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JP5120766B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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JP5120766B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、画像形成装置に関するものである。
電子写真方式を採用したプリンタや複写機等の画像形成装置では、像保持体としての感光体ドラムの表面を所定の電位に帯電した後、画像情報に応じて画像露光を施して静電潜像を形成し、この静電潜像にトナー(可視剤)を供給して顕像化することによりトナー像として、当該トナー像を直接用紙(シート)上に転写した後、定着装置によって定着するか、中間転写体を介して用紙上に転写した後、定着装置によって定着することで、画像を形成するように構成されている。
このような構成の画像形成装置で用いられる定着装置には一対の定着手段(例えば、内部に加熱源を有する加熱ロールなどの加熱回転体と、加圧ロールや加圧ベルトなどの加圧回転体)が設けられており、当該定着手段を互いに圧接することにより形成されるニップ部(圧接部)に、未定着トナー像が転写された用紙を通過させることにより、用紙上に未定着トナー像を加熱加圧して定着する。
定着装置にはニップを解除するためのレバー(操作手段)が備えられているものがある。そして、定着装置あるいはその近傍でジャム(紙詰まり)が発生した場合には、当該レバーを通常のニップ加圧位置(圧接位置)からニップ解除位置(圧接解除位置)へと操作して加熱回転体と加圧回転体との相互の圧接状態を解除することにより、ジャムの原因となる用紙を除去できるようにしている。
ここで、例えば製品が出荷されてからユーザの手に渡るまでのように長期間にわたって装置が使用されない場合、加熱回転体と加圧回転体とが相互に圧接したままになっていると、一方あるいは双方の回転体が圧接力により塑性変形して一部が扁平形状になる。そして、回転体が変形した状態で画像形成を行うと、形成された画像に回転体の周期で濃淡が現れるいわゆるニップ痕が生じる。また、回転体の変形により動作時に周期的に異音が発生し、ときには装置の故障の原因ともなる。
かかる回転体の変形を防止するために、製品出荷時には回転体が圧接解除状態となるニップ解除位置に上記レバーを固定しておき、使用時にはユーザがレバーの固定を解除してニップ加圧位置にし、加熱回転体と加圧回転体とを圧接させるようにした画像形成装置が提案されている。
なお、このような画像形成装置としては、例えば特開2001−154526号公報(特許文献1)や特開2002−229373号公報(特許文献2)に記載されたものがある。
特許文献1に記載の画像形成装置は、レバーの位置として、ニップ加圧位置やニップ解除位置とは異なる第3の位置(輸送時圧解除位置)を設定し、輸送時でのニップを解除している。また、特許文献2に記載の画像形成装置は、レバーをニップ解除位置に固定し、シッピングスペーサをレバーに適用し、開梱時にユーザがシッピングスペーサについた紐を引っ張ることでレバーがニップ加圧位置になるようにしている。
特開2001−154526号公報 特開2002−229373号公報
ここで、製品出荷時にはレバーをニップ解除位置にし、使用時にはこれをニップ加圧位置にすれば、長期間の不使用による回転体の変形は防止される。しかしながら、使用段階において、上述したジャムを解消するためにユーザがレバーをニップ解除位置にし、その後、ニップ加圧位置に戻すのを忘れたまま印刷を再開した場合には、ニップ力がかからないあるいは不十分な状態で印刷が実行されることとなり、定着不良などの印刷不良が発生するおそれがある。
本発明は、上述の技術的背景からなされたものであって、画像形成装置において、長期間不使用時における定着手段の圧接に伴う変形を防止するとともに、印刷時において定着手段が圧接解除状態となることを防止することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の画像形成装置は、圧接状態と当該圧接状態が解除された圧接解除状態とに変位可能に設けられ、圧接部にシートを通過させて当該シートに可視剤を定着させる定着手段と、自己保持可能な第1の位置で前記定着手段を圧接状態として印刷可能とし、前記第1の位置から所定の方向に移動した自己保持可能な第2の位置で前記定着手段を圧接解除状態とし、前記第1の位置から前記第2の位置の方向またはこれとは異なった方向に移動して前記第1の位置への変位力を有する第3の位置で前記定着手段を圧接解除状態とし、前記第1の位置から前記第2の位置とは異なった方向に移動した自己保持可能な第4の位置で前記定着手段を圧接解除状態とする操作手段と、前記定着手段および前記操作手段を装置本体側に残した第1の開閉形態と、前記定着手段および前記操作手段を伴った第2の開閉形態の2つの開閉形態とが選択可能に前記装置本体に取り付けられるとともに、前記第1の開閉形態における閉鎖時には前記第2の位置にある前記操作手段に干渉して当該操作手段を前記第1の位置に変位させ、前記第2の開閉形態における閉鎖時には前記第4の位置にある前記操作手段を前記装置本体に干渉させて当該操作手段を前記第1の位置に変位させる蓋部材と、前記装置本体と前記操作手段との間に着脱可能に装着され、前記変位力に抗して前記操作手段を前記第3の位置に保持する保持部材と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、前記装置本体には、当該装置本体と前記操作手段との間に装着された前記保持部材における前記操作手段の移動方向と交差する方向の動きを規制する規制部が形成されている、ことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、上記請求項1または2記載の発明において、前記保持部材は、前記保持部材は、前記操作手段が圧接する第1の接触面と、前記第1の接触面の反対側に位置して前記操作手段の前記変位力により前記装置本体に圧接する第2の接触面と、前記第1の接触面の両側から前記第2の接触面とは反対方向に突出した位置に形成され、前記装置本体における前記第2の接触面が接触する面と対向する面と接触する第3の接触面と、を有することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、上記請求項1〜3の何れかに記載の発明において、前記保持部材は、前記装置本体の保持部材装着部位および前記操作手段よりも低い弾性率の材料で形成されている、ことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、上記請求項1〜3の何れかに記載の発明において、前記保持部材は、発泡ポリエチレン製である、ことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、上記請求項1〜5の何れかに記載の発明において、前記保持部材には、外力により牽引可能な牽引部材が取り付けられている、ことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記保持部材には、外力により牽引可能な牽引部材が取り付けられ、前記保持部材における前記牽引部材の取付位置は、前記第1の接触面と前記第2の接触面との間である、ことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、上記請求項6または7記載の発明において、前記牽引部材には、画像形成装置の使用開始時には前記保持部材を取り外す旨が記された報知書が取り付けられている、ことを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、上記請求項1〜8の何れかに記載の発明において、前記保持部材は、前記装置本体に嵌め込まれている、ことを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、上記請求項9に記載の発明において、前記保持部材には、前記第2の開閉形態で蓋部材が閉鎖方向に移動するときには、前記第1の位置にある前記操作手段と干渉して当該蓋部材の閉鎖を阻止する干渉部が形成されている、ことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、長期間不使用時における定着手段の相互圧接に伴う変形が防止されるとともに、印刷時において定着手段が圧接解除状態となることが防止される。
請求項2記載の発明によれば、本構成を採用しない場合に比較して、保持部材における操作手段の移動方向と交差する方向の動きが規制されるので、保持部材が脱落しにくくなり、長期間不使用時における定着手段の変形がより確実に防止される。
請求項3記載の発明によれば、本構成を採用しない場合に比較して、保持部材における操作手段を中心にした移動方向の動きが規制されるので、保持部材が脱落しにくくなり、長期間不使用時における定着手段の変形がより確実に防止される。
請求項4記載の発明によれば、本構成を採用しない場合に比較して、保持部材による装置の磨耗片の発生やさらには破損、特に操作手段の破損を防止することができる。
請求項5記載の発明によれば、本構成を採用しない場合に比較して、保持部材あるいはこの保持部材と接触している操作手段や装置本体からの摩耗片や粉塵の発生がなくなり、結果として装置の動作不具合やこれに伴う画質劣化を防ぐことができる。
請求項6記載の発明によれば、本構成を採用しない場合に比較して、牽引部材の存在によりユーザにおける保持部材の取り忘れが防止されるとともに、牽引部材を牽引するだけで保持部材を容易に取り外すことができる。
請求項7記載の発明によれば、牽引部材を牽引するだけで、保持部材を、レバー等との干渉なく、スムーズに取り外すことができる。
請求項8記載の発明によれば、本構成を採用しない場合に比較して、保持部材の除去をユーザに喚起でき、特に報知書を開梱時に目立つ場所に配置すれば、より確実に喚起できる。
請求項9記載の発明によれば、第2の開閉形態で蓋部材を開いたときでも、保持部材が装置内部に落下することがないので、装置の破損を防ぐことができる。
請求項10記載の発明によれば、本構成を採用しない場合に比較して、使用開始時における保持部材の取り忘れを防止することができる。
以下、本発明の一例としての実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る画像形成装置を示す概念図、図2は図1の画像形成装置においてフロントカバーを開いた状態で示す概念図、図3は図1の画像形成装置のプロセスカートリッジを示す概念図である。
図示する画像形成装置1はタンデム型のフルカラープリンタであり、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)用の各感光体ドラム(像保持体)11,12,13,14を有する画像形成ユニット1,2,3,4と、これら感光体ドラム11,12,13,14に接触または近接する一次帯電用の帯電ロール(帯電手段)21,22,23,24と、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のレーザ光31,32,33,34を照射して感光体ドラム11,12,13,14上に静電潜像を形成するレーザ光学ユニット(潜像書き込み手段)63と、形成された静電潜像にトナー(可視剤)を供給してトナー像を形成する現像装置(現像手段)41,42,43,44と、4つの感光体ドラム11,12,13,14のうちの2つの感光体ドラム11,12に接触する第1の一次中間転写ドラム(中間転写体)51および他の2つの感光体ドラム13,14に接触する第2の一次中間転写ドラム(中間転写体)52と、第1および第2の一次中間転写ドラム51,52に接触する二次中間転写ドラム(中間転写体)53と、この二次中間転写ドラム53に接触する転写ロール(転写部材)60とで、その主要部が構成されている。
なお、この実施の形態では、メンテナンス性を向上させるため、現像装置41,42,43,44、感光体ドラム11,12,13,14や中間転写ドラム51,52,53等からなるプロセスカートリッジ(作像手段)92が、プリンタ本体(装置本体)100の筐体100a内に交換可能に配置されている。
感光体ドラム11,12,13,14は、図3に示すように、互いに共通の接平面Mを有するように一定の間隔をおいて互いに平行に配置されている。また、第1の一次中間転写ドラム51および第2の一次中間転写ドラム52は、各回転軸が感光体ドラム11,12,13,14の回転軸に対し平行かつ所定の対称面を境界とした面対称の関係にあるように配置されている。さらに、二次中間転写ドラム53は、感光体ドラム11,12,13,14と回転軸が平行となるように配置されている。
各色毎の画像情報に応じた信号は、図示しない画像処理ユニットによりラスタライジングされて、図1および図2に示すレーザ光学ユニット63に入力される。このレーザ光学ユニット63では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のレーザ光31,32,33,34が画像情報に応じて変調され、対応する色の感光体ドラム11,12,13,14に照射されて静電潜像が書き込まれる。
各感光体ドラム11,12,13,14の周囲では、周知の電子写真方式による各色毎の画像形成プロセスが実行される。
まず、感光体ドラム11,12,13,14としては、例えば、直径20mmのOPC感光体を用いたドラムが用いられており、これらの感光体ドラム11,12,13,14は、例えば95mm/secの回転速度で回転駆動される。感光体ドラム11,12,13,14の表面は、図3に示すように、接触型帯電手段としての帯電ロール21,22,23,24に、約−800VのDC電圧を印加することによって、例えば約−300V程度に帯電される。なお、接触型の帯電手段としては、ロールタイプのもの、フィルムタイプのもの、ブラシタイプのもの等が挙げられるが、どのタイプのものを用いてもよい。この実施の形態では、近年、電子写真装置で一般に使用されている帯電ロールを採用している。また、感光体ドラム11,12,13,14の表面を帯電させるために、この実施の形態では、DCのみ印加の帯電方式をとっているが、AC+DC印加の帯電方式を用いてもよい。
その後、感光体ドラム11,12,13,14の表面には、露光手段としてのレーザ光学ユニット63によってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応したレーザ光31,32,33,34が照射され、各色毎の入力画像情報に応じた静電潜像が形成される。感光体ドラム11,12,13,14は、レーザ光学ユニット63で静電潜像が書き込まれた際に、その画像露光部の表面電位は−60V以下程度にまで除電される。
また、感光体ドラム11,12,13,14の表面に形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応した静電潜像は、対応する色の現像装置41,42,43,44によって現像(トナー供給)され、感光体ドラム11,12,13,14上にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像として可視化される。
この実施の形態では、現像装置41,42,43,44として、磁気ブラシ接触型の二成分現像方式を採用しているが、この現像方式に限定されるものではなく、一成分現像方式や非接触型の現像方式など、他の現像方式においてもこの発明を充分に適用することができることは勿論である。
現像装置41,42,43,44には、それぞれ色の異なったイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)色のトナーと、キャリアからなる二成分現像剤が充填されている。これらの現像装置41,42,43,44は、図1および図2に示すトナーカートリッジ4Y,4M,4C,4Kからトナーが補給されると、この補給されたトナーは、図3に示すように、螺旋溝が形成された回転体である搬送部材404で充分にキャリアと攪拌されて摩擦帯電される。現像ロール401の内部には、複数の磁極を所定の角度に配置したマグネットロール(図示せず)が固定された状態で配置されている。この現像ロール401に現像剤を搬送するパドル403によって、当該現像ロール401の表面近傍に搬送された現像剤は、現像剤量規制部材402によって現像部に搬送される量が規制される。
現像ロール401上に供給されたトナーは、マグネットロールの磁力によって、キャリアとトナーで構成された磁気ブラシ状となっており、この磁気ブラシが感光体ドラム11,12,13,14と接触している。この現像ロール401にAC+DCの現像バイアス電圧を印加して、現像ロール401上のトナーを感光体ドラム11,12,13,14上に形成された静電潜像に現像することにより、トナー像が形成される。この実施の形態では、現像バイアス電圧はACが4kHz、1.5kVppで、DCが−230V程度である。
次に、各感光体ドラム11,12,13,14上に形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像は、第1の一次中間転写ドラム51および第2の一次中間転写ドラム52上に、静電的に二次転写される。感光体ドラム11,12上に形成されたイエロー(Y)およびマゼンタ(M)色のトナー像は、第1の一次中間転写ドラム51上に、感光体ドラム13,14上に形成されたシアン(C)およびブラック(K)色のトナー像は、第2の一次中間転写ドラム52上に、それぞれ転写される。したがって、第1の一次中間転写ドラム51上には、感光体ドラム11または感光体ドラム12のどちらから転写された単色像と、感光体ドラム11および感光体ドラム12の両方から転写された2色のトナー像が重ね合わされた二重色像が形成されることになる。また、第2の一次中間転写ドラム52上にも、感光体ドラム13,14から同様な単色像と二重色像が形成される。
第1および第2の一次中間転写ドラム51,52上に感光体ドラム11,12,13,14からトナー像を静電的に転写するために必要な表面電位は、+250〜500V程度である。この表面電位は、トナーの帯電状態や雰囲気温度、湿度によって最適値に設定されることになる。この雰囲気温度や湿度は、雰囲気温度および湿度を検出する環境センサによって検出される。上述のように、トナーの帯電量が−20〜35μC/gの範囲内にあり、常温常湿環境下にある場合には、第1および第2の一次中間転写ドラム51,52の表面電位は、+380V程度が望ましい。
この実施の形態で用いられる第1および第2の一次中間転写ドラム51,52は、例えば、外径が42mmに形成され、抵抗値は10Ω程度に設定されている。第1および第2の一次中間転写ドラム51,52は、単層あるいは複数層からなる表面が可撓性、もしくは弾性を有する円筒状の回転体であり、一般的にはFeやAl等からなる金属製芯材としての金属パイプ55の上に、導電性シリコーンゴム等で代表される低抵抗弾性ゴム層56(R=10〜10Ω)が、厚さ0.1〜10mm程度に設けられている。さらに、第1および第2の中間転写ドラム51,52の最表面は、代表的にはフッ素樹脂微粒子を分散させたフッ素ゴムを厚さ3〜100μmの高離型層(R=10〜10Ω)として形成し、シランカップリング剤系の接着剤(プライマ)で接着されている。ここで重要なのは抵抗値と表面の離型性であり、高離型層の抵抗値がR=10〜10Ω程度であり、高離型性を有する材料であれば、特に材料は限定されない。
このように第1および第2の一次中間転写ドラム51,52上に形成された単色または二重色のトナー像は、二次中間転写ドラム53上に静電的に二次転写される。したがって、二次中間転写ドラム53上には、単色像からイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)色の四重色像までの最終的なトナー像が形成されることになる。
この二次中間転写ドラム53上へ第1および第2の一次中間転写ドラム51,52からトナー像を静電的に転写するために必要な表面電位は、+600〜1200V程度である。この表面電位は、感光体ドラム11,12,13,14から第1の一次中間転写ドラム51および第2の一次中間転写ドラム52へ転写するときと同様に、トナーの帯電状態や雰囲気温度、湿度によって最適値に設定されることになる。また、転写に必要なのは、第1および第2の一次中間転写ドラム51,52と二次中間転写ドラム53との間の電位差であるので、第1および第2の一次中間転写ドラム51,52の表面電位に応じた値に設定することが必要である。上述のように、トナーの帯電量が−20〜35μC/gの範囲内にあり、常温常湿環境下であって、第1および第2の一次中間転写ドラム51,52の表面電位が+380V程度の場合には、二次中間転写ドラム53の表面電位は、+880V程度、つまり第1および第2の一次中間転写ドラム51,52と二次中間転写ドラム53との間の電位差は、+500V程度に設定することが望ましい。
この実施の形態で用いられる二次中間転写ドラム53は、例えば、外径が第1および第2の一次中間転写ドラム51,52と同じ42mmに形成され、抵抗値は1011Ω程度に設定される。また、二次中間転写ドラム53も第1および第2の一次中間転写ドラム51,52と同様、単層あるいは複数層からなる表面が可撓性、もしくは弾性を有する円筒状の回転体であり、一般的にはFeやAl等からなる金属製コアとしての金属パイプの上に、導電性シリコーンゴム等で代表される低抵抗弾性ゴム層(R=10〜10Ω)が、厚さ0.1〜10mm程度に設けられている。さらに、二次中間転写ドラム53の最表面は、代表的にはフッ素樹脂微粒子を分散させたフッ素ゴムを厚さ3〜100μmの高離型層として形成し、シランカップリング剤系の接着剤(プライマ)で接着されている。
ここで、二次中間転写ドラム53の抵抗値は、第1および第2の一次中間転写ドラム51,52よりも高く設定する必要がある。これは、二次中間転写ドラム53が第1および第2の一次中間転写ドラム51,52を帯電してしまい、第1および第2の一次中間転写ドラム51,52の表面電位の制御が難しくなることを防止するためである。このような条件を満たす材料であれば、特に材料は限定されない。
次に、二次中間転写ドラム53上に形成された単色像から四重色像までの最終的なトナー像は、最終転写ロール60によって、用紙搬送路を通る用紙(シート)P上に3次転写される。
この用紙Pは、給紙トレイ5から紙送り工程を経てレジストローラ90を通過し、二次中間転写ドラム53と転写ロール60のニップ部に送り込まれる。この最終転写工程の後、用紙P上に形成された最終的なトナー像は、定着装置70によって熱および圧力で定着され、排紙ロール730によりプリンタ本体100の上部に設けられた排紙トレイ64上に排出され、一連の画像形成プロセスが完了する。
定着装置70は、内部にハロゲンランプ等の加熱源701(図6)を有する加熱ローラ71と無端状に形成された加圧ベルト72とからなる一対の定着手段73を相互に圧接させ、未定着トナー像が転写された用紙Pを加熱加圧することにより、未定着トナー像を用紙P上に定着するように構成されている。
転写ロール60は、例えば、外径が20mmに形成され、抵抗値は10Ω程度に設定される。この転写ロール60は、金属シャフトの上にウレタンゴム等からなる半導電性の被覆層を設け、この被覆層の上にポリイミド樹脂またはポリエーテルイミド樹脂に相当する値以上の表面微小硬度を有するチューブを被覆して構成されている。具体的には、チューブとしてポリイミド樹脂またはポリエーテルイミド樹脂からなるものが用いられる。転写ロール60に印加される電圧は、雰囲気温度、湿度、用紙の種類(抵抗値等)等によって最適値が異なり、概ね+1200〜5000V程度である。この実施の形態では、定電流方式を採用しており、常温常湿環境下で約+10μAの電流を通電して、ほぼ適正な転写電圧(+1600〜2000V)を得ている。
また、用紙Pの両面に画像を形成する場合には、図1および図2に示すように、片面に画像が形成された用紙Pをそのまま排紙トレイ64上に排出せずに、表裏を反転した状態で用紙Pを両面用の用紙搬送路7を介して、当該用紙Pを再度転写部へと搬送し、用紙Pの裏面に画像が形成される。
なお、図中、符号8は図示しない手差しトレイから供給される用紙Pを搬送する給紙ロール、符号9は制御回路、符号10は電源回路をそれぞれ示している。
次に、本画像形成装置に設けられた定着装置70について説明する。
前述のように、定着装置70は、内部に加熱源701を有する加熱ローラ71と、無端状に形成された加圧ベルト72とからなる定着手段73を有している。そして、この定着手段73を圧接状態にして、未定着トナー像が転写された用紙Pを加熱加圧することにより、未定着トナー像が用紙P上に定着される。
図4はこのような定着装置の外観をプリンタ本体の筐体とともに示す斜視図、図5は図4の正面図、図6は図5のA−B線に沿った断面図、図7は加圧ベルトの周辺構造を詳細に示す分解斜視図、図8は加熱ローラと加圧ベルトとの圧接構造を示す説明図、図9は定着装置に設けられたアーム部材を示す斜視図、図10は定着装置に設けられた操作手段としてのレバーを示す斜視図である。
定着装置70は、図6に示すように、内部に加熱源701を有する加熱ローラ71と、無端状の加圧ベルト72と、前記加圧ベルト72が回転自在となるように当該加圧ベルト72の幅方向両端を支持するベルトガイド部材704と、加圧ベルト72の内部に配設され、加熱ローラ71の表面に加圧ベルト72を圧接させる圧接部材705とを備えている。
加熱ローラ71は、鉄やステンレス等からなる薄肉円筒状の芯金と、この芯金の表面に被覆されたシリコンゴム等からなる肉厚0.65mm程度の弾性層と、当該弾性層の表面の被覆されたPFA等からなる肉厚30μm程度の離型層とから構成されている。また、加熱ローラ71の内部には、加熱源として600Wのハロゲンランプ701が1本配設されている。
また、加圧ベルト72は、ポリイミド等の合成樹脂によって、外径が30mm、肉厚が75μmの無端ベルト状に形成されており、必要に応じて、表面にPFA等からなる離型層が設けられる。
さらに、ベルトガイド部材704は、図7に示すように、圧接部材705に一体的に組み付けられるように構成されている。
図7において、圧接部材705は、合成樹脂製のベルトハウジング707と、ベルトハウジング707に嵌合状態に装着される断面略コ字形状の金属製のベルトフレーム708と、加圧ベルト72を加熱ローラ71に圧接させるためのニップヘッド部材709と、ニップヘッド部材709に装着されるパッド部材710とから、主に構成されている。また、加圧ベルト72と圧接部材705との間には、加圧ベルト72と圧接部材705との間の摩擦を低減するためにオイルが含浸された合成樹脂製のフィルム状のシート部材719が配置されている。
また、ベルトガイド部材704は、ベルトフレーム708の両端部に互いに平行に突設された嵌合部708aに嵌合された状態で、ベルトハウジング707の両端部に装着されるようになっている。
このベルトガイド部材704は、加圧ベルト72の両端部に挿入される円筒状部711と、当該円筒状部711の反対側に設けられ、ベルトガイド部材704を後述するアーム717(図8)に取り付けるための取付部712と、これら円筒状部711と取付部712との間に設けられた2つのフランジ部713,714とから構成されている。ベルトガイド部材704の円筒状部711は、外周の一部が平坦に形成されており、加圧ベルト72が加熱ローラ71に圧接した際に、加圧ベルト72が撓んで所定幅のニップ部を形成することが可能となっている。また、ベルトガイド部材704の内部には、断面略コ字形状に形成されたベルトフレーム708と、ベルトフレーム708の両端部に互いに平行に突設された嵌合部708aとに嵌合する断面略コ字形状の凹溝715が設けられている。さらに、ベルトガイド部材704には、加圧部材としてのアーム717と嵌合するための凹溝716がフランジ部713とフランジ部714との間に設けられている。
さらに、圧接部材705は、図6および図8に示すように、ベルトガイド部材704を介して、アーム部材717に取り付けられており、このアーム部材717は、コイルスプリング718によって圧接部材705を加熱ローラ71に(つまり圧接部材705を介して加圧ベルト72を加熱ローラ71に)所定の圧力で圧接させるように構成されている。したがって、後述するアーム部材717の動きにより、加熱ローラ71と加圧ベルト72とは、相互に圧接された圧接状態と、この圧接状態が解除された圧接解除状態とに変位する。
定着装置70はプリンタ本体に設置されており、図2に示すように、プリンタ本体100に開閉可能に取り付けられたフロントカバー(蓋部材)101を開放したときには、プリンタ本体100側に残るようにして露出する。そして、フロントカバー101を開いた状態で、加熱ローラ71と加圧ベルト72との圧接状態を解除することが可能になっている。
ここで、フロントカバー101の開閉状態は不図示のセンサによって検知され、フロントカバー101が開状態もしくは半開状態では、安全性等を考慮して印刷動作を停止するようにしている。後述するように、フロントカバー101を閉鎖することでレバー726が第1の位置に移動するように構成されているので、レバー726が第1の位置にある状態が印刷可能位置となる。
前述のように、圧接部材705の両端部に設けられたベルトガイド部材704は、支持部材としてのアーム部材717に固定されている。このアーム部材717は、図8および図9に示すように、正面略コ字形状に形成され、ベルトガイド部材704に嵌合状態に取り付けられる取付部720と、取付部720の一端部に設けられ、アーム部材717を揺動可能に支持するための支点孔721と、支点孔721と反対側の端部に設けられた付勢部722とを備える構成となっている。
アーム部材717の付勢部722には、定着装置70のハウジング70aに設けられたロッド(図示せず)が貫通する貫通孔724が形成されており、ロッドには、支点孔721を揺動支点にしてアーム部材717を加熱ローラ71側に付勢するスプリング718が装着されている。さらに、アーム部材717の付勢部722には、取付部720と同一方向に折曲された後、さらに取付部720と直交するように外側に向けて折曲された腕部725が設けられている。
腕部725には、図6に示すように、定着装置70のハウジング70aに移動(回動)可能に取り付けられたレバー(操作手段)726が作用するようになっている。このレバー726は、印刷可能位置である自己保持可能な第1の位置(図6においては略水平位置)では、スプリング718のばね力によりアーム部材717が加熱ローラ71側に揺動することにより圧接部材705を介して加圧ベルト72が加熱ローラ71に圧接する圧接状態とし、この状態ではレバー726はアーム部材717の腕部725に当接していない。また、この第1の位置から所定の方向に回動した自己保持可能な第2の位置(図6においては起立した位置)、および第2位置とは反対方向(異なった方向)に回動して第1の位置への変位力を有する第3の位置(図6においては、水平位置よりもやや下方に傾斜した位置)では、アーム部材717の腕部に当接してスプリング718のばね力に抗してアーム部材717が加熱ローラ71と反対側に揺動させることにより圧接部材705による加圧ベルト72の加熱ローラ71に対する圧接力が解除される圧接解除状態とする。したがって、ユーザにおける通常に使用状態であるフロントカバー101が閉鎖された状態では、レバー726は印刷可能位置である第1の位置となっている。
なお、本願において自己保持とは、レバー726が、レバー726それ自体でその位置を保持することをいう。
レバー726は、図10に示すように、ユーザが指で摘んで操作する操作部726aを先端に備えており、その基端部には、定着装置70のハウジング70aに形成された回動軸751に回動自在に取付けるための挿通孔726bが設けられている。また、レバー726の基端部の端面には、レバー726を第1の位置にした際にアーム部材717の腕部725に対向する平坦な作用面726cが形成されており、当該作用面726cの上部には、レバー726を第2の位置に回動した際に、アーム部材717の腕部725を押圧して加熱ローラ71と加圧ベルト72との圧接状態を解除する第1の解除面726dが、角部726fを介して設けられている。さらに、作用面726cの下部には、レバー726を第3の位置からさらに第1の位置とは反対方向に回動させることにより、アーム部材717の腕部725を押圧して、加熱ローラ71と加圧ベルト72との圧接状態を解除する第2の解除面726eが、角部726gを介して設けられている。
そして、レバー726を第3の位置にした際には、角部726gがアーム部材717の腕部725を押圧して加熱ローラ71と加圧ベルト72との圧接状態を解除する。このとき、腕部725は、面ではなく角部726gで押圧されることから、レバー726には第3の位置では自己保持力はなく、第1の位置へ戻ろうとする変位力を有することになる。
なお、第2の解除面726eは、後述する実施の形態2において、レバー726を、第1の位置から第2の位置とは反対方向(異なった方向)に回動した自己保持可能な第4の位置とするための面であり、よって、実施の形態1では設けられていなくてもよい。
レバー726は、図4に示すように、左右同一形状に形成されているが、定着装置70のハウジング70aに形成された回動軸751の形状とこれに対応したレバー726の挿通孔726bの形状とが左右で異なっており、レバー726を誤った向きに取り付ける誤装着が防止されている。
図2および図11に示すように、レバー726が起立した第2の位置にある場合には、フロントカバー101を閉じる動作に伴って当該フロントカバー101がレバー726に干渉し、これを定着手段73が圧接状態となる第1の位置へと変位させるように構成されている。
さて、画像形成装置では、例えば製品が出荷されてからユーザの手に渡るまでのように長期間にわたって装置が使用されない場合、レバー726が第1の位置のままで加熱ローラ71と加圧ベルト72が相互に圧接されたままになっていると、加熱ローラ71が圧接力により塑性変形して一部が扁平形状になる。すると、前述のように、形成された画像に回転体の周期で濃淡が現れるいわゆるニップ痕が生じたり、加熱ローラ71の変形により動作時に周期的に異音が発生し、装置の故障の原因ともなるおそれがある。
そこで、図1および図6に示すように、製品出荷時には、プリンタ本体100(本実施の形態では、プリンタ本体100の筐体100a)とレバー726との間に着脱可能なニップ防止部材(保持部材)800を装着し、レバー726を定着手段73が圧接解除状態となる第3の位置に保持するようにして上記変形を防止している。なお、ニップ防止部材800は、プリンタ本体100とレバー726との間に装着されていればよく、必ずしもプリンタ本体100の筐体100aとレバー726はとの間ではなくてもよい。
すなわち、レバー726を第3の位置に倒した状態でレバー726にニップ防止部材800を押し当て、その後筐体100aを構成するプリンタ本体100のカバー(図示せず)を閉めて固定する。第3の位置では、レバー726は第1の位置への変位力を有しているので、ニップ防止部材800は当該変位力に抗してレバー726を第3の位置に保持するとともに、当該変位力によりレバー726と筐体100aとの間に挟まれることになる。そして、使用段階でユーザがニップ防止部材800を取り外すようにすれば、レバー726は自動的に第1の位置へ変位するので、特別な操作をユーザに求めることなく、定着手段73(加熱ローラ71および加圧ベルト72)は印刷可能な圧接状態となる。
ここで、ニップ防止部材800は、図6および図12に示すように、レバー726が圧接する第1の接触面801と、この第1の接触面801の反対側に位置する第2の接触面802とを備えており、第3の位置にあるレバー726が第1の位置に変位する変位力を利用してレバー726と筐体100aとでニップ防止部材800が挟み込まれることにより、ニップ防止部材800はプリンタ本体100の筐体100aに圧接された状態に装着される。
ニップ防止部材800には、さらに第1の接触面801の両側から第2の接触面802とは反対方向に突出した位置に形成された第3の接触面803を有している。この第3の接触面803は、筐体100aにおける第2の接触面802が接触する面100a−1と対向する面100a−2と接触するようになっている。したがって、第3の接触面803によりニップ防止部材800におけるレバー726を中心にした回転方向の動きが規制されてニップ防止部材800が脱落しにくくなる。
そして、図13に示すように、プリンタ本体100の筐体100aには、筐体100aとレバー726との間に装着されたニップ防止部材800をレバー726の回動方向と交差する方向から挟み込む規制部100a−3が形成されている。これにより、ニップ防止部材800は筐体100aに嵌め込まれるようにして装着されることになり、レバー726の回動方向と交差する方向への動きが規制されてニップ防止部材800が脱落しにくくなる。但し、規制部100a−3は、ニップ防止部材800を挟み込むのではなく、ニップ防止部材800と近接あるいは接触してこのニップ防止部材800におけるレバー726の回動方向と交差する方向への動きを規制するようになっていればよい。
このようなニップ防止部材800は、プリンタ本体100の筐体100a(つまり、ニップ防止部材800の装着部位)およびレバー726よりも低い弾性率の材料で形成するのがよい。このようにすれば、例えば輸送時におけるニップ防止部材800による装置の磨耗片の発生やさらには破損、特にニップ防止部材800に圧接しているレバー726の破損が防止される。
具体的には、ニップ防止部材800を発泡ポリエチレン製とすることができる。発泡ポリエチレン製では、前述した破損防止に加えて、ニップ防止部材800あるいはこのニップ防止部材800と接触しているレバー726やプリンタ本体100からの摩耗片や粉塵の発生がなくなることから、これら摩耗片や粉塵による装置の動作不具合やこれに伴う画質劣化が防止される。なお、発泡ポリエチレンの成型時の嵩密度ρを、0.034g/cm<ρ<0.20g/cmとすると、レバー726からの押圧力に対するニップ防止部材800のへたりがなくなって長時間にわたりレバー726を第3の位置に維持でき、安定したニップ解除状態を保つことができる。
また、ニップ防止部材800には、図12に示すように、取付孔804を形成し、例えば紐やテープのように外力により牽引可能な牽引部材900を取り付けることができる。図4および図5に示すように、ニップ防止部材800は定着装置70の両側の2カ所に設けられたレバー726に対して2つ装着されることから、これら2つのニップ防止部材800は牽引部材900の両側に取り付けられる。
牽引部材900を取り付ければ、梱包を開いて装置を使用可能状態にセットするユーザに対して、牽引部材900の存在によりニップ防止部材800が装着されたままになっていることが報知できてニップ防止部材800の取り忘れが防止される。のみならず、プリンタ本体100のカバーを開いて当該牽引部材900を牽引するだけで、ニップ防止部材800を容易に取り外すことができる。
図示するように、ニップ防止部材800における牽引部材900の取付位置である取付孔804は第1の接触面801と第2の接触面802との間に形成するようにして、牽引部材900を牽引するだけで、ニップ防止部材800を、レバー726や筐体100a等と干渉することなく、スムーズに取り外せるようにするのがよい。
なお、牽引部材900には、画像形成装置の使用開始時にはニップ防止部材800を取り外す旨が記された報知書910を取り付けておくのが望ましい。牽引部材900があるだけではニップ防止部材800を除去するメッセージがユーザに伝わらない場合も考えられるが、報知書910を取り付けておけば、このような懸念がなくなるからである。この際、報知書910は、例えば装置の上面のように開梱時に目立つ場所(例えば、開梱直後は装置に装着されていない画像形成プロセスカートリッジを取り付けるためのアクセスカバーなど)に配置すれば、より確実に前述のようなメッセージをユーザに伝えることができ、ニップ防止部材800の取り忘れを少なくすることができる。
さて、以上の構成の画像形成装置1では、図1に示すように、給紙トレイ5から用紙Pが給紙され、プロセスカートリッジ92によって形成されたフルカラーまたは白黒のトナー像が、転写ロール60によって用紙P上に転写される。その後、用紙Pは、定着装置70によって定着処理を受け、片面画像形成の場合には、排紙ロール730によりそのまま排紙トレイ64上に排出される。また、両面画像形成の場合には、片面に画像が形成された用紙Pを、排紙ロール730によってそのまま排出せずに、当該排紙ロール730が用紙Pの後端をニップしている間に排紙ロール730を逆転させ、両面用の用紙搬送路7を介して、再度プロセスカートリッジ92の転写部へ搬送する。
その際、画像形成装置1では、図2に示すように、給紙トレイ5から用紙Pが給紙される際、あるいは、プロセスカートリッジ92と転写ロール60の転写ニップ部、さらに、定着装置70の内部およびその前後の位置、両面用の用紙搬送路7等において、ジャムと呼ばれる紙詰まりが発生する場合がある。
そこで、用紙Pのジャムが発生すると、図2に示すように、プリンタ本体100のフロントカバー101を開いて、両面用の用紙搬送路7を露出させ、当該両面用の用紙搬送路7においてジャムが発生した用紙Pを除去したり、定着装置70の出口部分においてジャムが発生した用紙Pを除去できるようになっている。
その際、定着装置70のニップを解除する場合には、図6において、それまで印刷可能位置である第1の位置にあるレバー726を手動で上方に回動操作して第2の位置にすることにより、定着装置70のニップが解除される。
また、ジャムが発生した用紙Pを除去した後は、レバー726を第2の位置から第1の位置に戻すようになるが、仮にユーザがレバー726を第1の位置に戻す操作を忘れた場合でも、前述のようにフロントカバー101を閉じると、当該フロントカバー101がレバー726に干渉することによりレバー726が押されて第1の位置に戻ることになる。
このように、本実施の形態の画像形成装置1によれば、ニップ防止部材800をプリンタ本体100の筐体100aとレバー726との間に着脱可能に装着することにより、例えば製品が出荷されてからユーザの手に渡るまでのように長期間にわたって装置が使用されない場合における定着手段73(加熱ローラ71と加圧ベルト72)の相互圧接に伴う変形が防止される。さらに、装置使用時において、ジャム解消後にユーザがレバー726を第1の位置に戻し忘れても、フロントカバー101がレバー726に干渉することによりレバー726が押されて自動的に第2の位置(定着手段73が圧接解除状態となる位置)から第1の位置(定着手段73が圧接状態となる位置)に戻るので、印刷時において定着手段73がユーザの不注意によって圧接解除状態となることが防止される。
(実施の形態2)
図14は本発明の実施の形態2に係る画像形成装置においてフロントカバーを開いた状態で示す概念図、図15はフロントカバーを開いた状態の画像形成装置と定着装置に設けられた第4の位置にあるレバーとを示す斜視図、図16は定着装置に設けられたレバーの機能位置を示す説明図である。
本実施の形態の画像形成装置1では、定着装置70よりも用紙搬送方向上流側でジャムが発生した場合でも、ジャムの原因となる用紙Pを容易に除去することができるように、実施の形態1で説明したように、フロントカバー101が単独で開閉可能となっていることに加えて、定着装置70とともに開閉可能になっている。
すなわち、実施の形態2の画像形成装置1においては、定着装置70はフロントカバー101と同一軸上となってプリンタ本体100に回動可能に取り付けられており、図示しないラッチレバーを操作することによりプリンタ本体100に対して固定され、また固定が解除されてフロントカバー101とともに回動する。したがって、フロントカバー101は、ラッチレバーの操作により、定着装置70をプリンタ本体100側に残した開閉形態(第1の開閉形態)と、定着装置70を伴った開閉形態(第2の開閉形態)との2つの開閉形態が選択可能になっている。実施の形態1の画像形成装置では、フロントカバー101は第1の開閉形態での開閉しかできなかったのに対して、実施の形態2の画像形成装置では、さらに第2の開閉形態での開閉も可能になっている点が異なっている。
そして、レバー726に形成された第2の解除面726eがアーム部材717の腕部725を押圧することによって(図9、図10参照)、当該レバー726が、第1の位置(定着手段73が圧接状態となる位置)から第2の位置(定着手段73が圧接解除状態となる位置)とは反対方向に回動した自己保持可能な第4の位置(定着手段73が圧接解除状態となる位置)に変位可能となっている(図16)。
そして、実施の形態1で説明したように、フロントカバー101は、第1の開閉形態における閉鎖時には第2の位置にあるレバー726に干渉してこれを第1の位置に変位させるが、さらに、第2の開閉形態における閉鎖時には、図14および図15に示すように、フロントカバー101を閉める動作に伴って第4の位置にあるレバー726をプリンタ本体100に干渉させてレバー726を第1の位置に変位させるようにしている。
本実施の形態の画像形成装置1では、定着装置70の下部や、プロセスカートリッジ92と転写ロール60の転写ニップ部等においてジャムが発生すると、図14および図15に示すように、フロントカバー101を開いた後、さらにラッチレバーを操作して定着装置70のプリンタ本体100に対する固定を解除して定着装置70を転写ロール60とともにフロントカバー101側に移動させ(第2の開閉形態)、プロセスカートリッジ92と転写ロール60の転写ニップ部を露出させ、当該転写ニップ部等においてジャムが発生した用紙Pを除去する。
その際、定着装置70を転写ロール60とともにフロントカバー101側に移動させると、図示するように、定着装置70の上方の一部がフロントカバー101によって覆われ、レバー726を上方に回動させる操作が困難となる場合がある。
そこで、この状態で定着装置70のニップを解除する場合には、図16に示すように、レバー726を手動で、第1の位置から第2の位置とは反対の第4の位置に回動操作することにより、定着手段73である加熱ローラ71と加圧ベルト72とが圧接解除状態となる。
また、ジャムが発生した用紙Pを除去した後は、レバー726を元の位置に戻すようになっているが、仮にユーザがレバー726を元の位置に戻す操作を忘れた場合でも、フロントカバー101を閉鎖することにより定着装置70を元の動作位置に戻すと、プリンタ本体100にレバー726が干渉することによって押し上げられ、自動的に印刷可能位置である第1の位置に戻される。
このように、実施の形態2では、レバー726を第2の位置およびこれとは第1の位置を挟んで反対の第4の位置で圧接解除状態にすることができるように構成されており、それぞれの位置で、フロントカバー101を閉鎖する動作に伴い自動的に第1の位置に戻るようになっている。よって、装置使用時において、ジャム解消後にユーザがレバー726を第1の位置に戻し忘れても、フロントカバー101がレバー726に干渉することによりレバー726が押されて自動的に第2の位置あるいは第4の位置(何れも、定着手段73が圧接解除状態となる位置)から第1の位置(定着手段73が圧接状態となる位置)に戻るので、印刷時において定着手段73がユーザの不注意によって圧接解除状態となることが防止される。なお、本実施の形態でも、ニップ防止部材800をプリンタ本体100の筐体100aとレバー726との間に着脱可能に装着することにより、例えば製品が出荷されてからユーザの手に渡るまでのように長期間にわたって装置が使用されない場合における定着手段73(加熱ローラ71と加圧ベルト72)の相互圧接に伴う変形が防止されることはもちろんである。
なお、本実施の形態において、ニップ防止部材800は、規制部100a−3(図13)により筐体100aに嵌め込まれるようにして装着されるのがよい。これは、第2の開閉形態でフロントカバー101を開いたときでも、ニップ防止部材800が規制部100a−3に保持されて装置内部に落下することがないので、装置の破損を防ぐことができるからである。
なお、ニップ防止部材800には、このニップ防止部材800が画像形成装置1に取り付けられたままでフロントカバー101が第2の開閉形態で閉鎖方向に移動するとき、レバー726が第1の位置になっているとニップ防止部材800と干渉してフロントカバー101の閉鎖ができなくなる干渉部805が形成されている(図12参照)。これにより、装置使用開始時におけるニップ防止部材800の取り忘れを確実に防止することができ、ユーザ誤動作による印字不良を防ぐことができる。
以上説明した実施の形態1および2では、レバー726の第3の位置は、第1の位置から第2位置とは反対方向に回動した位置となっているが、第1の位置への変位力を有していれば、第2の位置の方向に回動した位置であってもよい。
また、レバー726は回動する(つまり、所定の支点を中心にして円弧状の軌跡を描いて往復移動する)ようになっているが、移動できればよく、必ずしも回動という移動態様ではなくてもよい。
さらに、定着手段73を構成する要素は、加熱ローラ71および加圧ベルト72となっているが、加熱ローラ71ではなく加熱ベルトなど種々の加熱回転体でよく、同様に、加圧ベルト72ではなく加圧ローラなど種々の加圧回転体でよい。
さらに、以上の実施の形態では、定着手段73は加熱ローラ71および加圧ベルト72という一対の部材により構成されているが、本発明において、定着手段は必ずしも一対ではなくてもよい。つまり、例えば加熱ローラ71などの加熱回転体が1つで、加圧ベルト72などの加圧回転体が複数(2つ)という構成、逆に加熱回転体が複数で、加圧回転体が1つという構成、さらには何れも複数という構成などを採用することができる。
以上の説明では、本発明をタンデム型のフルカラープリンタに適用した場合が説明されているが、本発明は、カラープリンタおよびモノクロプリンタを問わず、定着手段の用いられた画像形成装置に広く適用することが可能である。
また、搬送されるシートとしては、用紙やフィルム、はがき、現金など、シート状である様々なものが適用可能である。
本発明の実施の形態1に係る画像形成装置を示す概念図である。 図1の画像形成装置においてフロントカバーを開いた状態で示す概念図である。 図1の画像形成装置のプロセスカートリッジを示す概念図である。 図1の画像形成装置に装着された定着装置の外観をプリンタ本体の筐体とともに示す斜視図である。 図4の正面図である。 図5のA−B線に沿った断面図である。 加圧ベルトの周辺構造を詳細に示す分解斜視図である。 加熱ローラと加圧ベルトとの圧接構造を示す説明図である。 定着装置に設けられたアーム部材を示す斜視図である。 定着装置に設けられた操作手段としてのレバーを示す斜視図である。 フロントカバーを開いた状態の画像形成装置と定着装置に設けられた第2の位置にあるレバーとを示す斜視図である。 画像形成装置に装着されたニップ防止部材を示す斜視図である。 プリンタ本体の筐体とレバーの間に装着されたニップ防止部材を示す正面図である。 本発明の実施の形態2に係る画像形成装置においてフロントカバーを開いた状態で示す概念図である。 フロントカバーを開いた状態の画像形成装置と定着装置に設けられた第4の位置にあるレバーとを示す斜視図である。 定着装置に設けられたレバーの機能位置を示す説明図である。
符号の説明
70 定着装置
71 加熱ローラ
72 加圧ベルト
73 定着手段
100 プリンタ本体(装置本体)
100a−3 規制部
101 フロントカバー(蓋部材)
726 レバー(操作手段)
800 ニップ防止部材(保持部材)
801 第1の接触面
802 第2の接触面
803 第3の接触面
804 取付孔
805 干渉部
900 牽引部材
910 報知書
P 用紙(シート)

Claims (10)

  1. 圧接状態と当該圧接状態が解除された圧接解除状態とに変位可能に設けられ、圧接部にシートを通過させて当該シートに可視剤を定着させる定着手段と、
    自己保持可能な第1の位置で前記定着手段を圧接状態として印刷可能とし、前記第1の位置から所定の方向に移動した自己保持可能な第2の位置で前記定着手段を圧接解除状態とし、前記第1の位置から前記第2の位置の方向またはこれとは異なった方向に移動して前記第1の位置への変位力を有する第3の位置で前記定着手段を圧接解除状態とし、前記第1の位置から前記第2の位置とは異なった方向に移動した自己保持可能な第4の位置で前記定着手段を圧接解除状態とする操作手段と、
    前記定着手段および前記操作手段を装置本体側に残した第1の開閉形態と、前記定着手段および前記操作手段を伴った第2の開閉形態の2つの開閉形態とが選択可能に前記装置本体に取り付けられるとともに、前記第1の開閉形態における閉鎖時には前記第2の位置にある前記操作手段に干渉して当該操作手段を前記第1の位置に変位させ、前記第2の開閉形態における閉鎖時には前記第4の位置にある前記操作手段を前記装置本体に干渉させて当該操作手段を前記第1の位置に変位させる蓋部材と、
    前記装置本体と前記操作手段との間に着脱可能に装着され、前記変位力に抗して前記操作手段を前記第3の位置に保持する保持部材と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記装置本体には、当該装置本体と前記操作手段との間に装着された前記保持部材における前記操作手段の移動方向と交差する方向の動きを規制する規制部が形成されている、
    ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記保持部材は、
    前記操作手段が圧接する第1の接触面と、
    前記第1の接触面の反対側に位置して前記操作手段の前記変位力により前記装置本体に圧接する第2の接触面と、
    前記第1の接触面の両側から前記第2の接触面とは反対方向に突出した位置に形成され、前記装置本体における前記第2の接触面が接触する面と対向する面と接触する第3の接触面と、
    を有することを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
  4. 前記保持部材は、前記装置本体の保持部材装着部位および前記操作手段よりも低い弾性率の材料で形成されている、
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の画像形成装置。
  5. 前記保持部材は、発泡ポリエチレン製である、
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の画像形成装置。
  6. 前記保持部材には、外力により牽引可能な牽引部材が取り付けられている、
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の画像形成装置。
  7. 前記保持部材には、外力により牽引可能な牽引部材が取り付けられ、
    前記保持部材における前記牽引部材の取付位置は、前記第1の接触面と前記第2の接触面との間である、
    ことを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
  8. 前記牽引部材には、画像形成装置の使用開始時には前記保持部材を取り外す旨が記された報知書が取り付けられている、
    ことを特徴とする請求項6または7記載の画像形成装置。
  9. 前記保持部材は、前記装置本体に嵌め込まれている、
    ことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の画像形成装置。
  10. 前記保持部材には、前記第2の開閉形態で蓋部材が閉鎖方向に移動するときには、前記第1の位置にある前記操作手段と干渉して当該蓋部材の閉鎖を阻止する干渉部が形成されている、
    ことを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
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