まず、実施例1に係る無線基地局装置が適用される移動通信システムについて説明する。図1は、実施例1に係る無線基地局装置100a〜100cが適用される移動通信システムの一例を示す図である。同図に示した移動通信システムは、GPS受信装置20と、実施例1に係る無線基地局装置100a〜100cとがネットワーク10を介して接続されている。なお、同図では、移動通信システムが3台の無線基地局装置100a〜100cを有する例を示したが、無線基地局装置の台数はこれに限られず、移動通信システムは、2台以下の無線基地局装置や4台以上の無線基地局装置を有してもよい。
ネットワーク10は、例えば、第3世代の携帯電話方式(3G)における無線ネットワーク制御装置(RNC:Radio Network Controller)などが接続されるコアネットワークである。GPS受信装置20は、GPS受信機能を有する装置である。このGPS受信装置20は、GPS30から送信されるGPSクロックに同期したPPS信号を生成して、かかるPPS信号に基づいて、所定のタイミング(以下、「基準タイミング」という)を生成する。そして、GPS受信装置20は、生成した基準タイミングを、無線基地局装置100a〜100cへ送信する。
また、GPS受信装置20は、自装置(GPS受信装置20)がGPS30と通信している状態であるか否かを示す信号(以下、「GPS通信状態信号」という)を、無線基地局装置100a〜100cへ送信する。
無線基地局装置100a〜100cは、データのフレーム長を決定するフレームタイミングを生成し、かかるフレームタイミングを、基準タイミングまたは所定の記憶部に記憶されている補正情報に基づいて補正した後に、ベースバンド処理等の所定の処理を行う装置である。
この無線基地局装置100a〜100cは、GPS受信装置20から受信したGPS通信状態信号が、GPS受信装置20とGPS30とが通信中である状態(以下、「GPS通信中状態」という)を示す場合と、GPS受信装置20とGPS30とが通信中でない状態(以下、「GPS非通信中状態」という)を示す場合とによって、異なる処理を行う。
具体的には、GPS通信状態信号がGPS通信中状態を示す場合、無線基地局装置100a〜100cは、GPS受信装置20から受信した基準タイミングと、自装置内で生成したフレームタイミングとを比較する。基準タイミングとフレームタイミングとの間に位相差がある場合、無線基地局装置100a〜100cは、かかる位相差を補正するための補正情報を生成する。
続いて、無線基地局装置100a〜100cは、生成した補正情報に基づいて、フレームタイミングを補正するとともに、かかる補正情報を所定の記憶部(補正情報記憶部130とする)に記憶させる。このとき、無線基地局装置100a〜100cは、所定の期間分の補正情報を補正情報記憶部130に記憶させる。例えば、無線基地局装置100a〜100cは、補正情報を生成した時刻等に対応付けて、1日分の補正情報を補正情報記憶部130に記憶させる。これにより、補正情報記憶部130には、何時何分何秒にフレームタイミングをどのように補正すると、フレームタイミングを基準タイミングと同期させることができるかを示す情報が記憶されることになる。
そして、無線基地局装置100a〜100cは、補正したフレームタイミングに基づいて、ネットワーク10から受信した信号や、図示しない移動体端末から受信した信号に対して、ベースバンド信号処理等の所定の処理を行う。
一方、GPS通信状態信号がGPS非通信中状態を示す場合、無線基地局装置100a〜100cは、フレームタイミングを、補正情報記憶部130に記憶されている補正情報に基づいて補正し、補正したフレームタイミングに基づいて、ネットワーク10から受信した信号等に対して所定の処理を行う。
例えば、上記例のように、補正情報記憶部130に1日分の補正情報が記憶されている場合、無線基地局装置100a〜100cは、現在時刻に対応する補正情報を補正情報記憶部130から取得して、取得した補正情報に基づいてフレームタイミングを補正する。また、例えば、補正情報記憶部130に1時間分の補正情報が記憶されている場合、無線基地局装置100a〜100cは、現在時刻の「分」と「秒」とが一致する補正情報を補正情報記憶部130から取得して、取得した補正情報に基づいてフレームタイミングを補正する。
なお、補正情報記憶部130に記憶させる補正情報の期間を長くするほど、無線基地局装置100a〜100cは、フレームタイミングを補正する精度を向上させることができる。例えば、1日の温度変化に伴って、基準タイミングとフレームタイミングとの位相差の大きさが変化するが、補正情報記憶部130に1日分の補正情報を記憶させる場合、無線基地局装置100a〜100cは、1日の温度変化に伴って変化する位相差を考慮した補正情報に基づいて、フレームタイミングを補正することができる。
このように、実施例1に係る無線基地局装置100a〜100cは、GPS受信装置20がGPS通信中状態である場合に、フレームタイミングを補正するための補正情報を補正情報記憶部130に記憶させておき、GPS受信装置20がGPS非通信中状態になった場合に、補正情報記憶部130に記憶されている補正情報に基づいて、フレームタイミングを補正するので、GPS受信装置20がGPS非通信中状態になった場合であっても、生成したフレームタイミングを、GPS通信中状態時の基準タイミングと同期しているフレームタイミング、または、GPS通信中状態時の基準タイミングとほぼ同期しているフレームタイミングに補正することができる。つまり、実施例1に係る無線基地局装置100a〜100cは、GPS受信装置20がGPS非通信中状態になった場合であっても、各々の無線基地局装置100a〜100cが用いるフレームタイミングを、位相差が全くない状態、または、位相差が極めて小さい状態にすることができる。
また、GPS受信装置20がGPS非通信中状態になった後に、GPS通信中状態になった場合に、無線基地局装置100a〜100cは、フレームタイミングを、徐々に、基準タイミングと同期させる必要がないので、一度に、基準タイミングと同期させることができる。その結果、無線基地局装置100a〜100cは、GPS受信装置20とGPS30との通信がしばらくの間切断された後に、かかる通信が再度確保された場合に、各々が用いるフレームタイミングを即座に同期させることができる。
なお、上述した無線基地局装置100a〜100cは、フレームタイミングを、GPS受信装置20が生成する基準タイミングと同期させる例を示したが、各々の無線基地局装置100a〜100cがGPS受信機能を備えてもよい。各々の無線基地局装置100a〜100cがGPS受信機能を有する場合について具体的に説明する。かかる場合、無線基地局装置100a〜100cは、GPS通信中状態時に、それぞれがGPSクロックと同期している基準クロックを生成して、かかる基準クロックに基づいてフレームタイミングを補正する。このとき、無線基地局装置100a〜100cは、フレームタイミングを補正するための補正情報を補正情報記憶部130に記憶しておく。そして、例えば、無線基地局装置100aが、GPS非通信中状態になった場合、無線基地局装置100aは、補正情報記憶部130に記憶されている補正情報に基づいて、フレームタイミングを補正する。
これにより、無線基地局装置100aは、フレームタイミングを、基準タイミングと同期しているフレームタイミング、または、基準タイミングとほぼ同期しているフレームタイミングに補正することができる。つまり、GPS非通信中状態になった場合であっても、無線基地局装置100a〜100cが用いるフレームタイミングを、位相差が全くない状態、または、位相差が極めて小さい状態にすることができる。その後、無線基地局装置100aがGPS通信中状態になった場合に、無線基地局装置100aは、フレームタイミングを、一度に、基準クロックと同期させることができるので、無線基地局装置100aが用いるフレームタイミングを、無線基地局装置100bおよび100cが用いるフレームタイミングと即座に同期させることができる。
次に、図1に示したGPS受信装置20と無線基地局装置100a〜100cの構成について説明する。図2は、図1に示したGPS受信装置20と無線基地局装置100a〜100cの構成を示すブロック図である。なお、図2に示した無線基地局装置100は、図1に示した無線基地局装置100a〜100cに対応する。
図2に示すように、GPS受信装置20は、GPSアンテナ21と、GPSモジュール部22と、タイミング生成部23とを有する。GPSアンテナ21は、図1に示したGPS30から送信される信号を受信するためのアンテナである。
GPSモジュール部22は、GPS通信中状態である場合、GPSアンテナ21を介してGPS30から受信した信号に基づいて、所定のPPS信号および処理クロックを生成して、タイミング生成部23へ出力する。例えば、GPSモジュール部22は、1[PPS]のPPS信号と、10[MHz]の処理クロックとを生成して、タイミング生成部23へ出力する。
一方、GPS非通信中状態である場合、GPSモジュール部22は、自走状態となり、GPS30が送信する信号に基づくことなく、PPS信号および処理クロックを生成して、タイミング生成部23へ出力する。
また、GPSモジュール部22は、GPS通信中状態である場合、GPS通信中状態であることを示す情報を含むGPS通信状態信号を、無線基地局装置100へ送信する。一方、GPS非通信中状態である場合、GPSモジュール部22は、GPS非通信中状態であることを示す情報を含むGPS通信状態信号を、無線基地局装置100へ送信する。
タイミング生成部23は、GPSモジュール部22から受け付けたPPS信号および処理クロックに基づいて、基準タイミングを生成し、かかる基準タイミングを無線基地局装置100へ送信する。例えば、タイミング生成部23は、10[ms]の基準タイミングを生成して、無線基地局装置100へ送信する。
また、図2に示すように、無線基地局装置100は、アンテナ110と、内部クロック120と、補正情報記憶部130と、AMP部140と、制御部150とを有する。アンテナ110は、図示しない移動体端末等との間で信号を送受信するためのアンテナである。内部クロック120は、所定のクロック信号(例えば、3.84[MHz]のクロック信号)を、補正情報記憶部130や制御部150へ出力する処理部である。
補正情報記憶部130は、後述するタイミング制御部152が生成するフレームタイミングを、基準タイミングと同期させるための補正情報を記憶する不揮発メモリ等の記憶デバイスである。この補正情報記憶部130は、後述する補正情報生成部151によって更新される。補正情報記憶部130に記憶される各種情報については、後に詳述する。
AMP(Amplifier)部140は、後述するデータ処理部153から受け付けたベースバンド信号を無線信号に変換して、アンテナ110を介して、移動端末等へ送信する処理部である。
制御部150は、無線基地局装置100を全体制御する制御部であり、本願に開示する無線基地局装置100が行う処理に関連するものとして、補正情報生成部151と、タイミング制御部152と、データ処理部153とを有する。
補正情報生成部151は、GPSモジュール部22から受信したGPS通信状態信号がGPS通信中状態を示す場合に、フレームタイミングを基準タイミングに同期させるための補正情報を生成して、生成した補正情報を補正情報記憶部130に記憶させる処理部である。
具体的には、補正情報生成部151は、まず、内部クロック120から出力されるクロック信号に基づいて、一定の間隔で、基準タイミングとフレームタイミングとの位相を比較して位相差を算出する。なお、以下では、補正情報生成部151が位相比較処理を行うために用いるクロックを、「サンプリングクロック」と呼ぶこととする。
続いて、補正情報生成部151は、算出した位相差が所定の閾値よりも小さいか否かを判定する。位相差が所定の閾値よりも小さい場合、補正情報生成部151は、かかる位相差を補正するための補正情報を生成して、生成した補正情報を、タイミング制御部152へ出力するとともに、補正情報記憶部130に記憶させる。なお、上述したように、補正情報生成部151は、補正情報を生成した時刻等に対応付けて、例えば、1日分や1時間分などの所定の期間の補正情報を、補正情報記憶部130に記憶させる。
一方、算出した位相差が所定の閾値よりも大きい場合、補正情報生成部151は、かかる位相差を少し補正するための補正情報を生成して、生成した補正情報を、タイミング制御部152へ出力するとともに、補正情報記憶部130に記憶させる。そして、補正情報生成部151は、しばらくの間待つタイマ処理を行う。待ち状態が終了した後、補正情報生成部151は、再度、位相差を少し補正するための補正情報を生成して、タイミング制御部152へ出力するとともに、補正情報記憶部130に記憶させた後、タイマ処理を行う。補正情報生成部151は、算出した位相差をすべて補正するまで、かかる位相差を徐々に補正するための補正情報を生成して、タイミング制御部152へ出力するとともに、補正情報記憶部130に記憶させた後、タイマ処理を行う。
位相差が所定の閾値よりも大きい場合に、位相差を徐々に補正する理由は、大きい位相差を一度に補正すると、無線基地局装置100内で管理している通信を正常に制御できなくなり、サービスの瞬断が発生するという問題等が発生するためである。すなわち、位相差が所定の閾値よりも大きい場合に、補正情報生成部151が、位相差を徐々に補正することで、かかる問題等が発生することを防止することができる。
タイミング制御部152は、フレームタイミングを生成して、生成したフレームタイミングを、補正情報生成部151から受け付けた補正情報、または、補正情報記憶部130に記憶されている補正情報のいずれかの補正情報に基づいて補正する処理部である。
具体的には、タイミング制御部152は、内部クロック120から出力されるクロック信号に基づいて、処理クロック(例えば、3.84[MHz])とフレームタイミング(例えば、10[ms])とを生成する。続いて、タイミング制御部152は、GPSモジュール部22から受信したGPS通信状態信号がGPS通信中状態を示す場合、生成したフレームタイミングを、補正情報生成部151から受け付けた補正情報に基づいて補正する。そして、タイミング制御部152は、補正したフレームタイミングを、補正情報生成部151と、データ処理部153へ出力する。
一方、GPSモジュール部22から受信したGPS通信状態信号がGPS非通信中状態を示す場合、タイミング制御部152は、生成したフレームタイミングを、補正情報記憶部130に記憶されている補正情報に基づいて補正する。そして、タイミング制御部152は、補正したフレームタイミングを、補正情報生成部151と、データ処理部153へ出力する。
データ処理部153は、タイミング制御部152から出力されたフレームタイミングと、内部クロック120から出力されるクロック信号に基づいて、ネットワーク10から受信した所定のデータに対してベースバンド処理を行い、生成したベースバンド信号をAMP部140へ出力する処理部である。
次に、無線基地局装置100によるフレームタイミング同期処理について例を挙げて説明する。図3は、GPS受信装置20がGPS通信中状態である場合における無線基地局装置100によるフレームタイミング同期処理の一例を示す図である。
同図では、上から順に、タイミング生成部23が出力する基準タイミングと、タイミング制御部152が出力する補正後のフレームタイミングと、サンプリングクロックと、補正情報生成部151による基準タイミングとフレームタイミングとの比較結果と、補正情報記憶部130の一例とを示している。
上述したように、GPS受信装置20がGPS通信中状態である場合、補正情報生成部151は、サンプリングクロックに従って、一定の間隔で、基準タイミングとフレームタイミングとの位相を比較する位相比較処理を行う。なお、以下では、サンプリングクロックに従って行われる1回の位相比較処理を識別するための番号を「サンプリング番号」と呼ぶこととする。同図では、サンプリングクロックを示す図中において、上向き矢印の上部に示した数値がサンプリング番号を表している。
同図に示した例において、補正情報生成部151は、サンプリング番号が「1」〜「9」である位相比較処理において、基準タイミングとフレームタイミングとの位相差がないと判定する。かかる場合、補正情報生成部151は、位相比較処理のサンプリング番号と、位相比較処理を行った時刻との組合せに対応付けて、補正情報記憶部130の補正情報に、位相差がないことを示す情報を記憶させる。
また、補正情報生成部151は、サンプリング番号が「10」である位相比較処理において、フレームタイミングが、基準タイミングよりも遅れていることを検出する。かかる場合、補正情報生成部151は、補正情報記憶部130の補正情報に、フレームタイミングが基準タイミングよりも遅れていることを示す補正情報(同図に示した例では、「Up」)を記憶させる。具体的には、補正情報生成部151は、サンプリング番号「10」と時刻「t10」との組合せに対応付けて、補正情報記憶部130の補正情報に、「Up」を記憶させる。なお、同図に示した補正情報記憶部130の時刻には、実際には、時分秒(例えば、「14:00:02」)などの時刻が記憶される。
また、このとき、補正情報生成部151は、フレームタイミングが基準タイミングよりも遅れていることを示す補正情報を、タイミング制御部152へ出力する。かかる情報を受け付けたタイミング制御部152は、フレームタイミングを補正して、基準タイミングと同期させる。これにより、同図中のサンプリング番号「17」上の破線に示すように、フレームタイミングと基準タイミングとが同期する。
同様に、同図に示した例において、補正情報生成部151は、サンプリング番号が「31」である位相比較処理において、フレームタイミングが基準タイミングよりも遅れていることを検出する。かかる場合に、補正情報生成部151は、サンプリング番号「31」と時刻「t31」との組合せに対応付けて、補正情報記憶部130の補正情報に、「Up」を記憶させるとともに、補正情報をタイミング制御部152へ出力する。かかる補正情報を受け付けたタイミング制御部152は、フレームタイミングを補正して、基準タイミングと同期させる。
このようにして、GPS30がGPS通信中状態である場合、無線基地局装置100は、フレームタイミングを基準クロックと同期させるとともに、GPS通信中状態時における補正情報を、補正情報記憶部130に記憶させておく。
次に、GPS受信装置20がGPS非通信中状態である場合における無線基地局装置100によるフレームタイミング同期処理について説明する。図4は、GPS受信装置20がGPS非通信中状態である場合における無線基地局装置100によるフレームタイミング同期処理の一例を示す図である。
同図では、上から順に、補正情報記憶部130と、補正情報記憶部130が補正情報を出力するタイミングを示す補正情報出力クロックと、補正情報記憶部130が出力する補正情報の一例を示している。なお、同図に示した例では、補正情報記憶部130が補正情報出力クロックに従って補正情報を出力するものとする。この補正情報出力クロックは、サンプリングクロックとクロック周波数が同一であるクロック信号である。また、同図に示した補正情報記憶部130は、図3において、補正情報生成部151によって補正情報が記憶された状態であるものとする。
上述したように、GPS受信装置20がGPS非通信中状態である場合、タイミング制御部152は、補正情報記憶部130に記憶されている補正情報に基づいて、フレームタイミングを補正する。ここでは、タイミング制御部152は、時刻「t1」から時刻「t41」の間、GPSモジュール部22から、GPS通信中状態を示すGPS通信状態信号を受け付けるものとする。
かかる場合、タイミング制御部152は、時刻「t1」〜「t9」である間は、補正情報記憶部130の補正情報には、位相差がないことを示す情報を受け付けるため、フレームタイミングの補正処理を行わない。一方、時刻「t10」になった場合、タイミング制御部152は、補正情報記憶部130から補正情報「Up」を受け付ける。かかる補正情報「Up」を取得したタイミング制御部152は、フレームタイミングを補正する。同様に、タイミング制御部152は、時刻「t31」になった場合に、補正情報記憶部130から補正情報「Up」を受け付けて、フレームタイミングを補正する。
このようにして、GPS30がGPS非通信中状態である場合、無線基地局装置100は、GPS受信装置20がGPS通信中状態であったときに記憶させておいた補正情報に基づいて、フレームタイミングを補正する。これにより、無線基地局装置100は、フレームタイミングを、GPS通信中状態時の基準タイミングと同期しているフレームタイミング、または、GPS通信中状態時の基準タイミングとほぼ同期しているフレームタイミングに補正することができる。
次に、実施例1に係る無線基地局装置100によるデータ処理について説明する。図5は、無線基地局装置100によるデータ処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、無線基地局装置100の補正情報生成部151は、補正情報生成処理を行う(ステップS101)。
続いて、無線基地局装置100のタイミング制御部152は、フレームタイミング同期処理を行う(ステップS102)。なお、補正情報生成部151による補正情報生成処理と、タイミング制御部152によるフレームタイミング同期処理については、後述する。
続いて、データ処理部153は、タイミング制御部152から出力されたフレームタイミングと、内部クロック120から出力されるクロック信号に基づいて、ネットワーク10から受信した所定のデータに対してベースバンド処理することで、ベースバンド信号を生成する(ステップS103)。そして、AMP部140は、データ処理部153によって生成されたベースバンド信号を、無線信号に変換して、アンテナ110を介して、移動端末等へ送信する(ステップS104)。
次に、図5に示した補正情報生成部151による補正情報生成処理について説明する。図6は、補正情報生成部151による補正情報生成処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、GPSモジュール部22から受信したGPS通信状態信号が、GPS非通信中状態を示す場合(ステップS201否定)、無線基地局装置100の補正情報生成部151は、処理を行わない。
一方、GPSモジュール部22から受信したGPS通信状態信号が、GPS通信中状態を示す場合(ステップS201肯定)、補正情報生成部151は、サンプリングクロックに従って、タイミング生成部23から受け付けた基準タイミングと、タイミング制御部152から受け付けたフレームタイミングとの位相を比較して位相差を算出する(ステップS202)。
続いて、補正情報生成部151は、算出した位相差が、所定の閾値よりも小さい場合(ステップS203肯定)、かかる位相差を補正するための補正情報を生成して(ステップS204)、生成した補正情報を、タイミング制御部152へ出力するとともに、補正情報記憶部130に記憶させる(ステップS205)。
一方、算出した位相差が、所定の閾値よりも大きい場合(ステップS203否定)、補正情報生成部151は、位相差を少し補正するための補正情報を生成して(ステップS206)、生成した補正情報を、タイミング制御部152へ出力するとともに、補正情報記憶部130に記憶させる(ステップS207)。そして、補正情報生成部151は、タイマ処理を行い、しばらくの間待ち状態となる(ステップS208)。補正情報生成部151は、算出した位相差をすべて補正していない場合は(ステップS209否定)、位相差を徐々に補正するための補正情報を生成する処理(ステップS206)と、タイミング制御部152へ出力するとともに、補正情報記憶部130に記憶させる処理(ステップS207)と、タイマ処理(ステップS208)とを繰り返し行う。
次に、図2に示したタイミング制御部152によるフレームタイミング補正処理について説明する。図7は、タイミング制御部152によるフレームタイミング補正処理手順を示すフローチャートである。
同図に示すように、無線基地局装置100のタイミング制御部152は、内部クロック120から出力されるクロック信号に基づいて、フレームタイミングを生成する(ステップS301)。
続いて、タイミング制御部152は、GPSモジュール部22から受信したGPS通信状態信号が、GPS通信中状態を示す場合(ステップS302肯定)、生成したフレームタイミングを、補正情報生成部151から受け付けた補正情報に基づいて補正する(ステップS303)。
一方、GPSモジュール部22から受信したGPS通信状態信号が、GPS非通信中状態を示す場合(ステップS302否定)、タイミング制御部152は、生成したフレームタイミングを、補正情報記憶部130に記憶されている補正情報に基づいて補正する(ステップS304)。
上述してきたように、実施例1に係る無線基地局装置100は、GPS受信装置20がGPS非通信中状態になった場合であっても、GPS通信中状態時に記憶しておいた補正情報記憶部130の補正情報に基づいて、フレームタイミングを補正するので、GPS通信中状態時の基準タイミングと同期しているフレームタイミング、または、GPS通信中状態時の基準タイミングとほぼ同期しているフレームタイミングを用いることができる。すなわち、無線基地局装置100は、GPS受信装置20とGPS30との通信が切断された後に、かかる通信が再度確保された場合に、即座に、他の無線基地局装置が用いるフレームタイミングと同期させることができる。
ところで、上記実施例1では、無線基地局装置100が、フレームタイミングを、GPS受信装置20が生成する基準タイミングと同期させる例を示したが、移動通信システム内の1台の無線基地局装置がGPS受信機能を有するように構成してもよい。かかる場合、GPS受信機能を有する無線基地局装置は、GPSクロックに基づいて、フレームタイミングを生成し、GPS受信機能を有さない他の無線基地局装置は、自装置内で生成したフレームタイミングを、GPS受信機能を有する無線基地局装置が生成したフレームタイミングと同期させる。そこで、実施例2では、移動通信システム内の1台の無線基地局装置がGPS受信機能を有する例について説明する。
まず、実施例2に係る無線基地局装置が適用される移動通信システムについて説明する。図8は、実施例2に係る無線基地局装置200が適用される移動通信システムの一例を示す図である。
無線基地局装置200は、GPS受信機能を有する無線基地局装置である。この無線基地局装置200は、GPS通信中状態である場合に、GPS30から送信されるGPSクロックに基づいて基準タイミングを生成する。そして、無線基地局装置200は、基準タイミングと同期するフレームタイミングを生成する。このとき、無線基地局装置200は、フレームタイミングを基準タイミングと同期させるための補正情報を、所定の記憶部(補正情報記憶部230とする)に記憶しておく。なお、無線基地局装置200は、上記実施例1と同様に、所定の期間分の補正情報を、補正情報記憶部230に記憶させる。
また、無線基地局装置200は、GPS非通信中状態である場合に、補正情報記憶部230に記憶されている補正情報に基づいて、フレームタイミングを補正する。そして、無線基地局装置200は、GPS通信中状態またはGPS非通信中状態のいずれの場合であっても、補正後のフレームタイミングを、無線基地局装置300a〜300cへ送信する。また、無線基地局装置200は、GPS通信状態信号を、無線基地局装置300a〜300cへ送信する。
無線基地局装置300a〜300cは、フレームタイミングを生成して、生成したフレームタイミングを、無線基地局装置200から受信したフレームタイミングに基づいて補正する。
次に、図8に示した無線基地局装置200および300a〜300cの構成について説明する。図9は、図8に示した無線基地局装置200および300a〜300cの構成を示すブロック図である。ここでは、図2に示した構成部位と同様の機能を有する部位には同一符号を付すこととして、その詳細な説明を省略する。なお、図9に示した無線基地局装置300は、図8に示した無線基地局装置300a〜300cに対応する。
図9に示すように、無線基地局装置200は、GPSアンテナ21と、アンテナ110と、内部クロック120と、AMP部140と、補正情報記憶部230と、制御部250とを有する。また、制御部250は、GPSモジュール部22と、タイミング生成部23と、補正情報生成部251と、タイミング制御部252と、データ処理部253と、データ合成部254とを有する。
タイミング生成部23は、GPSモジュール部22から受け付けたPPS信号および処理クロックに基づいて、基準タイミングを生成して、生成した基準タイミングを補正情報生成部251へ出力する。
補正情報生成部251は、GPSモジュール部22から受け付けたGPS通信状態信号がGPS通信中状態を示す場合、タイミング生成部23から受け付けた基準タイミングと、タイミング制御部252から受け付けたフレームタイミングとの位相を比較して位相差を算出する。続いて、補正情報生成部251は、算出した位相差に基づいて、補正情報を生成し、生成した補正情報を、タイミング制御部252へ出力するとともに、補正情報記憶部230に記憶させる。
タイミング制御部252は、内部クロック120から出力されるクロック信号に基づいて、フレームタイミングを生成する。続いて、タイミング制御部252は、GPSモジュール部22から受信したGPS通信状態信号がGPS通信中状態を示す場合、生成したフレームタイミングを、補正情報生成部251から受け付けた補正情報に基づいて補正する。
一方、GPSモジュール部22から受信したGPS通信状態信号がGPS非通信中状態を示す場合、タイミング制御部252は、フレームタイミングを、補正情報記憶部230に記憶されている補正情報に基づいて補正する。そして、タイミング制御部252は、補正したフレームタイミングを、補正情報生成部251と、データ処理部253と、補正情報生成部351へ出力する。
データ処理部253は、タイミング制御部252から受け付けたフレームタイミングと、内部クロック120から出力されるクロック信号に基づいて、ネットワーク10から受信した所定のデータに対してベースバンド処理を行い、ベースバンド信号をデータ合成部254へ出力する。
データ合成部254は、データ処理部253から受け付けたベースバンド信号と、後述する無線基地局装置300のデータ処理部353から受け付けたベースバンド信号とを合成して、AMP部140へ出力する。このように、無線基地局装置200は、他の無線基地局装置300から受け付けたベースバンド信号を合成する。これにより、他の無線基地局装置300は、AMP部を有する必要がなくなるので、簡潔な構成要素により実現される。
また、図9に示すように、無線基地局装置300は、内部クロック120と、制御部350とを有する。また、制御部350は、補正情報生成部351と、タイミング制御部352と、データ処理部353とを有する。
補正情報生成部351は、タイミング制御部252から受け付けたフレームタイミングと、タイミング制御部352から受け付けたフレームタイミングとの位相を比較して、補正情報を生成し、生成した補正情報をタイミング制御部352へ出力する。
タイミング制御部352は、内部クロック120から出力されるクロック信号に基づいて、フレームタイミングを生成する。続いて、タイミング制御部352は、決定したフレームタイミングを、補正情報生成部351から受け付けた補正情報に基づいて補正する。
データ処理部353は、タイミング制御部352から受け付けたフレームタイミングと、内部クロック120から出力されるクロック信号に基づいて、ネットワーク10から受信した所定のデータに対してベースバンド処理を行い、ベースバンド信号をデータ合成部254へ出力する。
上述してきたように、実施例2に係る無線基地局装置200は、GPS非通信中状態になった場合であっても、GPS通信中状態時に記憶しておいた補正情報記憶部230の補正情報に基づいて、フレームタイミングを補正するので、GPS通信中状態時の基準タイミングと同期しているフレームタイミング、または、GPS通信中状態時の基準タイミングとほぼ同期しているフレームタイミングを用いることができる。また、無線基地局装置300a〜300cは、無線基地局装置200が用いるフレームタイミングに基づいて、自装置内で生成したフレームタイミングを補正するので、GPS通信中状態時の基準タイミングと同期しているフレームタイミング、または、GPS通信中状態時の基準タイミングとほぼ同期しているフレームタイミングを用いることができる。すなわち、無線基地局装置200とGPS30との通信が切断された後に、かかる通信が再度確保された場合であっても、無線基地局装置200および300a〜300cは、各々が用いるフレームタイミングを即座に同期させることができる。
また、実施例2に係る無線基地局装置200を移動通信システムに用いた場合、無線基地局装置300を簡潔な構成要素により実現することができる。具体的には、図9に示すように、無線基地局装置300は、補正情報記憶部230やAMP部140などの構成要素を有する必要がない。これにより、無線基地局装置300を小規模化することができるとともに、無線基地局装置300を低コストで実現できすることができる。すなわち、実施例2に係る無線基地局装置200を移動通信システムに用いた場合、移動通信システムの構築コストを抑えることができるとともに、他の無線基地局装置を小規模にすることができる。
なお、上記実施例2では、無線基地局装置200および300が共に内部クロック120を有する例を示したが、無線基地局装置200のみが内部クロック120を有してもよい。かかる場合、無線基地局装置200が有する内部クロック120は、無線基地局装置300に対して、クロック信号を送信する。そして、無線基地局装置300は、無線基地局装置200から受け付けたクロック信号に基づいて、補正情報生成部351がフレームタイミング補正処理を行ったり、データ処理部353がデータ処理を行ったりすることとなる。
なお、上記実施例1および2では、補正情報を蓄積する手法として、記憶デバイスである補正情報記憶部130および230に記憶させる例を示したが、補正情報を蓄積する手法はこの例には限られない。例えば、フレームタイミングが基準タイミングよりも遅れていることをカウントするカウンタと、フレームタイミングが基準タイミングよりも進んでいることをカウントするカウンタと、フレームタイミングと基準タイミングとを比較するサンプリング周期をカウントするカウンタとを用いることで、補正情報を蓄積することもできる。
また、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散、統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散、統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
以上の実施例1および2を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)他の情報処理装置によって供給されるタイミングである基準タイミングと同期させたタイミングによって所定の処理を行う情報処理装置であって、
前記他の情報処理装置から前記基準タイミングが供給される場合に、当該の情報処理装置が生成するタイミングである自装置生成タイミングを前記基準タイミングと同期させるための補正情報を生成する補正情報生成手段と、
前記補正情報生成手段によって生成された補正情報を記憶する補正情報記憶手段と、
前記他の情報処理装置から基準タイミングが供給されない場合に、前記補正情報記憶手段に記憶されている補正情報に基づいて、前記自装置生成タイミングを補正するタイミング制御手段と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
(付記2)前記タイミング制御手段は、前記他の情報処理装置から基準タイミングが供給される場合に、前記補正情報生成手段によって生成された補正情報に基づいて、前記自装置生成タイミングを補正することを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
(付記3)前記補正情報記憶手段は、前記補正情報生成手段によって補正情報が生成された時刻に対応付けて、補正情報を記憶し、
前記タイミング制御手段は、前記他の情報処理装置から基準タイミングが供給されない場合に、現在時刻と時刻が一致する前記補正情報記憶手段の補正情報に基づいて、前記自装置生成タイミングを補正することを特徴とする付記1または2に記載の情報処理装置。
(付記4)前記タイミング制御手段は、補正した自装置生成タイミングを、当該の情報処理装置と異なる情報処理装置へ送信することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の情報処理装置。
(付記5)前記補正情報生成手段は、前記自装置生成タイミングの位相を、前記基準タイミングの位相と同期させるための補正情報を生成することを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の情報処理装置。
(付記6)情報処理装置によって所定の処理が行われるタイミングを、他の情報処理装置によって供給されるタイミングである基準タイミングと同期させるタイミング同期方法であって、
前記情報処理装置が、
前記他の情報処理装置から前記基準タイミングが供給される場合に、当該の情報処理装置が生成するタイミングである自装置生成タイミングを前記基準タイミングと同期させるための補正情報を生成する補正情報生成工程と、
前記他の情報処理装置から基準タイミングが供給されない場合に、前記補正情報生成工程によって生成された補正情報を記憶する補正情報記憶手段に記憶されている補正情報に基づいて、前記自装置生成タイミングを補正するタイミング制御工程と
を含んだことを特徴とするタイミング同期方法。