JP5122058B2 - 土質改良材、および土質改良方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、土質改良材、および土質改良方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、火力発電所から発生する産業廃棄物の一種として、加圧流動床ボイラーから排出される流動床灰がある。加圧流動床ボイラーは燃焼効率が高い等の特長を有するため、今後多くの発電施設への導入が期待されており、それに伴って、流動床灰の排出量も大幅に増大することが予想される。このため、資源の有効利用と環境への負荷低減という観点から、流動床灰の利用途開発が望まれている。
【0003】
ここで、流動床灰の利用技術としては、例えば特開平11−57792号公報に開示されている土質改良技術がある。この技術は、流動床灰をセメントに混入し、泥土の固化処理に使用するものである。流動床灰は、シリカ、アルミナ、酸化カルシウム等を主成分とするものであるが、特に、一般のボイラーから排出される石炭灰と比較して酸化カルシウムを多く含むという特徴を有するため、水硬性を備え、処理土壌の強度発現に寄与すると考えられている。また、従来は産業廃棄物であったものを利用するものであるため、泥土処理のコストを低減でき、かつ、資源のリサイクルを図ることができるという利点がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−57792号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のような土質改良技術では、セメントの固化反応の速度が遅いために、泥土の固化に長時間を要し、工期が長期間に渡る。
【0006】
また、処理土壌は埋め立て用土壌、建設現場用の盛土等として再利用されるのであるが、上記のような方法では、セメント中のアルカリ成分が土壌中に溶け出すために、処理土壌がpH11〜12程度の強アルカリ性を呈する。また、流動床灰も通常の石炭灰と比べて酸化カルシウムを多く含むという特性を有するために、処理土壌のpHを僅かに上昇させる。このため、処理土壌を、植生等周囲の環境に悪影響を及ぼすおそれがある場所には使用することができず、利用途が路盤材等の極めて限られた範囲に限定されてしまう。
【0007】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、流動床灰を利用して、泥土の固化処理を短時間で行うことができ、適用範囲の広いリサイクル土壌を生産できる土質改良材、および土質改良方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、流動床灰を利用して、泥土の固化処理を短時間で行うことができ、適用範囲の広いリサイクル土壌を生産できる土質改良材、および土質改良方法を開発すべく鋭意研究してきたところ、セメントに代えて石膏を使用することにより、顕著な効果が挙がることを見出した。
【0009】
石膏の固化反応の速度は極めて早いため、泥土への混合後数分〜数時間で反応がほぼ完了する。このため、混合後の比較的早い時期に、処理土壌の強度が通常の施工が可能な程度に達する。このため、処理時間を大幅に短縮することができる。その後、流動床灰によって中長期的に処理土壌の強度が増大する。流動床灰による強度発現のメカニズムは明らかではないが、主として、石膏との何らかの相互作用が強度発現に寄与していると推測される。このように、石膏と流動床灰とを組み合わせて使用することにより、処理時間を大幅に短縮できるとともに、中長期的に強度発現効果を発揮させることが可能となるのである。本発明は、かかる新規な知見に基づいてなされたものである。
【0010】
すなわち、本発明は、泥土に混合して固化処理を行わせるための土質改良材であって、石膏と流動床灰とを主成分とし、前記泥土中の土粒子を凝集させるための凝集剤と高炉スラグとを含み、セメントを含まないものであって、前記流動床灰の含有量が前記土質改良材の総重量に対して20重量%以上40重量%以下であり、かつ、前記高炉スラグが前記土質改良材の総重量に対して5重量%以上10重量%以下の割合で含まれることを特徴とする土質改良材である。また、本発明の土質改良方法は、石膏と流動床灰とを主成分とし、泥土中の土粒子を凝集させるための凝集剤と高炉スラグとを含み、セメントを含まないものであって、前記流動床灰の含有量が前記土質改良材の総重量に対して20重量%以上40重量%以下であり、かつ、前記高炉スラグが前記土質改良材の総重量に対して5重量%以上10重量%以下の割合で含まれる土質改良材を泥土に混合して固化させることを特徴とする。
【0011】
ここで、本発明の土質改良材、または土質改良方法を適用可能な泥土としては、例えば、トンネル工事、上水道や下水道工事、掘削工事、建築工事、造成現場等の建設・工事現場で発生した泥土、湖沼、河川、港湾等における浚渫泥土、浄水場における泥土、下水処理場等における活性汚泥、工場廃水の泥土、ヘドロ、各種工事現場における湧水や濁水、ボーリング泥水、廃ベントナイト泥水、セメントミルク、骨材製造に伴う濁水を挙げることができ、広くは、工場廃水等の処理後の残る泥状のもの及び各種製造工程において生ずる泥状のものであって、有機質の多量に混合した泥のみを指すのではなく、有機性及び無機性のものの全てを含む。
【0012】
本発明の石膏としては、半水石膏(CaSO4・1/2H2O)、無水石膏(III)(CaSO4(III))、無水石膏(II)(CaSO4(II))等を使用できる。これらは、1種のみが含まれていてもよく、2種以上が混合して含まれていてもよい。半水石膏としては、例えば、天然石膏、排煙脱硫石膏、燐酸製造時の副産物である燐酸石膏、精密鋳造、歯科、外科等の医療、美術工芸、陶磁器製造時の廃棄物である廃棄石膏型材、石膏ボード製造工場における廃棄石膏といった二水石膏を、バッチ式あるいは連続式にて焼成して得られる半水石膏(β型半水石膏)、あるいは、燐酸製造時の副産物であるα型半水石膏を挙げることができる。無水石膏(III)は、二水石膏の焼成温度を、β型半水石膏を焼成する場合よりも高温とすることによって得ることができる。無水石膏(II)は、さらに焼成温度を上げることによって得ることができる。これらの石膏は、所望に応じて粉砕し、粒度を調整してもよい。粒度を調整することによって、固化に要する時間のある程度の制御を行うことができる。
【0013】
本発明の流動床灰は、石炭火力発電所において、加圧流動床複合発電方式を採用するボイラーから生じる石炭灰であって、シリカ、アルミナおよび酸化カルシウム等を主たる成分とするものである。
【0014】
流動床灰の配合比は、泥土の種類や含水量、土質改良材中の他の成分の組成比等により変動し、一概に制限されないが、流動床灰が多すぎれば、相対的に石膏の比率が少なくなり、固化処理後早期の処理土壌の強度を充分に発現させることができないこと、および処理土壌のpHが高くなることから好ましくない。特に、環境への影響を考慮すれば、処理土壌のpHが弱アルカリ領域(約9以下)を超えないことが望ましい。このような観点から、流動床灰の配合比は土質改良材の総重量に対して40重量%以下であることが好ましい。
【0015】
また、処理土壌を水辺等で使用する場合には、石膏の成分が水に溶け出してしまい、長期的に処理土壌の強度が低下してしまう場合がある。このような場合には、水に対する抵抗性を付与して強度低下を抑制するために、流動床灰の配合比を土質改良材の総重量に対して20重量%以上とすることが好ましい。
【0016】
泥土に土質改良材を混合する手順としては特に制限はなく、例えばモルタルミキサー、セメントミキサー、ワールミキサー、パドルミキサー、スクリューミキサー、ニーダー、ラインミキサー(スタティックミキサー)等のミキサーを用いて行うことができる。ミキサーは、バッチ式(回分式)であっても、連続式であってもよい。このとき、石膏と流動床灰とをあらかじめ混合してから泥土に混入してもよく、各成分を個別に泥土中に投入しても構わない。また、混合中にミキサー内部の加熱、減圧等を行ってもよい。
【0017】
他に、本発明の土質改良材には、必要に応じて凝集剤、固化促進剤、凝結遅延剤(リターダー)、高吸水性ポリマー、増量剤等が含まれていてもよい。特に、凝集剤を添加すれば、泥土中の土粒子が凝集剤によって凝集(団粒化)した状態で石膏等の働きによって固化される。このようにして得られた処理土壌は、団粒間に適度な隙間が形成されるため、保水性・透水性・通気性に優れ、植生に好適なものとなる。凝集剤としては、例えばポリアクリルアミド等を好ましく使用することができる。
【0018】
また、本発明の土質改良材には、高炉スラグを含んでいてもよい。高炉スラグは、銑鉄を製造する高炉で生じる灰分を主体とし、Al、Caのケイ酸塩を主成分とするものであり、水砕スラグ、徐冷スラグのいずれも用いることができる。高炉スラグを混合した場合には、高炉スラグ自身のポゾラン反応、および石膏や流動床灰との何らかの相互作用により、長期的な強度発現効果が期待できる。
【0019】
特に、処理土壌を水辺など水分の多い場所で再使用する場合には、高炉スラグが水に対する抵抗性を発揮して処理土壌の強度低下を抑制するため、好ましい。高炉スラグの配合比は、土質改良材の総重量に対して10重量%以下であることが好ましい。
【0020】
【発明の作用、および発明の効果】
本発明の土質改良材および土質改良方法によれば、流動床灰を石膏と併用する。このような構成によれば、石膏による早期の固化作用、流動床灰による中長期的な強度発現効果により、泥土の固化処理を短時間で行うことができるとともに、強度に優れた処理土壌を生成させることができる。また、石膏は土壌中に溶出するアルカリ成分を含まないから、セメントを使用する場合のように処理土壌のpHを上昇させることがない。このため、環境への負荷が低く、適用範囲の広い処理土壌を生産できる。
【0021】
さらに、従来は産業廃棄物であったものを利用するものであるため、泥土処理のコストを低減でき、かつ、資源のリサイクルを図ることができる。
【0022】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
【0023】
[流動床灰の比率の処理土壌の強度・pHへの影響を確認する実施例群]
<参考例1−1>
1.試料
泥土としては、市販の藤森粘土を使用した。
石膏の供給源としては、チヨダエコリサイクル(株)製「エコハード」を使用した。「エコハード」は、石膏に高炉スラグを所定の割合で混合し、これに凝集剤等の添加剤を少量加えたものである。
流動床灰としては、中国電力(株)大崎発電所において加熱流動床複合発電方式を採用するボイラーより排出されたものを使用した。この流動床灰の組成は、SiO244%、Al2O313%、Fe2O34%、CaO21%、その他の成分18%である。
【0024】
2.固化処理方法
石膏120重量部、高炉水砕スラグ60重量部、添加剤20重量部を混合して「エコハード」を調製した。この「エコハード」200重量部に、流動床灰0.2重量部を混合して土質改良材を調製した。
温度20℃、相対湿度60%の恒温室内で、藤森粘土100重量部に、土質改良材20重量部を添加した。この混合物をセメントモルタルミキサー中に投入して3分間混合を行い、所定時間養生して処理土壌を得た。
【0025】
3.試験方法
1)一軸圧縮試験
JIS A 1216(土の一軸圧縮試験)に準拠して、養生開始1日後、および1週間後の処理土壌について一軸圧縮試験を行った。
2)pH測定
地盤工学会基準 JGS−0211(土懸濁液のpH試験方法)に準拠して、養生開始直後、3日後、10日後の処理土壌についてpHを測定した。但し、使用する蒸留水の量は処理土壌の5倍とした。
【0026】
<参考例1−2>
流動床灰を0.4重量部とした他は、参考例1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0027】
<参考例1−3>
流動床灰を0.6重量部とした他は、参考例1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0028】
<参考例1−4>
流動床灰を1重量部とした他は、参考例1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0029】
<参考例1−5>
流動床灰を2重量部とした他は、参考例1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0030】
<参考例1−6>
流動床灰を4重量部とした他は、参考例1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0031】
<参考例1−7>
流動床灰を6重量部とした他は、参考例1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0032】
<参考例1−8>
流動床灰を10重量部とした他は、参考例1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0033】
<参考例1−9>
「エコハード」を180重量部、流動床灰を20重量部とした他は、参考例1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0034】
<参考例1−10>
「エコハード」を160重量部、流動床灰を40重量部とした他は、参考例1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0035】
<参考例1−11>
「エコハード」を140重量部、流動床灰を60重量部とした他は、参考例1−1と同様にして固化処理、および試験を行った。
【0036】
<参考例1−12>
「エコハード」を120重量部、流動床灰を80重量部とした他は、参考例1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0037】
<比較例1>
流動床灰を混合しなかった他は、参考例1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0038】
<参考例2−1>
石膏150重量部、高炉水砕スラグ30重量部、添加剤20重量部を混合して「エコハード」を調製した。この「エコハード」200重量部に、流動床灰0.2重量部を混合して土質改良材を調製した。この他は、参考例1−1と同様にして固化処理および一軸圧縮試験を行った。
【0039】
<参考例2−2>
流動床灰を0.4重量部とした他は、参考例2−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0040】
<参考例2−3>
流動床灰を0.6重量部とした他は、参考例2−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0041】
<参考例2−4>
流動床灰を1重量部とした他は、参考例2−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0042】
<参考例2−5>
流動床灰を2重量部とした他は、参考例2−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0043】
<参考例2−6>
流動床灰を4重量部とした他は、参考例2−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0044】
<参考例2−7>
流動床灰を6重量部とした他は、参考例2−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0045】
<参考例2−8>
流動床灰を10重量部とした他は、参考例2−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0046】
<参考例2−9>
「エコハード」を180重量部、流動床灰を20重量部とした他は、参考例2−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0047】
<参考例2−10>
「エコハード」を160重量部、流動床灰を40重量部とした他は、参考例1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0048】
<参考例2−11>
「エコハード」を140重量部、流動床灰を60重量部とした他は、参考例2−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0049】
<実施例2−12>
「エコハード」を120重量部、流動床灰を80重量部とした他は、参考例2−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0050】
<比較例2>
流動床灰を混合しなかった他は、参考例2−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0051】
[流動床灰と高炉スラグの効果の比較を行う実施例群]
<参考例3−1>
1.試料
石膏としては、中国電力(株)製の焼石膏を使用した。高炉スラグとしては、新日鐵高炉セメント(株)製「エスメント」を使用した。その他は、参考例1−1と同様のものを使用した。
【0052】
2.固化処理方法
石膏90重量部に、流動床灰10重量部を混合して土質改良材を調製した。
温度20℃、相対湿度60%の恒温室内で、藤森粘土1m3あたり土質改良材264kgを添加した。この混合物をセメントモルタルミキサー中に投入して3分間混合を行い、大気中で所定時間養生して処理土壌を得た。
【0053】
3.試験方法
1)コーン試験
地盤工学会基準 JGS−0716に準拠して、養生開始1日後、および7日後の処理土壌についてコーン試験を行った。
2)pH測定
参考例1−1と同様にして、コーン試験後の処理土壌についてpHを測定した。
【0054】
<参考例3−2>
石膏を80重量部、流動床灰を20重量部とした他は、参考例3−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0055】
<参考例3−3>
石膏を60重量部、流動床灰を40重量部とした他は、参考例3−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0056】
<参考例3−4>
石膏を50重量部、流動床灰を50重量部とした他は、参考例3−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0057】
<参考例3−5>
石膏を40重量部、流動床灰を60重量部とした他は、参考例3−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0058】
<比較例3−1>
石膏90重量部に、高炉スラグ10重量部を混合して土質改良材を調製した。その他は、参考例3−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0059】
<比較例3−2>
石膏80重量部、高炉スラグ20重量部とした他は、比較例3−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0060】
<比較例3−3>
石膏60重量部、高炉スラグ40重量部とした他は、比較例3−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0061】
<比較例3−4>
石膏50重量部、高炉スラグ50重量部とした他は、比較例3−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0062】
<比較例3−5>
石膏40重量部、高炉スラグ60重量部とした他は、比較例3−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0063】
<比較例3−6>
流動床灰、高炉スラグのいずれも混合しなかった他は、参考例3−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0064】
[水中養生を行った場合の強度変化を確認する実施例群]
<参考例4−1>
試料としては、参考例3−1と同様のものを使用した。
石膏97重量部に、流動床灰3重量部を混合して土質改良材を調製した。温度20℃、相対湿度60%の恒温室内で、藤森粘土1m3あたり土質改良材264kgを添加した。この混合物をセメントモルタルミキサー中に投入して3分間混合を行い、大気中で3日間、その後水中で4日間養生を行った。
得られた処理土壌について、参考例3−1と同様にしてコーン試験を行い、以下の式(1)より強度増加率を求めた。
強度増加率(%)={(qc7−qc1)/qc1}×100 ...(1)
(但しqc1は養生開始1日後のコーン指数、qc7は養生開始7日後のコーン指数)
【0065】
<参考例4−2>
石膏を95重量部、流動床灰を5重量部とした他は、参考例4−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0066】
<参考例4−3>
石膏を93重量部、流動床灰を7重量部とした他は、参考例4−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0067】
<参考例4−4>
石膏を90重量部、流動床灰を10重量部とした他は、参考例4−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0068】
<参考例4−5>
石膏を80重量部、流動床灰を20重量部とした他は、参考例4−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0069】
<参考例4−6>
石膏を70重量部、流動床灰を30重量部とした他は、参考例4−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0070】
<参考例4−7>
石膏を60重量部、流動床灰を40重量部とした他は、参考例4−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0071】
<比較例4>
流動床灰を混合しなかった他は、参考例4−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0072】
[流動床灰と高炉スラグとの併用の効果を確認する実施例群]
<参考例5−1−1>
試料としては、参考例3−1と同様のものを使用した。
石膏92重量部に、流動床灰3重量部、高炉スラグ5重量部を混合して土質改良材を調製した。温度20℃、相対湿度60%の恒温室内で、藤森粘土1m3あたり土質改良材264kgを添加した。この混合物をセメントモルタルミキサー中に投入して3分間混合を行い、大気中で3日間、その後水中で4日間養生を行った。
得られた処理土壌について、参考例4−1と同様にしてコーン試験を行い、強度増加率を求めた。
【0073】
<参考例5−1−2>
石膏87重量部、流動床灰3重量部、高炉スラグ10重量部とした他は、参考例5−1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0074】
<参考例5−1−3>
石膏77重量部、流動床灰3重量部、高炉スラグ20重量部とした他は、参考例5−1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0075】
<参考例5−1−4>
石膏67重量部、流動床灰3重量部、高炉スラグ30重量部とした他は、参考例5−1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0076】
<参考例5−1−5>
石膏を97重量部、流動床灰を3重量部とし、高炉スラグを混合しなかった他は、参考例5−1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0077】
<参考例5−2−1>
石膏85重量部、流動床灰10重量部、高炉スラグ5重量部とした他は、参考例5−1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0078】
<参考例5−2−2>
石膏80重量部、流動床灰10重量部、高炉スラグ10重量部とした他は、参考例5−1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0079】
<参考例5−2−3>
石膏70重量部、流動床灰10重量部、高炉スラグ20重量部とした他は、参考例5−1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0080】
<参考例5−2−4>
石膏60重量部、流動床灰10重量部、高炉スラグ30重量部とした他は、参考例5−1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0081】
<参考例5−1−5>
石膏を90重量部、流動床灰を10重量部とし、高炉スラグを混合しなかった他は、参考例5−1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0082】
<実施例5−3−1>
石膏75重量部、流動床灰20重量部、高炉スラグ5重量部とした他は、参考例5−1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0083】
<実施例5−3−2>
石膏70重量部、流動床灰20重量部、高炉スラグ10重量部とした他は、参考例5−1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0084】
<参考例5−3−3>
石膏60重量部、流動床灰20重量部、高炉スラグ20重量部とした他は、参考例5−1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0085】
<参考例5−3−4>
石膏50重量部、流動床灰20重量部、高炉スラグ30重量部とした他は、参考例5−1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0086】
<参考例5−3−5>
石膏を80重量部、流動床灰を20重量部とし、高炉スラグを混合しなかった他は、参考例5−1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0087】
<実施例5−4−1>
石膏65重量部、流動床灰30重量部、高炉スラグ5重量部とした他は、参考例5−1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0088】
<実施例5−4−2>
石膏60重量部、流動床灰30重量部、高炉スラグ10重量部とした他は、参考例5−1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0089】
<参考例5−4−3>
石膏50重量部、流動床灰30重量部、高炉スラグ20重量部とした他は、参考例5−1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0090】
<参考例5−4−4>
石膏40重量部、流動床灰30重量部、高炉スラグ30重量部とした他は、参考例5−1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0091】
<参考例5−4−5>
石膏を70重量部、流動床灰を30重量部とし、高炉スラグを混合しなかった他は、参考例5−1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0092】
<実施例5−5−1>
石膏55重量部、流動床灰40重量部、高炉スラグ5重量部とした他は、参考例5−1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0093】
<実施例5−5−2>
石膏50重量部、流動床灰40重量部、高炉スラグ10重量部とした他は、参考例5−1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0094】
<参考例5−5−3>
石膏40重量部、流動床灰40重量部、高炉スラグ20重量部とした他は、参考例5−1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0095】
<参考例5−5−4>
石膏30重量部、流動床灰40重量部、高炉スラグ30重量部とした他は、参考例5−1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0096】
<参考例5−5−5>
石膏を60重量部、流動床灰を40重量部とし、高炉スラグを混合しなかった他は、参考例5−1−1と同様にして土質改良材を調製し、固化処理、および試験を行った。
【0097】
[現地試験]
広島県の二級貯水池堆積土砂取除工事の現場において、廃出された浚渫土の土質改良試験を行った。
【0098】
<参考例6−1−1>
石膏60重量部に、流動床灰40重量部を混合して土質改良材を調製した。
含水率52%の浚渫土1m3あたり土質改良材167kgを添加した。この混合物をセメントモルタルミキサー中に投入して3分間混合を行い、所定時間養生して処理土壌を得た。養生開始直後、および40日後の処理土壌のpHを測定した。
【0099】
<参考例6−1−2>
土質改良材の添加量を浚渫土1m3あたり251kgとした他は、参考例6−1−1と同様に固化処理および試験を行った。
【0100】
<参考例6−1−3>
土質改良材の添加量を浚渫土1m3あたり334kgとした他は、参考例6−1−1と同様に固化処理および試験を行った。
【0101】
<参考例6−2−1>
含水率68.5%の浚渫土を使用し、土質改良材の添加量を浚渫土1m3あたり土質改良材237kgとした他は、参考例6−1−1と同様に固化処理を行った。養生開始直後、20日後、および52日後の処理土壌のpHを測定した。
【0102】
<参考例6−2−2>
土質改良材の添加量を浚渫土1m3あたり315kgとした他は、参考例6−2−1と同様に固化処理および試験を行った。
【0103】
<参考例6−2−3>
土質改良材の添加量を浚渫土1m3あたり394kgとした他は、参考例6−2−1と同様に固化処理および試験を行った。
【0104】
<参考例6−2−4>
土質改良材の添加量を浚渫土1m3あたり491kgとした他は、参考例6−2−1と同様に固化処理および試験を行った。
【0105】
<比較例6>
土質改良材としてセメント系固化材を使用し、添加量を浚渫土1m3あたり60kgとした他は、参考例6−1−1と同様に固化処理および試験を行った。
【0106】
[植生試験]
<参考例7>
上記現地試験で得た処理土壌を使用して植生試験を行った。栽培種子は小松菜とし、1ヶ所あたり10粒の種子を2ヶ所に蒔いた。栽培場所は戸外の日向とし、栽培期間は1ヶ月(栽培時期:12月)とした。
【0107】
<比較例7>
上記現地試験における処理前の泥土を使用して、参考例7と同様に植生試験を行った。
【0108】
<結果と考察>
1.流動床灰の比率の処理土壌の強度・pHへの影響
参考例1−1〜2−11、実施例2−12、および比較例1、2における、土質改良材の配合を表1に示す。なお、流動床灰の配合比(重量%)は、土質改良材の総重量(「エコハード」と流動床灰の重量の和)に対する流動床灰の重量の割合で示した。
【0109】
【表1】
【0110】
1)強度発現効果
石膏と高炉水砕スラグの重量混合比を60:30とした場合(参考例1−1〜参考例1−12、比較例1)、および75:15とした場合(参考例2−1〜参考例2ー11、実施例2−12、比較例2)における、流動床灰の配合比と処理土壌の一軸圧縮強度との関係を示すグラフを図1に示した。
【0111】
図1より、流動床灰の配合比が0%〜10%では、配合比が増大するにつれて処理土壌の強度が増大し、配合比を10%とした場合に最大となった。
流動床灰の配合比をさらに増大させると、処理土壌の強度は徐々に低減し、40%では流動床灰を加えない場合とほぼ同じ値となった。これは、流動床灰の配合比の増加によって石膏の比率が相対的に低下し、石膏の固化反応による強度発現効果が低減してしまうためであると考えられる。これ以上流動床灰の配合比を増大させると、処理土壌の強度はさらに低下してしまうと考えられることから、配合比は40%以下とすることが好ましい。
【0112】
また、養生開始1日後と比較して、1週間後の処理土壌の強度が大きく増大しており、流動床灰が中長期的な強度の増大に寄与していることが確認された。特に、流動床灰の配合比が約5%〜20%の場合に、大きな強度増大効果が確認された。
【0113】
なお、石膏と高炉水砕スラグとの混合重量比が75:15の場合よりも、60:30の場合の方が、養生開始1週間後の処理土壌の強度が大幅に増大していた。これは、高炉水砕スラグを増大させたことにより、高炉水砕スラグのポゾラン反応、および石膏−高炉水砕スラグ−流動床灰の相互作用による中長期的な強度発現効果が発揮されたものと考えられる。
【0114】
2)pH
図2には、石膏と高炉水砕スラグの重量混合比を60:30とした場合(参考例1−1〜参考例1−12)における、流動床灰の配合比と処理土壌のpHとの関係を示すグラフを示した。
【0115】
図2より、流動床灰の配合比が5%以下では、pHは8以下であり、ほぼ中性であった。流動床灰を10%とした場合には、pHは8.5〜9を示し、処理土壌が弱アルカリ性となっていることが確認された。配合比を20%とした場合には、pHは9〜10まで上昇したが、それ以上配合比を増大させてもあまり変化がなかった。このように、処理土壌のpHの上昇が少ないのは、石膏が土壌中に溶出するアルカリ成分を含まないこと、また、流動床灰は酸化カルシウム等を含むため土壌をアルカリ化するものの、その影響はセメント等に比べて極めて小さいことによると考えられる。特に、流動床灰が10%以下の場合には、養生開始10日後であってもpHが弱アルカリ領域にとどまっており、環境への影響の少ない処理土壌を生産できることが分かった。
【0116】
2.流動床灰と高炉スラグの効果の比較
参考例3−1〜3−5、および比較例3−1〜3−6における流動床灰、高炉スラグの配合比、および土壌のコーン指数を表2に、処理土壌のpHを表3に示した。また流動床灰または高炉スラグの配合比と処理土壌のコーン指数との関係を示すグラフを図3に、流動床灰または高炉スラグの配合比と処理土壌のpHとの関係を示すグラフを図4に示した。
【0117】
【表2】
【0118】
【表3】
【0119】
表2および図3より、石膏に流動床灰を混合した場合では、配合比が増大するにつれてコーン指数は大きくなり、流動床灰40%で最も高い値を示した。このことより、流動床灰と石膏との相互作用により処理土壌の強度が増大したといえる。しかし、これ以上配合比を増大させると、コーン指数はかえって低下し、特に養生開始1日後のコーン指数が大きく低下した。これは、流動床灰の配合比の増加によって石膏の比率が相対的に低下し、石膏の固化反応による強度発現効果(特に養生開始後早期の強度発現効果)が低減してしまうためであると考えられる。一方、石膏に高炉スラグを混合した場合には、コーン指数の増大は見られず、高炉スラグ単体では土壌の強度増大に貢献しないことがわかった。
【0120】
表3および図4より、石膏に高炉スラグを混合した場合には、処理土壌のpHは殆ど変化しなかった。一方、石膏に流動床灰を混合した場合には、配合比の増大につれてpHは上昇した。しかし、配合比20%以下ではpHは弱アルカリ性領域に留まり、更に配合比を上げてもpHは10前後に留まった。このことから、流動床灰を使用した土質改良材は、従来のセメント系改良材と比較して土壌のpHに与える影響は緩やかであるといえる。
【0121】
3.水中養生を行った場合の強度変化
参考例4−1〜4−7、および比較例4における処理土壌の貫入抵抗力、コーン指数、および強度増加率を表4に示した。また流動床灰の配合比と処理土壌の強度増加率との関係を示すグラフを図5に示した。なお、参考例4−4(流動床灰の配合比10%)については2個の試験体について試験を行ったため、図5では2つのデータの平均値を示した。
【0122】
【表4】
【0123】
表4および図5より、流動床灰を配合しないものでは、7日養生後に強度が大きく低下しており、特に表面に近い部分ほど低下が大きくなっていた。これは水中養生中に、石膏成分が水中へ溶出したためであると考えられる。一方、流動床灰を配合したものでは、配合比が大きいほど強度の低下が抑制されていた。
【0124】
4.流動床灰と高炉スラグとの併用の効果
参考例5−1−1〜5−2−5、5−3−3〜5−3−5、5−4−3〜5−4−5、5−5−3〜5−5−5、および実施例5−3−1〜5−3−2、5−4−1〜5−4−2、5−5−1〜5−5−2における、養生開始1日後および7日後のコーン指数を表5に示した。また、流動床灰を所定の配合比とした場合の、高炉スラグの配合比と養生開始1日後のコーン指数との関係を示すグラフを図6に、高炉スラグの配合比と養生開始7日後のコーン指数との関係を示すグラフを図7に示した。
また、参考例5−1−1〜5−2−5、5−3−3〜5−3−5、5−4−3〜5−4−5、5−5−3〜5−5−5、および実施例5−3−1〜5−3−2、5−4−1〜5−4−2、5−5−1〜5−5−2における強度増加率を表6に、高炉スラグを5%、10%、20%、30%とした場合の流動床灰の配合比と強度増加率との関係を示すグラフを図8〜図11にそれぞれ示した。
【0125】
【表5】
【0126】
【表6】
【0127】
表5、表6および図6〜図11より、養生開始1日後、7日後とも、高炉スラグが5%、10%の場合に最もコーン指数が大きく、高炉スラグを20%以上に増大させると、コーン指数が低下する傾向にあった。
【0128】
養生開始7日後のコーン指数は、流動床灰が3%、10%の場合には、約300〜500kN/m2の範囲で推移した。また、強度増加率もほぼ0%以下であり、石膏が水中に溶出することによって強度が低下していることがうかがえた。一方、流動床灰20%、30%では、高炉スラグを加えない場合には流動床灰が10%以下の場合とほぼ同じであったが、高炉スラグ5%または10%加えることによって約1000〜1300kN/m2に増大した。また、流動床灰40%では、20%および30%の場合よりはやや低いものの、コーン指数の増大が見られた。
【0129】
また、流動床灰20%以上では、強度増加率もプラスの値となり、特に流動床灰20%、スラグ20〜30%での強度増大が著しかった。このことは、高炉スラグの配合比の増大により、石膏の配合比が相対的に低下するために初期の強度発現が低下するものの、高炉スラグのポゾラン反応等による中長期的な強度増大が期待できることを示しているものと考えられる。
【0130】
このように、流動床灰と高炉スラグとを併用することにより、強度が大きく、特に水分の多い場所での使用が可能な処理土壌を得ることができることが分かった。
【0131】
5.現地試験
参考例6−1−1〜6−2−4、および比較例6における処理土壌のpHを表7に示した。また、養生時間と処理土壌のpHとの関係を示すグラフを図12に示した。
【0132】
【表7】
【0133】
表7および図12より、土質改良材としてセメント系固化材を使用した場合には、処理土壌のpHは養生開始直後で約12.5、養生開始38日後でも約10.9と高い数値を示していた。これに対して、土質改良材として石膏と流動床灰との混合物を使用した参考例については、いずれも養生開始直後の処理土壌のpHは10〜11の範囲であった。また、養生開始40日〜52日後では、pHは約8〜9の弱アルカリ性領域に達するまで低下していた。このように、石膏と流動床灰とを混合した土質改良材は、セメント系固化材と比較して処理土壌のpHを中性に近い領域に留めることができ、環境への負荷を低くできることが分かった。
【0134】
6.植生試験
参考例7および比較例7における栽培1ヶ月後の植生の様子を撮影した写真をそれぞれ図13(A)、(B)に示した。図13より、処理前の泥土を使用した場合には、芽が少し出た程度で枯れてしまったのに対し、処理土壌を使用した場合には小松菜が順調に成長した。このように、石膏と流動床灰とを混合した土質改良材により処理した処理土壌は、適度な固さを備えて水はけが良く、またpHも弱アルカリ領域となっており、植生に適したものであった。さらに、土質改良材に含まれる流動床灰にはカルシウム分が含まれており、これが植生に良い影響を与えているものと考えられる。
【0135】
7.まとめ
以上のように、流動床灰を石膏と併用し、流動床灰の配合比を40%以下とすることにより、泥土の固化処理を短時間で行うことができるとともに、強度に優れた処理土壌を生成させることができる。また、処理土壌のpHの上昇が小さく、環境への負荷が低く、適用範囲の広い処理土壌を生産できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 土質改良材の総重量に対する流動床灰の比率と処理土壌の一軸圧縮強度との関係を示すグラフ
【図2】 土質改良材の総重量に対する流動床灰の比率と処理土壌のpHとの関係を示すグラフ
【図3】 流動床灰または高炉スラグの配合比と処理土壌のコーン指数との関係を示すグラフ
【図4】 流動床灰または高炉スラグの配合比と処理土壌のpHとの関係を示すグラフ
【図5】 流動床灰の配合比と処理土壌の強度増加率との関係を示すグラフ
【図6】 流動床灰を所定の配合比とした場合の高炉スラグの配合比と養生開始1日後のコーン指数との関係を示すグラフ
【図7】 流動床灰を所定の配合比とした場合の高炉スラグの配合比と養生開始7日後のコーン指数との関係を示すグラフ
【図8】 高炉スラグを5%とした場合の流動床灰の配合比と強度増加率との関係を示すグラフ
【図9】 高炉スラグを10%とした場合の流動床灰の配合比と強度増加率との関係を示すグラフ
【図10】 高炉スラグを20%とした場合の流動床灰の配合比と強度増加率との関係を示すグラフ
【図11】 高炉スラグを30%とした場合の流動床灰の配合比と強度増加率との関係を示すグラフ
【図12】 現地試験における処理土壌のpHの経時変化を示すグラフ
【図13】 (A)処理土壌を使用した場合の栽培1ヶ月後の植生の様子を撮影した写真
(B)泥土を使用した場合の栽培1ヶ月後の植生の様子を撮影した写真
Claims (2)
- 泥土に混合して固化処理を行わせるための土質改良材であって、石膏と流動床灰と前記泥土中の土粒子を凝集させるための凝集剤と高炉スラグとを含み、セメントを含まないものであって、前記流動床灰の含有量が前記土質改良材の総重量に対して20重量%以上40重量%以下であり、かつ、前記高炉スラグが前記土質改良材の総重量に対して5重量%以上10重量%以下の割合で含まれることを特徴とする土質改良材。
- 石膏と流動床灰と泥土中の土粒子を凝集させるための凝集剤と高炉スラグとを含み、セメントを含まないものであって、前記流動床灰の含有量が前記土質改良材の総重量に対して20重量%以上40重量%以下であり、かつ、前記高炉スラグが前記土質改良材の総重量に対して5重量%以上10重量%以下の割合で含まれる土質改良材を泥土に混合して固化させることを特徴とする土質改良方法。
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