以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)光ディスク装置の構成
光ディスク装置10は、図4に示すように、制御部11を中心に構成されており、例えばBD方式の光ディスク100に対して情報を記録し、また当該光ディスク100から情報を再生し得るようになされている。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)11Aと、各種プログラム等が格納されるROM(Read Only Memory)11Bと、当該CPUのワークメモリとして用いられるRAM(Random Access Memory)11Cとによって構成されており、光ディスク装置10を統括制御するようになされている。
また制御部11は、光ディスク100が多層光ディスクである場合、情報を記録又は再生すべき記録層Yを対象記録層YGとして選択するようになされている。
制御部11は、光ディスク100が装填されると、駆動制御部12を介してスピンドルモータ15を回転駆動させ、ターンテーブル(図示せず)に載置された光ディスク100を所望の速度で回転させる。また制御部11は、駆動制御部12を介してスレッドモータ16を駆動させることにより、移動軸G1及びG2に沿って光ピックアップ17を光ディスク100の内周側又は外周側へ向かう方向であるトラッキング方向に大きく移動させる。
例えば制御部11は、図示しない外部機器から情報の再生命令を取得した場合、光ピックアップ17を制御することにより光ディスク100へ光ビームを照射させると共に、当該光ビームが当該光ディスクの対象記録層YGにより反射されてなる反射光ビームを検出させ、検出信号を生成させる。
このとき信号処理部13は、検出信号を基に、光ディスク100の記録層と光ビームの焦点とのフォーカス方向に関するずれ量を表すフォーカスエラー信号と、当該光ディスク100の対象記録層YGにおける所望トラックと当該光ビームの焦点とのトラッキング方向に関するずれ量を表すトラッキングエラー信号とを生成する。そして信号処理部13は、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を制御部11及び駆動制御部12へ供給する。
駆動制御部12は、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を基に駆動信号を生成し、これを2軸アクチュエータ19へ供給する。2軸アクチュエータ19は、駆動信号に従い、対物レンズ18をフォーカス方向及びトラッキング方向へ駆動する(詳しくは後述する)。
かくして駆動制御部12は、光ピックアップ17における対物レンズ18のフォーカス制御及びトラッキング制御を行い、光ビームの焦点を所望トラックに合わせ、また追従させるようになされている。
また信号処理部13は、供給される検出信号に対し復調処理や復号化処理等の信号処理を施すことにより情報を再生し、これを制御部11へ供給する。制御部11は、再生命令を送出した外部機器に対してこの情報を送出するようになされている。
一方、制御部11は、光ディスク100に対し情報を記録する記録命令及び記録すべき記録情報を外部機器(図示せず)から取得した場合、当該記録情報を信号処理部13へ供給する。信号処理部13は、記録情報に対し所定の符号化処理及び変調処理等を施すことにより記録信号を生成し、これを光ピックアップ17へ供給する。
光ピックアップ17は、後述するレーザダイオードへ記録信号を供給することにより、記録用の高い光強度でなる光ビームを出射させ、光ディスク100の所望トラックに情報を記録する。
このように光ディスク装置10は、光ディスク100に対し光ビームを照射することにより、当該光ディスク100に情報を記録し、また当該光ディス100から情報を再生し得るようになされている。
(2)光ピックアップの構成
光ピックアップ17は、図5に示すように、複数の光学部品の組み合わせにより構成されており、全体として光ビームを光ディスク100(図4)に照射し、また反射光ビームを受光するようになされている。
実際上、光ピックアップ17は、制御部11(図4)の制御に基づき、レーザダイオード21から直線偏光でなる出射光ビームL0を出射させ、1/2波長板22により当該出射光ビームL0の偏光方向を所定の角度だけ回転させて偏光プリズム23へ入射させる。
偏光プリズム23の偏光膜23Sは、光ビームの偏光方向に応じて反射率が相違するように構成されており、例えばP偏光の光ビームをほぼ全て透過すると共に、S偏光の光ビームをほぼ全て反射するようになされている。
すなわち偏光膜23Sは、出射光ビームL0の大部分でなるP偏光成分を透過させ光ビームL1としてコリメータレンズ26へ入射させると共に、当該出射光ビームL0の一部でなるS偏光成分を反射させてモニタ光ビームLmとしてレーザ光量モニタ用フォトディテクタ24へ入射させる。
レーザ光量モニタ用フォトディテクタ24は、モニタ光ビームLmを受光してその光量に応じたモニタ検出信号SMDを生成し、これを制御部11へ送出する。このモニタ検出信号SMDは、レーザダイオード21から実際に出射されている出射光ビームL0の光量に比例した値を表している。
制御部11は、このモニタ検出信号SMDを基に、レーザダイオード21から出射する出射光ビームL0の光量を所望の値とするよう制御する。
また光ピックアップ17は、カップリングレンズ25及びコリメータレンズ26により光ビームL1の発散角を変換して平行光とし、立ち上げミラー27により当該光ビームL1を反射して進行方向を約90度折り曲げ、1/4波長板28へ入射させる。
因みにカップリングレンズ25は、コリメータレンズ26における焦点距離を引き延ばすことにより、光ビームにおける瞳端強度の低下を防止するようになされている。
1/4波長板28は、光ビームを直線偏光及び円偏光の間で相互変換するようになされている。すなわち1/4波長板28は、例えばP偏光でなる光ビームL1を左円偏光に変換し、対物レンズ18へ入射させる。対物レンズ18は、光ビームL1を集光し光ディスク100の記録層へ照射する。
ここで図6(A)に示すように、光ディスク100が2層の記録層Y0及びY1を有しており、且つ光ディスク装置10が記録層Y0を対象記録層YGとしている場合を想定する。
このとき光ビームL1は、対象記録層YGである記録層Y0において反射されることにより、円偏光における回転方向が反転されて右円偏光の反射光ビームL2となり、発散光として対物レンズ18へ入射する。
対物レンズ18は、反射光ビームL2を発散光から平行光に変換し、これを1/4波長板28により円偏光から直線偏光に、すなわち右円偏光からS偏光に変換させた上で、コリメータレンズ26へ入射させる。
反射光ビームL2は、コリメータレンズ26及びカップリングレンズ25を順次通過することにより収束光に変換され、偏光プリズム23へ入射される。偏光プリズム23は、偏光膜23SにおいてS偏光でなる反射光ビームL2を反射させ、ホログラム回折素子31へ入射させる。
ホログラム回折素子31は、薄板状に構成されており、図7に示すように反射光ビームL2が入射される面にトラッキングサーボ用ホログラム41が形成され、その反対面にフォーカスサーボ用ホログラム42が形成されている。
因みにホログラム回折素子31は、ガラス材料や透明な樹脂等、光透過率の高い材料により構成されている。
トラッキングサーボ用ホログラム41は、図1と対応する図8(A)に示すように、複数の領域に分割されている。
具体的にトラッキングサーボ用ホログラム41は、光ディスク100におけるトラックの走行方向と対応するy方向に関して大きく3分割されている。さらにトラッキングサーボ用ホログラム41は、その中央部分が当該y方向と直交するx方向に関して3分割されることにより回折領域41C及び41D並びに透過領域41Eが形成されると共に、y方向に関する両端部分がそれぞれx方向に関して2分割されることにより回折領域41A及び41Bがそれぞれ形成されている。
図8(A)におけるQ1−Q2断面及びQ5−Q6断面を図8(B)に示すように、回折領域41A及び41Bには、それぞれブレーズド型の回折格子が形成されており、反射光ビームL2を−x方向及び+x方向へそれぞれ比較的小さく回折させ、それぞれ反射光ビームL3A及びL3Bとして出射するようになされている。
また図8(A)におけるQ3−Q4断面を図8(C)に示すように、回折領域41D及び41Cにもそれぞれブレーズド型の回折格子が形成されており、反射光ビームL2を−x方向及び+x方向へそれぞれ比較的大きく回折させることにより、それぞれ反射光ビームL3D及びL3Cとして出射するようになされている。
すなわち反射光ビームL3D及びL3Cは、反射光ビームL3A及びL3Bよりも大きく回折された状態で出射されることになる。
一方、透過領域41Eは、平坦に形成されており、反射光ビームL2を回折させることなくそのまま透過することにより、これを反射光ビームL3Eとして出射するようになされている。
ところで反射光ビームL2は、図9に示すように、その光軸に垂直なトラッキングサーボ用ホログラム41上において、その投影面が全体的に略円形となっている。
この反射光ビームL2は、対物レンズ17がトラッキング制御によりトラッキング方向(図中の−x方向又は+x方向)へ移動された場合、すなわち対物レンズ17がレンズシフトされた場合、当該移動に応じてトラッキングサーボ用ホログラム41に対する照射位置を移動させることになる。
これにより反射光ビームL3A、L3B、L3C及びL3Dの光量は、対物レンズ18のレンズシフト量に応じて変化することになる。
また反射光ビームL2のうち斜線で示す部分、すなわち回折領域41C及び41Dを通過する部分は、光ディスク100において光ビームL1と対象記録層YGにおける所望トラックとのトラッキング方向に関するずれ量(以下これをトラッキングずれ量と呼ぶ)に応じて、それぞれの光量が増減する。
これにより反射光ビームL3C及びL3Dは、レンズシフト量及びトラッキングずれ量の双方に応じてそれぞれ光量が変化する。
これに対して反射光ビームL2のうち回折領域41A及び41Bを通過する部分、すなわち反射光ビームL3A、L3Bは、トラッキングずれ量の影響を受けることなく、対物レンズ17のレンズシフト量に応じてその光量が変化することになる。
このようにトラッキングサーボ用ホログラム41は、複数の回折領域41A、41B、41C及び41D並びに透過領域41Eにより反射光ビームL2をそれぞれ回折又は透過させることにより、反射光ビームL3A、L3B、L3C、L3D及びL3E(以下、これらをまとめて反射光ビームL3と呼ぶ)として出射するようになされている。
フォーカスサーボ用ホログラム42は、図10に示すように所定の格子パターンでなる回折格子が形成されており、反射光ビームL3を回折させることにより、0次光でなる反射光ビームL4、+1次光でなる反射光ビームL5及び−1次光でなる反射光ビームL6に分光し、それぞれをフォトディテクタ32へ照射させるようになされている。
以下では、説明の都合上、反射光ビームL4のうち反射光ビームL3A、L3B、L3C、L3D及びL3Eにそれぞれ対応する光ビームをそれぞれ反射光ビームL4A、L4B、L4C、L4D及びL4Eと呼ぶ。
フォトディテクタ32は、図11に示すように、反射光ビームL4、L5及びL6が照射される照射面に複数の検出領域が形成されており、大きく分けて中央の検出領域群32U1、当該検出領域群32U1の−x側及び+x側にそれぞれ設けられた検出領域群32U2及び32U3が設けられている。
検出領域群32U1には、反射光ビームL4の光軸が通過する中心位置に長方形状の検出領域32Eが設けられており、当該検出領域32Eの−x側及び+x側にそれぞれ長方形状の検出領域32A及び32Bがそれぞれ設けられ、さらに検出領域32Aの−x側及び検出領域32Bの+x側にそれぞれ長方形状の検出領域32D及び32Cが設けられている。
実際上、反射光ビームL4A、L4B、L4C、L4D及びL4Eは、それぞれ検出領域32A、32B、32C、32D及び32Eへ照射され、ビームスポットP2A、P2B、P2C、P2D及びP2Eを形成する。
フォトディテクタ32は、検出領域32A、32B、32C、32D及び32Eにおける受光量に応じて検出信号S2A、S2B、S2C、S2D及びS2Eをそれぞれ生成し、これらを信号処理部13(図4)へ送出する。
このときフォトディテクタ32は、検出領域32A及び32Bにおいてレンズシフト量に関する検出信号S2A及びS2Bを生成し、検出領域32D及び32Cにおいてトラッキングずれ量に関する検出信号S2D及びS2Cを生成することになる。
ここで、図12(A)にトラッキングサーボ用ホログラム41及び反射光ビームL2を模式的に示すように、回折領域41A及び41Bを通過する反射光ビームL2の光量同士の差分、すなわち検出信号S2A及びS2Bの差分をサイドプッシュプル信号SPP2とする。このサイドプッシュプル信号SPP2は、対物レンズ18のレンズシフト量に応じた値となる。
また、回折領域41C及び41Dを通過する反射光ビームL2の光量同士の差分、すなわち検出信号S2C及びS2Dの差分をメインプッシュプル信号MPP2とする。このメインプッシュプル信号MPPは、光ディスク100の対象記録層YGにおけるトラッキングずれ量に上述したレンズシフト量が重畳された値となる。
ここで、対物レンズ18を強制的にトラッキング方向に往復移動させた際の、メインプッシュプル信号MPP2及びサイドプッシュプル信号SPP2の波形を図12(B)にそれぞれ示す。
この波形図からわかるように、光ディスク装置10は、メインプッシュプル信号MPP2及びサイドプッシュプル信号SPP2の信号レベルを揃えて差分を算出すれば、トラッキングずれ量のみに応じた信号、すなわちトラッキングエラー信号STEを算出できる。
そこで信号処理部13(図4)は、基本的には、上述した(1)と対応する(2)式の演算をすることにより、1ビームPP法によるトラッキングエラー信号STE2を算出できることになる。
(2)式における振幅係数Kは、メインプッシュプル信号MPP2及びサイドプッシュプル信号SPP2の振幅の比を基に得られる値となる。
光ディスク装置10は、信号処理部13から駆動制御部12へトラッキングエラー信号STE2を供給することにより、駆動制御部12により当該トラッキングエラー信号STE2を基に2軸アクチュエータ19を駆動させ、対物レンズ18のトラッキング制御を行うことができる。
一方、検出領域群32U2及び32U3(図11)は、それぞれ比較的大きな長方形状に構成されており、さらにそれぞれy方向に関して3分割されている。
反射光ビームL5及びL6は、それぞれ検出領域群32U2及び32U3へ照射され、ビームスポット群P2U2及びP2U3をそれぞれ形成する。フォトディテクタ32は、検出領域群32U2及び32U3の各検出領域における受光量に応じてそれぞれ検出信号を生成し、これらについても信号処理部13(図4)へ送出する。
信号処理部13は、ここで得られた検出信号を基に、スポットサイズディテクティング法に従った演算処理を行うことにより、フォーカスエラー信号SFEを生成し、駆動制御部12へ供給する。駆動制御部12は、フォーカスエラー信号SFEを基に2軸アクチュエータ19を駆動させることにより、対物レンズ18のフォーカス制御を行うようになされている。
このように光ピックアップ17は、光ディスク100に光ビームL1を照射すると共に、当該光ディスク100において光ビームL1が反射されてなる反射光ビームL2をトラッキングサーボ用ホログラム41及びフォーカスサーボ用ホログラム42により分割及び回折させ、フォトディテクタ32に複数設けられた検出領域によりそれぞれの光量を検出するようになされている。
(3)トラッキング制御
(3−1)迷光による影響の排除
ところで光ディスク装置10では、図6(A)と対応する図6(B)に示すように、記録層Y1が対象記録層YGであった場合、光ビームL1が対象記録層(すなわち記録層Y1)において反射されることにより反射光ビームL2が生成され、当該光ビームL1が他の記録層Y(すなわち記録層Y0)において反射されることにより迷光ビームLSが生成される。
この迷光ビームLSは、トラッキングサーボ用ホログラム41(図8)において分割及び回折された上でフォトディテクタ32に照射される。この結果、フォトディテクタ32には図13(B)に示すような迷光パターンPSが形成される。
この図13(B)からわかるように、対象記録層YGが記録層Y1であった場合、検出領域32A、32B、32C及び32Dには、一様に迷光パターンPS0が照射されている。
このため光ディスク装置10は、(2)式に従いトラッキングエラー信号STE2を算出するだけで、迷光ビームLSの影響を受けることなくトラッキング制御を行うことができる。
一方、光ディスク装置10は、図6(A)に示したように、記録層Y0が対象記録層YGであった場合、光ビームL1が対象記録層(すなわち記録層Y0)において反射されることにより反射光ビームL2が生成され、当該光ビームL1が他の記録層Y(すなわち記録層Y1)において反射されることにより迷光ビームLSが生成される。
この迷光ビームLSは、フォトディテクタ32に照射され、図13(A)に示すような迷光パターンPS1を形成する。
この図13(A)からわかるように、記録層Y0が対象記録層YGであった場合、迷光パターンPS1は、その一部が検出領域32A及び32Bに部分的にかかっているものの、検出領域32C及び32Dにはかかっていない。
すなわち検出領域32A及び32Bにおける受光量に応じて生成される検出信号S2A及びS2Bは、迷光ビームLSの光量が重畳された値となるため、反射光ビームL4A及びL4Bの光量そのものを表さないことになる。
ここで、検出信号S2A及びS2Bにそれぞれ含まれている迷光ビームLSの成分をそれぞれS2As及びS2Bsとした場合、トラッキングエラー信号TES2は次に示す(3)式により算出できる。
ところで、仮に反射光ビームL2と迷光ビームLSとの光量比が一定であれば、検出信号S2A及びS2Bにそれぞれにおける、反射光ビームL4A及びL4Bの光量成分と迷光パターンPSの光量成分との比率が一定となる。
この場合、上述した(2)式において、メインプッシュプル信号MPP2を表す項とサイドプッシュプル信号SPP2を表す項との比率を調整することにより、当該迷光ビームLSの影響を排除できることになる。
すなわち、(3)式ではサイドプッシュプル信号SPP2を表す項において、迷光ビームLSに起因した成分である(S2As−S2Bs)を減算した。ここで、サイドプッシュプル信号SPP2を表す成分である(S2A−S2B)と迷光ビームLSに起因した成分である(S2As−S2Bs)との比率について検討する。この場合、減算ではなく所定の補正係数Ksを乗算すること、すなわち次の(4)式のような演算処理によっても、同様に迷光ビームLSの成分を排除できることになる。
(3−2)光ディスクの各記録層における反射率の相違への対応
ところで光ディスク100は、規格等によって各記録層における光反射率が許容範囲をもって規定されている。すなわち光ディスク100は、製造メーカー、製品、型番や製造ロット等(以下、これらを種類と呼ぶ)相違する場合、当該規格等の規定範囲内において、各記録層における反射率がその種類ごとに相違する可能性がある。
このため光ディスク装置10では、光ディスク100による反射光ビームL2と迷光ビームLSとにおける光量の比率が、当該光ディスク100の種類ごとに相違する可能性がある。
このことは、上述した(4)式において補正係数Ksを一定の値に固定した場合、トラッキングエラー信号STE2から迷光ビームLSの影響を適切に排除し得ないことを意味している。
そこで光ディスク装置10では、各記録層Yにおける反射率R同士の比率(以下これを反射率比RTと呼ぶ)に応じて、迷光ビームLSの影響を適切に排除し得る補正係数Ksを選択してトラッキングエラー信号STE3を算出するようになされている。
具体的に光ディスク装置10については、製造工場等において、各記録層Yにおける反射率Rが既知である、すなわち反射率比RTが既知である光ディスク100を用い、迷光ビームLSの影響を適切に排除し得る補正係数Ksを求める。
さらに光ディスク装置10は、種々の反射率比RTを有する光ディスク100について当該反射率比RTと適切な補正係数Ksとをそれぞれ対応付け、これを補正係数テーブルTBLとして制御部11内のROM11Bに記憶させるようになされている。
その後光ディスク装置10は、BD−REでなる光ディスク100を用いて情報の記録又は再生を行う場合、例えば光ディスク100の内周側に設けられたOPC(Optimum Power Control)エリアを利用し、プルイン信号SPIの出力レベルを基に記録層Yにおける反射率を検出する。
ここでOPCエリアは、光ディスク装置10等により光ディスク100に情報が記録される直前に、試験用の情報が記録され、当該試験用の情報が読み取られて光ビームの照射強度が調整された後、当該試験用の情報が消去されるようになされている。すなわちOPCエリアは、記録開始直前以外は常に未記録状態となっており、記録層Yにおける本来の反射率を呈するようになされている。
またプルイン信号SPIとは、フォトディテクタ32により生成した検出信号S2A、S2B、S2C、S2D及びS2Eの和であるRF信号を基に、LPF(Low Pass Filter)等により低域成分を抽出した信号であり、反射光ビームL4全体の光量に相当するものである。
続いて光ディスク装置10は、制御部11において測定した反射率Rを基に反射率比RTを算出した上で、当該反射率比RTに対応した補正係数Ksを補正係数テーブルTBLから読み出し、これを信号処理部13へ供給する。
信号処理部13は、制御部11から供給された補正係数Ksを用いて(4)式に従った演算処理を行うことにより、迷光ビームLSの影響が排除されたトラッキングエラー信号STE3を算出し、これを駆動制御部12へ供給する。駆動制御部12は、当該トラッキングエラー信号STE3を基にトラッキング制御を行う。
かくして光ディスク装置10は、光ディスク100における反射率比RTに対応した補正係数Ksを取得し、当該補正係数Ksを用いてトラッキングエラー信号STE3を算出することにより、迷光ビームLSの影響を受けることなくトラッキング制御を行い得るようになされている。
(3−3)製造工程における各係数の算出
実際上、光ディスク装置10は、製造工場等での製造工程において、ある程度組み立てられた後、光ディスク100の各記録層Yについて振幅係数Kをそれぞれ求めると共に、制御部11のROM11Bに補正係数テーブルTBLを格納するようになされている。
因みに振幅係数Kは、光ピックアップ17における各光学部品の取付状態等に応じて最適値が相違し、且つ記録層Yごとにも最適値が相違するため、光ディスク装置10の各個体について、記録層Yごとに求められるようになされている。
(3−3−1)振幅係数の算出
光ディスク装置10は、光ディスク100の記録層Yごとに振幅係数Kを求める際、図14に示すフローチャートに従い振幅係数算出処理手順RT1を実行するようになされている。
光ディスク装置10は、制御部11において所定の振幅係数算出プログラムを実行することにより振幅係数算出処理手順RT1を開始し、ステップSP1へ移る。
ステップSP1において制御部11は、所定の測定用ディスクが装填されるのを待ち受け、次のステップSP2へ移る。
ステップSP2において制御部11は、最初の対象記録層YGを記録層Y0とし、次のステップSP3へ移る。ステップSP3において制御部11は、対物レンズ18を繰り返しレンズシフトさせ、このときのメインプッシュプル信号MPP2及びサイドプッシュプル信号SPP2をそれぞれ取得し、次のステップSP4へ移る。
ステップSP4において制御部11は、メインプッシュプル信号MPP2及びサイドプッシュプル信号SPP2における振幅の比率を基に、記録層Y0における振幅係数K0を算出し、次のステップSP5へ移る。
ステップSP5において制御部11は、次の対象記録層YGを記録層Y1とし、次のステップSP6へ移る。ステップSP6において制御部11は、対物レンズ18を繰り返しレンズシフトさせ、このときのメインプッシュプル信号MPP2及びサイドプッシュプル信号SPP2をそれぞれ取得し、次のステップSP7へ移る。
ステップSP7において制御部11は、メインプッシュプル信号MPP2及びサイドプッシュプル信号SPP2における振幅の比率を基に、記録層Y1における振幅係数K1を算出し、次のステップSP8へ移る。
ステップSP8において制御部11は、振幅係数K0及びK1をROM11Bに格納し、次のステップSP9へ移って振幅係数算出処理手順RT1を終了する。
(3−3−2)補正係数テーブルの生成
補正係数テーブルTBLを生成する場合、予め各記録層Yにおける反射率R、すなわち反射率比RTが判明している光ディスク100Nを用いるようになされている。
このとき光ディスク装置10では、振幅係数算出処理手順RT1におけるステップSP2〜SP4と同様の処理を行うことにより、当該光ディスク100Nの記録層Y0についての最適な振幅係数K0Nを算出する。
ここで、所定の計算装置等を用いることにより、振幅係数算出処理手順RT1に従い既に算出した振幅係数Kと振幅係数K0Nとの比率等を基に、補正係数Ksが得られる。
実際上、反射率比RTが様々な値である複数の光ディスク100Nについて、光ディスク装置10によりそれぞれ振幅係数K0Nが算出され、また各振幅係数K0Nについて、計算装置により補正係数Ksがそれぞれ算出される。
さらに計算装置は、各反射率RTと各補正係数Ksとを対応付けることにより、補正係数テーブルTBLを生成する。この補正係数テーブルTBLは、光ディスク装置10の製造工程等において、制御部11のROM11B等に予め格納されるようになされている。
因みに補正係数テーブルTBLは、光ディスク装置10の個体ごとではなく、各光ディスク装置10で共通して使用されるようになされている。
(3−4)トラッキング制御
光ディスク装置10は、製造工場等から出荷された後、実際に光ディスク100に情報を記録し、又は当該光ディスク100から情報を再生する場合、光ディスク100の種類等に応じて、補正係数Ksを適切に設定した上でトラッキング制御を行うようになされている。
(3−4−1)補正係数の設定
まず光ディスク装置10は、装填されている光ディスク100に適した補正係数Ksを設定するべく、図15に示すフローチャートに従い補正係数設定処理手順RT2を実行するようになされている。
光ディスク装置10は、制御部11において所定の補正係数設定プログラムを実行することにより補正係数設定処理手順RT2を開始し、ステップSP11へ移る。
ステップSP11において制御部11は、光ディスク100が装填されるのを待ち受け、当該光ディスク100が装填されると次のステップSP12へ移る。
ステップSP12において制御部11は、装填された光ディスク100に対して所定の種類判別処理を行うことにより、当該光ディスク100の種類(すなわちBD−ROM、BD−R、BD−REのいずれであるか)を判別し、次のステップSP13へ移る。
ステップSP13において制御部11は、装填された光ディスク100がBD−REメディアであるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことはBD−REメディアに適したトラッキング制御を行うために、補正係数Ksを設定する必要があることを表しており、このとき制御部11は次のステップSP14へ移る。
ステップSP14において制御部11は、装填された光ディスク100に合わせてサーボゲイン、オフセット、フォーカスバイアス、カバー補正等の各種調整及びキャリブレーション等を行い、次のステップSP15へ移る。
ステップSP15において制御部11は、光ピックアップ17をトラッキング方向へ移動させることにより、光ビームL1の焦点を光ディスク100の内周側に設けられたOPCエリアに合わせ、次のステップSP16へ移る。
ステップSP16において制御部11は、各記録層YにおけるOPCエリアに光ビームL1を照射することにより、各記録層Yについてプルイン信号SPIの出力レベルを検出し、次のステップSP17へ移る。
ステップSP17において制御部11は、各記録層Yについて得たプルイン信号SPIにおける出力レベル同士の比率を算出することにより記録層Y同士の反射率比RTを求め、次のステップSP18へ移る。
ステップSP18において制御部11は、算出した反射率比RTに対応する補正係数Ksを補正係数テーブルTBLから読み出し、各記録層Yごとの振幅係数K0及びK1と共に当該補正係数Ksを信号処理部13へ送出する。その後制御部11は、次のステップSP19へ移って補正係数設定処理手順RT2を終了する。
一方、ステップSP13において否定結果が得られると、このことは光ディスク100が又はBD−Rメディア又はBD−ROMメディアであることを表しており、このとき制御部11は、当該又はBD−Rメディア又はBD−ROMメディアに適したトラッキング制御を行うべく、ステップSP19へ移って補正係数設定処理手順RT2を終了する。
(3−4−2)トラッキングエラー信号の生成
光ディスク装置10は、上述した補正係数設定処理手順RT2に従い、制御部11から振幅係数K0及びK1並びに補正係数Ksを信号処理部13へ供給すると共に、対象記録層YGが記録層Y0又は記録層Y1のいずれであるかについても、当該信号処理部13へ通知するようになされている。
信号処理部13は、対象記録層YGが記録層Y0である場合、上述した(4)式に振幅係数K0及び補正係数Ksを適用した上でトラッキングエラー信号STE3を算出する。
また信号処理部13は、対象記録層YGが記録層Y1である場合、上述した(2)式に振幅係数K1を適用した上でトラッキングエラー信号STE2を算出する。
このように光ディスク装置10は、対象記録層YGが記録層Y0であり、光ディスク100における各記録層Yの反射率比RTに応じて迷光ビームLSによる影響度合いが変化する場合であっても(図13(A))、補正係数Ksを用いてトラッキングエラー信号STE3を適切に補正することにより、高精度なトラッキング制御を行い得るようになされている。
(4)動作及び効果
以上の構成において、光ディスク装置10は、その製造工程において、光ピックアップ17等がある程度組み立てられた状態で、制御部11により振幅係数算出処理手順RT1に従い、測定用光ディスクの記録層Y0及びY1についてそれぞれ振幅係数K0及びK1を求め、これらをROM11Bに格納する。
また制御部11は、予め様々な反射率比RTを有する複数の光ディスク100について補正係数Ksが求められ、当該反射率比RTと当該補正係数Ksとが対応付けられ補正係数テーブルTBLについても、ROM11Bに格納する。
その後光ディスク装置10は、実際に光ディスク100に対し情報を記録し又は当該光ディスク100から情報を再生する際、当該光ディスク100がBD−REメディア又はBD−Rメディアであれば、各記録層Yの反射率Rをそれぞれ測定して反射率比RTを算出する。さらに光ディスク装置10は、補正係数テーブルTBLから当該反射率比RTに対応付けられた補正係数Ksを読み出す。
光ディスク装置10は、光ディスク100の記録層Y0を対象記録層YGとする際には、補正係数Ksを用い(4)式に従ってトラッキング制御を行い、当該光ディスク100の記録層Y1を対象記録層YGとする際には、補正係数Ksを用いず(2)式に従ってトラッキング制御を行う。
従って光ディスク装置10は、BD−REメディアでなる光ディスク100の記録層Y0を対象記録層YGとする際、迷光ビームLSがフォトディテクタ32の検出領域32A及び32Bの一部に照射される。しかしながら光ディスク装置10は、当該迷光ビームLSの影響が排除されたトラッキングエラー信号STE3を基に、1ビームPP法により高精度なトラッキング制御を行うことができる。
この場合光ディスク装置10は、反射率比RTと補正係数Ksとに関連性があることを利用し、予め当該反射率比RTと当該補正係数Ksとを対応付けて補正係数テーブルTBLとして記憶しているので、光ディスク100の反射率比RTを取得するだけで、当該光ディスク100に適した補正係数Ksを読み出すことができる。
すなわち光ディスク装置10は、市場に流通する様々な光ディスク100における各記録層Yの反射率Rが規格等の範囲内でそれぞれ相違することにより、フォトディテクタ32に照射される迷光ビームLSの影響度合いもそれぞれ相違する。このことにも拘わらず、光ディスク装置10は、当該光ディスク100の反射率比RTから適切な補正係数Ksを得ることにより、トラッキングエラー信号から迷光ビームLSの影響を排除できる。
このとき光ディスク装置10は、各記録層Yについて、検出信号S2A、S2B、S2C、S2D及びS2Eの和であるプルイン信号SPIにおける出力レベルを検出し当該出力レベル同士の比率を算出する、といった極めて容易な処理により反射率比RTを得ることができ、専用のセンサや複雑な演算処理等を必要としない。
また光ディスク装置10では、(4)式におけるサイドプッシュプル信号SPP2の項において、当該光ディスク装置10の個体ごとの特性を反映して求められた振幅係数Kを乗じた値である「K×(S2B−S2A)」に対し、さらに補正係数Ksを乗じている。
これにより光ディスク装置10では、補正係数Ksを用いる場合であっても、当該光ディスク装置10の個体ごとの特性を振幅係数Kにより吸収することができるので、当該補正係数Ksを当該光ディスク装置10ごとに個別に算出する必要がなく、当該光ディスク装置10に共通する係数として用いることができる。
さらに光ディスク装置10は、記録層Y0又はY1のいずれを対象記録層YGとするかに応じて、トラッキングエラー信号の算出に(4)式又は(2)式のいずれを用いるかを切り換える。このため光ディスク装置10は、対象記録層YGを記録層Y1とする場合(図13(B))のように反射率比RTの相違により迷光ビームLSの影響が変化しない場合にまで補正係数Ksを用いることがなく、トラッキング精度を却って低下させるおそれがない。
以上の構成によれば、光ディスク装置10は、予め様々な反射率比RTを有する複数の光ディスク100について求められた補正係数Ksと当該反射率比RTとが対応付けられた補正係数テーブルTBLを制御部11のROM11Bに記憶しておく。その後、光ディスク装置10は、実際に光ディスク100を用いた情報の記録又は再生を行う際、各記録層Yの反射率Rをそれぞれ測定して反射率比RTを算出し、補正係数テーブルTBLから当該反射率比RTに対応付けられた補正係数Ksを読み出す。続いて光ディスク装置10は、光ディスク100の記録層Y0を対象記録層YGとする際に、補正係数Ksを用いた(4)式に従ってトラッキングエラー信号STE3を算出してトラッキング制御を行う。これにより光ディスク装置10は、迷光ビームLSがフォトディテクタ32の検出領域32A及び32Bの一部に照射されるものの、当該迷光ビームLSの影響が排除されたトラッキングエラー信号STE3を基に、1ビームPP法により高精度なトラッキング制御を行うことができる。
(5)他の実施の形態
なお上述した実施の形態においては、(2)式におけるサイドプッシュプル信号SPP2を表す項に補正係数Ksを乗じた(4)式によりトラッキングエラー信号を算出するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らない。例えば、(2)式におけるメインプッシュプル信号MPP2を表す項に補正係数Ks2を乗じてトラッキングエラー信号を算出するようにしても良い。この場合、補正係数Ks2は補正係数Ksの逆数とすれば良い。
また上述した実施の形態においては、トラッキングサーボ用ホログラム41により反射光ビームL3D及びL3Cを比較的大きく回折させると共に反射光ビームL3A及びL3Bを比較的小さく回折させるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らない。例えば、反射光ビームL3D及びL3Cを比較的小さく回折させると共に反射光ビームL3A及びL3Bを比較的大きく回折させるようにしても良い。
この場合、フォトディテクタ32の検出領域32A及び32Bには反射光ビームL4D及びL4Cがそれぞれ照射され、フォトディテクタ32の検出領域32D及び32Cには反射光ビームL4A及びL4Bがそれぞれ照射される。すなわち検出信号S2A及びS2Bは、主にトラッキングずれ量を表し、検出信号S2D及びS2Cは、主にレンズシフト量を表すことになる。一方で迷光ビームLSの照射パターンは図13(A)及び(B)と同様である。
そこでこの場合は、迷光ビームLSによる迷光パターンPSが検出領域にかかる側、すなわち上述した(2)式におけるメインプッシュプル信号MPP2を表す項に補正係数Ksを乗じるようにし、或いは補正係数Ksを上述した実施の形態の逆数とするようにすれば良い。
さらに上述した実施の形態においては、光ディスク100の記録層Yごとに光ビームの反射率Rを測定し、当該反射率R同士の比率を算出することにより反射率比RTを取得するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らない。
一般に、光ディスク100には、最初に情報を記録すべき記録層における最内周側等に設けられた所定の情報記録領域に、製造メーカー、製品、型番や製造ロット等のディスクを識別するための識別情報が記録されている。光ディスク装置10は、この識別情報を読み取ることにより、光ディスク100の種類を認識することができる。
そこで、例えば予め光ディスクの種類ごとに反射率比RTを測定すると共に当該反射率比RTに対応する補正係数Ksを算出し、識別情報と当該補正係数Ksとを対応付けてROM11B等に記憶しておくことができる。この場合、光ディスク装置10は、光ディスク100から読み出した識別情報を基に当該ROM11Bから補正係数Ksを読み出すことができ、(4)式によりトラッキングエラー信号STE3を生成することができる。
さらには、これを上述した実施の形態と組み合わせても良く、例えば最初に識別情報を基に補正係数KsをROM11Bから読み出すようにし、当該ROM11Bに記憶されていない識別情報であった場合にのみ反射率比RTを算出して、当該反射率比RTに対応する補正係数Ksを読み出す等しても良い。
さらに上述した実施の形態においては、光ディスク100がBD−REメディアであった場合にOPCエリアを利用して各記録層Yの反射率比を求めて反射率比RTを算出するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らない。例えば、光ディスク100がBD−Rメディアであった場合に、予め未記録であることが判明している所定の領域を利用し各記録層Yの反射率比を求めて反射率比RTを算出する等しても良い。
さらに上述した実施の形態においては、光ディスク装置10がトラッキングエラー信号の生成手法として1ビームPP法のみを利用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らない。例えば、特許文献1に記載されているように、光ディスク100の種類に応じて、1ビームPP法に対応したホログラム素子及びDPD法に対応したホログラム素子を切り換えて使用すると共にフォトディテクタ32の受光領域を共通に使用するようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、トラッキングサーボ用ホログラム41を図8(A)に示した分割パターンにより分割する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば特許文献1の図11(B)に記載されているような分割パターンであっても良い。要は、トラッキングサーボ用ホログラム41により、反射光ビームL2のうちトラッキングずれ量に応じて光量が変化する領域と、レンズシフト量に応じて光量が変化する領域とでそれぞれの光量を独立して検出し得るように分割し回折させ得れば良い。
さらに上述した実施の形態においては、(4)式における補正係数Ksを光ディスク100の反射率比RTと対応付け補正係数テーブルTBLとしてROM11Bに記憶するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らない。例えば、(3)式における迷光ビームLSに起因した成分である(S2As−S2Bs)の値を反射率比RTと対応付けて所定のテーブルに記憶しておき、光ディスク100の反射率比RTに応じて(S2As−S2Bs)の値を読み出し、減算するようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、光ディスク装置10の製造工程等において、ROM11Bに補正係数テーブルTBLを格納するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らない。例えば、ROM11Bに代えてフラッシュメモリ等の書換可能な不揮発性メモリを制御部11に設け、当該不揮発性メモリに補正係数テーブルTBLを格納する等しても良い。この場合、不揮発性メモリの補正係数テーブルTBLについては、例えば外部装置との通信手段を介して供給される更新データや光ディスク100に記録された更新データ等を用いて更新するようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、光ディスク装置10がBDメディアでなる光ディスク100に対して情報を記録し、また当該光ディスク100から情報を再生するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らない。例えば、光ディスク装置10がDVDメディアやCDメディア等の種々のメディアでなる光ディスク100に対して情報を記録し、また当該光ディスク100から情報を再生するようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、光ディスク装置10が光ディスク100を用いて情報の記録及び再生の双方を行うようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば光ディスク装置10が情報の記録又は再生のいずれか一方のみを行うようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、光ディスク100に2層の記録層Yが設けられている場合について述べたが、本発明はこれに限らず、当該光ディスク100に3層以上の記録層Yが設けられていても良い。この場合、迷光ビームLSは主に隣接する記録層Yからの影響が大きいと考えられるため、3層以上ある記録層Yのうち互いに隣接する2層同士の反射率比RTをそれぞれ測定すると共に当該反射率比RTに対応する補正係数Ksをそれぞれ求めた上で両者を対応付けて補正係数テーブルTBLに格納するようにすれば良い。また光ディスク装置10は、対象記録層YGに応じて補正係数テーブルTBLから補正係数Ksを読み出せば良い。
さらに上述した実施の形態においては、対物レンズとしての対物レンズ18と、トラッキング移動部としての2軸アクチュエータ19と、反射光ビーム分割回折部としてのトラッキングサーボ用ホログラム41と、受光部としてのフォトディテクタ32と、プッシュプル差分値算出部としての信号処理部13と、反射率比取得部及び補正係数読出部としての制御部11と、トラッキングエラー信号算出部としての信号処理部13と、トラッキング制御部としての駆動制御部12とによって光ディスク装置としての光ディスク装置10を構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らない。すなわち本発明は、その他種々の回路構成でなる対物レンズと、トラッキング移動部と、反射光ビーム分割回折部と、受光部と、プッシュプル差分値算出部と、反射率比取得部と、補正係数読出部と、トラッキングエラー信号算出部と、トラッキング制御部とによって光ディスク装置を構成するようにしても良い。
10……光ディスク装置、11……制御部、11B……ROM、12……駆動制御部、13……信号処理部、17……光ピックアップ、18……対物レンズ、19……2軸アクチュエータ、21……レーザダイオード、31……ホログラム回折素子、32……フォトディテクタ、32A、32B、32C、32D、32E……検出領域、41……トラッキングサーボ用ホログラム、41A、41B、41C、41D……回折領域、100……光ディスク、Y0、Y1……記録層、L1……光ビーム、L2、L3、L4、L4A、L4B、L4C、L4D、L5、L6……反射光ビーム、S2A、S2B、S2C、S2D……検出信号、K、K0、K1……振幅係数、Ks……補正係数、R……反射率、RT……反射率比、STE2、STE3……トラッキングエラー信号、MPP2……メインプッシュプル信号、SPP2……サイドプッシュプル信号。