JP5140968B2 - ポリエステル樹脂組成物およびそれを用いたフィルム - Google Patents
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Description
1.500≦ナトリウムD線での屈折率≦1.570・・・(2)
0.5≦チタン原子≦50ppm・・・(3)
ゲル化率≦50%・・・(4)
(ゲル化率とは、ポリエステル樹脂組成物を、大気下、300℃×2.5hrの条件で加熱処理した後のオルト−クロロフェノール不溶分重量の全体に対する割合である。)
光弾性係数が大きい場合、フィルムに応力が作用した際に位相差が大きく変化するため、液晶ディスプレイ用途のフィルムには不適である。
(1)ポリエステルの熱特性(ガラス転移点、結晶融解熱量)
測定するサンプルを約10mg秤量し、アルミニウム製パン、パンカバーを用いて封入し、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製 DSC7型)によって測定した。測定においては窒素雰囲気中で20℃から285℃まで16℃/分の速度で昇温した後液体窒素を用いて急冷し、再び窒素雰囲気中で20℃から285℃まで16℃/分の速度で昇温する。この2度目の昇温過程でガラス転移点を測定した。
(2)ポリエステルの屈折率
ポリエステル樹脂組成物を溶融押し出しすることで厚さ100μmの未延伸シートを得る。ついで光源としてナトリウムD線を用い23℃の温度条件にて株式会社アタゴ製 「アッベ式屈折率計 NAR−4T」で屈折率を測定した。
(3)固有粘度
固有粘度はオルトクロロフェノールを溶媒とし、25℃で測定した。
(4)ゲル化率
ポリエステル樹脂組成物1gを凍結粉砕して直径300μm以下の粉体状とし真空乾燥する。この試料を、オーブン中で、大気下、300℃で2.5時間熱処理する。これを、50mlのオルトクロロフェノール(OCP)中、80〜150℃の温度で0.5時間溶解させる。続いて、ブフナー型ガラス濾過器(最大細孔の大きさ20〜30μm)で濾過し、洗浄・真空乾燥する。濾過前後の濾過器の重量の増分より、フィルターに残留したOCP不溶物の重量を算出し、OCP不溶物のポリエステル樹脂組成物重量(1g)に対する重量分率を求め、ゲル化率(%)とした。
(5)シクロヘキサンジカルボン酸のシス、トランス体比率
試料をメタノールで5〜6倍に希釈し、その希釈溶液を0.4μlを液体クロマトグラフィーで下記条件にて測定した。
装置:島津製LC−10ADvp
カラム:キャピラリーカラム Agilent Technologies社製DB−17(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)
昇温条件:初期温度110℃、初期時間25分、昇温速度6℃/min、最終温度200℃
(6)光弾性係数(×10−12Pa−1)
短辺1cm長辺7cmのサンプルを切り出した。このサンプルの厚みをd(μm)とする。このサンプルを(株)島津製作所社製TRANSDUCER U3C1−5Kを用いて、上下1cmずつをチェックに挟み長辺方向に1kg/mm2(9.81×106Pa)の張力(F)をかけた。この状態で、ニコン(株)社製偏光顕微鏡5892を用いて位相差R(nm)を測定した。光源としてはナトリウムD線(589nm)を用いた。これらの数値を光弾性係数=R/(d×F)にあてはめて光弾性係数を計算した。
(7)反射率
日立製作所製 分光光度計(U−3410 Spectrophotometer)にφ60積分球130−0632((株)日立製作所)および10°傾斜スペーサーを取り付け反射率のピーク値を測定した。なお、バンドパラメーターは2/servoとし、ゲインは3と設定し、187nm〜2600nmの範囲を120nm/min.の検出速度で測定した。また、反射率を基準化するため、標準反射板として付属のBaSO4板を用いた。なお、本評価法では相対反射率となるため、反射率は100%以上となる場合もある。
(8)剥離性
JIS K5600(2002年)に従って試験を行った。なお、フィルムを硬い素地とみなし、2mm間隔で25個の格子状パターンを切り込んだ。また、約75mmの長さに切ったテープを格子の部分に接着し、テープを60°に近い角度で0.5〜1.0秒の時間で引き剥がした。ここで、テープにはセキスイ製セロテープ(登録商標)No.252(幅18mm)を用いた。評価結果は、格子1つ分が完全に剥離した格子の数で表した。また、試験フィルムの厚みが100μmより薄い場合には、厚さ100μmの二軸延伸PETフィルム(東レ製“ルミラー”T60)に試験フィルムを接着剤で強固に貼りあわせしたサンプルを剥離試験に用いた。この際には、試験サンプルを貫通しないように試験サンプルの面に格子を切り込んでテストを実施した。剥離個数が4個以下を合格とした。
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた3Lのフラスコ中に温水(371g)にクエン酸・一水和物(532g、2.52モル)を溶解させた。この撹拌されている溶液に滴下漏斗からチタンテトライソプロポキシド(288g、1.00モル)をゆっくり加えた。この混合物を1時間加熱、還流させて曇った溶液を生成させ、これよりイソプロパノール/水混合物を真空下で蒸留した。その生成物を70℃より低い温度まで冷却し、そしてその撹拌されている溶液にNaOH(380g、3.04モル)の32重量/重量%水溶液を滴下漏斗によりゆっくり加えた。得られた生成物をろ過し、次いでエチレングリコール(504g、80モル)と混合し、そして真空下で加熱してイソプロパノール/水を除去し、わずかに曇った淡黄色の生成物(Ti含有量3.85重量%)を得た。
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた2Lのフラスコ中に撹拌されているチタンテトライソプロポキシド(285g、1.00モル)に滴下漏斗からエチレングリコール(218g、3.51モル)を加えた。添加速度は、反応熱がフラスコ内容物を約50℃に加温するように調節された。その反応混合物を15分間撹拌し、そしてその反応フラスコに乳酸アンモニウム(252g、2.00モル)の85重量/重量%水溶液を加えると、透明な淡黄色の生成物(Ti含有量6.54重量%)を得た。
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた2Lのフラスコ中に撹拌されているチタンテトライソプロポキシド(285g、1.00モル)に滴下漏斗からエチレングリコール(496g、8.00モル)を加えた。添加速度は、反応熱がフラスコ内容物を約50℃に加温するように調節された。その反応フラスコに、NaOH(125g、1.00モル)の32重量/重量%水溶液を滴下漏斗によりゆっくり加えて透明な黄色の液体を得た(Ti含有量4.44重量%)。
(ポリエステルの合成)
テレフタル酸ジメチルを67.6重量部、シス/トランス体比率が75/25である1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルを17.4重量部、エチレングリコールを54重量部、スピログリコールを20重量部、酢酸マンガン四水塩を0.04重量部、チタン触媒Aをチタン原子として10ppmとなるようにそれぞれ計量し、エステル交換反応装置に仕込んだ。内容物を150℃で溶解させて撹拌した。
ポリエステルAを真空乾燥したが、一部に塊状物が見られたため、これを崩してから、押出機に供給した。押出機に供給されたポリエステルは280℃で溶融されて金属不織布フィルターによって濾過されたのち、Tダイから溶融シートとして押し出した。溶融シートは静電印加法(電極は直径0.15ミリのタングステンワイヤーを使用)によって表面温度が25℃に制御された鏡面ドラム上で冷却固化され、未延伸シートとなった。該未延伸シートを用いて光弾性係数を測定した。
前記ポリエステルAおよびPET樹脂をそれぞれ真空乾燥した後、2台の押出機にそれぞれ供給した。
テレフタル酸ジメチル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、エチレングリコール、スピログリコールの量比およびチタン触媒の種類を変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステルを重合した。得られたポリエステル樹脂組成物からは結晶融解熱ピークは観察されなかった。さらに実施例1で重合したPET樹脂を用い、同様の条件で積層フィルムを得た。結果を表1に示す。実施例2,3はTgがPETよりもそれぞれ10℃以上異なるために積層フィルムを2軸延伸する際に若干のムラが発生したが本発明の範囲であったので満足すべき特性を示した。
テレフタル酸ジメチル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、エチレングリコール、スピログリコールの量比を変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステルを重合した。得られたポリエステル樹脂組成物からは結晶融解熱ピークは観察されなかった。さらに実施例1で重合したPET樹脂を用い、同様の条件で積層フィルムを得た。
実施例1で用いたポリエステルAおよびPET樹脂を用い、積層総数を251層とする以外は同様にして積層ポリエステルフィルムを製膜した。得られた積層ポリエステルフィルムの厚みは50μmであった。結果を表1に示す。積層数を実施例1の101層から251層と増加させたため光反射層が増え、優れた光反射性を示した。
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルのシス/トランス比率が50/50である1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルを用いる以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。結果を表1に示す。実施例1に比較して1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルのトランス比率が高いため、光弾性係数は実施例1よりも高い値となった。なお、該ポリマーの結晶融解ピークは観察されなかった。
実施例1のPET樹脂の重合において、シクロヘキサンジカルボン酸成分の代わりにイソフタル酸を15mol共重合し、スピログリコールは共重合せず、重縮合触媒として通常の三酸化アンチモン0.02wt%を使用して285℃で重合する以外は同様にしてポリエステルを重合し、積層フィルムを得た。結果を表1に示すが、脂環族ジカルボン酸成分、脂環族ジオール成分のいずれも含有しないために屈折率、光弾性係数が大きく、積層フィルムの反射率も小さいものであった。
実施例1のPET樹脂の重合において、シクロヘキサンジカルボン酸成分は共重合せず、スピログリコール成分の代わりにシクロヘキサンジメタノール成分を30mol共重合して、重縮合触媒として通常の三酸化アンチモン0.02wt%を使用して285℃で重合する以外は同様にしてポリエステルを重合し、積層フィルムを得た。結果を表1に示すが、屈折率は低下したものの、若干光弾性係数が大きく、積層フィルムの反射率も若干劣るものであった。
実施例1のPET樹脂の重合において、シクロヘキサンジカルボン酸成分は共重合せず、スピログリコール成分を30mol共重合して、重縮合触媒として通常の三酸化アンチモン0.02wt%を使用して285℃で重合する以外は同様にしてポリエステルを重合し、積層フィルムを得た。結果を表1に示すが、Tg、ゲル化率が非常に高く、積層フィルムの剥離性も劣るものであった。また、重縮合中に低分子量物の飛沫が多く、真空回路を少し閉塞し、真空度不良が発生した。
実施例1のPET樹脂の重合において、シクロヘキサンジカルボン酸成分を25mol共重合し、スピログリコールは共重合せず、重縮合触媒として通常の三酸化アンチモン0.02wt%を使用して285℃で重合する以外は同様にしてポリエステルを重合し、積層フィルムを得た。結果を表1に示すが、屈折率は目標範囲内であるが、Tgが下がり、積層フィルムの剥離性に劣り、反射率も小さいものであった。また、重縮合中に低分子量物の飛沫が多く、真空回路を少し閉塞し、真空度不良が発生した。
チタン触媒をチタン原子として100ppm添加し、重合温度を285℃とする以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。チタン原子が多量で、かつ高温での重合を実施したため非常にゲル化が促進され、また、その異物によって、多層フィルムにおける剥離性が劣るものであった。
Claims (10)
- 少なくともシクロへキサンジカルボン酸成分およびスピログリコール成分を含むポリエステル樹脂組成物であり、重縮合触媒としてチタン化合物を含有し、下記式(1)、(2)、(3)、(4)を満足するポリエステル樹脂組成物。
65℃≦示差走査熱量測定によるガラス転移点温度≦90℃・・・(1)
1.500≦ナトリウムD線での屈折率≦1.570・・・(2)
0.5≦チタン原子≦50ppm・・・(3)
ゲル化率≦50%・・・(4)
(ゲル化率とは、ポリエステル樹脂組成物を、大気下、300℃×2.5hrの条件で加熱処理した後のオルト−クロロフェノール不溶分重量の全体に対する割合である。) - チタン化合物がアルコキシ基、フェノキシ基、アシレート基、アミノ基および水酸基からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を有していることを特徴とする請求項1記載のポリエステル樹脂組成物。
- チタン化合物のアルコキシ基がβ−ジケトン系官能基、ヒドロキシカルボン酸系官能基およびケトエステル系官能基からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリエステル樹脂組成物。
- シクロヘキサンジカルボン酸成分を全ジカルボン酸成分中5〜80モル%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のポリエステル樹脂組成物。
- シクロへキサンジカルボン酸成分として立体異性体のシス、トランス体を含有し、トランス体の含有量が40%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のポリエステル樹脂組成物。
- スピログリコール成分を全ジオール成分中5〜80モル%含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のポリエステル樹脂組成物。
- ポリエステル繰り返し単位に含まれる芳香環モル数がポリエステル樹脂1kg当たりに換算して4.8モル以下である請求項1〜6のいずれか1項記載のポリエステル樹脂組成物。
- 重縮合反応時、重縮合温度を260〜280℃で実施することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物とポリエチレンテレフタレート樹脂組成物とを交互に積層した積層ポリエステルフィルム。
- 光反射率が90%以上である請求項9に記載の積層ポリエステルフィルム。
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