添付の図面を参照して、この発明に係る尿レシーバの詳細を説明すると、以下のとおりである。
図1は、この発明に係る尿レシーバ102と、その尿レシーバ102が接続される真空圧を利用した尿吸引手段100aとを含む自動尿処理装置100の概略図である。尿レシーバ102は、着用者(図示せず)の肌に向けられる肌当接側とその反対側であって着用者の着衣に向けられる着衣当接側とを有するもので、図ではその着衣当接側の部材が部分的に破断した状態で示されている。
自動尿処理装置100は、着用者が排泄した尿を自動的に尿レシーバ102に集めることができる。その尿レシーバ102は、着用者の尿道口近傍の肌に当接して排泄された尿を集める容器部102aと尿が排泄されたことを検出する尿検出部102bとを含み、真空尿吸引手段100aは、尿レシーバ102に接続される継手部材104、導尿チューブ106、尿タンク106a、ポンプユニット108、電気配線116等を含んでいる。
ポンプユニット108は、尿検出部102bから配線116を介して送られる信号に基づいて作動する吸引ポンプ(図示せず)を備えている。尿レシーバ102では、容器部102aにおける容器112の周壁部112cに形成された尿排出用管路の開口114に対して継手部材104を介して導尿チューブ106が接続される。ポンプユニット108から延びる配線116の先端には、尿検出部102bに設けられた尿センサ118の電極218a,218b(図3,4参照)を配線116へ電気的に接続するためのクリップ120が取り付けられている。かような自動尿処理装置100は、尿センサ118により尿が排泄されたことを検出し、その検出したことに基づく信号によってポンプユニット108に含まれる吸引ポンプを作動させて尿タンク106a内の空気を吸引することにより、尿を容器112の内部へ吸引し、その吸引した尿を継手部材104と導尿チューブ106とを介してさらに吸引して、尿タンク106aに集めることができる。
図2は、尿レシーバ102の着用方法の一例を示す図であって、クリップ120が腹側にある。尿レシーバ102は、着用手段であるT字ベルト300の股間ベルト部301の内面側に粘着剤や商品名マジックテープ(登録商標)で知られるメカニカルファスナ等を使用して固定されている。尿レシーバ102の容器112は、その大部分が着用者身体の前側において上下方向へ延びてその内側が着用者の尿道口とその周辺の肌とに向かい合うとともに、図1における下端部分が股間ベルト部301の内面に沿って緩やかに湾曲しながら肛門へ向かうように延びた状態で着用される。T字ベルト300は、胴ベルト部302の両端部がメカニカルファスナ等の連結手段303を介して分離可能に連結されており、股間ベルト部301は、一方の端部が胴ベルト部302に縫合されていてもう一方の端部がメカニカルファスナ304を介して分離可能に胴ベルト部302に連結されている。なお、尿レシーバ102は、図示例の着用手段の他に、開放型のおむつやパンツ型のおむつ、おむつカバー、失禁患者用パンツ等適宜の手段を使用して着用することができる。
図3,4,5において、図3は着用者(図示せず)の肌と向かい合わせる尿レシーバ102の肌当接面側を示す平面図であり、図4は図3のIV−IV線に沿う切断面を示す図であり、図5は図3のV−V線に沿う切断面を示す図であって、図4,5では、尿レシーバ102の厚さ方向Rにおいて重なり合うべき各部材が一部のものを除いて互いに離間した状態で示されている。なお、厚さ方向Rは、容器112の深さ方向ということもできる。また、この発明において深さ方向の外側というときには、図4において、容器112の開口112aから容器112の外側へ向かう方向を意味し、深さ方向の内側というときには開口112aから容器112の内側へ向かう方向を意味している。
尿レシーバ102は、着用者身体の上下方向に一致させる長さ方向Pと、長さ方向Pに直交する幅方向Qとを有し、長さ方向Pの両端部近傍で幅が広く、中央部で幅が狭くなっている。尿レシーバ102はまた、厚さ方向Rを有し、容器112の図4における上方には、その厚さ方向Rの下方から順に、不透液性の防漏シート122、透液性の難通気性シート124、拡散シート126、クッションシート128、尿センサ118、シート状のスペーサ130、シート状のフィルタ132、透液性肌当てシート134からなる複数のシート状部材が重なり、肌当てシート134には防漏堤136が重なっている。防漏シート122と難通気性シート124と拡散シート126とは容器112と一体になって容器部102aを形成している。また、クッションシート128、尿センサ118、スペーサ130、フィルタ132、肌当てシート134は互いに重なり合って尿検出部102bを形成している。
容器112は、底部112bと周壁部112cと頂部開口112aとを有するトレー形状で防漏性のものであって、軟質ポリエチレンやシリコンゴム等の軟質弾性材料で形成されている。容器112はまた、長さ方向Pにも幅方向Qにも湾曲できる可撓性を有しているが、吸引ポンプで尿を吸引するときに作用する負圧による変形には耐えられるように作られている。容器112の周縁フランジ部152には、接着剤112dを介して防漏シート122が水密状態で接合している。
防漏シート122は、容器112の外側へ広がっていて、尿レシーバ102から尿が漏れることを防止している。防漏シート122は、熱可塑性合成樹脂フィルムやそのフィルムと不織布との複合シート等で形成することができ、図1の尿レシーバ102では厚さ30μmの軟質ポリエチレンフィルムが使用されている。なお、尿レシーバ102が容器112の周縁部における防漏性を必要としない場合には、防漏シート122を省いてこの発明を実施することも可能である。
難通気性シート124は、透液性は高いが空気を殆どまたは全く通さないもので、図4に示されるように容器112の頂部の開口112aを覆っていて、周縁部が防漏シート122に対してホットメルト接着剤124aを介して上方から接合している。難通気性シート124を有する容器112は、ポンプユニット108の吸引ポンプが作動すると容易に負圧となり、肌当てシート134に向かって排泄された尿を速やかに吸引することができる。難通気性シート124は、例えば22g/m2のスパンボンド不織布と10g/m2のメルトブローン不織布と22g/m2のスパンボンド不織布とからなるSMS不織布を、好ましくは界面活性剤で親水化処理して使用することができる。難通気性シート124の通気性は、JIS L 1096のセクション6.27.1に規定される通気性測定方法のA法に従って測定したときに、湿潤状態においては0〜100cc/cm2/秒、好ましくは0〜50cc/cm2/秒の範囲にある。また、乾燥状態においては20〜200cc/cm2/秒、好ましくは20〜100cc/cm2/秒、さらに好ましくは20〜50cc/cm2/秒の範囲にある。この通気性を測定するときの湿潤状態とは、下記の式(1)で算出される難通気性シート124の含水率が100%以上である状態を意味し、乾燥状態とは、難通気性シート124を20℃、RH50%の室内に24時間以上放置したときの同シート124の状態を意味している。
含水率=(湿潤状態のシート重量−乾燥状態のシート重量)/(乾燥状態のシート重量)・・・式(1)
拡散シート126は、レーヨン繊維を一例とする親水性繊維を含む不織布等の透液性シート片で形成され、尿が排泄されたときにその尿を難通気性シート124の上方において速やかに拡散させて難通気性シート124を広い面積にわたって湿潤状態にするために使用される。難通気性シート124が湿潤状態になることによって、容器112の内部を負圧にして尿をその内部に吸引することが容易になる。拡散シート126は、難通気性シート124に対してそれぞれの透液性を阻害することがないように間欠的に接合していることが好ましい。
クッションシート128は、例えば坪量が20〜30g/m2のサーマルボンド不織布等の透液性シート片で形成されており、尿を速やかに浸透させることができるもので、拡散シート126や難通気性シート124に存在する尿が尿センサ118に向かって逆流することを防いでいる。クッションシート128はまた、それに対して尿センサ118、スペーサ130、フィルタ132等のシート状部材を予め重ねておけば、尿レシーバ102の製造過程においてこれらシート状部材を尿レシーバ102における所定の位置に置くためのキャリヤ部材となる。クッションシート128は、拡散シート126に対して、互いの透液性を阻害することがないように間欠的に接合していることが好ましい。
尿センサ118は、例えば導電性インクで所要形状の電極を合成樹脂フィルムに印刷することにより得ることができるもので、構造の詳細は後記のとおりである。尿センサ118は、容器112の開口112aを覆う複数枚の透液性シート124,126,128,130,132,134のうちの難通気性シート124と肌当てシート134との間に介在させるもので、図示例ではクッションシート128とスペーサ130とによって挟まれた状態にある。その尿センサ118は、クッションシート128に対して接合することができる。
スペーサ130は、ネット状の透液性シートで形成される。尿レシーバ102では、尿の吸引後にも尿が肌当てシート134に残り、その尿によって肌当てシート134が湿潤状態にあるということがある。そして、その肌当てシート134が、体圧等の作用を受けて尿センサ118に直接的または間接的に接触し、尿センサ118を誤動作させるということがある。スペーサ130は、そのような誤動作を防止するために尿センサ118とフィルタ132とを厚さ方向Rにおいて離間させておく手段であって、吸尿能力がなくて撥水性であり、かつ難通気性シート124よりも高い通気性と透液性とを有し、体圧を受けてもその厚さが変化しないものである。そのようなスペーサ130は、例えばエチレン酢酸ビニル等の柔軟な合成樹脂で形成された厚さ0.5〜1mmのネットで作ることができ、クッションシート128に対して、互いの透液性を阻害することがないように接合していることが好ましい。
フィルタ132は、尿に含まれる固形分が尿センサ118に付着して尿センサ118が恒久的に通電状態になるというような事態を防止するためのもので、難通気性シート124よりも高い通気性と透液性とを有するシート片、より好ましくは不織布片によって形成される。フィルタ132は、スペーサ130に対して互いの透液性を阻害することがないように間欠的に接合することができる。
肌当てシート134は上面134aと下面134bとを有し、下面134bがフィルタ132の上面に密着している。上面134aは、尿レシーバ102が着用されたときに、着用者の尿道口とその近傍の肌とに向かい合った状態で肌に接触する。かかる肌当てシート134は、例えば坪量が15〜25g/m2のサーマルボンド不織布等の柔軟性と透液性とを有するシート片で形成される。肌当てシート134は、クッションシート128と同様に排尿の初期段階で尿を瞬間的に浸透させることができるもので、フィルタ132に対して、互いの透液性を阻害することがないような状態で間欠的に接合していることが好ましい。肌当てシート134には、親水性のものである場合と、撥水性のものである場合とがある。
防漏堤136は、図3,4に示されるように左右一対を成すもので、尿が肌当てシート134の上を幅方向Qへ流れて尿レシーバ102から横漏れすることを防止することができる。防漏堤136では、尿レシーバ102の外側寄りに位置する外側縁部136cが肌当てシート134に接合される一方、内側寄りに位置する内側縁部136dは、肌当てシート134に接合されておらず、そこには糸ゴム等の弾性部材136b(図4参照)が長さ方向Pへ伸長した状態で取り付けられている。尿レシーバ102が、それを着用するときに図1の如く長さ方向Pにおいて湾曲して弾性部材136bが収縮すると、防漏堤136の内側縁部136dは、肌当てシート134から離間するように起立する。防漏堤136は、柔軟な熱可塑性合成樹脂フィルムやそのフィルムと不織布との複合シート等によって形成され、好ましくは不透液性である。尿レシーバ102を平面的に見たときの防漏堤136(図3参照)は、上端部と下端部とのそれぞれが第1、第2エンドシート138,140のそれぞれで被覆されている。
尿レシーバ102を着用中に便が排泄されて、肌当てシート134が便で覆われると、尿レシーバ102は尿を検出することができなくなったり尿を吸引することができなくなったりするという場合がある。それを防ぐために、図3,4,5に示されているように、尿レシーバ102には便センサ144が設けられている。便センサ144では、熱可塑性合成樹脂フィルム142c,142dの上面にアルミ蒸着等によって電極143a,143bが形成されていて、そのフィルム142c,142dが2枚のカバーシート142a,142bで被覆されている。カバーシート142aは透液性のものであって、便中の水分が電極143a,143bに向かって透過可能である。かような便センサ144では、電極143a,143bが尿検出用電極218a,218bに並行して長さ方向Pへ延びていて、図3,5における下端部分145bが第2エンドシート140から下方へ延出している。その下端部分145bが便で汚れると、便中の水分がカバーシート142aを透過して、電極143a,143bが電気的につながり、配線116に含まれている電源116a(図1参照)から電流が流れてポンプユニット108における警報器(図示せず)に信号を送り、便の処理と尿レシーバ102の交換とを介護者等に促すことができる。
図6は、図3,4,5において使用されている尿センサ118の平面図であり、尿レシーバ102の輪郭が仮想線で示されている。尿センサ118は、合成樹脂フィルムで形成されたフィルム部260と、フィルム部260の片面に形成された一対の尿検出用電極218a,218bと、これらの電極218a,218bの大部分を覆っている絶縁性被覆170とを有する。フィルム部260は、長さ方向Pへ延びる矩形のものであるが、幅方向Qの中央部が長さ方向Pへ長く切り取られることによって形成されたほぼ矩形の開口171を有する。かようなフィルム部260は、図6における上方にクリップ120で把持するための上端部266を有し、上端部266の下方には尿センサ118の幅を二等分する中心線L1−L1の両側に側部267a,267bを有し、さらに下方には側部267aにつながる下端部268aと、側部267bにつながる下端部268bとを有する。下端部268aと下端部268bとは、連結部268cを介してつながっている。フィルム部260の上端部266では、電極218a,218bが露出している。また、側部267a,267bと下端部268a,268bとにおいて絶縁性被覆170に対して形成されている複数の小さな円形の部分は、非塗装部分169a,169bであって、ここには被覆170が形成されておらず、電極218aまたは218bの尿検出部位175aまたは175bが露出している。
図7は、図6におけるVII−VII線に沿う切断面を示す図である。図におけるフィルム部260の上面には、尿検出用の電極218aの他に、断線検出用の抵抗体250が形成されており、非塗装部分169aでは、電極218aの尿検出部位175aが露出している。抵抗体250は、その全体が絶縁性被覆170によって覆われている。
図8は、絶縁性被覆170が剥離された状態にある尿センサ118の平面図である。フィルム部260の片面には、側部267aと下端部268aとにおいてほぼL字形を画くように尿検出用電極218aが形成されている。また、側部267bと下端部268bとにおいて逆向きのL字形を画くように尿検出用電極218bが形成されている。これらの電極218a,218bに形成されている円形の部位175a,175bは、図6の非塗装部分169a,169bにおいて露出している。電極218aと218bとの間には、断線検出用抵抗体250が形成されている。抵抗体250は、尿検出用電極218a,218bそれぞれの下端部分173,174と電気的につながるとともに、図示の如く開口171の縁に沿って延びている。
かような尿センサ118において、好ましいフィルム部260には、厚さが50〜100μmのポリエステルフィルムが使用される。電極218a,218bは、導電性インクや導電性塗料を使用して所要の形状をフィルム部260に印刷することによって得ることができる。導電性インクや導電性塗料には、例えば導電性材料として3〜7重量%のカーボンブラック、10〜30重量%のカーボングラファイト等の人造黒鉛、適宜量の銀粉が含まれる。好ましい電極218a,218bのそれぞれは、幅が0.5〜2mm、抵抗値が150KΩ以下となるように作られ、非塗装部分169a,169bは1〜2mmの直径を有している。断線検出用抵抗体250は、例えばカーボンブラックが3〜7重量%、人造黒鉛が5〜10重量%含まれるインクを使用して所要の形状をフィルム部260に印刷することによって得ることができる。この抵抗体250は、その抵抗値が尿検出用電極218a,218bの抵抗値よりもはるかに高いもので、好ましい抵抗体250は幅が0.3〜1mm、抵抗値が2〜10MΩ程度となるように作られる。抵抗体250は、それに使用するインクが電極218a、218bに使用したものと同じで導電性が高いとか、印刷が容易なように幅が広くしてあるという場合には、図示例の如く縦方向Pに長い開口171の縁に沿って延びるようにして全長を極力長くし、それによって抵抗値を高くすることができる。
図6の尿センサ118が尿レシーバ102において使用されているときには、電気配線116に含まれる電源116aからクリップ120を介して電極218a,218bとこれらにつながる抵抗体250との間に常時微弱な電流Aが流れている。電気配線116を含む電気回路110では、その電流Aが流れているならば、尿検出用電極218a,218bが正常であると判断する。一方、電流Aを検出することができなくなったときには、尿検出用電極218a,218bに断線等の異常があったと判断し、尿センサ118の交換を促す信号をポンプユニット108から外部に向かって出すことができる。図6において、仮想線176によって示された範囲が尿によって濡れると、側部267aと側部267bとに形成されている非塗装部分169a,169bに尿が進入して、尿検出部位175a,175bに接触し、側部267aにおける電極218aと側部267bにおける電極218bとが尿を介して電気的につながる。両電極218a,218b間の抵抗が抵抗体250の抵抗よりも小さくなると、電気は抵抗の大きい抵抗体250ではなくて、抵抗の小さい尿の中を流れる。尿の中を流れるときの電流Bが、抵抗体250を流れるときの電流Aの値よりも大きければ、電気回路110では、この電流の変化またはそれに代わる電圧や抵抗値の急激な変化を捉えることによって、尿が排泄されたことを知ることができる。ポンプユニット108では、その変化によって生じる信号に基づいてポンプを作動させて尿を吸引し、電極218a,218b間の抵抗が大きくなるとポンプを停止させる。
図6の尿センサ118において、その尿検出部位175a,175bを露出させるための非塗装部分169a,169bは、中心線L1−L1に関して非対称となるように両側部267a,267bに形成されているが、非塗装部分169a,169bは、中心線L1−L1に関して対称となるように形成されていてもよいものである。また、フィルム部260の下端部268a,268bとその近傍には、複数の非塗装部分169a,169bが互いに接近した態様で形成されている。非塗装部分169a,169bがこのような態様にあると、排泄直後の尿が難通気性シート124に向かわずに図の上方から下方に向かって急速に拡散するようなことがあっても、尿レシーバ102はその尿を速やかに吸引することができる。非塗装部分169a,169bは、このような態様の他に、尿レシーバ102を着用したときの着用者の姿勢がどのようであるかを想定して、側部267a,267bの適宜の部位に設けることができる。
図9,10は、肌当てシート134の一例であるシート片400の斜視図と、その斜視図におけるX−X線断面図である。シート片400は、80〜100重量%の疎水性の熱可塑性合成繊維407と20〜0重量%のレーヨン繊維等の吸水性繊維とを含み、繊維が互いに溶着しているか機械的に交絡している不織布によって形成されているもので、尿レシーバ102の着用者の肌側に向けられる外面400aと尿センサ108の側に向けられる内面400bとを有し、長さ方向、幅方向、厚さ方向のそれぞれは尿レシーバ102における長さ方向P、幅方向Q、厚さ方向Rに同じである。なお、外面400aと内面400bとは、図4において上面と下面といい換えることができる。
シート片400の外面400aは、山部401と谷部402とが縦方向Pにおいて交互に反復するように現れる起伏を有するもので、山部401と谷部402とのそれぞれは互いに平行して幅方向Qへ延びている。シート片400の内面400bは平坦であって、フィルタ132に密着している。かようなシート片400は、山部401と谷部402とが尿センサ118における一対の電極218a,218bを横切るようにして使用され、好ましくは、幅方向Qの両側の縁部403が尿レシーバ102の両側に設けられた防漏堤136(図4参照)の内側に位置するようにして使用される。
肌当てシート134としてシート片400が使用されている尿レシーバ102は、それが着用状態にあってシート片400に向かって尿が排泄されると、尿は谷部402に集まり易く、また谷部402においては、縦方向Pよりも幅方向Qへ広がりやすい。それゆえ、尿レシーバ102では、一対の電極218a,218bが尿を介して電気的に速やかにつながって、尿レシーバ102での速やかな尿の吸引が可能になる。シート片400における谷部402の作用を活用するこの尿レシーバ102は、着用者が横臥している場合であっても、尿を幅方向Qへ拡散させて一対の電極218a,218bを速やかに電気的につなぐことができる点において特に優れている。
このように作用するシート片400と組み合わせて使用される電極218a,218bにおける尿検出部位175a,175b(図6参照)は、中心線L1−L1に関して対称となるように形成されていることが好ましい。シート片400はまた、15〜80g/m2の坪量を有するものであって、それに使用される複数条の疎水性の熱可塑性合成繊維407が1〜8dtexの繊度と、20〜80mmの繊維長とを有し、谷部402に位置する熱可塑性合成繊維407の多くは幅方向Qに向かって配向していることが好ましい。そのようなシート片400は、サーマルボンド不織布等の不織布を上下一対の金型で加熱、加圧することによって得ることができる。上方の金型には山部と谷部とを有するものを使用し、下方の金型には平坦なものを使用して、不織布はそれを製造するときの機械方向を谷部が延びる方向に一致させておくことによって、不織布において機械方向へ配向している熱可塑性合成繊維を幅方向Qに向かって配向させることができる。シート片400はさらにまた、山部401よりも谷部402において親水性が高くなるように親水化処理しておくことによって、尿が山部401から谷部402へ移行することを促進することができる。シート片400は、山部401の頂部が撥水性であり、谷部402の底部が親水性であるように作ることもできる。
図11は、図9,10におけるシート片400とは異なる態様のシート片400についての図10と同様な図である。図11におけるシート片400は、その全体がほぼ一様な厚さであって、内面400bが外面400aに平行しており、外面400aにおける山部401に対応する山部411と、谷部402に対応する谷部412とを有している。谷部402における内面400bは、その内面400bと向かい合うフィルタ132に対して、接着または溶着によって接合している。シート片400とフィルタ132とは幅方向Qにおいて間欠的に接合しており、接合している部位と部位との間では尿の透過が容易となるように密着している。シート片400とフィルタ132との間には、横方向Qへ延びるトンネル405が形成されるので、図11の態様を有する尿レシーバ102は、図9,10の態様を有する尿レシーバ102に比べて、横方向Qにおける通気性が高いものになる。図示例のシート片400は、サーマルボンド等の不織布を上下一対の加熱された金型でサンドウィッチすることにより得ることができる。上下の金型には互いに嵌合する山部と谷部とを有するものを使用する。
図10,11に例示のシート片400は、肌当てシート134として使用するばかりでなく、図4における肌当てシート134とフィルタ132との間に介在させて使用することもできるし、繊維間の間隙がフィルタ132における繊維間の間隙と同じ程度である場合には、フィルタ132に代えて使用することもできる。いずれの場合においても、シート片400が深さ方向Rにおいて電極218a,218bの外側にあり、山部401と谷部402とがこれら電極218a,218bを横切るように延びていることによって、尿レシーバ102が電極218aと電極218bとを速やかに電気的につなぐことができるものになる。なお、図4に例示の尿レシーバ102において、難通気性シート124が、熱可塑性合成繊維の他にレーヨン繊維等の親水性繊維を含んで尿を拡散させる効果を有するものになるときには、拡散シート126の使用を省くことができる。