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JP5084385B2 - ねじりバネ、光偏向器及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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JP5084385B2 - ねじりバネ、光偏向器及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

ねじりバネ、光偏向器及びそれを用いた画像形成装置 Download PDF

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本発明は、ねじり振動可能に部材を弾性支持するねじりバネ、これを利用した光偏向器、それを用いた画像形成装置などの光学機器に関する。この光偏向器は、例えば、光の偏向走査によって画像を投影するプロジェクションディスプレイや、電子写真プロセスを有するレーザービームプリンタ、デジタル複写機等の画像形成装置に好適に利用されるものである。
従来から、半導体プロセスによってウエハから製造される微小機械部材はマイクロメータオーダの加工が可能であり、これらを用いて様々な微小機能素子が実現されている。特に、このような技術によって形成される揺動体装置により反射面をねじり振動し光走査を行う光偏向器は、ポリゴンミラー等の回転多面鏡を使用した光走査光学系に比べて、次の様な特徴がある。すなわち、光偏向器を小型化することが可能であること、消費電力が少ないこと、等の特徴がある。特に、揺動体装置のねじり振動の固有振動モードの周波数付近で駆動することにより、低消費電力とできる。
特許文献1には、Siウエハを異方性エッチングすることで断面がX字形状のねじりバネを形成する技術、及び断面がX字形状のねじりバネを有する光偏向器を画像形成装置等に適用する技術が開示されている。
特開2004−34256号公報
しかしながら、半導体プロセスによってウエハからねじりバネを製造する場合、ウエハの厚みにばらつきがあると、そのばらつきに起因してねじりバネのバネ定数もばらつくという課題があった。
よって本発明の目的は、ウエハの厚みにばらつきがある場合でも、ねじりバネのバネ定数のばらつきを抑えることができるねじりバネを提供することである。
上記課題に鑑み本発明に係るねじりバネは、ねじり軸に垂直な断面がX字形状であり、ねじりバネは単結晶シリコンウエハで形成され、前記X字形状の上面及び下面は(100)等価面で構成され、該上面及び下面に形成された凹部のそれぞれの底を互いに結ぶ距離L1、前記X字形状の側面に形成された凹部のそれぞれの底を互いに結ぶ距離L2とは、1.8<L1/L2<2.2の関係を満たすことを特徴とする。
本発明のねじりバネは、ねじり軸に垂直な断面形状を上記のような好適なX字形状とすることで、ウエハ厚みばらつきに対するねじりバネ定数のばらつきを抑えることが可能となる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1(a)及び(b)は本実施形態のねじりバネの構成を示す上面図である。図1(b)は、図1(a)のねじりバネ1に支持基板2と可動部6が接続されている図である。
図1(b)のねじりバネ1は、支持基板2と可動部6と連結した構造となっている。ねじりバネ1は可動部6をB軸(つまり、ねじり軸)を中心に弾性的に、E方向にねじり振動可能に支持する。またねじりバネ1には、図1(b)に示すように、凹部5Aが形成されている。そして、ここでは図示の距離Lsをねじりバネ1の長さとする。
本実施形態のねじりバネは、一体の単結晶シリコン材料で構成されている。ここでいう一体の単結晶シリコン材料とは、ウエハの内部に貼り合わせ界面を持たない単結晶シリコン材料(ウエハ)を意味する。
図2は、図1中A−A´線でのねじり軸Bに垂直な平面におけるねじりバネ1の断面図を示している。図示のように、ねじりバネ1の断面は、ねじりバネの上下面及び両側面に形成された4つの凹部5A、5B、5C、5Dによって、X字形状となっている。上面10、下面11は単結晶シリコンの(100)等価面(即ち、{100}面)で構成されている。上面10、下面11には、それぞれねじり軸B方向へ延び、断面がV字状の凹部5A、凹部5Bが形成されている。また、凹部5A、5Bの最も深い個所(つまりX字状を形成するV字状の凹部の頂点)をそれぞれ凹部の底12A、12Bと定義する。図3は図2の領域Zを拡大した図を示している。凹部の底は、図示のように厳密には曲率半径を有していてもよい。この場合は、凹部の底とは、図示のとおり、凹部のV字状の側面を延長させた交点と定義する。図3のような曲率半径を有する形状は、ねじり変位による応力集中を緩和できるという利点がある。
更に、凹部5A、5Bの開口部分と底12A、12Bの位置関係が90度回転した向きに、凹部5C、5D、凹部の底12C、12Dが形成される。すなわち、X字形状のねじりバネの側面に形成された凹部5C,5Dのそれぞれの底が12C、12Dである。以上のように4個の凹部5A、5B、5C、5Dによって、ねじりバネ1の断面は、X字形状となっている。ここで、凹部の底12A、12Bの距離L1とし、また凹部の底12C、12Dの距離L2とする。
そして、凹部5A、5Bの開口部分の幅Wgは、ねじりバネ(支持基板)の厚さtに対して、以下のような寸法範囲で形成されている。
Wg<t/tan54.7° (式1)
式1の関係によって、凹部5A、5Bが貫通して1つの貫通孔にならず、X字状の形状とすることができる。ねじりバネに形成されたそれぞれの凹部の表面は単結晶シリコンの(111)等価面(即ち、{111}面)で構成されている。
尚、図1では支持基板2とねじりバネ3との接続部分、及び可動部6とねじりバネ3との接続部分からねじりバネの凹部5A、5Bを形成している。しかし、これらの凹部を形成する位置はそれぞれの接続部分から若干ねじりバネの中央部側へずらしてもよい。この様に凹部を形成する位置をずらすことにより、それぞれの接続部分への応力の集中を防止することができる。
次に、図4を用いてねじりバネ1のX字形状の断面の製造方法を説明する。図4(a)〜(c)は、図2に示したねじりバネ1の断面が製造される様子を示している。まず、(a)のように、結晶方位が<100>方向である単結晶シリコンウエハ100の両面にエッチングマスク部101を形成する。例えば、シリコンウエハの上下面にシリコン窒化膜を成膜し、それをドライエッチングすることによって形成することができる。エッチングマスク部101の寸法Wgは、上述の式1の関係を満たし、寸法Wg、Wsを適切な値とすることで、厚みtのウエハに対して、L1/L2を所望の値とすることができる。
続いて、シリコンの結晶異方性エッチングを行う。エッチング液としては、例えば、水酸化カリウム水溶液を用いることができる。このエッチングは、エッチングレートが結晶方位に依存するので、エッチングが進行すると、(b)に示すように、凹部5A、5Bが形成される。更にエッチングが進むと、(c)のように、凹部5C、5Dが形成されエッチングを終了する。以上のように、単一のシリコンウエハ100から、1回のエッチング工程によって、(c)のような凹部5A、5B、5C、5Dを有するX字状のねじりバネ1を形成することができる。この製造方法によるねじりバネ1は、安価に製造可能であるという利点がある。
このとき、上面10、下面11の位置は、シリコンウエハの(100)等価面となり、X字形状の斜面が(111)等価面となる。(111)等価面によって断面形状を形成すると異方性エッチングによって正確に形状を形成できるという利点がある。
そして、貼り合わせ界面のない単一のシリコンウエハを用いることによって、ねじりバネがねじれる際の材料の内部摩擦を小さくすることができる。また、ねじりバネを形成する際に貼り合わせを用いないため、貼り合わせ界面での破損がおきにくい。
さて、図4(a)のシリコンウエハ100の厚みtが誤差を持ち、ばらつきを生じる場合、寸法Wg、Wsは影響を受けない。しかし、完成される凹部の底12A、12B、12C、12Dの距離L1、L2が影響をうけ、X字形状の断面が、次のように変化する。すなわち、厚みtが想定値より大きくなれば、L1は大きく、L2は小さくなる。逆に厚みtが想定値より小さくなれば、L1は小さく、L2は大きくなる。これは、ねじりバネ1が単一ウエハのシリコン結晶面の(111)等価面を利用した形状であるため、厚さtの誤差に対して、凹部5A、5Bの深さは不変であるが、凹部5C、5Dの深さは変化するためである。
以下に、図5を用いて、このような特徴的な断面形状変化とバネ定数の変化の関係を示し、バネ定数の変化が低減するようなL1/L2について説明する。
前述のように、厚みtに応じて距離L1、L2のみが影響を受け、その増減の方向が互いに異なっている。そのため、本実施形態のねじりバネは、厚みtに対して特徴的な変化を示す。
まず、厚みtに誤差が生じる場合、断面形状で決定されるねじり係数Jが、ねじりバネ1のねじりバネ定数Ksの主な誤差要因であることを以下に示す。
支持基板2に対して相対的に可動部6をねじるトルクT、ねじり角θとすると、それぞれは以下のような関係がある。
T=Ks・θ (式2)
更に、ねじりバネ定数Ksは、材料の横弾性係数G、ねじりバネの断面のねじり係数J、ねじりバネの長さLsを用いて、以下のように示すことができる。
Ks=J・G/Ls (式3)
この場合、ねじり係数Jは、ねじり状態の断面形状に応じて生じるせん断応力から決定される値であり、ねじりバネの断面形状に依存する値である。例えば、ねじりバネの断面積が円形の場合は、断面2次極モーメントとなるが、一般的な断面形状の場合は断面に渡って分布するせん断応力を積分したトルクとの関係から得ることができる。したがって、断面形状を決定すれば有限要素法などを用いた数値解析によって、ねじり係数Jを精度よく算出することができる。本実施形態の発明においては、各々のL1/L2を有するX字形状の断面を有する構造体のねじり係数を、数値解析によって算出している。
式3に示すように、材料物性値であるGと長さLsは厚みtに依存しない値である。したがって、断面形状と寸法の関数であるJが厚みtのばらつきに対するKsの誤差要因であることがわかる。そして、厚みtによって、L1とL2のみが影響を受け、これによりJが変化する。
そのため、L1/L2をパラメータとして、厚み誤差によるJの変化率ΔJ/Jには特徴的な相関関係が存在する。図5は、縦軸に厚み誤差Δt/tに対するねじり係数の変化率ΔJ/Jを、横軸にL1/L2をとったグラフである。つまり、図5の曲線は、L1/L2に対するねじり係数Jの関数を厚みtで偏微分したものであり、この曲線は数値解析により求めてプロットしたものである。
厚み誤差(Δt/t)に対するねじり係数変化(ΔJ/J)は、どのような厚みt、Wg、Wsの値においてもL1/L2により図5の曲線のようになる。図5の曲線は、例えば次のような関数で近似することができる。
ΔJ/J=c1+c2・(L1/L2)^−6+c3・(L1/L2)^−5+c4・(L1/L2)^−4+c5・(L1/L2)^−3+c6・(L1/L2)^−2+c7・(L1/L2)^−1+c8・(L1/L2)^−1/2+c9・(L1/L2)^−1/3+c10・(L1/L2)^1/3+c11・(L1/L2)^1/2 (式4)
となる。ここで、
c1=3.3069×10^2
c2=3.675×10^−6
c3=−3.195×10^−4
c4=1.175×10^−2
c5=−2.469×10^−1
c6=3.660
c7=−7.610×10^1
c8=6.342×10^2
c9=−8.056×10^2
c10=−1.204×10^2
c11=3.458×10^1
である。
式4より、ΔJ/J=0となるL1/L2は、2.0である。L1/L2が2.0のとき、本実施形態のねじりバネ1は、厚みtの誤差によるねじり係数J(延いては、ねじりバネ1のねじりバネ定数Ks)の変化を最小とできる。この場合、L1の値がL2の値の2.0倍付近(略2倍)であれば同様の効果が得られる。特に本発明においては、1.8<L1/L2<2.2が本発明の効果が得られる好ましい範囲である。
(実施例1)
本発明のねじりバネの実施例を図6を用いて説明する。図6には、厚さ300μmのシリコンウエハを用いて、ねじりバネを形成した場合のねじりバネ定数誤差を百分率で示している。図では、厚さ300μmに対して±10μmの誤差が生じた場合を示している。曲線50で示したのが、本発明のねじりバネとなるL1/L2=2の場合、一方、曲線51は、L1/L2=1.4の場合である。
それぞれ、図4で説明した製造方法によってねじりバネを形成する。曲線50のねじりバネは、Wg=127μm、Ws=273μm、曲線51のねじりバネは、Wg=140μm、Ws=283μmの寸法を有している。
図6に示すように、曲線51のねじりバネの誤差が2.5%生じているのに対して、曲線50のL1/L2=2では、0.4%と低減することが可能である。また、曲線51がねじりバネ定数が増加と減少の両方に誤差が生じているのに対して、曲線50では、ねじりバネ定数は減少する方向の誤差しか生じない。したがって、L1/L2=2では、厚み誤差に対してねじりバネ定数誤差が小さく、誤差の方向を一方向とすることができる。ねじりバネ定数誤差が、本実施例のように一方向とできることにより、ねじりバネ定数の上限や下限を決定できるという利点がある。
(実施例2)
図7(a)〜(c)は、本発明の光偏向器の実施例を示す図である。図7(a)は、光偏向器を構成するねじりバネの上面図、(b)は、光偏向器の上面図、(c)はC−C´線での断面図を示している。なお、図7では、図1と同一部分は同一符号を付している。図7(a)に示すように、本実施例の光偏向器を構成するねじりバネは、1つの可動部6に対して、2本で1対のねじりバネ1と支持基板2で構成される。ねじりバネ1は、ねじり軸Bを中心にねじり振動可能に可動部6を支持している。また、一対のねじりバネ1は図2に示すようなX字形状の断面を有している。そして、ねじりバネ1は図4に示す製造工程で製造される。
図7(b)、(c)に示すように、可動部6に反射面4を有するミラー部8が接着されている。ミラー部8は例えば、シリコンで形成され、可動部6と接着剤で接着されている。また、ミラー部8が形成される面の反対側には、(c)のように永久磁石7が接着されている。永久磁石7は図の方向に磁極を有している。
永久磁石7は、図示しないコイルに交流を通電することにより発生する交播磁界を受けて、トルクを発生する。交流の周波数を、光偏向器のねじり振動モードの共振周波数付近とすることにより、少ない電力で大きな走査を実現することができる。
ミラー部8は、ねじり軸B方向の長さが1mm、それと垂直な長さ(ミラー部の幅)は4mmの寸法を有している。また、ねじり振動モードの共振周波数は2kHzである。
本実施例の光偏向器は、共振周波数に大きく影響するねじりバネのバネ定数が、厚み誤差に対して一定とできるため、光偏向器の製造誤差による駆動周波数変動を小さくすることができる。
シリコンのねじりバネを用いて、ねじり共振系を構成する場合、多くの形状を取りうるが、本実施例のように、マイクロからミリオーダの微小素子の場合、その振動のQ値は、500より大きい場合が多い。また、省電力で大きな変位を生じさせるため、Q値は大きい方が、振幅が増幅される率が大きくなるため望ましい。その際、用途で定められた駆動周波数と光偏向器の共振周波数をなるべく一致させるため、バネ定数の誤差は、小さいほうが好ましい。特に、シリコンウエハは、厚さ300μmに対して、±10μmの寸法公差を有している。これ以上の高精度のウエハを製造で用いる場合、ウエハ製造に特別な工程が必要となる。したがって、この厚み誤差に対して、厚み誤差(Δt/t)に対するねじり係数変化(ΔJ/J)が10分の1となると、バネ定数誤差を±0.3%程度に抑えることができる。これは周波数誤差にして、±0.15%程度しか周波数が変動しないことを示している。
このように、厚み誤差(Δt/t)に対するねじり係数変化(ΔJ/J)が厚さ寸法誤差の10分の1以内になることによって、バネ定数の誤差のオーダを下げることができる。このとき、L1/L2は1.8から2.2の範囲である。
特に、200μm±10μmのウエハに対しても、バネ定数誤差が全体で1%以下にできる。したがって、共振の周波数特性のQ値が300より大きな振動子について、共振ピーク付近である半値幅以内での駆動を行うことが可能となる。これはシリコンで形成されるミリメータサイズのねじり振動子で一般的なQ値の範囲となる。したがって、少ない電力で大きな走査を実現することができる。
(実施例3)
図8(a)〜(c)は、本発明の光偏向器の実施例を示す図である。図8(a)は光偏向器を構成するねじりバネの上面図、(b)は光偏向器の上面図、(c)はD−D´線での断面図を示している。なお、図8では、図1と同一部分は同一符号を付している。図8(a)に示すように、本実施例の光偏向器を構成するねじりバネは、2つの可動部6に対して、2本のバネ定数の異なるねじりバネ1と1つの支持基板2で構成される。ねじりバネ1は、ねじり軸Bを中心にねじり振動可能に可動部6を支持している。そして、ねじりバネ1は実施形態で説明したように図4に示す製造工程で製造される。また、ねじりバネ1は図2に示すようなX字形状の断面を有している。2つのねじりバネ1は、それぞれ、Wg、Wsの寸法は異なっておりバネ定数の値は異なっているが、L1/L2はどちらも2となっている。
そして、図8(b)、(c)に示すように、可動部6に反射面4を有するミラー部8が接着されている。また、もう一方の可動部6には、質量部3が接着されている。そして、質量部3が形成される面の反対側には、図8(c)のように永久磁石7が接着されている。
本実施例の光偏向器は、第2の実施例と異なり複数の可動部を有する。ミラー部8、質量部3の2つの慣性モーメントと、2つのねじりバネ1によって、ねじり軸Bを中心にしたねじり振動において、2自由度振動系を形成している。そのため、ねじり振動モードは、2つ存在する。つまり、基準周波数の固有振動モードである基準振動モードと、前記基準周波数の略整数倍の周波数の固有振動モードとを有する。ここで略整数倍とは、nを2以上の整数とした場合、0.98nから1.02n倍のことである。この2つの振動モードの倍数は、得ようとする可動部の振動によって変えることができる。
本実施例では、特に、この2つのねじり振動モードの周波数が略2倍(1.98から2.02倍)の関係になっている。具体的には、基本周波数が2kHz、2次の共振周波数が4kHzである。
更に、図示しないコイルに交流を通電することにより発生する交播磁界によりトルクを発生させ、光偏向器のねじり振動モードを励起する。このとき、基本周波数とその2倍の2つのねじり振動モードを同時に励起する。このように、2倍の関係を有する2成分を良好な振幅比、位相差で励起すれば、走査角の時間変化を正弦波状ではなく、略のこぎり波状にすることができる。これにより、走査の角速度を略一定とできる。
本実施例の光偏向器は、2つの共振周波数を略2倍の関係にする必要がある。そのため、バネ定数の異なる2つのねじりバネのバネ定数の誤差を小さくする必要がある。よって、ねじりバネを本発明に係る断面形状とすることで、ウエハに厚み誤差がある場合でも2つのねじりバネのバネ定数を一定とすることができ、光偏向器の製造誤差による2つの共振周波数変動を小さくすることができる。
また、本実施例では、1素子で2つのねじりバネを有しているが、1枚のウエハ内では厚みが均一なため、ウエハ内で多数の素子を形成する場合、それらの加工誤差を小さくできる。特に、本実施例では、1素子に2つのねじりバネを有しているが、これらが互いにほぼ等しい厚みとすることができる。
(実施例4)
図9は、本発明の光偏向器を用いた光学機器の実施例を示す概略斜視図である。
まず、光学機器の一つである画像形成装置について説明する。図9において、3003は本発明の光偏向器であり、本実施例では入射光を走査する。3001はレーザ光源である。3002はレンズ或いはレンズ群であり、3004は書き込みレンズ或いはレンズ群、3005は感光体である。
レーザ光源3001から射出されたレーザ光は、光の偏向走査のタイミングと関係した所定の強度変調を受けている。この強度変調光は、レンズ或いはレンズ群3002を通って、光走査系(光偏向器)3003によりに走査される。この走査されたレーザ光は、書き込みレンズ或いはレンズ群3004により、感光体3005上に画像(静電潜像)を形成する。
走査方向と直角な方向に回転軸の回りに回転される感光体3005は、図示しない帯電器により一様に帯電されており、この上に光を走査することにより感光体上のその走査部分に静電潜像が形成される。次に、図示しない現像器により静電潜像の画像部分にトナー像が形成され、これを、例えば、図示しない用紙に転写・定着することで用紙上に画像が形成される。
そして、本発明の光偏向器3003を画像形成装置に用いることで、良好な画像を形成することが可能となる。また、第3の実施例の光偏向器を用いれば光の偏向走査の角速度を感光体3005上で略等角速度とすることもでき、より鮮明な画像を生成できる画像形成装置を提供することができる。
また、本発明に係る光偏向器をプロジェクションディスプレイなどの画像表示装置に用いる場合は、以下のような構成とする。画像データに基づいて変調された光ビームを発生する光源からの光ビームを、本発明に係る光偏向器で偏向し、該光ビームを被照射体に照射することで画像を形成する。光偏向器は、光ビームを被照射体上の主走査方向と副走査方向に偏向できるような構成とする。
上記の様に、本発明に係る光偏向器はこのような光学機器にも適用することができる。
(a)、(b)本発明のねじりバネの上面図である。 本発明のねじりバネの断面図である。 本発明のねじりバネの凹部12Aの底の拡大図である。 (a)、(b)、(c)本発明のねじりバネの製造方法を示す断面図である。 本発明のねじりバネのL1/L2と厚み誤差あたりのねじり定数変化を示すグラフである。 本発明の実施例1の基板厚さとバネ定数誤差を示すグラフである。 (a)、(b)本発明の実施例2の光偏向器の上面図である。(c)本発明の実施例2の光偏向器の可動部の断面図である。 (a)、(b)本発明の実施例3の光偏向器の上面図である。(c)本発明の実施例3の光偏向器の可動部の断面図である。 本発明の光偏向器を用いた画像形成装置の実施例を示す斜視図である。
符号の説明
1 ねじりバネ
2 支持基板
3 質量部
4 反射面
5A 5B 5C 5D 凹部
6 可動部
7 永久磁石
8 ミラー部
10 上面
11 下面
12A 12B 12C 12D 凹部の底
50 本発明を適用した場合のねじりバネのバネ定数誤差
51 本発明を適用しない場合のねじりバネのバネ定数誤差
100 シリコンウエハ
101 エッチングマスク部
3001 光源(レーザ光源)
3003 光偏向器(光走査系)
3005 感光体

Claims (6)

  1. ねじり軸に垂直な断面がX字形状であるねじりバネにおいて、
    前記ねじりバネは単結晶シリコンウエハで形成され、
    前記X字形状の上面及び下面は(100)等価面で構成され、該上面及び下面に形成された凹部のそれぞれの底を互いに結ぶ距離L1、前記X字形状の側面に形成された凹部のそれぞれの底を互いに結ぶ距離L2とは、
    1.8<L1/L2<2.2の関係を満たすことを特徴とするねじりバネ。
  2. 前記ねじりバネは、シリコン結晶面である(100)等価面と(111)等価面とで構成されている請求項1に記載のねじりバネ。
  3. 支持基板と、
    反射面を有する可動部と、
    該支持基板と該可動部とを連結し、該支持基板に対してねじり軸を中心にねじり振動可能に支持する請求項1又は2に記載のねじりバネと、を有することを特徴とする光偏向器。
  4. 支持基板と、複数の可動部と、該支持基板と該複数の可動部とをねじり軸を中心にねじり振動可能に支持する請求項1又は2に記載のねじりバネとを含み構成される光偏向器であって、
    前記光偏向器は基準周波数の固有振動モードである基準振動モードと、前記基準周波数の整数倍の周波数の固有振動モードとを有することを特徴とする光偏向器。
  5. 光源と、請求項又はに記載の光偏向器と、感光体と、を有し、
    前記光偏向器は、前記光源からの光ビームを偏向し、該光ビームの少なくとも一部を前記感光体上に照射し静電潜像を形成することを特徴とする画像形成装置。
  6. 光源と、請求項又はに記載の光偏向器と、を有し、
    前記光源からの光ビームを前記光偏向器で偏向し、該光ビームを被照射体に照射することで画像を形成することを特徴とする画像表示装置。
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