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JP5098380B2 - 脈拍計測装置及びその制御方法 - Google Patents
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JP5098380B2 - 脈拍計測装置及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光学式の脈拍計測装置及びその制御方法に関する。
従来より、光学的センシングによる脈拍計測装置が知られている。この種の光学式脈拍計測装置には、フィルタを用いて計測信号内の脈拍成分を抽出するものがあり、例えば、発光素子をduty駆動して受光側で増幅した後にローパスフィルタによって脈拍波形を再現する技術(例えば、特許文献1参照)、受光後に脈拍周波数帯域を通過するバンドパスフィルタによって脈拍波形を抽出する技術(例えば、特許文献2、3参照)、及び、受光した光の変調成分だけを復調して外乱光の影響を除去する技術(例えば、特許文献4参照)がある。
また、この種の光学式脈拍計測装置には、計測信号内の雑音(体動成分)を検出するものがあり、例えば、波長の異なる2つの発光素子と、第1波長光、第2波長光、非発光を繰り返した際の各受光信号を各々積分する複数の積分手段とを備え、非発光時の雑音レベルが許容範囲内か否かを判断する技術(例えば、特許文献5参照)、及び、脈拍信号を通過させるフィルタ(0.5Hz〜2.3Hz)と、脈拍よりも低い周波数の信号成分を通過させる雑音成分通過フィルタとを備え、雑音発生期間検出と雑音発生検出のときに脈波信号を通過させるフィルタの出力を遮断する技術(例えば、特許文献6参照)がある。さらに、この種の脈拍計測装置には、複数のセンサを用いて脈拍と体動を検出するものが提案されている(例えば、特許文献7、8、9)。
実開昭53−76697号公報 特開2001−145606号公報 特開2004−202190号公報 特許第2693958号公報 特許第3291581号公報 特開平1−288230号公報 特開平7−88092号公報 特開2005−28157号公報 特開平11−276448号公報
しかし、従来の構成では、体動による検出部位(血流部位)との間の密着性の変化によって外乱光が侵入したり、外乱光が生体(手首や指)を通過すること等によって脈拍波形の周波数に近い雑音成分(体動成分)が存在した場合、かかる雑音成分を除去できない問題があった。
また、上記特許文献5、7〜9記載の技術は、複数の発光素子、複数の受光素子或いは専用の体動センサを備えるため、構成部品の数が多くなってしまう問題もある。また、この種の脈拍計測装置は外光の有無に関係なく使用可能に構成することが望ましい。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、外光を受光不能な状況でも脈拍検出精度が高く、かつ、発光素子及び受光素子の数を低減可能な脈拍計測装置及びその制御方法を提供することにある。
上述課題を解決するため、本発明は、脈拍計測装置において、生体の検出部位に向け、所定の時間間隔で光を照射する単一の発光素子と、前記光を前記生体を介して受光可能に配置され、受光量に応じた受光信号を生成する単一の受光素子と、前記受光素子と前記生体との間に延在する透明又は半透明の透光部材であって、脈拍計測装置周囲の外光を透過させて前記生体で反射させ、その反射光を、前記受光素子に受光可能にする透光部材と、前記受光信号から、前記時間間隔に対応する前記発光素子の発光周波数を含む第1周波数範囲の第1信号成分を抽出する第1フィルタと、前記受光信号から、前記生体の脈動の周波数より低い第2周波数範囲の第2信号成分を抽出する第2フィルタと、前記第1信号成分に周波数解析を施して複数の周波数スペクトルを特定すると共に、前記第2信号成分に周波数解析を施して前記生体の体動スペクトルを特定する処理を実行する周波数解析部と、前記周波数解析部が体動スペクトルを特定できない場合に、前記外光の代わりとなる疑似外光を前記透光部材を介して前記生体に向けて出射し、その反射光を、前記生体の体動に応じた光量で前記受光素子に受光させる疑似外光照射部と、前記周波数解析部が体動スペクトルを特定した場合に、前記第1信号成分に含まれる周波数スペクトルのうち、前記体動スペクトルを除く周波数スペクトルの周波数に基づいて脈拍数を特定する脈拍数特定部とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、第1フィルタによって、生体を通った発光素子の光だけの第1信号成分を抽出して血流の変動に表れる脈動成分及び体動成分を取り出すことができると共に、第2フィルタによって外光の受光量変化に表れる体動成分を取り出すことができる。このため、第1信号成分に含まれる周波数スペクトルから脈拍成分の周波数スペクトルを精度良く特定でき、脈拍検出精度が向上し、発光素子及び受光素子の数も低減される。また、体動スペクトルを特定できない場合に、受光素子が生体の体動に連動して受光可能な疑似外光を照射する疑似外光照射部を備えるので、外光を受光不能な状況でも疑似外光の受光量変化に表れる体動成分を取り出すことができ、脈拍を精度良く検出することができる。
上記構成において、前記受光素子は、太陽光の直射によっても当該受光素子が電気的に飽和しないレベルに光を抑制する光学フィルタを備えることが好ましい。上記構成において、前記疑似外光照射部は、単一の疑似外光用発光素子と、前記周波数解析部が体動スペクトルを特定できない場合に、前記疑似外光用発光素子を駆動する疑似外光用駆動部とを有することが好ましい。この構成によれば、この脈拍検出には、単一の発光素子と単一の受光素子と単一の疑似外光用発光素子を用いるだけなので、脈拍検出精度が高いにも拘わらず、発光素子及び受光素子の数を低減することができる。
上記構成において、前記第1フィルタは、前記発光周波数を略中心周波数としたバンドパスフィルタであることが好ましい。この構成によれば、生体を通った発光素子の光だけの第1信号成分を精度良く取り出すことができる。
また、上記構成において、前記第2フィルタは、前記生体の体動周波数範囲を通過させるローパスフィルタであることが好ましい。この構成によれば、外光の受光量変化に表れる体動成分を精度良く取り出すことができる。
た、前記発光周波数を1kHzを超える周波数にすることが好ましい。この構成によれば、赤外線方式の家電リモコンで一般に使用される周波数信号を上記第1フィルタで取り除くことができる。
また、上記構成において、前記第1フィルタが抽出した信号成分の包絡線を検波する検波部を有し、前記周波数解析部は、前記検波部の出力信号に周波数解析を施して、脈動成分及び体動成分に対応する周波数スペクトルを特定することが好ましい。この場合、前記検波部は、前記第1フィルタが抽出した信号間の極大値同士或いは極小値同士をピークホールドし、それらを結んで前記包絡線を形成してもよい。
また、上記構成において、前記周波数解析部に入力する信号を、前記第1フィルタが抽出した第1信号成分と、前記第2フィルタが抽出した信号成分とに選択的に切り換える入力選択部を有することが好ましい。この構成によれば、一つの周波数解析部を、第1信号成分及び第2信号成分に周波数解析を施すものとして共用することができ、構成部品を低減することができる。
また、上記構成において、前記発光素子は、単一ピーク波長の赤外光又は単一ピーク波長の赤色光を照射することが好ましい。この構成によれば、体内で吸収されにくい光を照射することができる。
また、上記構成において、前記第1フィルタ及び第2フィルタが抽出した信号成分を各々増幅する増幅部と、増幅後の各信号成分の信号レベルに応じて各々の増幅率を可変制御する増幅率変更部とを備えることが好ましい。この構成によれば、周波数解析処理するのに適切な信号レベルに調整することができる。
また、本発明は、生体の検出部位に向け、所定の時間間隔で光を照射する単一の発光素子と、前記光を前記生体を介して受光可能に配置され、受光量に応じた受光信号を生成する単一の受光素子と、前記受光素子と前記生体との間に延在する透明又は半透明の透光部材であって、脈拍計測装置周囲の外光を透過させて前記生体で反射させ、その反射光を、前記受光素子に受光可能にする透光部材とを備える脈拍計測装置の制御方法であって、生体の検出部位に向け、前記単一の発光素子から所定の時間間隔で光を照射し、前記単一の受光素子により前記光を前記生体を介して受光し、受光量に応じた受光信号を生成し、第1フィルタにより、前記受光信号から、前記時間間隔に対応する発光周波数を含む第1周波数範囲の第1信号成分を抽出し、第2フィルタにより、前記受光信号から、前記生体の脈動の周波数より低い第2周波数範囲の第2信号成分を抽出し、周波数解析部により、前記第1信号成分に周波数解析を施して複数の周波数スペクトルを特定すると共に、前記第2信号成分に周波数解析を施して前記生体の体動スペクトルを特定する処理を実行し、前記体動スペクトルを特定できない場合に、疑似外光照射部により、前記外光の代わりとなる疑似外光を前記透光部材を介して前記生体に向けて出射し、その反射光を、前記生体の体動に応じた光量で前記受光素子に受光させ、前記体動スペクトルを特定した場合に、前記第1信号成分に含まれる周波数スペクトルのうち、前記体動スペクトルを除くスペクトルの周波数に基づいて脈拍数を特定することを特徴とする。
この発明によれば、第1フィルタによって、生体を通った発光素子の光だけの第1信号成分を抽出して血流の変動に表れる脈動成分及び体動成分を取り出すことができると共に、第2フィルタによって外光の受光量変化に表れる体動成分を取り出すことができるので、第1信号成分に含まれる周波数スペクトルから脈拍成分の周波数スペクトルを精度良く特定でき、脈拍検出精度が向上し、発光素子及び受光素子の数も低減される。また、体動スペクトルを特定できない場合に、疑似外光照射部により受光素子が生体の体動に連動して受光可能な疑似外光を照射するので、外光が受光不能な場合には疑似外光の受光量変化に表れる体動成分を取り出すことができ、脈拍を精度良く検出することができる。
また、本発明は、以上説明した脈拍計測装置及びその制御方法に適用する他、この発明を実施するための制御プログラムを電気通信回線を介して一般ユーザに配布したり、そのようなプログラムを、磁気記録媒体、光記録媒体、半導体記録媒体といった、コンピュータに読み取り可能な記録媒体に格納して一般ユーザに配布する、といった態様でも実施され得る。
本発明によれば、第1フィルタによって、生体を通った発光素子の光だけの第1信号成分を抽出して血流の変動に表れる脈動成分及び体動成分を取り出すと共に、第2フィルタによって外光の受光量変化に表れる体動成分を取り出し、第1信号成分に含まれる周波数スペクトルから脈拍成分の周波数スペクトルを特定できない場合は、生体の体動に連動して受光可能な疑似外光を照射するので、外光を受光不能な状況でも脈拍検出精度が高く、かつ、発光素子及び受光素子の数を低減することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳述する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る脈拍計測装置を示す図である。この脈拍計測装置1は、腕時計型に構成され、装置本体10と、この装置本体10の6時位置及び12時位置から延びてユーザの腕(手首)に巻回されるリストバンド(帯状体)11とを備え、ジョギングやランニング等の運動を行う際にユーザが容易に装着可能に構成されている。
装置本体10は、脈拍数や時刻等の各種情報を表示する表示部15と、ユーザが各種指示を行うための操作部として機能する複数の操作スイッチ16A、16B、16Cとを有し、その内部に、生体情報検出部20等を構成する各種電気部品や当該脈拍計測装置1の動作電力を供給する電池等を備えている。
操作スイッチ16Aは、脈拍計測を開始/停止させる操作子であり、例えば、操作スイッチ16Aを操作する毎に、動作モードが脈拍計測モード(図1参照)と、時刻表示モードとに切り替わる。また、操作スイッチ16Bは、時刻設定等の各種セットアップの開始指示や動作モードの変更指示を行う操作子であり、操作スイッチ16Cは、セットアップのクリアや図示せぬライトをオンさせる操作子である。なお、図示の例では、操作スイッチ16A〜16Cが押下式スイッチの場合を示しているが、静電式やメンブレン電極を用いたタッチ式スイッチでもよい。
生体情報検出部20は、ユーザの腕(手首:血流部位)Xの表面に配置され、図2(A)に示すように、一個の発光素子21と、一個の受光素子22とを備えて構成される光学式センサである。発光素子21は、700nm以上の光L1を出射するLED、具体的には、単一ピーク波長の可視光に比べて体内で吸収されにくい赤外光、又は、単一ピーク波長の赤色光を出射するLEDが適用される。この発光素子21は、図2(B)に示すように、装置本体10の裏側に設けられた透明カバー(図示略)を介してユーザの腕Xに向けて光L1を照射する。
受光素子22は、発光素子21の波長領域内の光及び外光L3を受光可能なフォトトランジスタ(例えば、受光波長領域が700nm以上のフォトトランジスタ)が適用され、太陽光の直射によっても受光素子22が電気的に飽和しないレベルに光を抑制する光学フィルタ22Aを備えている。この受光素子22は、図2(A)に示すように、装置本体10の筐体の中心を外した位置に設けられ、図2(B)に示すように、装置本体10の裏側に設けられた透明カバー(図示略)を介して腕Xの血管K等で反射された反射光L2を受光し、受光量に応じた信号レベルの受光信号S1を出力する。
ここで、発光素子21から照射された光L1は、血管Kを流れる血流に応じて吸光度が変化するため、その反射光L2(透過光)の光量が血流に応じて変化する。この場合、血管K内の血流は、脈動だけでなく、体動(腕振り等の身体自体の動きや手首等の関節を曲げたときに変化する皮膚表面の動きがある)によっても変化するため、血管Kに届いた光L1の反射光L2は、脈動及び体動に応じて光量が変化することになる。
受光素子22の受光波長領域を700nm以上にした理由は、発光素子21の光L1の反射光を確実に受光し、かつ、太陽光や照明光等の外光L3についても受光可能にするためである。なお、本実施形態では、反射光を受光する反射型に構成する場合について説明するが、これに限らず、この生体情報検出部20により指等の血管から脈拍を検出する場合は、生体(指等)の通過光を受光する透過型に構成してもよい。
また、上述したように、本構成では、受光素子22に外光L3を受光可能な素子を使用したため、太陽光や照明光等の外光L3を受光波長帯域に含まない受光素子を使用した従来の光学式脈拍計測装置に比して、汎用の受光素子を広く適用することができる。また、この受光素子22には、汎用のフォトトランジスタに限らず、汎用のフォトダイオード等の広く流通する光電センサを適用することができる。
この脈拍計測装置1のリストバンド11は、図2(B)に示すように、装置本体10の裏側に延在し、装置本体10の裏側部11A及びこの裏側部11Aに連続する連続部11B、11Cが、透明樹脂又は半透明樹脂等の透光部材で形成されている。このため、脈拍計測装置1をユーザの腕Xに装着した場合、上記透光部材からなる裏側部11A及び連続部11B、11Cが、受光素子22と生体(腕X)との間に位置し、受光素子22と生体(腕X)との間に外光L3を導入し易くすることができる。従って、図2(B)に示すように、ランニング時のユーザの腕振り等によってリストバンド11(生体情報計測部20)と腕Xとの間に所定の隙間Yが空いた状態では、太陽光や照明光等の外光L3が、上記隙間Y、上記裏側部11A及び連続部11B、11Cを通過して、腕X等で反射した後に受光素子22で受光されることとなる。但し、上記隙間Yが空いた場合でも、脈拍計測装置1の姿勢や外光L3の入射角度によっては外光L3が受光素子22に殆ど受光されない場合がある。
一方、リストバンド11(生体情報計測部20)と腕Xとの間に殆ど隙間が空いていない状態では、外光L3がリストバンド11や装置本体10のケースで遮られて受光素子22に殆ど受光されない。なお、外光L3の特に赤外光成分及び赤色光成分については、腕X等の生体で吸収されにくいために生体(腕X、生体表面(皮膚等))を通過し易く、かかる外光L3の生体通過光についても受光素子22で受光される場合がある。
すなわち、これら透光部材で形成された裏側部11A及び連続部11B、11Cは、外光L3を受光素子22の受光面側に導入させる外光導入部30として機能する。以下の説明では、これらを外光導入部30と表記する。
なお、外光導入部30は、透光部材に限らず、リストバンド11に形成された開口にしてもよく、要は、外光L3を、体動に応じて受光量が異なるように受光素子22に導入可能であれば、任意に設計可能である。また、リストバンド11は、外光導入部30以外を着色部材にしても良いし、或いは、外光導入部30以外も透光部材にしてもよい。
上述のように、本実施形態では、外光導入部30を設けることによって、外光L3が体動に応じて受光素子22で受光可能に構成される。ところが、太陽光や照明光が殆ど存在しない環境、例えば、夜間の時間帯や曇りの日には、受光素子22では外光L3が殆ど受光されない事態が生じる。このため、本構成では、図2(A)及び図2(B)に示すように、外光L3の代わりとなる光(以下、疑似外光という)L5を照射する疑似外光照射部25を設けている。
詳述すると、疑似外光照射部25は、図2(A)に示すように、装置本体10内に一個の疑似外光用発光素子26を有し、この疑似外光用発光素子26には、受光素子22で受光可能な疑似外光L5を出射するLEDが適用され、具体的には、発光素子21と同様の光(700nm以上の光)を出射するLED、より具体的には、単一ピーク波長の可視光に比べて体内で吸収されにくい赤外光、又は、単一ピーク波長の赤色光を出射するLEDが適用される。
この疑似外光用発光素子26は、装置本体10の外周部に寄せて配置されており、これによって装置本体10裏側における外光L3の進入口近傍に位置する。そして、この疑似外光用発光素子26は、装置本体10の裏側の透明カバー及び上記外光導入部30を介してユーザの腕Xに向けて疑似外光L5を出射する。
また、この疑似外光L5の出射方向は、受光素子22側に向けられ、かつ、腕Xに対する入射角度が大きく設定される。このため、疑似外光L5は、外光L3と略同じ入射角度で腕Xに入射し、腕Xの表面で略全反射して、リストバンド11と腕Xとの間に所定の隙間Yの変化に応じて受光素子22に届く光量が変化することになる。これによって、疑似外光照射部25は、受光素子22が生体の体動に連動して受光可能な疑似外光L5を照射する。
図3は脈拍計測装置1のブロック図であり、図4はその回路構成を示す図である。図3において、発光制御部50は、発光素子21の発光制御を行うものであり、図示せぬ発振回路の発振信号(例えば32kHz)を分周(1/16分周)して得た2kHzの信号を入力し、この2kHzの信号がHレベルのときに発光素子21に駆動電力を供給し、Lレベルのときに駆動電力の供給を停止し、これによって、2kHzデューティ比50%に対応する時間間隔で発光/消灯を繰り返させる。つまり、この脈拍計測装置1では、2kHzを発光の時間間隔を規定する発光周波数(間欠駆動周波数とも言う)としている。
電流電圧変換部51は、受光素子22から出力される受光信号S1を電流/電圧変換するものであり、図4に示すように、オペアンプ51Aの出力と入力−を抵抗51Bを介して接続すると共にコンデンサ51Cを並列接続して構成され、受光量に比例した電流を電圧に変換してオペアンプ51Aにより増幅して出力する。
この電流電圧変換部51で変換された受光信号S2は、帯域通過フィルタ部(第1フィルタ)52と低域通過フィルタ部(第2フィルタ)53とに各々出力される。
帯域通過フィルタ部52は、電流電圧変換部51から出力される受光信号S2から、上記発光周波数(2kHz)を含む第1周波数範囲の信号成分(第1信号成分)を抽出するものである。より具体的には、帯域通過フィルタ部52は、上記発光周波数を中心周波数(f0)とし、かつ、低域通過フィルタ部53を通過する低周波数範囲より高い周波数範囲(本構成では、1kHz以上)の信号成分を通過させる。これによって、生体を通った光(光L1の反射光L2)の信号成分を取り出すことができ、言い換えれば、血流の変動(脈動及び体動による変動)に応じて振幅レベルが変動する信号成分を取り出すことができる。
この帯域通過フィルタ部52は、図4に示すように、オペアンプ52Aの出力と入力−を抵抗52Bを介して接続すると共にコンデンサ52C、52Dを介して接続し、かつ、入力−への入力側に抵抗52E、52Fを接続した多重帰還型アクティブフィルタ回路で構成される。このため、パッシブフィルタ回路で構成する場合に比して、得られる周波数特性の自由度が高く、かつ、増幅を行うことができるといった利点がある。
ここで、帯域通過フィルタ部52の通過周波数を1kHz以上にした理由は、赤外線方式の家電リモコンで一般に使用される1kHz以下の周波数信号(ノイズ成分に相当)を除くためである。
低域通過フィルタ部53は、電流電圧変換部51から出力される受光信号から、脈動の周波数より低い第2周波数範囲の信号成分を抽出するものであり、言い換えれば、体動に応じて受光素子22に入射した外光L3による体動成分を抽出可能なフィルタに構成されている。
ここで、体動成分(歩行時やランニング時等の腕振り等の身体運動や手首等の関節を曲げたときに変化する皮膚表面の動きがある)は、通常0Hzよりも大きく10Hz以下の範囲となるため、この低域通過フィルタ部53は、例えば、カットオフ周波数(fc)が10Hzのフィルタに構成される。この低域通過フィルタ部53は、図4に示すように、抵抗53A、53B、コンデンサ53C、53D及びオペアンプ53Eを組み合わせたアクティブフィルタ回路で構成され、パッシブフィルタ回路で構成する場合に比して、得られる周波数特性の自由度が高く、かつ、増幅を行うことが可能である。
図3に示すように、帯域通過フィルタ部52の後段(出力側)には、増幅率変更部54によって増幅率を変更可能な増幅部(第1増幅部)55と、検波部(第1検波部)56とが順に接続され、低域通過フィルタ部53の後段(出力側)には、増幅率変更部57によって増幅率を変更可能な増幅部(第2増幅部)58が接続される。
増幅部55及び増幅率変更部54は、帯域通過フィルタ部52を通過した受光信号S3を演算処理部60で演算処理(周波数解析処理)するのに適切な信号レベルに増幅するためのものである。この増幅部55及び増幅率変更部54は、図4に示すように、抵抗55A、55Bを前後に配置したオペアンプ55Cの出力と入力−をつなぐ帰還経路に、抵抗54A、55C、54Cを各々スイッチング素子54D、54E、54Fを介して接続可能に構成した回路に構成され、演算処理部60の制御の下、各スイッチング素子54D〜54Fのオン/オフが制御されることによって増幅率を変更する。
検波部56は、増幅部55で増幅された受光信号S3の包絡線を検波するものであり、図4に示すように、入力信号をショットキーダイオード56Aに通し、抵抗56Bとコンデンサ56Cの並列回路で受ける回路が適用される。この抵抗56Bとコンデンサ56Cの時定数を適切に設計することで、その出力波形を入力波形の包絡線に近い波形にすることができる。
なお、上記検波部56に代えて、上記受光信号S3の極大値同士或いは極小値同士をピークホールドし、それらを結んで包絡線を検波する検波部を設けるようにしてもよい。この場合、この検波部は、上記受光信号S3をアナログデジタル変換した波形データを取得するデジタルメモリスコープを備え、このデジタルメモリスコープに取得された波形データの極大値同士或いは極小値同士をピークホールドして得た包絡線を取得するようにすればよい。このように、極大値同士或いは極小値同士を結んだ包絡線を得ることにより、ノイズ成分の影響を低減して包絡線を検波することができる。この場合、この包絡線には、脈動そのものの波形ではなく、脈動の1/2周波数の波形が含まれることになる。
増幅部58及び増幅率変更部57は、低域通過フィルタ部53を通過した受光信号S4を演算処理部60で演算処理(周波数解析処理)するのに適切な信号レベルに増幅するためのものであり、上記増幅部55及び増幅率変更部54と同様の回路が適用される。つまり、増幅部58及び増幅率変更部57は、図4に示すように、抵抗58A、58Bを前後に配置したオペアンプ58Cの出力と入力−をつなぐ帰還経路に、抵抗57A、57C、57Cを各々スイッチング素子57D、57E、57Fを介して接続可能に構成した回路に構成され、演算処理部60の制御の下、各スイッチング素子57D〜57Fのオン/オフが制御されることによって増幅率を変更する。
入力選択部61は、演算処理部60の制御の下、増幅部55で増幅された受光信号S3、及び、増幅部58で増幅された受光信号S4のいずれかをA/D変換部62に切換出力するものであり、図3に示すように、増幅部55及び58の出力側にスイッチング素子61A、61Bを各々配置し、一方のスイッチング素子61Aには、演算処理部60からA/D入力選択信号SSを出力してオンオフを切り換え、他方のスイッチング素子61Bには、上記A/D入力選択信号SSの信号レベルをインバータ61Cにより反転させて供給してオフオンを切り換える回路が適用される。
A/D変換部62は、受光信号S3の包絡線信号S3A又は受光信号S4のいずれかを入力し、アナログデジタル変換して演算処理部60に出力する。
疑似外光照射部25は、疑似外光用発光素子26及び疑似外光用駆動部27で構成され、疑似外光用駆動部27は、演算処理部60の制御の下、疑似外光用発光素子26の発光制御を行うものである。この疑似外光用駆動部27は、図4に示すように、トランジスタ27Aのコレクタを抵抗27Bを介して疑似外光用発光素子26に接続し、このトランジスタ25Aのエミッタを接地し、ベースに抵抗27Cを介して演算処理部60からの制御信号(オンオフを指示する信号)が入力される構成の回路が適用され、上記制御信号に基づいて疑似外光用発光素子26を選択的に駆動する。
演算処理部60は、CPU、ROM及びRAM(本例では、FFT用RAM1と、FFT用RAM2とを有する)等を備えたコンピュータ構成を備え、CPUがROMに格納された制御プログラムを実行することにより、入力したデータの周波数解析処理(FFT処理)を行う周波数解析部、周波数解析結果に基づき脈拍数を特定する脈拍数特定部、特定した脈拍数を表示部15に表示させる処理等の脈拍計測装置1の各部を制御する制御部として機能する。
なお、本実施形態では、演算処理部60がソフトウェア処理により周波数解析部、脈拍数特定部及び制御部として機能する場合を説明するが、これに限らず、これら周波数解析部、脈拍数特定部及び制御部を構成するハードウェア回路によって構成してもよい。また、この演算処理部60には、図示せぬ発振回路の発振信号の分周信号(1Hz信号)に基づいて時刻を計時する時計回路も内蔵されている。時計回路の構成は公知の構成を適用すればよいため、詳細な説明は省略する。
次に、この脈拍計測装置1の脈拍計測時の動作を説明する。図5はこの場合の動作を示すフローチャートである。
ユーザが操作スイッチ16Aを操作して脈拍計測の開始を指示すると、まず、演算処理部60内のCPU(以下、制御部という)は、図示せぬ発振回路の発振信号を分周した出力(本例では32Hzの信号)の割り込みを許可し(ステップSP1)、この32Hz割り込みをトリガーとしてA/D変換部62の取り込みと、入力選択部61による入力切り換えを行う。また、制御部は、変数Nを値0に設定し(ステップS2)、その後、発光制御部50により2kHz(発光周波数)のデューティ比50%の時間間隔で発光素子21の発光制御を開始させる。
このため、受光素子22から受光信号S1が出力され、電流電圧変換部51によって電流電圧変換されて、図6(A)に示すように、2kHzの変調波である受光信号S2が出力される。そして、この受光信号S2は、2kHzを中心周波数とする帯域通過フィルタ部52を通過することによって、図6(B)に示すように、2kHzの変調成分を示す受光信号S3が出力される。次に、受光信号S3に対し、検波部56が検波処理を施すことによって、図6(C)に示すように、受光信号S3の包絡線を示す包絡線信号S3Aが出力される。
この包絡線信号S3Aの波形には、脈動成分(脈波形)と体動成分(体動波形)の情報が含まれている。
また、受光信号S2が、10Hz以下を通過する低域通過フィルタ部53を通過することによって、脈動成分が取り除かれた受光信号S4が取得され、この受光信号S4の波形には、体動成分とノイズ成分(体動に依存しない外乱光成分など)の情報が含まれる。
次に、上記ステップS2の処理実行後、制御部は、A/D入力選択信号SSをHレベルに設定し、32Hz割り込みフラグがオンになるまで待機する(ステップSP4)。なお、この32Hz割り込みフラグとは、上記32Hzの割り込み信号の1周期(1/32秒)が経過したか否かを判定するためのフラグであり、言い換えれば、A/D変換部62の取り込みと入力切り換えとを行うタイミングを検出するフラグである。
A/D入力選択信号SSがHレベルに設定された場合、入力選択部61のスイッチング素子61Aが開状態に設定されると共に、スイッチング素子61Bが閉状体に設定されるため、包絡線信号S3AがA/D変換部62に出力され、ここでアナログデジタル変換されて演算処理部60に出力される。
そして、制御部は、32Hz割り込みフラグがオンになると(ステップSP5:YES)、32Hz割り込みフラグをクリアして(ステップSP6)、デジタルデータ(包絡線の波形データ)をFFT用RAM1に格納する(ステップSP7)。
続いて、制御部は、A/D入力選択信号SSをLレベルに切り換え、入力選択部61のスイッチング素子61Aを閉状態に切り換えると共に、スイッチング素子61Bを開状態に切り換える。このため、低域通過フィルタ部53を通過した受光信号S4が、A/D変換部62に入力されてアナログデジタル変換されて演算処理部60に出力される。そして、制御部は、32Hz割り込みフラグがオンになると(ステップSP8:YES)、32Hz割り込みフラグをクリアして(ステップSP9)、デジタルデータ(受光信号S4の波形データ)をFFT用RAM2に格納する(ステップSP10)。
次に、制御部は、変数Nに値1を加算し(ステップSP11)、変数Nが値256に達したか否かを判定する(ステップSP12)。このとき、値256に達していない場合は(ステップSP12:NO)、ステップSP3の処理へ移行して、包絡線の波形データの取り込みと、受光信号S4の波形データの取り込みとを再び開始させる。これによって、これらデータの取り込みは変数Nが値256に達するまで繰り返され、FFT用RAM1及びFFT用RAM2に、各16Hz256ポイントの波形データを格納するまで上記データの取り込みを繰り返す。
続いて、変数Nが値256に達すると(ステップSP12:YES)、制御部は、FFT用RAM1に格納された波形データ(受光信号S3の包絡線の波形データ)に対し、FFT(高速フーリエ変換)処理(周波数解析)を実行することにより(ステップSP13)、図7(A)に示すように、該波形に含まれる複数の周波数スペクトル(ローカルピーク)を特定可能な第1の周波数解析結果を得る。
次いで、制御部は、FFT用RAM2に格納された波形データ(受光信号S4の波形データ)に対し、同様のFFT(高速フーリエ変換)処理(周波数解析)を実行することにより(ステップSP14)、図7(B)に示すように、該波形に含まれる1又は複数の周波数スペクトル(ローカルピーク)を特定可能な第2の周波数解析結果を得る。
ここで、上述したように、FFT用RAM1に格納された波形データには、脈動成分(脈波形)と体動成分(体動波形)の情報が含まれることから、図7(A)に示す2つの周波数スペクトルf1、f2は、脈動成分と体動成分とに相当することが判る。しかし、この情報だけでは、どちらの周波数スペクトルf1、f2が脈動成分であるかを特定することが困難である。
一方、FFT用RAM2に格納された波形データには、上述したように、体動成分とノイズ成分が含まれ、脈動成分(脈波形)が含まれないことから、図7(B)に示す大きな周波数スペクトルf3、f4、f5は、体動成分とノイズ成分のいずれかであることが判る。
このため、制御部は、上記第1の周波数解析結果と上記第2の周波数解析結果を比較することによって、両方の周波数解析結果に含まれる同一周波数の周波数スペクトルf2、f3を体動成分(体動スペクトル)と特定し、第1の周波数解析結果に含まれるが、第2の周波数解析結果には含まれない周波数スペクトルf1を脈動成分(脈動スペクトル)と特定する処理を実行する(ステップSP15)。
続いて、制御部は、体動成分を検出できたか否かを判定し(ステップSP16)、体動成分を検出できた場合は(ステップSP16:YES)、周波数スペクトルf1の周波数を一分間当たりの振幅回数に換算して脈拍数を算出し、算出した脈拍数を表示部15に表示させ(ステップS17)、ステップSP2の処理に移行する。
一方、体動成分を検出できなかった場合(ステップSP16:NO)、制御部は、疑似外光照射部25によって疑似外光L5を照射中か否かを判定し(ステップSP18)、疑似外光照射中でなければ(ステップSP18:NO)、疑似外光用駆動部27により疑似外光用発光素子26を駆動させて疑似外光L5を照射させる(ステップSP19)。そして、制御部は、疑似外光L5照射後にステップSP2の処理に移行し、脈拍数の再検出処理(ステップSP2〜SP17)を行う。
このため、夜間の時間帯や曇りの日で外光L3が受光不能な状況では、外光L3の代わりとなる疑似外光L5が照射され、上記第2の周波数解析結果に体動成分に相当する周波数スペクトル(上記f3に相当)が表れることとなる。従って、制御部は、上記第1の周波数解析結果と上記第2の周波数解析結果を比較することによって体動成分を検出でき、脈拍数を精度良く検出することができる。
また、ステップS18の判定で、疑似外光照射中であった場合には(ステップSP18:YES)、制御部は、ステップSP2の処理へ移行し、再度上記ステップSP2〜SP16の処理を実行し、脈拍数の再検出処理を行う。これによって、たまたま体動成分が検出されなかった場合には、次回以降に体動成分が検出された時点で、脈拍数を精度良く検出することができる。
なお、このフローチャートでは、疑似外光L5の照射中にも拘わらず、体動成分を取得できない場合には(ステップSP18:YES)、脈拍数の再検出処理を実行する場合について述べたが、これに限らず、かかる場合は、体動がない状況、つまり、ユーザが運動していない状況とも判断できるため、上記第1の周波数解析結果のみに基づいて脈拍数を推定してその脈拍数を表示するようにしてもよい。
具体的には、例えば、第1の周波数解析結果から得られる周波数スペクトル(ローカルピーク)が一つであり、かつ、脈拍の周波数範囲内であった場合には、その周波数スペクトルを脈動成分と特定し、かかる周波数スペクトルから脈拍数を算出して表示する方法がある。また、例えば、第1の周波数解析結果から得られる周波数スペクトル(ローカルピーク)が複数であった場合には、これらの周波数スペクトルのうち、その周波数が脈拍の周波数範囲内の周波数スペクトルを抽出し、この周波数スペクトルから脈拍数を算出して表示する方法がある。
以上説明した動作は、ユーザから脈拍計測の停止が指示されるまで継続的に繰り返され、リアルタイムの脈拍数を表示部15に表示することができる。以上が、脈拍計測時の動作である。なお、上述したように、周波数スペクトルf2、f3を体動成分、周波数スペクトルf1を脈動成分と特定できた場合には、周波数スペクトルf4、f5、f6はノイズ成分であると特定できる。このため、これらノイズ成分を記憶して以降はノイズと推定する学習処理を行うことで、以降の検出精度向上に役立てることが可能である。
一方、ユーザから脈拍計測の停止が指示され、時刻表示の開始が指示された場合には、制御部は、時計回路で計時されている時刻を取得して表示部15に表示させる。この場合、発光素子21の駆動、受光素子22からの電流電圧変換部51への信号出力、及び、疑似外光用発光素子26の駆動等を停止し、電力消費量の節約を図るようにしている。
以上説明したように、本実施形態の脈拍計測装置1は、所定の時間間隔(発光周波数に対応)で光L1を照射する単一の発光素子21と、その光L1を生体を介して受光すると共に、体動によって腕Xと生体情報計測部20との間に形成された隙間Yを通って外部が入射した外光L3を受光可能な単一の受光素子22と、受光素子22が出力する受光信号から、上記時間間隔に対応する発光周波数を中心周波数とする第1周波数範囲の第1信号成分を抽出する帯域通過フィルタ部52と、上記受光信号から、脈動の周波数より低い第2周波数範囲の第2信号成分を抽出する低域通過フィルタ部53とを備えるので、帯域通過フィルタ部52によって、生体を通った光(光L1の反射光L2)だけの信号成分を取り出して血流の変動に表れる脈動成分及び体動成分を取り出すことができると共に、低域通過フィルタ部53によって外光L3の受光量変化に表れる体動成分を取り出すことができる。
従って、帯域通過フィルタ部52を通過した信号成分から脈動成分と体動成分とのいずれかに対応する周波数スペクトルf1、f2を特定し、かつ、低域通過フィルタ部53を通過した信号成分から体動成分f3の周波数スペクトルを特定する演算処理部60を設け、この演算処理部60が、第1信号成分に含まれるが、第2信号成分には含まれない周波数スペクトルf1を脈動スペクトルと特定してこの脈動スペクトルの周波数に基づいて脈拍数を算出するので、脈動成分f1及び体動成分f2(=f3)を精度良く検出することができ、脈拍検出精度及び体動検出精度を向上させることができる。
しかも、本構成では、外光L3に代わる疑似外光L5を照射する疑似外光照射部25を備えるので、演算処理部60が体動成分(体動スペクトル)を特定できない場合に、疑似外光照射部25から疑似外光L5を照射させることにより、外光L3が受光不能な状況でも、低域通過フィルタ部53によって体動成分(体動スペクトル)を取り出すことができる。従って、時間帯及び場所を選ばず脈拍数を精度良く検出することが可能になる。
さらに、本構成では、生体情報検出部20が、発光素子21及び受光素子22を各々一個ずつ備えるだけでよく、その他には、疑似外光照射部25が、疑似外光用発光素子26を一個備えるだけでよいので、従来のものと比較して、脈拍検出精度が高いにも拘わらず、発光素子及び受光素子の数を低減することができる。
また、本構成では、リストバンド11に、ユーザの体動によって受光素子22への外光入射光量が変化するように外光L3を導入する外光導入部30を設けたので、受光素子22が体動に応じた入射光量で外光L3をより確実に受光することができる。
なお、この外光導入部30を設けない構成にすることも可能である。外光導入部30を設けない構成でも、腕時計型の脈拍計測装置1といった身体装着タイプでは、ユーザの腕振り等の運動によって生体情報計測部20と腕Xとの間等に所定の隙間Yが空くため、この隙間Yを通過した外光L3が受光素子22で受光される場合があるからである。また、外光L3が生体(腕X、生体表面(皮膚等))を通過して受光素子22に届く場合もあるため、これによっても外光L3が受光素子22で受光される場合が考えられる。但し、外光L3を確実に受光素子22に受光させるには、外光導入部30を設けた方が確実であることは明らかである。
また、本構成では、図2(A)に示すように、受光素子22を装置本体10の中心を外した位置に設置することによって装置本体10の重心位置を中心位置からずらすようにしている。これによって、ユーザの腕振り等の運動によって生体情報計測部20と腕Xとの間に隙間Yが空き易くなり、外光L3を受光素子22で受光され易くして体動の検出精度を高めることができる。
さらに、本構成では、生体を通った光(光L1の反射光L2)だけの信号成分を取り出す第1フィルタを帯域通過フィルタ部52に構成したので、ノイズ成分に相当する高周波成分を予め除去することが可能である。
また、帯域通過フィルタ部52を通過した第1信号成分と、低域通過フィルタ部53を通過した第2信号成分とを、A/D変換部62に切換出力する入力選択部61を設けたので、これら信号成分の信号処理に使用するA/D変換部62及び演算処理部60(周波数解析部)を各々一つで共用でき、その分、構成部品を低減することができる。
なお、上記実施形態では、発光周波数を2kHzとする場合を例示したが、これに限らない。例えば、発振回路に時計用に一般に使用される水晶発振回路を使用した場合、その分周周波数である2048Hz或いは1024Hzの整数倍の周波数を使用することが好ましい。
<第2実施形態>
図8は第2実施形態に係る脈拍計測装置1のブロック図である。この脈拍計測装置1は、帯域通過フィルタ部52を通過した信号(包絡線信号S3A)専用のA/D変換部62A及び第1周波数解析部(FFT)70Aを備え、かつ、低域通過フィルタ部53を通過した信号(受光信号S4)専用のA/D変換部62B及び第2周波数解析部(FFT)70Bを備える点が、第1実施形態に係る脈拍計測装置1と異なる。これ以外の構成は第1実施形態と略同一の構成であるため、同一の符号を付して示し、重複する説明は省略する。
A/D変換部62Aは、帯域通過フィルタ部52を通過して検波部56から出力される受光信号S3の包絡線信号S3Aを入力し、これをアナログデジタル変換して第1周波数解析部70Aに出力する。そして、第1周波数解析部70Aは、入力した包絡線信号S3Aのデータに対してFFT(高速フーリエ変換)処理を施し、この周波数解析結果を演算処理部60に出力する。
また、A/D変換部62Bは、低域通過フィルタ部53を通過した受光信号S4を入力し、これをアナログデジタル変換して第2周波数解析部70Bに出力する。そして、第2周波数解析部70Bは、入力した受光信号S4のデータに対してFFT(高速フーリエ変換)処理を施し、この周波数解析結果を演算処理部60に出力する。
このように、本実施形態では、帯域通過フィルタ部52を通過した信号専用のA/D変換部62A及び第1周波数解析部70Aを設けると共に、低域通過フィルタ部53を通過した信号専用のA/D変換部62A及び第2周波数解析部70Bを備えるので、計算量の多い周波数解析処理を、専用の周波数解析部70A、70Bで行うことができ、演算処理部60(CPU)の負担を軽減することができる。これによって、演算処理部60内のCPUに演算能力が比較的低いものを採用することができ、また、汎用の周波数解析用のICチップを周波数解析部70A、70Bとして使用することができる。
<第3実施形態>
図9は第3実施形態に係る脈拍計測装置1のブロック図である。この脈拍計測装置1は、ユーザの指X2に向けて発光素子21の光L1を照射し、その反射光L2を受光素子22で受光する光学式の脈拍計測装置であり、外光導入部30、増幅率変更部54及び57を備えない点が、上記第2実施形態に係る脈拍計測装置1と異なる。それ以外の構成は、これ以外の構成は第2実施形態と略同一の構成であるため、同一の符号を付して示し、重複する説明は省略する。
この脈拍計測装置1においては、増幅部55及び58の増幅率が予め定めた一定値に固定される。この固定値は、様々な環境において脈波を計測した場合に最も適切であった値に設定される。この構成によれば、増幅部55及び58の増幅率を変更する増幅率変更部等を備えない分、上記第1実施形態及び第2実施形態よりも構成部品を低減することができ、また、演算処理部60(CPU)の負担を軽減することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上述の実施形態では、脈拍計測処理を実行するための制御プログラムを脈拍計測装置1内に予め記憶しておく場合について説明したが、この制御プログラムを、磁気記録媒体、光記録媒体、半導体記録媒体等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納し、コンピュータが記録媒体からこの制御プログラムを読み取って実行するようにしてもよい。また、この制御プログラムを通信ネットワーク上の配信サーバ等からダウンロードできるようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、本発明を腕時計型の脈拍計測装置に適用する場合について説明したが、これに限らない。例えば、発光素子21と受光素子22とを備えた光学式センサユニット(生体情報検出部に相当)を人や動物等の生体の血流部位に取り付け、それ以外の構成は、別体とした脈拍計測装置等に広く適用が可能である。また、脈拍検出の血流部位は、手首、指に限らず、耳部等でもよい。
本発明の第1実施形態に係る脈拍計測装置を示す図である。 (A)は脈拍計測装置の発光素子、受光素子及び疑似外光用発光素子のレイアウトを示す平面図であり、(B)はその側断面図である。 脈拍計測装置のブロック図である。 脈拍計測装置の回路構成を示す図である。 脈拍計測時の動作を示すフローチャートである。 (A)〜(D)は脈拍計測装置における各部の信号波形を示す図である。 (A)は帯域通過フィルタ部を通過した信号の周波数解析結果を示す図であり、(B)は低域通過フィルタ部を通過した信号の周波数解析結果を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る脈拍計測装置のブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る脈拍計測装置のブロック図である。
符号の説明
1…脈拍計測装置、10…装置本体、11…リストバンド、15…表示部、20…生体情報検出部、21…発光素子、22…受光素子、30…外光導入部、50…発光制御部、51…電流電圧変換部、52…帯域通過フィルタ部(第1フィルタ)、53…低域通過フィルタ部(第2フィルタ)、54、57…増幅率変更部、55、58…増幅部、56…検波部、60…演算処理部、61…入力選択部、62…A/D変換部、f1〜f6…周波数スペクトル。

Claims (12)

  1. 生体の検出部位に向け、所定の時間間隔で光を照射する単一の発光素子と、
    前記光を前記生体を介して受光可能に配置され、受光量に応じた受光信号を生成する単一の受光素子と、
    前記受光素子と前記生体との間に延在する透明又は半透明の透光部材であって、脈拍計測装置周囲の外光を透過させて前記生体で反射させ、その反射光を、前記受光素子に受光可能にする透光部材と、
    前記受光信号から、前記時間間隔に対応する前記発光素子の発光周波数を含む第1周波数範囲の第1信号成分を抽出する第1フィルタと、
    前記受光信号から、前記生体の脈動の周波数より低い第2周波数範囲の第2信号成分を抽出する第2フィルタと、
    前記第1信号成分に周波数解析を施して複数の周波数スペクトルを特定すると共に、前記第2信号成分に周波数解析を施して前記生体の体動スペクトルを特定する処理を実行する周波数解析部と、
    前記周波数解析部が体動スペクトルを特定できない場合に、前記外光の代わりとなる疑似外光を前記透光部材を介して前記生体に向けて出射し、その反射光を、前記生体の体動に応じた光量で前記受光素子に受光させる疑似外光照射部と、
    前記周波数解析部が体動スペクトルを特定した場合に、前記第1信号成分に含まれる周波数スペクトルのうち、前記体動スペクトルを除く周波数スペクトルの周波数に基づいて脈拍数を特定する脈拍数特定部と
    を備えることを特徴とする脈拍計測装置。
  2. 請求項1に記載の脈拍計測装置において、
    前記受光素子は、太陽光の直射によっても当該受光素子が電気的に飽和しないレベルに光を抑制する光学フィルタを備えていることを特徴とする脈拍計測装置。
  3. 請求項1又は2に記載の脈拍計測装置において、
    前記疑似外光照射部は、単一の疑似外光用発光素子と、前記周波数解析部が体動スペクトルを特定できない場合に、前記疑似外光用発光素子を駆動する疑似外光用駆動部とを有することを特徴とする脈拍計測装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の脈拍計測装置において、
    前記第1フィルタは、前記発光周波数を略中心周波数としたバンドパスフィルタであることを特徴とする脈拍計測装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の脈拍計測装置において、
    前記第2フィルタは、前記生体の体動周波数範囲を通過させるローパスフィルタであることを特徴とする脈拍計測装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の脈拍計測装置において、
    前記発光周波数を1kHzを超える周波数にしたことを特徴とする脈拍計測装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の脈拍計測装置において、
    前記第1フィルタが抽出した信号成分の包絡線を検波する検波部を有し、前記周波数解析部は、前記検波部の出力信号に周波数解析を施して、脈動成分及び体動成分に対応する周波数スペクトルを特定することを特徴とする脈拍計測装置。
  8. 請求項7に記載の脈拍計測装置において、
    前記検波部は、前記第1フィルタが抽出した信号間の極大値同士或いは極小値同士をピークホールドし、それらを結んで前記包絡線を形成することを特徴とする脈拍計測装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の脈拍計測装置において、
    前記周波数解析部に入力する信号を、前記第1フィルタが抽出した第1信号成分と、前記第2フィルタが抽出した第2信号成分とに選択的に切り換える入力選択部を有することを特徴とする脈拍計測装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の脈拍計測装置において、
    前記発光素子は、単一ピーク波長の赤外光又は単一ピーク波長の赤色光を照射することを特徴とする脈拍計測装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の脈拍計測装置において、
    前記第1フィルタ及び第2フィルタが抽出した信号成分を各々増幅する増幅部と、増幅後の各信号成分の信号レベルに応じて各々の増幅率を可変制御する増幅率変更部とを備えることを特徴とする脈拍計測装置。
  12. 生体の検出部位に向け、所定の時間間隔で光を照射する単一の発光素子と、前記光を前記生体を介して受光可能に配置され、受光量に応じた受光信号を生成する単一の受光素子と、前記受光素子と前記生体との間に延在する透明又は半透明の透光部材であって、脈拍計測装置周囲の外光を透過させて前記生体で反射させ、その反射光を、前記受光素子に受光可能にする透光部材とを備える脈拍計測装置の制御方法であって、
    生体の検出部位に向け、前記単一の発光素子から所定の時間間隔で光を照射し、
    前記単一の受光素子により前記光を前記生体を介して受光し、受光量に応じた受光信号を生成し、
    第1フィルタにより、前記受光信号から、前記時間間隔に対応する発光周波数を含む第1周波数範囲の第1信号成分を抽出し、
    第2フィルタにより、前記受光信号から、前記生体の脈動の周波数より低い第2周波数範囲の第2信号成分を抽出し、
    周波数解析部により、前記第1信号成分に周波数解析を施して複数の周波数スペクトルを特定すると共に、前記第2信号成分に周波数解析を施して前記生体の体動スペクトルを特定する処理を実行し、
    前記体動スペクトルを特定できない場合に、疑似外光照射部により、前記外光の代わりとなる疑似外光を前記透光部材を介して前記生体に向けて出射し、その反射光を、前記生体の体動に応じた光量で前記受光素子に受光させ、
    前記体動スペクトルを特定した場合に、前記第1信号成分に含まれる周波数スペクトルのうち、前記体動スペクトルを除くスペクトルの周波数に基づいて脈拍数を特定する
    ことを特徴とする脈拍計測装置の制御方法。
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