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JP5086178B2 - 耐火目地材 - Google Patents
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本発明は建築用耐火目地材に関する。特に熱膨張性耐火材料を用いた耐火目地材に関する。
パネル体で構成される壁面に耐火処理を施す際に、パネル間に形成される目地部には耐火性の目地材を嵌合・固定することが行われる。例えば、特許文献1には、金属板を断面コの字状に折り曲げて長尺の基材を形成し、基材の表面に加熱によって発泡する難燃性コーティングを施した耐火目地材を作成し、目地部の耐火処理を行うことが開示されている。
特開平8−158493号公報
しかしながら、このようなコの字状断面の金属製基材を用いた耐火目地材は、目地材の幅方向の柔軟性に乏しいため、目地や耐火目地材の幅のばらつきによって、目地への挿入が困難となったり、逆に目地への固定が不十分となったりする虞があった。
また、コの字状断面の金属製基材の両面に熱膨張性の耐火材料を塗布しても、金属製基材の壁面奥側の耐火材料が、有効な耐火断熱層の形成に役立たない虞があった。しかも、金属製基材の奥側にある耐火材料の膨張によって、金属製基材が押し出されてしまい、かえって膨張した耐火断熱層を脆弱なものとしてしまったり、耐火目地材が目地部から脱落してしまう虞があった。
したがって、本発明は、目地部への挿入・固定作業が簡単かつ確実に行えると共に、火災時には、膨張した熱膨張性耐火材料によって目地部に耐火断熱層を確実に形成できるような耐火目地材を提供することを目的とする。
発明者は、鋭意検討の結果、特定の形状を有する金属製条帯を、弾力性を有する熱膨張性耐火材料に埋設一体化すると、上記課題が解決できることを知見し、本発明を完成させた。
本発明は、弾力性を有する熱膨張性耐火材料によって形成され、その断面の一部にコの字状断面を有する長尺状の耐火目地材であって、前記コの字状断面の一対の末端部分に一対の金属製条帯が埋設一体化されるとともに、前記コの字状断面の連結部において前記一対の金属製条帯が互いに離間していることを特徴とする耐火目地材である。
前記金属製条帯に、前記コの字状断面の連結部に埋設一体化される折曲げ部を設けても良い(請求項2)。
また、本発明は、弾力性を有する熱膨張性耐火材料によって形成され、その断面の一部にコの字状断面を有する長尺状の耐火目地材であって、前記コの字状断面に対応した断面形状を有する金属製条帯が埋設一体化されるとともに、前記金属製条帯には、前記コの字状断面の連結部に埋設される部分に複数の穴が設けられていることを特徴とする耐火目地材である(請求項3)。
前記金属製条帯の末端部を、コの字状断面の外側に向かって折り返して、熱膨張性耐火材料に埋設しても良い(請求項4)。
本発明によれば、耐火目地材のコの字状断面の連結部において金属製条帯が互いに離間しているので、耐火目地材が幅方向に柔軟なものとなり、目地材の挿入・固定作業が簡単かつ確実に行えるという効果が得られる。また、金属製条帯の壁面奥側の熱膨張性耐火材料が膨張した場合でも、膨張した耐火材料が上記離間部を通じて壁面外側へと流れ、目地部への耐火断熱層の形成に有効に寄与する。
さらに、本発明の好ましい様態として、金属製条帯に、コの字状断面の連結部に埋設一体化される折曲げ部を設けた場合には(請求項2)、折り曲げ部が膨張した耐火材料の飛散や崩壊を防止して、強固な耐火断熱層が得られるという効果が得られる。
また、請求項3の発明においては、請求項1の発明と同様の効果が得られると共に、耐火材料が膨張した後にも、金属製条帯が独立してその形状を維持できるので、耐火目地材が目地部から離脱してしまうことを、より確実に防止できる。
さらに、本発明の好ましい様態として、金属製条帯に、コの字状断面の外側に向かって折り返される折り返し部を設けた場合には(請求項4)、耐火目地材が目地部から離脱してしまうことを、より確実に防止できる。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。本発明における耐火目地材は、所定の断面を有する長尺の棒状部材であり、図1には本発明の第1の実施形態の断面図を示す。
本実施形態において、耐火目地材1は、弾力性を有する熱膨張性耐火材料2によって形成されており、その内部には略「Z」字状の断面に折り曲げられた長尺の金属製条帯3,3が一対、埋設一体化されている。耐火目地材1の主要部であるコの字状断面部分の両端には、コの字の外側に折り曲げられるように形成された折り返し部2a、2aが隣接して設けられている。コの字状断面部分は、一対の末端部2c、2cと、両末端部を接続する連結部2dによって構成され、末端部2cと連結部2dが接続される部分に隣接して、コの字の外側に向けて連結部2dを延在させた形状の突起部2b、2bが設けられている。
耐火目地材1の内部に埋設されるように対応した断面形状を有する金属製条帯3、3は、前記末端部2cに埋設される本体部3cを有すると共に、前記折り返し部2aに埋設される折り返し部3aと、前記連結部2dに埋設される折り曲げ端部3dを有するよう、金属製の薄板を略「Z」字状に折り曲げ加工した長尺の条帯である。金属性条帯の素材としては、ステンレス板、鉄板、鋼板、アルミニウム板などが使用できる。
本発明に使用する熱膨張性耐火材料2は、ゴム状の弾力性を有する熱膨張性耐火材料であり、樹脂材料と膨張材料を主成分とする樹脂組成物である。
樹脂材料としては、特に弾力性のあるゴムや樹脂が使用される。すなわち、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、熱可塑性エラストマー、α-オレフィン系コポリマー、エチレン系コポリマー等が例示される。
上記樹脂材料は単独で、あるいは適宜混合して使用しても良い。
さらに、上記樹脂材料に、弾力性に乏しいポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネイト系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリロニトリルスチレンブタジエン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂などの樹脂材料を混合しても良い。フェノール系樹脂は加熱により硬化・炭化するので、フェノール系樹脂を樹脂材料として混合すると、熱膨張性耐火材料2が火炎等にさらされた際に容易に軟化・変形してしまうことが防止され、耐火断熱層を確実に形成することに有効である。
膨張材料としては、熱膨張性黒鉛や発泡性窒素化合物などといった加熱により膨張する膨張材料が使用できる。中でも、従来公知の熱膨張性黒鉛を膨張材料として使用するのが、組成物の膨張倍率を高くできるので望ましい。熱膨張性黒鉛は、後述するリン化合物と反応したりすることがないように、中和処理されたものを使用するのが望ましい。本発明における膨張材料の好ましい膨張倍率は、体積膨張率で2.5倍〜200倍、更に好ましくは5倍〜150倍である。
本発明における熱膨張性耐火材料には、その他、必要に応じて以下のものを適宜加えることができる。
赤リンやリン酸エステル、リン酸金属塩、ポリリン酸アンモニウム類などのリン化合物を加えると、難燃性を高め、耐火断熱効果を向上させることができる。特にポリリン酸アンモニウムの添加が好適である。
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの含水無機物を加えると、加熱時に脱水反応が起こり、生成した水の吸熱作用によって耐火断熱性能を向上させることができる。
耐火目地材1に適度な弾力性を与えるための、熱膨張性耐火材料2の好ましい弾性の程度は、JIS K 6253によるデュロメータタイプAのゴム硬度でA10〜A90、より好ましくは、A30〜A80である。
本発明における熱膨張性耐火材料2の加熱時の体積膨張率の好ましい範囲は2倍〜40倍であり、より好ましくは、5倍〜30倍である。膨張倍率が低いと、防火性能を確保するために多量の熱膨張性耐火材料が必要となるために不経済であり、膨張倍率が高すぎると、膨張した耐火材料が散逸しやすくなり、形成される耐火断熱層がもろくなる。
上記成分を配合した熱膨張性耐火材料2の例として、エチレンプロピレンゴムを100重量部、中和処理した熱膨張性黒鉛を100重量部、ポリリン酸アンモニウムを5重量部、プロセスオイルを40重量部配合した架橋後のゴム硬度がA60のゴム組成物が例示できる。
以下、本発明の耐火目地材の製造方法について説明する。
まず、所定の原材料を配合・混練し、熱膨張性耐火材料を調製する。熱膨張性耐火材料の樹脂材料が架橋されるゴム材料であれば、未架橋状態の熱膨張性耐火材料を準備する。しかる後に、熱膨張性耐火材料と、基材となる金属製条帯3を押出成形機に供給し、金属製条帯3が熱膨張性耐火材料2の中に埋設されるように、金属製条帯3と共に熱膨張性耐火材料2を所定断面形状で押し出す。その際、金属製条帯は、あらかじめ所定長さに切断し所定断面形状となるように折り曲げ加工したものを使用しても良いし、テープ状の金属製条帯を連続的に供給して押出加工の直前で曲げダイスによって曲げ加工を施すようにしても良い。その後、押出成形された耐火目地材を加熱するなどして架橋し、金属製条帯と熱膨張性耐火材料とを一体化する。
耐火目地材1の製造は押出成形に限られるものではなく、ローラやプレス加工によりシート状に成形した熱膨張性耐火材料を金属製条帯に貼り付けて製造してもよいが、押出成形法によれば、金属製条帯3を熱膨張性耐火材料2の中に埋設することが容易かつ確実に行うことができ、より好ましい。金属製条帯3が熱膨張性耐火材料2の中に埋設されていると、金属製条帯と熱膨張性耐火材料が互いに分離してしまうことを確実に防止できるので、施工時の取扱性に優れると共に、加熱により膨張した耐火材料がばらばらに散逸してしまうのを防止し、強固な耐火断熱層を形成することができる。
以下、本発明の耐火目地材1の使用方法及びその作用効果について説明する。
図2には、耐火目地材1が使用される壁面目地部の断面図を示す。図の上側が壁部の外側であり、図の下側が壁部の内部である。該目地部においては、柱などの構造部材5に対してパネル材4,4が取り付けられ、目地部6を構成しているが、その詳細な取付け構造の説明は省略する。耐火目地材1はコの字断面の連結部2dがパネルすなわち壁部の外側となるように、目地部6に押し込まれる。好ましくは、図示したように、折り返し部2aが、パネル端部の裏側に係止する状態となるように押し込むのが良く、さらに、目地材1を押し込み過ぎないように押し込みを規制する部材が使用されることが好ましい。耐火目地材1を目地部6に押し込んだ後に、目地部6の残りの空間にシーラ7を充填して、目地部の耐火処理が完了する。
本発明においては、埋入された一対の金属製条帯3、3が、目地材のコの字断面の連結部2dにおいて、互いに離間するように設けられているので、耐火目地材1の幅方向の剛性を比較的低くすることができ、目地部6の幅がばらついていようとも、容易に挿入することができる。また、弾力性のある熱膨張性耐火材料2によって耐火目地材1を形成しているので、耐火目地材1が弾力に富んでおり、耐火目地材1を目地部6に押し込むだけでその反発力により、耐火目地材1を目地部6に固定できる。
火災など際に、壁面に熱風が吹き付けると、まず、シーラ7が加熱され、さらに、本発明の耐火目地材1が加熱される。そして、加熱により、耐火目地材1の熱膨張性耐火材料2が壁面の外側に向かって膨張して目地部6を埋めるように耐火断熱層を形成する。
本発明においては、埋入された一対の金属製条帯3が、目地材のコの字断面の連結部2dにおいて、互いに離間するように設けられているので、金属製条帯3よりも壁面の奥側(図2の下側)にある熱膨張性耐火材料が膨張しても、膨張した耐火材料がこの離間した部分を通じて壁面の外側に向かって流れることができ、より火炎や熱風に近い側に耐火断熱層を形成することができる。また、金属製条帯3の壁面奥側で膨張した耐火材料によって金属製条帯3が目地部6から押し出されてしまうことが防止され、火災時に目地部から耐火断熱材1が脱落してしまうことが防止される。
また、本実施の形態においては、耐火目地材1のコの字断面の連結部2dに埋設される折り曲げ端部3dを金属製条帯3が有するようにしたので、折り曲げ端部3dが膨張した耐火部材の中に埋設されるアンカーの役割を果たし、形成される耐火断熱層を強固なものとできる。また、突起部2b、2bは壁面目地部に挿入された際には、壁面パネル(目地部)の端部に接触する部分であり、耐火目地材1を所期の位置に保持固定する働きをする他、目地部の施工時に、シーラ7が壁の奥側に漏れ出さないようにシールする働きもする。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその性質を大きく変えない範囲で変形して実施でき、以下のような実施の形態とすることもできる。
図3には本発明の第2の実施形態を示す。図3は、耐火目地材1’の構造を示すために熱膨張性耐火材料2の一部を引き剥がし、金属製条帯3’が見えるようにした斜視図である。本実施の形態においては、金属製条帯3’が耐火目地材1’の断面形状に対応した略コの字状断面を有する1本の条帯である点、および突出部2b’が折り返し部2aと同じく抜けを防止する方向に斜めに設けられている点が第1の実施形態と異なるが、他の点については同じでありその詳細な説明を省略する。金属製条帯3’には、本体部3c、3cの間に連結部3d’が設けられて略コの字断面を形成しているが、連結部3d’には、複数の穴3e’、 3e’が条帯の長さ方向に沿って連設されている。このような条帯は、テープ状の金属板にパンチング加工により穴を連設し、その金属板に曲げ加工をすることにより得ることができる。
本実施の形態によっても、第1の実施形態と同じく、耐火目地材1’を幅方向の柔軟性に富むものとできると同時に、火災などの際には穴3e’、3e’を通じて膨張した耐火材料を壁面外側に向けて流し、耐火材料をより有効に耐火断熱層の形成に役立てることができる。
さらに、本実施の形態においては、金属製条帯3’は連結部3d’によってつながった一本の金属製条帯であるのでその形状を独立して保持することができ、熱膨張性耐火材料が膨張した後にも、確実に目地部6の奥部に耐火目地材1’を固定し続けることができる。
なお、図4に第3の実施形態として示したように、第1実施形態(図1)の金属製条帯の折り曲げ端部3d、や、第2実施形態(図3)の金属製条帯の連結部3d’をなくして、金属製条帯3’ ’を本体部3cと折り返し部3aのみによって構成することもできる。
また、本願発明の耐火目地材の断面の主要部であるコの字断面は、第1実施形態や第2実施形態に示したような、一対の末端部2c、2cが互いに略平行に設けられた形状に限らず、第3実施形態(図4)に示したように、一対の末端部2c、2c間の間隔が、連結部2dから遠くなるに従って狭くなっていくような、先細り形状とすることもできる。コの字断面を先細り形状とすることにより、耐火目地材を壁面の目地部に挿入する際の施工性が向上する。
第1ないし第3の実施形態のように、金属製条帯3に折り返し部3aを設けると、熱膨張性耐火材料が膨張した後にも、目地部6の奥部に耐火目地材1’を固定し続けるのに効果的であるが、金属製条帯3の末端部に折り返し部3aを設けなくすることもできる。
本発明の耐火目地材によれば、壁面パネルの突合せ部分の目地部における耐火処理に使用でき、目地部への挿入・固定作業が簡単かつ確実に行えると共に、火災時には、膨張した熱膨張性耐火材料によって目地部に耐火断熱層を確実に形成できるような耐火目地材を提供することができる。
本発明実施形態の耐火目地材の構造を示す断面図である。 本発明の耐火目地材の施工状態を示す断面図である。 本発明の第2実施形態の構造を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態の構造を示す断面図である。
符号の説明
1、1’ 耐火目地材
2 熱膨張性耐火材料
2a 折り返し部
2b 突出部
2c 末端部
2d 連結部
3、3’ 金属製条帯
3a 折り返し部
3c 本体部
3d 折り曲げ端部b
3d’ 連結部
3e’ 穴
4 壁面パネル
5 壁面構造部材
6 目地部
7 シーラ

Claims (4)

  1. 弾力性を有する熱膨張性耐火材料によって形成され、その断面の一部にコの字状断面を有する長尺状の耐火目地材であって、
    前記コの字状断面の一対の末端部分に一対の金属製条帯が埋設一体化されるとともに、
    前記コの字状断面の連結部において前記一対の金属製条帯が互いに離間している
    ことを特徴とする耐火目地材。
  2. 金属製条帯に、コの字状断面の連結部に埋設一体化される折曲げ部が設けられてなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の耐火目地材。
  3. 弾力性を有する熱膨張性耐火材料によって形成され、その断面の一部にコの字状断面を有する長尺状の耐火目地材であって、
    前記コの字状断面に対応した断面形状を有する金属製条帯が埋設一体化されるとともに、
    前記金属製条帯には、前記コの字状断面の連結部に埋設される部分に複数の穴が設けられている
    ことを特徴とする耐火目地材。
  4. 金属製条帯の末端部が、コの字状断面の外側に向かって折り返されて、熱膨張性耐火材料に埋設されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項3に記載の耐火目地材。
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