以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の着物用アクセサリーホルダーとなるホルダー本体の正面図、図2は図1のA−A線の断面図、図3は本発明の着物用アクセサリーホルダーにおいて、芯材となるベース部材の形状を示す正面図である。図1に示すホルダー本体1aは、本発明の基本的な構成となる第1の実施形態を示すものである。
図1〜図3において、1aは本発明の第1の実施形態を示すホルダー本体を示す。2はベース部材(図1では点線で示している)である。ベース部材2は、ホルダー本体1aの変形を防止するための芯材の機能を果たす部材となる。ベース部材2は適度な硬さと、若干の可撓性を備えている部材、例えば、薄板状のアクリル系樹脂等の合成樹脂、あるいは皮、合成皮革、厚紙、等を使用する。3はベース部材2の全面を覆うカバー部材である。
ベース部材2の形状は、図3に示すように平面視で縦長の平面形状をなし、その平面形状は下方部2aの幅を上方部2bの幅より小さくする。また、ベース部材2の下方部2aの端部の平面形状は円弧状にしている。同様に、ベース部材2の上方部2bの端部の平面形状も円弧状、または上端部と側面部との角部を円弧形状にする。なお、ベース部材2の平面形状は、その下方部2aと上方部2bの幅を同一またはほぼ同一にしてもよいが、ホルダー本体1aは、巻帯の上端部からこの巻帯の層間に差し込んで使用するので、上記のように下方部2aの幅を上方部2bの幅より小さくすることが望ましい。
カバー部材3は、ベース部材2の全面を覆い、かつ、ベース部材2の表裏の平面部と側面部とに密着するように形成されている。カバー部材3は、布製の材質から構成することが望ましい。なお、図2に示すように、カバー部材3は、ベース部材2の一方の平面部に密着する前側カバー部材4と、ベース部材2の他方の平面部に密着する後側カバー部材5とから構成される。そして、カバー部材3は、これら前側カバー部材4と後側カバー部材5との間にベース部材2の全面が密着して覆われるように、前側カバー部材4と後側カバー部材5の周縁部を糸で縫い合わせて一体化した構成になっている。これにより、平面視でホルダー本体1aの下方部の幅(W1)を、上方部の幅(W2)より小さくすることができるので、ホルダー本体1aを巻帯の層間に差し込む操作を容易にすることができる。
なお、前側カバー部材4と後側カバー部材5から構成されるカバー部材3は、その表面部は滑り易い布地を使用することが望ましい。この理由は、ホルダー本体1aは巻帯の層間に差し込んで(挿入して)使用するため、ホルダー本体1aをこの巻帯の層間に差し込む操作を容易にする必要があるからである。この滑り易い布地としては、繻子(しゅす)のようにすべり易い布地であって、さらに、その表面部に金糸または銀糸を用いた装飾性を有する布を使用することが望ましい。これにより、ホルダー本体1aに装飾性を持たせるようにする。
図1に示すように、ベース部材2を密着した状態で覆っているカバー部材3の上端部3bの近傍には、孔部6を設けている。この孔部6は、後記する袖寄せストラップ、およびアクセサリーストラップを係止、または着脱可能に係止するための係止手段となる。なお、孔部6は、前側カバー部材4、ベース部材2、後側カバー部材5を貫通するように設け、その平面形状は半円形の他に、円形、楕円形状、等の形状にしてもよい。また、孔部6の内周面には金めっき等を施した金属製リング部材6aを嵌装して、孔部6の内周面及び孔部6に面するカバー部材3を補強する。
なお、図1に示すホルダー本体1aにおいて、その平面形状は、使用者の好みにより任意の形状にすることも可能である。しかし、前記したように、ホルダー本体1aは、主として着物を着用したときに巻帯の層間に差し込んだ状態で使用するため、その平面形状は図1に示すように、基本的には縦長とし、下方部3aと上方部3bの横幅W1、W2はほぼ同一にしてもよいが、下方部3aの幅W1が上方部3bの幅W2よりも小さくして、巻帯の層間に差し込み易くすることが望ましい。また、縦長方向の長さLは3〜20cm、幅W1とW2は1〜8cm程度の範囲で適切に設定するとよい。
さらに、ホルダー本体1aを巻帯の層間に差し込むときに、このホルダー本体1aが折れ曲がらないように、ベース部材2は適度な硬さを有する部材を使用するようにする。また、ホルダー本体1aを巻帯の層間に差し込んだときに、ベース部材2は巻帯の円弧状形状に倣うように若干変形する適度な可撓性を備えている部材を用いるようにしてもよい。
上記した本発明の第1の実施形態となるホルダー本体1aは、ベース部材2と、カバー部材3と、孔部6からなる係止手段とから構成される。そして、この第1の実施形態を示すホルダー本体1aは、例えば、次の(手順1)〜(手順3)に記載の方法により製造することができる。
(手順1)
まず、アクリル系樹脂等からなる薄板材に、プレス加工を施してベース部材2を製造する。
(手順2)
次に、薄板状のベース部材2について、その表裏の平面部に、それぞれ前側カバー部材4と後側カバー部材5を覆った状態にして、これら前側カバー部材4と後側カバー部材5の周縁部を糸で縫い合せて、ベース部材2の表裏の平面部及び側面部が前側カバー部材4と後側カバー部材5に密着されるようにする。このとき、前側カバー部材4と後側カバー部材5の表側を対向させて、その周縁部の所定長さについて袋縫いしたカバー部材3を製作する。続いて、この前側カバー部材4と後側カバー部材5の表側を外側に出し、続いて、ベース部材2を前側カバー部材4と後側カバー部材5との間に挿入し、次に、前側カバー部材4と後側カバー部材5の残りの周縁部を縫い合わせる等、適切な縫い方を採用するとよい。
(手順3)
続いて、ベース部材2が介在しているカバー部材3(ホルダー本体1a)の上端部3b近傍に孔部6を穿孔する。このとき、穿孔工具により、孔部6を穿孔すると共に、孔部6の内周面に装飾性を有する金属製の補強リング6aを嵌着して孔部6の内面外周部を補強する。これにより、ホルダー本体1aを製造することができる。
なお、上記した(手順2)においては、次のような方法を採用してもよい。すなわち、後側カバー部材5の内側に裏生地部材を配置し、この後側カバー部材5と裏生地部材の間にベース部材2が包含された状態で、後側カバー部材5と裏生地部材とを縫い合わせる。続いて、後側カバー部材5と前側カバー部材4とを糸で縫い合わせるようにする。
上記構成のホルダー本体1aは、前側カバー部材4および後側カバー部材5として、装飾性ある柄を備えた布を用い、かつ、孔部6に後記する袖寄せストラップ、あるいはアクセサリーストラップを着脱可能に係止する機能を備えている。従って、ホルダー本体1aは、商品としての使用価値を十分有しているので、本発明の着物用アクセサリーホルダーとして製造し、販売するが可能になる。
続いて、本発明の第2の実施形態を図4〜図5に基づいて説明する。第2の実施形態を示す着物用アクセサリーホルダーH1は、図1に示すホルダー本体1aの孔部6に、一つの袖寄せストラップ7を係止したことに特徴がある。この袖寄せストラップ7は、着物の袖の袂をたくし上げるために使用するものである。なお、第2の実施の形態においては、ホルダー本体1aの孔部6に、袖寄せストラップ7を予め固着した状態で製造したことを示している。
図4に示す袖寄せストラップ7は、紐状部材8の一端部にリング部材9を接続し、さらに紐状部材8の他端部には把持具10を接続した構成からなっている。紐状部材8は、強靭、かつ十分な屈曲性を備えた糸状の合成繊維等からなり、10〜30cm程度の長さを有するようにする。また、この紐状部材8は、装飾性を向上させるために、金糸または銀糸を含ませた部材、鎖状部材、あるいはライトストーンやキュービックジルコニア等を嵌め込んだ装飾性を有する紐状の部材を使用することがより好ましい。
紐状部材8の長さを10〜30cm程度の長さにする理由は、次の通りである。着物用アクセサリーホルダーH1を巻帯の層間に差し込んで、必要時に左右両方の袖の下端部(袂)またはその近傍を把持具10で把持(挟着)して、身体の前または後ろ側にたくし上げるためには、10〜30cm程度の長さを必要とするからである。
リング部材9は、強靭、かつ十分な屈曲性を備えた糸状の合成繊維等を用い、紐状部材8の端部に強固に接続する。そして、孔部6に袖寄せストラップ7を係止するときには、リング部材9を孔部6に通し、続いて、孔部6を通過したリング部材9のリング内に把持具10を通す操作を行なう。なお、リング部材9の長さは、5cm程度設ければ十分である。また、袖寄せストラップ7を孔部6に係止する手段は、リング部材9を接続していない紐状部材8の端部を孔部6に強固に接続して固着し、予め、孔部6に紐状部材8が接続された構成にしてもよい。
紐状部材8の一端部に接続する把持具10は、一対の把持部材10a、10bと、これら把持部材10aと10bを連結する連結部材10d(図17参照)と、バネ材10c(図17参照)から構成される小形のピンチからなっている。そして、把持部材10bの基部10b1を指先で押圧すると、バネ材10cを圧縮して2個の把持部材10aと10bの先端部が開くようになっている。この把持具10は、前記したように、着物装着者が左右の袖の袂をたくし上げる必要が生じたときに、この左右両方の袖の下端部またはその近傍を把持するために使用するものである。
なお、把持具10を構成する一方の把持部材の外側表面部には、図5に示すように、この外側表面部を覆う大きさを備えた造花、あるいはアクリル樹脂に金粉や図柄模様を施した装飾部材11を接着等により固着してもよい。このように、把持具10に装飾部材11を取り付けると、把持具10で袖を挟着してたくし上げたときに、直接、他人が把持具10を認識することができなくなるので、他人を気にすることなく安心して着物の袂をたくし上げることができるようになる。
また、本発明においては、把持具10に予め種々の装飾部材11を取り付けた袖寄せストラップ7を製造して販売するようにしてもよい。これにより、着物装着者は、好みの柄模様を有する第1の実施形態のホルダー本体1aと袖寄せストラップ7を購入し、ホルダー本体1aの孔部6に袖寄せストラップ7を着脱可能に係止することにより、個性をより発揮することができるようになる。
続いて、本発明の第3の実施形態を図6〜図8に基づいて説明する。第3の実施形態を示すホルダー本体1bは、乗車カード等の各種のカード類、切符、小銭、鍵、リップグロス、等の小物を入れるためのポケット部を設けたことに特徴がある。
第3の実施の形態となるホルダー1bは、板状のベース部材2を覆う第1カバー部材12と、この第1カバー部材12の一方の平面部に対向するように縫い合わされた第2カバー部材13を備え、この第1カバー部材12と第2カバー部材13との間に、深さL2のポケット部14を設けた構成にしている。なお、図6に示す平面図においては、ポケット部14は目視することができないので、ポケット部14は点線で示している。
図7に示す第3の実施形態の拡大断面図において、第1カバー部材12は、前側部材12aと後側部材12bと、これら前側部材12aと後側部材12bとの間にベース部材2が密着した状態で包含されるように、前側部材12aと後側部材12bとの周縁部を糸で縫い合わせて一体化した構成にしている。そして、ホルダー本体1bは、この第1カバー部材12と第2カバー部材13との間に、ポケット部14を形成するように、第1カバー部材12と第2カバー部材13との周縁部を縫い合わせて、ポケット部14の入口となる入口(開口)部14aを、第2カバー部材13の上端部に形成した構造にしている。なお、14bは、ポケット部14の底部を示す。
ポケット部14の入口部14aは、ポケット部14への小物の出し入れを容易にするために、第1カバー部材12の上端部から長さL1(L1は1〜3cm程度)ほど離れた下方位置に設けている。なお、図7に示すように、第2カバー部材13は、その内側にポケット部14となる空間部を形成するために、横方向の長さ(図1に示すW1方向)に若干余裕を持たせた寸法にする。また、図6に示すように、ポケット部14の入口部14aの上方は、第1カバー部材12の前側部材12aが露出する露出部12a1を形成している。従って、第1カバー部材12となる前側部材12aと後側部材12b、および第2カバー部材13は、見栄えを良くするために、装飾性を有し、さらに、前記したように、その表面部がすべり易い繻子(しゅす)等の布製生地を使用するようにする。
上記した第3の実施形態を示すホルダー本体1bは、次の(手順4)〜(手順6)に記載の方法により製造することができる。
(手順4)
第1カバー部材12を構成する後側部材12bと前側部材12aとを対向して配置し、この後側カバー部材12bと前側部材12aとの間にベース部材2が包含された状態で、これら後側カバー部材12bと前側部材12aとを、前記した手順2と同様の方法により糸で縫い合わせる。このとき、縫い合わされた後側カバー部材12bと前側部材12aとは、ベース部材2の表裏の平面部と側面部に密着するようにする。
(手順5)
続いて、ベース部材2を密着固定した第1カバー部材12に、第2カバー部材13を対向させた状態にして、これら第1カバー部材12と第2カバー部材13の周縁部を糸で縫い合わせる。このとき、前記したように、第2カバー部材13のL方向(縦長方向)の寸法は、第1カバー部材12の寸法より短くして、前側部材12aの上方部には露出部12a1が形成されるようにする。さらに、第2カバー部材13の上端部であってポケット部14の入口となる入口部14aは、前側部材12aと糸で縫い合わせないようにする。
なお、予め、図8に示すように、第2カバー部材13の裏側(ポケット部14側)のほぼ全面に接着芯地13aを貼り付けて、第2カバー部材13に張りを持たせた後、第1カバー部材12と第2カバー部材13とを対向させてその周辺部を糸で縫い合わせるようにしてもよい。このように、第2カバー部材13はその裏側に接着芯地13aを貼り付けた構成にすると、第2カバー部材13に強度と張りを持たせることができるので、ポケット部14に小物の挿入と取り出しを行なっても、第2カバー部材13の形がくずれない効果が生じる。なお、接着芯地13aは、布地の一方の面に接着性樹脂が固着された部材であって、第2カバー部材13を補強して張りを持たせるような接着芯地を使用する。
(手順6)
続いて、ポケット部14の底部を形成するために、第2カバー部材13と前側部材12aとを直線状に縫い合わせてポケット部14の底部14bを形成する。次に、露出部12a1の上端部近傍に孔部6を穿孔する。このとき、穿孔工具により、孔部6を穿孔すると共に、孔部6の内周面に補強リング6aを嵌着する。このようにして、図6に示すホルダー本体1bを製造することができる。
上記した本発明の第3の実施形態は、小物を入れるためのポケット部14を設けることにより利便性を向上させたものである。そして、ポケット部14の入口部14aの位置は、第1カバー部材12の上端部から長さL1ほど離れた下方位置に設けているので、ポケット部14に小物の出し入れの操作を容易にすることができる。
なお、ポケット部14の入口部14aの向きは、図6に示すように平面視で水平方向になるように形成してもよいが、水平方向に対して若干傾斜するように形成するか、入口部14aを緩やかな凹状、あるいは凸状に形成してもよい。また、ポケット部14の底部14bは、工業ミシン等を使用して第2カバー部材13と、カバー部材2と、第1カバー部材12とを同時に糸で縫い合わせてもよい。
上記した本発明の第3の実施形態において設けたポケット部14は、ベース部材2と第1カバー部材12(前側部材12a)との間に設けてもよい。さらに、予め裏生地等で袋状のポケット部を作成しておき、このポケット部を第1カバー部材12と第2カバー部材13との間に挿入した状態で、図6に示すように入口部14aを備えたポケット部14を形成するようにしてもよい。
さらに、ポケット部14の幅と深さ寸法は、このポケット部14に入れる小物、例えば、前記した乗車カード等の各種のカード類、切符、小銭、鍵、リップグロス、等の大きさに合わせて、予め数種類の幅と深さ寸法を有するポッケト部14を備えたホルダー本体1bを製造するようにしてもよい。そして、これらポッケト部14の大きさに合わせて、ホルダー本体1bの幅W1及びW2と縦長方向の長さLについても適切な寸法を設定するようにする。
上記構成のホルダー本体1bは、装飾性を有し、かつ、孔部6に袖寄せストラップ7、あるいは、後記するアクセサリーストラップを着脱可能に係止する機能を備え、商品としての価値を十分有している。従って、ホルダー本体1bのみを単体で本発明の着物用アクセサリーホルダーとして製造し、販売することが可能になる。
続いて、本発明の第4の実施形態を図9〜図12に基づいて説明する。第4の実施形態を示すホルダー本体1cは、上記した第3の実施の形態と同様にポケット部を設けると共に、ホルダー本体1c内に芯材となる2個のベース部材を配設し、これら2個のベース部材の間にこのポケット部を設けたことに特徴がある。
第4の実施形態となるホルダー本体1cは、その断面の構成を図10に示すように、第1ベース部材15aの表面を覆う第1カバー部材12と、第2ベース部材15bの表面を覆う第2カバー部材16とを、対向して配置してその周縁部を糸で縫い合わせると共に、第1カバー部材12と第2カバー部材16との間にポケット部14を形成した構成にしている。また、図9に示すように、ポケット部14の入口部14aは、第2カバー部材16の上端部を開放した状態にすることにより形成し、入口部14aの上方には第1カバー部材12の前側部材12aが露出する露出部12a1が形成されるようにする。なお、第1カバー部材12と第2カバー部材16は、前記したように、繻子(しゅす)のようにすべり易い布地であって、さらに、その表面部に金糸または銀糸を用いた装飾性を有する布を使用する。
図11〜図12は、第4の実施形態を構成する第1ベース部材15aと、第2ベース部材15bの平面形状を示す。平面視において、第2ベース部材15bの上端部には、ポケット部14の入口部14aの形状と同一、またはほぼ同一の形状をなす直線状部15b1を形成する。そして、第2ベース部材15bの形状は、この直線状部15b1の下方部は、第1ベース部材15aの形状と同一、またはほぼ同一の形状になるようにする。なお、第1ベース部材15aと第2ベース部材15bの材質は、前記したベース部材2と同様に、適度な硬さと可撓性を備えている薄板状のアクリル系樹脂等の合成樹脂、あるいは皮、合成皮革、厚紙等から構成する。
また、この第2ベース部材15bの断面形状は、若干外側に向かって凸状をなす湾曲形状にすると共に、その厚さは第1ベース部材15aの厚さより薄くして、ポケット部14に小物を挿入したときにポケット部14が前方に若干膨らむようにするとよい。これにより、ポケット部14への小物の出し入れの操作を容易にすることができる。
上記した第4の実施形態を示す着物用アクセサリーホルダー1cは、次の(手順7)〜(手順11)に記載の方法により製造することができる。
(手順7)
第1カバー部材12を構成する後側部材12bと前側部材12aを対向して配置し、この後側部材12bと前側部材12aとの間に第1ベース部材15aが包含された状態で、後側部材12bと前側部材12aとの周縁部を前記した手順2と同様の方法により糸で縫い合わせる。このとき、縫い合わされた後側部材12bと前側部材12aとは、それぞれ第1ベース部材15aの平面部と側面部に密着するようにする。
(手順8)
第2カバー部材16を構成する後側部材16bと前側部材16aを対向して配置し、この後側部材16bと前側部材16aとの間に第2ベース部材15bが包含された状態で、後側部材16bと前側部材16aとの周縁部を前記した手順2と同様の方法により糸で縫い合わせる。このとき、縫い合わされた後側部材16bと前側部材16aとは、それぞれ第2ベース部材15bの平面部と側面部に密着するようにする。
(手順9)
上記手順8により製作した第2ベース部材15bを包含している第2カバー部材16を、加熱冶具に挿入し、樹脂製の第2ベース部材15bを図10に示すように若干湾曲させた状態で、適度な温度で所定時間加熱する。そして、所定時間加熱した後、第2カバー部材16を冷却することにより、断面形状が若干外側に湾曲した第2ベース部材15bを挿入した第2カバー部材16を得ることができる。このとき、第2ベース部材15bと後側部材16bとを接着剤により接着させるようにしてもよい。また、第2ベース部材15bは、予め断面形状が若干湾曲したものを使用してもよい。
(手順10)
第1カバー部材12と第2カバー部材16とを対向させた状態で、第1カバー部材12と第2カバー部材16の周縁部を糸で縫い合わせる。このとき、第1カバー部材12の前側部材12aの上方部に、露出部12a1が形成され、かつ、第2カバー部材16の上端部は、ポケット部14の入口部14aが形成されるようにする。
(手順11)
続いて、ポケット部14の底部14bを形成する。ポケット部14の底部14bを形成する方法は、例えば、工業用ミシンを使用して第1カバー部材12と、第1ベース部材15aと、第2ベース部材15bと、第2カバー部材16とを同時に糸で縫い合わせて形成するようにする。次に、露出部12a1の上端部近傍に孔部6を穿孔する。このとき、穿孔工具により、孔部6を穿孔すると共に、孔部6の内周面に補強リング6aを嵌着するようにする。このようにして、図9に示すホルダー本体1cを製造することができる。
なお、上記した第4の実施形態においても、予め裏生地等で袋状のポケット部を作成しておき、このポケット部を第1カバー部材12と第2カバー部材16との間に挿入した状態で、図9に示すように入口部14aを備えたポケット部14を形成するようにしてもよい。
ホルダー本体1cは、第1ベース部材15aと第2ベース部材15bとの間にポケット部14を形成しているので、ポケット部14を小物入れとして多数回にわたる使用を行っても、ホルダー本体1cの型ズレが生じないという効果が生じる。
上記した本発明の第4の実施形態であるホルダー本体1cは、装飾性を有し、かつ、孔部6に袖寄せストラップ7、あるいは、後記するアクセサリーストラップを着脱可能に係止する機能を備え、商品としての価値を有しているので、本発明の着物用アクセサリーホルダーとして製造し、販売することが可能になる。
続いて、本発明の第5の実施形態を図13に基づいて説明する。第5の実施形態を示す着物用アクセサリーホルダーH2は、図6または図9に示す本発明の第3または第4の実施形態を示すホルダー本体1bまたは1cの孔部6に、前記した袖寄せストラップ7を係止した構成を示している。この第5の実施形態を示す着物用アクセサリーホルダーH2は、係止手段となる孔部6に袖寄せストラップ7を予め固着した構成、あるいは、着脱自在に係止可能にしてもよい。
図13に示す袖寄せストラップ7において、装飾部材11を取り付けた把持具10は紐状部材8の端部に固着した例を示しているが、装飾部材11を取り付けた把持具10を紐状部材8に着脱可能に係止できる構成にしてもよい。このような構成にすると、予め、種々の装飾部材11を固着した把持具10を製造しておくことにより、着物装着者の好みの装飾部材11を固着した把持具10を、紐状部材8に着脱自在に係止することが可能になる。なお、前記したように、紐状部材8は装飾性を向上させるために、金糸または銀糸を含ませた部材、鎖状部材、あるいはライトストーンやキュービックジルコニア等を嵌め込んだ装飾性を有する部材を使用することがより好ましい。
図14、図15は、上記した袖寄せストラップ7について、装飾部材11を取り付けた把持具10を着脱自在に係止可能とした把持具10と、この把持具10を係止した袖寄せストラップ7の構成例を示している。このうち、図14は、把持具10を構成する把持部材10aの基部に、強靭、かつ十分な屈曲性を備えた糸状の合成繊維等からなるリング部材17を接続した把持具10の構成を示している。そして、図15は、袖寄せストラップ7の紐状部材8の端部に、図14に示す把持具10を着脱可能に係止したときの袖寄せストラップ7の一例を示している。
図15に示すように、袖寄せストラップ7を構成する紐状部材8の端部には、リング部材18を一体に接続している。このリング部材18は、リング部材17と同様に、強靭、かつ十分な屈曲性を備えた糸状の合成繊維等から構成されている。そして、把持具10に接続したリング部材17の端部を、リング部材18内に装入し、このリング部材18を通過したリング部材17内に、把持具10を通すことにより、紐状部材8、すなわち、袖寄せストラップ7に、装飾部材11を固着した把持具10を着脱可能に係止することができるようになる。
続いて、本発明の着物用アクセサリーホルダーの特徴となる他の構成について説明する。この特徴は、上記した把持具10に、手鏡としての機能を持たせたことにある。この特徴を備えた把持具10の一例を、図16〜図17に基づいて説明する。
図16、図17は、ステンレス等の金属製の板材から成形された把持部材10aと10b、バネ部材10c、および連結部材10dから構成された把持具10を示している。そして、把持具10の一方の把持部材10a(または把持部材10b)の外側面に平坦部を設け、この平坦部に光を反射する鏡面部を設けたことに特徴がある。この鏡面部の構成としては、平坦部に光を反射する部材19を接着剤等により一体に固着する手段を採用することができる。図16(図17)は、把持部材10bの外側面に設けた平坦部に光を反射する部材19を固着した例を示している。この光を反射する部材19とは、光を反射することにより、鏡としての機能を備えている部材を示す。なお、図16に示す把持具10においては、その把持部材10aの基部10a1に設けた孔部10fを介して袖寄せストラップ7の紐状部材8が係止、または着脱自在に係止される。
光を反射する部材19としては、例えば、ポリカーボネイト等の合成樹脂製のフィルムにアルミニウム、またはクロムをスパッタリング等によりコーティングして、光を反射する機能を持たせたフィルムを使用することができる。そして、このフィルム部材(19)を、把持部材10bの外側面に形成されている平坦部のほぼ全面にわたってエポキシ樹脂等からなる接着剤により強固に固着する。これにより、把持具10の把持部材10bは、その外側の平坦部は光を反射する部材19により、小さい手鏡としての機能を発揮させることが可能になる。
なお、図16〜図17に示す例においては、把持部材10a、10bのうち、把持部材10bの外側面の平坦部に光を反射するフィルム部材19を取り付けた例を示しているが、把持部材10a、10bの双方の外側面にフィルム部材19を取り付けてもよい。また、把持部材10a、10bのうち、その一方の外側の平坦部にフィルム部材19を固着し、他方の外側面に装飾部材11を取り付けるようにしてもよい。例えば、図17に示す例では、一方の把持部材10bの外側面に光を反射する部材19を固着し、他方の把持部材10aの外側面に装飾部材11を接着剤等により固着する。これにより、把持具10に手鏡としての機能と、アクセサリーとしての機能を持たせることができるようになる。
また、フィルム部材19を固着する把持部材10b等の外側面の平坦部は、鏡面部としての機能を発揮させるために、精度の高い平面状態を備えていることが望ましい。従って、把持具10の一実施形態であるピンチ等は、把持部材10b等の外側面の平坦部は精度の高い平面状態を有し、その面積および形状も小形の手鏡として機能を発揮するような仕様を備えたピンチを、本発明に用いる把持具10として製作することが望ましい。
なお、上記した光を反射する鏡面部を形成する手段としては、前記した光を反射する機能を有するフィルムの他に、少なくとも把持部材10b等の外側面の平坦部を含む領域に、電気メッキあるいは無電解メッキにより光を反射して鏡としての機能を備えるメッキ被膜、例えば、光沢を有するクロムめっき被膜を形成するようにしてもよい。また、把持部材10b等の外側面の平坦部に、ガラス製鏡部材を接着剤により強固に固着した構成にしてもよい。
続いて、本発明の第6の実施形態を、図18に基づいて説明する。第6の実施形態を示す着物用アクセサリーホルダーH3は、図6または図9に示す本発明の第3または第4の実施形態を示すホルダー本体1bまたは1cの孔部6に、前記した袖寄せストラップ7と、さらに、アクセサリーストラップ20を係止した構成を示している。アクセサリーストラップ20は、着物装着者が着物用アクセサリーホルダーH3のホルダー本体1b(1c)を巻帯の層間に挿入したときに、帯の前面に垂れ下げることによりアクセサリー効果を発揮させるために設けるものである。
なお、本発明においては、図18に示すように、ホルダー本体1b(1c)の孔部6に、予め袖寄せストラップ7とアクセサリーストラップ20とを係止(固着)した状態で製造して販売してもよいし、あるいは、着物装着者が好みの袖寄せストラップ7とアクセサリーストラップ20をホルダー本体1b(1c)の孔部6に着脱自在に係止するようにしてもよい。
アクセサリーストラップ20は、強靭かつ柔軟性を備えた合成繊維等からなる紐状部材21と、この紐状部材21の端部に接続された合成繊維等からなるリング部材22と、紐状部材21の要所に取り付けられた複数の装飾部材23から構成される。この装飾部材23は、図18に示すような花模様からなる装飾部材の他に、例えば、装飾部材23が揺れるたびに輝く素材、例えば、ライトストーンやキュービックジルコニアを嵌め込んだ珠状、花形、あるいはハート形をしたビーズ等を用いると、装飾効果をより高めることが可能になる。なお、アクセサリーストラップ20の長さは、3cm〜20cm程度でよい。
図18に示すアクセサリーストラップ20においては、複数の装飾部材23を紐状部材21に固着した例を示しているが、これら複数の装飾部材23を紐状部材21に着脱自在に係止できるような構成にしてもよい。このような構成にすると、予め、種々の装飾部材23を製造して販売することにより、着物装着者の好みにより、この装飾部材23を紐状部材21に着脱自在に係止することが可能になる。
図19および図20は、上記したアクセサリーストラップ20の紐状部材21に、装飾部材23を着脱自在に係止するための、装飾部材23aと紐状部材21aの構成例を示している。図19に示す装飾部材23aは、装飾部材23に一体に接続した紐状部材24と、この紐状部材24の端部にリング部材25を接続した構成を示す。これら紐状部材24とリング部材25は、強靭かつ柔軟性を備えた合成繊維等を使用する。
図20に示す紐状部材21aは、リング部材22の一端部に紐状部材26を接続し、さらに、この紐状部材26の端部にリング部材27を接続した構成にしたものである。そして、図20に示すように、紐状部材21aは、これら紐状部材26とリング部材27とをこの順序で複数組ほど直線状に接続した構成にしたものである。
図21は、上記した紐状部材21aのリング部材27に、装飾部材23aを着脱自在に係止した状態を示すアクセサリーストラップ20aを示す。リング部材27に装飾部材23aを係止するときには、装飾部材23aのリング部材25を紐状部材21aのリング部材27内に通し、このリング部材27内を通過したリング部材25内に装飾部材23を通すことにより、アクセサリーストラップ20aに装飾部材23aを着脱自在に係止することができる。
なお、アクセサリーストラップ20の紐状部材21に、装飾部材23を着脱自在に係止する手段として、図18に示す紐状部材21を、図22に示すような構成の紐状部材28としてもよい。図22に示す紐状部材28は、その要所に所定の間隔をおいて貫通孔となる隙間29が生じるように編み上げた構成、すなわち、組ひもの構成にした紐状部材を示している。そして、紐状部材28に形成されている隙間29に、装飾部材23aのリング部材25を通すことにより、アクセサリーストラップ20の紐状部材28に、装飾部材23aを着脱可能に係止することが可能になる。
上記した本発明の実施形態においては、袖寄せストラップ7、アクセサリーストラップ20、20aをホルダー本体1a、1b、1c等に係止する係止手段として、ホルダー本体1a、1b、1cの上端部近傍に孔部6を設けた例について説明した。本発明においては、この係止手段として、図23、および図25に示す手段を採用することもできる。
図23は、本発明の第7の実施形態となるホルダー本体1d示す。図23に示す係止手段は、図24に示すベース部材2の上端部近傍に孔部30を設け、この孔部30に、リング状部材からなる係止環31を固着した連結部材32を一体に接続した構成としたものである。そして、この係止環31を、袖寄せストラップ7、およびアクセサリーストラップ20等を係止、または着脱自在に係止する手段として使用する。なお、第7の実施形態において、リング状の係止環31を、連結部材32を介さないで孔部30に直接接続した構成にしてもよい。
第7の実施形態は、図24に示すベース部材2の全面を前記したカバー部材3により密着して覆うことにより、図23に示すホルダー本体1dを製造することができる。このとき、係止環31はカバー部材3の外側に露出させるようにする。なお、リング部材となる係止環31は強靭な合成繊維製等の糸、あるいは金属から構成する。また、連結部材32は、強靭な紐状の繊維、または微小な金属製リングを鎖状に接続した部材等を使用することができる。
なお、図23においては、連結部材32に係止環31を1個接続した例を示しているが、2個以上の係止環31を連結部材32に、あるいは、孔部30に接続してもよい。そして、2個の係止環を接続した場合には、一方の係止環31に袖寄せストラップ7を、他方の係止環31にアクセサリーストラップ20等を係止、あるいは着脱自在に係止するようにする。
また、図23に示すホルダー本体1dは、装飾性を有し、かつ、係止手段となる係止環31に袖寄せストラップ7、あるいは、アクセサリーストラップ20、20aを着脱可能に係止する機能を備え、商品としての価値を備えているので、本発明の着物用アクセサリーホルダーとして製造し販売することが可能になる。
なお、図23に示す連結部材32に係止環31を接続した構成からなる係止手段は、図6または図9に示すポケット部14を設けたホルダー本体1b、1cの露出部12a1に設けてもよい。
図25は、本発明の第8の実施形態を示す。第8の実施形態は、カバー部材3の上端部近傍に、係止手段となる2個のリング状部材33a、33bを固着したホルダー本体1eを示している。リング状部材33a、33bをカバー部材3の上端部近傍に固着する方法は、カバー部材3にリング状部材33a、33bの一端部を糸で縫い合わせるか、あるいは、ベース部材2に微小な孔を1個または2個穿孔しておき、この微小な孔に糸を通すことによりカバー部材3にリング状部材33a、33bを、ベース部材2を介して縫い合わせる手段等を採用することができる。
リング状部材33a、33bをカバー部材3に固着する位置は、図25に示すようにカバー部材3の表面側に固着するか、あるいは、カバー部材3の裏側に固着して、リング状部材33aと33bの一部、例えば1/3〜1/2程度がカバー部材3の外側に露出させるようにしてもよい。また、図25においては、カバー部材3の上端部近傍に2個のリング状部材33a、33bを固着した例を示したが、このリング部材は1個、あるいは3個以上取り付けてもよい。
図26は、本発明の第9の実施形態を示す。第9の実施形態は、図6、図9に示すポケット部14を設けたホルダー本体1b、1cにおいて、孔部6を穿孔しないで、2個のリング部材33a、33bを係止手段として固着したホルダー本体1fを示している。このホルダー本体1fにおいては、外側に露出しているカバー部材12a1の上端部近傍に2個のリング部材33a、33bを固着している。カバー部材12a1の上端部近傍に2個のリング部材33a、33bを固着する方法は、上記したホルダー本体1fと同様な手段を採用することができる。なお、2個のリング部材33a、33bは、後側部材12bの上端部近傍に固着してもよい。
本発明において、図23に示す係止環31の代わりに、図27に示すような、ピンPの操作により開閉自在な構成にされているフック34を用いてもよい。フック34を用いる場合には、フック34に接続されている連結部材32の端部を、ベース部材2の孔部30に一体に接続するようにする。このようなフック34を用いると、ピンPの押圧操作により、袖寄せストラップ7、あるいはアクセサリーストラップ20、20aをワンタッチでフック34に着脱することが可能になる。特に、着物の袖をたくし上げる必要性が生じたときに、巻帯に差し込んだホルダー本体1b、1cに袖寄せストラップ7をワンタッチで係止することができるという効果が生じる。
上記したホルダー本体1e、1fは単体でも、装飾性を有し、かつ、リング部材33a、33bに袖寄せストラップ7、あるいは、アクセサリーストラップ20、20aを着脱自在に係止する機能を備え、商品としての価値を有しているので、本発明の着物用アクセサリーホルダーとして製造し販売することが可能になる。
なお、図4、図13、図18に示す袖寄せストラップ7において、その紐状部材8の端部に接続する把持具10は、紐状部材8に着脱自在に接続可能な構成にしてもよい。図28は、袖寄せストラップ7に把持具10を着脱自在に接続するための構成例を示す。図28において、把持具10の基部には金属製または紐状のリング部材10eを設け、袖寄せストラップ7の紐状部材8の端部にはフック34aを固着している。フック34aは、ピンPの操作により開閉自在な構成になっている。そして、袖寄せストラップ7に把持具10を着脱可能に接続するときには、フック34aのピンPを押圧操作してフック34aのリング部を開いて、把持具10のリング部材10eを通す。次に、ピンPの押圧操作を開放する。これにより、袖寄せストラップ7に把持具10をワンタッチで接続することができる。
また、図16に示す光を反射する部材19を備えた把持具10において、把持部材10aの基部10a1に孔部10f(図16参照)を設け、例えば、この孔部10fに上記したフック34aのリング部を開いて貫通させることにより、この手鏡の機能を有する把持具10を袖寄せストラップ7にワンタッチで接続することができるようにしてもよい。
このように、袖寄せストラップ7について、把持具10をワンタッチで着脱自在に接続可能な構成にすることにより、着物装着者は好みの装飾部材11等を固着した把持具10を使用することが可能になる。さらに、後記するように、袖寄せストラップ7からワンタッチで把持具10を外し、把持具10のみで袖をたくし上げる操作を行なうことも可能になる。
続いて、本発明の第10の実施形態を、図29に基づいて説明する。第10の実施形態は、図6、図9に示すホルダー本体1b、1cにおいて、ポケット部14の下部に第2のポケット部35を設け、さらに、このポケット部35の入り口となる入口部35aは、ホルダー本体1b、1cの側面部の一方に設けたホルダー本体1gを示している。
第2のポケット部35の入り口となる入口部35aを、ホルダー本体1b、1cの側面部に設ける理由は次の通りである。すなわち、第1のポケット部14に鍵や口紅等を入れるとポケット部14は若干前側に膨らむ。従って、第2のポケット部35の入口をこのポケット部35の上方に設けると、他の小物の出し入れに支障が生じる可能性が生じる。このため、第2のポケット部35の入り口となる入口部35aをホルダー本体1b、1cの側面部に設けると、小物の出し入れが容易になるからである。なお、図29において、ポケット部35の入口部35aは、ホルダー本体1gの右側面部(紙面の右側位置)に配置した例を示しているが、ホルダー本体1gの左側面部に配置してもよい。
図6、図9に示すホルダー本体1b、1cに第2のポケット部35を設ける方法は、次のようにして行なうことができる。
上記した(手順5)において、第1カバー部材12と第2カバー部材13の周縁部を糸で縫い合わせるときに、第1のポケット部14の入口となる入口部14aと第2のポケット部35の入口となる入口部35aは、前側部材12aと糸で縫い合わせないようにする。また、第2のポケット部35の底部35bを形成するために、第2カバー部材13と前側部材12aとを糸で縫い合わせて、第2のポケット部35の底部35bを形成する。なお、上記した第10の実施形態において設けた第2のポケット部35の入口部は、もちろん第1のポケット部14と同様にポケットの上方部に設けてもよい。
続いて、本発明の第11の実施形態を、図30に基づいて説明する。第11の実施形態は、上記した各ホルダー本体1a〜1gにおいて、例えば、その下端部を含む側面部に一つまたは複数のリング状部材36を取り付けて、このリング状部材36に着物装着者が所有しているネックレス等を係止可能にしたホルダー本体1hを示す。このように、ホルダー本体の側面部にリング状部材36を取り付けると、着物装着者が所有しているネックレス等のアクセサリーを、前記したアクセサリーストラップ20、20aの代わりとして、リング状部材36内を通して係止し、このネックレス等を帯の前側等に垂れ下げることにより、装飾性を発揮させることが可能になる。
この第11の実施形態においては、ネックレスに取り付けられている宝石等の装飾部材により、着物装着者の個性を発揮するために使用することが可能になる。なお、リング状部材36は、金属製のリング部材、あるいは強靭な合成繊維製等の糸からなるリング部材を使用し、このリング部材を第1カバー部材12または第2カバー部材13の側面部に取り付けるようにする。
なお、リング状部材36にネックレスを係止する方法は、例えば、ネックレスの鎖部材を、係止リング36内を通すことにより係止する。また、任意の複数の係止リング36内にネックレスの鎖部材を通すことにより、ホルダー本体1hに係止したネックレスが下方に垂れ下がる長さを調節することが可能になる。そして、ネックレスを係止したホルダー本体1hを巻帯の層間に挿入すると、このネックレスを帯の前面側等に垂れ下がるようにして、アクセサリー効果が発揮できるようにする。
続いて、本発明の着物用アクセサリーホルダーについて、その着用と使用方法を図31〜図35に基づいて説明する。
まず、図31に示すように、着物を装着した後、袖寄せストラップ7、アクセサリーストラップ20等を係止したホルダー本体1a、1b等(図31では1bと表示)を、みぞおちを避け、胸の中央前面よりやや左側、あるいは右側に、ホルダー本体1b等の長手方向がほぼ垂直向き、かつ、ホルダー本体1bに設けた孔部6等の係止手段が上側になるようにして、帯37の上方部から巻帯の層間に差し込む。このとき、巻帯の層間に差し込んだホルダー本体1bの下方部3aが帯締め38aの位置から若干下方に挿入されるようにする。また、ポケット部14等に必要とする小物を入れておく場合には、予めこの小物をポケット部14等に入れた後に、ホルダー本体1bを巻帯の層間に差し込むようにする。なお、図31に示す38bは帯揚げを示す。
ホルダー本体1bに袖寄せストラップ7、アクセサリーストラップ20等が着脱可能な構成になっている着物用アクセサリーホルダーH3を使用する場合には、ホルダー本体1bを帯37の巻帯の層間に差し込む前に、ホルダー本体1bの係止手段(孔部6等)にこれら袖寄せストラップ7とアクセサリーストラップ20等を予め係止しておくようにする。帯37は、帯締め38aにより締め付けられているので、帯37の層間に差し込んだホルダー本体1bは、帯37の層間から抜け落ちることはない。
なお、ホルダー本体1bを巻帯の層間に差し込んだ後、袖寄せストラップ7を使用する必要がないとき、すなわち、袖をたくし上げる必要がないときには、この袖寄せストラップ7は巻帯の層間に挿入した状態にしておくか、ポケット部14または第2のポケット部35に把持具10と共に挿入して外から見えないようにする。
一方、アクセサリーストラップ20は、図31に示すように、帯37の表側面に沿って垂れ下がるようにして、その装飾効果を発揮させる。特に、着物装着者の歩行等によりアクセサリーストラップ20は若干揺れるので、例えば、ライトストーンやキュービックジルコニア等を嵌め込んだ装飾部材23を用いると、装飾効果をより発揮させることができるようになる。
化粧室等において前屈みになるとき、あるいは階段を昇り降りするときは、左右の袖(特に振袖)39の下端部39aが床面に触れて、下端部39aを汚す可能性が生じる。このとき、この汚れを防止するために、着物装着者は、本発明の着物用アクセサリーホルダーを構成する袖寄せストラップ7を用いて、袖39をたくし上げる操作を行なう。
着物装着者が袖寄せストラップ7を用いて、袖39をたくし上げる操作は、例えば、下記の(操作1)〜(操作3)に記載の手順により行なうことができる。
(操作1)
まず、帯37の巻帯の層間、またはポケット部14、あるいは第2のポケット部35に差し込んでおいた袖寄せストラップ7を外に取り出す。
(操作2)
続いて、図32に示すように、左右の手でそれぞれの袖39の袂を掴む。そして、袖39を掴んだ両手を図33に示すよう身体の前側に持ち(たくし)上げて、一方の手の指先で袖寄せストラップ7に接続されている把持具10を掴む。次に、図33に示すように、把持具10の基部を指先で押圧してたくし上げた左右の袖39、39の端部、あるいは袂を把持具10により挟着する。これにより、両手を開放しても、たくし上げた左右の袖39の下端部は適度な長さを有する袖寄せストラップ7によりその位置で身体の前側の上方部に保持された状態になるので、左右の袖39、39の下端部は床に触れることがなくなる。
なお、この操作2において、把持具10で挟着した袖39、39を手で持ち上げて、把持具10により袖39、39を帯(巻き帯)37の上線部に挟着してもよい。
上記した操作2により、たくし上げた左右の袖39の下端部は身体の前側の上方部に保持された状態になる。これにより、図34に示すように、例えば、手荷物を持って駅の階段の昇り降り時に、左右の袖39の下端部39aが床面に触れて汚す心配はなくなる。
(操作3)
たくし上げた左右の袖39を元に戻すときは、把持具10により把持した左右の袖39の端部を、把持具10の基部を押圧して外す操作を行なう。続いて、袖寄せストラップ7を、帯37の巻帯の層間に挿入するか、あるいはホルダー本体1bのポケット部14、35等に挿入して外から見えないようにする。
上記した(操作1)〜(操作3)においては、左右の袖39を着物装着者の身体の前側にたくし上げる方法について説明したが、図35に示すように身体の後側に左右の袖39をたくし上げる操作を行なうようにすることもできる。この操作は、例えば、次のようにして行なうことができる。なお、この操作を行なうときには、図28に示すような把持具10を着脱自在に係止した袖寄せストラップ7を使用する。そして、左右の袖39をたくし上げる前に、この把持具10を袖寄せストラップ7から外し、外した把持具10を帯37の上端部に止めておく。
まず、図32に示すように、左右の手でそれぞれの袖39の端部または袂を掴む。続いて、掴んだ袖を身体の後側に回して、一方の手で両方の袂を掴む。次に、他方の手で把持具10を掴んで、これら両方の袖39の端部を、帯37の上端部に止めておいた把持具10で把持する。これにより、図35に示すように、左右の袖39の袖口は身体の後側に引かれるので、洗面所で手を洗う時に袖や袖口に水がかかる心配がなくなり、さらに、前かがみになっても左右の袖39の下端部39aが床面に触れて汚す心配がなくなる。
また、椅子に座って食事をするときにも、本発明の着物用アクセサリーホルダーの機能を有効に活用することができる。この場合には、胸元にナプキンまたはハンカチを広げる。そして、ナプキンまたはハンカチを袖寄せストラップの把持具10を用いて着物の衿元に挟着する。これにより、ナプキンまたはハンカチは胸元からずり落ちることがなくなるので、食事中に衿元等を汚すことを防止できる。さらに、このとき、把持具10に装飾部材11を備えている把持具10を使用することにより、把持具10を違和感なくブローチ感覚で使用することができる。さらに、把持具10として図16(図17)に示すような光を反射するフィルム部材19等を備えた手鏡としての機能を備えている把持具を使用することにより、食事後に口元のチェックをスマートに行なうことができる。
さらに、本発明の着物用アクセサリーホルダーは、前記したようにポケット部14、35等を設けているので、このポケット部14、35に、乗車カード等の各種のカード類、切符、小銭、鍵、リップグロス、等の小物を入れておくことができる。これにより、着物装着時に煩わしいハンドバッグ等の開け閉めを行なう操作を少なくすることが可能になる。なお、ポケット部14、35に小物を入れて利便性を向上させるために、図1に示すホルダー本体の幅寸法W1、W2、および長さLについて、それぞれ用途に合わせた寸法値を有する複数種のホルダー本体1b、1c等を予め製造しておくようにするとよい。
また、袖寄せストラップ7として、光を反射する部材が取り付けられた把持具10を備えた着物用アクセサリーホルダーを帯37の層間に挿入した場合、袖をたくし上げる必要がないときには、この把持具10を帯37の上端部に把持させておくことにより、何時でも素早くこの把持具10を手鏡として利用できるという利便性が向上する。この場合、一方の把持部材を鏡面部とし、他方の把持部材に装飾部材11を固着した把持具10を使用し、この把持具10を帯37の上端部に把持させたときにこの装飾部材11が前方に向くようにすると、違和感なく把持具10を帯37に挟着させておくことができる。
さらに、本発明の着物用アクセサリーホルダーは、その係止手段となる孔部6、あるいは係止環31、リング部材33a、33b等に、複数のアクセサリーストラップ20等、および携帯電話機を着脱可能に接続することもできる。そして、携帯電話機を使用しないときには、この携帯電話機を巻帯の層間に差し込んでおくことができるので、一層利便性が向上した着物の袖寄せホルダーを提供することができる。
さらに、本発明の着物用アクセサリーホルダーは、前記したように、ホルダー本体1a〜1h単体でも商品としての価値を有しているので、ホルダー本体1a〜1hを単体で製造し販売することが可能になる。また、これら各ホルダー本体1a〜1hに、上記した構成の袖寄せストラップとアクセサリーストラップの一方、あるいは双方を係止、または固着した状態で製造し販売することが可能になる。
上記した本発明の実施形態においては、把持具10に光を反射する部材を固着、あるいはメッキ被膜等を形成することにより、把持具10を小さい手鏡としての機能を備えた例について説明したが、本発明の着物用アクセサリーホルダーは、次のような構成にして手鏡としての機能を発揮させてもよい。すなわち、上記したホルダー本体1a〜1h等のカバー部材の一方の表面平坦部(例えば、裏面側)に光を反射するフィルム部材等を接着により固着し、ホルダー本体を手鏡としての機能を備えるようにする。
また、本発明の着物用アクセサリーホルダーは、着物の他に、洋服を着用したときにも使用することができる。例えば、ホルダー本体1a〜1h等にアクセサリーストラップ20、あるいは20aのみを係止した着物用アクセサリーホルダーを、洋服を着用したときのベルトの下に、あるいはポケット等の任意の位置に挿入する。これにより、洋服着用時においても、アクセサリーストラップ20、20aによりアクセサリー効果を発揮させることが可能になる。