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JP5114476B2 - 広周波数域電気機械式アクチュエータ - Google Patents
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JP5114476B2 - 広周波数域電気機械式アクチュエータ - Google Patents

広周波数域電気機械式アクチュエータ Download PDF

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Description

本発明は、電気機械式アクチュエータ装置と、そのような装置を設計するための方法とに関する。
極度に小型化されたモータを必要とする多くの適用分野が存在する。例えば、消費者製品においては、極度に小型、軽量、低消費電力かつ安価なモータが一般に必要とされている。運動範囲は、多くの場合ミリメートルの程度であり、マイクロメートルの精度が要求される。例えば、高速、静かな移動、低消費電力、容易に制御される位置決め、および高い位置決め精度など、ある程度相反する複数の性能特性が一般に要求される。
高度に正確であり、同時に比較的容易に制御される位置決めを達成するために、「ウォーキング」機構、スティック−スリップ機構、「内部」位置決めまたはステッピング機構などのさまざまな運動機構が選択されている。そのような原理に従って動作するほとんどの装置に共通していることは、それらがアクチュエータと被移動本体との間の高度な静的接触を含むということである。位置精度は、かなりの程度まで、この静的接触に依存する。しかし、速度はしばしば比較的低く、装置はしばしばサブ超音波周波数で動作し、これは装置をうるさくする場合があり、また電力効率は比較的貧弱である。そのような装置の代表的な例は、米国特許第6,798,117号明細書で開示されている。
高速および高電力効率を達成するために、その他の運動機構が一般に利用される。それらの機構のほとんどに共通していることは、それらが機械的共振を何らかの方法で使用するということである。アクチュエータおよび/または被移動本体は、それにより励起されて振動し、その結果アクチュエータと被移動本体との間に発生する摩擦は、通常減少させられる。電力効率は一般に高くなる。ほとんどの場合、幾何学的寸法は、選択される周波数が超音波領域内となるようなものであり、それによって動作は人間の耳にとって比較的静かになる。しかし、位置決め精度、および/または例えば開始および停止シーケンスの容易な制御は達成することが困難である。そのような装置の代表的な例は、米国特許出願第2005/0073219号明細書で開示されている。
米国特許第5,345,137号明細書では、作動要素の他次元運動を可能にする超音波振動器の設計が開示されている。米国特許第6,066,911号明細書では、米国特許第5,345,137号明細書で提示された要素と多くの類似点を有する超音波駆動要素が開示されている。しかし、ここでは、相次いで配置された複数の作動要素が組み合わせられた超音波周波数運動を達成するために使用されている。
高精度に制御されるウォーキング機構のために、米国特許第6,066,911号明細書における発明に類似した主要な幾何学的設計が、代わりに有利に使用されてもよいということが、米国特許第6,798,117号明細書において後に示された。しかし、良好な動作特性を達成するためには、異なる詳細設計が好ましい。さらに、精密位置決め機構と、共振高速機構との両方について、良好に動作する従来の電気機械式アクチュエータは存在しない。
従来の電気機械式アクチュエータの一般的な問題は、電気機械式アクチュエータが精密位置決め機構と高速共振機構とを使用して選択的に動作することを可能にするための適切な設計がないことである。
したがって、本発明の目的は、精密位置決め機構に従って動作することと、高速共振機構に従って動作することの両方が可能な装置を提供することである。本発明のさらなる目的は、精密位置決め機構の装置と、高速共振機構の装置との間の相反する設計上の特徴における実施可能な妥協点を見出すことである。
上記の目的は、添付の特許請求の範囲による装置および方法によって達成される。一般的に述べると、共通アクチュエータバックボーンによって相互接続された少なくとも2つのバイモルフ、モノモルフ、またはマルチモルフ電気機械式作動要素を使用する一般的な設計が使用される。作動要素は、長手方向、すなわち作動要素の主要な延伸方向と、撓み方向、すなわち作動要素の曲げとの両方において、別々に制御可能である。同様に、異なる作動要素は個別に制御可能である。好ましくは、アクチュエータの寸法は、特定の周波数付近で、これらの2つの運動モードの両方の共振周波数を提供するように選択される。作動要素は相互作用部とともに提供され、相互作用部ではアクチュエータと被移動本体との間の任意の接触が行われる。精密位置決めと共振運動との両方において動作するために、相互作用部は作動要素と被移動本体との間の音波の伝達を部分的に抑止するように配置されている。
好ましくは、電気機械式バイモルフ、モノモルフ、またはマルチモルフボリュームと、相互作用部との間に、音響インピーダンスのかなりの不一致が存在する。同様に、音波の伝達の抑止が、作動要素とアクチュエータバックボーンとの間、またはアクチュエータバックボーンと、アクチュエータバックボーンを機械的に支持しているアクチュエータ固定子部との間のいずれかに提供される。好ましい実施形態では、相互作用部は、精密位置決めに対する要求と高速共振運動に対する要求との間の妥協点である弾性を有する。相互作用部および作動要素の長手方向の圧縮は、作動要素の長手方向の最大延伸の10%〜90%の内側でなければならない。同様に、相互作用部および作動要素の横剪断(transversal shearing)は、作動要素の最大曲げストロークの10%〜90%の内側でなければならない。さらなる好ましい実施形態では、相互作用部を含む作動要素は長手方向振動および/または曲げ振動の共振に20未満のQ値を与えるように設計され、そしてさらに好ましくは10未満のQ値を与えるように設計される。
本発明、およびそのさらなる目的と利点は、以下の説明を添付の図面と一緒に参照することによって、最も良く理解され得る。
本発明に係るモータの実施形態を示すブロック図である。 異なる条件における作動要素の長手方向への延伸の関係を示す概略図である。 共振Q値が異なる場合の影響を示す図である。 本発明に係るアクチュエータの実施形態を示すブロック図である。 図4に示すアクチュエータの作動要素の振動状態を示す概略図である。 異なる境界条件を有するビームについての撓み共振モードを示す図である。 異なる境界条件を有するビームについての撓み共振モードを示す図である。 異なる境界条件を有するビームについての撓み共振モードを示す図である。 本発明に係るアクチュエータの別の実施形態を示すブロック図である。 図7に示すアクチュエータの振動状態を示す概略図である。 本発明に係るアクチュエータのさらに別の実施形態を示すブロック図である。 図9に示すアクチュエータの振動状態を示す概略図である。 本発明に係るアクチュエータのさらなる実施形態を示すブロック図である。 本発明に係る方法の実施形態を示すフローチャートである。 本発明に係る動作方法の実施形態を示すフローチャートである。
本発明は、高速共振動作と精密位置決め動作との間の相互作用における基本的機構へのいくつかの新しい洞察に基づいている。共通アクチュエータバックボーンによって相互接続された電気機械式バイモルフを含む2つの作動要素を利用した設計が、精密位置決めにおいてうまく使用されており、そして、同様の設計が共振装置においても使用されることを少なくとも提案するために、詳細な説明は主としてそのような装置に関する。
図1は、そのようなアクチュエータ設計の基本的実施形態を示している。電気機械式モータ1は、被移動本体2に対する運動を達成するように配置されたアクチュエータ3を具備する。アクチュエータ3は、この実施形態では、共通アクチュエータバックボーン5に機械的に接続された2つの作動要素6を具備する。作動要素6は、アクチュエータバックボーン5とは反対側の端に配置された相互作用部7によって、本体2と時々接触する。アクチュエータバックボーン5は、アクチュエータ3のハウジングを一般に構成するアクチュエータ固定子部4によって支持されている。作動要素6は、作動要素に沿った主要な延伸部を有するモノモルフ、バイモルフ、またはマルチモルフとして配置された電気機械式能動ボリューム8を具備する。本実施形態ではバイモルフを示している。
電気機械式能動ボリューム8は、本実施形態において、および以下のほとんどの例において、圧電材料を含んでいる。しかし、電歪材料などのその他のタイプの電気機械式材料を、作動要素を構築するために使用することも可能である。本実施形態では、能動ボリューム8は圧電バイモルフであり、バイモルフの2つの部分は圧電層の多層スタックと励起電極とによって構築されている。この実施形態では、圧電層電極は、作動要素6の主要な延伸に対して垂直に、すなわち主変位方向9に本質的に平行に向けられる。代替の実施形態では、電極を有する能動ボリュームも、同様に主変位方向に向けられてもよい。バイモルフの異なる部分を、異なる電圧信号によって励起することにより、作動要素6は、曲げられること、あるいは、長手方向Lに延伸または圧縮されることが可能であり、すなわち、相互作用部7は本体の主変位方向9に平行な方向、および本体の主変位方向9に垂直な方向の両方に移動させられる。
高速かつ効率的な動作を達成するための一つの方法は、1つまたは複数の共振モードに対応する周波数でモータを駆動することである。1つの長手方向共振モードが、少なくとも1つの撓み共振モードと本質的に同じ共振周波数を有するように、モータを設計することが、特に好都合である。そのようにして、相互作用部7の上昇および解放をもたらす長手方向の移動と、本体2の変位をもたらす撓み移動との両方が、所与の印加電圧信号に対して拡大されることが可能である。共振モードのうちの1つのみを利用するモータを設計することはもちろん可能である。通常、設計はコンピュータ援用の数値法を使用して行われ、片持ち梁の長手方向モードについての周波数の大まかな見積もりは、
Figure 0005114476
であり、上式においてLは片持ち梁の長さ、Yはヤング係数、そしてρは密度である。撓み共振モードは、
Figure 0005114476
を用いて評価することができ、上式においてtは厚さ、Kは次数nのモードにおける定数である。それらの定数Kは、片持ち梁の境界条件と、共振の次数nとに大きく依存する。
長手方向および撓みの同時共振のためのモータを設計するには、作動要素の好適な周波数を得るための長さが最初に選択される。例えば20kHzよりも大きな不可聴範囲内の周波数を選択することが望ましい。第2に、撓み共振を長手方向共振と一致させるための要素の厚さが選択される。上記の関係により、理想的な細長い片持ち梁の厚さは、おおよそ次に従って選択される。
Figure 0005114476
定数Kは、モータがどのように設計されているかということと深い関係があり、これについては以下でさらに述べる。厚さにおけるこの選択は、バッキングへの規定された取り付けを有する理想的な細長い作動要素についてのみ最適である。しかし、厚さは、その他の場合についても近似して使用されてもよく、それによって共振を微調整するため、実際にはいくらかの調整が必要となる。
本発明によれば、そのようなアクチュエータにおいて、相互作用部は非常に重要な構成要素であることが見出された。
微細ウォーキングの性能の解析を試みる際に以下のような制限が発見された。その制限というのは、作動要素が収縮している場合に、アクチュエータの得られる伸びの変化の合計は被移動本体と接触しないことを確実にするために十分なほど大きくなければならないという制限である。言い換えると、新しい「ステップ」を開始するために元の位置に戻るべきである場合に、作動要素はいかなる摩擦もなしに自由に移動することを許可されるべきである。これは、アクチュエータのすべての相互作用部に対して、そして表面の共平面性に対して、いくらかの制限を加える。ウォーキング機構による制御された位置決めを達成するには、相互作用部は脚部の延伸の小さな部分内で同一平面上になければならない。長手方向における特定の要素延伸を仮定する場合、ウォーキング中の良好な制御を保証するためには、脚部はこの値の10分の1以内で平面的であることが好ましい。
説明したモータのタイプは、作動要素と被移動本体との間の特定の摩擦動作に基づく。したがって、そのようなアクチュエータは、相互作用部を被移動本体に押し付ける何らかのタイプの垂直力を必要とする。相互作用部が非常に弾性的である場合、垂直力は相互作用部を(およびある程度は電気機械式ボリュームも)圧縮する。強すぎる垂直力、または非常に軟らかい相互作用部は、相互作用部が作動要素のいかなる延伸においても本体から解放されることができないということを、もたらす。したがって、いかなるウォーキング運動を実行することもまったく不可能となる。言い換えると、相互作用部は弾性的でありすぎてはならず、その理由は、意図される最大垂直力にさらされる場合に、作動要素の可能となる長手方向の延伸は、一定の余裕を伴ってアクチュエータのいかなる圧縮も超えなければならないからである。
さらに、準静的微細ウォーキングの間は硬質な相互作用部が好ましい。作動要素および相互作用部におけるいかなる弾性も、ウォーキング動作におけるステップ長さを減少させ、その結果として速度などが減少する。例えば位置決め分解能などの精密位置決め制御も、硬質な脚部、および特に硬質な相互作用部を使用することによって大幅に改善される。
他方、共振性能の解析を試みる際に、硬質な相互作用部は避けるべきであるということが発見された。硬質な相互作用部を有する作動要素の共振運動は、通常相互作用面に大規模な摩耗を生じさせる。さらに、モータは不可避的に内部電力損失を有するため、熱を作動要素から除去してモータハウジングに輸送しなければならない。これは、精密位置決めの間よりも高速動作においてより重要である。さらに、多くの場合、非常に静かな相互作用部を有する共振アクチュエータは、被移動本体の(そして特にその表面の)特性、駆動条件、垂直力などを制御することが困難になる可能性がある多くの要因に大きく依存する。これは、いかなるモータにおいても好ましくなく、そして、堅牢でさまざまな適用例に適応可能となる必要があるモータにとっては、特に好ましくない。例えば、共振周波数が駆動条件に影響される場合、電力効率をできるだけ良好に利用するために共振周波数を追跡する駆動電子回路を有する必要がある。しかし、そのような駆動電子回路は、複雑かつ高価である。
理想的には、共振器および共振周波数への影響がほとんど、またはまったくなしに出力作業が行われるために、共振エネルギーのうちのごく一部が使用されるように、モータの動作に使用される共振器は構築されるべきである。これが、ウォーキング機構のために最適化されたモータは通常共振動作のためにそれほど好適ではない、という理由である。したがって、課題は両方の動作モードにとって許容可能な妥協点を見出すことである。
アクチュエータバックボーンによって相互接続された作動要素に基づく配置において、作動要素と被移動本体との間の音波の伝達を部分的に抑止するように相互作用部が配置されている場合に、共振動作はうまく働くように見える。これは、被移動本体によって反射され、変更された波の共振動作への影響を減少させる。これは、作動要素の残りの部分と比較した音響インピーダンスのかなり大きな不一致を有する相互作用部の使用によって達成されてもよい。最も単純な実装は、異なる密度および/または弾性係数を有する相互作用部を使用することである。相互作用部の断面が、長手方向に沿って段階的なやり方で変化する場合、音波は、やはり、かなりの程度まで反射される。
共振動作において、共振は作動要素を通して伝播している一連の音波として考えられてもよい。波はさまざまな境界において、そして共振条件において反射され、定常波がさまざまな波の間の正の干渉によって形成される。被移動本体との接触がない場合は、本質的にすべての音波が反射される。ごく少量の音響エネルギーが、圧力波として周囲の媒体内に放射される。しかし、作動要素が本体と接触している場合に条件は変化する。作動要素の残りの部分と同じ音響インピーダンスを有する相互作用部を有することによって、作動要素内で得られる音響エネルギーの大部分は本体に伝達されることが可能であり、そしてその逆も可能である。好ましくは、接触に依存した挙動を回避し、安定した堅牢な動作を得るために、音響要素と被移動本体との間に音響的不一致が存在すべきである。
しかし、作動要素自体の内部での固有の反射を増加させることによって、音響エネルギーの伝達は減少させられてもよい。理想的な場合、境界面における音波の反射率Rは、
Figure 0005114476
として表されてもよく、上式においてZ およびZ は境界面の各側におけるボリュームの音響インピーダンスであり、そして、透過率Tは、
T=1−R
として表されてもよい。
したがって、音響インピーダンスの差によって、より多くのエネルギーが反射されるということが理解される。その場合に、共振している物体の機械的運動として蓄積されるエネルギーは大きくされてもよく、ごく一部のみが境界面を越えて伝達されてもよい。したがって、相互作用部の音響インピーダンスと、作動要素の残りの部分の音響インピーダンスとの間の大きな不一致は本体と作動要素との間のエネルギーの交換を減少させる。好ましくは、不一致は50%よりも大きい。しかし、不一致は、本体の移動動作を実行するのに十分ないくらかのエネルギーが撓み方向に伝達されることを可能にするのに十分なほど大きくなければならない。特に長手方向における音響エネルギーの交換を減少させることによって、共振動作に対する本体の影響も減少し、それによって共振周波数を追跡する必要は減少するか、または完全になくなる。
さらに、音響インピーダンスZは、おおよそ
Figure 0005114476
であり、上式において、Yは弾性係数、ρは密度である。これは、主作動要素の電気機械式材料よりも弾性的である相互作用部が、そのようなインピーダンス不一致を生じさせるということを意味している。さらに、相互作用部の増加させられた弾性は摩耗の問題を減少させるので、ある程度弾性的な相互作用部が好ましい。しかし、剛性は適切な精密位置決め動作を確実にするのに十分なほど大きくなければならない。
一般に、相互作用部は、理想的なウォーキング相互作用部よりもはるかに弾性的でなければならない。良好な妥協点は、所与の垂直力に対して、脚部の長手方向の総延伸の一部である相互作用部の長手方向における形状を変化させる弾性を有することである。これは図2に概略的に示されている。図2の左側には、アクチュエータが無荷重かつ無延伸である状況を示している。作動要素の電気機械式部分は、長さL0を有し、相互作用部は厚さD0を有する。図2の中央には、垂直力Fを使用してアクチュエータが荷重された状況を示している。作動要素の電気機械式部分は、長さL1まで圧縮され、相互作用部はその厚さをD1まで減少させている。作動要素の電気機械式部分の圧縮は、C1=L0−L1であり、相互作用部の圧縮はC2=D0−D1である。図2の右側では、作動要素が長手方向に励起されており、作動要素の電気機械式部分は長さL2を示し、一方で相互作用部は本質的にD1の厚さを依然として有している。したがって、作動要素の最大延伸はE=L2−L1である。この図から、ウォーキング機構で動作することが可能となるためには、右端の状況の相互作用部の表面が、左端の状況の相互作用部の表面よりも上でなければならない。言い換えると、
L0+D0<L2+D1
であり、これは、
L0−L1+D0−D1<L2−L1
すなわち
C2+C1<E
と同等である。
したがって、相互作用部および作動要素の長手方向の圧縮は、適度な余裕を伴って、作動要素の長手方向の最大延伸の90%未満でなければならず、好ましくは75%未満である。
上記でさらに述べた共振動作のために必要とされる剛性も、対応する言葉で表現されてもよい。したがって、相互作用部および作動要素の長手方向の圧縮は、作動要素の長手方向の最大延伸の10%よりも大きくなければならず、好ましくは25%よりも大きい。
前述の説明は、ある程度まで、接線方向の弾性、すなわち曲げ/撓み方向における弾性についても有効である。モータの所望の接線力出力において、相互作用部の(および、作動要素自体の)剪断/曲げ変形は、作動要素の接線方向の総移動の一部のみでなければならない。ここでも、実際的な上限は90%、そして好ましくは75%であり、一方、以下で述べるように下限は存在しない。適用例に応じて、好ましい割合は長手方向の弾性と接線方向の弾性とについて別個に異なるように選択されてもよく、その理由は、大きな割合を使用する場合には、共振動作はより堅牢に、かつ適用例の環境の影響をより受けにくくなり、一方で、より小さな割合を使用する場合には位置決め性能は向上するからである。適用例は、場合によっては強い力の出力を要求し、この場合には接線方向の弾性の選択がより重要になる。
本体とアクチュエータとの間における音波の伝達の部分的抑止は、共振周波数のさまざまな駆動条件への依存性を減らすのに役立つ。しかし、その他の設計特性も、同様の結果を提供してもよい。共振の良好度(goodness)(Q)は、共振時の特定の変位と、静的条件における同じ変位との間の比にしばしば密接に関連している。別の一般的定義は、共振動作における共振周波数と半値全幅尺度(full−width half−maximum measure)との間の比を使用することである。どのような定義が使用されるかに関係なく、高いQを有する、すなわち高度のエンハンスメント(enhancement)を有する共振は、共振が発生する狭い範囲も有する。電気機械式モータ内で高いQの共振が使用される場合、動作は周波数の変化に非常に敏感になる。しかし、Q値を意図的に減少させることにより、許容可能なエンハンスメントが達成される周波数領域は増加する。
これは、図3に概略的に示している。曲線100によって示している高いQの共振は、共振周波数fの周囲の比較的狭い周波数範囲Δf1内で達成することが可能である。例えば、共振振動ストロークなどの問題の量の動的な値は、静的ストロークについてのδ1staと比較して、δ1dynまで増加させられる。曲線101で示しているより低いQ値を有する共振は、より低い最終エンハンスメントδ2dynを提供する。しかし、その代わりに、許容可能なエンハンスメントはより広い周波数範囲Δf2内で提供される。上記の説明を考慮すると、相互作用部のタイプと音響インピーダンスとは、所与の適用例における駆動条件の所与の変化に対して、周波数偏移をできるだけ小さくするように選択されてもよい。次に、取得された可能性のある周波数偏移は、共振器の適切なQ値を選択するために使用されてもよい。小さな周波数偏移ならば、条件が変化した場合にあまりにも多くの性能を失うことなしに、Q値はある程度大きく選択されてもよい。同じように、大きな周波数偏移ならば、いかなる性能であれ、条件が変化した場合に得られることが可能であることを確実にするためには、Q値はある程度低く選択されなければならない。
実際的な実験および設計配慮から10前後のQを有する共振が一般的であることが見出された。実際的に使用可能なQ値の適度な範囲は5〜25であると見積もられてもよい。
Q値を変更する一つの方法は、共振器内、一般的な場合には作動要素内とバックボーン内との両方、ならびに中間構成要素、相互作用部およびハウジングにおいて、高いQ値材料と低いQ値材料との比率を変更することである。別の方法は、音響エネルギーの一定の割合が、共振器から周囲の構成要素に散逸することを可能にすることである。例えば、ハウジングは、通常セラミックユニットを保護するためにポリマーで満たされており、これはQ値を減少させる減衰効果を有する。機械的Q値に関しては、圧電セラミック材料自体が選択されてもよい。
図4は、本発明に係るアクチュエータ3の一実施形態を示している。アクチュエータ3は、共通バックボーン5に取り付けられた2つの「脚部」すなわち作動要素6を具備している。本実施形態では、作動要素6は、接着剤11によってバックボーン5に取り付けられている。しかし、他の実施形態では、例えば蝋付け、はんだ付けおよび共焼結などのさまざまなその他の取り付け方法が使用されてもよい。本実施形態では、作動要素6とバックボーン5との間の接着剤11は、その固定特性に加えて、少なくとも部分的に作動要素6の音響挙動をバックボーン5の音響挙動から分離する。その場合に、作動要素6の振動特性は、内部要素の特性に主に依存し、軽微な程度だけバックボーン5の特性に依存する。しかし、バックボーン5に面している作動要素6の端13はその運動が制限される。
図示しているアクチュエータ3は線形であり、2つの作動要素6は被移動本体(この図には図示せず)の主変位方向9内で一列に相次いで配置されている。代替の実施形態では、例えば3つのそのようなユニットを円形に取り付けることによって、回転アクチュエータを作成してもよい。作動要素6は、撓み共振(すなわち、曲げ)と本質的に同じ周波数における長手方向共振を有するように寸法が決定されている。通常は、第1の基本的な長手方向共振トーンが使用される。これらの作動要素6が、例えば正弦波信号などの位相シフト信号を使用して駆動される場合、作動要素6の上の相互作用部7は楕円軌道14に沿って移動する。この実施形態では、作動要素6は望ましくない共振モードを避けるために厚さよりも幅の方が大きくなる。バックボーン5は、この実施形態ではアクチュエータハウジングでもあるアクチュエータ固定子部4に対して接着剤12または何らかのその他の取り付け方法を使用して固定されている。アクチュエータ固定子部4は、この実施形態では高い剛性を有する材料で作られているだけでなく、高い剛性を有するように成形されており、そして共振しているユニット、すなわち作動要素6、および、ある限られた程度まではバックボーン5とアクチュエータ固定子部4自体との間の音響的不一致をもたらす。寸法および材料は、上記の一般的説明に従って被移動本体が相互作用部7に選択された垂直力Fおよび所望の出力接線力Tで押し付けられる場合に、共振周波数における小さな差が得られるように選択されている。このようにして、アクチュエータはその特定の適用例においてうまく動作する。
図5は、図4の実施形態の作動要素6のうちの1つの主要な振動特性を示しているが、ただし、見る人にとって可視となるようにするため、大きさは極度に誇張されている。相互作用部を楕円経路内で移動させるために、曲げまたは撓み運動を長手方向の拡張/収縮運動と組み合わせることが可能であるということが分かる。その他の作動要素は、特定の適用例では、第1の作動要素に相対的な予め定められた位相シフトを用いて同様の方法で駆動されてもよい。
上記の本開示において、好ましくは、撓み運動の共振は長手方向の拡張/収縮と組み合わせられるということを述べた。しかし、撓み信号は比較的複雑であり、いくらかの追加の説明が有用な可能性がある。図6Aには、連続的で均質な片持ち梁ビーム50を示している。ビーム50は、この実施形態では、第1の端52においてビーム50の振動動作を制限する基礎55に固定されている。したがって、ビーム50は第1の端52において、いかなる変位も傾斜も示すことは許されない。逆に、ビーム50の第2の端51は自由に移動でき、すなわち変位および傾斜の両方が許可される。
第1の共振振動モード70は、静止ビームの中心線76の2つの極端なストローク61、62によって質的に示されている。第1のノード60、すなわち常に中心線76上に位置しているビーム50の点は、基礎55への取り付け点、すなわち第1の端52に存在している。この第1のノード60は基礎55に向けての境界条件の結果である。第1の振動モード70は、上述の境界条件を有するビーム50の基本撓み共振振動である(すなわち、次数n=1)。これは、ビームのすべての部分が、同じ方向のストローク63を常に示すという事実によっても見ることができる。言い換えると、ビームの第2の端51が上方に曲げられている場合には、ビーム50のすべての内部部分が(第1のノードの点を除き)同様に中心線76の上に位置している。振動モード70は、関係(1)に関する場合、定数K freeと関連付けられる。薄く細長いビームの場合、K free≒3.52である。
第2の共振振動モード71は、静止ビームの中心線76の2つの極端なストローク68、69によって質的に示されている。第1のノード60は、ここでも同様に基礎55への取り付け点、すなわち第1の端52に存在している。第2の振動モード71は、上述の境界条件を有するビーム50の2次の撓み共振振動である(すなわち、次数n=2)。これは、ビームの2つの部分が反対方向の同時ストローク64、65を常に示すという事実によっても見ることができる。言い換えると、ビームの第2の端51が上方65に曲げられている場合、それにもかかわらずビーム50の一部の内部部分は中心線76の下64に位置している。これは、通常ビームの内部にノード66を生じさせる。振動モード71は関係(1)に関する場合、定数K freeと関連付けられる。薄く細長いビームの場合、K free≒22.0である。
基本共振周波数を使用して作動要素の厚さを適合させる問題を考慮する場合、必要とされる厚さは長さよりも約50%大きいということが認識されている。これは、一般的な設計において達成することは多少困難な場合がある。(さらに、定数の計算は細長い片持ち梁を仮定しており、これはこの関係が適切なものではないということを示す可能性がある。)しかし、2次の共振の使用は、作動要素の厚さと長さとの間のほぼ1/4程度の比を提供し、これは設計の観点からはより妥当である。
しかし、実際には、作動要素の撓み振動は上述のように理想的ではない。作動要素はその第2の端において被移動本体と相互作用するため、その他の境界条件が振動サイクルの少なくとも一部の間で有効である。図6Bに、別の連続的で均質な片持ち梁ビーム50を示している。ビーム50は、この実施形態では第1の端52においてビーム50の振動動作を制限する基礎55に固定されている。したがって、ビーム50は第1の端52において、いかなる変位も傾斜も示すことは許されない。これに対して、ビーム50の第2の端51は、第2の端の傾斜は許可されるような方法で本体56と接触している。この境界は強制されるヒンジ機能を示す円53によって表されている。
第1の共振振動モード72は、静止ビームの中心線76の2つの極端なストローク61、62によって質的に示されている。第1のノード60は、前述同様に第1の端52に存在している。第2のノード67は、境界条件の結果として第2の端51に存在している。第1の振動モード72は、上述の境界条件を有するビーム50の基本撓み共振振動である(すなわち、次数n=1)。これは、ビームのすべての部分が同じ方向のストローク63を常に示すという事実によっても見ることができる。言い換えると、ビームの内部の一部分が上方に曲げられている場合、ビーム50のすべての内部部分が(第1および第2のノードの点を除き)同様に中心線76の上に位置している。振動モード72は、関係(1)に関する場合、定数K tiltと関連付けられる。薄く細長いビームの場合、K tilt≒15.4である。
第2の共振振動モード73は、静止ビームの中心線76の2つの極端なストローク68、69によって質的に示されている。第1のノード60は、ここでも同様に第1の端52に存在し、そして第2のノード67は第2の端51に存在している。第2の振動モード73は、上述の境界条件を有するビーム50の2次の撓み共振振動である(すなわち、次数n=2)。これは、ビームの2つの部分が反対方向のストローク64、65を常に示すという事実によっても見ることができる。言い換えると、ビームの一部分が上方65に曲げられている場合、それにもかかわらず、ビーム50のいくらかのその他の内部部分は中心線76の下64に位置している。これは、通常ビームの内部にノード66を生じさせる。振動モード73は、関係(1)に関する場合、定数K tiltと関連付けられる。
図6Cにさらに別の連続的で均質な片持ち梁ビーム50を示している。ビーム50は、この実施形態では第1の端52においてビーム50の振動動作を制限する基礎55に固定されている。したがって、ビーム50は、第1の端52においていかなる変位も傾斜も示すことは許されない。ビーム50の第2の端51は、本体56との接点によって変位も傾斜も許されないような方法で同様に固定される。
第1の共振振動モード74は、静止ビームの中心線76の2つの極端なストローク61、62によって質的に示されている。第1のノード60は、前述同様に第1の端52に存在している。第2のノード67は、境界条件の結果として第2の端51に存在している。ここで、境界条件が図4Bとは異なるため、ビームのストロークは、第2のノード67の近くでは、特に異なっているということに留意されたい。第1の振動モード74は、上述の境界条件を有するビーム50の基本撓み共振振動である(すなわち、次数n=1)。これは、ビームのすべての部分が同じ方向のストローク63を常に示すという事実によっても見ることができる。言い換えると、ビームの内部の一部分が上方に曲げられている場合、ビーム50のすべての内部部分が(第1および第2のノードの点を除き)同様に中心線76の上に位置している。振動モード74は、関係(1)に関する場合、定数K fixと関連付けられる。薄く細長いビームの場合、K fix≒22.4である。
第2の共振振動モード75は、静止ビームの中心線76の2つの極端なストローク68、69によって質的に示されている。第1のノード60は、ここでも同様に第1の端52に存在し、そして第2のノード67は第2の端51に存在している。第2の振動モード75は、上述の境界条件を有するビーム50の2次の撓み共振振動である(すなわち、次数n=2)。これは、ビームの2つの部分が、反対方向のストローク64、65を常に示すという事実によっても見ることができる。言い換えると、ビームの一部分が上方65に曲げられている場合、それにもかかわらず、ビーム50のいくらかのその他の内部部分は中心線76の下64に位置している。これは、通常ビームの内部にノード66、すなわちゼロのストローク大きさを示す内部位置を生じさせる。振動モード75は、関係(1)に関する場合、定数K fixと関連付けられる。
作動要素が被移動本体と接触せずに移動する場合は、図6Aの条件がかなり適切に状況を説明すると考えられる。しかし、作動要素が被移動本体と接触する場合は、おそらく図6Bおよび図6Cの条件との類似性がある異なる条件が発生する可能性がある。理解されるように、自由端構成の基本撓み片持ち梁周波数を使用することは非常に困難であり、その理由は、共振周波数は第2の端がどのように固定されているかに極度に敏感だからである。しかし、使用される周波数を、(K freeに対応する)自由端を有するビームの第2の共振周波数の領域内に調整することにより、これらの問題は大幅に減少する。この共振周波数は、図6Bおよび図6Cによるビームの基本共振周波数の付近に位置しているため、図6Aの2次の振動モードと、図6Bまたは図6Cにある程度類似した基本振動モードとの間の移行が容易になる。適用される周波数は、両方の場合に共振周波数に近く、したがって、良好なエンハンスメント特性を示す。言い換えると、定数K free、K tilt、およびK fixはお互いに比較的近くに位置している。
類似した周波数を同様に有するより高次の曲げ振動モードを見出す可能性がある。現在のところ、ゼロのストロークの大きさを示す各作動要素内の内部位置を1つより多くは有さない曲げ振動モードが、ほとんどのモータ設計において最も実際的な選択肢である。しかし、定数K free、K tilt、およびK fixの間で同じ有利な類似性を示すより高次の組み合わせが、ある特定のモータ設計において使用される可能性があると信じられており、そして、一般にm=n+1である。言い換えると、第2の曲げ振動モード、すなわち2つの固定端、または1つの固定端と1つのヒンジ連結された端のいずれかを有するビームのモードは、第1の曲げ振動モード、すなわち1つの固定端と1つの自由端とを有するビームのモードよりも、一般に1ステップ低次である。
類似した周波数における長手方向の共振を提供するために、作動要素の厚さを調整する場合、作動要素からの良好な駆動特性が期待される。
バックボーンは、モータまたはアクチュエータの重要な部分であり、いくつかの機能を有する。本発明において、高速移動は共振によって行われ、共振器は常にバックボーンをある程度含んでいる。図4の実施形態における接着剤はこの依存性を減少させるが、いくらかの残りの依存性が常に存在する。共振している部分が作動要素自体のみであるモータを有することがもちろん望ましいが、機械的振動は作動要素と最も密接に機械的に接触している構成要素を常にある程度含んでいる。本発明のいくつかの実施形態では、バックボーン自体が共振器の励起においてより重要な役割を果たすように設計されていてもよい。図7は、本発明に係るアクチュエータの別の実施形態を示す。本実施形態では、アクチュエータ3は、共通バックボーン5に取り付けられた4つの「脚部」すなわち作動要素6を具備している。本実施形態では、作動要素6は、共焼結によってバックボーンに取り付けられており、音波がバックボーン5と高度に交換されることを可能にするインタフェース15が提供されている。これは、作動要素6とバックボーン5との間の音響結合が非常に良好であり、アクチュエータ3全体がバックボーン5と作動要素6との両方における運動を含むモードで振動するということを意味している。バックボーン5は、この実施形態では、非電気機械式能動材料を含み、あらゆる振動は作動要素6内の電気機械式ボリュームの動作によって、インタフェース15における機械的接続を介して励起される。作動要素内の能動材料は、横方向の収縮を示し、これはインタフェース15においてバックボーン5の曲げに影響を及ぼす。したがって、バックボーン5は振動に受動的に参加することを許可される。
代わりに、バックボーン5と、この実施形態ではハウジングであるアクチュエータ固定子部4との間の音響結合は、弱く作成されている。本実施形態では、バックボーン5はハウジングに取り付けられたピボット支持体16上に配置され、これはピボット支持体16の位置においてノードを有するバックボーン5の曲げモードが優先されることを意味している。その理由は、このような場合には音響エネルギーのうちの非常に少量がアクチュエータ固定子部4に伝達されるからである。ピボット支持体16は、2つの中央の作動要素の外側に対照的に配置されているが、2つの外側の作動要素の内側に対称的に配置されている。代替の実施形態では、ピボット支持体を単にハウジングの表面に対抗して支持しているバックボーン5の部分として設計してもよい。
図8は、図7のアクチュエータにおけるいくつかの可能な振動モードを示す。バックボーンは、本質的にピボット支持体の位置におけるノードを有する曲げ運動を本質的に実行する。そのような曲げは作動要素6を長手方向で上下に移動させる。長手方向の運動は、この実施形態では、共振動作の間、作動要素自体の拡張/収縮に取って代わってもよく、または組み合わせが利用されてもよい。共振周波数におけるいかなる相関性も考慮する必要はなく、作動要素の設計にはより大きな自由度が存在する。しかし、少なくとも低い周波数において長手方向の拡張を利用する可能性は存続しなければならず、その理由はそのような拡張は精密位置決めの間に使用されるからである。作動要素自体の曲げ共振は、被移動本体に変位方向の運動を与えるために使用されることが可能となるような運動を達成する可能性を提供する。
図9は、本発明に係るアクチュエータモータのさらに別の実施形態を示す。アクチュエータ3は、本実施形態でも同様に共通バックボーン5に取り付けられた4つの「脚部」すなわち作動要素6を具備している。しかし、この場合、作動要素6はノードとは別個の位置に配置される。少なくとも2つの異なる振動モードを可能にするために、バックボーン5はアクチュエータ固定子部4上に非対称的に配置される。したがって、本実施形態はバックボーンを共振器内でも能動的に使用する。
図10は、図9のアクチュエータにおけるいくつかの可能な振動モードを示す。バックボーンは曲げ運動を本質的に実行する。ノードは作動要素6に対して非対称的に位置しているので、そのような曲げは作動要素6を長手方向で上下に移動させ、それと同時に前後の傾斜運動を示す。前述同様に、この実施形態では、共振動作の間、長手方向の運動は作動要素自体の拡張/収縮に取って代わってもよく、または、組み合わせが利用されてもよい。しかし、ここでも同様に、少なくとも低い周波数において、長手方向の拡張を利用する可能性は存続しなければならず、その理由は、そのような拡張は精密位置決めの間に使用されるからである。本実施形態における傾斜運動は、場合によっては作動要素自体の曲げ共振と組み合わされて、被移動本体に変位方向の運動を与えるために使用されることが可能となるような運動を達成するために使用される。
図11は、本発明に係るアクチュエータモータのさらに別の実施形態を示す。アクチュエータ3は、図4のアクチュエータにある程度類似しているが、しかし中間の作動要素6Bが2つのその他の作動要素6Aの間に提供されている。側方の作動要素6Aは、図4のアクチュエータについて説明したのと同様の共振高速移動のために、および精密位置決めのために使用される。中央の作動要素6Bは、精密位置決めのためだけに使用され、高速移動の間はまったく作動させられない。軟質の圧電セラミックが使用される場合、共振の間に作動する作動要素6Aは、常に中央の作動要素6Bより上に延伸し、高速移動の間は中央の作動要素6Bと被移動本体との間に接触はない。高速移動が終了したら、段階的な方法で最終的な精密位置決めを行うために、作動要素6Bが使用される。さらに、この作動要素は、可能な最良の精密位置決め性能を有するために、はるかに硬質な相互作用部を有してもよい。
上記に示したように、本体の精密位置決めは、さまざまな方法で実行されてもよい。例えば図4の実施形態の場合、一方の作動要素が常に本体と接触し、その間にもう一方が初期位置にリセットされる標準的なウォーキング方法が容易に実装される。そのようなウォーキング機構は、例えば米国特許第6,798,117号明細書などの多くの他の従来技術文献で述べられている。しかし、より多くの作動要素を使用する類似した実施形態も可能である。
しかし、精密位置決め移動方策はさまざまな方法で選択されてもよく、そのうちのいくつかを以下で説明する。2つの作動要素のみを有するそれらのセットアップを使用する利点は作動要素の平坦化が必要ないということである。
1つの代替の精密位置決め移動方策では、両方の作動要素が本体と接触して一緒に移動させられ、それによって本体を変位させる。しかし、一定の距離の後で、作動要素は再びそれらの開始形状に復帰しなければならない。次に、作動要素は、相互作用部が本体に対してスリップするように高加速を使用して後方に移動させられる。その後、作動要素は再び全摩擦接触(スティック)を使用して、前方にゆっくりと移動させられる。このタイプのスティック−スリップ機構は中程度の接線および垂直力に好適である。
別の代替の精密位置決め移動方策では、両方の作動要素が、復帰フェーズにおいて相互作用部を解放するように、または少なくとも垂直力が減るように高加速を使用して後方および下方に同時に移動させられる。本体と相互作用部との間の小さな摩擦での、または摩擦なしでの相対的移動が存在する。その後、相互作用部は、本体が再び変位するように前方および上方にゆっくりと移動させられる。このサイクルはある程度強い垂直力が含まれている場合に好適である。
さらに別の代替の精密位置決め移動方策では、作動要素は別個に、そして原則として1つずつ移動させられる。一方の作動要素は、他方が本体を前方に移動させている間、固定されているか、または摩擦係数を減少させるために振動していてもよい。本体を移動させた作動要素についてのサイクルの復帰部分は、後方および下方への移動の組み合わせによって作られる。この方法の利点は、固定された作動要素が垂直力のほとんどを支持して、前述の代替方法よりも強い垂直力で動作することを可能にするということである。
本発明に係る設計方法の実施形態の主要なステップを図12に示している。手順は、ステップ200から開始される。ステップ210において、被移動本体に接触するための相互作用部を有する作動要素を少なくとも2つと、作動要素を機械的に接続するアクチュエータバックボーンと、アクチュエータバックボーンを機械的に指示するアクチュエータ固定子部とを有する電気機械式アクチュエータを設計する。作動要素は、励起時に形状変化を示す電気機械式モノモルフ、バイモルフ、またはマルチモルフボリュームを含んでいる。形状変化は、アクチュエータバックボーンと相互作用部との間で方向付けられる長手方向の寸法変化、および長手方向に垂直かつ被移動本体の主変位方向に平行な電気機械式モノモルフ、バイモルフ、またはマルチモルフボリュームの曲げを含んでいる。ステップ212において、相互作用部は、作動要素と被移動本体との間の音波の伝達を部分的に抑止するように配置される。手順はステップ219で終了する。
本発明に係る動作方法の実施形態の主要なステップを図13に示している。手順はステップ220から開始される。ステップ222において、少なくとも2つの作動要素に、その形状変化を励起するために電気信号が印加される。形状変化は、アクチュエータバックボーンと相互作用部との間で方向付けられる長手方向の寸法変化、および長手方向に垂直かつ被移動本体の主変位方向に平行な作動要素の曲げを含んでいる。印加される電気信号の周波数は、寸法変化の長手方向振動共振と、曲げの曲げ振動共振との付近であるように選択される。手順はステップ229で終了する。
上述の実施形態は、本発明の少数の説明的な例として理解されるべきである。本発明の範囲を逸脱することなく、さまざまな修正、組み合わせ、および変更が実施形態に対して行われてもよいということが、当業者は理解するであろう。特に、さまざまな実施形態におけるさまざまな部分的解決策が、技術的に可能な場合、他の構成において組み合わされてもよい。しかし、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって定義される。

Claims (21)

  1. 被移動本体(2)に接触するための相互作用部(7)をそれぞれが有する少なくとも2つの作動要素(6;6B)と、
    前記少なくとも2つの作動要素(6;6B)と機械的に接続されているアクチュエータバックボーン(5)であって、前記少なくとも2つの作動要素(6;6B)のそれぞれは励起時に形状変化を示す電気機械式モノモルフ、バイモルフまたはマルチモルフボリューム(8)を含み、前記形状変化は、前記アクチュエータバックボーン(5)と前記相互作用部(7)との間で方向付けられる長手方向(L)の寸法変化、および前記長手方向(L)に垂直かつ前記被移動本体(2)の主変位方向(9)に平行な前記電気機械式モノモルフ、バイモルフまたはマルチモルフボリューム(8)の曲げを含んでいるアクチュエータバックボーン(5)と、
    前記アクチュエータバックボーン(5)を機械的に支持するアクチュエータ固定子部(4)とを具備する電気機械式アクチュエータ(3)であって、
    前記相互作用部(7)が、前記少なくとも2つの作動要素(6;6B)のそれぞれと前記被移動本体(2)との間の音波の伝達を抑止するように配置され
    前記相互作用部(7)の音響インピーダンスは、前記作動要素(6;6B)の音響インピーダンスと50%えて異なり、
    音響インピーダンスの前記相違によって、前記電気機械式アクチュエータは前記作動要素の曲げ振動を使用した共振で作動し、
    前記電気機械式アクチュエータは、記被移動本体(2)と前記作動要素(6;6B)との間にあって、前記作動要素(6;6B)に長手方向の圧縮を発生させる、要求される動作力(N)を有し、
    前記相互作用部(7)は、要求される動作力(N)において、前記相互作用部(7)に長手方向の圧縮を与えるように選択される長手方向弾性を有し、
    前記長手方向弾性は、前記長手方向(L)における前記寸法変化の最大値と、前記要求される動作力(N)における前記作動要素(6;6B)の長手方向の圧縮との間の差の10%から90%の間であり、
    前記相互作用部(7)の前記長手方向弾性によって、前記電気機械式アクチュエータ前記本体の準静的精密位置決めを実施でき、前記作動要素の1つが元の位置にリセットされる場合は、前記作動要素の別の1つは常に前記被移動本体と接触していることを特徴とする電気機械式アクチュエータ。
  2. 前記電気機械式アクチュエータは、前記被移動本体(2)と前記電気機械式アクチュエータ(6;6B)との間で、前記電気機械式アクチュエータ(6;6B)の前記主変位方向(9)に剪断を生じさせる、要求される駆動力(F)を有し、
    前記相互作用部(7)は、前記要求される駆動力(F)において、前記相互作用部(7)の前記主変位方向(9)に剪断を生じさせるように選択される剪断弾性を有し、
    前記剪断弾性は、前記相互作用部(7)における前記曲げの最大ストロークと、前記要求される駆動力(F)における前記作動要素(6;6B)の剪断との間の差の10%から90%の間であることを特徴とする請求項1に記載の電気機械式アクチュエータ。
  3. 前記曲げ振動の大部分は、それぞれの前記作動要素(6;6B)内で生じることを特徴とする請求項1または2に記載の電気機械式アクチュエータ。
  4. 前記作動要素(6;6B)は、前記アクチュエータバックボーン(5)の音響インピーダンスとかなり異なる音響インピーダンスを有することを特徴とする請求項に記載の電気機械式アクチュエータ。
  5. 前記作動要素(6;6B)は、前記少なくとも2つの作動要素(6;6B)と前記アクチュエータバックボーン(5)との間の音波の伝達を抑止するように配置された手段(11)によって、前記アクチュエータバックボーン(5)と機械的に接続されていることを特徴とする請求項に記載の電気機械式アクチュエータ。
  6. 記少なくとも2つの作動要素(6;6B)と前記アクチュエータバックボーン(5)の両方は、前記被移動本体(2)の変位中の前記曲げ振動に加わるように配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の電気機械式アクチュエータ。
  7. 前記アクチュエータバックボーン(5)は、前記アクチュエータ固定子部(4)と前記アクチュエータバックボーン(5)との間の音波の伝達を抑止するように配置された手段(12、16)によって、前記アクチュエータ固定子部(4)と機械的に接続されていることを特徴とする請求項に記載の電気機械式アクチュエータ。
  8. 前記寸法変化は第1の周波数における長手方向の振動共振を有し、前記曲げは曲げ振動共振を有し、前記曲げ振動共振は前記第1の周波数の付近で発生することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の電気機械式アクチュエータ。
  9. 前記第1の周波数の付近における周波数で発生する前記曲げ振動共振は曲げ振動モードを有し、その曲げ振動モードにおいて、前記少なくとも2つの作動要素(6;6B)の1つ1つは、前記少なくとも2つの作動要素(6;6B)のうちの同じ作動要素の第2の部分の同時ストロークと比較して、反対方向のストロークを示す第1の部分を有することを特徴とする請求項に記載の電気機械式アクチュエータ。
  10. 前記第1の周波数の付近における周波数で発生する前記曲げ振動共振は、前記少なくとも2つの作動要素(6;6B)内のゼロのストローク大きさを示す内部位置を、1つよりも多くは常に有していない曲げ振動モードを有することを特徴とする請求項に記載の電気機械式アクチュエータ。
  11. 前記第1の周波数の付近における周波数で発生する前記曲げ振動共振は、前記少なくとも2つの作動要素(6;6B)内のゼロのストローク大きさを示す内部位置を、少なくともある瞬間において2つ以上有する曲げ振動モードを有することを特徴とする請求項に記載の電気機械式アクチュエータ。
  12. 前記少なくとも2つの作動要素(6;6B)は、前記曲げ振動の方向における厚さtを有し、前記厚さtは、
    Figure 0005114476
    の近付から選択され、上式において、Lは前記少なくとも2つの作動要素(6;6B)の長さであり、Knは前記少なくとも2つの作動要素(6;6B)の次数nの曲げ振動定数であることを特徴とする請求項11のいずれか一項に記載の電気機械式アクチュエータ。
  13. げ振動定数は、15よりも大きな値を有することを特徴とする請求項12に記載の電気機械式アクチュエータ。
  14. げ振動定数は、一方の端において固定され、かつ反対側の端において自由である作動要素に対する2次の共振振動の曲げ振動定数の付近であることを特徴とする請求項12に記載の電気機械式アクチュエータ。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の電気機械式アクチュエータ(3)と、
    被移動本体(2)とを具備する電気機械式モータ(1)。
  16. 電気機械式アクチュエータ(3)を駆動するための方法であって、
    前記電気機械式アクチュエータ(3)は、
    少なくとも2つの作動要素(6;6B)であって、それぞれが被移動本体(2)と接触するための相互作用部(7)を有する少なくとも2つの作動要素(6;6B)と、前記少なくとも2つの作動要素(6;6B)と機械的に接続されるアクチュエータバックボーン(5)とを有し、 前記少なくとも2つの作動要素(6;6B)のそれぞれの相互作用部(7)は、前記少なくとも2つの作動要素(6;6B)の前記アクチュエータバックボーン(5)と反対側の端に位置しており、
    前記方法は、
    前記少なくとも2つの作動要素(6;6B)のそれぞれの電気機械式モノモルフ、バイモルフまたはマルチモルフボリューム(8)に対して、その形状変化を励起するための電気信号を印加するステップ(222)を含み、
    前記形状変化は、前記アクチュエータバックボーン(5)と前記相互作用部(7)との間に方向付けられる長手方向(L)における寸法変化、および前記長手方向(L)に垂直かつ前記被移動本体(2)の主変位方向(9)に平行な前記電気機械式モノモルフ、バイモルフまたはマルチモルフボリューム(8)の曲げを含み、
    それによって、前記印加された電気信号の周波数は、前記寸法変化の長手方向振動共振、ならびに前記曲げの曲げ振動共振の付近となるように選択されることを特徴とする方法。
  17. 前記印加された電気信号の周波数は、自由な相互作用部(7)を有する作動要素の第1の曲げ振動モードの共振周波数と、変位および/または傾斜の制限を受ける相互作用部(7)を有する作動要素の第2の曲げ振動モードの共振周波数との両方の付近であるように選択されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. 前記第2の曲げ振動モードは、前記第1の曲げ振動モードの次数よりも1次低い次数のモードであることを特徴とする請求項17に記載の方法。
  19. 前記第1の曲げ振動モードでは、前記少なくとも2つの作動要素(6;6B)が、前記少なくとも2つの作動要素(6;6B)のうちの同じ作動要素の第2の部分の同時ストロークと比較して、反対方向のストロークを示す第1の部分を有することを特徴とする請求項1618のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記第1の曲げ振動モードは、前記少なくとも2つの作動要素(6;6B)内のゼロのストローク大きさを示す内部位置を、1つよりも多くは有していないことを特徴とする請求項19に記載の方法。
  21. 前記第1の曲げ振動モードは、前記少なくとも2つの作動要素(6;6B)内のゼロのストローク大きさを示す内部位置を、少なくともある瞬間において2つ以上有していることを特徴とする請求項19に記載の方法。
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