌ろ過して、眼科用組成物(試験液)を調製した。得られた各眼科用組成物について、pH(20℃)を測定し、下記試験を実施した。結果を表中に併記する。
[試験例1]
保存効力試験
第15改正日本薬局方・参考情報の保存効力試験に従って実施した。即ち、試験液に、下記細菌及び真菌を1mLあたり105〜106個になるように加え、25℃に静置し、14日後及び28日後に菌を接種した溶液1mLのそれぞれを培養した後、生菌数を測定し、接種菌数に対する生存率(%)を算出した。
細菌
Pseudomonas aeruginosa ATCC 9027
Escherichia coli ATCC 8739
Staphylococcus aureus ATCC 6538
真菌
Candida albicans ATCC 10231
Aspergillus niger ATCC 16404
保存効力の判定基準は、14日後の生存率が細菌では接種菌数の0.1%以下、真菌では接種菌数の同レベルもしくはそれ以下、28日後の生存率が細菌では14日後の同レベルもしくはそれ以下、真菌では接種菌数の同レベルもしくはそれ以下となることである。この判定基準を満たしたものを○、1つでも満たさないものは×とした。同レベルとは±10%をいう。
なお、培養は細菌に対してはSCDLP寒天培地(Soybean Casein Digest Agar with Lercthin & Polysorbate80)(日本製薬(株)製)、真菌はGPLP寒天培地(Glucose Peptone Agar with Lercthin & Polysorbate80)(日本製薬(株)製)の各種培地を使用した。
[試験例2]
点眼後の刺激性試験
男女各3名(計6名)のドライアイに悩むOA機器操作者をパネラーとし、ソフトコンタクトレンズを装着した状態で、試験液を点眼したときの刺激感を下記評価基準に基づいて評価した。結果を、全パネラーの合計点に基づいて、合計点が0〜2点を○、3〜5点を△、6点以上を×とした。
<評価基準>
3:非常にしみる
2:しみる
1:ややしみる
0:しみない
[試験例3]
滴定試験(Q値)
試験液100gずつを量り取り、0.1mol/LHClで滴定し、pHを3.5(20℃)まで下げ、必要な0.1mol/LHCl量(QHCl)を測定した。
別途、試験液100gを量り取り、0.1mol/LNaOHで滴定し、pHを7.5(20℃)まで上げ、必要な0.1mol/LNaOH量(QNaOH)を測定した。
得られた値から、Q=QHCl+QNaOHを算出した。
Figure 0005083502
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Claims (5)

  1. トロメタモール、ホウ酸及びホウ砂から選ばれる緩衝剤を含有し、pHが3.〜3.9であって、下記式で表されるQが3〜18mLであり、カチオン性防腐剤、パラベン、ソルビン酸、及びその塩から選ばれる防腐剤を含有しない眼科用組成物。
    Q=QHCl+QNaOH
    (上記式中、QHCl:組成物100gをpH3.5まで下げるのに必要な0.1mol/LHCl量(mL)、
    QNaOH:組成物100gをpH7.5まで上げるのに必要な0.1mol/LNaOH量(mL))
  2. 緩衝剤の含有量が、眼科用組成物中0.001〜1.3w/v%である請求項1記載の眼科用組成物。
  3. さらに、メントール、ボルネオール、カンフル、ゲラニオール、ハッカ水、ユーカリ油、ウイキョウ油、ベルガモット油、リナロール、及びペパーミント油から選ばれる清涼化剤を含有する請求項1又は2記載の眼科用組成物。
  4. 点眼剤又は洗眼剤である請求項1〜のいずれか1項記載の眼科用組成物。
  5. ソフトコンタクトレンズ用点眼剤、ソフトコンタクトレンズ用洗眼剤、ソフトコンタクトレンズ装着液、ソフトコンタクトレンズ取り外し液、又はコンタクトレンズケア剤である請求項1〜のいずれか1項記載の眼科用組成物。
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