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JP5134282B2 - 油展ゴムおよびその製造方法 - Google Patents
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JP5134282B2 - 油展ゴムおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、油展ゴムおよびその製造方法に関する。
従来、ゴムの加工においては、材料を混練する前に、原料ゴムの可塑性を増大させるため、素練りを行っていた。とくに分子量が大きく、粘度が安定しない天然ゴム(NR)は、素練りの程度によって加工性が変化し、薬品の分散性を改善できることから、素練りは必要不可欠な工程であった。このような背景から、ゴムの有する高い粘度を低減させて素練りを容易にし、さらに他の配合材料の分散性を向上させることを目的として、オイルを含有するゴム(油展ゴム)が市販されている。市販されている油展ゴムは、主として合成ゴムであり、加工性の改善を目的としてオイルを合成ゴムと均一に混合し、ブロック化したものが一般的である。
また、近年、環境問題が重視されるようになり、CO排出の規制が強化されつつある。さらに、石油資源は有限であり、供給量が年々減少していることから、将来的にはさらなる石油価格の高騰が予想されるため、合成ゴムなどの石油資源に由来する原材料の使用には限界がある。そのため、石油が枯渇した場合を想定すると、NRやエポキシ化天然ゴム(ENR)などの石油外資源を使用することが望ましい。
ゴムへオイルを混合して油展ゴムを製造する方法としては、種々の方法が知られており、たとえば、固形ゴムにオイルを混練機中で添加する方法や、溶液重合で得られるゴムについては、重合後の溶媒を含むゴムにオイルを添加してその後溶媒を除去する方法、乳化重合で得られるゴムについては、ラテックス状態のゴムにオイルを直接添加して強制的に撹拌し、その後ゴムを凝固させる方法などが知られている。
ゴムを固形化した後に、混練機でオイルを混練する方法では、オイルとゴムを同時に投入すると、ゴムが混練機内部で滑るため、最初にゴムのみを混練したのちにオイルを添加して混練する。しかしながら、ゴムの粘度が高いため、オイルを添加するまでの間にゴムにせん断力がかかりゴム分子が部分的に切断する。このようにして得られた油展ゴムを用いて、ゴム製品を作製した場合、耐摩耗性、強度、耐屈曲亀裂成長性などが悪化し、強度、耐摩耗性が低下するという問題があった。また、前述のゴムの素練り工程の後に、混練の段階でオイルを添加する方法では、オイルの吸収に時間を要し、生産性が低下するという問題があった。
たとえば、特許文献1には、所定のゴム成分、所定のシリカ、植物由来のオイル、シランカップリング剤および陰イオン計界面活性剤を所定量含有することで、シリカの偏在やオイルとの相溶性を改善でき、さらに加工性および耐摩耗性を低下させることなく、転がり抵抗特性およびウエットグリップ性能を向上させたタイヤトレッド用ゴム組成物が開示されている。しかしながら、ゴムを固形化した後に、混練機でオイルを混練しているので、加工性およびゴム物性を充分に改善することはできていない。
さらに、ゴムラテックスにオイルを添加して撹拌する方法では、改質天然ゴムラテックスでは極性が高いため、改質天然ゴムラテックスに対するオイルの溶解度が低く、水相にオイルが残りやすいという問題があった。そのため、高速でゴムラテックスとオイルを撹拌した後に混合物を凝固させたのちに、ゴム中に均一にオイルを混合するために、凝固させたゴムを押出機などで再度混練するなどによりせん弾力を加える必要があった。しかしながら、押出機のせん断によって、ゴム分子の切断を伴うという問題もあった。
特開2005−263956
発明の目的は、環境に配慮するとともに、将来の石油資源の減少にも備えることができ、さらに分子切断がなく、強度に優れた油展ゴムおよびその製造方法を提供するとともに、該油展ゴムを用いたゴム組成物、さらには該組成物から形成されたタイヤをも提供することである。
本発明は、改質天然ゴムラテックスと、魚油またはその誘導体とを混合後、凝固させることを特徴とする油展ゴムの製造方法に関する。
前記魚油またはその誘導体を、水中油滴型(O/W型)エマルジョンとして混合することが好ましい。
前記O/W型エマルジョンが、非イオン系界面活性剤および/または陰イオン界面活性剤で乳化されていることが好ましい。
前記改質天然ゴムラテックスが、エポキシ化天然ゴムラテックスであることが好ましい。
前記エポキシ化天然ゴムのエポキシ化率が10〜60%であることが好ましい。
また、本発明は前記油展ゴムの製造方法により得られた油展ゴム、および該油展ゴムを含有するゴム組成物に関する。
本発明によれば、改質天然ゴムラテックスに、オイルとして魚油またはその誘導体を混合するので、さらには魚油またはその誘導体をO/W型エマルジョンとして混合するので、環境に配慮するとともに、将来の石油資源の減少にも備えることができ、さらに分子切断がなく、強度に優れた油展ゴムを提供することができる。また、混練段階でオイルを混練機に投入する必要がないので、生産性の低下を防止することもできる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明では、改質天然ゴムラテックスと、魚油またはその誘導体とを混合後、凝固させることにより油展ゴムを製造する。
本発明では、石油を消費することなく、1本の木から20年にわたって採取することができ、環境面に優れ、また燃焼時に二酸化炭素が発生せず、さらにタイヤに適した特性を有しているという理由から、改質天然ゴムラテックスを使用する。改質天然ゴムラテックスとしては、たとえばENRラテックス、水素添加天然ゴムラテックス(H−NRラテックス)、マレイン酸変性天然ゴムラテックスなどの官能基付加型天然ゴムラテックスがあげられる。これらの改質天然ゴムラテックスは、単独で用いても、2種以上を組合せて用いても良い。なかでも、とくにタイヤに適した特性を有することから、ENRラテックスが好ましい。
ENRラテックスは、たとえばNRラテックスを、クロルヒドリン法、直接酸化法、過酸化水素法、アルキルヒドロペルオキシド法、過酸法などの方法でエポキシ化することにより製造することができる。たとえば、過酸化水素法では、NRラテックスに界面活性剤、酢酸および過酸化水素を添加し、NR中の二重結合をエポキシ化して作製することができる。
ENRのエポキシ化率は、10モル%以上が好ましい。エポキシ化率が10モル%未満では、タイヤ用ゴムとして充分な性能を発揮できない傾向がある。ENRのエポキシ化率は60モル%以下が好ましく、50モル%以下がより好ましい。エポキシ化率が60モル%をこえると、タイヤの他の部材と接着しにくく、性能面でもバランスが低下する傾向にある。
本発明では、環境に配慮することができ、将来の石油資源の減少にも備えることができ、さらに使用後のゴム製品を燃焼させた際にも、バイオマス材料であることからカーボンニュートラルの考え方が適用され、二酸化炭素が発生しないという理由から、魚油またはその誘導体を利用する。とくに改質天然ゴムラテックスは極性が高いので、通常のミネラルオイルではブリードアウトするが、魚油はグリセリンと脂肪酸のエステル化物であり、石油資源由来のオイルよりも極性が高く、ENRなどの改質天然ゴムとの相溶性に優れている。魚油としては、とくに限定されないが、たとえばイワシ油、ヒウチダイ油、サバ油、サンマ油などが挙げられる。また、魚類が特定されていない精製魚油も使用できる。魚油と植物油の差は、脂肪酸の構成にある。植物油では、植物の種類によって異なるが、脂肪酸の炭素数は一部12〜14のものの存在するが16〜18が大多数であるのに対し、魚油では18〜22であり、たとえばリノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、イコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸などである。
魚油のヨウ素価は135以上であることが好まし。ヨウ素価が135未満では、作製した油展ゴムとNRをブレンドし、たとえばサイドウオールに適用した場合に、耐屈曲亀裂性能に劣る傾向がある。ヨウ素価の上限はとくに限定されない。
魚油の配合量は、改質天然ゴム(固形分)100重量部に対し、2〜35重量部であることが好ましい。2重量部未満では粘度低減効果が小さく、35重量部をこえると、ゴムに吸収されるのに時間がかかり、また混合後にゴムを凝固させることが困難になる傾向にある。配合量の下限は5重量部がより好ましい。
改質天然ゴムラテックスと、魚油またはその誘導体との混合は、魚油またはその誘導体をそのまま混合してもよく、魚油またはその誘導体を水に乳化させ、O/W型エマルジョンとして混合してもよい。なかでも、改質天然ゴムが早く均一に魚油またはその誘導体を吸収することによって、得られた油展ゴム中に魚油またはその誘導体が均一に分散し、さらには凝固の液相には不溶のオイル成分がほとんど存在せず、とくに表面にオイルが浮く現象は全く観察されず、排水処理負荷が小さいという点で、魚油またはその誘導体を水に乳化させ、O/W型エマルジョンとして混合することが好ましい。
O/W型エマルジョンとするために、界面活性剤を使用することができる。界面活性剤としては、魚油との相溶性、水との相溶性、エマルジョンの安定性などに優れるものを選択すればよいが、魚油との親和性が高いという理由から、非イオン系界面活性剤および/または陰イオン界面活性剤を使用することが好ましく、非イオン系界面活性剤を使用することがより好ましい。非イオン性界面活性剤には、曇点を有するものがあるが、凝固させやすさを考慮すると、曇点が比較的低い非イオン性界面活性剤が好ましい。ここで、曇点とは、非イオン性界面活性剤が水に不溶化する温度であり、この際に液が白濁することからこのように呼ばれている。
非イオン系界面活性剤は、親水性部分と親油性部分から構成され、魚油との親和性が高いという理由から、親油性部分はアルキルエーテルまたはアルケニルエーテル構造が、親水性部分はオキシエチレン構造が好ましい。
アルキルエーテルとしては、とくに限定されないが、たとえばラウリルエーテル、セチルエーテル、ステアリルエーテルなどがあげられる。また炭素数の異なるアルキルエーテルをブレンドしてもよい。アルケニルエーテルとしては、とくに限定されないが、たとえばオレイルエーテルなどが挙げられる。
オキシエチレン鎖の繰り返し単位は2以上が好ましく、4以上がより好ましく、5以上がさらに好ましい。2未満では水に溶解しない傾向がある。また、繰り返し単位は40以下が好ましく、30以下がより好ましく、20以下がさらに好ましい。40を超えると、乳化能力が低下し、安定なエマルジョンを作製できない傾向がある。
このような条件を満足する非イオン性界面活性剤としては、たとえばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などがあげられる。これらの界面活性剤は単独で使用してもよく、2種以上を組合せて使用してもよい。
前記界面活性剤のうち、ソルビタン脂肪酸エステルとしては、たとえばソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビットなどが挙げられる。
O/W型エマルジョンの作製に使用する水としては、イオン交換水および/または蒸留水が好ましく、イオン交換水がより好ましい。
魚油、界面活性剤および水からなるO/Wエマルジョン中の界面活性剤の含有量は、0.1重量%以上が好ましく、0.3重量%以上がより好ましい。魚油の含有量が0.1重量%未満では、添加するエマルジョンの安定性が不充分になる傾向にある。界面活性剤の含有量は、10重量%以下が好ましく、8重量%以下がより好ましい。界面活性剤の含有量が10重量%をこえると、界面活性剤がゴム中に残存しやすくなり、ゴムに吸収性を与えてゴム物性を低下させるうえに、コストも増大する傾向にある。
魚油、界面活性剤および水からなるO/Wエマルジョン中の魚油の含有量は、30重量%以上が好ましく、40重量%以上がより好ましい。魚油の含有量が30重量%未満では、添加するエマルジョンの量が増大し、改質天然ゴムラテックスの凝固処理が難しくなる傾向にある。魚油の含有量は、80重量%以下が好ましく、70重量%以下がより好ましい。魚油の含有量が80重量%をこえると、安定なエマルジョンを作製しにくくなる傾向にある。
O/W型エマルジョンは、通常の手法で作製できる。たとえば、魚油、界面活性剤および水をホモジナイザーなどの高速撹拌装置によって混合し、水中に微細粒径の魚油を分散させることで作製することができる。高速撹拌装置の回転数は、1000rpm以上が好ましく、2000rpm以上がより好ましい。高速撹拌装置の回転数が、1000rpm未満では、充分な微細粒径の油敵がえられない傾向がある。高速撹拌装置による混合時間は、3分以上が好ましく、5分以上がより好ましい。撹拌時間の上限は、5時間以下が好ましく、3時間以下がより好ましい。撹拌時間が5時間をこえると、撹拌し続けることによる効果がなく、生産性が低下する傾向にある。
改質天然ゴムラテックスと、魚油またはその誘導体(またはこれらのエマルジョン)との混合は、通常の撹拌機で行うことができる。撹拌機の回転数は、5rpm以上が好ましく、10rpm以上がより好ましい。撹拌機の回転数が5rpm未満では、充分な撹拌効果がえられない傾向がある。撹拌機の回転数は、1000rpm以下が好ましく、800rpm以下がより好ましい。回転数が1000rpmをこえると、不必要に泡立ちが発生する傾向がある。撹拌機による混合時間は、10分以上が好ましい。10分未満では撹拌効果が不充分になる傾向にある。
改質天然ゴムラテックスと、魚油またはその誘導体とを混合後、熟成させることが好ましい。ここで熟成とは、オイルをゴムラテックスに吸収させることをいう。熟成時間は30分〜2日が好ましいが、95%以上のオイルが吸収される時間であればよい。
混合後、必要により熟成させたのちに、混合物を凝固させる。凝固は、混合物に水蒸気を通すことにより行うことができる。凝固させる際には、ラテックスの凝固を補助するために、曇点の低い薬品を添加してもよい。凝固した混合物は、水に浸漬して水溶性物質を抽出し、ついで中和し、混合物を乾燥させて油展ゴムを作製する。
本発明の油展ゴムは、海島構造を形成させ、油展ゴムを島相とすることで、対屈曲亀裂性を向上させることができるという点から、他のゴム成分と併用することが好ましい。他のゴム成分としては、天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)などがあげられる。なかでも、環境に配慮し、将来の石油資源の減少にも備えることができ、さらに二酸化炭素を排出しないという理由から、NRが好ましい。
NRと改質天然ゴムを併用する場合、NRの配合量は5〜95重量%であることが好ましい。配合量の下限は20重量%がより好ましく、上限は80重量%がより好ましい。
本発明の油展ゴム、または該油展ゴムに他のゴム成分をブレンドして得られたゴム成分には、必要に応じてシリカなどの補強用充填材、シランカップリング剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤、および加硫促進助剤などの通常のゴム工業で使用される配合剤を適宜配合して、ゴム組成物とすることができる。なお、ゴム組成物の配合時に、魚油だけでなく他の油、たとえば鉱物油や植物油を追添加することもできる。追添加すると、他のゴムとのブレンド時、硬さを自在にコントロールできるというメリットがある。
シリカとしては湿式法または乾式法により製造されたシリカがあげられるが、特に制限されない。
ゴム組成物中のシリカの含有量は、ゴム成分100重量部に対して5重量部以上、好ましくは10重量部以上、より好ましくは15重量部以上である。シリカの含有量が5重量部未満では充分な低発熱性、ウェットグリップ性能が得られない。また、シリカの含有量は150重量部以下、好ましくは120重量部以下、より好ましくは100重量部以下である。シリカの含有量が150重量部をこえると加工性、作業性が悪化するため好ましくない。
シランカップリング剤としては、従来からシリカ充填剤と併用される任意のシランカップリング剤を使用でき、とくに限定されない。シランカップリング剤の含有量は、前記シリカ100重量部に対して1重量部以上が好ましく、2重量部以上がより好ましい。シランカップリング剤の含有量が1重量部未満では分散改良など充分な効果が得られない。また、シランカップリング剤の含有量は20重量部以下が好ましく、15重量部以下がより好ましい。シランカップリング剤の含有量が20重量部をこえるとコストがかかるのに対し、充分なカップリング効果が得られず、補強性、耐摩耗性が低下する傾向にある。
前記ゴム組成物は、耐屈曲亀裂性能に優れているという理由から、サイドウオールに使用することが好ましい。たとえば、前記ゴム組成物を、未加硫の段階でサイドウオールの形状にあわせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、これは本発明を限定するものではない。
以下に、実施例および比較例で用いた各種薬品を記載する。
<各種薬品>
改質天然ゴムラテックス:ENRラテックス(ゴム成分30重量%、エポキシ化率25モル%)
天然ゴム:TSR20
魚油1:日興油脂(株)製の精製魚油(ヨウ素価:163.7、酸価:0.5、ケン化価)
魚油2:(株)共研テクノス製の精製イワシ油(ヨウ素価:184.7、酸価:0.25、ケン化価:191.6)
魚油3:(株)共研テクノス製の精製ヒウチダイ油(ヨウ素価:87.3、酸価:0.30、ケン化価:108.3)
魚油4:(株)共研テクノス製のネステロールHS−S(ヨウ素価:82.9、脱臭ヒウチダイ油)
界面活性剤:花王(株)製のエマルゲン105(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、繰り返し単位:5)
シリカ:デグサ(株)製のウルトラシルVN3
シランカップリング剤:デグサ(株)製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)亜鉛華1号
ステアリン酸:日本油脂(株)製の「椿」
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C
ワックス:日本精鑞製(株)製のオゾエース0355
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤NS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS−P(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤TBBS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤DPG:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(ジフェニルグアニジン)
製造例
ホモジナイザーを用いて、魚油1、50重量部、イオン交換水46重量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル4重量部を、6000rpmで1時間撹拌し、エマルジョンaを作製した。魚油1の代わりに魚油2〜4を使用して、同様に、それぞれエマルジョンb〜dを得た。
実施例1〜4
表1に示す配合内容に従って、通常の撹拌機を用いて、改質天然ゴムラテックスに、それぞれエマルジョンa〜dを300rpmで30分間撹拌させることによって混合し、その後、室温で24時間放置して混合物を熟成させた。つぎに熟成させた混合物に対して、150℃の水蒸気を吹き込んで凝固させた。このようにして得られたゴムの水分を切って、さらに純水に1時間浸漬した。その後、3%アンモニア水に5時間浸漬し、表面に溝を切ったロールの間を通しながら水洗してシート状に成形し、50℃で3日間乾燥させ、ゴムA〜Dを作製した。
比較例1
エマルジョンと混合することなく、そのまま実施例1〜4と同様に改質天然ゴムラテックスを凝固などの処理を行い、ゴムEを作製した。
得られたゴムA〜Eを、それぞれアセトン中に96時間浸漬させ、浸漬前のゴムの重量に対する浸漬後の重量比率を算出し、アセトン抽出量とした。評価結果を表1に示す。アセトン抽出量が大きいほど、多くのオイルが取り込まれていることを示している。
Figure 0005134282
実施例5〜10
下記の表2に示す配合処方に従って、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を1.7Lバンバリー型ミキサーで4分間混練した。得られたゴム組成物に、硫黄、加硫促進剤を添加して、オープンロールで混練し、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で12分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
比較例2
下記の表2に示す配合処方にしたがい、1.7Lバンバリー型ミキサーを用いて、ゴムEを回転数77rpm温度50℃の条件で2分間混練し、魚油1を徐々に添加した。混練時間が5分を経過してもスリップが続き、ゴムE中に魚油Eを充分に分散させることができず、屈曲亀裂成長試験を行うことができなかった。
JIS K6260「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴムのデマッチャ屈曲亀裂成長試験方法」に準じて、23℃、相対湿度55%の条件下で加硫ゴム組成物に2mmの切込みを入れ、2mmの亀裂が3mmに成長するまで(1mmの破断が生じるまで)の回数を測定した。評価結果を表2に示す。ここでlog(万回/mm)は、破断が生じるまでの回数を対数で表したものである。数値が大きいほど、耐屈曲亀裂成長性が良好であることを示し、評価結果が8.0以上とは、前記対数が8.0に達しても、亀裂が1mmに達しなかったことを示す。
Figure 0005134282
所定の魚油を用いたエマルジョンおよび改質天然ゴムラテックスを用いることで、ゴム中に魚油を充分に分散させた油展ゴムを使用すると、環境に配慮することも、将来の石油資源の供給量減少に備えることもでき、さらに屈曲亀裂成長性を向上させることも可能である。
実施例11〜14
表3に示す配合内容に従って、通常の撹拌機を用いて、改質天然ゴムラテックスおよびエマルジョンa〜cを300rpmで30分間撹拌させることによって混合し、その後、室温で48時間放置して混合物を熟成させた。つぎに熟成させた混合物に対して、150℃の水蒸気を吹き込んで凝固させた。このようにして得られたゴムの水分を切って、さらに純水に2時間浸漬した。その後、3%アンモニア水に5時間浸漬し、表面に溝を切ったロールの間を通しながら水洗してシート状に成形し、50℃で3日間乾燥させ、ゴムF〜Iを作製した。
比較例3〜5
比較例1で得たゴムE1000gを混練機(容量:1.7L、回転数:77rpm、温度:50℃)で2分間混練し、その後、混練を続けながらゆっくりと、魚油(比較例3では魚油1、比較例4では魚油2、比較例5では魚油3を使用)250gを添加し、ゴムJ〜Lを作製した。魚油が完全に吸収されてトルクが上昇するまで5分以上かかった。
得られたゴムF〜Lのアセトン抽出量を、前述した方法で測定し、さらに常法にしたがってゴムのムーニー粘度を測定した。評価結果を表3に示す。
Figure 0005134282
実施例15〜18および比較例6〜8
下記の表4に示す配合処方に従って、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を1.7Lバンバリー型ミキサーで4分間混練した。なお、実施例15〜18では、油展ENRを使用したがさらに魚油を追添加した。得られたゴム組成物に、硫黄、加硫促進剤を添加して、オープンロールで混練し、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で12分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。得られたゴム組成物を用いて、以下の試験を行った。
<ゴム硬度>
室温の条件下にて、JIS−A硬度計を用いて加硫ゴム組成物の硬度(Hs)を測定した。
<引張り試験>
JIS K6251に準じ、加硫ゴム組成物からなる3号ダンベル型試験片を用いて引張り試験を実施し、試験片の破断強度TB(MPa)破断時伸びEB(%)をそれぞれ測定した。
<耐摩耗性>
加硫ゴム組成物から厚さ5mmの試験片を切り出し、(株)岩本製作所製のランボーン摩耗試験機を用い、表面回転速度50m/分、負荷荷重3.0kg、落砂量15g/分でスリップ率20%にて摩耗量を測定し、それらの摩耗量の逆数をとった。そして、比較例6の摩耗量の逆数を100とし、そのほかの摩耗量の逆数を指数で表わした。指数が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
Figure 0005134282
所定の魚油を用いたエマルジョンおよび改質天然ゴムラテックスを用いることで、ゴム中に魚油を充分に分散させた油展ゴムを使用すると、環境に配慮することも、将来の石油資源の供給量減少に備えることもでき、さらに破断強度および耐摩耗性を向上させることも可能である。

Claims (6)

  1. エポキシ化天然ゴムラテックスと、魚油またはその誘導体とを混合後、凝固させることを特徴とする油展ゴムの製造方法。
  2. 前記魚油またはその誘導体を、水中油滴型エマルジョンとして混合する請求項1記載の油展ゴムの製造方法。
  3. 前記水中油滴型エマルジョンが、非イオン系界面活性剤および/または陰イオン界面活性剤で乳化されている請求項2記載の油展ゴムの製造方法。
  4. 前記エポキシ化天然ゴムのエポキシ化率が10〜60%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の油展ゴムの製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法により得られた油展ゴム。
  6. 請求項記載の油展ゴムを含有するゴム組成物。
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