JP5118768B2 - 近接場分光装置 - Google Patents
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Description
この走査型近接場光学顕微鏡は、いわゆる近接場波を検出するものであり、例えば微小な試料が平坦な基板の上に置かれており、該試料に基板裏面から全反射が生じるような角度で光を入射させると、伝搬光はすべて反射するが、基板及び試料表面付近には近接場波と呼ばれる表面波が発生する。この表面波は試料表面の周りの光の波長以内の距離の領域に局在している。
したがって、前記散乱光の強度が一定となるようにしつつプローブの走査を行うことにより、該プローブ先端位置は試料表面の凹凸を的確に反映するものとなる。しかも、プローブ先端は近接場波の場に存在するのみであり、試料そのものには接触していないため、試料に対して非接触、非破壊でかつ光の波長の値より小さいものを観察できるものである。
本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は効率的に試料の真のスペクトル情報を得ることのできる近接場分光装置を提供することにある。
すなわち、前記目的を達成するために本発明にかかる近接場分光装置は、近接場情報取得手段と、バックグラウンド情報取得手段と、Z軸走査手段と、演算手段と、を備える。そして、前記バックグラウンド情報取得手段は、前記Z軸走査手段により試料とプローブ先端をZ軸方向に離隔し近接場領域外の所定距離に離隔中に、対応する測定部位のバックグラウンドスペクトル情報を得ることを特徴とする。
前記Z軸走査手段は、前記試料とプローブ先端を離隔ないし近接させるZ軸方向に走査し、前記近接場情報取得手段により近接場スペクトル情報を得る際は、前記試料とプローブ先端を近接場領域内の所定距離に近接させ、前記バックグラウンド情報取得手段によりバックグラウンドスペクトル情報を得る際は、前記試料とプローブ先端を近接場領域外の所定距離に離隔させる。
なお、本発明においては、前記測定部位として前記試料測定面上に複数の測定面を設定し、前記プローブ先端を試料測定面上でZ軸と直交するX,Y軸方向に走査するXY軸走査手段を備える。そして、前記近接場情報取得手段は、前記Z軸走査手段により試料とプローブ先端を近接場領域内の所定距離に近接させた状態で、前記XY軸走査手段によりプローブ先端を測定面のX方向及びY方向に走査させ、該測定面の近接場スペクトル情報を得る。
また本発明においては、前記測定部位として前記試料測定面上に複数の測定行をX,Y軸平面内の一軸方向に設定し、前記プローブ先端を試料測定面上でZ軸と直交するX,Y軸方向に走査するXY軸走査手段を備える。そして、前記近接場情報取得手段は、各測定行より順次、近接場スペクトル情報を得る。
前記演算手段は、前記各測定行の近接場スペクトル情報より、対応する各バックグラウンドスペクトル情報を差し引き、各測定行について、対応する各バックグラウンドが除去された真の近接場スペクトル情報を得ることが好適である。
前記バックグラウンド補正手段は、プローブ先端の次の測定点への移動時の、前記Z軸走査手段により試料とプローブ先端をZ軸方向に離隔し近接場領域外の所定距離に離隔中に、プローブ先端の移動元ないし移動先の測定点のためのバックグラウンドスペクトル情報を得る。
また本発明においては、光距離特性取得手段と、選択手段と、を備える。そして、前記バックグラウンド情報取得手段によりバックグラウンドスペクトル情報を得る際は、前記Z軸走査手段により試料測定面とプローブ先端間のZ軸方向の離隔距離を前記選択手段で選択された距離とすることが好適である。
また、前記選択手段は、前記光距離特性取得手段で得た光と距離の関係より、所望の光特性が得られる距離を選択する。
また本発明においては、Z軸走査手段により試料とプローブ先端間の距離を変えながら、光距離特性取得手段によりスペクトルと距離の関係を得ることにより、バックグラウンドを測定すべき試料とプローブ先端の距離を的確に知ることができるので、近接場分光におけるバックグラウンド補正時のスペクトル情報の劣化を大幅に低減することができる。
図1には本発明の一実施形態にかかる近接場分光装置の概略構成が示されている。なお、本実施形態においては、プローブとして先端よりしみ出した近接場光を試料測定部位で散乱ないし反射させ、その散乱ないし反射光を採取する光ファイバプローブを用いる。
前記離隔情報取得手段は、例えば光ファイバプローブ12と、近接場ヘッド14と、Z軸位置制御用光学系16と、XYZステージ18と、ステージコントローラ20と、コンピュータ本体22を備える。
また測定時間の長いマッピング測定では、バックグラウンドスペクトルが時間を追って序々に変化するため、測定の途中でバックグラウンドスペクトルをアップデートする必要があった。
前記バックグラウンド情報取得手段は、例えば励起レーザ36と、光ファイバプローブ12と、分光器38と、検出器40と、コンピュータ本体22を備える。
前記Z軸走査手段は、例えばXYZステージ18と、ステージコントローラ20等よりなり、試料24とプローブ12先端を離隔ないし近接させるZ軸方向に走査する。バックグラウンドスペクトル情報を得る際は、試料24とプローブ12先端を近接場領域外の所定距離に離隔させる。
なお、各バックグラウンドスペクトル情報は、プローブ先端位置の移動元又は移動先の測定部位から得られた近接場スペクトル情報のバックグラウンド補正に用いることができる。
<面走査>
試料の測定領域に複数の測定面を設定し、近接場情報取得手段により各測定面より順次、近接場スペクトル情報を得る。つまり測定面毎のマッピング測定を行う。
同図に示すように測定面A1のためのバックグラウンド測定点Q1では、プローブ先端位置を測定面の近接場領域外の所定距離に離隔させ、バックグラウンドスペクトル情報を得る。
第1測定面A1とプローブ先端位置の離隔距離を保ちながら、プローブ先端位置を第1測定面A1の始点P1から終点Pnまで、図中実線のようにX方向及びY方向に走査させ、第1測定面A1の近接場スペクトル情報を得る。このとき、XYZステージ等より測定面A1上のXY座標が得られ、検出器で得られた光強度は、分光器より得られる波長情報と共に記憶されることにより、測定面A1の各測定部位における近接場スペクトル情報が得られる。
このように本実施形態では、各測定面のマッピング測定中のZ軸方向位置変調時、つまりある測定面の近接場スペクトル情報の取得後から次の測定面の近接場スペクトル情報取得前の、プローブ先端位置が近接場領域外の所定距離に離隔中に、プローブ先端位置の移動元ないし移動先の測定面のバックグラウンドスペクトル情報を得る。
また前記構成では、ある測定面の始点付近のバックグラウンド測定点より採取したバックグラウンドスペクトル情報を用いて、その測定面の近接場スペクトル情報を補正した例について説明したが、その測定面の終点付近のバックグラウンド測定点より採取したバックグラウンドスペクトルを用いてもよい。
図4に示すように試料の測定領域に複数の測定行L1〜Lnを図中X軸方向に設定し、近接場情報取得手段により各測定行L1〜Lnより順次、近接場スペクトル情報を得る。つまり測定行Li毎のマッピング測定を行う。
なお、同図中、実線はプローブ先端と試料を近接場領域内に近接させマッピング測定時の、試料上のプローブ先端位置の移動軌跡を示す。破線はプローブ先端位置と試料を近接場領域外の所定距離に離隔させた状態のプローブ先端位置の移動軌跡を示す。破線で示された円印は、プローブ先端位置と試料を近接場領域外の所定距離に離隔させた状態のバックグラウンド測定点を示す。
本実施形態では、各測定行のマッピング測定中のZ軸方向位置変調時、つまりある測定行の近接場スペクトル情報取得後から次の測定行の近接場スペクトル情報取得前の、プローブ先端位置が近接場領域外の所定距離に離隔している時に、プローブ先端位置の移動元の測定行L1ないし移動先の測定行L2のためのバックグラウンドスペクトル情報を得る。
したがって、本実施形態では、各測定行のマッピング測定中のZ軸方向位置変調時の近接場領域外の所定距離に離隔中に、プローブ先端位置の移動元ないし移動先の測定行のためのバックグラウンドスペクトル情報を得、これを各測定行について行なうこととした。
図6に示すように試料の測定領域に複数の測定点を設定し、近接場情報取得手段により各測定点より順次、近接場スペクトル情報を得る。つまり測定点毎のマッピング測定を行う。
同図に示すように試料の測定領域を各測定点毎に走査する。すなわち、まず第1測定点P1上方では、プローブ先端位置を近接場領域外の所定距離に離隔させ、XY軸駆動により、図中破線に示すように第1測定点P1上方の周囲で、プローブ先端位置を旋回させている間に、バックグラウンド測定点Q1より測定点P1のためのバックグラウンドスペクトル情報を得る。
第2測定点P2の上方では、プローブ先端位置を近接場領域外の所定距離に離隔させた状態で、XY軸駆動により図中破線に示すように第2測定点P2上方の周囲を旋回させている間に、バックグラウンド測定点Q2より測定点P2のためのバックグラウンドスペクトル情報を得る。
このように本実施形態では、各測定点のマッピング測定中のZ軸方向位置の変調時に、つまりある測定点の近接場スペクトル情報の取得後から次の測定点の近接場スペクトル情報の取得前の、プローブ先端位置が近接場領域外の所定距離に離隔している時に、プローブ先端位置の移動元ないし移動先の測定点のためのバックグラウンドスペクトル情報を得る。
したがって、本実施形態では、各測定点のマッピング測定中のZ軸方向位置の変調時の、プローブ先端位置の次の測定点への移動時の近接場領域外の所定距離に離隔中に、プローブ先端位置の移動元ないし移動先の測定点のためのバックグラウンドスペクトル情報を得、これを各測定点について行なうこととした。
また前記構成では、プローブ先端位置を所定の離隔距離で測定点上方の周囲を旋回させている時に、対応する測定点のバックグラウンドスペクトル情報を得た例について説明したが、プローブ先端を所定の離隔距離で測定点の上方で旋回させることなく、図7に示すように近接場領域外の所定の離隔距離に離隔した各バックグラウンド測定点Qiより、対応する測定点Piのバックグラウンドスペクトル情報を得ることもできる。
ところで、近接場分光においては、プローブと試料の距離が離れている場合は、試料からの信号は格段に減少することが考えられるが、従来は具体的にどのくらいの距離になると、どのくらいスペクトルが得られるかを測定する機能は持っていなかった。
前記光距離特性取得手段は、例えば励起レーザ136と、光ファイバプローブ112と、分光器138と、検出器140と、コンピュータ本体122と、XYZステージ118と、ステージコントローラ120を備える。
選択手段は、例えば入力デバイス152等よりなり、前記光距離特性記憶部150に得た光と離隔距離の関係より、所望の光特性が得られる距離を選択する。これによりバックグラウンドを測定すべき距離を的確に選択することができる。
また前記構成では、プローブの位置を固定しXYZステージを移動した例について説明したが、XYZステージを固定し、プローブの位置を移動するものに適用することができる。
12 光ファイバプローブ(近接場、バックグラウンド情報取得手段)
18 XYZステージ(近接場、バックグラウンド情報取得手段,Z軸走査手段,XY軸走査手段)
20 ステージコントローラ(近接場,バックグラウンド情報取得手段,Z軸走査手段,XY軸走査手段)
22 コンピュータ本体(近接場,バックグラウンド情報取得手段)
36 励起レーザ(近接場,バックグラウンド情報取得手段)
38 分光器(近接場,バックグラウンド情報取得手段)
40 検出器(近接場,バックグラウンド情報取得手段)
Claims (2)
- 試料測定面上を行走査することにより近接場スペクトル測定とバックグラウンド測定を行う近接場分光装置であって、
試料の試料測定面上にX軸及びY軸からなるXY平面と、該XY平面に直交するZ軸とを設定し、該試料測定面上でプローブ先端をX軸又はY軸方向に走査するXY軸走査手段と、
前記試料と前記プローブ先端を離隔ないし近接させ、Z軸方向に走査するZ軸走査手段と、
前記Z軸走査手段によって前記試料と前記プローブ先端を近接場領域内の所定距離に近接させることにより散乱する近接場光を採取し、該近接場光を分光し、前記試料の近接場スペクトル情報を得る近接場情報取得手段と、
前記Z軸走査手段により前記試料測定面と前記プローブ先端間のZ軸方向の離隔距離を前記試料から前記プローブ先端を近接場領域外の所定距離に離隔させてバックグラウンドスペクトル情報を得るバックグラウンド情報取得手段と、
前記近接場情報取得手段で得た近接場スペクトル情報より、前記バックグラウンド情報取得手段で得たバックグラウンドスペクトル情報を差し引き、該バックグラウンドが除去された真の近接場スペクトル情報を得る演算手段と、を備え、
測定部位として前記試料測定面上に複数の測定行をX軸又はY軸に並行、かつ同一走査方向に設定し、
前記近接場情報取得手段は、各測定行より順次、近接場スペクトル情報を得、
前記バックグラウンド情報取得手段は、前記プローブが次の測定行へ移動する時に前記Z軸走査手段により前記試料から前記プローブ先端をZ軸方向に前記近接場領域外の所定距離に離隔し、測定が終了した測定行と、次の測定行との行間で前記プローブがプローブ先端の移動元ないし移動先の測定行のためのバックグラウンドスペクトル情報を得、
前記演算手段は、前記各測定行の近接場スペクトル情報より、対応する各バックグラウンドスペクトル情報を差し引き、前記各測定行について、対応する各バックグラウンドが除去された真の近接場スペクトル情報を得ることを特徴とする近接場分光装置。 - 請求項1に記載の近接場分光装置において、
前記Z軸走査手段により前記試料測定面と前記プローブ先端間の離隔距離を変えながら前記近接場情報取得手段により前記試料のスペクトル情報を得て、近接場散乱光に起因するスペクトルのピークの変化をみることにより該スペクトルと前記離隔距離との関係を得る光距離特性取得手段と、
前記光距離特性取得手段で得た前記スペクトルと前記離隔距離の関係より、近接場スペクトル又はバックグラウンドスペクトルが得られる距離を選択する選択手段と、
前記近接場情報取得手段で得た近接場スペクトル情報より、前記バックグラウンド情報取得手段で得たバックグラウンドスペクトル情報を差し引き、該バックグラウンドが除去された真の近接場スペクトル情報を得る演算手段と、をさらに備え、
前記近接場情報取得手段は、前記光距離特性取得手段が近接場スペクトルと前記離隔距離との関係を得る時、又は、前記選択手段により近接場スペクトルが得られる距離が選択された時に、前記試料の近接場スペクトル情報を得ており、
前記バックグラウンド情報取得手段は、前記選択手段によりバックグラウンドスペクトルが得られる距離が選択された時に、バックグラウンドスペクトル情報を得ることを特徴とする近接場分光装置。
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