JP5116938B2 - 哺乳動物由来の検体の癌化度を評価する方法 - Google Patents
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Description
即ち、本発明は、
1.哺乳動物由来の検体の癌化度を評価する方法であって、
(1)哺乳動物由来の検体に含まれるG protein-coupled receptor 7遺伝子のメチル化頻度を測定する第一工程、及び
(2)測定された前記メチル化頻度と、対照とを比較することにより得られる差異に基づき前記検体の癌化度を判定する第二工程
を有することを特徴とする評価方法(以下、本発明評価方法と記すこともある。);
2.哺乳動物由来の検体が細胞であることを特徴とする前項1記載の評価方法;
3.哺乳動物由来の検体が組織であることを特徴とする前項1記載の評価方法;
4.哺乳動物由来の検体が細胞であって、かつ、当該検体の癌化度が哺乳動物由来の細胞の悪性度であることを特徴とする前項1記載の評価方法;
5.哺乳動物由来の検体が組織であって、かつ、当該検体の癌化度が哺乳動物由来の組織における癌細胞の存在量であることを特徴とする前項1記載の評価方法;
6.組織が膵臓組織であって、かつ、癌が膵臓癌であることを特徴とする前項5記載の評価方法;
7.遺伝子のメチル化頻度が、当該遺伝子のプロモーター領域、非翻訳領域又は翻訳領域にある塩基配列内に存在する一つ以上の5'-CG-3'で示される塩基配列中のシトシンのメチル化頻度であることを特徴とする前項1記載の評価方法;
8.組織が膵臓組織であって、かつ、癌が膵臓癌であることを特徴とする前項7記載の評価方法;
9.遺伝子のメチル化頻度が、当該遺伝子のプロモーター領域にある塩基配列内に存在する一つ以上の5'-CG-3'で示される塩基配列中のシトシンのメチル化頻度であることを特徴とする前項1記載の評価方法;
10.遺伝子のメチル化頻度が、当該遺伝子の非翻訳領域又は翻訳領域にある塩基配列内に存在する一つ以上の5'-CG-3'で示される塩基配列中のシトシンのメチル化頻度であることを特徴とする前項1記載の評価方法;
11.遺伝子のメチル化頻度が、配列番号1で示される塩基配列内に存在する一つ以上の5'-CG-3'で示される塩基配列中のシトシンのメチル化頻度であることを特徴とする前項1記載の評価方法;
12.組織が膵臓組織であって、かつ、癌が膵臓癌であることを特徴とする前項11記載の評価方法;
13.癌マーカーとしての、メチル化されたG protein-coupled receptor 7遺伝子の使用;
14.癌マーカーが膵臓癌マーカーであることを特徴とする前項13記載の使用;
本発明は、癌マーカー(例えば、膵臓癌マーカー等)としての、メチル化されたG protein-coupled receptor 7遺伝子(以下、GPR7遺伝子と記すこともある。)の使用等に関連する発明である。
本発明においてマーカー遺伝子として用いられるG protein-coupled receptor 7遺伝子としては、例えば、ヒト由来のG protein-coupled receptor 7遺伝子のアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む非翻訳領域及び翻訳領域(コーディング領域)とその5’上流に位置するプロモーター領域とを含む遺伝子をあげることができる。ヒト由来のG protein-coupled receptor 7遺伝子のアミノ酸配列とそれをコードする塩基配列は、例えば、Genbank Accession No.NM_005285等に記載されている。また、ヒト由来のG protein-coupled receptor 7遺伝子のアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む非翻訳領域及び翻訳領域(コーディング領域)のうち、最も5’上流側に位置するエクソン(以下、エクソン1と記す。)と、その5’上流に位置するプロモーター領域とが含まれるゲノムDNAの塩基配列は、例えば、Genbank Accession No.AC009800等に記載されている。Genbank Accession No.AC009800に記載される塩基配列において、例えば、ヒト由来のG protein-coupled receptor 7タンパク質のエクソン1の塩基配列は、塩基番号76666〜77652に示されている。本発明において利用されるG protein-coupled receptor 7遺伝子には、上記の公知の塩基配列を有する遺伝子のほか、かかる塩基配列に、生物の種差、個体差若しくは器官、組織間の差異等により天然に生じる変異による塩基の欠失、置換若しくは付加が生じた塩基配列を有する遺伝子も含まれる。
これらの生体試料はそのまま検体として用いてもよく、また、かかる生体試料から分離、分画、固定化等の種々の操作により調製された生体試料を検体として用いてもよい。
哺乳動物由来の検体が血液である場合には、定期健康診断や簡便な検査等での本発明評価方法の利用が期待できる。
因みに、血液を検体として用いる場合には、血液から通常の方法に準じて血漿又は血清を調製し、調製された血漿又は血清を検体としてその中に含まれる遊離DNA(膵臓癌細胞等の癌細胞由来のDNAが含まれる)を分析すると、血球由来のDNAを避けて膵臓癌細胞等の癌細胞由来のDNAを解析することができ、膵臓癌細胞等の癌細胞、それを含む組織等を検出する感度を向上させることができる。
次いで、抽出されたDNAを、非メチル化シトシンを修飾する試薬と接触させた後、G protein-coupled receptor 7遺伝子のプロモーター領域、非翻訳領域又は翻訳領域(コーディング領域)の塩基配列中に存在する一つ以上のCpGで示される塩基配列中のシトシンを含むDNAを、解析対象とするシトシンのメチル化の有無を識別可能なプライマーを用いてポリメラーゼチェイン反応(以下、PCRと記す。)で増幅し、得られる増幅産物の量を調べる。
ここで、G protein-coupled receptor 7遺伝子のプロモーター領域、非翻訳領域又は翻訳領域(コーディング領域)の塩基配列中に存在する一つ以上のCpGで示される塩基配列としては、ヒト由来のG protein-coupled receptor 7遺伝子のエクソン1と、その5’上流に位置するプロモーター領域とが含まれるゲノムDNAの塩基配列をあげることができ、より具体的には、配列番号1で示される塩基配列(Genbank Accession No.AC009800に記載される塩基配列の塩基番号75001〜78000で示される塩基配列に相当する。)があげられる。配列番号1で示される塩基配列においては、ヒト由来のG protein-coupled receptor 7遺伝子のエクソン1の塩基配列は、塩基番号1666〜2652に示されている。配列番号1で示される塩基配列中に存在するCpGで示される塩基配列中のシトシンは、例えば、膵臓癌細胞等の癌細胞において高いメチル化頻度(即ち、高メチル化状態(hypermethylation))を示す。さらに具体的には、膵臓癌細胞においてメチル化頻度が高いシトシンとしては、例えば、配列番号1で示される塩基配列において、塩基番号1480、1482、1485、1496、1513、1526、1542、1560、1564、1568、1570、1580、1590、1603、1613、1620等で示される塩基番号であるシトシンをあげることができる。
次いで、重亜硫酸塩等で処理されたDNAを鋳型とし、かつ、メチル化されたシトシンが含まれる場合の塩基配列[メチル化される位置のシトシン(CpG中のシトシン)はシトシンのままであり、メチル化されていないシトシン(CpGに含まれないシトシン)はウラシルとなった塩基配列]とかかる塩基配列に対して相補的な塩基配列からそれぞれ選ばれる一対のメチル化特異的プライマーを用いるPCR(以下、メチル化特異的PCRとも記すこともある。)と、重亜硫酸塩等で処理されたDNAを鋳型とし、かつ、シトシンがメチル化されていない場合の塩基配列(全てのシトシンがウラシルとなった塩基配列)とかかる塩基配列に対して相補的な塩基配列からそれぞれ選ばれる一対の非メチル化特異的プライマーを用いるPCR(以下、非メチル化特異的PCRとも記すこともある。)とを行う。
上記PCRにおいて、メチル化特異的プライマーを用いるPCRの場合(前者)には、解析対象とするシトシンがメチル化されているDNAが増幅され、一方、非メチル化特異的プライマーを用いるPCRの場合(後者)には、解析対象とするシトシンがメチル化されていないDNAが増幅される。これらの増幅産物の量を比較することにより、対象となるシトシンのメチル化の有無を調べる。このようにしてメチル化頻度を測定することができる。
<非メチル化特異的プライマー>
U1:5'-TTTGTGGTGATATTGGGTT-3'(配列番号2)
U2:5'-ACACCCTACAAAACTCAACA-3'(配列番号3)
<メチル化特異的プライマー>
M1:5'-CGCGGCGATATTGGGTC-3'(配列番号4)
M2:5'-AACGCCCTACGAAACTCAACG-3'(配列番号5)
かかるPCRを行った後、得られた増幅産物の量を比較する。例えば、メチル化特異的プライマーを用いたPCRと非メチル化特異的プライマーを用いたPCRで得られた各々の増幅産物の量を比較することができる分析方法(変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動やアガロースゲル電気泳動)である場合には、電気泳動後のゲルをDNA染色して増幅産物のバンドを検出し、検出されたバンドの濃度を比較する。ここでDNA染色の代わりに予め標識されたプライマーを使用してその標識を指標としてバンドの濃度を比較することもできる。また、定量を必要とする場合には、PCR反応産物をリアルタイムでモニタリングしカイネティックス分析を行うことにより、例えば、遺伝子量に関して2倍程度のほんのわずかな差異をも検出できる高精度の定量が可能なPCR法であるリアルタイムPCRを用いて、それぞれの産物の量を比較することもできる。リアルタイムPCRを行う方法としては、例えば鋳型依存性核酸ポリメラーゼプローブ等のプローブを用いる方法又はサイバーグリーン等のインターカレーターを用いる方法等が挙げられる。リアルタイムPCR法のための装置及びキットは既に市販されている。
因みに、血液を検体として用いる場合には、血液から通常の方法に準じて血漿又は血清を調製し、調製された血漿又は血清を検体としてその中に含まれる遊離DNA(膵臓癌細胞等の癌細胞由来のDNAが含まれる)を分析すると、血球由来のDNAを避けて膵臓癌細胞等の癌細胞由来のDNAを解析することができ、膵臓癌細胞等の癌細胞、それを含む組織等を検出する感度を向上させることができる。
次いで、抽出されたDNAを、非メチル化シトシンを修飾する試薬と接触させた後、G protein-coupled receptor 7遺伝子のプロモーター領域、非翻訳領域又は翻訳領域(コーディング領域)の塩基配列中に存在する一つ以上のCpGで示される塩基配列中のシトシンを含むDNAを基にして後述するように設計されるプライマーを用いてポリメラーゼチェイン反応(以下、PCRと記す。)で増幅し、得られる増幅産物の塩基配列を直接的に解析する方法をあげることもできる。
ここで、G protein-coupled receptor 7遺伝子のプロモーター領域、非翻訳領域又は翻訳領域(コーディング領域)の塩基配列中に存在する一つ以上のCpGで示される塩基配列としては、ヒト由来のG protein-coupled receptor 7遺伝子のエクソン1と、その5’上流に位置するプロモーター領域とが含まれるゲノムDNAの塩基配列をあげることができ、より具体的には、配列番号1で示される塩基配列(Genbank Accession No.AC009800に記載される塩基配列の塩基番号75001〜78000で示される塩基配列に相当する。)があげられる。配列番号1で示される塩基配列においては、ヒト由来のG protein-coupled receptor 7遺伝子のエクソン1の塩基配列は、塩基番号1666〜2652に示されている。配列番号1で示される塩基配列中に存在するCpGで示される塩基配列中のシトシン、とりわけ配列番号1で示される塩基配列においてCpGが密に存在する領域中に存在するCpG中のシトシンは、例えば、膵臓癌細胞等の癌細胞において高いメチル化頻度(即ち、高メチル化状態(hypermethylation))を示す。さらに具体的には、膵臓癌細胞においてメチル化頻度が高いシトシンとしては、例えば、配列番号1で示される塩基配列において、塩基番号1480、1482、1485、1496、1513、1526、1542、1560、1564、1568、1570、1580、1590、1603、1613、1620等で示される塩基番号であるシトシンをあげることができる。
次いで、重亜硫酸塩等で処理されたDNAを鋳型とし、かつ、上述するように設計されるプライマーを用いるPCRを行う。得られた増幅産物の塩基配列を比較し当該比較からメチル化頻度を測定することができる。
因みに、配列番号1で示される塩基配列において塩基番号900、902、905、922、928、930、936、957、959、961、971、974、980、982、989、999、1005、1028、1040、1047、1061、1067及び1070で示されるシトシンのメチル化頻度を調べるために、上記のようにして設計されたプライマーを用いると、配列番号1における塩基番号813〜1106のbisulfite処理後の塩基配列に相当するDNA(294bp)が増幅される。
<プライマー>
B1:5'-ATTGGGATGGAAGAAAGGAATT-3' (配列番号6)
B2:5'-AATCTACCTTTCCTAAAACTATC-3' (配列番号7)
かかるPCRを行った後、得られた増幅産物の塩基配列を比較し当該比較からメチル化頻度を測定する。
即ち、当該増幅産物の塩基配列を直接的に解析することにより、解析対象とするシトシンに相当する位置の塩基がシトシンであるかチミン(ウラシル)であるかを判定する。得られた増幅産物における塩基を示すピークのチャートにおいて、解析対象とするシトシンに相当する位置に検出されたシトシンを示すピークの面積とチミン(ウラシル)を示すピークの面積とを比較することにより、解析対象となるシトシンのメチル化の頻度を測定することができる。また、塩基配列を直接的に解析する方法として、PCRで得られた増幅産物を一旦大腸菌等を宿主としてクローニングして得られた複数のクローンから、それぞれクローニングされたDNAを調製し、当該DNAの塩基配列を解析してもよい。解析される試料のうちの解析対象とするシトシンに相当する位置に検出された塩基がシトシンである試料の割合を求めることにより、解析対象となるシトシンのメチル化の頻度を測定することもできる。
因みに、血液を検体として用いる場合には、血液から通常の方法に準じて血漿又は血清を調製し、調製された血漿又は血清を検体としてその中に含まれる遊離DNA(膵臓癌細胞等の癌細胞由来のDNAが含まれる)を分析すると、血球由来のDNAを避けて膵臓癌細胞等の癌細胞由来のDNAを解析することができ、膵臓癌細胞等の癌細胞、それを含む組織等を検出する感度を向上させることができる。
次いで、抽出されたDNAを、非メチル化シトシンを修飾する試薬と接触させた後、G protein-coupled receptor 7遺伝子のプロモーター領域、非翻訳領域又は翻訳領域(コーディング領域)の塩基配列中に存在する一つ以上のCpGで示される塩基配列中のシトシンを含むDNAと、解析対象とするシトシンのメチル化の有無を識別可能なプローブとをハイブリダイゼーションさせ、前記DNAと当該プローブとの結合の有無を調べる方法をあげることもできる。
ここで、G protein-coupled receptor 7遺伝子のプロモーター領域、非翻訳領域又は翻訳領域(コーディング領域)の塩基配列中に存在する一つ以上のCpGで示される塩基配列としては、ヒト由来のG protein-coupled receptor 7遺伝子のエクソン1と、その5’上流に位置するプロモーター領域とが含まれるゲノムDNAの塩基配列をあげることができ、より具体的には、配列番号1で示される塩基配列(Genbank Accession No.AC009800に記載される塩基配列の塩基番号75001〜78000で示される塩基配列に相当する。)があげられる。配列番号1で示される塩基配列においては、ヒト由来のG protein-coupled receptor 7遺伝子のエクソン1の塩基配列は、塩基番号1666〜2652に示されている。配列番号1で示される塩基配列中に存在するCpGで示される塩基配列中のシトシン、とりわけ配列番号1で示される塩基配列においてCpGが密に存在する領域中に存在するCpG中のシトシンは、例えば、膵臓癌細胞等の癌細胞において高いメチル化頻度(即ち、高メチル化状態(hypermethylation))を示す。さらに具体的には、膵臓癌細胞においてメチル化頻度が高いシトシンとしては、例えば、配列番号1で示される塩基配列において、塩基番号1480、1482、1485、1496、1513、1526、1542、1560、1564、1568、1570、1580、1590、1603、1613、1620等で示される塩基番号であるシトシンをあげることができる。
必要に応じて、重亜硫酸塩等で処理されたDNAを鋳型として第二の方法と同様にPCRを行うことにより当該DNAを予め増幅させておいてもよい。
次いで、重亜硫酸塩等で処理されたDNA又は前記PCRで予め増幅されたDNAと、解析対象とするシトシンのメチル化の有無を識別可能なプローブとのハイブリダイゼーションを行う。メチル化特異的プローブと結合するDNAの量と、非メチル化特異的プローブと結合するDNAの量とを比較することにより、解析対象となるシトシンのメチル化の頻度を測定することができる。
<セット1>
非メチル化特異的プローブ:5'-TTGTGAGTTTGTGGTGATATTGGGTTG-3'(配列番号8)
メチル化特異的プローブ :5'-TCGTGAGTTCGCGGCGATATTGGGTCG-3'(配列番号9)
<セット2>
非メチル化特異的プローブ:5'-TGTTGAGTTTTGTAGGGTGTT-3'(配列番号10)
メチル化特異的プローブ :5'-CGTTGAGTTTCGTAGGGCGTT-3'(配列番号11)
かかるハイブリダイゼーションを行った後、メチル化特異的プローブと結合したDNAの量と、非メチル化特異的プローブと結合したDNAの量とを比較することにより、解析対象となるシトシン(即ち、プローブの設計の基となった塩基配列に含まれるCpG中のシトシン)のメチル化の頻度を測定することができる。
因みに、血液を検体として用いる場合には、血液から通常の方法に準じて血漿又は血清を調製し、調製された血漿又は血清を検体としてその中に含まれる遊離DNA(膵臓癌細胞等の癌細胞由来のDNAが含まれる)を分析すると、血球由来のDNAを避けて膵臓癌細胞等の癌細胞由来のDNAを解析することができ、膵臓癌細胞等の癌細胞、それを含む組織等を検出する感度を向上させることができる。
次いで、抽出されたDNAを、解析対象とするシトシンのメチル化の有無を識別可能な制限酵素に作用させた後、当該制限酵素による消化の有無を調べる方法をあげることもできる。
ここで、G protein-coupled receptor 7遺伝子のプロモーター領域、非翻訳領域又は翻訳領域(コーディング領域)の塩基配列中に存在する一つ以上のCpGで示される塩基配列としては、ヒト由来のG protein-coupled receptor 7遺伝子のエクソン1と、その5’上流に位置するプロモーター領域とが含まれるゲノムDNAの塩基配列をあげることができ、より具体的には、配列番号1で示される塩基配列(Genbank Accession No.AC009800に記載される塩基配列の塩基番号75001〜78000で示される塩基配列に相当する。)があげられる。配列番号1で示される塩基配列においては、ヒト由来のG protein-coupled receptor 7遺伝子のエクソン1の塩基配列は、塩基番号1666〜2652に示されている。配列番号1で示される塩基配列中に存在するCpGで示される塩基配列中のシトシン、とりわけ配列番号1で示される塩基配列においてCpGが密に存在する領域中に存在するCpG中のシトシンは、例えば、膵臓癌細胞等の癌細胞において高いメチル化頻度(即ち、高メチル化状態(hypermethylation))を示す。さらに具体的には、膵臓癌細胞においてメチル化頻度が高いシトシンとしては、例えば、配列番号1で示される塩基配列において、塩基番号1480、1482、1485、1496、1513、1526、1542、1560、1564、1568、1570、1580、1590、1603、1613、1620等で示される塩基番号であるシトシンをあげることができる。
例えば、配列番号1で示される塩基配列において塩基番号694、1374、1382、1754、1766、1859、2221で示されるシトシンの場合には、当該シトシンはNarIの認識配列に含まれており、上記方法により当該シトシンのメチル化頻度を測定することができる。
ここで「癌化度」とは、一般に当該分野において使用される意味と同様であって、具体的には、例えば、哺乳動物由来の検体が細胞である場合には当該細胞の悪性度を意味し、また、例えば、哺乳動物由来の検体が組織である場合には当該組織における癌細胞の存在量等を意味している。
ヒト由来の膵臓癌細胞株7種[BXPc3、HPAF-II、Capan-2、MiaPaCa-2、Hs766T、PANC-1及びHPAC(全てATCC製)] をATCC(American Type Culture Collection)のカタログに記載された、それぞれの細胞株のための専用培地でサブコンフルエントになるまで培養した後、各々約1x107細胞を集めた。一般的な不死化の方法〔Am. J. Pathol.,148,1763−1770(1996)〕によって得られた不死化(正常)膵管上皮細胞株2種(HPDE-4/E6E7及びHPDE6-E6E7c7)[これらは、Dr.Tsao(Ontario Cancer Institute and Department of Pathology, Unversity of Toronto)により、保存・管理され、当該研究者から譲受可能である]を、終濃度で50U/mLのペニシリン、及び、終濃度で50ug/mLのストレプトマイシンを加えたKeratinocyte−SFM, liquid(Invitrogen社製)を培地として、サブコンフルエントになるまで培養した後、各々約1x107細胞を集めた。集められた細胞に、SEDTAバッファー[10mM Tris-HCl(pH8.0)、10mM EDTA(pH8.0)、100mM NaCl]を10倍容量加えた後、これをホモジナイズした。得られた混合物に、proteinase K(Sigma)を500μg/ml、ドデシル硫酸ナトリウムを1%(w/v)になるように加えた後、これを55℃で約16時間振とうした。振とう終了後、当該混合物をフェノール[1M Tris-HCl(pH8.0)にて飽和]・クロロホルム抽出処理した。水層を回収し、これにNaClを0.5Nとなるよう加えた後、これをエタノール沈澱することにより沈澱を回収した。回収された沈澱をTEバッファー(10mM Tris、1mM EDTA、pH 8.0)に溶解し、これに40μg/mlになるようにRNase A(Sigma)を加えて37℃で1時間インキュベートした。インキュベートされた混合物をフェノール・クロロホルム抽出処理した。水層を回収し、これにNaClを0.5Nとなるよう加えた後、これをエタノール沈澱することにより沈澱(ゲノムDNA)を回収した。回収された沈澱を70%エタノールでリンスしてゲノムDNAを得た。
得られたゲノムDNAを、制限酵素BamHIにて消化後、Clark et al., Nucl. Acids. Res., 22, 2990-2997, 1994; Herman et al., Pro. Natl. Acad. Sci. USA, 93, 9821-9826, 1996に記載される方法に準じて亜硫酸水素ナトリウム処理した。即ち、制限酵素処理後のゲノムDNA(約500ng)を蒸留水に溶解して20μlのゲノムDNA溶液を調製し、これに6M水酸化ナトリウムを約1μl加えた後(終濃度約0.3M)、当該混合物を37℃で15分間保温した。この混合物に、0.6mMヒドロキノン(Sigma)を終濃度0.5mM、亜硫酸水素ナトリウム(Sigma)を終濃度3.1Mになるように加えた後、これを95℃30秒、50℃で15分を1サイクルとする保温を15サイクル行った。インキュベートされた液からWizard DNA clean-up system(Promega)を用いてDNAを精製した。精製されたDNAを50μlのTEバッファーに溶解し、これに水酸化ナトリウムを終濃度0.3Mになるように加えた後、当該混合物を室温で5分間放置した。次いで、放置された混合物をエタノール沈澱することにより沈澱(DNA)を回収した。回収された沈澱を20μlのTEバッファーに懸濁した。
<非メチル化特異的プライマー>
U1:5'-TTTGTGGTGATATTGGGTT -3'(配列番号2)
U2:5'-ACACCCTACAAAACTCAACA-3'(配列番号3)
<メチル化特異的プライマー>
M1:5'-CGCGGCGATATTGGGTC-3'(配列番号4)
M2:5'-AACGCCCTACGAAACTCAACG-3'(配列番号5)
メチル化特異的プライマーおよび非メチル化特異的プライマーに、特異性があることを確認するため、まず、不死化(正常)膵管上皮細胞株(HPDE-4/E6E7)から通常の方法でゲノムDNA(1)を抽出し、この一部をメチル化酵素SssI(NEB社)により処理しゲノムDNAの5'-CG-3' 全てをメチル化した(2)。これら(1)および(2)についても、メチル化特異的PCRおよび非メチル化特異的PCRを行った。
ヒト由来の膵臓癌組織及びその周辺の膵臓正常組織[患者からインフォームドコンセントを得て入手]各12検体(Case1〜Case12)に、SEDTAバッファー[10mM Tris-HCl(pH8.0)、10mM EDTA(pH8.0)、100mM NaCl]を10倍容量加えた後、これをホモジナイズした。得られた混合物に、proteinase K(Sigma)を500μg/ml、ドデシル硫酸ナトリウムを1%(w/v)になるように加えた後、これを55℃で約16時間振とうした。振とう終了後、当該混合物をフェノール[1M Tris-HCl(pH8.0)にて飽和]・クロロホルム抽出処理した。水層を回収し、これにNaClを0.5Nとなるよう加えた後、これをエタノール沈澱することにより沈澱を回収した。回収された沈澱をTEバッファー(10mM Tris、1mM EDTA、pH 8.0)に溶解し、これに40μg/mlになるようにRNase A(Sigma)を加えて37℃で1時間インキュベートした。インキュベートされた混合物をフェノール・クロロホルム抽出処理した。水層を回収し、これにNaClを0.5Nとなるよう加えた後、これをエタノール沈澱することにより沈澱(ゲノムDNA)を回収した。回収された沈澱を70%エタノールでリンスしてゲノムDNAを得た。
得られたゲノムDNAを、制限酵素BamHIにて消化後、Clark et al., Nucl. Acids. Res., 22, 2990-2997, 1994; Herman et al., Pro. Natl. Acad. Sci. USA, 93, 9821-9826, 1996に記載される方法に準じて亜硫酸水素ナトリウム処理した。即ち、制限酵素処理後のゲノムDNA(約500ng)を蒸留水に溶解して20μlのゲノムDNA溶液を調製し、これに6M水酸化ナトリウムを約1μl加えた後(終濃度約0.3M)、当該混合物を37℃で15分間保温した。この混合物に、0.6mMヒドロキノン(Sigma)を終濃度0.5mM、亜硫酸水素ナトリウム(Sigma)を終濃度3.1Mになるように加えた後、これを95℃30秒、50℃で15分を1サイクルとする保温を15サイクル行った。インキュベートされた液からWizard DNA clean-up system(Promega)を用いてDNAを精製した。精製されたDNAを50μlのTEバッファーに溶解し、これに水酸化ナトリウムを終濃度0.3Mになるように加えた後、当該混合物を室温で5分間放置した。次いで、放置された混合物をエタノール沈澱することにより沈澱(DNA)を回収した。回収された沈澱を20μlのTEバッファーに懸濁した。
<非メチル化特異的プライマー>
U1:5'-TTTGTGGTGATATTGGGTT-3'(配列番号2)
U2:5'-ACACCCTACAAAACTCAACA-3'(配列番号3)
<メチル化特異的プライマー>
M1:5'-CGCGGCGATATTGGGTC-3'(配列番号4)
M2:5'-AACGCCCTACGAAACTCAACG-3'(配列番号5)
メチル化特異的プライマーおよび非メチル化特異的プライマーの特異性は、実施例1に記載の通り、不死化(正常)膵管上皮細胞株(HPDE-4/E6E7)のゲノムDNA(1)および、この一部をメチル化酵素SssI(NEB社)により処理しゲノムDNA(2)において確認済みである。
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号3
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号4
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号5
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号6
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号7
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号8
プローブのために設計されたオリゴヌクレオチド
配列番号9
プローブのために設計されたオリゴヌクレオチド
配列番号10
プローブのために設計されたオリゴヌクレオチド
配列番号11
プローブのために設計されたオリゴヌクレオチド
Claims (8)
- 哺乳動物の膵臓由来の検体における癌細胞の存在を評価する方法であって、
(1)哺乳動物の膵臓由来の検体に含まれるG protein-coupled receptor 7遺伝子のメチル化頻度を測定する第一工程、及び
(2)測定された前記メチル化頻度と、対照とを比較することにより得られる差異に基づき前記検体における癌細胞の存在を判定する第二工程
を有することを特徴とする評価方法。 - 哺乳動物の膵臓由来の検体が細胞であることを特徴とする請求項1記載の評価方法。
- 哺乳動物の膵臓由来の検体が組織であることを特徴とする請求項1記載の評価方法。
- 遺伝子のメチル化頻度が、当該遺伝子のプロモーター領域、非翻訳領域又は翻訳領域にある塩基配列内に存在する一つ以上の5'-CG-3'で示される塩基配列中のシトシンのメチル化頻度であることを特徴とする請求項1記載の評価方法。
- 遺伝子のメチル化頻度が、当該遺伝子のプロモーター領域にある塩基配列内に存在する一つ以上の5'-CG-3'で示される塩基配列中のシトシンのメチル化頻度であることを特徴とする請求項1記載の評価方法。
- 遺伝子のメチル化頻度が、当該遺伝子の非翻訳領域又は翻訳領域にある塩基配列内に存在する一つ以上の5'-CG-3'で示される塩基配列中のシトシンのメチル化頻度であることを特徴とする請求項1記載の評価方法。
- 遺伝子のメチル化頻度が、配列番号1で示される塩基配列内に存在する一つ以上の5'-CG-3'で示される塩基配列中のシトシンのうち、配列番号1で示される塩基配列において、塩基番号塩基番号1480、1482、1485、1496、1513、1526、1542、1560、1564、1568、1570、1580、1590、1603、1613若しくは1620のいずれか1つ以上で示される塩基番号であるシトシンのメチル化頻度であることを特徴とする請求項1記載の評価方法。
- 膵臓癌マーカーとしての、メチル化されたG protein-coupled receptor 7遺伝子の使用。
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