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JP5096482B2 - 印刷データをトラッピングするための方法、コンピュータプログラム、および印刷装置 - Google Patents
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印刷データをトラッピングするための方法、コンピュータプログラム、および印刷装置 Download PDF

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Description

本発明は、印刷データをトラッピングするための方法、コンピュータプログラム、および印刷装置に関する。
本発明は、ドイツ特許願DE 10 2006 055 587.2, DE 10 2006 055 624.0, DE 10 2006 055 625.9 および DE 10 2006 055 626.7に記載された他の発明と関連する。それらの内容を参照により、ここにおいて本明細書に取り入れる。
カラー文書または文書部分、例えば画像、カラーグラフィック等は通例、色印刷版に組み込まれる画像データによって記述される。データ組込みの形式は種々の印刷出力方法ないしは印刷出力機器に対応する。これらの印刷出力方法ないし印刷出力機器は、色分解版にある画像データを記録担体に印刷する。この印刷は例えばインキ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)であるか、または黒と1つまたは複数のいわゆるハイライトカラーインキ、またはOce Custom Tone(TM)で行われる。
出願人は、相応のデジタル電子写真印刷システムを開発し、販売している。この電子写真印刷システムは例えば刊行物"The World of Printers, Technologies of Oce Printing Systems", Dr. Gerd Goldmann (Hsg.)/ Oce Printing Systems GmbH, Poing, Ed. 7 (2002)に記載されている。その249-286ページには種々のデジタルオフセット印刷技術が記載されており、287-325ページには種々のデジタルカラー印刷システムが記載されており、233-248ページにはカラー印刷の基本が記載されている。209-232ページには、デジタル画像処理の基本が記載されている。246-248ページには、ハイライトカラー印刷が記載されている。
WO98/39691 A1から、記録担体の両面に単色印刷および/またはカラー印刷するためのデジタル印刷システムが公知である。国際特許願PCT/EP2004/00700(公開番号WO 2005/001765 A2)から、画素データを処理するための方法が公知であり、この方法では画素から画像の関連領域が求められる。
US-A-5,581,667, EP-A2-484 890, US 2003/0090689 A1 ならびにUS 2006/0033959 A1, US-A-4,931,861, EP-A2-929 189, DE-A1-199 12 511, US 2001/0055130 A1 およびEP-A2-833 216から、画像データのトラッピング方法が公知である。
デジタル印刷でもオフセット印刷でも、いわゆるレジスタの問題が存在する。これは1枚の枚葉紙で複数の印刷過程を行う場合に機械的公差のため、紙の位置がすべての印刷過程で常に正確に同じであることを保証できないという問題である。この問題は単色印刷でも、表面と裏面が別個に印刷される場合、または片側が多色印刷である場合に生じる。
表面印刷および裏面印刷では、例えば1つのフレームが表面と裏面にそれぞれ印刷され、このフレームが正確に重ならない場合にこの問題が生じる。このようなことはページを光に透かしてみると知覚される。
多色印刷では、インキが相対的相互にずれる。異なるインキが接触していなければ、これは目立たない。インキが接触すると、ずれによってインキが接触ラインで重なって印刷される。このことは色印象を悪くし、または白い空隙が接触ラインに残ることになる。
色印象の悪化は通常まだ我慢できるが、白い空隙は非常に目立つ。このことはインキが正確に位置決めされた図1Aと、インキの位置がずれている図1Bの対比により示されている。
白い空隙の問題を除去するために、比較的明るいインキを拡大すること、ないしは空間的に溢れさすことが公知である。このようにしてインキが比較的大きく重なるが、空隙は消失する。これはインキの位置がずれている図2Aと、インキが重なっている図2Bの対比により示されている。オブジェクトが拡大する場合、後の印刷過程では重なった部分が半透明に印刷されるようにしなければならない。なぜならそうでないと、前記の問題が拡大されたオブジェクトの縁部に移動するからである。
この問題を取り除く上記の方法はトラッピングと呼ばれる。トラッピングは種々異なる製品で市場に提供されている。例えばAdobe PostScript(TM) Level 3、ページ記述言語(PDL)のラスタイメージングプロセッサ(RIPs)の構成部分、Heidelberger Druckmaschinen株式会社から提供されるソフトウェアSuperTrap(TM)、またはCreo社により提供されるソフトウェアTrapWise(TM)がある。
トラッピングは2つの異なる形式で実行することができる。トラッピングはオブジェクトレベルで処理することも、ビットマップレベルで処理することもできる。
電子写真高性能印刷システムでは、これまでトラッピングの問題点がビットマップレベルで解決されている(例えばWO2006/069980A1参照)。なぜならビットマップレベルでは印刷データを遅延なしで自動的に処理できるからである。したがって相応のトラッピング方法を電子写真高性能印刷システムに組み込むことができ、これにより印刷機運転が損われることもない。
しかしビットマップレベルでトラッピング処理を行う際には、オブジェクトについての情報が欠けている。そのためビットマップレベルでのトラッピングは、オブジェクトレベルでのトラッピングよりも基本的に効率が悪い。
上記の市販されている製品、Adobe PostScript(TM) Level 3、ページ記述言語(PDL)のラスタイメージングプロセッサ(RIPs)の構成部分、Heidelberger Druckmaschinen株式会社から提供されるソフトウェアSuperTrap(TM)、またはCreo社により提供されるソフトウェアTrapWise(TM)は、オブジェクトの境界に付加的なトラッピングオブジェクトを形成する。このトラッピングオブジェクトは、レジスタ問題の作用を低減する。この付加的なトラッピングオブジェクトは、相応の印刷データのデータ容量を格段に増大する。極端な場合、データ量は何10倍にもなる。なぜなら個々のオブジェクトの数が何倍にもなるからである。この公知の解決手段ではトラッピングがインタラクティブに実行される。したがって熟練したユーザはトラッピングすべき原稿に依存して付加的なトラッピングオブジェクトの形成を効率的に調整する。この方法はオフセット印刷では非常に普及している。オフセット印刷では通常、非常に多くの時間を費やして、印刷過程の前に印刷原稿を相応に処理し、インタラクティブにトラッピングを実行することができる。
US 2003/017934 A1から、電子写真プリンタでトラッピングが実行される方法が公知である。この方法では、オブジェクトからエッジリストが作成され、所定の形状に相応しないオブジェクトは相応の標準形状に分割することができる。したがってエッジリストによりオブジェクトの情報が、これがラスタ化される前に記憶される。トラッピング自体はビットマップレベルで行われる。このときオブジェクトの付加的情報は例えばエッジリストの形態で考慮される。したがってこの方法により、ビットマップレベルでのトラッピングの欠点、すなわちオブジェクトについての情報が存在していないという欠点がやや緩和される。しかしエッジリストの作成は面倒であり、とりわけ個々のオブジェクトから複数のオブジェクトが形成される。このことは処理をさらに困難にする。さらにこのようにして形成されたオブジェクトは、元のオブジェクトと同じではない。複雑な形状を備えるオブジェクトはこの方法により処理できないか、または非常に制限的にしか処理できない。
US 5,666,543から、印刷ページ言語(PDL、ページ記述言語)で存在する印刷データをトラッピングするための方法が公知である。ここでは印刷データがラスタイメージングプロセッサ(RIP)に供給される前にまず分析され、トラッピング命令が形成される。トラッピング命令は、印刷データがテキストまたはグラフィックを含んでいるか否か、また印刷データを形状リスト(形状ディレクトリ)を使用してRIPでトラッピングすべきか否かを指示する。形状リストは印刷データの分析の際に形成され、RIPに通知される。形状リストとは、オブジェクトの形状のリストである。トラッピング領域はラスタ化の際にRIPで形成される。この公知の方法はUS 2003/017934 A1から公知の方法に相応し、形状リストはエッジリストに相応する。
したがって従来技術は、オブジェクトレベルでトラッピングを行うトラッピング方法であると総括することができる。しかしこの方法は、デジタル電子印刷機で印刷プロセス中にトラッピングをリアルタイムで実行するには適さない。この方法はとりわけオフセット印刷のために設けられたものであり、外部のラスタイメージングプロセッサにより画像データが処理される。またトラッピングをデジタル電子印刷機でリアルタイムで実行することも公知である。しかしここではトラッピングがビットマップレベルで行われる。オブジェクトについての情報が制限されていてもエッジリストまたは形状リストを用いて、ビットマップレベルでのトラッピングが可能である。
これまでは、オブジェクトレベルでのトラッピングをリアルタイムでデジタル印刷機で実行することは不可能であることが前提であった。なぜならユーザがインタラクティブにトラッピングを、多数の異なる規則に作用させることができず、そのためオブジェクトレベルでのトラッピングは、リアルタイムに処理できないほどの大容量のデータを形成するからである。
電子写真高性能印刷システムはしばしば、デジタル製品印刷環境の構成部分であり、被印刷媒体の前処理と後処理が自動的に制御されて実行される。文書データはこのような製品印刷環境では、文書データ流の形態で個々の作業ステーション間で伝送される。
様々な印刷データ流、およびAFPおよびIPDSを含む種々の印刷データ流を処理するのに適した印刷システムについては、 "The World of Printers", Dr. Gerd Goldmann (Herausgeber), Oce Printing Systems GmbH, 第7版(2002年11月), ISBN 3-00-001019-Xに記載されている。その第14章(343-361ページ)には印刷サーバシステムOce PRISMAproductionが記載されている。このようなフレキシブルな印刷データサーバシステムは例えば以下のために適している。すなわち、ソースコンピュータのようなデータソースの印刷データ、AFP (Advanced Function Presentation), MO: DCA, PCL (Printer Command Language), PostScript, SPDS (Siemens Print Data Stream)といった特定のプリンタ言語による印刷データ、Adobe Systems Inc.社により開発されたPortable Document Format (PDF)またはXerox Corporation社により開発された言語Line Coded Document Data Stream (LCDS)による印刷データを受信して、特定の出力フォーマット例えばIntelligent Printer Data Format (IPDS)に変換し、それらのデータを本来の出力フォーマットで印刷生産システムに伝送するのに適している。第10章には、カラー印刷のための種々の技術が記載されている。
印刷データ流の仕様および開発において時折問題となるのは、コンピュータ、プリンタおよび/または後続処理機器の技術的な発展を考慮するため、データス流に新たなコマンドを挿入する必要があることである。この種の拡張の策定はたいてい、変更ないしは改良を互いに調整するために産業界の様々なパートナーとの共働を必要とするかなり煩雑な手続きである。
US-A-6, 097, 498には3つの新たなデータ流命令、すなわちWOCC, WOC, ENDをIntelligent Printer DatastreamTM (IPDSTM)に追加する手法について記載されている。
付加的なコントロールデータをAFPデータ流に保管するさらに別の可能性は、データをいわゆるオブジェクトコンテナに格納することであり、これについては例えば刊行物N0. SC31-6802-05の第93〜95頁を参照されたい。
本出願人によるWO 03/069548によれば、新たなコントロール情報をAFPデータ流もしくはIPDSデータ流に挿入する別の手法について記載されている。
IBMの刊行物SC31-6805-05 "Image Object Architecture Reference" 第6版(2002年8月)には、データ流AFPおよびIPDSにおいてテキスト、画像、グラフィック、バーコード、フォントといった文書オブジェクトを処理する手法について説明されている。このためにいわゆるオブジェクトコンテンツアーキテクチャObject Content Architecture (OCA)が定義され、その際、個々のオブジェクトに対し特定のデータ構造およびコントロールパラメータもしくはオブジェクトを特徴づけるパラメータが規定される。例えばイメージに対してはいわゆるイメージオブジェクトコンテンツアーキテクチャImage Object Content Architecture (IOCA)が規定され、グラフィックに対しては対応するGOCAが、さらにプレゼンテーションテキストにはPTOCAが規定される、といった具合である。IOCAについては上述の文献で詳しく説明されている。この文献の第v頁〜vii頁には、データ流の理解に役立つIBMの文献が挙げられている。
文書データ流AFPTMの詳細については、International Business Machines Corp. (IBM)社刊の刊行物No. F-544-3884-01 "AFP Programming Guide and Line Data Reference"に記載されている。文書データ流AFPはさらに発展して文書データ流MO:DCATMとなり、これについては例えば2004年1月刊のIBMの刊行物SC31-6802-06 "Mixed Object Document Content Architecture Reference"に記載されている。さらにこのデータ流の詳細についてはUS-A-5,768,488にも記載されている。この文献には、コントロールデータを含むデータ流における特定のフィールド定義いわゆる「ストラクチャ・フィールドstructures fields」についても説明されている。
AFP/MO:DCAデータ流は、印刷物作成ジョブ中にIntelligent Printer Data StreamTM (IPDSTM)データ流に変換されることが多い。US-A5, 982, 997にはこの種のプロセスについて示されている。IPDSデータ流についての詳細は、例えばIBMの刊行物No. S544- 3417-06, "Intelligent Printer Data Stream Reference"第7版(2002年11月)に記載されている。
IPDSデータ流とAFPデータ流は一般に、文書出力に必要とされるデータを含むいわゆるリソースを含んでおり、および/またはそれを参照する。この場合、リソースのデータを、1つの印刷ジョブのために、あるいは複数の文書もしくは文書部分を含む複数の印刷ジョブのために、何度も伝送する必要なく1回の参照により何回も利用することができる。これにより、処理ユニット(例えば文書を生成するホストコンピュータ)から後続の処理ユニット(例えばプリントサーバもしくは印刷装置)へ伝送すべきデータ量が低減され、このことはことに、部分的に同じデータを有するもしくは必要とする複数の文書から成るデータを伝送すべき場合に当てはまる。この種のリソースの例は、キャラクタセット(フォント)または文書により重ね合わされる(オーバレイ)用紙である。ここでリソースをプリントデータ流自体に含めることができるし、あるいはそれとは別個に関与するシステム間で伝送することができ、それぞれ異なる文書内でそのつど参照させるだけでよい。例えばその際に、後続処理を行う機器(例えばプリントサーバまたはプリンタ)にリソースをすでに格納しておくことができ、このようにすることで印刷ジョブのたびに新たにリソースを伝送する必要がなくなり、参照だけを行えばよい。
AFP文書データを表示する場合、AFP文書データ流中の様々な個所に存在するリソースもしくはそれぞれ異なるソースから発するリソースが、文書の対応する可変データといっしょにまとめられる。例えばデータバンクから発するデータが、請求書受け取り、請求書番号、請求番号等の請求のためにまとめられる。リソースデータを内部リソースとして文書データ流内で1つにまとめることもできるし、あるいは外部データとしてリソース名を介してライブラリから呼び出すこともできる。さらに構文解析プロセスにおいてデータがその一貫性についてチェックされる。
IBM社による2002年3月の文献"Print Services Facility for OS/390 & z/OS, Introduction", Vers. 3, Release 3.0 No. G544-5625-03には、いわゆるLine Data文書流もしくはMO:DCA文書データ流をIPDSデータ流に変換する手法について説明されている。この場合、プリントサービスファシリティPrint Service Facility (PSF)というソフトウェアプログラムによって、出力機器としてプリンタに送信される出力データを管理および制御する目的で、可変の文書データがリソースデータと組み合わせられる。本出願人により、Oce SPSおよびOce CISという商品名で対応する機能をもつソフトウェア製品が開発され、販売されている。
US 2005/0024668 A1によれば、リソースベースのプリントジョブの処理にあたりリソースを確実に管理し割り当てる方法が知られている。WO-A1-2004/0008379によれば、文書データ流におけるリソースデータを処理する方法が知られている。
Stollnitz, J. u.a., "Reproducing Color Images Using Custom Inks", ACM Proceedings of the 25th annual Conference on Computer graphics and interactive techniques, SIGGRAPH 98, ACM Press, 1998年7月から、オフセット印刷機での色再生のための方法が公知である。
これまで挙げてきた刊行物もしくは文献は参照により本明細書に取り込まれるものであり、それらにおいて説明されている方法、システムならびに措置を本発明と関連させて適用することができる。
本発明の基礎とする課題は、印刷データをトラッピングするための方法、コンピュータプログラムおよびシステムを提供することであり、このトラッピングは自動的に実行可能であるようにする。トラッピングはとりわけ電子デジタル高性能印刷システムで実行可能である。
この課題は、独立請求項に記載されている本発明の特徴により解決される。各従属請求項に、本発明の有利な実施形態が記載されている。
本発明の第1の側面では、多数のオブジェクトを備える印刷データをトラッピングするために、オブジェクトが個別に画素データに変換され、それぞれ以下のステップが実行される。
・それぞれのオブジェクトについて、このオブジェクトに隣接する、画素データ中の色領域に関して所定のトラッピング規則にしたがい少なくとも1つのトラッピング領域を求めるステップ。
・オブジェクトと少なくとも1つのトラッピング領域を画素データにはめ込み、はめ込みの際にオブジェクトとトラッピング領域が画素データにラスタ化されるステップ。
個々のオブジェクトを変換することにより、オブジェクトの形状について付加的なテーブルまたはリストを作成することなしに、オブジェクトの完全な情報をトラッピング領域の計算のために使用できるという利点が達成される。トラッピング領域は画素データ中に、切り抜きまたはラスタ化の際に直接的に形成されるから、トラッピング領域のために付加的なオブジェクトをオブジェクトレベルで作成する必要がない。トラッピング領域を個々のオブジェクトに基づいて画素データに関して検出すること、およびトラッピング領域を画素データにはめ込むことは、印刷プロセスが遅延することなく、印刷機器の印刷データコントローラで実行される。
個々のオブジェクトの変換とは、所定の1つの時点でただ1つのオブジェクトだけが変換できることを必ずしも意味するものではない。複数のオブジェクトをパラレルに、印刷データから画素データに変換することも可能である。個々にとは、変換されるオブジェクトが画像中で、同時に変換される他のオブジェクトと位置的に交差しないことを意味する。交差するとトラッピング領域の計算がこれにより格段に複雑になってしまう。
トラッピング領域は、切り抜き際にはめ込むべきオブジェクトに対する領域を縮小することによっても、ラスタ化の際にトラッピング領域を備えるオブジェクトを拡張することによっても形成される。
オブジェクトは個別に画素データに変換されるから、トラッピングは印刷プロセスでの遅延なしで、印刷サーバおよび/または印刷機器で実行することができる。したがって印刷データ流を「実行中」にトラッピングすることができる。
有利には本発明の方法はリアルタイムで、印刷機器の印刷データコントローラで実行される。
単独で、または前記第1の側面と結び付けて適用することのできる本発明の第2の側面では、多数のオブジェクトを備える印刷データをトラッピングするための方法において、トラッピング領域がそれぞれ1つのオブジェクトの縁部でだけ求められる。これは、それぞれのオブジェクトの明度が隣接する領域に対して、所定の閾値よりも大きな絶対値差だけ異なっている場合である。これによって、類似する明度を有するオブジェクトが相互に隣接する場合にはトラッピング領域を設けないことが可能となる。なぜなら、このトラッピング領域は明度が類似しているのでほとんど出現しないからである。これにより多数のトラッピング領域の計算が省略される。このようにして本発明の方法をリアルタイムで実行することがさら簡単になる。この方法は有利には、オブジェクトがハイライトカラーインキを備える場合、隣接するオブジェクトが類似する明度を有していても常にトラッピング領域を求めるように改善される。なぜなら、ハイライトカラーインキからなるオブジェクトのレジスタが正しくない場合には、回避すべき「白い空隙」が隣接するオブジェクト間に常に発生するからである。
単独で、または前記側面と結び付けて適用することのできる本発明の第3の側面では、細く長い先端領域でのトラッピングで、このトラッピングが相応の先端を形成する場合、このトラッピングは所定の幅を越えて、トラッピングしないオブジェクトの先端の最外点を基準にしてX方向にもY方向にも伸長しない。本発明のこの側面によれば、先端に対して所定の間隔に達するとトラッピングを簡単に中断することができる。この方法は、最小の計算コストにより実行可能である。これにより本発明の方法のリアルタイムでの実施が、面倒な計算装置なしで容易になる。
単独で、または前記側面と結び付けて適用することのできる本発明の第4の側面では、多数のオブジェクトを備える印刷データのトラッピングのための方法が設けられる。ここで印刷データはトラッピング指示とともに、トラッピングを実施するための印刷データ流に形成され、印刷データ処理装置に伝送され、および/または印刷データ処理装置で処理される。印刷データ流は、トラッピングパラメータおよび/またはトラッピング指示を含むリソースデータを参照する。
印刷データ流は、印刷データ処理装置、例えば印刷装置に伝送される。トラッピングパラメータおよび/またはトラッピング指示は、有利には印刷データプロトコルに含まれている。
多数のオブジェクトを備える印刷データのトラッピング方法を設けることもできる。この方法では印刷データがトラッピング指示とともに印刷データ流で、トラッピングを実行するために印刷装置に伝送される。トラッピング指示は1つの印刷データプロトコルに含むことができる。ここで印刷データ流は、トラッピングパラメータおよび/またはトラッピング指示を含むリソースデータを参照する。
リソース構造をトラッピングのために使用することは、印刷システムのオペレータが、相応のトラッピングリソースを印刷データ処理装置、例えばプリントサーバ、ラスタプロセッサ、または印刷装置に配置された印刷データコントローラに記憶することによって調整する場合に有利である。これらの装置の調整は、有利には所定のトラッピング方法で個別に行われる。ここでさらに有利には、トラッピングパラメータおよび/またはトラッピング指示を各印刷ジョブ毎に、トラッピングを実施する機器に新たに通知しない。
本発明の第4の側面では、相応のトラッピングリソースデータを作成および管理する。このトラッピングリソースデータは、ホストコンピュータ、クライアント、またはプリントサーバでデ―タまたはデータ集合(ライブラリ)として形成され、変更され、それらのコンピュータで管理および記憶され、それらの間で交換される。トラッピングリソースデータはデータ流とともに、またはデータ流には依存しないで印刷装置と交換することができ、とりわけ印刷装置に伝送され、または印刷装置から受信され、印刷装置で記憶、形成、変更、または管理される。
単独で、または前記側面と結び付けて適用することのできる本発明の第5の側面では、印刷データのトラッピングのために印刷データが印刷データ流でトラッピング指示とともに形成され、準備され、および/または伝送される。ここで印刷データ流は、種々異なるレベルで構造化され、トラッピング指示はレベルに関連する優先規則を有する。印刷データ流は、印刷データ処理装置に伝送される。印刷データ流は印刷装置に伝送することができる。
単独で、または前記側面と結び付けて、とりわけ第5の側面と結び付けて適用することのできる第6の側面によれば、印刷データをトラッピングするために印刷データは印刷データ流でトラッピング指示とともに形成され、伝送され、および/または印刷処理装置で処理される。印刷データ流は種々異なるレベルで構造化されている。レベルが高ければ高いほど、それぞれのレベルに含まれる指示の作用する領域が大きくなる。本発明のこの側面によれば、比較的低いレベルからのトラッピング指示は比較的高いレベルからのトラッピング指示に対して優先される。相応にして優先指示を、本発明の第5の側面により設けることができる。印刷データ流は印刷データ処理装置に伝送される。印刷データ流は印刷装置にも伝送される。
通例、印刷指示、とりわけ色指示は印刷データ流中で比較的高いレベルから低いレベルに伝えられる。このことは、比較的高いレベルの印刷指示は自動的にその下のすべてのレベルに作用することを意味する。したがって比較的高いレベルの印刷指示は、比較的低いレベルの印刷指示よりも優先される。
これに対してトラッピングの場合には、比較的低いまたは下のレベルからのトラッピング指示が比較的高いレベルのトラッピング指示に対して優先されるのが有利である。なぜなら、比較的低いレベルのトラッピング指示は、それぞれのオブジェクトと直接的関係にあり、それぞれのオブジェクトに対して固有のものだからである。
単独で、または前記側面と結び付けて、とりわけ第5の側面と結び付けて適用することのできる第7の側面によれば、印刷データは印刷データ流でトラッピング指示とともに印刷装置に伝送され、印刷データ流は種々異なるレベルで構造化される。レベルが高ければ高いほど、それぞれのレベルに含まれる指示の作用する領域が大きくなる。この側面によれば最高レベルには、最高レベルの全領域でトラッピングをスイッチオンオフすることのできるトラッピング指示を設けることができる。これはとりわけグローバルスイッチであり、このグローバルスイッチによりトラッピングを一般的にスイッチオンオフすることができる。これにより印刷システムのオペレータには、印刷データ流中でトラッピングを、最高レベルにそれぞれのトラッピング指示をセットするだけで、根本的にスイッチオンオフする手段が提供される。この方法はとりわけ上に説明した、下のレベルのトラッピング指示が高いレベルのトラッピング指示に対して優先される方法と組み合わせて使用することができる。最高レベルにあるこのスイッチはこの優先規則を遮断する。相応にして優先指示を、本発明の第5の側面により設けることができる。
上に説明したトラッピング方法の種々の側面では、トラッピングパラメータとトラッピング指示によって制御される。これらの方法では、印刷装置ないしはその印刷データコントローラに設定値セット(トラッピングパラメータおよびトラッピング指示)を設け、これらにしたがいトラッピング方法を制御するのが有利である。トラッピング方法は印刷装置の品質により決定されるから、この種の設定値の完全なセットを設けるのが有利である。これにより実際には、トラッピング方法を個別にそれぞれの印刷データに整合する少数の別のパラメータとトラッピング指示とを備える印刷データが印刷装置に通知される。
上記の本発明の側面はすべて冒頭に述べたデータ流、Advanced Function Presentation (AFP)およびそこから派生したデータ流、例えばMO:DCAまたはIPDSと組み合わせて使用するのが有利である。これらのデータ流を以下、AFP/IPDSデータ流と称する。
画素データは古典的な意味で構成されたビットマップデータとすることができ、このビットマップデータでは各画素毎に1ビットの情報が設けられている。しかし各画素が複数のビットに、例えば4ビットまたは8ビットに符号化されたビットマップとすることもでき、バイト毎の符号化でも良い。これにより各画素について種々異なるグレー値、例えば24=16または28=256のグレー値が格納される。本明細書の枠内で画素データの上記2つの形式はビットマップと見なされる
本発明の前記側面では、文書データ流を形成するデータ処理システムと、文書データ流を処理するデータ処理システムとの間で文書データ流を伝送するために、ユーザコンピュータまたはプリントサーバを設けることができる。データ処理システムはとりわけプリントサーバとして、構文解析ユニットを備えるコンピュータとして、および/またはラスタプロセッサとして、そしてとりわけ印刷装置に組み込まれた、または印刷装置に接続された印刷データコントローラとして構成することができる。データをユーザコンピュータから、印刷装置に組み込まれた印刷データコントローラに前記システムの1つを介して、例えばプリントサーバを介して出力する場合、このシステムはデータを例えばMO:DCAフォーマットからIPDSフォーマットに変換することができる。
次に、例として図面を参照しながら、本発明を詳しく説明する。
ビットマップデータへのオブジェクトのはめ込みを概略的に示す。 ビットマップデータへのオブジェクトのはめ込みを概略的に示す。 印刷システムの概略的ブロック回路図である。 本発明の方法の基本的流れを示すフローチャートである。 ビットマップへのオブジェクトのはめ込みを示すフローチャートである。 個々のトラッピングパラメータを示すテーブルである。 オブジェクトの先端領域でのトラッピングを示す図である。 境界線に沿って明度が変化する境界線領域でのトラッピングを示す図である。 IPDS印刷データ流の階層構造に対する例を示す概略図である。 印刷データ流でのトラッピング例を示す図である。 印刷データ流でのトラッピング例を示す図である。 印刷データ流でのトラッピング例を示す図である。 AFP/IPDSトラッピングパラメータトリオのテーブルである。
基本的方法原理
トラッピングの基本原理は簡単であり、すでに種々のトラッピング方法が公知である。明るい着色剤が、暗い着色剤により占有されるべき領域にやや広がっている。明るい着色剤は暗い着色剤により暗化され、識別できなくなるべきである。暗い着色剤ないし暗い色はオブジェクトの輪郭に対して決定的である。
多数の種々異なるオブジェクトにより印刷データをトラッピングするための本発明の方法を、図1aから1c、および図2aから2cに基づいて説明する。
基本的に印刷データは、個々のオブジェクトが定義されるフォーマットで存在する。通例、これは多数のオブジェクトである。したがって印刷データはトラッピングの前に、ベクトルで表されるオブジェクトと他の所定のオブジェクトを含む。トラッピング領域をはめ込むことにより、印刷データは同時にビットマップデータにラスタ化されるこの方法でラスタ化は、複数のオブジェクトを含む印刷データが同時に、印刷データが移行すべきビットマップデータとしても提示されることにより行われる。オブジェクトは個々にビットマップデータに移行する。図1aは長方形1を示し、この長方形はビットマップデータに含まれており、所定の明度のインキにより充填されている。さらに図1は、斜めに経過するバー2を示す。このバー2は印刷データのオブジェクト3である。このバーは長方形1に、これが長方形1の左下角から右上角に伸長するようにはめ込むべきである。バー2は長方形1よりも明るい。
バー2は印刷データの構成部分であり、この印刷データにベクトルオブジェクトとして表される。したがってバー2はオブジェクトである。長方形1は画素によってビットマップデータ中に表される。したがってオブジェクトではない。
ビットマップデータに含まれる長方形1からまず、バー2がはめ込まれるべき領域4が切り抜かれる(図1b)。これにより、長方形1とバー2のインキが大きな面積で重なり合うことが回避される。これによりバー2のインキはオリジナルに忠実に効力を発揮する。バーは長方形1よりも明るいから、切り抜かれた領域4はバー2の大きさに正確に相応する。
その後、オブジェクト3はバー2の形態でビットマップデータに、切り抜かれた領域4の個所ではめ込まれる。ここでオブジェクト3は画素にラスタ化される。この画素は相応の個所でビットマップデータにプロットされる。オブジェクト3は接する長方形1よりも明るいから、ビットマップデータのバー2はビットマップデータの暗い部分への縁部においてそれぞれトラッピング領域5だけ拡張される。このトラッピング領域5は切り抜かれた領域4を越えて伸長している。バー2の輪郭は長方形1の暗いインキにより画定され、この長方形はバーの形状に正確に切り抜かれている。
オブジェクト3をラスタ化する際には、オブジェクトに基づいて前もって計算されたトラッピング領域5が継ぎ合わされる。
次に、図1cに示した長方形1と交差するバー2を備える画像に円6が、長方形1の中心へはめ込まれる。この円6は、明度が長方形1の明度とバー2の明度との間であるインキにより充填されている
縁6の直径はバー2の幅よりも大きい。したがって円は両側でバー2を越えて長方形1の領域に伸長している。円に対する領域4を切り抜く際に、長方形1の領域に隣接する円の縁部7は正確に円の大きさにより切り抜かれる。これに対して、明るいバー2に隣接する円の縁部8はやや小さな大きさで切り抜かれる。これによってバー2は円6の領域に伸長する。円6の領域に伸長するこの領域はトラッピング領域5を形成する(図2b)。
その後、印刷データではオブジェクト3を形成する円自体がビットマップデータに、切り抜かれた領域4の個所ではめ込まれる。ここでオブジェクト3は画素にラスタ化される。この画素は相応の個所でビットマップデータにプロットされる。円6は長方形1の領域よりも明るいから、長方形1の領域に隣接する円6の縁部7はトラッピング領域5だけ拡張される。このトラッピング領域5は長方形1の領域に入り込むよう伸長している。ここで円の輪郭は長方形1の暗いインキにより規定される。
バー2に隣接する円6の縁部8では、円が正確にその大きさでビットマップデータにはめ込まれる。なぜならここでは、バー2に対して暗い円6のインキが円の輪郭を規定するからである。
ここまで2つのオブジェクト(バー2と円6)に基づき、それらのビットマップデータへのはめ込みを説明した。ここではオブジェクトが個々にビットマップデータにはめ込まれ、オブジェクト自体でトラッピング領域5が計算され、求められたトラッピング領域5に相応して切り抜き、およびオブジェクトのはめ込みが行われる。オブジェクトのはめ込みの際に、オブジェクトがビットマップデータにラスタ化される。
ここまで本発明の原理を、所定の明度のインキにより充填されたオブジェクトに基づいて説明した。用語「インキ」はここでは単純化して使用された。1つの色は多色印刷では通例、必要に応じて種々異なる割合で重ね合わされる複数の着色剤(着色剤)から合成される。個々の着色剤は制御プログラムにより別個の色分解版で取り扱われる。全体画像を形成するためにすべての色分解版が重ね合わされる。多色印刷では切り抜きがすべての色分解版を通して行われる。これに対してトラッピングは個々の色分解版に対して別個に求められ、別個にはめ込まれる。
図3には印刷システムが示されており、この印刷システムによりカラー画像データが、ユーザコンピュータ9で実行されるアプリケーションソフトウエアプログラム10に形成される。このようにして形成された画像データは印刷データとしてプリントサーバ11に供給される。これらの印刷データは印刷データ言語、例えばAFP、PostScript、PDFまたはPCLで存在する。プリントサーバ11はネットワーク12、例えばインターネットに接続されており、種々のユーザコンピュータから印刷データを受信することができる。
プリントサーバ11は印刷装置13と接続されている。印刷装置13には複数の印刷ステーションが存在する。図3には3つの印刷ステーション14,15,16だけが図示されている。1つのハイライトカラー色により印刷する印刷装置は2つの印刷ステーションしか必要とせず、2つのハイライトカラー色により印刷する印刷装置は3つの印刷ステーションを必要とし、フルカラー空間(YMCK)に印刷する印刷装置は4つから6つの印刷ステーションを必要とする。各印刷ステーションは、現像ステーション14a、15a、16aと、例えば発光ダイオード列のような照明ユニット14b、15b、16bと、それ自体公知の別の電子写真コンポーネント、例えば光導体ドラムおよびコロトロン装置を有する。
プリントサーバ11から受信されるデータは、印刷装置13に含まれるスケーラブルラスタアーキテクチャ(SRA)な印刷データコントローラ17により受信される。印刷データコントローラ17では、リアルタイムでトラッピング方法が実行され、印刷データが個々の画素にラスタ化され、色どおりに印刷機構14,15,16ないし相応の発光ダイオード列14b、15b、16bに、潜像を相応の光導体ドラム上に形成するために供給される。このようにして発生した静電画像は次に公知のように電子写真的にトナーにより現像され、記録担体18に印刷される。記録担体はここでは個別の枚葉紙を含んでいる。
印刷データコントローラでのラスタ化プロセスはとりわけスクリーニングプロセスを含むことができる。このスクリーニングプロセスでは、ラスタ化された画素が印刷機固有に処理され、それから発光ダイオード列14b、15b、16bに出力される。スクリーニングプロセスはトラッピングプロセスの後に実行することができる。または1つのステップでトラッピングプロセスないしはラスタ化プロセスとともに実行することができる。1つの共通のステップで実行することは、とりわけ1ビット印刷データ(いわゆる倍レベル印刷データ)の場合に可能である。別個のステップで実行することは、複数のビットに符号化されている印刷データ(グレーステップデータ、いわゆるマルチレベル印刷データ)の場合に有利である。
印刷データコントローラ17で実行される印刷データのトラッピングおよびラスタ化の方法フローを以下、図4と5に示されたフローチャートに基づいて詳細に説明する。この方法はまずステップS1(図4)でスタートする。ステップS2で、個々のオブジェクトが印刷データから抽出される。このオブジェクトはビットマップデータの、これが印刷データ内で存在する相応の個所にはめ込まれる。
ステップS3では、オブジェクトのトラッピング領域が、ビットマップデータに存在していて、このオブジェクトに隣接するカラー領域ないしグレーステップ領域を基準にして計算される。トラッピングを計算する規則については後でさらに詳しく説明する。
ステップS4では、オブジェクトがビットマップデータにはめ込まれる。ここでは、このオブジェクトが画素にラスタ化され、個々の画素がビットマップデータにはめ込まれる。
その後、ビットマップデータにはめ込むべき別のオブジェクトが存在するか否かが検査される(ステップS5)。別のオブジェクトが存在する場合、方法フローはステップS2に移行する。それ以外の場合、この方法はステップS6で終了する。したがって本発明により、オブジェクトは個別にビットマップデータに移行する。ここでトラッピング領域はオブジェクトに基づき、このオブジェクトに隣接するビットマップデータの色領域の明度を基準にして計算される。このことの利点は、付加的なテーブルを作成することなく、またはオブジェクトの形状のリストを作成することなく、オブジェクトの完全な情報が得られることである。トラッピング領域は、ビットマップデータでの切り抜きまたはラスタ化の際に形成されるから、トラッピング領域のために付加的なオブジェクトをオブジェクトレベルで作成する必要がない。トラッピング領域を個々のオブジェクトに基づいてビットマップデータに関して検出すること、およびトラッピング領域をビットマップデータにはめ込むことは、これにより印刷過程が遅延されることなく、印刷機器13の印刷データコントローラ17で実行される。
ビットマップデータへのオブジェクトのはめ込み(ステップS4)が、図5のフローチャートに示されている。この方法フローはステップS7で開始する。ステップS8で、ビットマップデータでそれぞれのオブジェクトをはめ込むための領域が切り抜かれる。ここでは、オブジェクトの領域に突出するトラッピング領域に注意すべきである。この種のトラッピング領域は、はめ込むべきオブジェクトが隣接するビットマップデータの色領域よりも暗い場合に発生する。切り抜きは所定の適用(例えば重ね刷り)の場合には省略することができる。
次のステップで、オブジェクトがビットマップデータにラスタ化される。これは例えば、オブジェクトが隣接するビットマップデータの領域よりも明るい場合である。
ステップS10によりこの方法フローは終了する。 トラッピング規則
本発明の方法では、それぞれの着色剤ないしそれぞれの色の中性濃度が使用される着色剤ないし色のどちらが明るいかを決定することができる。中性濃度NDは、CMYK色空間では1つの着色剤に対して次式により定義される。
ND=-1.7*log(1-c*(1-10-0.6d))
ここで、dはそれぞれの着色剤の固有中性濃度であり、通例、シアンに対しては0.61、マゼンタに対しては0.76、イエローに対しては0.16、そしてブラックに対しては1.70である。cは、記録担体に塗布される着色剤ないしインキ材料の濃度である。濃度は0から1の値領域を含む。cは掩ぺい率とも称される。インキに対する中性濃度は、個々の色度の中性濃度の和から次式のように得られる。
ND= (NDc+NDM+NDY+NDK)
本発明の方法では、トラッピング領域ないしトラッピングの3つの形式が区別される。SPREADは、比較的明るいインキないし着色剤が比較的に暗いインキないし着色剤に伸長するトラッピング領域である。
CHOKEは、比較的に暗いインキ領域が比較的明るいインキ領域内に存在するトラッピング領域である。この場合、比較的明るいインキ領域は比較的に暗いインキ領域内で切り抜かれ(ノックアウト)、これにより比較的に暗いインキ領域は可及的に色どおりに再現される。CHOKEのトラッピング領域は、比較的明るい色領域の打ち抜かれた領域が減少するように行われる。これにより比較的明るい色領域は比較的暗い色領域にさらに伸長する。
2つの隣接する領域内に、2つの異なるインキないし2つの異なる着色剤が存在しており、これらは色が異なっていても同じ中性濃度を有する場合も存在する。
この場合に使用されるトラッピング領域はCENTERまたはCENTER-TRAPと称され、このトラッピング領域は2つの隣接する面の間の境界線に対象に配置される。これにより元の輪郭が維持される。しかしこのようなCENTERトラッピング領域は、黒または不透明のインキないし着色剤には適用されない。一方のインキが黒であり、他方が不透明の場合、隣接するインキないし着色剤は常に、黒インキないし他方の不透明インキの下に伸長する。
着色剤ないしインキのそれぞれの形式に依存して、種々異なるトラッピング規則が適用される。以下では「通常インキ」と称する半透明のインキにはすべてのトラッピング規則が適用される。このことは通常使用される半透明のプロセスインキ、シアン、マゼンタ、イエローに対しても当てはまる。
半透明インキ、とりわけ透明ラッカーは基本的にトラッピングされない。
不透明のインキはブラックのように取り扱われる。すなわち黒に対するのと同じトラッピング規則が適用され、このトラッピング規則にしたがい隣接する着色剤およびインキは不透明インキの下に伸長する。
特別のスポットインキ、例えばゴールドまたはシルバーのような、使用される色空間の範囲の外にあるインキはトラッピングの際に無視される。スポットインキはハイライトカラーインキとも称される。
画像データ内には、相互に隣接する多数のオブジェクトが存在する。トラッピング領域は全体では画像に不利に影響し得る。そのため過度に多くのトラッピング領域を形成しないようにするため、隣接する領域の中性濃度の差が計算される。差の絶対値が所定の大きさより上にある場合だけ、トラッピング領域が形成される。この閾値は、着色剤が記録担体上に塗布される掩ぺい率の、典型的には0から50%の領域にあり、有利には5%から40%の領域にある。本発明の枠内で、中性濃度の代わりに閾値を、掩ぺい率の差または隣接するインキ面の輝度の差に基づいて使用することもできる。多色印刷の場合、この閾値は各個々の着色剤に対して適用される。
基本的に、閾値が大きくなれば、比較的少数のトラッピング領域が形成されるようになる。したがって実際には、最小で20%から50%の閾値が非常に有利である。
個々の所定のオブジェクトは、種々異なるトラッピング規則により処理される。
グラフィックオブジェクトはベクトルにより定義されたオブジェクトであり、多くは単色インキにより充填される。この種のオブジェクトが2つ隣接する場合、トラッピングを実行すべきか否かは簡単に決定される。グラフィックオブジェクトが色経過で構成されている場合には、より困難である。このことを以下に詳細に説明する。
文字オブジェクトは基本的にグラフィックオブジェクトと同じように処理される。しかし線の太さが所定の限界幅より下にある小さな文字の場合には、トラッピングにより文字の読みやすさが悪化するというトラッピング問題が発生する。したがって文字オブジェクトの幅を最大トラッピング幅と比較する。文字オブジェクトの幅が最大トラッピング幅の2倍よりも小さい場合、トラッピング幅は所定の大きさだけ、例えば50%だけ低減される。オブジェクトの幅が低減された最大とラッピング幅の2倍よりもそれでも小さい場合、トラッピングは実施されず、文字オブジェクトは重ね刷りとして印刷される。すなわち、文字オブジェクトはバックグランド色に印刷され、このときバックグランド色は文字オブジェクトの領域で切り抜かれない。したがってノックアウト(抜き合わせ)は実行されない。
黒いオブジェクトは不透明なオブジェクトのように処理される。これにより他のすべてのインキまたは着色剤はこのオブジェクトの下に伸長する。黒いオブジェクトとして、中性濃度が所定の閾値より上にあるすべてのオブジェクトが取り扱われる。この閾値は、ブラックの中性濃度の70%から100%の領域にある。有利にはこの閾値は、ブラックの中性濃度の85%から95%の領域にある。ハイライトカラーインキは基本的に黒と見なすことができる。
オフセット印刷から、「スーパーブラック」を形成することが公知である。トナー粒子により印刷する電子写真グラフィック印刷機では、強調された黒を得るために、ブラックの下に他のインキを、ブラックの色濃度を高めるために印刷するのが有利であり得る。これら他のインキはサポートインキと称される。ここでは見当エラーが可視とならないように、黒の着色剤の下に印刷されるこれらのサポートインキは反対にトラッピングされる。すなわちサポートインキは縁部領域に一部が取り込まれる。これによって、見当エラーの際にサポートインキが黒い着色剤により完全に覆われることが確実に阻止される。
ハイライトカラーオブジェクトは、ただ1つの特定の着色剤からなるオブジェクトである。ハイライトインキは通常、複数の着色剤の混合体に相応する色印象を形成し、この色印象はプロセス着色剤により達成することのできる範囲の外にあることがしばしばである。ハイライトカラーインキは他のプロセスインキと混合されない。
ハイライトカラーインキの掩ぺい率は、複数のプロセスインキから合成されたインキの掩ぺい率と比較することができないから、トラッピング閾値を計算する際には掩ぺい率ではなくオブジェクトの中性濃度が使用される。
画像オブジェクト自体には通例、トラッピング方法が施されない。画像オブジェクトはその縁部で、隣接する別のオブジェクトに対してトラッピングされる。ここでは基本的に4つの異なる手段が存在する。センタートラッピングの場合、画像と隣接するベクトルオブジェクトとの両方が伸長される。中性トラッピングの場合、各画素が隣接するベクトルオブジェクトの中性濃度と比較され、トラッピングは一方または他方の側に対して画素毎に実行される。しかしこのことにより拡散したエッジ印刷が生じることがあり、これは不所望なことである。
暗い画像の場合はチョーク画像トラッピングが実行される。すなわち隣接するベクトルオブジェクトは画像の下に伸長する。これに対して明るい画像の場合はスプレッド画像トラッピングが実行される。すなわち画像はオブジェクト領域の上に伸長する。
画像オブジェクトに対して有利なトラッピング規則はセンタートラッピングであり、これは標準規則(デフォルト)としても設定されている。グレーステップ画像はカラー画像のように処理される。隣接する画像オブジェクト間ではトラッピングが実行されない。
本発明の方法では、トラッピングが完全自動的に実行されるから、所定のトラッピングパラメータが有利である。これらのトラッピングパラメータは、印刷システムに記憶された設定値(デフォルト値)とすることができる。または個別に印刷文書に添付されたトラッピングパラメータとすることができる。有利には完全なトラッピングパラメータセットは印刷装置13またはその印刷データコントローラ17に記憶される。したがって印刷データだけを、トラッピングを実行すべきであるというトラッピング指示により印刷システムでトラッピングすることができる。この完全なトラッピングパラメータセット(設定値)は印刷データ流により通知されたトラッピングパラメータにより個別に上書き、または置換することができる。またはこれらの設定値は下で説明するリソースにより置換することができ、これらのリソースも印刷システムに記憶することができる。
有利には本発明の方法で2つの異なるトラッピングパラメータセットが使用される。一方のトラッピングパラメータセットはトラッピングを、印刷機での記録担体の搬送方向に平行に制御し、他方のトラッピングパラメータセットはトラッピングを、印刷装置での記録担体の搬送方向とは横方向に制御する。
個々のトラッピングパラメータを以下、図6に示されたテーブルに基づいて説明する。
トラッピング領域の幅は有利には固定的に設定される。このことはトラッピング領域の形成を格段に簡単にする。なぜなら、トラッピング領域を形成すべきか否か、2つの隣接するオブジェクトの間の境界面のどちらの側にトラッピング領域を設けるべきか、またはトラッピング領域を境界線を中心にセンタリングして配置すべきか否かだけを決定すれば良いからである。トラッピング領域は通例、1画素または2画素の幅である。600dpiの解像度の場合、2画素は訳1.5mmに相当する。検査目的のために、トラッピング領域の幅を数mmに設定すると有利である。なぜならこれによりトラッピング領域を印刷画像で直ちに識別できるからである。
ブラックではない着色剤に対しては、トラッピング領域の幅は通常、0.02から5.0mmである。ここではX方向とY方向に同じ値を使用することができる(テーブル1)。
黒い着色剤または不透明の着色剤に対するトラッピング領域の幅は通例、黒ではない着色剤に対するトラッピング領域の幅の2倍である(テーブル2)。
印刷データがスケーリングされると、すなわち比較的に大きな、また比較的に小さな尺度に移行すると、幅の変更されないトラッピング領域が維持される。トラッピング領域の幅のスケーリングは有利ではない。
トラッピング領域の幅を検出する際に、2つのインキ面間の境界線上の垂直の各方向がX方向として見なされる。このX方向は垂直に延在するか、または垂直と垂直に対して45°傾斜したラインとの間の領域に延在する。この場合トラッピング領域の幅は、境界線から垂直の方向に、そして境界線に対して垂直ではない方向で調整される。相応にして境界線上の垂線のY方向は、水平と水平に対して45°傾斜したラインとの間の方向、ないしは水平に延在する垂線である。トラッピングの幅はここでも、境界線に対して垂直の方向には調整されず、水平の方向(Y方向)に調整される。
実際にはこのことは、トラッピング領域は垂直方向(X方向)または水平方向(Y方向)に1つまたは2つの画素であることを意味する。したがってトラッピング領域の幅の面倒な計算は必要なく、トラッピング領域は大きな計算コストなしでビットマップデータにプロットされる。このことは印刷装置で実行中のトラッピング方法を簡単にする。
テーブル3は、2つの隣接する領域の明度を判定するための絶対値差に対する規則を示す。2つの隣接する領域の明度差が絶対値差よりも小さければトラッピング領域は形成されない。多色空間(CMYK)ではオブジェクトの各着色剤が比較される。明るい着色剤はそれぞれの掩ぺい率と乗算され、絶対値差の百分率だけ高められる。これにより高められた明るい着色剤が、その掩ぺい率と乗算された暗い着色剤よりも暗ければ、トラッピングは必要ない。この比較は、隣接する領域のすべての着色剤間で実行される。比較の結果、トラッピングの必要性があれば、トラッピングが実行される。
所定の濃度限界(ブラック濃度限界)より上の中性濃度を備えるインキはブラックのように取り扱われる。設定値は100%である(テーブル4)。しかし多くの場合、濃度限界を例えば80%から95%の領域に低下するのが有利である。
テーブル5はブラックインキ限界を示す。これは、どの掩ぺい率からインキ、ブラックが黒として判定され、グレーの色調として判定されないかを指示する。設定値は1.0である。しかし0.85から1の間、とりわけ0.85から0.95の間の値が有利である。
小さな黒いオブジェクト、例えば文字またはラインは、それらの領域を切り抜かなくても他のオブジェクトの上にしばしば良好に印刷される。この重ね刷り(オーバプリント)は、トラッピング領域を打ち抜き、形成する場合よりも格段に小さな計算能力しか必要としない。通例、重ね刷りは、テキストが所定の大きさ(12pt)より小さい場合、またはラインが黒インキに対するトラッピング領域の幅よりも小さい場合に行われるテーブル6には、限界値の相応の領域が示されている。
センタートラッピングは通例、隣接する2つの領域の中性濃度が同じ場合だけ形成される。センタートラッピング境界により、センタートラッピングの形成される領域を拡張することができる。センタートラッピング境界は0.0から1.0の領域を含む(テーブル7)。センタートラッピング境界は、暗いインキの中性濃度がセンタートラッピング境界と乗算され、積が明るいインキの中性濃度よりも小さい場合にはセンタートラッピングが形成されるようにして適用される。
テーブル8はトラッピング領域の複数の形式を示す。スプレッドおよびチョークに対する通常のトラッピングでは縁部領域がクリップされる。すなわち、隣接するインキ領域の中に伸長するトラッピング領域は、縁部においてはこの隣接するインキ領域を越えない。ベベル(bevel)、丸め(round)、および斜め継ぎ(miter)によるトラッピング領域も示されている。
斜め継ぎの場合には角度が小さい場合、非常に狭く長い先端を有するトラッピング領域が発生するという問題がある。斜め継ぎトラッピング領域が先端領域で、トラッピング領域のそれぞれの幅を越えてX方向またはY方向に伸長する場合、この斜め継ぎとラッピング領域を切り離すことが提案される。このことが図7aと7bに2つの例で示されている。斜め継ぎ先端のこの制限は計算コストの原因とはならず、斜め継ぎ先端は斜め継ぎ角の配向に依存しない。斜め継ぎ先端は非常に迅速に求められ、トラッピング領域の計算を遅延しない。したがってこの方法は大きな計算コストなしに、迅速かつリソースを節約して実行される。
明度が徐々に変化する2つの領域が相互に隣接する場合、境界線において一方の部分での境界面が、別の部分では別の境界面が、それぞれ他方の境界面よりも明るいということが生じ得る。このことにより、一方の部分でのトラッピング領域が一方の領域へ、他方の部分でのトラッピング領域が他方の部分へ伸長するようになる。この変化は跳躍的に実行することができる。または緩慢に移行させることもできる。この移行を調整するために、スライディングトラップ境界が設けられる。このスライディングトラップ境界は0.0から1.0の数値領域を含む。スライディングトラップ境界の値が1.0であれば、2つのトラッピング領域間の移行は跳躍的に行われる(図8a)。スライディングトラップ境界の値が小さければ、トラッピング領域は隣接するインキ領域の境界線を徐々に越えてシフトする。図8bは、約0.5のスライディングトラップ境界に対するものであり、徐々に移行する場合を示す。
トラッピング領域が可視となるのを回避するために、トラッピング領域をスケーリングすることができる(トラップカラースケーリング)。トラッピング領域では、掩ぺい率がスケーリング係数によって低減される。スケーリング係数は0.0から1.0の数値領域の値を取ることができる。異なる着色剤に対しては異なるスケーリング係数を設けることも可能である。スケーリング係数に対する設定値は1.0である。1.0のスケーリング係数は、トラッピング領域が暗い着色剤の掩ぺい率を常に有することを意味し、これに対して0.0のスケーリング係数はトラッピング領域が明るい着色剤の掩ぺい率を常に有することを意味する。このスケーリング係数は、暗い着色剤と明るい着色剤の掩ぺい率の差に適用され、明るい着色剤の掩ぺい率に加算される。これによって、トラッピング領域が過度に暗く、または過度に明るくなることが阻止される。
印刷データをAFP/IPDSデータ流へトラッピングする方法の実現
IBM刊行物"Intelligent Printer Data Stream, Reference" S544-3417-06, 第7版 (2002年11月)には、IPDS印刷データ流について詳細が説明されている。この刊行物の31ページには、図9として添付されたグラフが開示されている。このグラフは、複数のプレゼンテーションスペースを有するIPDS印刷データ流の階層構造の例を示す。このプレゼンテーションスペースは、印刷すべき文書内のそれぞれ所定の領域を規定する。複数のプレゼンテーションスペースを相互に重ね合わせることができる。
プレゼンテーションスペースの階層での最高レベルは、印刷データ担体ないし印刷媒体を規定するメディアプレゼンテーションスペース18を形成する。このメディアプレゼンテーションスペースは印刷データ流における制限されたアドレス空間であり、印刷データ担体の1ページ全体にマッピングされる。したがって印刷データ媒体の1ページには、ただ1つのメディアプレゼンテーションスペース18が存在する。したがってメディアプレゼンテーションスペースに含まれる印刷指示と印刷データはこのページ全体に適用される。
さらにメディアオーバレイプレゼンテーションスペース19、ページプレゼンテーションスペース20、ページオーバレイプレゼンテーションスペース21、オブジェクトエリアプレゼンテーションスペース22、およびデータオブジェクトプレゼンテーションスペース23が存在する。
すべてのプレゼンテーションスペースは印刷データおよび印刷指示を含むことができる。プレゼンテーションスペースの最低レベルはデータオブジェクトプレゼンテーションスペース23である。このデータオブジェクトプレゼンテーションスペース23には印刷すべきデータオブジェクト(グラフィックおよびテキスト)が含まれている。データオブジェクトプレゼンテーションスペース23は、特別のオブジェクトのために設けられたオブジェクトエリアプレゼンテーションスペース22と結合(マージ)される。オブジェクトエリアプレゼンテーションスペース22はさらにページオーバレイプレゼンテーション21と結合される。オーバレイは基本的に、テキスト、画像グラフィック、バーコード、およびいわゆるオブジェクトコンテナデータの任意の組み合わせとすることができる。オーバレイは通例、比較的に低いレベルのデータオブジェクトが挿入されるフォーミュラの形式で使用される。
個々のプレゼンテーションスペースが相互に結合される順番は正確に設定される。
基本的に比較的に低いレベルのトラッピング指示は、比較的高いレベルのトラッピング指示に対して優先される。なぜなら、比較的に低いレベルの印刷指示はそれぞれのオブジェクトに対して直接的関係にあるからである。
最高レベル、メディアオーバレイプレゼンテーションスペース19では、トラッピング指示「グローバルトラッピングイネーブル/ディスエーブル情報」が設けられる。このトラッピング指示により、印刷データ流のトラッピングを一般的にオン/オフすることができる。このトラッピング指示は、比較的低いレベルのトラッピング指示が比較的高いレベルのトラッピング指示に対して優先されるという上に説明した優先制御を遮断する。このトラッピング指示により印刷システムのオペレータは簡単にトラッピングを根本的にオン/オフすることができる。このことは最上位レベルにこのトラッピング指示を挿入することにより行われる。
トラッピング指示は角プレゼンテーションスペースで別個にトラッピングトリプレットによって規定することができる。このトラッピングトリプレットについては下で詳細に説明する。これによって、個々のプレゼンテーションスペースでトラッピング調整を個別に制御することができる。基本的にここでは、比較的に低いレベルのプレゼンテーションスペースのトラッピング指示が比較的高いレベルのプレゼンテーションスペースの相応のトラッピング指示を上書きできる(無効にできる)ことが当てはまる。これにより、比較的低いレベル、例えばデータオブジェクトプレゼンテーションスペースでのIPDSデータ流の通例の実際とは異なってトラッピングを調整することができ、このトラッピング指示は比較的高いレベルに設けられたプレゼンテーションスペースによって変更することができない。
これにより、印刷すべき印刷オブジェクトを形成するユーザは、一義的かつ最終的に、この印刷オブジェクトにトラッピング法を実施するか否か、またどのように実施するかを設定することができる。印刷データには、一般的にトラッピング法を実施してはならないデータオブジェクトが存在する。この種のデータオブジェクトは例えばバーコードである。バーコードにトラッピング法が施されると、個々のバーコードのライン幅が変わってしまい、これによりバーコードの意味が失われてしまう。比較的に高いレベルに配置されたプレゼンテーションスペースに対してトラッピングを設けるべき場合であっても、データオブジェクトプレゼンテーションスペースのレベルでトラッピング法がスイッチオンされるデータオブジェクトにはトラッピング法が実施されない。
印刷データ流に、すべてのトラッピングパラメータが定義される必要はない。印刷データ流に定義されないトラッピングパラメータは、印刷装置13ないしは印刷データコントローラ17に記憶された設定値(デフォルト値)により補充される。実際には、できるだけ少数のトラッピングパラメータを印刷データ流に設定するのが有利である。なぜならトラッピング方法は非常に印刷機固有のものだからである。印刷データ担体上での個々の色分解版のずれは、印刷装置の機械的特性に普通依存するから、基本的なトラッピングパラメータ、例えばトラッピング領域の幅は印刷装置13で設定するのが最適である。印刷データ自体に固有のトラッピングパラメータ、例えばバーコードオブジェクトに対するトラッピング法のスイッチオフは印刷データ流で定義すべきである。
トラッピングパラメータを印刷装置の設定値により補充するという原理によって、印刷データ流の作成を簡単にすることができる。なぜなら印刷データ流では基本的かつ一般的なトラッピングパラメータが少数定義されるだけであり、トラッピングパラメータは印刷装置で別の固有のトラッピングパラメータにより補充されるからである。
本発明によればトラッピング方法を調整するために、AFPデータ流およびIPDSデータ流のリソース構造が使用される。ユーザコンピュータ9(図3)で印刷データが形成され、AFPデータ流によってプリントサーバ11に伝送される。プリントサーバ11ではAFPデータ流が処理され、IPDSデータ流に印刷装置13への出力のために変換される。プリントサーバ11において、ソフトウェアモジュールにより制御される複数のプロセスが実行される。第1のソフトウェアモジュールは、リソースデータ、例えばオリジナルの印刷データ流に呼び出されるフォントまたはオーバレイを、その印刷データ流にバインドする。第2のソフトウェアモジュールすなわち構文解析モジュールは、印刷データ流を前もって定められた規則との一貫性についてチェックする。構文解析プロセスの前には、相応のソフトウェアモジュールにより実行される事前構文解析プロセスが実行される。この事前構文解析プロセスでは、各リソース呼出しと所属のリソースファイルに対して、リソース名に加えて識別日時が割り当てられ、これによってリソースが文書データ流の他のすべてのリソースに対して一義的に識別される。このようにすれば文書データス流内でリソースをリソース名および/または識別日時を用いて、印刷データおよびリソースデータを印刷装置13に示すために1回または複数回呼び出すことができる。ここではプリントサーバに指示されるプロセスを部分的にまたは完全に、印刷装置13の印刷データコントローラ17で実行することもできる。
図示の実施例によればAFP文書データ流は、MO:DCA標準に対応しそれぞれデータオブジェクトに対する参照データを有する文書が含まれており、これらはプリントサーバ11により、および印刷データコントローラ17で利用可能である。ここではリソースデータをユーザコンピュータ9からプリントサーバ11と印刷データコントローラ17へ、MO:DCA文書データ流とは別個に伝送することができる。またはすでにプリントサーバ11と印刷データコントローラ17に外部リソースとして格納しておくこともできる。しかしリソースデータは文書データ流とともにユーザコンピュータ9からプリントサーバ11へ、埋め込み型リソースデータとして伝送することもできる(いわゆるインライン・リソース)。WO-A1-2004/0008379には同様のデータ処理の他の詳細な点について説明されており、この文献を本出願の参考文献として取り込むことにする。リソースデータはいわゆるデータオブジェクトリソースを含むことができ、このデータオブジェクトリソースは、複数回同じようにして文書データ流で参照されるオブジェクトデータを含む。この種のデータオブジェクトは、画像データ、テキストデータ、グラフィックデータおよび/またはトラッピングデータを含むことができる。オブジェクトリソースへの関連付けはオブジェクトリソースライブラリを介して行うことができる。このライブラリには、オブジェクトに対し特徴的なデータと、対応するオブジェクトデータの格納場所に関するデータが含まれる。このライブラリはデータオブジェクトリソースアクセステーブル(Data Object Resource Access Table RAT)を有しており、このテーブルはプリントサーバ2に対して、リソースデータへアクセスするためのインデックステーブルとして機能する。
プリントサーバ2はMO:DCA文書データ流をユーザコンピュータ9から受信し、それをIPDS文書データ流に変換して印刷装置13へ送信する。データ変換に続いて、MO:DCA文書データ流からデータオブジェクトの参照情報(名前)を読み出し、データオブジェクトリソースアクセステーブル(RAT)を用いて記憶されているデータリソースにアクセスする。次に、オブジェクトの完全なデータがIPDSデータ流に組み込まれ、印刷装置13へ送信される。このプロセスは、データが印刷装置ではなく他の出力機器、例えばカラーディスプレイなどに送信される場合にも、同じように適用することができる。
MO:DCA文書データ流はデータ要素として構造化されており、これについては改めて説明するまでもない。構造化フィールド(structured field)はMO:DCA構造の重要な構成部分である。1つの構造化フィールドは複数の部分に分けられている。第1の部分(introducer)は、所望のコマンドを指定し、コマンド全体の長さを指示し、さらに付加的な補充バイトいわゆるパディングバイトが存在するか否か等、付加的なコントロール情報を記述する。構造化フィールド中に含まれるデータは固定パラメータとしてコーディングすることができ、反復情報(repeating group)、キーワードおよびいわゆるトリプレットを含むことができる。固定パラメータが作用するのは、それらが含まれている構造に対してだけである。反復グループは、複数回発生し得るパラメータの群分けを記述する。キーワードは改めて説明するまでもないパラメータであり、それらは典型的には2バイトを含み、第1のバイトはキーワードに対する識別バイトであり、第2のバイトはキーワードを特徴づけるデータ値である。トリプレットも自明のパラメータであり、それらは第1のバイトに長さの記述を含み、第2のバイトにトリプレットを特徴づける識別情報を252データバイトまで含む。MO:DCA文書データ流の上記データ構造によりシンタックスが定義され、このシンタックスは構文解析プロセスに続いて評価することができ、フレキシブルに拡張できる。
MO:DCAデータ流も上に説明したIPDSデータ流と同じように階層的に構成されている。
リソースデータは種々異なる個所で、すなわちユーザコンピュータ9、プリントサーバ11、および印刷装置13でコントロールパネルによって形成することができる。これらのリソースデータは印刷装置13の印刷データコントローラ17にいったん送信され、そこに保管される。これによりこれらのリソースデータを相応の印刷データ流が参照するとき、いつでも使用することができる。
これによりユーザコンピュータ9のユーザ、またはプリントサーバ11のオペレータは、特別のトラッピング調整をリソースデータとして一度調整し、印刷データコントローラ17にファイルし、これを再び呼び出すことができる。
以下IPDS印刷データ流におけるいくつかのトラッピング例を説明する。
図10は、それぞれ一様に暗いバックグランドインキにより充填され、その下にプレゼンテーションスペース25がある2つのプレゼンテーションスペース24における例を示す。このプレゼンテーションスペース25は明るいインキにより充填されている。ここではプレゼンテーションスペース24の縁部にトラッピング領域を形成することができる。なぜならここでは異なる明度のインキ領域が相互に当接しているからである。プレゼンテーションスペース24でのトラッピング指示は、トラッピングがプレゼンテーションスペース25の縁部でどのように実行されるかという形式を調整する。
図11には、2つのプレゼンテーションスペース24による類似の例が示されている。これらのプレゼンテーションスペース24にはそれぞれ円形のエレメント(データオブジェクトプレゼンテーションスペース26)が配置されている。上のプレゼンテーションスペース24は透明である。すなわちバックグランドインキにより充填されていない。このプレゼンテーションスペース24は、その中に含まれるオブジェクトのトラッピングをその下にあるプレゼンテーションスペースにより実行すべきであるという指示を含んでいる。
これに対して下のプレゼンテーションスペース24は不透明のバックグランドインキにより充填されている。したがって円形のエレメント26はプレゼンテーションスペース24に対してトラッピングすべきであり、その下にあるプレゼンテーションスペース25に対してはトラッピングすべきではない。
1つのプレゼンテーションスペース内で異なるエレメントに対しては異なるトラッピング規則を使用するのも有利であり、例えば充填された縁部または空の縁部を有する異なるグラフィックエレメント(GOCA)に対しては異なるトラッピング規則を使用する。このような場合に対しては「Trapping Drawing Orders」と「Trapping Text Controls」が設けられている。
IOCAプレゼンテーションスペース24にマルチレベル画像が含まれる場合、基本的にトラッピングは実施されない。なぜならこの画像は不透明画像と見なされるからである。ここでのトラッピングは、IOCAプレゼンテーションスペースがバックグランドインキにより充填されている場合、画像の縁部またはこのIOCAプレゼンテーションスペースの縁部でだけ実施される(図12)。
図13は、AFP/IPDSトラッピングパラメータトリプレットをテーブル形態で示す。それぞれ最初の3つの列にはトリプレット(オフセット、名前、領域(=レンジ))が示されている。第4列にはトリプレットの意味が説明されている。第5列には、トリプレットがオプションであるか、または拘束力があるか(Mandatory)が示されている。第6列には例外が示されている。
トラッピングは通例、紙搬送方向に依存する。したがって紙搬送方向でのトラッピングパラメータは、紙搬送方向に対して横方向のトラッピングパラメータとはしばしば異なる。トラッピングパラメータトリプレットでは、Y方向は常に紙搬送方向に対して平行であり、X方向は紙搬送方向に対して90°横に回転している。オブジェクトが回転する場合、印刷データコントローラは自動的に相応の方向のパラメータを使用する。
度量単位としてIPDSデータ流では通常、L単位が定義される。このL単位はトラッピングパラメータに対しては異なって定義することができる。テーブルにはいくつかの短縮符合が示されている。これらの意味するのは:
TID トラッピングID
UPUB ユニットベース当たりのL単位
TS Limit トラッピングステップ限界(絶対値差)
BD Limit 黒濃度限界
BC Limit 黒色限界
CT Limit センタートラッピング限界
TCS トラッピングカラースケーリング(スケーリング係数)。
このトラッピング方法はとりわけ印刷データコントローラ17(図3)でリアルタイムで実行される。これにより印刷データが印刷プロセスでの遅延なしで供給される。印刷データコントローラ17は必ずしも印刷装置13に組み込む必要はなく、印刷装置13の外部に、例えば別個のラスタイメージングプロセッサ(RIP)として配置することができる。印刷データコントローラ17は特別のハードウエア回路、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)を有することができる。印刷データコントローラはまた、通常のコンピュータ(データ処理装置)、例えば1つまたは複数のプロセッサを有するパーソナルコンピュータ上で、または適切なオペレーティングシステムを有するプロセッサシステム上で動作することができる。さらに印刷データコントローラにはマイクロプロセッサを設けることができ、このマイクロプロセッサには本発明の方法を実施するように構成されたコンピュータプログラムが記憶される。このコンピュータプログラムはもちろん、印刷システムから独立したデータ担体に記憶することができる。
本発明は、コンピュータプログラム(ソフトウェア)として実現するのに殊に適している。したがってこれは、コンピュータプログラムモジュールとして、ディスケットまたはCD-ROMなどのデータ担体上のデータとして、データネットワークないしは通信ネットワークを介するデータとしても処理可能である。上述のようなものおよびそれらと同等のコンピュータプログラム製品あるいはコンピュータプログラム要素も本発明の実施形態である。本発明による手順をコンピュータ、印刷機または印刷システムにおいてそれらの前段または後段に接続されたデータ処理装置とともに適用することができる。ここで明らかであるのは、本発明を適用可能な相応のコンピュータは、それ自体公知の別の技術的の装置、例えば、入力手段(キーボード、マウス、タッチスクリーン)、マイクロプロセッサ、データないしは制御バス、表示装置(モニタ、ディスプレイ)ならびに作業用記憶装置、ハードディスクおよびネットワークカードを有し得ることである。
1 長方形
2 バー
3 オブジェクト
4 切り抜かれた領域
5 トラッピング領域
6 円
7 縁部
8 縁部
9 ユーザコンピュータ
10 ユーザソフトウエアプログラム
11 プリントサーバ
12 ネットワーク
13 印刷装置
14 印刷ステーション
15 印刷ステーション
16 印刷ステーション
17 印刷データコントローラ
18 メディアプレゼンテーションスペース
19 メディアオーバレイプレゼンテーションスペース
20 ページプレゼンテーションスペース
21 ページオーバレイプレゼンテーションスペース
22 オブジェクトエリアプレゼンテーションスペース
23 データオブジェクトプレゼンテーションスペース
24 プレゼンテーションスペース
25 プレゼンテーションスペース
26 円形エレメント

Claims (12)

  1. ラスタ化されていない複数のオブジェクトを備える印刷データのトラッピング方法であって、
    前記オブジェクトは画素データに個別に変換され、そのためにそれぞれ以下のステップが実行される:
    ・それぞれのオブジェクトについて、該オブジェクトに隣接する、画素データ中の色領域に関して所定のトラッピング規則にしたがい少なくとも1つのトラッピング領域を求めるステップ、
    ・前記オブジェクトと少なくとも1つのトラッピング領域を画素データにはめ込み、当該はめ込みの際に前記オブジェクトとトラッピング領域が前記画素データにラスタ化されるステップ、
    ことを特徴とするトラッピング方法。
  2. 請求項1記載の方法において、
    個々のオブジェクトが画素データに変換されるとき、印刷データは維持される、ことを特徴とする方法。
  3. 請求項1または2記載の方法において、
    前記オブジェクトを画素データにはめ込む際に、該オブジェクトがはめ込まれる領域が画素データから切り抜かれ、それから前記オブジェクトは画素データにラスタ化され、
    このとき前記切り抜かれた領域は、前もって求められたトラッピング領域に相応して縮小することができる、ことを特徴とする方法。
  4. 請求項1からまでのいずれか一項記載の方法において、
    トラッピングのために、印刷データが印刷される記録担体の搬送方向と、該搬送方向に対して横方向とで異なるトラッピングパラメータが適用される、ことを特徴とする方法。
  5. 請求項1からまでのいずれか一項記載の方法において、
    当該方法は印刷装置(13)の印刷データコントローラ(17)で実行され、
    印刷データは印刷データ流で伝送され、
    該印刷データ流は、トラッピングパラメータおよび/またはトラッピング指示を含むリソースデータを参照する、ことを特徴とする方法。
  6. 請求項記載の方法において、
    前記リソースデータは印刷データコントローラ(17)に記憶されている、ことを特徴とする方法。
  7. 請求項5または6記載の方法において、
    印刷装置(13)または印刷データコントローラ(17)には、トラッピングパラメータの完全なセットが設定値として記憶されている、ことを特徴とする方法。
  8. 請求項1からまでのいずれか一項記載の方法において、
    印刷データは印刷データ流でトラッピング指示とともに印刷装置に伝送され、
    印刷データ流は種々異なるレベルで構造化されており、
    レベルが比較的に高ければ、それぞれのレベルに含まれる指示が作用する領域も比較的に大きく、
    比較的に低いレベルからのトラッピング指示は、比較的高いレベルからのトラッピング指示に対して優先される、ことを特徴とする方法。
  9. 請求項記載の方法において、
    最高レベルには、当該最高レベルの領域全体におけるトラッピングをオンまたはオフすることのできるトラッピング指示が設けられている、ことを特徴とする方法。
  10. 請求項からまでのいずれか一項記載の方法において、
    印刷データ流は、AFP/IPDSデータ流である、ことを特徴とする方法。
  11. 請求項10記載の方法において、
    IPDSデータ流印刷データ流に含まれるプレゼンテーションスペースにはトラッピング指示が含まれており、
    該トラッピング指示はそれぞれのプレゼンテーションスペース内のトラッピングを制御し、
    前記プレゼンテーションスペースは種々異なるレベルに配置されている、ことを特徴とする方法。
  12. 印刷データをトラッピングする印刷装置であって、印刷データコントローラ(17)と複数の印刷機構(14,15,16)を有し、
    前記印刷データコントローラ(17)は、請求項1から11までのいずれか一項記載のトラッピング方法を実施するように構成されている印刷装置。
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