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JP5103866B2 - 発泡成形体およびその製造方法 - Google Patents
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JP5103866B2 - 発泡成形体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は寸法安定性に優れ、剛性が高く、且つ環境に優しい樹脂発泡体に関する技術である。樹脂発泡体はおもに床材、壁材、天井材等の建築内装材、建具、家具、家電品の表面材等に用いられる化粧材の基材として用いられる。そのほかにもウッドデッキ材やベンチなどの構造用途で使用されることもある。
従来、各種用途の化粧材としては、合板やファイバーボード等の木質基材に、天然突き板や、紙または合成樹脂シートに印刷にて意匠を施した化粧紙または化粧シートなどを貼り合わせたものが多く使われている。しかし、これらの化粧材は、木質基材の吸放湿に由来する反りや、虫食い、腐食などといった物性上の問題があるほか、リサイクルが困難であるために、それらの端材や廃材のほとんどが、埋め立てや焼却によって処分されている。加えて原料の熱硬化性樹脂由来のホルマリンによるいわゆるシックハウス症候群や、埋め立て後に溶出される環境ホルモン物質が問題になっている。
また、木質以外の基材としては、従来、ポリ塩化ビニル樹脂を異形成形や造作部材や発泡シート成形したクッションフロア基材などの合成樹脂製基材が使われている。しかしながら、ポリ塩化ビニルは例えば火災などの際に有毒な塩酸ガスの発生が避けられなかったり、添加剤の環境ホルモン物質が問題になったことや、生産時、または廃棄時に発生するダイオキシン類や塩酸ガスによって環境を汚染したり、金型や焼却設備などの腐食等を引き起こしたりする問題があり、徐々にポリオレフィン系材料などに置き換わってきている。
さらにフィラーを充填することで熱膨張率を低下させる試みも行われ、実用化されている。しかし樹脂の熱膨張率は低下するものの前述の突き上げの問題を解決するには至らず、基材の形状や接合部にあそびを設けるなどして基材の伸縮を吸収する必要があった。また、フィラー分が多すぎると樹脂由来の強度が失われ、耐衝撃性の著しい低下や、比重の増加による使い勝手の悪さなどが問題になっている。
また、実際にフィラーの充填による熱膨張率の低下によって突き上げを防止するためには使用条件によっても異なるが、コンクリートや石膏ボードに施工した場合、一般的に用いられる板としての曲げ弾性率1500MPa以上程度の基材においては、1×10−5/℃以下といった非常に小さな熱膨張率におさえる必要があり、非常に困難であるため、実際には基材の形状や配置などの工夫で突き上げをおさえる必要があった。
一方、耐傷付き性などの兼ね合いで低発泡倍率の発泡体を使用する場合、ポリオレフィン系材料による基材についてはポリ塩化ビニルに見られるような、人体、環境、設備に対する負荷が大幅に減る一方、基材として敷き詰めた際に膨張による突き上げが発生する問題や、石油由来の合成高分子材料であるため、焼却することで大気中のニ酸化炭素増加を引き起こし、地球温暖化の一因になるといった問題がある。地球温暖化の問題に際して植物由来の資源を使うことで、炭酸ガスの排出を抑える取り組みが進んでいる。これは地中にある化石資源を燃焼すると、化石資源に含まれる炭素はニ酸化炭素となって大気中に放出されるが、植物由来の資源であれば植物が大気中から取り込んだニ酸化炭素を再び大気中に返すことになるので、地球温暖化に対して影響が少ないという考察に基づき推進されている。
従来の木質基材はこの点で優れており、土壌汚染や、人体への問題はあるものの、地球温暖化への影響はポリオレフィン系材料の基材を下回る。こうした中で、樹脂の原料の植物由来化が求められており、植物由来の原料からポリ乳酸をはじめとする種々の脂肪族ポリエステルが合成されている。
ポリ乳酸樹脂はL−乳酸またはD−乳酸のいずれかのホモポリマー、L−乳酸とD−乳酸のランダムコポリマー、L−乳酸とD−乳酸のブロックコポリマー、あるいはそれら2種以上の混合物である。乳酸の鏡像異性体比率はポリ乳酸樹脂の結晶化能力に大きな影響を及ぼす。従って目的の成形物の耐熱性や衝撃性などの要求品質と照らし合わせて適宜調整しながら使用されている。
また、ポリ乳酸以外の脂肪族ポリエステルについても現在多くの樹脂は石油由来の原料から合成されているものの、これらを植物由来の資源から合成する試みが続けられており、植物由来の資源を使うという観点からも開発が進められている。
脂肪族ポリエステルは、脂肪族ヒドロキシカルボン酸、脂肪族二価アルコール、脂肪族二塩基酸を種々組み合わせて製造できる脂肪族ポリエステルであり、ポリ乳酸の他に、ポリグリコール酸、ポリエチレンオキサレート、ポリブチレンオキサレート、ポリカプロラクトン、ポリネオペンチルグリコールオキサレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリヒドロキシ酪酸等が挙げられる。
脂肪族ポリエステルは従来発泡成形に用いられていたポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィンといった樹脂と比較して、溶融粘度が低く、押出発泡成形する際に破泡を起こして十分な発泡倍率が得られなかったり、成形条件に厳しい制約を受けたりするなど様々な欠点を有していた。従って実用に供するためには溶融張力の向上および伸長粘度測定時の歪み硬化性の発現や結晶化速度の向上が必要であった。
一般に歪み硬化性を発現させるには高重合度ポリマーを添加する方法や長鎖分岐を有するポリマーを用いることが有効と考えられている。高重合度ポリマーの製造では重合に長時間を有し、熱履歴による着色や分解などが発生しやすい。また一方で分岐を持つポリ乳酸を製造する方法としては重合時に多官能性開始剤を添加する方法や、後工程にて過酸化物や反応性化合物などとの溶融混練により架橋を生じさせる方法はなどが知られている。しかしながら実際には均質な分岐や架橋構造を制御することは困難で、結果としてゲルによる滞留部を生じたり、品質ムラを生じるなど高品質な発泡体を安定して成形するには至っていない。
特開2003−184290号公報 特表2004−538178号公報 特開2004−292499号公報 特開2004−67894号公報 特開2004−352750号公報
ところで、セルカ法はスキン層を有する発泡成形体の製造方法として非常に有用であるが、溶融樹脂が発泡ガスの圧力で滑りサイジングダイの表面に強く押しつけられるため、滑りサイジングダイ内でのすべり抵抗が大きく、滑りサイジングダイ内の特に入り口付近におけるスキン層の剛性や溶融樹脂の溶融張力が低い場合には引き取りに樹脂溶融体が追従できず変形や破断が発生してしまう。したがって、エラストマーなど固体状態での剛性の低い樹脂や、フィラーの高充填された樹脂などはセルか法により発泡成形体を成形できないという問題があった。また、高い発泡倍率の発泡成形体を得ようとした場合においても、滑りサイジングダイ内で樹脂が引張抵抗に負けて破断が発生してしまい、成形できないという問題があった。
本発明は、従来のセルカ法では、成形できなかった、軟質樹脂、フィラー高充填樹脂、高発泡倍率成形などのスキン層を有する発泡成形体を成形することにある。また、成形後、シート状基材を剥がさずに一体化して使う際には、従来は接着剤を用いてラミネートやラッピングといった手法で複合化していたものを熱融着で貼り合わせることで、接着剤を使わず、リサイクル性の向上や環境負荷の低減を達成することにある。
請求項1に記載の発明は、ポリ乳酸、熱膨潤性マイクロカプセルおよびフィラーを含み、スキン層を有する発泡成形体において、少なくともポリ乳酸、熱膨潤性マイクロカプセルおよびフィラーを含む熱可塑性樹脂溶融体を滑りサイジングダイを通過させる際に、シート状基材を熱可塑性樹脂溶融体と滑りサイジングダイとの間に通過させることを特徴とする発泡成形体の製造方法である。熱可塑性樹脂溶融体を滑りサイジングダイを通過させる際にシート状の基材を熱可塑性樹脂溶融体と滑りサイジングダイの間に通過させることにより、熱可塑性樹脂溶融体と滑りサイジングダイの滑り抵抗を軽減するとともに、引き取り時に樹脂全体に強度を持たせることで様々な成形に対応できるようになる。金型から押し出された発泡剤を適宜分散させた熱可塑性樹脂溶融体の表面を速やかに冷却することでスキン層を形成でき、かつ、シート状基材によって樹脂の破断や変形といったこれまで成形できなかった要因も排除できるため、これまで連続成形可能な押出手法によって成形できなかった軟質材料やフィラー高充填材料についても容易に発泡成形体を製造することが可能となる。また、高発泡倍率の発泡成形品についても、熱可塑性樹脂溶融体の破断や変形の発生が無く、製造することが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発泡成形体の製造方法を用いて、熱可塑性樹脂溶融体を発泡、成形したことを特徴とする発泡成形体である。
請求項1に記載の発明は、少なくとも、熱可塑性樹脂、熱膨潤性マイクロカプセルおよびフィラーを含み、スキン層を有する発泡成形体において、熱可塑性樹脂溶融体を滑りサイジングダイを通過させる際に、シート状基材を熱可塑性樹脂溶融体と滑りサイジングダイとの間に通過させることを特徴とする発泡成形体の製造方法である。熱可塑性樹脂溶融体を滑りサイジングダイを通過させる際にシート状の基材を熱可塑性樹脂溶融体と滑りサイジングダイの間に通過させることにより、熱可塑性樹脂溶融体と滑りサイジングダイの滑り抵抗を軽減するとともに、引き取り時に樹脂全体に強度を持たせることで様々な成形に対応できるようになる。金型から押し出された発泡剤を適宜分散させた熱可塑性樹脂溶融体の表面を速やかに冷却することでスキン層を形成でき、かつ、シート状基材によって樹脂の破断や変形といったこれまで成形できなかった要因も排除できるため、これまで連続成形可能な押出手法によって成形できなかった軟質材料やフィラー高充填材料についても容易に発泡成形体を製造することが可能となる。また、高発泡倍率の発泡成形品についても、熱可塑性樹脂溶融体の破断や変形の発生が無く、製造することが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発泡成形体の製造方法を用いて、熱可塑性樹脂溶融体を発泡、成形したことを特徴とする発泡成形体である。従来の発泡成形体に対してさらに環境に優しく、効率的に、安価な発泡成形体を得ることが可能となる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂は、特に限定されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレンといったポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、脂肪族ポリエステル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド系樹脂等から適宜選択が可能である。これらは、単独で用いても良いし、ブレンド、共重合体として用いても良い。
また、通常発泡性を良くするには溶融張力が高いことが望ましいが、本発明の成形方法においては熱膨潤性マイクロカプセルを発泡剤として用いるため、低溶融張力の樹脂でも良好な発泡が可能である。3倍を超えるような高発泡をさせる際にも通常は、ポリスチレン系、ポリ塩化ビニルなどの発泡に適した樹脂を選定するか、電子線架橋による長鎖分岐を導入したグレードの樹脂の利用や、分子量分布のコントロール、また溶融張力を上昇させるフッ素系添加剤のブレンドなど公知の方法で必要に応じて溶融張力を調整することが望ましいが、本発明においては低溶融張力の樹脂を特に問題なく使用可能である。
したがって本発明では、環境負荷が低く、基材としての物性も優れるものの従来成形が困難とされた比較的高いメルトフローレートを持つホモポリプロピレンとフィラーの混合体の高倍率発泡成形体や、さらに環境負荷が低いものの溶融粘度が低く、発泡成形するには架橋などの2次的な処理が必要であったポリ乳酸などの植物由来原料による脂肪族ポリエステル樹脂の発泡成形体といったものを製造することが可能となる。
また、必要に応じて熱安定剤、酸中和剤、紫外線吸収剤、光安定剤、気泡調整剤、カルボキシル基末端封鎖剤、顔料、染料などの着色剤、帯電防止剤、滑剤、造核剤、難燃剤、ブロッキング防止剤、艶調整剤等を添加することもできる。これらの添加剤のうち、熱安定剤としてはヒンダードフェノール系、硫黄系、リン系等、酸中和剤としてはステアリン酸金属塩、ハイドロタルサイト等、紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、ベンゾフェノン系、トリアジン系等、光安定剤としてはヒンダードアミン系等、気泡調整剤としてはアクリル樹脂で変性されたポリテトラフルオロエチレン等、カルボキシル基末端封鎖剤としてはカルボジイミド、グリシジルエステル等、難燃剤としてはハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、塩素系難燃剤等、滑剤としては炭化水素系滑剤、脂肪酸、高級アルコール系、脂肪酸アマイド系、金属石鹸系、エステル系、フッ素系等、造核剤としてはカルボン酸金属塩系、ソルビトール系、リン酸エステル金属塩系等、顔料としては縮合アゾ、不溶性アゾ、キナクリドン、イソインドリン、アンスラキノン、イミダゾロン、コバルト、フタロシアニン、カーボン、酸化チタン、酸化鉄、雲母等のパール顔料等があり、これらの添加剤を任意の組み合わせで用いるのが一般的である。
本発明に用いられるフィラーとしては公知の無機フィラー、および有機フィラーから適宜選択が可能である。
無機フィラーの具体例としては、タルク、非膨潤性雲母、膨潤性雲母、イオン交換を行った膨潤化雲母、炭酸カルシウム、ベントナイト、有機変性モンモリロナイト、水酸化マグネシウム、ワラストナイト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、ケイ酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、ゼオライト、ハイドロタルサイト、チタン酸カリウム、窒化ホウ素、グラファイト、ガラス繊維、炭素繊維等が挙げられる。
有機フィラーの具体例としては、綿繊維、麻繊維、ケナフ繊維、ヘンプ繊維、ジュート繊維、バナナ繊維、ココナッツ繊維、セルロース繊維、紙粉、木粉、竹粉、セルロース粉末、籾殻粉末、果実殻粉末、タンパク質、澱粉などが挙げられる。
これらのフィラーは樹脂との密着を改善するためにエチレン/ 酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被覆処理されていてもよく、アミノシランやエポキシシランなどのカップリング剤などで公知の方法で処理されていても良い。また用途、目的に応じて単一で使用しても複数種を混合してもかまわない。
本発明におけるフィラーの選定としては、熱膨張率低減効果が高く、造核効果もある、タルク、雲母、有機変性モンモリロナイト等板状、鱗片状フィラー、比較的低比重で且つ、発泡成形体の切削性、釘打ち性等に効果の大きい、ケナフ繊維、木粉等の繊維状有機フィラー等より選定されることがより好ましい。
フィラーの配合比としては、発泡成形体の用途やフィラーの種類によるが、全体を100として10重量%以上70重量%以下が好ましく、20重量%以上50重量%以下がより好ましい。
また、本発明における熱膨潤性マイクロカプセルはイソブタン、イソペンタン、イソヘキサン、イソオクタンなどの炭化水素系の発泡剤を塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体などのガスバリアー性の大きいポリマーで包んだものが用いられる。特に、押出成形で用いられるためには熱膨潤性マイクロカプセルに耐熱性が必要であるため、ニトリル系モノマーとカルボキシル基を有するモノマーから成る重合体を外殻ポリマーとする熱膨潤性マイクロカプセルや、さらにはJP WO2004/058910にあるニトリル系モノマー、カルボキシル基を有するモノマー、アミド基を有するモノマー、側鎖に環状構造物を有するモノマーから成る重合体を外殻ポリマーとする熱膨潤性マイクロカプセルなど、耐熱性の高い熱膨潤性マイクロカプセルを使用することが望ましい。
熱膨潤性マイクロカプセルを適正な条件で使用することによって、溶融粘度が低い樹脂や、ひずみ速度軟化性の一般的に発泡に向かない樹脂を用いても独立気泡の機械強度の強い発泡成形体を作ることが可能になる。
フィラーと熱可塑性樹脂の混練はとくに方法を問わないが、ヘンシェルミキサーによって混練した後、冷却粉砕しペレタイザーでペレット化する方法や2軸押出混練機によって混合、ペレット化する方法が一般的である。
また、押出成形の手法や設備についても公知の発泡手法や設備がそのまま使用できる。押出機については単軸押出機、2軸押出機とも使用可能で、2軸押出機においては同方向、異方向、コニカル、パラレルのいずれでも使用可能である。押出機出口付近で十分な樹脂圧を維持して熱膨潤性マイクロカプセルが押出機内で膨潤することが品質や安定性の点で望ましくないのは既知の発泡手法と同様である。
本発明による発泡成形方法は連続成形可能な押出手法による成形方法で、滑りサイジングダイの使用が可能であればどのような方法でもかまわない。たとえば、Tダイを用いた発泡シート成形や異形成形への応用が想定される。
本発明の発泡成形体の製造方法の概略図について図1に示した。なお、本発明の図面において、熱可塑性樹脂溶融体、発泡成形体はともに符号1で表すものとする。熱可塑性樹脂溶融体1は金型2より押し出された後、滑りサイジングダイにシート状基材とともに通過される。
金型2としては、熱可塑性樹脂溶融体を連続して押し出す機構を有していればよく、Tダイや異形成形用ダイなどが挙げられる。金型2は滑りサイジングダイ3と距離が近く、且つ位置決めも重要であるため接触面を設けることが多く、断熱が重要になると同時に、必要に応じてヒータの他にオイル循環など既存の手法を用いて金型の温度を保つことが望ましい。
一方滑りサイジングダイ3についても既存の設計方法が用いられる。一般的には、真鍮やアルミニウムなど熱伝導率の高い材質を用い、かつ水などの冷媒を循環させるための流路が設けられる。この流路は樹脂の流面から近い位置に、冷却効果を高めるために乱流になるようレイノルズ数等によって適宜寸法を調整して設けられる。また、滑りサイジングダイ3を水中に配置することも可能で、この際は滑りサイジングダイ3内に入ってくる水を吸い出すためのバキュームスリットなどを設けることもできる。
滑りサイジングダイ3の長さについては、目的のスキン層の形成については比較的短い長さで目的を達成できる。これに加えて、続く冷却方法がチルロールを用いた場合など、発泡圧力で形状が変化してしまう冷却方法である場合は発泡圧力によって形状が変化することがないよう十分な長さが必要となる。
金型2から押し出された熱可塑性樹脂溶融体1は発泡ガスによる発泡が収まるまで充分な圧力をかけながら目的の形状に冷却していくことが望ましい。冷却方法はダイ出口の最初の冷却を除けば、滑りサイジングダイ、チルロール、金属ベルトを用いた冷却などのいずれも選択が可能であるが、金型より押し出して最初の冷却は滑りサイジングダイ3を用いる必要がある。これはチルロール方式や金属ベルト方式の場合、発泡圧力に打ち勝つためにはどうしてもロール径が大きくなり、エアギャップが大きくなることで、表面の発泡が進み、良好なスキン層が得られなくなってしまうからである。
また、金型の樹脂出口形状も押出樹脂の溶融物性にあわせて任意に設計できる。セルカ法で多く用いられる中空形状や、ストランド状で押し出す方法などが良好なスキン層を持つ発泡成形体ができる傾向がある。Tダイを用いたシート成形ではダイ出口までトーピードを設けて2層で押し出し、サイジングの中で合流させる方法で2mmから10mm程度のシートまで成形できる。図1では、金型出口にトーピード5を設けている。また3mm以下のシート成形ではトーピードを用いずに1層で押し出しした際にも、両面にスキン層を形成することが可能である。
滑りサイジングダイの入り口の開口部は最終製品形状もしくはこれより若干大きく取り、さらにダイの樹脂出口の外周よりも若干大きいことが望ましい。ダイの樹脂出口の外周より小さいとスムーズに樹脂が滑りサイジングダイに入らず引き取りの抵抗が大きくなったり、安定して樹脂が滑りサイジングダイに入っていかなかったりするといった問題が発生する。また、滑りサイジングダイの入り口が大きすぎると良好なスキン層が形成されないといった問題が発生する。また、金型と滑りサイジングダイの開口部の大きさや配置を適宜調節して所謂パーシャルセルカ法の手法を用いて、発泡成形体の一部のみにスキン層を設けることも可能である。
金型2と滑りサイジングダイ3の間隔については成形条件によって適正範囲が異なる。重要なのは表面層が発泡する前にスキン層を形成することであり、これは成形速度によってダイと滑りサイジングダイの隙間の許容範囲が変わることを意味している。金型を出てから樹脂が滑りサイジングダイに入るまでの時間は0.5秒以内、より好ましくは0.1秒以内に設計することが重要である。これ以上の時間が経過すると表面層が発泡してしまい、良好なスキン層が形成されなくなってしまう。
また、滑りサイジングダイには抵抗がかかるため、滑りサイジング自体が下流方向に移動する可能性がある。このようなことを防ぐために、滑りサイジングダイは圧力に充分耐える強度で機械的に保持される必要がある。
滑りサイジングダイ内では発泡ガスによる圧力で比較的大きな引き取り抵抗がかかるため、滑りサイジングダイの後に引き取り機構が必要であり、ニップロール4が設けられる。Tダイによるシート成形であれば、駆動式のニップロールでもかまわないが、引き取り抵抗が大きい場合は複数の駆動式ニップロールを並べたり、キャタピラ式の引取機などを使用する必要がある。
一方、滑りサイジングダイによりスキン層が形成された後はチルロールや金属ベルトを用いた冷却法も適宜選択できる。滑りサイジングダイによる冷却は目的の形状に圧力をかけながら冷却でき、様々な形状に冷却できるメリットがあるが、摩擦抵抗がかかるため、引き取りに大きな力が必要になる欠点がある。また、金属ベルトによる冷却は圧力をかけながら抵抗がなく引き取り力も期待できる一方、精度は滑りサイジングダイに劣る。チルロールによる冷却は主にシート状成形体の冷却に適用することが可能であるが、常に圧力をかけ続けられない、接触面積が狭く冷却効率に劣るなどの問題点がある。したがって、目的の形状や運転状態によって適宜冷却方法を選定する必要がある。
本発明では、熱可塑性溶融体と同時に滑りサイジングダイにはシート状基材6が通される。用いられるシート状基材については材質、形状共に適宜選択が可能である。具体的には、アルミ箔などの金属箔、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、キャストホモポリプロピレンフィルムといった樹脂フィルム、紙をあげることができる。シート状基材は例えばロール状に巻き取られており、熱可塑性樹脂溶融体が滑りサイジングダイを通過する際に連続的に供給される。
樹脂フィルム、紙などを用いた場合はスキン層の厚みが薄くなったり、微発泡による強度低下などが起こりやすい。したがってスキン層の厚さや発泡倍率に重点を置く場合は、シート状基材に金属箔を用いて熱可塑性樹脂表面を急冷することが好ましい。シート状基材を金属箔とすることにより良好なスキン層が形成される。ただし、厚さが0.5mm以下程度の樹脂シートを用いた場合はスキン層の品質が大きく低下するようなことはなく、シート状基材の機能性を重視する場合は多少のスキン層の品質低下はあったとしても十分本発明の目的を達成できる。
滑りサイジングダイ内においてある程度樹脂の固化が進み、滑りサイジングダイ内の摩擦抵抗に耐える強度を発泡成形体がもっていれば、その後でシート状基材は任意のタイミングで剥がしてかまわない。たとえば、滑りサイジングダイが複数ある場合は滑りサイジングダイと滑りサイジングダイの中間部でもかまわないし、滑りサイジングダイの後において、オフラインで剥離工程を設けてもかまわない。また、シート状基材と熱可塑性樹脂溶融体の接着性が良い場合には、離型コートなどの易剥離処理をしてもよい。
また、シート状基材に押出樹脂と同系統の材料を用いた場合、発泡ガスによる滑りサイジングダイへの圧力と溶融樹脂の熱で接着され、複合化されるシート状基材の機能をそのまま発泡成形体に付与することが可能である。機能としてはたとえば、ハードコート、接着性付与、帯電防止性の他、意匠性付与、耐候性付与など公知の様々な機能性を付与することが可能である。逆に熱融着しないフィルムを用いてそのまま保護フィルムとすることも可能である。
樹脂など熱伝導の悪い材料からなるシート状基材を用いる場合には、スキン層の形成が遅れることも懸念されるため、シート状基材の厚みは0.5mm以下であることが望ましい。ただし、シート状基材の投入が成形体表面全面でなく、発泡成形体のスキン層の厚みの低下もしくは物性的な低下が容認できる場合はその限りではない。
本発明の発泡成形体の説明断面図を図2に示した。本発明の熱可塑性樹脂からなる発泡成形体は表面に平滑なスキン層11を有しており、発泡体内部は発泡層12を有している。
本発明においては、高発泡倍率の発泡成形体等、セルカ法の適さない樹脂の発泡成形も可能である。これにより、セルカ法の欠点の、滑りサイジングダイに入ったところで、発泡ガス圧により、強い摩擦抵抗がかかるため、高発泡倍率の発泡体は成形できないという難点を解決することができる。また、発泡成形体の樹脂と、シート基材の樹脂、成形条件をコントロールすることで成形と同時にシート基材の貼り合わせを行うこともでき、コスト面、環境面からもメリットが多い。
以下に本発明の実施例および比較例を示す。なお、実施例1は参考例である。
使用した材料、装置は下記のものをした。配合比は全体量を100とした重量%で表記する。ただし、発泡剤は外添加とし、例えば、発泡剤を3重量%入れると、全体量は103重量%となることとする。また、フィラーは含水率2重量%以下に調整したものを使用した。
<使用材料>
ホモポリプロピレン(プライムポリマー プライムポリプロE100GV)
酸変性ポリプロピレン(三洋化成 ユーメックス1001)
ポリ乳酸(三井化学 レイシアH440)
木粉(島田商会 セルロシン100M)
タルク(竹原化学 ハイトロン)
カルボキシル基末端封鎖剤(日清紡 カルボジライトLA−1)
熱膨潤性マイクロカプセル(松本油脂製薬 マツモトマイクロスフェアーF230)
ADCA発泡剤マスターバッチ(大日精化工業 ファインセルマスターPO551K)
<使用装置>
同方向2軸押出機(日本製鋼所 TEX65)
単軸押出機(池貝鉄工 FS−65 L/D=36)
金型1(150mm幅5mm厚 板形状 セルカ発泡成形金型)
金型2(150mm幅5mm厚 板形状 シートセルカ発泡成形金型)
除湿乾燥機(カワタ チャレンジャーII)
<装置条件>
同方向2軸押出機条件 180℃設定 150rpm 100kg/h
単軸押出機条件 150℃設定
金型温度 170℃設定
サイジング温度 30℃設定
(1)コンパウンド1の作成
酸変性ポリプロピレン:10重量部、ホモポリプロピレン:50重量部、木粉:30重量部、タルク:10重量部を同方向2軸押出機にて混練し、コンパウンド1を作成した。
(2)発泡成形体の作成
前述のコンパウンド1:100重量部、熱膨潤性マイクロカプセル:4重量部を単軸押出機にて金型2を使いシートセルカ法を用いて押し出し、発泡倍率3.0倍、曲げ弾性率1600MPaの実施例1の発泡成形体を作成した。
(1)コンパウンド2の作成
酸変性低密度ポリプロピレン:40重量部、木粉:50重量部、タルク:10重量部を同方向2軸押出機にて混練し、コンパウンド2を作成した。
(2)発泡成形体の作成
前述のコンパウンド2:70重量部、ポリ乳酸2:29重量部、熱膨潤性マイクロカプセル:3重量部、カルボキシル基末端封鎖剤:1重量部を単軸押出機にて金型2を使いシートセルカ法を用いて押し出し、発泡倍率2.6倍、曲げ弾性率2000MPaの実施例2の発泡成形体を作成した。
<比較例1>
(1)コンパウンド
実施例1で作成したコンパウンド1を用いた。
(2)発泡成形体の作成
前述のコンパウンド1:100重量部、ADCA発泡剤マスターバッチ:6重量部を単軸押出機にて金型2を使いシートセルカ法を用いて押し出し、発泡倍率2.4倍、曲げ弾性率1800MPaの比較例1の発泡成形体を作成した。ただし発泡成形体は発泡セルの連泡にてガス抜けが発生し、ざらざらの表面であった。
<比較例2>
(1)コンパウンド4の作成
酸変性低密度ポリプロピレン:40重量部、木粉:50重量部、タルク:10重量部を同方向2軸押出機にて混練し、コンパウンド4を作成した。
(2)発泡成形体の作成
前述のコンパウンド4:70重量部、ポリ乳酸2:29重量部、ADCA発泡剤マスターバッチ:4重量部、カルボキシル基末端封鎖剤:1重量部を単軸押出機にて金型2を使いシートセルカ法を用いて押し出し、発泡倍率1.6倍、曲げ弾性率2400MPaの比較例2の発泡成形体を作成した。ただし発泡成形体は発泡セルの連泡にてガス抜けが発生し、ざらざらの表面であった。
<比較例3>
(1)コンパウンド
実施例1で作成したコンパウンド1を用いた。
(2)発泡成形体の作成
前述のコンパウンド1:100重量部、熱膨潤性マイクロカプセル:4重量部を単軸押出機にて金型1を使いセルカ法を用いて押し出したが、滑りサイジングダイ内の抵抗により、発泡成形体が切れて成形できなかった。
<比較例4>
(1)コンパウンド
実施例1で作成したコンパウンド1を用いた。
(2)発泡成形体の作成
前述のコンパウンド1:100重量部、ADCA発泡剤マスターバッチ:2重量部を単軸押出機にて金型1を使いセルカ法を用いて押し出し、発泡倍率1.5倍、曲げ弾性率2000MPaの比較例4の発泡成形体を作成した。
実施例1、2および比較例1〜4の各発泡成形体の各種評価を行った結果を表1に示す。曲げ弾性率の測定方法は、JIS K7171に従って測定した。また、発泡倍率の測定方法は、株式会社シロ産業電子比重計SMD−200Sを用いて、発泡剤を入れずに成形した密度と発泡成形体の密度を測定し、発泡剤を入れずに成形した密度÷発泡成形体の密度より算定した。また、熱膨張率の測定方法は、JIS K7197に従って測定した。
独立気泡の評価は、サンプルをミクロトームにて厚み100μmに切り出したものをSEMにて観察し、任意の30個の気泡をとり、連泡が3個以内なら◎、4個以上10個以内なら○、11個以上25個以内なら△、26個以上ならば×と評価した。
表1に示したように、実施例1〜実施例2では良好な発泡適性及び、耐突き上げ性を示した。比較例1〜比較例2より熱膨張性マイクロカプセルが発泡性と物性を向上させていることが確認された。また、比較例4より発泡させることで耐突き上げ性を向上することが確認された。さらに比較例3より高発泡倍率で成形する際はシートセルカ法が優れていることが確認された。
本発明により、従来の発泡成形体に対してさらに環境に優しい発泡成形体を安価に、且つ効率的に作ることが可能となった。
本発明の発泡成形体の製造方法の一例の概略図である。 本発明の発泡成形体の一例の断面図である。
符号の説明
1 熱可塑性樹脂溶融体/発泡成形体
11 スキン層
12 発泡層
2 金型
3 滑りサイジングダイ
4 ニップロール
5 トーピード
6 シート状基材

Claims (2)

  1. ポリ乳酸、熱膨潤性マイクロカプセルおよびフィラーを含み、スキン層を有する発泡成形体において、少なくともポリ乳酸、熱膨潤性マイクロカプセルおよびフィラーを含む熱可塑性樹脂溶融体を滑りサイジングダイを通過させる際に、シート状基材を熱可塑性樹脂溶融体と滑りサイジングダイとの間に通過させることを特徴とする発泡成形体の製造方法。
  2. 請求項1記載の発泡成形体の製造方法を用いて、熱可塑性樹脂溶融体を発泡、成形したことを特徴とする発泡成形体。
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