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JP5139860B2 - 銀超微粒子の製造方法 - Google Patents
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JP5139860B2 - 銀超微粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、銀超微粒子の製造方法に関するものである。
粒径が1μm以下の銀超微粒子、特に100nm以下の銀超微粒子は、極めて高い表面エネルギーによる融点低下や、局在化表面プラズモンによる電場増強効果等の特徴を有する事から、導電性材料、表面増強ラマン散乱分光、太陽電池、光輝性塗料、色材等の様々な分野での応用が期待されており、特に導電性材料としての使用検討が進んでいる。この銀超微粒子は水および/又は有機溶媒に分散され、銀超微粒子分散液の形で市販される。
しかしながら、銀超微粒子分散液は分散されている銀超微粒子が極小粒子であるが故に製造工程が煩雑となり、そのため高価にならざるを得ず、広く使用されるには至っていないのが現状である。
これら銀超微粒子分散液の製造方法としては、乾式法と湿式法に大別される。乾式法としては、ガス中蒸発法により金属超微粒子の分散液を製造する方法が知られており、例えば特開平3−34211号公報(特許文献1)には銀を含む各種金属超微粒子分散液(高沸点溶媒中に金属超微粒子が分散されたペースト)の製造方法が開示されている。この方法では金属蒸気を作製するための特別な装置が必要であるため製造装置が高価であり、更に金属蒸発のためにエネルギーが多量に必要であるため、製造コストを下げ安価とする事は困難であった。
湿式法としては、水を主体に含有する水性媒体中に、保護コロイドあるいは分散剤として作用する水溶性高分子化合物と金属イオンを含有させ、還元剤により該金属イオンを還元し金属超微粒子を製造する方法が知られており、特公平1−28084号公報(特許文献2)、特開平10−66861号公報(特許文献3)、特開2003−103158号公報(特許文献4)、特開2005−248204号公報(特許文献5)には銀超微粒子分散液とその製造方法が開示されている。しかしながら、水を主体に含有する水性媒体中に含有せしめる水溶性銀塩の量が、水溶性高分子化合物や還元剤等の薬剤が全て加えられた還元反応が行われる混合物1Kgに対して、銀イオンとして0.06モルから0.49モルにすぎないため、反応容器が大型になると共に、得られた銀超微粒子分散液に含まれる銀超微粒子の濃度が低いため、限外濾過や遠心分離等による濃縮精製工程における効率が悪く、多くの工数が必要となり、製造コストを下げ安価とする事は困難であった。銀超微粒子分散液に含まれる銀超微粒子の濃度を高くし効率を高くするためには、より高い濃度で銀イオンを供給する水溶性銀塩を水を主体に含有する水性媒体中に含有せしめる事が必要であるが、水溶性銀塩を増やすと水溶性高分子化合物や還元剤の添加量も増やす必要があるため、水性媒体中に含まれるこれら溶質の濃度が非常に高くなり、粗粒が生じやすくなると言う問題があった。
特開平3−34211号公報 特公平1−28084号公報 特開平10−66861号公報 特開2003−103158号公報 特開2005−248204号公報
本発明の目的は、従来技術では得る事が出来なかった極めて高い濃度で、且つ粗粒を含まない銀超微粒子の製造方法を提供するものである。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成された。
1.水を主体に含有する水性媒体中に水溶性銀塩、塩基性化合物、水溶性高分子化合物および還元剤を含有せしめた混合物であり、該混合物1Kgに対して、銀イオンに換算して0.9モル以上の水溶性銀塩と、該水溶性銀塩由来の銀イオンと等量以上の塩基性化合物を含有せしめた混合物を、メディアミルを用いて混練し還元反応を進める事で銀超微粒子分散液を製造する事を特徴とする銀超微粒子の製造方法。
2.前記水溶性高分子化合物および還元剤として多糖類を使用する事を特徴とする上記1に記載の銀超微粒子の製造方法。
本発明によれば、従来技術では得る事が出来なかった極めて高い濃度で、且つ粗粒を含まない銀超微粒子の製造方法を提供する事が出来る。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者は、水を主体に含有する水性媒体を用いた銀超微粒子の製造方法において種々検討の結果、還元反応を行う際の攪拌装置としてメディアミル用いる事により、非常に高い濃度で水溶性銀塩を仕込んだ場合においても、一般的な撹拌機と比較し均一な混合と還元反応を行う事が可能となり、粗粒が生じる事無く銀超微粒子を製造可能な事を見いだし、本発明に至った。本発明の製造方法を用いる事により、従来の製造方法と比較し、2倍から10倍程度の高い濃度で効率良く銀超微粒子を製造する事が可能となり、限外濾過や遠心分離等の濃縮精製工程においても、同様に効率が良くなるため、銀超微粒子および銀超微粒子分散液を安価に製造する事が可能となる。
本発明における銀超微粒子の製造方法は、水を主体に含有する水性媒体中に、水溶性銀塩、塩基性化合物、水溶性高分子化合物および還元剤を含有せしめた混合物を、メディアミルを攪拌装置として用いて混練する事で還元反応を進め、水溶性銀塩由来の銀イオンを還元し銀超微粒子とする製造方法である。詳細には、水を主体に含有する水性媒体中において、水溶性高分子化合物の存在下で水溶性銀塩由来の銀イオンと塩基性化合物由来の塩基を反応させ酸化銀を形成し、次に還元剤により酸化銀を還元し、銀超微粒子を得る方法である。生じた銀超微粒子は水を主体に含有する水性媒体中に分散し、銀超微粒子分散液となる。
本発明において、水を主体に含有する水性媒体とは、溶媒として、水が少なくとも80質量%以上である事を示し、好ましくは90質量%以上であり、特に好ましくは98質量%以上である。水以外に含まれる溶媒としては、アルコール類、グリコール類、アセトン等の水と混和性の高い有機溶媒を例示する事が出来る。
本発明において用いられる水溶性銀塩は、水に対する溶解度の高い硝酸銀塩,フッ化銀塩,過塩素酸銀塩が好ましく、工業用途として広く用いられている硝酸銀が特に好ましい。また、水を主体に含有する水性媒体中に含有せしめる水溶性銀塩は、該水性媒体中に水溶性銀塩、塩基性化合物、水溶性高分子化合物および還元剤を含有せしめた混合物1Kgに対して、銀イオンに換算して0.9モル以上である事が好ましい。なお上限は、水溶性銀塩および塩基性化合物の溶解濃度の上限に到達する事から、約2.8モル以下とする事が望ましい。
塩基性化合物は、特に制限はないが、具体例としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウム等の強塩基を挙げる事が出来る。塩基性化合物は溶解度の高い塩基性化合物が好ましく、特に溶解度の高い水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウムが好ましい。
塩基性化合物の添加量は、水溶性銀塩由来の銀イオンを酸化銀とするために水溶性銀塩由来の銀イオンと当量以上添加する事が好ましい。当量未満だと形成される酸化銀が減少し銀超微粒子の収率が低下する場合がある。上限は特にないが塩基性化合物の添加量を増やすと、反応後に得られる銀超微粒子分散液の総量が増加し生産性が低くなるため、2当量以下とする事が好ましい。
水溶性高分子化合物は、反応過程で一時的に生成する酸化銀あるいは還元により形成された銀超微粒子の保護コロイドあるいは分散剤として作用し、銀超微粒子の製造に使用される公知の水溶性高分子化合物を使用すれば良く、例えばアラビアゴム、デキストラン、デキストリン等の多糖類やゼラチン等の天然高分子化合物、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン、ポリアリルアミン等の合成高分子化合物を広く用いる事が出来る。
水溶性高分子化合物の添加量は、種類および製造する銀超微粒子の粒径により変化するが、水溶性銀塩由来の銀イオン1モルに対して、1gから200gが好ましく、より好ましくは、20gから100gである。
還元剤としては、公知の銀イオンを銀に還元する事が出来る還元剤から溶解度の高いものを選択すれば良く、銀塩写真用の現像試薬として知られるハイドロキノン、ハイドロキノンモノスルフォネートカリウム塩、アスコルビン酸又はその塩、無電解鍍金の還元剤として知られる水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン化合物、ホルマリン、ホスフィン酸又はその塩、酒石酸又はその塩、他にデキストリン、マルトース、グルコースなどの多糖類や二糖類、単糖類を例示する事が出来、これらの化合物は当該分野で一般的に用いられる還元剤である。
還元剤の添加量は、水溶性銀塩由来の銀イオンと当量以上添加する事が望ましい。上限は特に無いが還元剤の添加量を増やすと、得られる銀超微粒子分散液の総量が増加し生産性が低くなるため、2当量以下が好ましい。但し、多糖類や二糖類および単糖類を用いる場合には、同時に加えられる塩基性化合物により加水分解され、アルドン酸を経てグリコール酸などのオキシ酸およびギ酸等の種々の酸を種々の割合により生じ、これらが還元に寄与するため、化学量論的に論じる事が出来ない。実際にはグルコースあるいはフルクトース単位あたり少なくとも5電子から10電子の還元が可能である。従って多糖類や二糖類および単糖類を使用する場合、グルコースあるいはフルクトース単位として水溶性銀塩由来の銀イオンに対して0.1〜0.4当量とする事が好ましい。
還元剤として多糖類や二糖類および単糖類を用いる場合には、塩基性化合物が加水分解に消費されるため、塩基性化合物は、水溶性銀塩由来の銀イオンに対して少なくとも当量を超えて添加する事が必要であり、1.15当量以上が好ましく、1.3当量以上が特に好ましい。
特に、澱粉の分解物であるデキストリン等の多糖類を水溶性高分子化合物および還元剤として兼用する事は、多糖類の一部が塩基性化合物により加水分解され特に好ましく還元剤として作用するため、得られる銀超微粒子分散液の総量を減少させ生産性を高める事が出来るため好ましい。
多糖類を水溶性高分子化合物および還元剤として兼用する場合、その添加量は、水溶性銀塩由来の銀イオン1モルに対して、10gから200gが好ましく、より好ましくは、30gから110gである。また、水性媒体中にはアルコール類が含まれると多糖類がアルコール類を包摂して沈殿しやすくなるため、多量には含まれない事が好ましい。具体的には水性媒体中に5質量%以下である事が好ましい。
また、多糖類を用いる場合、還元反応が終了した段階で1,4−α−結合を不規則に切断するα−アミラーゼを作用させ、還元反応が終了した段階において残留している多糖類を低分子化する事も好ましい。α−アミラーゼを作用させる事により、限外濾過や遠心分離等の公知の方法を用い銀超微粒子分散液中の銀超微粒子の濃度を30質量%以上に高めた場合に顕著となる、銀超微粒子分散液の経時に伴う増粘挙動を抑制する事が出来る。
α−アミラーゼは、例えば天野エンザイム株式会社よりビオザイムAやビオザイムF10SDとして市販されている各種α−アミラーゼを用いる事が出来る。α−アミラーゼ添加前の銀超微粒子分散液は、α−アミラーゼに適したpH4から10、20℃から50℃に調整される事が好ましい。pHの調整には、酢酸等のカルボン酸類や硝酸を用いる事が好ましい。α−アミラーゼの添加量は、用いるデキストリン等の多糖類の質量に対し0.01質量%から10質量%が好ましく、より好ましくは0.1質量%から1質量%である。
以上に示した、水溶性銀塩、塩基性化合物、水溶性高分子化合物および還元剤を水を主体に含有する水性媒体中に溶解し、メディアミルを攪拌装置に用いて混練し還元反応を進めるが、少なくとも水溶性銀塩と塩基性化合物は別々に溶解しメディアミルに加える事が好ましい。これらを事前に溶解しメディアミルに加え混練する事で、迅速な混合と均一な還元反応が実現する事が出来る。水溶性高分子化合物は塩基性化合物により分解される場合もあるため、別途溶解して加えるか、水溶性銀塩と共に溶解し加える事が好ましい。多糖類を水溶性高分子化合物および還元剤として兼用する場合を除き、還元剤は別途溶解して加えるか、塩基性化合物と共に溶解し加える事が好ましい。多糖類を水溶性高分子化合物および還元剤として兼用する場合には、別途溶解して加えるか、水溶性銀塩と共に溶解し加える事が好ましい。
本発明の製造方法におけるメディアミルとは、容器内にボールあるいはビーズ(以下メディアとする)を入れ、固体や液体と共に攪拌する装置の事であり、密閉容器を機械的に振盪しメディアを強力に攪拌するペイントシェイカー、密閉容器を機械的に回転させメディアを攪拌するボールミル、蓋付き容器内に攪拌子(回転軸に多数の棒を取り付けた攪拌子や回転軸に多段の円盤を取り付けた攪拌子等、機器メーカーにより様々な形状を有する)を入れて回転させ、メディアを強力に攪拌するアトライターあるいはサンドミル、密閉容器内に多数の円盤(アジテーターディスクと称される)が取り付けられた回転軸を有し、これを回転させ、メディアを強力に攪拌するビーズミルを例示する事が出来る。装置の呼称は製造メーカーによって異なる場合も多々あるが、何れの装置においても、固体や液体と一緒に攪拌されるメディア同士の衝突力により、極めて強力に分散、攪拌、混練される事が特徴である。これらの装置は、無機物の粉砕、分散、混合等や、塗料顔料の練肉、分散等に広く用いられている。
本発明の銀超微粒子の製造方法により、極めて高い濃度で、且つ粗粒を含まない銀超微粒子が得られる理由としては、以下の様に推測する。
水溶性高分子化合物の存在下において高い濃度の水溶性銀塩溶液と高い濃度の塩基性化合物溶液を接触させると、接触面に酸化銀の被膜が形成され、溶液同士の混合が阻害される。この混合阻害は、水を主体に含有する水性媒体中に水溶性銀塩、塩基性化合物、水溶性高分子化合物および還元剤を含有せしめた混合物1Kgに対して、銀イオンに換算して0.9モル以上となるように水溶性銀塩溶液と塩基性化合物溶液を溶解し混合した場合に顕著となる。混合の進行と共に酸化銀の被膜の形成が進むと、酸化銀と水溶性高分子化合物からなる流動性を持たない凝集物が極めて多量に形成され、該混合物の流動性が著しく低下する。そのため、通常のプロペラタイプあるいはディスパータイプの撹拌機では、攪拌が困難となる。更に、還元剤が作用した際には、この酸化銀と水溶性高分子化合物からなる凝集物の表面から還元反応が進むため、還元反応が不均一に進行し、粗粒が形成され易くなるものと推測する。一方、メディアミルを用いると、極めて高い攪拌力、混練力、粉砕力により、迅速に均一な混合が終了し、凝集物は形成される先から即座に粉砕され消失し、メディアが一緒に混練された極めて粘稠なスラリーを形成する。このスラリーは混練可能であるため、還元剤を添加した際においても還元剤がスラリー内に速やかに均一に行き渡るため、還元反応を均一に進行させる事が可能となり、粗粒が形成され難くなるものと推測する。
また、デキストリン等の多糖類を水溶性高分子化合物および還元剤として兼用する場合においても、同様に接触面に酸化銀の被膜が形成され混合阻害が発生し、更に酸化銀の被膜形成が進行すると流動性を消失し、通常のプロペラタイプあるいはディスパータイプの撹拌機では、攪拌が困難となる。多糖類が塩基性化合物により加水分解され還元剤となるため、迅速且つ均一に混合し酸化銀の形成を進めないと、塩基性化合物が酸化銀形成により消費されないため、多糖類の加水分解が必要以上に進み、保護コロイドあるいは分散剤としての作用が低下し、粗粒が形成され易くなるものと推測する。一方、メディアミルを用いると、極めて高い攪拌力、混練力、粉砕力により、迅速に均一な混合が終了し、デキストリン等の多糖類は加水分解が必要以上に進むことなく保護コロイドあるいは分散剤としての作用を保つため、粗粒が形成され難くなるものと推測する。
更に、メディア自体が持つ熱容量により反応熱が吸収され、温度上昇を抑制される事も粗粒の形成を抑制する理由の一つだと推測される。
本発明において、メディアミルは上述した何れの装置も用いる事が出来るが、攪拌力の観点からは、ビーズミル、サンドミル、アトライター、ペイントシェイカーを用いる事が好ましい。
メディアミルは必要に応じ適宜冷却する事が好ましく、公知の冷却装置を広く使用する事が出来る。例えば、ビーズミル、サンドミル、アトライターの様に容器そのものが駆動されない場合には、容器に冷水等の冷媒が循環するジャケットを取り付け冷却すれば良く、ボールミル、ペイントシェイカーの様に容器そのものが駆動される場合には、容器に冷気を吹き付ける方法や、容器にあらかじめ冷却された冷媒を封入したジャケットをもたせる(簡易的には保冷剤を巻き付ける)方法、ペルチェ素子に代表される電力駆動型の冷却装置を取り付ける方法等がある。
メディアミルに入れられ、前述の混合物と一緒に攪拌されるメディアは、ガラス、金属、セラミック等、市販のメディアを広く使用する事が出来るが、耐久性の観点からアルミナ、ジルコン、ジルコニア等のセラミック系ビーズを使用する事が好ましい。メディアのサイズは、市販されている0.03mmから30mmまでのサイズのメディアを使用する事が出来るが、攪拌性、濾別性等の観点から、0.1mmから3mm程度のメディアを使用する事が好ましい。また、複数の径を持つメディアを混ぜて使用しても良い。
メディアは、還元反応を行う容器の内容積に対し、見なし体積(メディア間の空隙を考慮せず、外接する面でみなした体積)で10%から99%入れる事が好ましい。10%未満では攪拌力、混練力、粉砕力が不足する場合があるため好ましくなく、99%を超えると攪拌が困難となる場合がある。より好ましくは20%から80%の範囲である。
本発明における銀超微粒子とは、平均粒子径が0.3μm以下の銀粒子を示す。より好ましくは0.1μm以下であり、特に好ましくは50nm以下である。銀超微粒子の直径の下限は1nmである。1nm未満になると、銀超微粒子の単位質量あたりの表面積が増大し、被覆している水溶性高分子化合物の付着量の増大による極端な増粘等の弊害が生じる場合がある。なお、銀超微粒子の平均粒子径は、電子顕微鏡下での観察により求める事が出来る。詳細にはポリエチレンテレフタレートフィルムの上に、銀超微粒子分散液を塗布、乾燥させ、走査型電子顕微鏡にて観察し、一定面積内に存在する100個の粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径として平均し求める。
本発明の製造方法を用いて製造された銀超微粒子は、得られた銀超微粒子分散液中に銀超微粒子と共に含まれている塩類や過剰な水溶性高分子化合物等を、限外濾過や遠心分離等の公知の方法により減少させ、含まれている銀超微粒子の濃度を目的に応じ調整し、必要に応じ粘度調整剤やバインダー等を添加し、導電性材料、表面増強ラマン散乱分光、太陽電池、光輝性塗料、色材等の公知の用途に使用する事が出来る。また、銀超微粒子分散液より銀超微粒子を乾燥等の方法により取り出し、粉体として利用する事や、有機溶媒等に再分散させ利用する事も出来る。
また、本発明者が、例えば特開2008−4375号公報等に示した導電性発現方法を用いれば、得られた銀超微粒子分散液中に銀超微粒子と共に含まれている塩類や過剰な水溶性高分子化合物等を減少させずとも、導電性を発現させる事が出来る。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
<本発明の製造方法による銀超微粒子1の作製>
内容積250mlのポリプロピレン製容器中に、直径1mmのジルコニアビーズを見かけ上の体積として50mlを投入しこれをメディアミル容器とした。この容器に、純水105gに硝酸銀61gおよびデキストリン(日澱化学株式会社製、デキストリンNo.1−A)25.2gを溶解した溶液を入れ、容器全体を氷浴中に浸漬し約5℃まで冷却を行った。これに、純水45.5gに水酸化ナトリウム21.5gを溶解し、約20℃とした溶液を入れ、直ちに容器を密閉し、容器の周囲に市販の保冷剤を巻き付け、毎分200回の振盪速度に設定したペイントシェイカーに装着し混練を開始した。振盪開始から数秒で全体が均一に混合され、非常に粘稠なスラリー様となり混練状態となったが、次第に流動性を回復した。時間経過と共に溶液の濃厚な着色が進行し、混練開始から20分経過段階で銀超微粒子の局在化表面プラズモンに起因すると考えられる非常に濃い茶色を呈し色の変化が停止した。混練開始から30分で振盪を停止し、本発明の銀超微粒子1が分散した銀超微粒子分散液1を得た。この反応において、水溶性銀塩、塩基性化合物、水溶性高分子化合物および還元剤を純水に含有せしめた混合物の質量は258.2gであり、該混合物1Kgあたり、銀イオンに換算して1.39モルの硝酸銀が使用された。
銀超微粒子分散液1を希釈し、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製)上にワイヤーバーを用いて塗布、乾燥した。これを電子顕微鏡にて観察した結果、本発明の銀超微粒子1の平均粒子径は約10nmであり、粗粒は観察されなかった。
<比較例の製造方法による銀超微粒子2の作製>
銀超微粒子1の作製において、反応容器としてメディアミル容器の代わりに、長さ40mmのスターラーバーを入れた300mlのガラス製ビーカー(直径75mm)を用いた。容器は氷浴中に入れ、スターラーバーはマグネチックスターラーを用いて氷浴容器を介して800rpmで回転させた。銀超微粒子1の作製と同様に容器に硝酸銀およびデキストリンを溶解した溶液を入れ、約5℃まで冷却した後、長さ40mmのスターラーバーで攪拌しながら、銀超微粒子1の作製と同様の約20℃の水酸化ナトリウム溶液67gを徐々に添加した。添加した水酸化ナトリウム溶液は酸化銀に被覆され、カプセル様となり、混合は進まなかった。ビーカーに蓋をし、マグネチックスターラーの回転数を最大の1350rpmに上げ、攪拌を進めた。少しずつカプセルが細かくなり、水酸化ナトリウム溶液添加終了後17分で増粘しはじめ、20分で流動性をほとんど持たないスラリーと化した。この段階でスターラーバーは回転するものの、スラリーはほとんど攪拌されていなかった。水酸化ナトリウム溶液添加終了後21分で流動性を徐々に回復し、溶液の濃厚な着色が進行しはじめた。水酸化ナトリウム溶液添加終了後40分経過段階で銀超微粒子の局在化表面プラズモンに起因すると考えられる非常に濃い茶色を呈し色の変化が停止した。水酸化ナトリウム溶液添加終了後50分で攪拌を停止し、比較例の銀超微粒子2が分散した銀超微粒子分散液2を得た。また、容器壁面には固形銀とおぼしき付着物が形成されるなど、反応容器内全体において不均一な反応が進んだ様子が観察された。
銀超微粒子分散液2を希釈し、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にワイヤーバーを用いて塗布、乾燥した。これを電子顕微鏡にて観察した結果、比較例の銀超微粒子2の平均粒子径は約15nmであり、0.5μm以上の粗粒が散見された。
<本発明の製造方法による銀超微粒子3の作製>
内径20cm、高さ20cmの冷媒循環用ジャケット付きステンレス容器の内部に、リングコーン減速機付きモーターにより回転駆動される棒状攪拌子を有する容量5Lの小型アトライターに、直径1mmのジルコニアビーズを見かけ上の体積として1Lを投入しこれをメディアミル容器とした。この容器に、純水1300gに硝酸銀366gおよびゼラチン(株式会社ニッピ製、IK−2017)116gを溶解した溶液を入れ、攪拌子を200rpmで回転させた。ジャケットには29℃の水を循環させ、内容物の温度を30℃に調整した。これに、純水181gに水酸化カリウム181gを溶解し約20℃とした溶液を入れた。水酸化カリウム溶液を投入し10秒程度経過すると、全体が非常に粘稠なスラリー様と化し、混練状態となった。更に還元剤として純水144gにマルトース36gを溶解した溶液を加え、混練を続けると、スラリーは流動性を徐々に回復し、マルトース溶液添加後40分経過段階で銀超微粒子の局在化表面プラズモンに起因すると考えられる非常に濃い茶色を呈した。マルトース溶液添加後60分で混練を停止し、本発明の銀超微粒子3が分散した銀超微粒子分散液3を得た。この反応において、水溶性銀塩、塩基性化合物、水溶性高分子化合物および還元剤を純水に含有せしめた混合物の質量は2324gであり、該混合物1Kgあたり、銀イオンに換算して0.93モルの硝酸銀が使用された。
銀超微粒子分散液3を希釈し、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にワイヤーバーを用いて塗布、乾燥した。これを電子顕微鏡にて観察した結果、本発明の銀超微粒子3の平均粒子径は約20nmであり、粗粒は観察されなかった。
<比較例の製造方法による銀超微粒子4の作製>
銀超微粒子3の作製において、反応容器としてメディアミル容器の代わりに、攪拌装置として、直径35mmのディスパーを取り付けた内径15cm、高さ21cmのステンレス容器を用いた。容器は29℃に温調された浴に入れた。銀超微粒子3の作製と同様に、硝酸銀およびゼラチンを溶解した溶液を入れ、ディスパーを500rpmで回転させ、溶液の温度を30℃に調整した。これに20℃とした水酸化カリウム溶液362gを入れ、ディスパーの回転数を2000rpmにあげた。容器内部には酸化銀とゼラチンからなる硬質ゲルと推測される固体が多量に形成され、溶液は固体と少量の液体からなる状態へと変化し、均一な攪拌が不可能な状態となった。これに、銀超微粒子3の作製と同様のマルトース溶液180gを加え、攪拌を続けると、固体が再分散され、次第に流動性を有する様になり、溶液の着色が進んだ。マルトース溶液添加後60分で攪拌を停止し、比較例の銀超微粒子4が分散した銀超微粒子分散液4を得た。また、容器壁面には固形銀とおぼしき付着物が形成されるなど、反応容器内全体において不均一な反応が進んだ様子が観察された。
銀超微粒子分散液4を希釈し、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にワイヤーバーを用いて塗布、乾燥した。これを電子顕微鏡にて観察した結果、比較例の銀超微粒子4の平均粒子径は約30nmであり、0.5μm以上の粗粒が散見された。
以上、実施例1および2から明らかな様に、メディアミルを用いる事により、水を主体に含有する水性媒体中に含有せしめる水溶性銀塩を、該水性媒体中に水溶性銀塩、塩基性化合物、水溶性高分子化合物および還元剤を含有せしめた混合物1Kgに対して、銀イオンに換算して0.9モル以上としても、粗粒を含まない銀超微粒子を製造出来る事が判る。
<精製、濃縮された銀超微粒子分散液5の作製>
実施例1で作製した銀超微粒子分散液1を60g採取し、酢酸でpH5に調整し、これにα−アミラーゼ(天野エンザイム株式会社製、ビオザイムF10SD)を0.02g加え、25℃で1時間放置した。その後、遠心分離を行い精製した。遠心分離4回目に得られた沈殿物に純水を適量入れ、再分散を行い、銀超微粒子が40質量%含まれた銀超微粒子分散液5を得た。
<精製、濃縮された銀超微粒子分散液6の作製>
実施例1で作製した銀超微粒子分散液1を60g採取し、遠心分離を行い精製した。遠心分離4回目に得られた沈殿物に純水を適量入れ、再分散を行い、銀超微粒子が40質量%含まれた銀超微粒子分散液6を得た。
銀超微粒子分散液5および6を10℃で1ヶ月間経時させた。双方とも沈殿は生じておらず、分散安定性は高いものであったが、α−アミラーゼを加えない銀超微粒子分散液6は増粘し、流動性が低下していた。これに対し、α−アミラーゼを加えた銀超微粒子分散液5は経時前と同様の流動性を保持し、経時による増粘は観察されなかった。

Claims (2)

  1. 水を主体に含有する水性媒体中に水溶性銀塩、塩基性化合物、水溶性高分子化合物および還元剤を含有せしめた混合物であり、該混合物1Kgに対して、銀イオンに換算して0.9モル以上の水溶性銀塩と、該水溶性銀塩由来の銀イオンと等量以上の塩基性化合物を含有せしめた混合物を、メディアミルを用いて混練し還元反応を進める事で銀超微粒子分散液を製造する事を特徴とする銀超微粒子の製造方法。
  2. 前記水溶性高分子化合物および還元剤として多糖類を使用する事を特徴とする請求項1に記載の銀超微粒子の製造方法。
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