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JP5111771B2 - オーバークラッド管による光ファイバプリフォーム - Google Patents
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JP5111771B2 - オーバークラッド管による光ファイバプリフォーム - Google Patents

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Description

本発明は光ファイバプリフォームに関し、特に多重オーバークラッド管により製造されたプリフォームに関わる。
データ、および情報伝送のための光ファイバは、一般にガラスファイバプリフォームの一端を縦型のファイバ線引き炉の入り口の中に下ろし、それが炉中の加熱ゾーンを下がっていくに従いプリフォームを加熱することによって作られる。プリフォームの加熱端に軟らかいガラスの滴が形成し、その軟らかいガラス滴から光ファイバが線引きされる。プリフォームはいわゆるロッド・イン・チューブ法(Rod-In-Tube:RIT)により作られてもよい。
RITプリフォームの場合、固体のガラスロッドが円筒状のガラスオーバークラッド管の内側の軸方向に保持されている。前記ロッドはコア材料だけで構成されてもよく、あるいはロッドの周りにクラッド材の外層を有してもよい。こうして、オーバークラッド管はロッドと管を組み合わせたものから線引きされたファイバの外側クラッドとして機能する。これから先、一般的にロッドがクラッド材の外層を有しているとしても、ガラスロッドを単に「コア」ロッドと称する。
線引き中、管はそれが軟化してロッドの周りに縮径(collapse)するまで加熱され、管のガラスがロッドの外側ガラス層と強固に固着する。次いで、強固に固着したロッドと管から比較的厚い外側クラッド層を有する光ファイバが線引きされる。この線引きプロセスは、しばしば「線引き中オーバークラッド(Overclad during draw)」、あるいは単に「ODD」と称される。また、「多重構成管の縮径と、それによる同じ炉を使った光ファイバの線引き(Collapsing a Multitube Assembly and Subsequent Optical Fiber Drawing in the Same Furnace)」と題する米国特許第6,460,378号(2002年10月8日)、および「ロッドインチューブ光ファイバプリフォーム、およびその製法(Rod in Tube Optical Fiber Preform and Method)」と題する本出願人の米国特許出願第10/309,852号(2002年12月4日出願)を参照のこと。上記‘378特許、および ‘852出願のすべての関連部分が引例として加えられる。
‘378特許で開示される一実施例によれば、コアロッドが第1のオーバークラッド管の内側に置かれ、第2のオーバークラッド管が第1のオーバークラッド管の上に配される。コアロッドと2つのオーバークラッド管はロッドの一端で管の部分的な縮径を生じて、単一の多重オーバークラッドプリフォームを形成するような条件で加熱される。その後、プリフォームの一端を縦型の線引き炉に挿入するようにセットされる。それから、管がさらに縮径し、コアロッドと強固に固着するよう、所望のクラッド対コア質量比のODDファイバが炉中で線引きされる。
一般に、使用に適するコアロッドの長さは商業ベースで入手可能な切断していないオーバークラッド管の長さよりもかなり短いので、コアロッドの上に捨てガラススペーサロッド(sacrificial glass spacer rod)を積み重ねてオーバークラッド管の長さに適合する内側コア「全」長を得るのが通常の方法である。しかしながら、コアロッド材すべてが光ファイバコアに線引きされた後、プリフォームの残りの部分は無駄になる。したがって、この方法は低コスト化と製造プロセスの強化に適していない。
また、連続した長いコアロッドを形成するために、数多くのコアロッドの断片を軸方向に一直線に端と端を溶接することもよく知られている。米国特許第4,195,980号(1980年4月1日)、および同第4,407,667号(1983年10月4日)を参照のこと。しかしながら、これはコストのかかる余計な製造工程であり、溶接部周辺領域のファイバ品質に悪い影響を及ぼす、つまり溶接の熱源によって水酸基(OH)濃度の高い部分が作られる。また、分散管理(dispersion managed:DM)光ファイバを製造するためのプリフォームを開示している米国特許第6,434,975号(2002年8月20日)も参照のこと。それによれば、異なる光学的特性を有するセグメントが隣り合うように数多くのコアロッドセグメントをクラッドガラス管の中に選択的に挿入することによりプリフォームが構成されている。
米国特許第6,460,378号 米国特許出願第10/309,852号 米国特許第4,195,980号 米国特許第4,407,667号 米国特許第6,434,975号
長さ、直径ともにより大きなサイズのプリフォームを使うことはコストメリットを生む。上記のように、コアロッドの有効長がプリフォームの使用可能長を決定する。しかし、コア材料の長い、例えば長さ2m以上のロッドを製造することは、泡の形成、あるいは規定限界を越える光学特性の偏りなどの欠陥により困難である。通常、1本の長いコアロッドの欠陥部分を切り取った後にはかなり短い部分だけが残る。
オーバークラッド管を寄せ集めた長尺のプリフォームを用意するには、十分な界面ガラス特性が満たされなければならない。コアロッドの外周と第1のオーバークラッド管の内周の間の界面が特に重要であって、厳しい材料特性が求められる。例えば、水酸基(OH)イオンあるいは「水」の濃度は、いわゆるゼロあるいは低水分ピーク(1383nm)光ファイバを通る信号の減衰に大きく影響する。このことは、第1のオーバークラッド管は高価な高純度ガラスで形成されることが要求され、もしプリフォームに単一のオーバークラッド管が使われるならばそのようなガラスが大量に必要であるということである。界面で不純物として作用し、線引きされたファイバでの光信号の減衰の原因となる可能性のある他の要素、あるいはイオンには、これに限定されるものではないが、塩素(Cl)、Al、Fe、Ca、Mg、K、Na、Li、Ni、Cr、Cu、Ti、V、およびZnが含まれる。
本発明によれば、光ファイバプリフォームを組み立てる方法は、外側オーバークラッド管を供給する工程を含み、外側オーバークラッド管は、軸と、当該管の下部末端に形成された開口と、ある壁厚(W2)と、プリフォームから線引きされたファイバコアの領域に存在するときには減衰の原因となる1または複数のドーパントまたは化学物質を含む不純物の濃度とを有する。高い純度の複数の内側オーバークラッド管セクションを外側オーバークラッド管の内部で端から端まで支持し、軸と開放下端と壁厚(W1)とを有する内側オーバークラッド管を形成する。
内側オーバークラッド管の壁厚よりも実質的に厚く外側オーバークラッド管の壁厚を形成し、これにより、線引きされたファイバについて所望のクラッド対コア比を達成し、外側オーバークラッド管の不純物の高い濃度に起因するファイバ内の信号減衰に実質的に影響を及ぼすことがない。内側オーバークラッド管内に軸方向に1またはそれ以上のコアロッドセグメントを挿入し、最下端のコアロッドセグメントと内側オーバークラッド管のセクションより下の外側オーバークラッド管の下部末端における開口内でガラスプラグを固定し、これにより、コアロッドセグメントが内側オーバークラッド管の底端から落ちるのを阻止し、外側オーバークラッド管内に内側オーバークラッド管のセクションが支持される。
本発明の別の側面によれば、多重オーバークラッド光ファイバプリフォームは、外側オーバークラッド管を含み、外側オーバークラッド管は、軸と、当該管の下部末端に形成された開口と、壁厚(W2)と、プリフォームから線引きされたファイバコアの領域に存在するときには減衰の原因となる1または複数のドーパントまたは化学物質を含む不純物の濃度とを有する。
外側オーバークラッド管よりも高い純度の複数の内側オーバークラッド管セクションを外側オーバークラッド管の内部で端から端まで支持し、軸と開放下端と壁厚とを有する内側オーバークラッド管を形成する。外側オーバークラッド管の壁厚は、内側オーバークラッド管の壁厚よりも実質的に厚く、これにより、線引きされたファイバについての所望のクラッド対コア比を達成し、ファイバ内の信号減衰が、外側オーバークラッド管の不純物の高い濃度に起因して実質的に影響を受けることがない。
内側オーバークラッド管内に軸方向に1またはそれ以上のコアロッドセグメントを挿入し、最下端のコアロッドセグメントと内側オーバークラッド管のセクションより下の外側オーバークラッド管の下部末端における開口内でガラスプラグを固定し、これにより、コアロッドセグメントが内側オーバークラッド管の底端から落ちるのを阻止し、外側オーバークラッド管内に内側オーバークラッド管のセクションを支持する
本発明のよりよい理解のために、添付の図、および添付の請求の範囲とにより以下に説明する。なお、これらの図面中の構成要素は必ずしも寸法通りではない。
図1は本発明による光ファイバプリフォーム10を示す。図2は、図1のプリフォーム10の下部の拡大断面である。基本的に、プリフォーム10は第1のガラスオーバークラッド管20の内側に軸方向に端から端まで積み重ねられた数多くの円筒状コアロッドセグメント18を含む。ロッドセグメント18は公知の修正化学気相堆積(Modified Chemical Dapor Veposition:MCVD)法、あるいは、これに限定されるものではないが、気相軸付け(Vapor Axial Deposition:VAD)法、外側気相堆積(Outside Vapor Deposition:OVD)法などの同等の製法により作られた1本の長いクラッドを付与されたコアロッドから新たに作られてもよい。代替として、それぞれのロッドセグメント18はクラッドを付与されないファイバコア材料だけからなってもよい。好ましくはセグメント18の軸端面は、例えばダイヤモンドソーを用いて平らにカットされる。
第1のオーバークラッド管20は、第2のオーバークラッド管21の内側軸方向に配される。第2のオーバークラッド管21は、市販のシリカガラス円筒の形で得てもよい。図示するように、管21の末端あるいは下端16の周囲は好ましくは半径方向内側に向いた、例えば約24度の傾斜T(図2)で円錐形に形成される。中空の円筒状のハンドル23(図1)が管21の頂部に形成され、短いガラススペーサ25がハンドル23の軸方向の穴27の底に据えられる。図6および図7に拡大して示されるスペーサ25は、第1のオーバークラッド管20の上端29に蓋をするように構成され配されて、管の内側のコアロッドセグメント18の上方への動きを阻止する。好ましくは、スペーサ25は、例えばハンドルの穴27の底部に形成された環状の突起あるいは半径方向の段31によって管のハンドル23の穴27の中に更に入っていくことが阻止される位置まで、第2のオーバークラッド管21の下端から軸方向に挿入される。従って、スペーサ25は第1のオーバークラッド管20がハンドルの穴27の中に入っていくことを止める役割もする。
第2のオーバークラッド管21を形成するガラスは、第1のオーバークラッド管20に含まれる不純物の濃度よりも高い濃度の同じ所与の不純物を含んでいてもよく、組み立てられたプリフォーム10から線引きされたファイバを通る信号の減衰が著しく増加することもないことが見出されている。例えば、周辺環境はコアロッドの外周と第1のオーバークラッド管の内周の間の界面に約2ppmのOHを導入する。このOH濃度は、コアロッドに残存するOH、および一般的なレーリー散乱損失と合わせ、波長1383nmで、線引きされたファイバのkmあたり約0.28dBの減衰を示す。第1のオーバークラッド管のガラスとして、例えば約0.2ppmの低OH濃度の高純度ガラスを使うと、OHにより減衰が約0.002dB/km増加する。しかし、第2のオーバークラッド管が5.0ppmと高いOH濃度のガラスで形成されたとしても、わずかに約0.00015dB/kmのファイバ減衰が第2のオーバークラッド管に含まれるOHによると見られている。
したがって、第1のオーバークラッド管20は高品質のガラスで、しかしコストを最小にするためにかなり薄い管壁(例えば、4乃至6mm)で形成されることが好ましい。第2のオーバークラッド管21は、線引きされたファイバの所望のクラッド対コア質量比を達成するために基本的により厚い管壁(約28mm)であってよく、また第1のオーバークラッド管20のガラスよりもかなり安いガラスで形成されてもよい。
図3の上半分は、図2に示す長軸Aの周りに90度回転させたときのプリフォーム10の下部を示す。図3に示すように、ファイバプリフォーム10全体の下端16は、線引き工程の最初に縦型線引き炉14の口12に挿入するために安定した機械的な構成となるように配置される。
傾斜角Tは、図4に示す下向きの首の傾き13に近い形をしていて、それはファイバ線引き炉14の加熱ゾーン15で端部が軟化し、柔らかいガラス滴17を形成するときのプリフォーム10の下端を想定している。傾斜角Tを適切に選択すると、ファイバ線引きでプリフォーム10の有効な軸の長さを最大にすることが出来、またプリフォームからファイバ線引きの開始を容易にするための滴17のサイズを最小に出来る。
開示された実施例において、円筒状の栓(プラグ)22は、図1乃至図3に示されるように第2のガラスオーバークラッド管21の開放末端の内側に保持される。栓22は、例えば市販の天然のあるいは合成の溶融シリカ、あるいは同等の材料で形成される。開口24、26(図2)はドリルで開けられるか、あるいは管の下端で、かつ管軸Aに垂直な軸Oに沿って、直径の反対側に位置する管21の円錐形状の壁を通して形成される。栓22は、開口24、26のひとつを通して挿入され、栓の横穴30を通って管壁の開口26、24の反対側の開口と結合するピン28によって管21に固定される。ピン28は、例えば市販の合成溶融シリカ、あるいは同等の材料によって形成される。
プリフォーム10を組み立てるために、スペーサ25が第2のオーバークラッド管21の下端、あるいは末端を通して軸方向に挿入され、次いでコアロッドセグメント18を含む第1のオーバークラッド管20、それから栓22が挿入される。好ましい組立工程において、スペーサ25、コアロッドセグメント18、および栓22は最初に細長い管状のホルダの軸方向に入れられ、プラスチックの球、あるいはスペーサが(a)セグメントの向かい合う軸端面の間、(b)スペーサ25と再上端のロッドセグメントの間、および(c)栓22と最下端のロッドセグメントの間に配置される。この処置によって、管状のホルダの前後の開放軸端の間に、例えばHF酸を流し、続いて脱イオン化した水で洗い流すことによりスペーサ25、コアロッドセグメント18、および栓22がきれいに洗浄される。プラスチックスペーサはガラス部品25、18、22の間でクッションとして機能し、洗浄工程中の部品の擦り傷を防止する。
洗浄が完了すると、スペーサ25がホルダの前端から取り外されて第2のオーバークラッド管21の開口端に挿入される。第1のオーバークラッド管20がホルダと一直線に並べられ、プラスチックスペーサが外れるようにしながら、あるいはセグメント18が連続して第1のオーバークラッド管20の中に軸方向に端から端まで挿入されるように他の方法で取り除きながら、例えばホルダの後端から挿入された押し棒によってコアロッドセグメント18が連続的に管20の中に押し込まれる。
すべてのコアロッドセグメント18が第1のオーバークラッド管20に挿入されると、管20の最も近い、あるいは頂端がスペーサ25に突き当たりスペーサをハンドル穴27の中の突起に押し付けるまで、管20が第2のオーバークラッド管21の軸方向に挿入される。次いで、栓穴30の両端が傾斜した管壁の開口24、26と合うようにして栓22が管21の末端につけられ、ピン28が栓穴と壁の開口を通して挿入されて管21の末端に栓を固定する。好ましくは、ロッドセグメント18と第1のオーバークラッド管20は、例えば、管20の内周と挿入されたロッドセグメント18の外周の間に約1mm±0.5mmの半径方向間隙G1がある寸法とする。状況によってはより大きな間隙であってもよい。
組立てられた光ファイバプリフォーム10が炉14に入れる前のセットアップで図3に示すように垂直に向けられるとき、最下端にあるロッドセグメント18は管20の開放底端32(図2)から落ちないように栓22によって止められる。図4に示すように、線引き炉の口12を通過し、炉の加熱ゾーン15を通って下降すると、プリフォーム10の下端がガラスが軟化する温度(通常、少なくとも2100℃)に加熱され、図3の栓22とピン28が溶けて互いに融合する。最下端のコアロッドセグメント18と第1のオーバークラッド管20の一部もまた栓22の上方で軟化する。それからオーバークラッド管21は管20の上に縮径し、管20は軟化したロッドセグメントの上に縮径して滴17を生ずる。縮径段階は、例えば、従来型のRITプロセスを実行するときに一般的に採用されるような方法によってプリフォームの上端でロッドセグメント18と第1のオーバークラッド管20の間の間隙G1を部分的に約−26インチHgの真空にすることで補助してもよい。また好ましくは第1と第2の管20、21の間の別の半径方向の間隙G2も、例えば、スペーサ25に形成された溝、あるいは通路によって真空にされる。図6、および7を参照のこと。滴17が生成されると、従来通りの方法で炉14の中で連続的に光ファイバが線引きされる。
本発明によれば、プリフォーム10はかなり容易に、かつ線引き前にプリフォームの部材を互いに接合するために別途加熱する工程を必要とせずに構成される。そのような事前の工程を省略することにより、製造コストが大幅に低減され、プリフォーム10から得られる収量が増大する。さらに、いろいろなプリフォームサイズ、およびファイバの種類(例えば、シングル、あるいはマルチモード)が本発明によって実現できる。
組み立てられたら、プリフォーム10は炉中に配置され、第1と第2のオーバークラッド管20、21がコアロッドセグメント18の周りに縮径するまで加熱されるだけでもよい。それから、プリフォームは後ほどファイバ製造線引き炉で使うために炉から取り出してもよい。
外径D3が90mm乃至150mmの範囲のプリフォーム10の実施例の一般的な寸法、傾斜角、およびOH濃度が図2と関連付けて以下の表I〜IIIに示されている。

表I
D1(ロッドセグメント18のO.D.) 21mm乃至32mm
D2(第1のオーバークラッド管20のO.D.) 32mm乃至54mm
D3(第2のオーバークラッド管21のO.D.) 90mm乃至150mm
W1(管20の壁厚) 5mm乃至10.5mm
W2(管21の壁厚) 28.5mm乃至47.5mm
G1(間隙) 1±0.5mm(通常)
G2(間隙) 1±0.5mm(通常)
S1(栓22の露出端の軸長) 5mm乃至10mm
S2(栓22の軸長) (傾斜部の軸長+S1)
P1(ピン28の直径) 9.75mm乃至15.75mm
P2(ピン穴30の底と管20の端部との間の軸方向スペース) 15mm乃至20mm

表II
傾斜角
T 24乃至27度(約)

表III
第1の管20のOH濃度 ≦0.3ppm
第2の管21のOH濃度 ≧1.0ppm
図5は本発明による光ファイバプリフォームを組み立て、線引きのためにプリフォームをセットする方法の工程を示す。
工程50において、スペーサ25は第2のオーバークラッド管21の端部を通って挿入され、突起31に隣接した停止位置に配置される。工程51において、第1のオーバークラッド管20が第2のオーバークラッド管21に挿入され、コアロッドセグメント18が連続して管20の開口端の中に送り込まれる。工程52において、栓22が挿入され、第2のオーバークラッド管21の末端にピン28で固定され、こうして第1のオーバークラッド管20の先端をスペーサ25に押し付け、第1のオーバークラッド管20の末端32からロッドセグメントが落下することを防止する。工程54において、組み立てられたプリフォーム10の下端が炉、例えば図3および4の線引き炉14の内部に挿入される。
プリフォーム10の下端16が炉の加熱ゾーンの中に下降していき、工程56において、栓22が第2のオーバークラッド管21の周囲部分と融け合うまで加熱される。工程58において、管20、21が軟化した最下端のコアロッドセグメント18の周りに縮径し、その結果、所望の特性を有する光ファイバの線引きを開始するための滴17(図4)を形成する。
前記のように、ロッドセグメント18と第1のオーバークラッド管20の間の半径方向間隙G1に通じる部分的な真空はスペーサ25を通って第2のオーバークラッド管21と第1のオーバークラッド管20の間の間隙G2にも通じている。このことがプリフォーム10が炉の中で加熱されたときに管20の上への管21の縮径を容易にする。間隙G1と同様に、間隙G2の寸法は好ましくは約1±0.5mmである。
コアロッドセグメント18と関連するオーバークラッド管20、21は一緒にかつ同じ割合で線引き中に炉の加熱ゾーンを通過して下降していくことが重要であるので、オーバークラッド管に対するロッドセグメント18の垂直上方向への動き、あるいは滑りの可能性を阻止するための方策を講ずることが望ましい。コアロッドセグメント18の上端と接しているスペーサ25のような第1のオーバークラッド管20の頂点での阻止策は、線引き中のオーバークラッド管に対してすべてのセグメント18の位置を固定するように機能する。開示される実施例において、セグメント18はオーバークラッド管20、21に対して上下いずれの方向へも動きを抑制され、組み立てられたプリフォーム10のすべての要素が一定の割合で炉14の加熱ゾーン15を通過することが達成される。
多数積み重ねられたコアロッドセグメントと、少なくとも2つの異なる物理特性を持つ連続したオーバークラッド管からなる光ファイバプリフォームが、ここに開示される。コアロッドセグメントは1本の長いコアロッドから作られてもよく、その場合、セグメントは最も内側の管の内部で隣り合うセグメントの端面が互いに同一面にしっかりと積み重ねられ、積み重ねられたセグメントの有効長がオーバークラッド管そのものの長さに近くなるように、例えばダイヤモンドソーを使って切断される。本発明によって光ファイバプリフォームを形成するために3本、あるいは4本のオーバークラッド管が使われてもよい。第1のオーバークラッド管20はそれ自身が第2のオーバークラッド管21の内側に軸方向に保持された多数の管の切断片の形であってもよい。
例えば、90mmのODを有するプリフォームが壁厚が約5mmで、コアロッドと管の界面の品質をコントロールするために水酸基(OH)不純物濃度が約0.3ppmよりも多くない薄い第1のオーバークラッド管からなってもよい。品質に影響することなく、より安いファイバのクラッド材を得るために、壁厚が約28mmで水酸基不純物濃度が1.0ppm、あるいはそれ以上である第2のオーバークラッド管が使われてもよい。
コアロッドセグメント18は第1のオーバークラッド管20の全長いっぱいに充填するために切断してもよい。隣接するセグメントを同一面でしっかりと接合することは線引き工程にマイナスの影響を与えることはない(例えば、ファイバの断線はない)が、しかしラインスピードとファイバのクラッド径の変化という形で明確に識別可能な“形跡”を生じる。確認された接合部は、よく知られた技術と手順により線引きの後処理で除去できる。セグメントをあらかじめ溶接しないので、水酸基濃度が高まることはない。
要約すると、多重オーバークラッド管を使用するとコアロッドセグメントと第1のオーバークラッド管との間の界面を形成するために高品質のガラス(つまり、不純物の濃度が低い)を使うことが出来、外側のオーバークラッド管に厳しい品質を求める必要がない。こうしてより長いプリフォームとより大きなプリフォーム直径が実現でき、したがって高いファイバ品質を確保しながら工程の効率を改善でき、製造コストを低減できる。
これまで述べたことは本発明の好ましい実施例を示しているが、本発明の精神と範囲から逸脱することなく種々の改良、および変更が行われ得るものであることが当業者には理解されるであろう。例えば、本発明は前記米国特許6,460,378の多重管構成に、あるいはここに開示された実施例の栓22に類似する栓を組み込んでいない他の構成に適用が可能である。したがって、本発明は以下に添付する請求の範囲内にあるすべての改良、および変更を含むものである。
本発明による光ファイバプリフォームの正面断面図である。 図1のプリフォーム下部の詳細断面図である。 縦型線引き炉に挿入する前に、図2に示す軸の周りに90度回転したプリフォームの下部を示す図である。 図3の炉の加熱ゾーンに下ろされた後のプリフォーム下部の断面図であって、ファイバ線引きのための軟らかい滴の形成を示す図である。 本発明によるプリフォームの組み立て、およびプリフォームから光ファイバを線引きする段階を示す機能ブロック図である。 プリフォームの一部を形成するスペーサの拡大正面図である。 図6のスペーサの上面図である。
符号の説明
10 光ファイバプリフォーム
12 線引き炉の口
14 縦型ファイバ線引き炉
16 第2のオーバークラッド管の下端
17 ガラス滴
18 コアロッドセグメント
20 第1のオーバークラッド管
21 第2のオーバークラッド管
22 栓
23 中空の円筒状ハンドル
24、26 開口
25 ガラススペーサ
27 穴
28 ピン
29 第1のオーバークラッド管の上端
31 突起
32 第1のオーバークラッド管の末端

Claims (10)

  1. 多重オーバークラッドガラス管(20、21)を有する光ファイバプリフォーム(10)を組み立てる方法であって、
    外側オーバークラッドガラス管(21)を供給する工程を含み、前記外側オーバークラッドガラス管(21)は、軸と、前記ガラス管(21)の下部末端(16)に形成された開口と、壁厚(W2)と、前記プリフォーム(10)から線引きされたファイバコアの領域に存在するときには信号減衰の原因となる1または複数のドーパントまたは化学物質を含む所与の不純物の濃度とを有し、さらに、
    複数の内側オーバークラッドガラス管セクションを、前記外側オーバークラッドガラス管の内部で端から端まで軸方向に支持する工程を含み、これにより、軸と開放底端(32)と壁厚(W1)とを有する内側オーバークラッドガラス管(20)を形成し、前記外側オーバークラッドガラス管の前記所与の不純物の濃度は前記内側オーバークラッドガラス管の不純物の濃度よりも高いものであり、前記方法はさらに、
    前記内側オーバークラッドガラス管(20)の壁厚(W1)よりも実質的に厚い前記外側オーバークラッドガラス管(21)の壁厚(W2)を形成する工程を含み、これにより、線引きされたファイバについて所望のクラッド対コア比を達成し、前記外側オーバークラッドガラス管(21)の不純物の高い濃度に起因するファイバ内の信号減衰に実質的に影響を及ぼすことがなく、さらに、
    前記内側オーバークラッドガラス管(20)内に軸方向に1またはそれ以上のコアロッドセグメント(18)を挿入する工程と、
    最下端のコアロッドセグメント(18;図2)と前記内側オーバークラッドガラス管のセクション(20;図2)より下の前記外側オーバークラッドガラス管(21)の下部末端(16)における前記開口内でガラスプラグ(22)を固定する工程を含み、これにより、前記コアロッドセグメント(18)が前記内側オーバークラッドガラス管(20)の開放底端(32)から落ちるのを阻止し、前記プリフォーム(10)が炉内に降下する際に、前記外側オーバークラッドガラス管(21)内に前記内側オーバークラッドガラス管(20)のセクションが支持される、方法。
  2. 前記プラグ(22)を、前記外側オーバークラッドガラス管の前記下部末端(16)においてガラスピン(28)で前記外側オーバークラッドガラス管(21)に固定する、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記内側オーバークラッドガラス管(20)が5mm乃至10.5mmの壁厚(W1)を有するように前記内側オーバークラッドガラス管のセクションを形成し、28.5mm以上の壁厚(W2)を有するように前記外側オーバークラッドガラス管(21)を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 90mm乃至150mmの外側直径(D3)と28.5mm乃至47.5mmの壁厚(W2)とを有するように前記外側オーバークラッドガラス管を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 組み立てられた前記プリフォーム(10)を炉の中に配置する工程と、
    前記内側(20)および前記外側(21)オーバークラッドガラス管が前記コアロッドセグメント(18)の周囲に縮径するまで、前記炉の中で前記プリフォーム(10)を加熱する工程と、
    ファイバ製造炉中で後に使用するために前記炉から前記プリフォーム(10)を取り除く工程と、を特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 請求項1に記載の方法に従って、多重オーバークラッドガラス管(20、21)を有する光ファイバプリフォーム(10)を組み立てる工程と、
    線引き炉(図3および4;14)に入れるために前記外側オーバークラッドガラス管(21)の末端(16)を位置合わせする工程と、
    前記内側オーバークラッドガラス管(20)と前記コアロッドセグメント(18)とを含む前記外側オーバークラッドガラス管(21)を前記線引き炉(14)の中に下降させる工程と、
    前記内側および前記外側オーバークラッドガラス管(20、21)が前記線引き炉の中の加熱ゾーン(15)を通過するときに、前記内側および前記外側オーバークラッドガラス管を前記コアロッドセグメント(18)の周囲に縮径させて滴(17)を形成する工程と、
    前記滴(17)から光ファイバを線引きする工程と、を特徴とする光ファイバを線引する方法。
  7. 多重オーバークラッド光ファイバプリフォーム(10)であって、
    外側オーバークラッドガラス管(21)を含み、前記外側オーバークラッドガラス管(21)は、軸と、前記ガラス管(21)の下部末端(16)に形成された開口と、壁厚(W2)と、前記プリフォーム(10)から線引きされたファイバコアの領域に存在するときには信号減衰の原因となる1または複数のドーパントまたは化学物質を含む所与の不純物の濃度とを有し、さらに、
    複数の内側オーバークラッドガラス管セクションを含み、前記セクションが、前記外側オーバークラッドガラス管の内部で端から端まで軸方向に支持され、これにより、軸と開放底端(32)と壁厚(W1)とを有する内側オーバークラッドガラス管(20)を形成し、前記外側オーバークラッドガラス管の前記所与の不純物の濃度は前記内側オーバークラッドガラス管の不純物の濃度よりも高いものであり、
    前記外側オーバークラッドガラス管(21)の壁厚(W2)は、前記内側オーバークラッドガラス管(20)の壁厚(W1)よりも実質的に厚く、これにより、線引きされたファイバについての所望のクラッド対コア比を達成し、ファイバ内の信号減衰が、前記外側オーバークラッドガラス管(21)の不純物の高い濃度によっては実質的に影響を受けることがなく、前記プリフォームはさらに、
    前記内側オーバークラッドガラス管(20)内に軸方向に挿入された1またはそれ以上のコアロッドセグメント(18)と、
    最下端のコアロッドセグメント(18)と前記内側オーバークラッドガラス管のセクション(20;図2)より下の前記外側オーバークラッドガラス管(21)の下部末端(16)における前記開口内で固定されるガラスプラグ(22)とを含み、前記ガラスプラグ(22)は、前記コアロッドセグメント(18)が前記内側オーバークラッドガラス管(20)の開放底端(32)から落ちるのを阻止し、前記プリフォーム(10)が炉内に降下する際に、前記外側オーバークラッドガラス管(21)内に前記内側オーバークラッドガラス管(20)のセクションを支持する、プリフォーム。
  8. 前記プラグ(22)を前記外側オーバークラッドガラス管(21)の前記下部末端(16)に固定するような大きさと構成とを有するガラスピン(28)を特徴とする、請求項7に記載のプリフォーム。
  9. 前記内側オーバークラッドガラス管(20)の壁厚(W1)が5mm乃至10.5mmであり、前記外側オーバークラッドガラス管(21)の壁厚(W2)が28.5mm以上である、請求項7に記載のプリフォーム。
  10. 前記外側オーバークラッドガラス管(21)は、90mm乃至150mmの外側直径(D3)と28.5mm乃至47.5mmの壁厚(W2)とを有する、請求項7に記載のプリフォーム。
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