JP5095148B2 - 作用極用基板及び光電変換素子 - Google Patents
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Description
しかしながら、作用極用基材102としてガラスを用いて実用サイズの大面積モジュールを構築する場合、割れてしまうという危険性や、基板重量が重いなどといった不都合が生じる。また、軽量化のためにガラスの厚さを薄くすることは可能であるが、基板強度の点では著しく不利であり、必ずしも好適な対策とは言えない。
一方で、作用極用基材102をプラスチックからなるものに変更することも考えられるが、その場合、基板強度や軽量化といった問題に対しては良好な効果が期待できるものの、耐熱温度がガラスに比べて著しく下がるため耐熱性の点で問題となり、半導体多孔質膜の焼成工程などが大きな制約を受けるため、良好な素子出力を得ることが難しいものとなってしまう。
また、本発明は、大面積化と軽量化とを両立できる光電変換素子を提供することを目的とする。
本発明の請求項2に係る作用極用基板は、請求項1において、前記第一基材よりも比重が小さい基材の比重は、前記第一基材の比重の1/2以下であることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る作用極用基板は、請求項1又は2において、前記第一基材は、前記第二基材の上に複数、二次元的に並べて配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る作用極用基板は、請求項1乃至3のいずれか1項において、前記第二基材の投影面積は、前記第一基材の投影面積より大きいことを特徴とする。
本発明の請求項5に係る作用極用基板は、請求項1乃至4のいずれか1項において、前記第一基材は、透明接着層を介して前記第二基材に重ねて配されていることを特徴とする。
本発明の請求項6に係る作用極用基板は、請求項5において、前記第二基材は、紫外領域の光に対して透過性を有することを特徴とする。
本発明の請求項7に係る光電変換素子は、前記請求項1乃至6のいずれか1項に記載の作用極用基板と、該作用極用基板に有する多孔質酸化物半導体層に対向して配置された対極基板と、前記作用極基板と前記対極基板との間の少なくとも一部に挟み込まれた電解質層と、から構成されることを特徴とする。
図1は、本発明の作用極用基板を用いた光電変換素子の構造を示す概略断面図である。
図1に示すように、本発明の光電変換素子1は、作用極用基材2と透明導電層4と多孔質酸化物半導体層5とからなる電極基板を光が入射する側の作用極(窓極)用基板8とし、一方、対極用基材3と導電層7とからなる電極基板を対極基板9として、多孔質酸化物半導体層5内を含む作用極用基板8と対極基板9との間の少なくとも一部に電解質層6を充填した構成とするものである。
また、第一基材21は、作用極用基材2の軽量化に貢献できるよう薄板であることが望ましい。したがって、第一基材21よりも比重の小さい基材が含まれている第二基材22と貼り合わさって積層体を構成し、軽量化を図りつつ、基板強度と良好な発電特性の維持を図ることができる。
さらに、この第一基材21は、たとえば図2に示すように、透明導電層4と多孔質酸化物半導体層5とからなる発電層を形成したセルユニットCを、第二基材22上に複数(図示例では4つ)、二次元的に並べて配置する構成としても良い。これにより、任意の素子出力に設定される大面積化と軽量化とが両立した光電変換素子を得ることができる。
また、第二基材の投影面積は、前記第一基材の投影面積と同等またはこれより大きい構成とするのが望ましい。これにより、第二基材22上に第一基材21を複数並べて配置することができると共に、集電配線を施すなど余剰面積を自由に利用できるものとなる。
この際、第一基材21や第二基材22を含む各層は、接着剤や粘着剤を介して接着(粘着)、圧着、融着など任意の手法により、重ねて貼り合わされる。したがって、透明接着層を介して第一基材21と第二基材22と貼り合わせるものとすると、光透過性を損ねずに積層物を強固に作製することができる。
また、図1に示すように、第二基材22に含まれる、第一基材21よりも比重の小さい基材の総厚L2は、第一基材の厚さL1よりも厚く構成されると望ましい。これにより、一層軽量化が図れるものとなる。
第二基材22が紫外領域の光に対しても十分な透過性を示す場合、第一基材21と第二基材22とを貼り合わせる際に、紫外線硬化型の透明接着剤を適用することができる。
紫外領域の光に対して透過性をもつ材料からなる第二基材22としては、各種のガラス基板の他に、光学部品用途に調製された高透過性のアクリル板やシクロオレフィンポリマー、PET[poly(ethylene terephthalate)]、PEN[poly(ethylene naphthalate)]、等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
前者の具体例としては、二液混合系や可視光硬化系、熱硬化系、等の任意の接着剤が挙げられる。このような接着剤の材質としては、アクリル系やエポキシ系など特に限定されるものではないが、無色透明の光透過性に優れたものが望ましい。基材の光透過性を高く保つためには、例えば紫外領域まで含む広波長域の光に対しても十分な透過性を示すような二液混合系の接着剤を適用することにより、ガラス単一基板を用いる場合と遜色ないレベルの透過性が確保できる。
後者の具体例としては、シートの両面に粘着剤を配してなる、いわゆる両面粘着シートが挙げられる。この場合にも、基材の光透過性を高く保つ目的から、シートや粘着剤としては、無色透明の光透過性に優れたものが望ましい。
多孔膜化の手法としては、たとえばコロイド溶液や分散液(必要に応じて添加剤を含む)を、スクリーンプリント、インクジェットプリント、ロールコート、ドクターブレード、スピンコート、スプレー塗布など、種々の塗布法を用いて塗布する他、微粒子の泳動電着などを適用するものでも構わない。そして、この多孔質酸化物半導体層5には、増感色素が担持される。
酸化還元対も特に限定されるものでは無いが、たとえばヨウ素/ヨウ化物イオン、臭素/臭化物イオンなどを添加して得られる酸化還元対を選ぶことができ、前者であればヨウ化物塩(リチウム塩、四級化イミダゾリウム塩、テトラブチルアンモニウム塩などを単独、あるいは複合して用いることができる)とヨウ素を単独、あるいは複合して添加することにより与えることができる。
また、有機溶媒として特に限定されるものは無いが、アセトニトリルやメトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンなどが例示される。
さらに、イオン液体としては、たとえば、イミダゾリウム系イオンや、ピリジニウム系イオンなどのカチオンと、ヨウ化物イオンや、ビストリフルオロメタンスルホニルイミドイオン、ジシアノアミドイオン、チオシアン酸イオンなどのアニオンと、からなる室温溶融塩などを選ぶことができる。
電解質層6には、更に必要に応じてリチウム塩や4−tert−ブチルピリジンなど種々の添加物を加えても構わない。
貼り合わせは、たとえば二液混合系、UV硬化系、可視光硬化系、熱硬化系など任意の接着剤や粘着剤を用いることができる。また、材質もアクリル系、エポキシ系など、特に限定されるものではないが、無色透明の光透過性に優れたものがより望ましい。また、両面粘着シートなどを用いて貼り合せても構わない。
まず、作用極用基材2を構成するため、第一基材21としてガラス板(以下、符号21で示す。)を、第二基材22としてプラスチック板(以下、符号22で示す。)を、それぞれ用意する。
作用極用基板8は、光電変換素子として色素増感太陽電池に適用する場合、特に、多孔質半導体電極として用いる場合、ガラス板21の上に透明導電層4、集電グリッド、腐食防止層(絶縁層)、多孔質酸化物半導体層5などを必要に応じて形成し、焼成工程を経た後に、プラスチック板22を含む各層と貼り合わせることで作製することができる。したがって、作用極用基板8は、UVカット層や反射防止膜などを1以上含んで構成されていても構わない。
そして、多孔質酸化物半導体層5が形成された基板を色素液に浸漬することにより、多孔質酸化物半導体層5に色素を担持させる。
まず、作用極用基材が、第一基材と該第一基材に重ねて配される少なくとも1以上の第二基材とを有し、前記第二基材には、前記第一基材よりも比重が小さい基材が含まれていることにより、強度維持を図りつつ軽量化を図ることができ、さらに、良好な発電特性を有する大面積光電変換素子が構築できることを確認するため、表1に示す第一基材、表2に示す第二基材、及び、表3に示す貼り合せ用接着剤を、それぞれ用意した。
まず、SPD法又はCVD法により第一基材の一面上にFTO膜を形成した。
次いで、FTO膜が形成された第一基材の上に、スクリーン印刷にて、回路幅を300μm、膜厚を10μmとした帯状の銀回路を並列に4本形成した。また、周辺部にも銀層を形成した。印刷用銀ペーストとして、焼結後の体積抵抗率が3×10−6Ω・cmのものを用いた。
引き続き、幅800μmとして銀回路が完全に覆われるよう回路形成部分と重ねてスクリーン印刷により低融点ガラスペーストを印刷し、これを熱風循環オーブンを用いて焼成することにより遮蔽層を形成した。
さらに、第一基材上に、TiO2 ナノ粒子を含むペーストをスクリーン印刷にて塗布し、乾燥後、500℃の温度で60分間焼成して、多孔質酸化物半導体膜を形成した。
その後、第一基材をルテニウムビピリジン錯体(N719色素)のアセトニトリル/t−ブタノール溶液中に24時間以上浸漬して色素を担持させて光電極とした。なお、色素の担持は、第一基材と第二基材との貼り合わせ前、又は貼り合わせ後に行った。
なお、実施例6では、第一基材と第二基材とを直接ではなく、両基材間にUVカットフィルムを介した状態で貼り合せた。また、実施例10では、第二基材の上に、第一基材を6枚タイル状に並べた状態で貼り合せた。
また、実施例9で用いた第一基材は、第一基材だけであると端近くを手で持った場合、自重による撓みが大きく割れてしまったが、第二基材と貼り合わせることで、その後は同様の持ち方をしても割れが発生するような撓みは生じず、強度維持を図ることができた。
そして、光電極上に電解質を展開し、その上から対極シートを重ね合わせ、周辺部にはみ出した電解質を拭き取った後、UV硬化樹脂を用いて封止し、光電極・対極双方にリード線を配した上で、セルケースに収納して試験用素子とした。
さらに、実施例10では、第1に基板を基に作成した素子6セルを全て直列で配線して特性を評価した。この際、電解質には擬固体電解質を用いた。
(1)本発明に係る電極を用いた光電変換素子(実施例17〜25)は、従来のガラス基板を用いた場合(比較例2)と同等レベルの良好な特性を確保できる。
(2)一方、比較例1では、TiO2 層の焼成が不十分であるため、出力が低かった。
また、単セルの場合(実施例17〜25)における開放電圧がおよそ0.6〜0.7V程度であるのに対して、複数セルを並べて直列接続した場合(実施例26)における開放電圧は4V以上であったことから、本発明によれば高電圧タイプの素子も容易に作製できることが確認された。
さらには、素子セルを並列に接続すれば電流量を増やすことも可能であり、第二基材上に複数、第一基材を二次元的に並べて配置すること、すなわち、第2基材上に配する第1基材の数と接続法を調整することにより、任意の素子出力に設定できることが分かった。
まず、SPD法により第一基材の一面上にFTO膜を形成した。
次いで、FTO膜が形成された第一基材の上に、スクリーン印刷にて、回路幅を300μm、膜厚を10μmとした帯状の銀回路を並列に4本形成した。また、周辺部にも銀層を形成した。印刷用銀ペーストとして、焼結後の体積抵抗率が3×10−6Ω・cmのものを用いた。
引き続き、幅800μmとして銀回路が完全に覆われるよう回路形成部分と重ねてスクリーン印刷により低融点ガラスペーストを印刷し、これを熱風循環オーブンを用いて焼成することにより遮蔽層を形成した。
さらに、第一基材上に、TiO2 ナノ粒子を含むペーストをスクリーン印刷にて塗布し、乾燥後、500℃の温度で60分間焼成して、多孔質酸化物半導体膜を形成した。
その後、第一基材をN719色素のアセトニトリル/t−ブタノール溶液中に24時間以上浸漬して色素を担持させて光電極とした。
短波長領域(ここでは400nmより小さな波長域を指す)において、図3に示した各実施例の貼り合わせ後の基板は、比較用のガラス板と遜色ない、あるいは、より優れた透過特性を有することが分かった。これに対して、図3に示した各比較例では、400nm付近から低波長側において急激に透過率が低下する傾向が確認された。
また、実施例32、35の場合は、UV硬化型接着剤を用いて容易に基材の張り合わせが可能であったが、比較例33の場合には、第二基材が照射光を吸収してしまうため、接着剤の硬化が非常に遅く、照射量の増加に伴って基材の黄変と反りが発生した(ガラス面側は発電層が形成されているため、紫外線入射面として利用できない。)。
そして、光電極上に電解質を展開し、その上から対極シートを重ね合わせ、周辺部にはみ出した電解質を拭き取った後、UV硬化樹脂を用いて封止し、光電極・対極双方にリード線を配した上で、セルケースに収納して試験用素子とした。
図4は、各基板を用いて作製した光電変換素子の外部量子効率(IPCE:Incident Photon-to-Current conversion Efficiency)の測定結果を示すグラフである。ここでの評価には、表10の基板を組み合わせて、8mm角の発電面積を有する簡易セルを作製して用いた。
図4より、実施例(41、42、44、45)では何れも、ガラス板を用いた場合と同様の光電変換特性が得られたのに対して、比較例41の場合には低波長側の光を有効に利用できないことが分かった。なお、ここでは図示しないが、比較例42の結果も比較例41と同様であることが確認された。
(1)各実施例において観測された短絡電流は、少なくとも0.96であり、ほぼ1.0に近いか、あるいは1.0を越える数値であった。この結果から、本発明に係る光電変換素子はガラス板を適用した場合と同等レベルであることが確認された。
(2)これに対して、比較例41、42の短絡電流は、0.72〜0.91の範囲に留まることから、ガラス板を適用した場合に比べて短絡電流の低減が生じ、芳しくないことが明らかとなった。
上記(1)と(2)の相異は、短波長側の入射光を有効に利用できるか否かを反映したものと、本発明者らは判断した。
Claims (7)
- 透明基材上に透明導電層を介し、増感色素を表面に担持させた多孔質酸化物半導体層を有する作用極用基板であって、
前記透明基材は、前記多孔質酸化物半導体層側に位置する第一基材と該第一基材に重ねて配される少なくとも1以上の第二基材とを有し、前記第二基材には、前記第一基材よりも比重が小さい基材が含まれており、
前記第一基材はガラス板、前記第一基材よりも比重が小さい基材はプラスチック材であり、
前記第一基材よりも比重が小さい基材の総厚は、前記第一基材の厚さの5〜20倍であることを特徴とする作用極用基板。 - 前記第一基材よりも比重が小さい基材の比重は、前記第一基材の比重の1/2以下であることを特徴とする請求項1に記載の作用極用基板。
- 前記第一基材は、前記第二基材の上に複数、二次元的に並べて配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の作用極用基板。
- 前記第二基材の投影面積は、前記第一基材の投影面積と同等またはこれより大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の作用極用基板。
- 前記第一基材は、透明接着層を介して前記第二基材に重ねて配されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の作用極用基板。
- 前記第二基材は、紫外領域の光に対して透過性を有することを特徴とする請求項5に記載の作用極用基板。
- 前記請求項1乃至6のいずれか1項に記載の作用極用基板と、
該作用極用基板に有する多孔質酸化物半導体層に対向して配置された対極基板と、
前記作用極用基板と前記対極基板との間の少なくとも一部に挟み込まれた電解質層と、から構成されることを特徴とする光電変換素子。
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