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JP5088674B2 - 燃焼装置 - Google Patents
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JP5088674B2 - 燃焼装置 - Google Patents

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Description

この発明は、水管ボイラ,吸収式冷凍機の再生器などに適用される燃焼装置に関する。
一般に、NOxの発生の抑制原理として、火炎(燃焼ガス)温度の抑制,高温燃焼ガスの滞留時間の短縮などが知られている。そして、これらの原理を応用した種々の低NOx化技術がある。たとえば、2段燃焼法,濃淡燃焼法,排ガス再循環燃焼法,水添加燃焼法,蒸気噴射燃焼法,水管群による火炎冷却燃焼法などが提案され実用化されている。
ところで、水管ボイラなどの比較的容量の小さいNOx発生源についても環境への影響が高まり、一層の低NOx化が求められるようになってきている。この低NOx化においては、NOxの生成を低減するとCOの排出量が増加するので、NOxとCOを同時に削減することが難しい。
その原因は、低NOx化と低CO化とが相反する技術的課題であることにある。すなわち、低NOxを推し進めるために燃焼ガス温度を急激に低下させ、900℃以下の低い温度に抑制すると、COが多量に発生すると共に発生したCOが酸化されないまま排出され、CO排出量が増大してしまう。逆に、COの排出量を少なくするために、燃焼ガス温度を高めに抑制すると、NOxの生成量の抑制が不十分となる。
この課題を解決するために、出願人は、低NOx化に伴い発生するCO量をできるだけ少なくするように、また発生したCOが酸化するように燃焼ガス温度を抑制する低NOxおよび低CO技術を提案し、製品化している(特許文献1参照)。しかしながら、この特許文献1記載の低NOx化技術は、現実には生成NOx値が25ppm程度にとどまっていた。
この課題の解決案として、出願人は、NOx発生の抑制を排出CO値低減に優先するように燃焼ガス温度を抑制し生成NOx値を所定値以下とする低NOx化ステップを行い、その後に前記低NOx化ステップからの排出CO値を所定値以下とする低CO化ステップを行う低NOx燃焼方法を提案している(特許文献2参照)。この特許文献2の技術によれば、10ppmを下回る低NOx化が可能となるが、5ppmを下回る低NOx化を実現することは難しい。これは、燃焼の特性により、5ppm以上のNOxの生成が避けられないことによる。
そして、特許文献2に記載の低NOx化技術は、空気比が1.38以上の所謂高空気比燃焼領域に属するものである。一方、空気比1.1以下(以下、「低空気比」という。)の燃焼領域では窒素酸化物の発生量が増えて、低NOx化と低CO化との両立が困難であること,および空気比が1以下となるとバックファイヤーを起こすなど安定燃焼制御が困難なことから、低空気比燃焼の領域は、これまで殆ど研究開発の対象とされていなかった。
この出願の発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、これまで殆ど研究が行われていなかった限りなく1に近い低空気比の燃焼領域において、窒素酸化物の排出量を限りなく零に近く低減でき、一酸化炭素排出量を許容範囲に低減できるとともに、低空気比による省エネルギーを実現できる業界初の燃焼方法の発明を創出し、これを先に出願した(特願2005−300343)。
この出願済の発明は、一酸化炭素を用いて窒素酸化物を還元する酸化触媒を用い、酸化触媒の一次側のガスにおける酸素,窒素酸化物および一酸化炭素の濃度比を調整することにより酸化触媒の二次側の窒素酸化物濃度を実質的に零とすることができるものである。
そして、この発明に係る燃焼装置の実用化研究の過程において、外気温,燃料ガスの圧力,温度および性状などの変動(以下、外的変動という。)により空気比が変化し、設定空気比に対応する流量調整手段の位置が変動するので、燃焼開始時や燃焼移行時において、流量調整手段を初期設定値に制御したのでは、適切な制御とならない。その結果、適切な制御を行うまでの間に一酸化炭素が排出されてしまうという課題を見出した。
特許第3221582号公報(対応米国特許:米国特許第5353748号明細書) 特開2004−125378号公報(対応米国特許:米国特許第6792895号明細書)
この発明が解決しようとする課題は、外気温などの外的変動に拘わらず燃焼開始時や燃焼移行時に排出一酸化炭素濃度を低く抑えることである。
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、バーナと、このバーナにて生成されるガスから吸熱を行う吸熱手段と、この吸熱手段を通過後の前記ガス中の一酸化炭素を酸化するとともに窒素酸化物を還元する酸化触媒と、前記バーナの燃焼空気量および/または燃料量の比率を変えることにより空気比を制御する流量調整手段と、前記バーナの空気比を検出するためのセンサと、このセンサの検出信号に基づき、前記流量調整手段の制御により前記バーナの空気比を制御して、前記酸化触媒の一次側の前記ガスにおける酸素,窒素酸化物および一酸化炭素の濃度比を調整する制御手段とを備える燃焼装置であって、
前記制御手段は、前記設定空気比に制御することにより、前記触媒一次側のガス中の酸素,窒素酸化物および一酸化炭素の濃度比Kを調整する濃度比調整を行い、
前記濃度比調整は、
前記濃度比Kを、前記触媒手段二次側の窒素酸化物濃度が実質的に零または所定値以下に、一酸化炭素濃度が実質的に零または所定値以下となる次式(1)および(2)を満たす所定濃度比に調整するように構成され、
前記設定空気比での所定燃焼条件における燃焼運転中に前記設定空気比とする前記流量調整手段の補正値を記憶し、燃焼運転再開時に記憶した前記補正値に基づいて前記流量調整手段を制御することを特徴としている。
([NOx]+2[O ])/[CO]=K …(1)
K≦2.0 …(2)
(式(1)において、[CO]、[NOx]および[O ]はそれぞれ一酸化炭素濃度、窒素酸化物濃度および酸素濃度を示し、[O ]>0の条件を満たす。)
請求項1に記載の発明によれば、燃焼運転再開時、外気温などの外的変動を反映した補正値に前記流量調整手段を速やかに制御でき、一酸化炭素の生成を抑制することができるという効果を奏する。さらに前記効果に加えて、前記触媒手段二次側の窒素酸化物濃度を実質的に零とするとともに、一酸化炭素濃度を実質的に零または所定値以下とすることができるという効果を奏する。
請求項2に記載の発明は、バーナと、このバーナにて生成されるガスから吸熱を行う吸熱手段と、この吸熱手段を通過後の前記ガス中の一酸化炭素を酸化するとともに窒素酸化物を還元する酸化触媒と、前記バーナの燃焼空気量および/または燃料量の比率を変えることにより空気比を制御する流量調整手段と、前記バーナの空気比を検出するためのセンサと、このセンサの検出信号に基づき、前記流量調整手段の制御により前記バーナの空気比を制御して、前記酸化触媒の一次側の前記ガスにおける酸素,窒素酸化物および一酸化炭素の濃度比を調整する制御手段とを備える燃焼装置であって、
前記制御手段は、前記設定空気比に制御することにより、前記触媒一次側のガス中の酸素,窒素酸化物および一酸化炭素の濃度比Kを調整する濃度比調整を行い、
前記濃度比調整は、
前記濃度比Kを前記触媒二次側の窒素酸化物濃度および一酸化炭素濃度を実質的に零とする基準所定濃度比K0に調整する調整0,
前記濃度比Kを前記触媒二次側の窒素酸化物濃度を実質的に零とするとともに一酸化炭素濃度を所定値以下とする第一所定濃度比K1に調整する調整1,
前記濃度比Kを前記触媒二次側の一酸化炭素濃度を実質的に零とするとともに窒素酸化物濃度を所定値以下とする第二所定濃度比K2に調整する調整2,
のいずれかに調整し、
前記基準所定濃度比K0を判定する式を次式(4)を満たす次式(3)とし、前記第一所定濃度比K1を前記基準所定濃度比K0より小さく、前記第二所定濃度比K2を前記基準所定濃度比K0より大きくし、
前記設定空気比での所定燃焼条件における燃焼運転中に前記設定空気比とする前記流量調整手段の補正値を記憶し、燃焼運転再開時に記憶した前記補正値に基づいて前記流量調整手段を制御することを特徴としている。
[NOx]+2[O 2 ])/[CO]=K …(3)
1.0≦K=K0≦2.0 …(4)
(式(1)において、[CO]、[NOx]および[O 2 ]はそれぞれ一酸化炭素濃度、
窒素酸化物濃度および酸素濃度を示し、[O 2 ]>0の条件を満たす。)
請求項2に記載の発明によれば、燃焼運転再開時、外気温などの外的変動を反映した補正値に前記流量調整手段を速やかに制御でき、一酸化炭素の生成を抑制することができるという効果を奏する。さらに前記効果に加えて、前記調整0により、前記触媒手段二次側の窒素酸化物濃度および一酸化炭素濃度を実質的に零とし、前記調整1により、前記触媒手段二次側の窒素酸化物濃度を実質的に零とするとともに一酸化炭素濃度を所定値以下とし、前記調整2により、前記触媒手段二次側の一酸化炭素濃度を実質的に零とするととも
に窒素酸化物濃度を所定値以下とすることができるという効果を奏する。
この発明によれば、燃焼運転再開時、外気温などの外的変動を反映した制御値に前記流量調整手段を速やかに制御でき、一酸化炭素の生成を抑制することができるという効果を奏する。
つぎに、この発明の実施の形態について説明する。この発明の実施の形態を説明する前に、この出願において使用する用語について説明する。「ガス」とは、バーナから酸化触媒を通過し終わるまでのガスをいい、酸化触媒を通過した後のガスを「排ガス」という。したがって、ガスは、燃焼反応中(燃焼過程)のガスと燃焼反応が完結したガスとを含み、燃焼ガスと称することができる。ここにおいて、前記酸化触媒がガスの流れに沿って多段に設けられている場合、「ガス」は、最終段の酸化触媒を通過し終わるまでのガスをいい、「排ガス」は、最終段の酸化触媒を通過した後のガスをいう。
また、「酸化触媒の一次側」とは、酸化触媒に対しバーナが設けられている側であって、特に断らない限り、ガスがこの酸化触媒を通過する直前をいい、「酸化触媒の二次側」とは、酸化触媒の一次側の反対側をいう。さらに、空気比mは、m=21/(21−[O2])と定義する。ただし、 [O2]は、排ガス中の酸素濃度を表すが、空気比を求める際に用いる[O2]は、酸素過剰領域では過剰酸素濃度を表し、燃料過剰領域では一酸化炭素などの未燃ガスを空気比m=1で燃焼させるのに必要な不足酸素濃度を負の値として表す。また、「炭化水素を含まない」とは、燃焼反応の過程で全く炭化水素(HC)が生成されないことを意味するのではなく、燃焼反応の過程では、若干の炭化水素が生成されるが、燃焼反応が終了する段階,すなわち前記酸化触媒に流入するガス中に窒素酸化物を還元する炭化水素が実質的に含まれていない(測定限界以下である)ことを意味している。
つぎに、この発明の実施の形態について説明する。この発明は、小型貫流ボイラなどの水管ボイラ,給湯器,吸収式冷凍機の再生器などの燃焼装置(熱機器または燃焼機器と称しても良い。)に適用される。
(実施の形態1)
この実施の形態1は、バーナと、このバーナにて生成されるガスから吸熱を行う吸熱手段と、この吸熱手段を通過後の前記ガス中の一酸化炭素を酸化するとともに窒素酸化物を還元する酸化触媒(以下、触媒という。)と、前記バーナの燃焼空気量および/または燃料量の比率(割合)を変えることにより空気比を制御する流量調整手段と、前記バーナの空気比を検出するためのセンサと、このセンサの検出信号に基づき、前記流量調整手段の制御により前記バーナの空気比を制御して、前記触媒の一次側の前記ガスにおける酸素,窒素酸化物および一酸化炭素の濃度比を調整する制御手段とを備える燃焼装置であって、前記制御手段は、設定空気比での所定燃焼条件における燃焼運転中に前記設定空気比とする前記流量調整手段の補正値を記憶し、燃焼運転再開時に記憶した前記補正値に基づいて前記流量調整手段を制御することを特徴とする燃焼装置である。ここで「補正値」とは、前記流量調整手段をダンパとした場合は、所定の開度を意味し、前記流量調整種手段を送風機の回転数を制御するインバータとした場合は、所定の出力周波数を意味する。
この実施の形態1においては、前記バーナは、前記流量調整手段による空気比制御により、前記所定燃焼条件の前記設定空気比で燃焼し、前記吸熱手段にて吸熱作用を受けて、調整された所定濃度比で酸素,窒素酸化物および一酸化炭素を含むガスを生成する。このガスは、前記触媒との接触により一酸化炭素が酸化され、窒素酸化物が還元される。
前記設定空気比の制御は、前記流量調整手段の制御により行われるが、最初の燃焼運転
時には、前記設定空気比に対応する前記流量調整手段の初期設定値(初期値)で調整することができる。この調整は、フィードバック制御により行われるが、実際には、前記初期値を中心にして調整が行われるのではなく、前記初期値から若干外れた実際運転値を中心にして調整される。前記初期値の設定は、必ずしも必要ではなく、前記初期値を用いることなく後記の第一制御帯および第二制御帯による制御を用いて制御するように構成することができる。
この実際運転値は、外気温などの外的変動を反映した値であるが、前記制御手段は、この実際運転値を補正値として記憶する。燃焼運転が再開されると、前記制御手段は、前記所定燃焼条件で燃焼を再開する場合、前記補正値にて制御する。その結果、流量調整手段は、外気温などの外的変動を反映した補正値に速やかに調整されることになる。こうした速やかな調整により、空気比のズレによる一酸化炭素の生成量を抑制することができる。
この発明の実施の形態1は、つぎの実施の形態2,3において好適に実施される。
(実施の形態2)
この実施の形態2は、前記触媒により窒素酸化物および一酸化炭素濃度を低減する形態である。この実施の形態2は、制御手段が、前記触媒一次側のガス中の酸素,窒素酸化物および一酸化炭素の濃度比を、前記触媒二次側の窒素酸化物濃度が実質的に零または所定値以下に、一酸化炭素濃度が実質的に零または所定値以下となる所定濃度比に調整するように構成される。
ここで、窒素酸化物濃度が実質的に零とは、好ましくは、5ppm,さらに好ましくは、3ppm,さらに好ましくは、零である。一酸化炭素濃度が実質的に零とは、30ppm,さらに好ましくは、10ppmである。また、以下の説明で、酸素濃度が実質的に零とは、100ppm以下とするが、好ましくは、計測限界値以下とする。さらに、窒素酸化物濃度,一酸化炭素濃度が所定値以下とは、各国、各地域で定める排出基準濃度以下を意味するが、限りなく実質的に零に近い値に設定することが好ましいのはいうまでもない。このように排出基準値という意味において、「所定値」以下を「許容値」,「排出基準値」と称することができる。
(実施の形態3)
実施の形態3は、制御手段が、前記触媒一次側のガス中の酸素,窒素酸化物および一酸化炭素の濃度比Kを調整する濃度比調整を行い、前記濃度比調整は、下記の調整0,調整1,調整2のいずれかとなるように構成される。
調整0:前記濃度比Kを前記触媒二次側の窒素酸化物濃度および一酸化炭素濃度を実質的に零とする基準所定濃度比K0に調整する。
調整1:前記濃度比Kを、前記触媒二次側の窒素酸化物濃度を実質的に零とするとともに一酸化炭素濃度を所定値以下とする第一所定濃度比K1に調整する。
調整2:前記濃度比Kを、前記触媒二次側の一酸化炭素濃度を実質的に零とするとともに窒素酸化物濃度を所定値以下とする第二所定濃度比K2に調整する。
そして、前記触媒は、前記調整0を行うと、それぞれ前記触媒二次側の窒素酸化物濃度および一酸化炭素濃度を実質的に零とし、前記調整1を行うと前記触媒二次側の窒素酸化物濃度を実質的に零とするとともに一酸化炭素濃度を所定値以下とし、前記調整2を行うと前記触媒二次側の一酸化炭素濃度を実質的に零とするとともに窒素酸化物濃度を所定値以下とする特性を有している。
この実施の形態3において、濃度比とは、一酸化炭素濃度、窒素酸化物濃度および酸素濃度の相互の関係を意味する。前記調整0における基準所定濃度比K0は、好ましくは、
次式(1)の判定式にて判定され、好ましくは、次式(2)を満たし、前記第一所定濃度比K1を前記基準所定濃度比より小さく、前記第二所定濃度比K2を前記基準所定濃度比より大きくするように設定される。
([NOx]+2[O2])/[CO]=K …(1)
1.0≦K=K0≦2.0 …(2)
(式(1)において、[CO]、[NOx]および[O2]はそれぞれ一酸化炭素濃度、窒素酸化物濃度および酸素濃度を示し、[O2]>0の条件を満たす。)
前記基準所定濃度比K0は、前記触媒二次側の酸素濃度,窒素酸化物濃度および一酸化炭素濃度をそれぞれ実質的に零とする前記触媒の一次側の酸素,窒素酸化物および一酸化炭素の濃度比である。前記式(1)は、前記基準所定濃度比K0を判定するための判定式であり、式(2)は、前記触媒二次側の酸素濃度,窒素酸化物濃度および一酸化炭素濃度をそれぞれ実質的に零とする条件を示している。理論的には、K0=1.0の条件で、各濃度を零とすることができる。しかしながら、実験結果によると、前記式(2)の範囲で各濃度を実質的に零とすることが確認されているが、前記K0の上限2.0は、前記触媒の特性によっては、2.0より大きい値をとることが考えられる。
前記基準所定濃度比K0の値を下回るように,すなわち式(1)のKがK0よりも小さい前記第一所定濃度比K1となるように前記触媒の一次側の濃度比Kを調整する(前記調整1)と、前記触媒二次側の酸素濃度および窒素酸化物濃度が実質的に零となるとともに一酸化炭素濃度が所定値以下となる。この一酸化炭素濃度の所定値は、好ましくは、排出基準値(この値は、国により異なるので、国ごとに変更することが可能である。)以下に設定する。この所定値を決めると、実験的に前記第一所定濃度比K1を定めることができる。前記濃度比Kの値がK0よりも小さい前記第一所定濃度比K1となるような濃度比Kの調整は、具体的には、前記触媒一次側の一酸化炭素濃度に対する酸素濃度の割合を、前記基準所定濃度比K0を満たす一酸化炭素濃度に対する酸素濃度の割合よりも少なくすることで実現可能である。
また、前記濃度比KがK0よりも大きい前記第二所定濃度比K2となるように前記触媒の一次側の濃度比Kを調整する(前記調整2)と、前記触媒二次側の一酸化炭素濃度が実質的に零となるとともに窒素酸化物濃度が所定値以下となる。この場合、前記触媒の二次側の酸素濃度は、所定濃度となる。この窒素酸化物濃度の所定値は、一酸化炭素濃度の前記所定値とは異なる値であり、好ましくは、各国で定められる排出基準値以下とする。この所定値を決めると、実験的に前記第二濃度比K2を定めることができる。前記第二所定濃度比K2とするための濃度比Kの調整は、具体的には、前記触媒一次側の一酸化炭素濃度に対する酸素濃度の割合を、前記基準所定濃度比K0を満たす一酸化炭素濃度に対する酸素濃度の割合よりも多くすることで実現可能である。
この実施の形態3においては、好ましくは、前記濃度比Kを前記各所定濃度比K0,K1,K2に一定に保持する濃度比一定制御を行うように構成する。
この実施の形態3においては、まず、前記バーナが燃焼し、酸素と、窒素酸化物および一酸化炭素とを含み、炭化水素を含まないガスが生成される。そして、前記触媒の一次側の前記ガスにおける酸素,窒素酸化物および一酸化炭素の濃度比Kは、前記濃度比調整により、前記調整0,前記調整1,前記調整2のいずれかにより、それぞれ前記基準所定濃度比K0,前記第一所定濃度比K1,前記第二所定濃度K2に調整される。そして、前記ガスが前記触媒と接触して前記ガス中の酸素により一酸化炭素が酸化され、一酸化炭素により窒素酸化物が還元される。前記調整0または前記調整1が行われた場合の有害物質低減作用における酸素の役割は、一酸化炭素濃度の調整,すなわち窒素酸化物を還元してその濃度を実質的に零とするのに必要な量以上に存在する一酸化炭素量を消費して低減する
ものである。この前記調整0,前記調整1後の有害物質低減作用により、前記ガス中の窒素酸化物の排出量が実質的に零に低減され、一酸化炭素の排出量が実質的に零または所定値以下に低減される。また、前記調整2後の有害物質低減作用により、前記ガス中の一酸化炭素の排出量が実質的に零とされ、窒素酸化物濃度が所定値以下に低減される。さらに、前記濃度比一定制御により、前記各所定濃度比K0,K1,K2の値の変動が抑制され、窒素酸化物排出量および一酸化炭素排出量の低減効果を確実にすることができる。特に、前記調整0において、窒素酸化物排出量を実質的に零とするには、前記濃度比一定制御が重要である。
前記調整0の基準所定濃度比K0および前記調整1の第一所定濃度比K1は、次式(3)で包含して表現される。すなわち、式(3)を満たすと、前記触媒二次側の窒素酸化物濃度を実質的に零とし、一酸化炭素濃度を実質的に零とするか、低減する。一酸化炭素濃度の低減を前記所定値以下とするには、前記濃度比Kの値がK0よりも小さい値となるように前記触媒一次側の前記濃度比Kを調整し、前記第一所定濃度比K1とする。
([NOx]+2[O2])/[CO]=K≦2.0 …(3)
(式(3)において、[CO]、[NOx]および[O2]はそれぞれCO濃度、NOx濃度およびO2濃度を示し、[O2]>0の条件を満たす。)
前記触媒による有害物質の低減作用についてさらに説明する。この低減作用は、つぎのようにして行われると考えられる。前記触媒では、主反応として、一酸化炭素を酸化させる第一反応と窒素酸化物を一酸化炭素により還元させる第二反応とが生じている。そして、前記触媒における反応(触媒反応)において、酸素存在下では、前記第一反応が前記第二反応よりも優位であり、前記第一反応に基づき一酸化炭素は、酸素により消費されて、濃度調整された後、前記第二反応により窒素酸化物を還元する。この説明は、簡略化したものである。実際は、前記第一反応は、前記第二反応と競合反応であるが、一酸化炭素と酸素との反応が酸素存在下において前記第二反応と比較し見かけ上速く起こるため、第一段階で一酸化炭素の酸化(第一反応)が行われ、第二段階で窒素酸化物が還元(第二反応)されると考えられる。
要するに、前記触媒において、酸素の存在下では、CO+1/2O2→CO2なる前記第一反応により、酸素が消費され、残りのCOを用いて、2CO+2NO→N2+2CO2なる前記第二反応により、窒素酸化物を還元して、排出窒素酸化物濃度を低減する。
ここで、前記式(2)における[NOx]は、一酸化窒素濃度:[NO]と二酸化窒素濃度:[NO2]との合計濃度である。前記の反応式の説明において、NOxを用いることなく、NOを用いているのは、高温度場での生成窒素酸化物の組成は、主成分がNOであり、NO2が数%に過ぎないので、近似的に説明することができるからである。NOは、存在してもNOと同様にCOにより還元されると考えられる。
前記濃度比Kが1.0の場合は、理論上は、前記触媒から排出される酸素濃度,窒素酸化物濃度および一酸化炭素濃度を零とすることができる。しかしながら、実験上は、僅かに一酸化炭素が排出されることが分かっている。そして、([NOx]+2[O2])/[CO]=1は、実験結果を考慮して、前記第一反応および第二反応から理論的に導き出したものである。
ここで、([NOx]+2[O2])/[CO]=1を如何にして導き出したかを説明する。この式は、前記基準所定濃度比K0を典型的に満足する式であるので、基準所定濃度充足式と称する。
前記触媒内では、前記第一反応(I)が主反応として起こることが知られている。
CO +1/2O2 → CO2 …(I)
また、Pt等の貴金属触媒を用いた前記触媒内では、酸素が存在しない雰囲気で前記第二反応(II)によるCOによるNO還元反応が進行する。
CO +NO → CO2 +1/2N2 …(II)
そこで、前記第一反応(I)、前記第二反応(II)の反応に寄与する物質の濃度に着目し、前記基準濃度充足式を導きだした。
すなわち、CO濃度,NO濃度,O2濃度をそれぞれ[CO]ppm,[NO]ppm,[O2]ppmとすると、前記式(I)よりCOにより除去できる酸素濃度は、次式(III)で表される。
2[O2]= [CO]…(III)
また、前記式(II)の反応を起こすためには、COがNO等量必要であり、次式(IV)の関係がいえる。
[CO]=[NO] …(IV)
前記式(I)、(II)の反応を前記触媒内で連続して起こす場合、前記式(III)と前記式(IV)を足し合わせることで得られる次式(V)の濃度関係が必要となる。
[CO] +[CO] =2[O2]+ [NO] ・…(V)
[CO]+[CO]は、同一成分であるため、前記触媒二次側のガス中のCO濃度として[CO]で表すことができる。
よって、前記基準所定濃度比充足式,
すなわち[CO]=2[O2]+[NO]の関係を導くことができる。
前記濃度比Kの値が1.0よりも小さい場合は、一酸化炭素の濃度が前記窒素酸化物の還元に必要な濃度以上に存在するので、排出酸素濃度が零で、前記触媒通過後のガス中に一酸化炭素が残留する。
また、前記濃度比Kの値の1.0を越える2.0は、実験的に得られた値であるが、つぎの理由によると考えられる。前記触媒中で生じている反応は、完全に解明されておらず、前記第一反応および前記第二反応の主反応以外に、副反応が生じていることが考えられる。この副反応の一つとして、蒸気と一酸化炭素との反応により水素が生じ、この水素により窒素酸化物および酸素が還元される反応が考えられる。
つぎに、この発明の実施の形態1〜3の構成要素について説明する。
前記バーナは、好ましくは、ガス燃料を予混合燃焼させる全一次空気式の予混合バーナとする。前記触媒にて、前記第一反応および前記第二反応を効果的に生じさせるには、酸素,窒素酸化物および一酸化炭素に関する前記(2)(3)式で示すような濃度比Kの調整が重要である。前記バーナを予混合バーナとすることにより、低空気比領域で前記基準所定濃度比K0を比較的容易に得ることができる。しかしながら、前記触媒一次側のガス中における酸素,窒素酸化物および一酸化炭素が均一に混合され、それぞれの濃度を前記所定濃度比とする制御を行うことにより、予混合バーナ以外の部分予混合バーナや先混合バーナとすることができる。また、前記式(2)(3)を満たすという条件下で前記触媒の一次側の酸素濃度O2を0%<O2≦1.00%とすると、空気比はほぼ1となり、排出濃度が零に近い低NOxと低COに加えて省エネルギーが実現され、低公害で、省エネルギーの燃焼装置を提供することができる。
前記吸熱手段は、好ましくは、ボイラなどの缶体を構成する水管群とする。この吸熱手段の形態としては、前記バーナの直近に燃焼空間を殆ど有さず、燃焼空間内に水管群を配置した第一の態様(前記特許文献1〜4に相当)と、前記バーナと水管群との間に燃焼空間を有する第二の態様とを含む。前記第一の態様では水管間の隙間で燃焼反応が進行する。前記水管群は、前記バーナからのガスと熱交換する複数の水管であるが、給湯器の水管のように1本の水管を蛇行させることで複数の水管を構成することができる。
前記吸熱手段は、前記バーナにて生成されるガスから吸熱してその熱を利用するとともに、前記ガスの温度を前記触媒の活性化温度近くに制御し、かつ熱的な劣化を防止する温度以下に抑制する,すなわちガス温度を前記第一反応および前記第二反応を効果的に生じさせ、かつ温度による劣化を抑制し、耐久性を考慮した温度に制御する機能を持たせることができる。また、前記吸熱手段に前記ガスの温度が約900℃以上に上昇するのを抑制して一酸化炭素の酸化を抑制し、前記バーナからのガスの濃度比が変化しないための手段として機能させることができる。
前記バーナによる濃度比調整と前記吸熱手段とによる前記濃度比調整は、実験的なデータに基づいて空気比―NOx・CO特性を求めることにより行われる。この濃度比調整は、前記触媒一次側の酸素,窒素酸化物および一酸化炭素の前記濃度比Kを、前記バーナおよび前記吸熱手段の濃度比特性に基づき、前記バーナの燃料量と燃焼空気量との割合を調整する空気比調整手段を用いて前記所定濃度比に制御することにより、前記触媒二次側の窒素酸化物濃度を実質的に零から所定値以下に、一酸化炭素濃度を実質的に零から所定値以下に調整するものである。そして、この濃度比調整は、前記触媒一次側の濃度比Kを前記基準所定濃度比K0,前記第一所定濃度比K1,前記第二所定濃度K2に調整するものであるが、つぎの第一,第二濃度比調整手段を用いて行うことができる。この発明においては、いずれの調整手段も前記バーナへの燃焼量と燃焼空気量との割合を調整する前記空気比調整手段による濃度比の調整を行うものである。
前記第一濃度比調整手段は、前記濃度比Kの調整を前記バーナの特性を利用するとともに、前記バーナおよび前記触媒の間に配置され前記ガスから吸熱する吸熱手段との特性を利用して、すなわち前記バーナおよび前記吸熱手段の濃度比特性を利用して行うものである。この濃度比特性とは、前記バーナを空気比を変化させて燃焼させることにより生成される前記吸熱手段の全部または一部を通過後の一酸化炭素濃度および窒素酸化物濃度が変化する特性である。また、この濃度比特性は、基本的には前記バーナによる濃度比特性により決まり、前記吸熱手段は、典型的には、前記バーナの濃度比特性を一部変化させるか、またはその濃度比特性を保持する機能を有する。前記吸熱手段を前記第一の態様とする場合は、燃焼反応中のガスの冷却により、一酸化炭素濃度の増加をもたらすとともに、窒素酸化物濃度を抑制する。前記吸熱手段を前記第二の態様とする場合は、典型的には、前記バーナによる濃度比特性を殆ど変更することなく、保持するものである。
この第一濃度比調整手段を用いて前記濃度比Kの調整を行う場合には、前記バーナおよび前記吸熱手段以外に濃度比調整手段を必要としないので、装置の構成を簡素化できる。また、前記吸熱手段により前記ガスの温度を抑制することができ、前記触媒の耐久性を向上できるという効果を奏することができる。
前記第二濃度比調整手段は、前記濃度比Kの調整が、前記バーナと、前記バーナおよび前記触媒の間に配置され前記ガスから吸熱する吸熱手段との濃度比特性を利用するとともに、前記バーナおよび前記触媒の間に配置され前記補助調整手段を用いて行うものである。
前記補助調整手段は、前記バーナと前記触媒との間(前記吸熱手段の途中を含む。)にあって、一酸化炭素を注入したり、酸素を吸着除去することにより、酸素濃度に対する一酸化炭素濃度の割合を増加させることにより前記調整を補助的に行う機能を有するものである。この補助調整手段としては、CO発生器や、排ガスの酸素またはCOの量を調整可能な補助的バーナとすることができる。
この第二濃度比調整手段を用いて前記濃度比の調整を行う場合には、前記濃度比調整を前記バーナおよび前記吸熱手段の濃度比特性に加えて前記補助調整手段を利用して行うの
で、特定の構造のバーナに限定されることなく、前記バーナおよび前記吸熱手段の適用範囲を拡げることができる。
前記濃度比調整手段による濃度比調整は、前記触媒の一次側の前記ガスにおける一酸化炭素濃度が一酸化炭素の酸化により前記触媒内で低減される一酸化炭素濃度と窒素酸化物の一酸化炭素による還元により前記触媒内で低減される一酸化炭素濃度とを加えた値とほぼ等しいか、それ以上とする調整と表現することができる。この濃度比調整が不可能な場合には、一酸化炭素の注入や酸素の注入による調整を行うように構成することができる。
この濃度比において、空気比を実質的に1.0の低空気比に制御すれば、省エネルギーを達成するうえで好ましい。また、この濃度比調整は、好ましくは、燃焼温度の調整により窒素酸化物量および一酸化炭素量を所定量以下に抑制するとともに、ガス温度を保持して得られた一酸化炭素濃度を低減させないことにより行われる。一酸化炭素は、ガス温度が約900℃以上となると酸化されやすいので、好ましくは、前記触媒の一次側におけるガス温度が600℃以下に保持されるように前記バーナおよび前記吸熱手段とが構成される。
前記触媒は、前記ガス中に炭化水素が含まれない状態で効率良く前記窒素酸化物を還元する機能を有する触媒で、前記吸熱手段の後流または前記吸熱手段の途中に設けられ、通気性を有する基材に触媒活性物質を担持した構成とする。前記基材としては、ステンレスなどの金属,セラミックが用いられ、排ガスとの接触面積を広くするような表面処理が施される。触媒活性物質としては、一般的に白金が用いられるが、実施に応じて、白金に代表される貴金属(Ag,Au,Rh,Ru,Pt,Pd)または金属酸化物を用いることができる。前記触媒を前記吸熱手段の途中に設ける場合は、複数の水管などの吸熱手段間の隙間に設けるか、前記吸熱手段を基材として、その表面に触媒活性物質を担持した構成とすることができる。
前記空気比調整手段は、流量調整手段と、この流量調整手段を駆動する位置調整手段としてのモータと、このモータを制御する制御手段とを含む。前記流量調整手段は、前記バーナの燃焼空気量および燃料量いずれか一方,または両方を変えることで両者の比率を変え、前記バーナの空気比を調整するための手段である。前記燃焼空気量を調整するものの場合、好ましくは、ダンパ(弁の意味を含む)とする。このダンパの構造としては、回転軸を中心に回転する弁体により流路の開度を変える回転タイプのもの、流路の断面開口に対してスライドすることにより流路の開度を変えるスライドタイプのものとすることができる。
この流量調整手段を燃焼空気量を変えるものとする場合には、好ましくは、送風機と燃料供給手段との間の空気流路に設けるが、前記送風機の吸い込み口など前記送風機の吸い込み口側に設けることができる。
前記モータは、好ましくは、前記流量調整手段を駆動する手段であり、前記流量調整手段の開度量を駆動量に応じて制御でき、かつ単位時間当たりの駆動量を調整できるモータとする。このモータは、空気比を安定的に制御する機械的制御手段の一部を構成する。この「開度量を駆動量に応じて制御できる」とは、駆動量が決まれば、前記流量調整弁の開度を特定の位置に停止制御できることを意味する。また、「単位時間当たりの駆動量を調整できる」とは、位置制御の応答性を調整できることを意味する。
このモータは、好ましくは、ステッピングモータ(ステップモータと称することができる。)とするが、ギヤモータ(ギヤドモータと称することができる。)やサーボモータなどとすることができる。前記ステッピングモータとした場合は、前記駆動量が駆動パルス
により決定し、前記流量調整手段の開度位置を基準開度位置から駆動パルスの数に応じた量だけ開閉移動して任意の目的とする停止位置に制御できる。また、前記ギヤモータまたは前記サーボモータとした場合は、前記駆動量が開閉駆動時間であり、前記流量調整手段の開度位置を基準開度位置から開閉駆動時間に応じた量だけ開閉移動して任意の目的とする停止位置に制御できる。
前記空気比調整手段の流量調整手段は、送風機のモータをインバータにより制御するものとすることができる。このインバータは、周知の構成のものを利用できる。このインバータを用いる場合も、ダンパ制御に用いる前記空気比制御プログラムにより制御することができる。
前記センサとしては、酸素過剰領域では過剰酸素濃度を表し、燃料過剰領域では一酸化炭素等の未燃ガスを空気比m=1.0で燃焼させるのに必要な不足酸素濃度を負の値として表す酸素濃度計を好適に用いることができる。また、前記センサとしては、酸素濃度センサと一酸化炭素濃度センサとを組み合わせ、近似的に空気比を求めることもできる。以上のようなセンサの取付位置は、好ましくは、前記触媒の二次側とするが、これに限定されるものではなく、前記触媒の一次側や、前記触媒の下流側に排熱回収器を設けた場合は、この下流側とすることができる。
前記制御手段は、予め記憶した空気比制御プログラムに基づき、前記センサの検出値を入力して、前記モータの駆動量をフィードバック制御して、前記触媒の一次側の前記ガスにおける一酸化炭素濃度が前記酸化により前記触媒内で低減される一酸化炭素濃度と前記還元により前記触媒内で低減される一酸化炭素濃度とを加えた値とほぼ等しいか、それ以上となるように、または、前記式(2)(3)を満たすように、前記空気比を1.0の設定空気比に制御する。
前記空気比制御プログラムは、好ましくは、前記検出空気比と前記設定空気比との差に応じて前記モータの単位時間当たり駆動量(1駆動単位当たりの時間で表現することができる。)を変える第一制御帯と、この第一制御帯の外側において単位時間当たりの前記駆動量を固定の所定値とする第二制御帯とを設けて、前記モータの駆動量を制御するように構成する。この制御は、検出空気比が前記設定空気比を中心にした設定範囲内に収まるように制御する電気的制御手段を構成する。なお、この空気比制御プログラムは、この制御方式に限定されるものではなく、種々のPID制御とすることができる。
前記第一制御帯における制御量は、検出空気比と設定空気比との差と、設定ゲインとの積の式により制御することができる。こうした制御により、設定空気比に速やかに制御できるととともに、オーバーシュートおよびハンチングの少ない制御を行うことができるの効果を奏することができる。
さらに、この空気比制御のプログラムは、つぎの動作が行われるように構成されている。すなわち、前記設定空気比は、前記流量調整手段の補正値と対応している。前記制御手段による設定空気比の制御は、前記流量調整手段の制御により行われるが、最初の燃焼運転時には、前記流量調整手段により、前記設定空気比に対応する前記初期値または前記制御帯を目指して行われる。この調整は、フィードバック制御により行われ、実際には、前記初期値により調整が行われるのではなく、前記初期値から若干外れた実際運転値により調整されることになる。
この実際運転値は、外気温などの外的変動を反映した値であるが、前記制御手段は、燃焼運転停止時の実際運転値を補正値として記憶する。この記憶する実際運転値は、瞬時値または所定時間の平均値とする。そして、燃焼運転が再開されると、前記制御手段は、前
記所定燃焼条件で燃焼を再開するが、今度は記憶した前記補正値を目指して前記流量調整手段を制御する。
前記初期値および前記補正値は、燃焼装置の所定燃焼条件毎に設定される。燃焼装置の所定燃焼条件が燃焼量の少ない第一燃焼条件(低燃焼)または燃焼量の多い第二燃焼条件(高燃焼)を含んでいる場合には、それぞれ第一燃焼条件および第二燃焼条件に対して前記初期値および前記補正値が設定される。また、前記所定燃焼条件が前記第一燃焼条件から前記第二燃焼条件または前記第二燃焼条件から前記第一燃焼条件への移行時における一酸化炭素の生成を抑制する第三燃焼条件を含んでいる場合には、この第三燃焼条件に対しても前記初期値および前記補正値が設定される。前記のように前記初期値を用いることなく、前記センサの検出信号が前記第一制御帯に収まるように制御するように構成することができる。
(実施の形態4)
この発明は、前記の発明の実施の形態1〜3に限定されるものではなく、つぎのような燃焼開始時制御を行う実施の形態4に適用可能である。この実施の形態4は、燃焼によりガスを生成するバーナと、前記ガスから吸熱する吸熱手段と、この吸熱手段通過後の前記ガス中の少なくとも一酸化炭素を酸化する触媒と、この触媒の一次側における前記ガス中の一酸化炭素濃度が開始時第一設定値となるように、前記バーナの燃焼を開始時第一設定条件に制御する制御手段とを備える燃焼装置であって、前記制御手段は、前記バーナの燃焼開始時、一酸化炭素の生成および/または排出を抑制する燃焼開始時制御を行うことを特徴とする燃焼装置である。
この実施の形態4において、前記燃焼開始時制御は、好ましくは、前記触媒の一次側の一酸化炭素濃度が前記開始時第一設定値より低い開始時第二設定値となるように、前記バーナの燃焼を開始時第二設定条件に制御し、その後前記開始時第一設定条件による燃焼へ移行する。前記開始時第一設定条件および前記開始時第二設定条件の変更は、前記バーナの空気比を変更することにより行われる。ここで、前記開始時第一設定条件、前記開始時第二設定条件がこの発明の所定燃焼条件に相当し、前記実施の形態1〜3と同様に、それぞれに対して初期値と補正値が設定される。前記開始時第二設定条件の第二前記空気比は、前記開始時第一設定条件の第一設定空気比より高い値に設定される。
また、この発明は、前記バーナおよび前記吸熱手段による濃度比調整は、前記吸熱手段以外の前記バーナから前記触媒までのガス通路を構成する要素およびこのガス通路に含まれる要素によりおこなう形態を含むものである。
ついで、この発明の燃焼装置を蒸気ボイラに適用した実施例を図面に従い説明する。図1は、本実施例の蒸気ボイラの縦断面の説明図であり、図2は、図1のII−II線に沿う断面の説明図であり、図3は、図2の触媒を排ガスの流れ方向から見た要部構成を示す図であり、図4は、本実施例1の空気比−NOx・CO特性を説明する図であり、図5は、本実施例1のダンパ位置調整装置の使用状態の一部断面の説明図であり、図6は、本実施例1のダンパ位置調整装置の使用状態の一部断面の説明図であり、図7は、本実施例1のバーナおよび吸熱手段特性および触媒の特性を説明する模式図であり、図8は、本実施例1のセンサの出力特性を説明する図であり、図9は、本実施例1のモータ制御特性を説明する図であり、図10は、本実施例1のNOxおよびCO低減特性を説明する図であり、図11は、本実施例1の燃焼量変更時制御を説明するタイムチャート図であり、図12は、本実施例1の燃焼量変更時制御の各種値の変化を説明する表であり、図13は、本実施例1の制御手順の一部を説明するフローチャート図である。
まず、本実施例1の蒸気ボイラについて説明する。この蒸気ボイラは、バーナ1と、このバーナ1にて生成されるガスから吸熱する吸熱手段としての伝熱管(水管)群2を含む缶体3と、前記水管群2通過後の酸素,窒素酸化物および一酸化炭素をそれぞれ所定濃度比で含むガスが接触して通過され、一酸化炭素を酸化させるとともに窒素酸化物を還元させる触媒4と、前記バーナ1へガス燃料を供給する燃料供給手段5と、前記バーナ1へ燃焼空気(燃焼用空気)を供給するとともに燃焼空気および燃料を予混合する燃焼空気供給手段6と、前記触媒4の下流において酸素濃度を検出するセンサ7と、このセンサ7などの信号を入力して前記燃料供給手段5および前記燃焼空気供給手段6などを制御するボイラ制御器としての制御器8とを主要部として備えている。
前記バーナ1は、平面状の燃焼面(予混合気の噴出面)を有する完全予混合式バーナである。このバーナは、特許文献1に記載のバーナである。
前記缶体3は、上部管寄せ9および下部管寄せ10を備え、この両管寄せ間に前記水管群2を構成する複数の内側水管11,11,…を配置している。そして、図2に示すように、前記缶体3の長手方向の両側部に外側水管12,12,…を連結部材13,13,…で連結して構成した一対の水管壁14,14を設け、この両水管壁14,14と前記上部管寄せ9および下管寄せ10との間に前記バーナ1からの燃焼反応中ガスおよび燃焼完結ガスがほぼ直線的に流通する第一ガス通路15を形成している。前記第一ガス通路15の一端には前記バーナ1が設けられ、他端の排ガス出口16には排ガスが流通する第二ガス通路(煙道)17が接続されている。この実施例1においては、前記バーナ1および前記缶体3は、公知のものを用いている。
前記第二ガス通路17は水平部18と垂直部19とを含み、前記水平部18には、前記触媒4が装着されている。前記垂直部19には、前記触媒4の下流側に位置するように排熱回収器としての給水予熱器20が装着され、前記触媒4および前記給水予熱器20の間に前記センサ7が配置されている。
前記バーナ1,前水管群2を含む前記バーナ1から前記触媒4に至る構成要素(特にバーナ1と水管群2がその主要部)は、前記触媒4の一次側のガスにおける前記所定濃度比Kを前記所定濃度比K0,K1に調整する機能をなすものである。すなわち、後述する空気比調整手段28により設定空気比に調整したとき、図4に示す空気比―NOx・CO特性が得られるように構成されている。この空気比―NOx・CO特性は、前記空気比調整手段28を制御して、空気比を1.0の設定空気比に調整したとき、前記触媒4の二次側の窒素酸化物濃度を実質的に零とする前記触媒4の一次側の空気比―NOx・CO特性(以下、一次特性という。)である。そして、前記触媒4は、前記一次特性を有する前記ガスを前記触媒4に接触させることにより得られる前記触媒4の二次側空気比―NOx・CO特性(以下、二次特性という。)を有している。前記一次特性は、前記バーナ1から前記触媒4に至る構成要素による前記濃度比特性であり、前記二次特性は、前記触媒4による特性である。前記一次特性は、前記設定空気比を1.0に調整したとき、前記触媒4の二次側のNOx濃度および一酸化炭素濃度を実質的に零とする。このとき、前記触媒4の一次側のガスにおける基準所定濃度比K0は、特異基準濃度比K0Xとなる(図7参照)。
この図4において、第一ライン(特性線)Eは、前記触媒4一次側のCO濃度を示し、第二ラインFは、同じく一次側のNOx濃度を示している。また、第三ラインJは、前記触媒4二次側のCO濃度を示し、空気比1.0以上でCO濃度が実質的に零となり、空気比が1.0より小さくなると、濃度が急激に増加する特性を有している。また、第四ラインUは、前記触媒4二次側のNOx濃度を示し、空気比1.0以下の所定の領域でNOx濃度が実質的に零となり、空気比が1.0を越えるに従い、実質的に零から濃度が増加し、
やがて前記触媒4の一次側の濃度と等しくなる特性を有している。この前記触媒4の二次側NOx濃度が、一次側の濃度と等しくなる空気比以下の領域をNOx・CO低減領域と称する。このNOx・CO低減領域の下限は、前記触媒4の二次側のCO濃度が300ppm(日本のCO排出基準)となる空気比とすることができる。この低空気比領域の空気比―NOx・CO特性は、これまで研究されてこなかった新規な特性である。ここにおいて、低空気比とは、空気比1.1以下,好ましくは、1.05以下であり、この空気比の領域を低空気比領域と称する。
前記触媒4は、前記水管群2を通過後の炭化水素を含まない前記ガスに含まれる一酸化炭素を酸化する(第一反応)とともに窒素酸化物を還元する(第二反応)機能を有し、本実施例1では、触媒活性物質を白金とした触媒を用いている。前記「発明を実施するための最良の実施の形態」の欄で説明したように、実験結果に基づいて理論的に考察すると、前記式(3)の濃度比式を満たす前記ガスと前記触媒4の触媒活性物質との接触により、主に一酸化炭素を酸化させる第一反応と窒素酸化物を一酸化炭素により還元させる第二反応とが生じると考えられる。前記第一反応は、酸素濃度により反応が進行するか、しないかが決定され、この触媒4においては、前記第一反応が前記第二反応に対して優位であると考えられる。
前記触媒4をより具体的に説明すると、この触媒は、図3に示すような構造のもので、たとえば,つぎのようにして形成される。前記基材としての共にステンレス製の平板21および波板22のそれぞれの表面に多数の微小凹凸を形成し、その表面に触媒活性材料(図示省略)を担持する。ついで、所定幅の前記平板21および波板22を重ね合わせたうえで、螺旋状に巻回してロール状に形成する。このロール状のものを側板23にて包囲し固定して形成している。前記触媒活性材料としては、白金を用いている。なお、図3においては、前記平板21および前記波板22の一部のみを示している。
この触媒4は、低温域で酸化活性を有し、前記第二ガス通路17の途中の水平部18であって、排ガス温度が約100℃〜350℃程度の位置に配置されている。そして、この触媒4は、性能が劣化した場合に交換可能なように、前記第二ガス通路17に対して着脱自在に装着されている。
前記燃料供給手段5は、ガス燃料供給管24と、このガス燃料供給管24に設けた燃料流量の調整用の流量調整弁25とを含んで構成されている。前記流量調整弁25は、燃料供給量を高燃焼用流量と低燃焼用流量とに制御する機能を有する。
前記燃焼空気供給手段6は、送風機26と、この送風機26から前記バーナ1へ燃焼空気を供給する給気通路27と、この給気通路27を流れる燃焼空気量を調整することで前記バーナ1の空気比を調整する空気比調整手段28を含んで構成されている。前記給気通路27内へは、前記ガス燃料供給管24が燃料ガスを噴出するように接続されている。
前記空気比調整手段28は、前記給気通路27の開度(流路断面積)を調整する流量調整手段としてのダンパ29と、このダンパ29の開度位置を調整するためのダンパ位置調整装置30と、このダンパ位置調整装置30の作動を制御する前記制御器8とを含んで構成されている。
前記ダンパ位置調整装置30は、図5に示すように、前記ダンパ29の回転軸31に着脱自在に連結される駆動軸32を備え、この駆動軸32は、減速機33を介してモータ34にて回転可能である。このモータ34としては、回転停止位置を任意に調整可能なモータが使用される。本実施例1ではステッピングモータ(パルスモータ)が使用される。
前記駆動軸32は、前記ダンパ29の回転軸31と、カップリング35を介して連結されることで、略同一軸線上で一体回転可能とされる。前記カップリング35は、段付き円柱形状とされ、その中央部には軸方向に貫通して小径穴36および大径穴37が形成されている。その小径穴36には前記駆動軸32が挿入され、この駆動軸32は取付ネジ38にて前記カップリング35と一体化される。一方、前記大径穴37には前記ダンパ29の回転軸31が挿入可能とされ、この回転軸31はキー39にて前記カップリング35と一体回転可能とされる。そのために、前記回転軸31および前記カップリング35の大径穴37には、それぞれキー溝40,41が形成されている。
このようなカップリング35は、一端部に前記駆動軸32が挿入された状態で、他端部が軸受42を介して前記ダンパ位置調整装置30の外ケース43に回転可能に保持される。この外ケース43には、一端部に前記減速機33および前記モータ34が保持され、他端部に前記カップリング35のキー溝41付きの大径穴37を露出した状態で、前記カップリング35や回転異常検出手段44を内部に密閉する構造である。
回転異常検出手段44は、被検出板45と検出器46とを備える。前記被検出板45は、前記カップリング35の軸方向中央部の段付き部に、半径方向外側へ延出して固定される。この被検出板45は、前記カップリング35や前記駆動軸32と同心に設けられる。前記被検出板45の外周部の一部には、周方向等間隔に多数のスリット47,47…を形成したスリット形成領域48が設けられる。本実施例では、四分の一(90度)の円弧分だけ、スリット形成領域48が設けられる。このスリット形成領域48に形成される各スリット47は、同一の形状および大きさである。本実施例では、前記被検出板45の半径方向に沿った細長い矩形状の溝が、周方向に沿って等間隔に打ち抜き形成されている。
前記スリット47を検出するための検出器46は、前記外ケース43に固定される。この検出器46は、透過型フォトインタラプタからなり、発光素子49と受光素子50との間に前記被検出板45の外周部が介在された状態に取り付けられる。前記検出器46の発光素子49と受光素子50との間に前記被検出板45を介在させることで、前記検出器46と対応した位置(前記発光素子49から前記受光素子50への光路と対応した位置)に前記被検出板45のスリット47が配置されるか否かにより、前記受光素子50における前記発光素子49からの受光の有無が切り替えられる。これにより、前記ダンパ29の開度位置の検出が可能とされる。
前記ダンパ位置調整装置30は、図6において前記スリット形成領域48の時計方向の端部スリット51が、前記検出器46と対応した位置に配置された状態で、前記ダンパ29が前記給気通路27を全閉状態とするように位置決めされて、前記ダンパ29の回転軸31に取り付けられる。
そして、前記スリット形成領域48は、前記被検出板45の90度分だけ形成しているので、このスリット形成領域48の時計方向の端部スリット51が、前記検出器46と対応した位置に配置された状態では、上述したように前記ダンパ29が前記給気通路27を全閉する一方、前記スリット形成領域48の反時計方向の端部スリット52が、前記検出器46と対応した位置に配置された状態では、前記ダンパ29が前記給気通路27を全開することになる。
前記ダンパ位置調整装置30は、前記モータ34と前記検出器46とが前記制御器8と接続され、前記ダンパ29の回転異常を監視しつつ、前記モータ34の回転を制御することができるように構成されている。すなわち、前記モータ34を制御するために、前記ダンパ位置調整装置30は、前記モータ34への駆動パルスを含む制御信号の作成回路を有し、その作成した制御信号を前記モータ34へ出力可能である。これにより、前記モータ
34は、正転または逆転と、駆動量,すなわち駆動パルスの数に対応してその回転角が任意に制御される。また、駆動パルスの間隔(送り速度)を変えることで、回転速度を制御可能に構成されている。
実際に前記ダンパ29を開閉制御するに際し、前記制御器8は、まず前記ダンパ29の全閉位置を原点とするために原点検出動作を行う。まず図5において、反時計方向へ前記被検出板45を回転させる。いま、この被検出板45のスリット形成領域48内に前記検出器46が配置されているとすれば、前記被検出板45の回転に伴い前記検出器46は定期的に前記スリット47を検出するので、その検出パルスが検出信号として前記制御器8へ入力される。そして、前記検出器46が前記スリット形成領域48外に配置されるまで前記被検出板45が回転されると、パルスが検出されなくなる。所定時間パルスが検出されないと、前記制御器8は、前記検出器46が前記スリット形成領域48外にあると認識し、回転方向を逆方向へ切り替える。すなわち、本実施例では、前記被検出板45を時計方向へ逆転させ、最初にパルス(時計方向の端部スリット51)が検出された位置を原点とする。この時計方向への回転による原点確認は、回転方向切替え前の反時計方向の回転よりも低速でなされる。
このようにして検出された原点は、前記ダンパ29の全閉位置と対応しているので、この状態を基準として、前記制御器8は、前記モータ34へ駆動信号を出力し、前記ダンパ29を開閉制御することができる。前記制御器8は、前記ダンパ29の開閉のために前記モータ34を駆動すれば、それに伴い前記検出器46から前記スリット47の検出信号がパルスとして取得される。従って、前記制御器8は、前記検出器46からの検出信号を前記モータ34への制御信号と比較して、前記ダンパ29の回転異常を監視することができる。具体的には、前記モータ34への駆動パルスからなる制御信号と、前記検出器46による前記スリット47の検出パルスからなる検出信号とを比較し、回転異常の有無を監視する。
たとえば、前記モータ34へ駆動パルスを送ったにもかかわらず、前記検出器46から検出パルスが検出されない場合に、前記制御器8は、回転異常と判定する。この際、前記検出器46からの検出パルスは、前記モータ34への駆動パルスの周波数と異なるのが通常であるから、この相違を考慮して制御する。たとえば、駆動信号の所定パルス分の時間が経過しても、なお検出信号のパルスが一つも検出されない場合に、はじめて回転異常と判断するよう制御する。前記制御器8は、回転異常と判定した場合、異常の報知や燃焼を停止させるなどの処置を行う。また逆に、前記モータ34へ駆動パルスを送っていないのに、前記検出器46からパルスが検出された場合にも、回転異常を検知することができる。
前記制御器8は、予め記憶した空気比制御プログラムにより、前記モータを制御する。この空気比制御プログラムは、前記触媒4二次側の窒素酸化物濃度を実質的に零とするように前記濃度比をを制御する基本制御プログラム(第一プログラム)と、前記バーナ1の燃焼開始時、多量の一酸化炭素の排出を防止するように前記モータを制御する燃焼開始時制御プログラム(第二プログラム)と、前記バーナ1の燃焼を低燃焼から高燃焼へ、または高燃焼から低燃焼へ切り換える時、多量の一酸化炭素の排出を防止するように前記モータを制御する燃焼量変更時制御プログラム(第三プログラム)と、前記触媒4の機能低下時および前記センサ7の異常時に多量の一酸化炭素の排出を防止する異常時制御プログラム(第四プログラム)とを含んで構成されている。前記第二プログラムおよび前記第三プログラムは、前記第一プログラムを含んで構成されている。前記第二プログラムは、この実施例1ではその説明を省略している。また、前記第四プログラムは、この発明とは直接関係ないのでその説明を省略している。
まず、前記基本制御プログラムについて説明する。以下の説明においては、前記制御器8は、前記センサ7の検出信号に基づき、前記バーナ1の空気比が第一設定空気比比λ11,λ21(=1.0)となるように(第一制御条件)、かつこの第一設定空気比λ11,λ2において前記触媒4への流入前の前記ガスの濃度比が次式(3)を満たすように(第二制御条件)、前記モータ34を制御するように構成されている。
([NOx]+2[O2])/[CO]≦2.0 …(3)
(式(3)において、[CO]、[NOx]および[O2]はそれぞれ一酸化炭素濃度、窒素酸化物濃度および酸素濃度を示し、[O2]>0の条件を満たす。)
この実施例1においては、直接制御しているのは、前記第一制御条件であり、この第一制御条件を満たすことにより、自動的に前記第二制御条件が満たされる。この点を図4および図7に基づき以下に説明する。
図4の空気比―NOx・CO特性は、前記バーナ1および前記水管群2を含む構成要素の前記一次特性と前記触媒による前記二次特性とに基づいて表現したものであるが、図7は、これを前記触媒4一次側の酸素濃度に対する前記構成要素の前記一次特性と前記触媒4の特性とに基づいて表現したものである。
前記触媒4の特性は、図7に示すように、前記触媒4一次側の前記基準所定濃度比K0に関する第五ラインL(二次側[NOx]=0,[CO]=0ライン)にてその特徴を表している。この第五ラインLは、そのライン上に前記触媒4一次側の前記濃度比Kが位置する(載る)と、前記触媒4の二次側の窒素酸化物濃度および一酸化炭素濃度を実質的に零とする,すなわち前記基準所定濃度比K0を満たすラインである。この第五ラインLは、前記式(3)の前記所定濃度比が1の場合に対応している。すなわち、この第五ラインLは、次式(3A)を表したラインである。
[NOx]+2[O2]=[CO] …(3A)
ここで、[NOx]は、図10に示すように[CO]の1/30〜1/50程度であるので、図7においては、酸素濃度に対するNOx濃度特性を省略するとともに、式(3A)における[NOx]を無視できるものとしている。この第五ラインLにおいて、一次側酸素濃度をX1とした場合、一次側一酸化炭素濃度Y1は、Y1=2X1+[NOx]となる。なお、前記濃度比Kの値が1.0を越える2.0までの範囲で、前記触媒4の二次側の窒素酸化物濃度および一酸化炭素濃度を実質的に零とする前記基準所定濃度比K0とすることができることが確認されているので、前記第五ラインLは、図示のラインLに限定されず、前記式(3)を満たすラインとすることができる。
そして、前記バーナ1および前記水管群2の前記一次特性曲線を表す第六ラインMと、前記第五ラインLとの交点における酸素,窒素酸化物および一酸化炭素の基準所定濃度比K0が前記特異基準濃度比K0Xである。前記触媒4は、その一次側の前記濃度比Kを前記特異基準濃度比K0Xとした場合、前記触媒4の二次側の窒素酸化物濃度および一酸化炭素濃度を実質的に零とする特性を有している。この前記基準濃度比K0Xとする調整が、前記調整0に相当する。
そして、前記触媒4は、前記特異基準濃度比K0Xに対応する基準酸素濃度SKよりも一次側酸素濃度を高くすると前記触媒4二次側において一次側酸素濃度と基準酸素濃度の差に応じた濃度の酸素が検出されるとともに、前記触媒4の二次側の一酸化炭素濃度を実質的に零とし、前記触媒4の二次側の窒素酸化物濃度を還元反応により一次側の窒素酸化物濃度よりも低減する特性を有している。この前記触媒4二次側において酸素が検出されるとともに、一次側の窒素酸化物濃度よりも低減する特性の領域を二次側NOx漏れ領域
R1と称する。この二次側NOx漏れ領域R1は、前記調整2を実現する領域であり、前記バーナ1の空気比は、1.0を越える。
また、前記基準酸素濃度SKよりも一次側酸素濃度を低くすると前記触媒4の二次側において一次側酸素濃度と基準酸素濃度SKの差に応じた濃度の一酸化炭素が検出されるとともに、所定の範囲で前記触媒4の二次側の窒素酸化物濃度を実質的に零とする特性を有している。この前記触媒4二次側において一酸化炭素が検出されるとともに、窒素酸化物濃度を実質的に零とする特性の領域を二次側CO漏れ領域R2と称する。この二次側CO漏れ領域R2は、この発明の調整1を実現する領域であり、前記バーナ1の空気比が1.0未満である。前記バーナ1の空気比は、1.0未満に設定される場合でも、前記触媒4の一次側で、炭化水素を含まず、酸素を含む範囲で設定される。前記二次側NOx漏れ領域R1と前記二次側CO漏れ領域R2とを合わせた領域をNOx・CO低減領域R3と称する。
こうした図7に示す触媒4の特性は、図4に示す空気比―NOx・CO特性に符合するものである。この図7から明らかなように、前記触媒4の二次側の酸素濃度および/または一酸化炭素濃度を検出し、この酸素濃度および/または一酸化炭素濃度が零となるように前記空気比調整手段28を制御すると、前記触媒4の一次側における前記濃度比Kが前記特異基準濃度比K0Xに制御され、前記触媒4の二次側の窒素酸化物濃度および一酸化炭素濃度を実質的に零に制御できる。こうして、前記第一制御条件を満たすと前記第二制御条件が満たされることになる。
前記第一制御条件は、これが満たされないと、炭化水素などの未燃分が生成される。そうなると、エネルギーのロスとなるとともに、前記触媒4におけるNOx低減が効果的に行われないことになる。
前記第二制御条件は、排出窒素酸化物濃度をほぼ零とするために必要な条件である。前記触媒4二次側の窒素酸化物濃度,一酸化炭素濃度を零とするには、前記第一反応と前記第二反応とから、([NOx]+2[O2])/[CO]なる濃度比をほぼ1とすればよいことを実験および理論的考察により見出した。しかしながら、前記濃度比が1以上のでも1〜2.0でも排出窒素酸化物濃度をほぼ零とすることができることが確認されている。
前記センサ7として、排出酸素濃度の分解能が50ppmで応答時間2sec以下の応答性の良好なジルコニア式空燃比センサを用いている。このセンサ7の出力特性は、図8に示すように、出力が正側で酸素濃度に関係する出力となり、負側で一酸化炭素濃度等に関係する出力となる。すなわち、測定される酸素濃度(酸素過剰領域)および一酸化炭素濃度等(燃料過剰領域)から空気比mを算出し、この空気比mに対応した電流または電圧の出力を得ている。
そして、前記空気比制御プログラムは、前記センサ7の出力信号に基づき、前記バーナの空気比が設定空気比になるように制御するものであるが、具体的には、つぎのように構成されている。すなわち、図9に示すように、前記センサ7からの出力値と設定空気比に対応する設定値との差に応じて前記モータ34の送り速度V(単位時間当たりの駆動量)を変える第一制御帯C1と、この第一制御帯C1の外側において送り速度Vをそれぞれ第一設定速度V2,第二設定速度V1とする第二制御帯C2A,C2BBとを設けて、前記モータ34の駆動量を制御する制御手順が含まれている。図9において、P1は、ダンパ開領域,P2は、ダンパ閉領域を示す。
前記第一制御帯C1の設定範囲は、酸素濃度N1(たとえば100ppm)と一酸化炭素
濃度等N2(たとえば50ppm)とで設定され、空気比を実質的に1.0とすべく制御される。
前記第一制御帯C1における送り速度Vは、次式(4)で計算される。前記送り速度Vは、単位時間当たりの駆動量である。本実施例1の前記モータの1ステップによる回転角度は、0.075度で、O2に換算すると約30ppmの変動に相当する。
V=K×△X …(4)
(但し、Kはゲインであり、△Xは、(前記センサ7の前記出力値)−(前記設定値)との差である。)
つぎに、前記燃焼量変更時制御プログラムを図11〜図13に基づき説明する。このプログラムは、前記センサ7による検出空気比が設定空気比となるように前記ダンパ29をフィードバック制御するように構成されている。
まず、低燃焼時は、低燃焼時の第一設定空気比λ11燃焼を行っている。このときの前記バーナ1へ供給される空気量,燃料量は、それぞれA1,F1であり、前記触媒4の一次側における一酸化炭素濃度はC1である。高燃焼時は、高燃焼時の第一設定空気比λ21にて燃焼を行っている。このときの前記バーナ1へ供給される空気量,燃料量は、それぞれA2,F2であり、前記触媒4の一次側における一酸化炭素濃度はC3である。
低燃焼から高燃焼への変更時、前記制御器8は、高燃焼時の第二設定空気比λ22(>高燃焼時の第一設定空気比λ21)に基づく燃焼を指令する。このλ22の空気量,燃料量は、それぞれA3(>A2),F2であり、前記触媒4の一次側における一酸化炭素濃度はC4(<C3)である。その後、前記制御器8は、高燃焼時第一設定空気比λ21へ移行させる。
高燃焼から低燃焼への変更時、前記制御器8は、高燃焼から低燃焼への切換時、低燃焼時の第二設定空気比λ12(>低燃焼時の第二設定空気比λ11)に基づく燃焼を指令する。このλ12の空気量,燃料量は、それぞれA4(>A1),F1であり、前記触媒4の一次側における一酸化炭素濃度はC2(<C1)である。その後、前記制御器8は、低燃焼時の第一設定空気比λ11による燃焼へ移行させる。この実施例1では、前記空気比λ11および空気比λ21は、空気比1.0に設定され、空気比λ12および空気比λ22は、前記第二制御帯C2Aに属するように予め実験により定める。
前記各設定空気比λ11,λ12,λ21,λ22に対して、図12に示すように。それぞれ初期値P11,P12,P21,P22が設定される。前記初期値とは、最初の燃焼運転時に前記ダンパ位置調整手段30により制御される前記設定空気比に対応する前記ダンパ29の初期設定位置である。
そして、前記制御器8は、図13の制御手順に示される。すなわち,前記各設定空気比λ11,λ12,λ21,λ22にて燃焼運転中にそれぞれの設定空気比に対して、補正値M11,M12,M21,M22を記憶し、運転再開時にはこれらの補正値にて前記ダンパ29を制御する。前記補正値は、燃焼運転時に前記ダンパ位置調整手段30により制御される前記設定空気比に対応する前記ダンパ29の実際運転位置(この位置を中心にして開度位置が調整される)を意味する。
前記各初期値および前記補正値は、前記ダンパ位置調整装置30の原点からのどれだけ前記モータ34を駆動するかという前記モータ34の駆動パルス数として記憶される。前記各補正値M11,M12,M21,M22は、燃焼運転を停止したとき(停止直前を含む。)の実際運転位置としている。
つぎに、以上の構成の前記蒸気ボイラの動作を説明する。まず、蒸気ボイラの概略的動作について、前記送風機26から供給される燃焼空気(外気)は、前記ガス燃料供給管24から供給される燃料ガスと前記給気通路27内において予混合される。この予混合気は前記バーナ1から前記缶体3内の第一ガス通路15へ向けて噴出される。予混合気は、着火手段(図示しない)により着火され、燃焼する。この燃焼は、低空気比にて行われる。
この燃焼に伴い生ずるガスは、上流側の水管群2と交叉して冷却された後、下流側の水管群2と熱交換して吸熱されて約100℃〜350℃のガスとなる。このガスは、炭化水素を含まず、酸素,窒素酸化物および一酸化炭素を含み、前記触媒4にて、酸化、還元処理され、窒素酸化物濃度がほぼ零とされ、一酸化炭素濃度が排出基準値以下の濃度に低減された後、排ガスとして、前記第二ガス通路17から大気中へ排出される。
(前記基本制御プログラムによる動作)
つぎに、前記空気比調整手段28による空気比制御について説明する。本実施例のボイラは、高燃焼と低燃焼とを切り替えて運転する。そのために、前記ダンパ29は、高燃焼風量位置と低燃焼風量位置のいずれかを選択して位置決めされる。
このダンパ29の位置調整は、前記制御器8からの指令により前記ダンパ位置調整装置30により行う。すなわち、前記制御器8は、高燃焼か低燃焼かの選択信号と、前記センサ7の検出空気比に対応した出力値を入力して、前記モータ34の駆動信号を出力して、前記ダンパ29の開度位置を調整させる。前記制御器8は、高燃焼時と低燃焼時の設定空気比に対応した設定値となる前記ダンパ29の設定開度位置を原点からのパルス数でそれぞれ初期値として記憶している。
まず、高燃焼時の制御について説明する。前記制御器8は、現在の前記ダンパ29の開度位置が前記設定開度位置に対して開放側(閉じる方向へ制御しなければいけない側)か、閉鎖側(開く方向へ制御しなければいけない側)かを判定するとともに、前記モータ34の駆動パルス数を演算する。併せて、前記出力値が図8において、前記第一制御帯および前記第二制御帯A,Bのいずれに属するかを判定する。
前記第二制御帯C2Aに属する場合には、前記第一設定速度V2で、かつ演算された駆動パルスで前記モータ34を駆動し、早い速度で前記ダンパ29を閉じる。前記第二制御帯C2Bに属する場合には、前記第二設定速度V1で、かつ演算された駆動パルスで前記モータ34を駆動し、早い速度で前記ダンパ29を開く。こうして、前記第一設定空気比λ11,λ21に対応した設定値から比較的離れている場合は、早い速度で検出空気比に対応した出力値を設定空気比に対応した設定値に近づける制御を行うので、応答性の良い空気比制御を行うことができる。
また、前記第一制御帯C1に属する場合は、回転方向を判定したうえで、前記式(4)に基づいて、前記モータ34の送り速度を演算し、演算した送り速度と演算した駆動パルスで前記モータ34を駆動する。この第一制御帯C1における制御は、設定空気比に対応した設定値から遠ざかるにつれて送り速度を早くする。こうした制御により、目標とする設定空気比に対応した設定値に速やかに近づけることができる。また、回転位置制御を確実に行えるステッピングモータにより行っていることと、検出空気比に対応した出力値が設定空気比に対応した設定値に近づくにつれて送り速度を遅くする制御としていることとにより、設定空気比に対応した設定値の近傍における空気比のオーバーシュートおよびハンチングを抑制することができる。
こうした空気比制御により、前記バーナ1一次側の空気比を1に近い低空気比とし、か
つ前記触媒4の一次側のガスの濃度比変化幅が少なく制御され、前記式(3)を安定的に満たすことができる。その結果、前記触媒4の二次側の窒素酸化物濃度をほぼ零にするとともに、一酸化炭素濃度を実用範囲の値に低減することができる。
(実験例1)
単位時間当たり蒸発量を800kgの缶体3(出願人が製造の型式:SQ―800と称される缶体)で,燃焼量45.2m3N/hの予混合バーナ1で燃焼させ、Ptを用い2.0g/Lの割合で担持した体積10L、内径360mmの触媒4とした場合の実験結果について説明する。前記設定空気比を1.0とした場合、前記触媒1の一次側(前記触媒4通過前)の一酸化炭素濃度,窒素酸化物濃度,酸素濃度がそれぞれ10分間の平均値で2295ppm,94ppm,1655ppmに調整され、前記触媒1の二次側(前記触媒1通過後)のそれぞれの濃度が10分間の平均値で13ppm,0.3ppm,100ppm未満となった。ここで、前記触媒1の二次側の酸素濃度100ppmは、酸素濃度の測定限界である。また、前記触媒4の前後でのガスの温度は、それぞれ、約302℃,327℃であった。本実験例1および以下の実験例2,3においては、前記触媒4を前記給水予熱器20のやや上流に配置し、その前後に測定装置を配置し、前記触媒4の通過後の各濃度は、株式会社堀場製作所製PG−250を用い、通過前の各濃度は、株式会社堀場製作所製COPA−2000を用いて計測した。勿論、前記触媒4を図1に示す位置に配置しても測定濃度値は殆ど変わらないと考えられる。
(実験例2)
実験例1と同じバーナ1および缶体3を用い、燃焼量を実験例1と同じとし、触媒活性物質としてPdを用い2.0g/Lの割合で担持した体積10L、内径360mmの触媒4とした場合の一酸化炭素濃度,窒素酸化物濃度,酸素濃度の各濃度比における値を図10に示す。ここで、触媒通過後の酸素濃度を実験例1と同様の酸素濃度センサを用いて測定したので、実際は100ppm以下の値であっても100ppmで示した。前記触媒4の前後でのガスの温度は、それぞれ、約323〜325℃,約344℃〜346℃であった。
(前記燃焼量移行時制御プログラムによる動作)
つぎに、前記バーナ1の燃焼量変更時の動作を図11〜図13に基づき説明する。まず、低燃焼から高燃焼への変更時の動作を説明する。低燃焼時は、低燃焼時第一設定空気比λ11による燃焼を行う。前記制御器8は、前記センサ7からの信号に基づき前記モータ34を制御して、前記ダンパ29を前記空気比λ11に対応する前記初期値P11を目指して回動するとともに、前記流量調整弁25を低燃焼位置へ制御する。この低燃焼時第一設定空気比λ11での燃焼時の酸素量,燃料量,前記触媒4一次側の一酸化炭素濃度は、図12に示すように、それぞれA1,F1,C1である。高燃焼時も同様に高燃焼時第一設定空気比λ21による燃焼が行われる。この高焼時第一設定空気比λ21での燃焼時の酸素量,燃料量,前記触媒4一次側の一酸化炭素濃度は、それぞれA2,F2,C3である。
ここで、前記ダンパ29の前記空気比λ11に対応する前記初期値P11への回動制御について図13に基づき説明する。なお、前記空気比λ12,λ21,λ22についても同様の制御が行われるが、その説明を省略する。
前記制御器8による前記第一設定空気比λ11の制御は、前記ダンパ29の位置制御により行われる。S11において、当該低燃焼が、最初の燃焼運転かどうかを判定する。最初の運転時には、S12へ移行して、前記制御器8は、前記ダンパ位置調整手段30により、前記第一設定空気比λ11に対応する初期値P11を目指して前記ダンパ29を位置調整する。この位置調整は、フィードバック制御により行われ、前記のように、前記第一制御帯C1の範囲に収まるように位置制御が行われる。
前記ダンパ29の制御目標位置としては、前記初期値P11であるが、実際には、前記初期値P11を中心にして位置調整が行われるのではなく、前記初期値P11から若干外れた実際運転位置を中心にして調整される。このズレが生ずるのは、空気比が外気温などの外的変動によって変動することによる。
S13において、燃焼運転の停止が判定されると、前記制御器8は、停止時の実際運転位置を前記補正値M11として記憶する。この補正値M11は、外的変動を反映した位置といえる。
燃焼運転の終了後、運転が再開されると、S11にてNOが判定され、S15にて前記補正値M11に基づき前記ダンパ位置調整手段30を制御する。そして、燃焼運転が終了すると、S14にて、前記実際運転位置に基づく補正値を演算し、補正値を更新する。
図12を参照して、燃焼量が低燃焼から高燃焼へ切り替えられると、前記制御器8は、前記モータ34を制御して、高燃焼時の第二設定空気比λ22となるように、前記ダンパ29の回動位置を高燃焼位置よりも開度の大きい前記空気比λ22に対応した位置に制御するとともに、前記流量調整弁25を高燃焼位置へ制御する。この空気比λ22は、前記第一設定空気比λ21より空気比が大きく、前記触媒4の一次側の一酸化炭素濃度が低い燃焼が行われている。この高焼時第二設定空気比λ22での燃焼時の酸素量,燃料量,前記触媒4一次側の一酸化炭素濃度は、図12に示すように、それぞれA3(>A2),F2,C4(<C3)である。
その後、前記ダンパ位置調整装置30の機能により前記第二設定空気比λ22に対応した位置への移動が確認されると、前記制御器8は、前記第一設定空気比λ21の燃焼を指令する。その結果、前記空気比λ21の燃焼により、前記触媒4の一次側のガスの濃度比が前記式(3)を満たし、前記触媒4の二次側の窒素酸化物濃度を実質的に零とすることができる。
高燃焼から低燃焼への変更時の動作は、前記低燃焼から高燃焼への変更と同様に行われるので、その詳細な説明を省略する。この高燃焼から低燃焼への変更時は、まず低燃焼時第二設定空気比λ12による燃焼後に低燃焼時第一設定空気λ11による燃焼が行われる。この低焼時第二設定空気比λ12での燃焼時の酸素量,燃料量,前記触媒4一次側の一酸化炭素濃度は、図12に示すように、それぞれA4(>A1),F1,C2(<C1)である。
この実施例1の燃焼量変更時制御によれば、空気比を一旦高い値に制御した後設定空気比に制御するので、空気比のずれによる燃焼量変更時に多量の一酸化炭素が排出されることが防止される。
また、前記設定空気比に対応する前記初期値を外気温などの外的変動を反映した前記補正値に代えて制御しているので、所定の設定空気比に速やかに制御することができ、結果として、一酸化炭素の生成を抑制することができる。
また、この実施例1によれば、燃焼空気と燃料の割合を調整する空気比調整手段28により、前記触媒4の一次側の酸素,窒素酸化物および一酸化炭素の濃度比比Kを前記特異基準濃度比K0Xに制御(前記調整0)することができ、排出NOx濃度および排出CO濃度を低減できる。したがって、水/蒸気添加による低NOx化技術や、脱硝剤の投入による低NOx化技術と比較して、空気比調整手段と触媒を用いた簡易な構成にて低NOxおよび低COを実現できる。
また、空気比を実質的に1.0としているので、省エネ運転を行える。ちなみに、通常のボイラにおける酸素濃度4%(空気比約1.235)の運転と、酸素濃度0%(空気比約1.0)の運転とを比較すると、ボイラ効率約1〜2%アップを達成することができる。地球温暖化対策が叫ばれている昨今において、このボイラ効率アップ達成は、産業的価値が多大である。
さらに、前記触媒4の二次側に前記センサ7を設けて、空気比を制御しているので、前記触媒4の一次側にセンサを設けて制御するものと比較して制御を安定化することができる。また、酸素濃度100ppm以下の分解能で空気比を制御しているので、空気比制御を応答性よく、安定的に行うことができる。
この発明の他の実施例2を図14および図15に従い説明する。この実施例2は、酸素濃度などを検出するセンサ7を前記触媒4の二次側でなく、一次側に設けたものである。このセンサ7は酸素濃度のみを検出するセンサとしている。そして、このセンサ7に基づく前記モータの制御特性を図15に示す。以下、前記実施例1と異なるところのみを説明し、共通箇所は説明を省略する。この実施例2においても前記実施例1と同様の燃焼量変更時制御が行われる。
この実施例2では、前記第一設定空気比λ11,λ21を1.0(前記触媒4の二次側の酸素濃度を零)とするように、前記触媒4の一次側の酸素濃度を検出して間接的に空気比を制御するものである。種々の実験結果に基づき、前記式(3)を満たすという条件下で、前記触媒4の一次側の酸素濃度O2を0%<O2≦1.00%の値に制御すると、前記触媒4の二次側の酸素濃度をほぼ零にする,すなわち空気比をほぼ1にすることが可能であることが分かっている。
そこで、この実施例2の空気比制御プログラムには、前記センサ7からの検出値(酸素濃度信号)に基づき、この検出値と設定酸素濃度の設定値との差に応じて前記モータの送り速度V(単位時間当たりの駆動量)を変える第一制御帯C1と、この第一制御帯C1の外側において送り速度Vをそれぞれ第一設定速度V2,第二設定速度V1とする第二制御帯C2A,C2Bとを設けて、前記モータ34の駆動量を制御する制御手順が含まれている。
前記第一制御帯C1の設定範囲は、設定酸素濃度N1と設定酸素濃度N2とで設定される範囲に収まるように制御される。前記第一制御帯C1における送り速度Vは、前記実施例1と同様に、前記式(4)で計算される。
この実施例3は、前記第一設定空気比λ11,λ21を、図16に示すように、前記二次特性におけるNOx濃度が実質的に零を越え、前記一次特性におけるNOx濃度より低くなる値に設定した例である。その他の構成は、前記実施例1と同様であるので、その説明を省略する。この値は、前記設定空気比が、実質的に1.0を越える前記二次特性の二次側NOx漏れ領域R1の空気比である。この実施例3における濃度比Kの調整は、前記調整2である。この実施例3においても前記実施例1と同様の燃焼量変更時制御が行われる。
この実施例3における前記第一制御帯C1は、制御範囲の中心(目標空気比)が空気比1.005(O2濃度:約1000ppm)、左端が実質的に空気比1.0よりも低い領域の値で、右端が空気比1.01(O2濃度:約2000ppm)である。これを図7にて説明す
ると、前記触媒4一次側の酸素濃度が前記基準酸素濃度SKよりも高い前記二次側NOx漏れ領域(前記調整2を実現する領域)R1にて空気比制御を行うことになる。
(実験例3)
この実施例3において、前記実験例1と同じ条件(設定空気比を除く)で実験した場合、前記触媒4の一次側(前記触媒4通過前)のCO濃度,NOx濃度,O2濃度がそれぞれ10分間の平均値で1878ppm,78ppm,3192ppmに調整され、前記触媒4の二次側(前記触媒4通過後)のそれぞれの濃度が10分間の平均値で0ppm,42ppm,1413ppmとなった。
この実験例3から明らかなように、実施例3の空気比制御によれば、前記触媒4の還元作用により、排出NOx濃度は、前記一次特性のNOx濃度よりも低い値に低減されるとともに、排出CO濃度は、零に低減されることになる。
この実施例3においては、前記第一制御帯C1を前記二次側NOx漏れ領域R1の範囲で自由に設定することができる。前記第一制御帯C1を空気比1に近づけるほど、NOxの低減効果および省エネ効果が大きくなる。しかしながら、処理するCO濃度が高い(勾配が急な場合もある)ので、COが漏れやすく、制御が難しく、触媒量を多く必要とする。そこで、前記第一制御帯C1を空気比1から離れるように右側に設定すると、制御が容易となるとともに、前記触媒4の量を少なくすることができる。
具体的には、前記第一制御帯C1の左端を空気比1.0以下とするのではなく、空気比1.0とすることができる。また、前記第一制御帯C1の左端を空気比1.0を越える値に設定することも可能である。
この実施例4は、図17を参照して、前記空気比制御手段28を、前記送風機26を駆動する送風機用モータ54、このモータ54の回転数を制御するインバータ55とを含んで構成したものである。この実施例4では、空気比制御と前記濃度比一定制御とを前記ダンパ29を用いて行うのではなく、前記インバータ55を用いて行うように構成している。前記制御器8による前記送風機用モータ54の制御は、前記実施例1の図9に示すオーバーシュートおよびハンチングを抑制する制御とすることができる。前記ダンパ29は、着火時は開度を低くし、着火後の定常燃焼に入ると、開度を大きくして、高燃焼および低燃焼の風量制御を行う。この風量制御は、前記インバータ55を用いて行うことができるが、これに限定されることなく、前記ダンパ29および前記インバータ55のいずれか一方で着火時などの風量制御を行うように構成することができる。この実施例4において、その他の構成は、前記実施例1と同様であるので、その説明を省略する。
この発明は、前記実施例1〜4に限定されるものではない。たとえば、前記実施例1においては、図12に示すように、前記初期値P11,P12,P21,P22を設定して制御しているが、この初期値を設定することなく、設定空気比に対応する前記第一制御帯C1と前記センサ7の検出信号とによって制御するように構成することができる。
また、前記センサ7を酸素濃度センサとしているが、一酸化炭素濃度センサとすることができる。さらに、前記ダンパ位置調整装置30を単一の制御器(ボイラ制御用の制御器)8にて制御しているが、この制御器8と別に前記ダンパ位置調整装置30用の別の制御器(図示省略)を設け、この制御器と前センサ7,前記制御器8を接続して、空気比制御を行うように構成することができる。
本実施例1の蒸気ボイラの縦断面の説明図である。 図1のII−II線に沿う断面図である。 図2の触媒を排ガスの流れ方向から見た要部構成を示す図である。 本実施例1の空気比−NOx・CO特性を示す図である。 本実施例1のダンパ位置調整装置の使用状態の一部断面の説明図である。 同ダンパ位置調整装置の要部断面の説明図である。 本実施例1のバーナおよび吸熱手段の特性および触媒の特性を説明する模式図である。 本実施例1のセンサの出力特性を説明する図である。 本実施例1のモータ制御特性を説明する図である。 本実施例1のNOxおよびCO低減特性を説明する図である。 本実施例1の制御を説明するタイムチャート図である。 本実施例1の燃焼量変更時制御の各種値の変化を説明する表である。 本実施例1の制御手順の一部を説明するフローチャート図である。 本実施例2の蒸気ボイラの縦断面の説明図である。 本実施例2のモータ制御特性を説明する図である。 本実施例3の空気比−NOx・CO特性を示す図である。 本実施例4の蒸気ボイラの縦断面の説明図である。
符号の説明
1 バーナ
4 触媒
7 センサ
8 制御器
28 空気比調整手段
29 ダンパ
30 ダンパ位置調整装置
34 モータ

Claims (2)

  1. バーナと、このバーナにて生成されるガスから吸熱を行う吸熱手段と、この吸熱手段を通過後の前記ガス中の一酸化炭素を酸化するとともに窒素酸化物を還元する酸化触媒と、前記バーナの燃焼空気量および/または燃料量の比率を変えることにより空気比を制御する流量調整手段と、前記バーナの空気比を検出するためのセンサと、このセンサの検出信号に基づき、前記流量調整手段の制御により前記バーナの空気比を制御して、前記酸化触媒の一次側の前記ガスにおける酸素,窒素酸化物および一酸化炭素の濃度比を調整する制御手段とを備える燃焼装置であって、
    前記制御手段は、前記設定空気比に制御することにより、前記触媒一次側のガス中の酸素,窒素酸化物および一酸化炭素の濃度比Kを調整する濃度比調整を行い、
    前記濃度比調整は、
    前記濃度比Kを、前記触媒手段二次側の窒素酸化物濃度が実質的に零または所定値以下に、一酸化炭素濃度が実質的に零または所定値以下となる次式(1)および(2)を満たす所定濃度比に調整するように構成され、
    前記設定空気比での所定燃焼条件における燃焼運転中に前記設定空気比とする前記流量調整手段の補正値を記憶し、燃焼運転再開時に記憶した前記補正値に基づいて前記流量調整手段を制御することを特徴とする燃焼装置。
    ([NOx]+2[O ])/[CO]=K …(1)
    K≦2.0 …(2)
    (式(1)において、[CO]、[NOx]および[O ]はそれぞれ一酸化炭素濃度、窒素酸化物濃度および酸素濃度を示し、[O ]>0の条件を満たす。)
  2. バーナと、このバーナにて生成されるガスから吸熱を行う吸熱手段と、この吸熱手段を通過後の前記ガス中の一酸化炭素を酸化するとともに窒素酸化物を還元する酸化触媒と、前記バーナの燃焼空気量および/または燃料量の比率を変えることにより空気比を制御する流量調整手段と、前記バーナの空気比を検出するためのセンサと、このセンサの検出信号に基づき、前記流量調整手段の制御により前記バーナの空気比を制御して、前記酸化触媒の一次側の前記ガスにおける酸素,窒素酸化物および一酸化炭素の濃度比を調整する制御手段とを備える燃焼装置であって、
    前記制御手段は、前記設定空気比に制御することにより、前記触媒一次側のガス中の酸素,窒素酸化物および一酸化炭素の濃度比Kを調整する濃度比調整を行い、
    前記濃度比調整は、
    前記濃度比Kを前記触媒二次側の窒素酸化物濃度および一酸化炭素濃度を実質的に零とする基準所定濃度比K0に調整する調整0,
    前記濃度比Kを前記触媒二次側の窒素酸化物濃度を実質的に零とするとともに一酸化炭素濃度を所定値以下とする第一所定濃度比K1に調整する調整1,
    前記濃度比Kを前記触媒二次側の一酸化炭素濃度を実質的に零とするとともに窒素酸化物濃度を所定値以下とする第二所定濃度比K2に調整する調整2,
    のいずれかに調整し、
    前記基準所定濃度比K0を判定する式を次式(4)を満たす次式(3)とし、前記第一所定濃度比K1を前記基準所定濃度比K0より小さく、前記第二所定濃度比K2を前記基準所定濃度比K0より大きくし、
    前記設定空気比での所定燃焼条件における燃焼運転中に前記設定空気比とする前記流量調整手段の補正値を記憶し、燃焼運転再開時に記憶した前記補正値に基づいて前記流量調整手段を制御することを特徴とする燃焼装置。
    [NOx]+2[O 2 ])/[CO]=K …(3)
    1.0≦K=K0≦2.0 …(4)
    (式(1)において、[CO]、[NOx]および[O 2 ]はそれぞれ一酸化炭素濃度、
    窒素酸化物濃度および酸素濃度を示し、[O 2 ]>0の条件を満たす。)
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